JP2002053512A - 高品質ビスフェノールaおよびその製造方法 - Google Patents

高品質ビスフェノールaおよびその製造方法

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JP2002053512A
JP2002053512A JP2000365122A JP2000365122A JP2002053512A JP 2002053512 A JP2002053512 A JP 2002053512A JP 2000365122 A JP2000365122 A JP 2000365122A JP 2000365122 A JP2000365122 A JP 2000365122A JP 2002053512 A JP2002053512 A JP 2002053512A
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bisphenol
eluent
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JP2000365122A
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English (en)
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Hideaki Nakamura
英昭 中村
Masasane Inomata
将実 猪俣
Toshisumi Miura
俊澄 三浦
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ビスフェノールAを原料として芳香
族ポリカーボネートを製造するとき、その製造時および
得られた芳香族ポリカーボネートを成形する際に着色し
ない芳香族ポリカーボネートを得るための高品質ビスフ
ェノールA及びその製造方法を提供することを課題とす
る。 【解決手段】ナトリウム含有量が80ppb以下、か
つ、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、鉛及びモリブデ
ンからなるA群の各元素含有量が50ppb以下である
高品質ビスフェノールA、又は1−ナフトール誘導体、
9,9’−ジメチルキサンテン、2−(4−ヒドロキシ
フェニル)−2,4,4−トリメチルクロマン、2,
2,4−トリメチルクロメン等の有機化合物の特定量以
下を含む高品質ビスフェノールA、及びこれら高品質ビ
スフェノールAの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高品質のビスフェ
ノールAおよびその製造方法に関し、より詳しくは、色
相が良好な芳香族ポリカーボネートを製造するための原
料であるビスフェノールAおよびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールA[2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン]は、通常、過剰のフェ
ノールとアセトンを均一酸または固体酸触媒の存在下に
反応させ、得られた反応混合物を冷却し、ビスフェノー
ルAとフェノールとの等モル付加物結晶(以下、アダク
ト)として反応混合物より分離した後、さらにフェノー
ルを除去することにより製造されている。このビスフェ
ノールAは種々のポリマーの製造原料として使用されて
いるが、近年特に、耐衝撃性および透明性に優れた芳香
族ポリカーボネートの需要が高まり、芳香族ポリカーボ
ネートにした際の着色が少ないビスフェノールAが要求
されている。
【0003】芳香族ポリカーボネートは耐衝撃性および
透明性に優れていることから、光学用途、特に光ディス
ク基盤として多用されている。光ディスクは近年の高密
度化・大容量化により、記録再生の信頼性に対する要望
が強くなっており、これに影響を及ぼす色相、透明性に
対する要望もますます高まってきている。芳香族ポリカ
ーボネートの製造方法としては主にホスゲン法とエステ
ル交換法が知られている。エステル交換法は、ホスゲン
法と比較して、ホスゲンのような有毒な物質を用いな
い、腐食性物質を副生しない等、ホスゲン法のような問
題点がないため、近年注目されている。しかしながら、
エステル交換法で得られる芳香族ポリカーボネートは、
高温で重合が行われるため、得られる生成物は一般的に
着色しやすいという問題があり、芳香族ポリカーボネー
トの製造方法の改良とともにビスフェノールAのさらな
る高品質化が要求されている。
【0004】着色等のない色相に優れたビスフェノール
Aそのものに関するものとして、ビスフェノールAにチ
オグリコール酸等の酸処理で脱色する方法(特公昭47
−43937号)、ビスフェノールAとフェノールとの
結晶アダクトをフェノールを用いて洗浄する際に、該洗
浄用フェノールとして工業用フェノールを、強酸型イオ
ン交換樹脂と接触させた後蒸留処理して得られる精製フ
ェノールを用いるビスフェノールAの製造方法(特開平
5−39239号)、次亜リン酸の添加および熱処理に
よりビスフェノールAを精製する方法(特開平7−23
8043号)、ビスフェノールに鉄イオン封鎖剤として
α―ヒドロキシポリカルボン酸を添加することによって
色安定化させる方法(特開平7−309796号)等が
ある。
【0005】しかしながら、上記のような方法で得られ
た色相が良好なビスフェノールAを使用した場合でも、
重合時および成形時における熱履歴により、得られたポ
リマー成形物は着色がみられ、光学用芳香族ポリカーボ
ネート等の色相について要求の厳しいポリマーの原料と
しては十分ではない。また、ポリマーの製造時や成形時
にポリマーが着色することを防止するためのポリマー原
料用ビスフェノールAとして、4,4’−ビスフェノー
ル類に2,4’−ビスフェノール類、トリスフェノール
類およびアルキル置換4,4’−ビスフェノール類から
選ばれた少なくとも1種のフェノール性化合物を合計で
50〜10,000重量ppmの範囲で含有することを
特徴とするポリマー原料用ビスフェノール類(特開平8
−245465号)がある。しかしながら、このような
ビスフェノールAを用いても、芳香族ポリカーボネート
にした場合の着色防止効果は十分ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の方法で得られたビスフェノールAでは、光ディスク等
の光学用ポリマー原料としては品質上問題があり、使用
には難点があった。従って、本発明は、芳香族ポリカー
ボネートの製造時および得られた芳香族ポリカーボネー
トを成形する際に着色しないビスフェノールAおよびそ
の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、ビスフェノールA中
に、ある特定の金属や有機物が一定量以上存在すると、
芳香族ポリカーボネート製造時に着色が見られ、また得
られた芳香族ポリカーボネートの成形の際にも着色が生
じ易いことを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、下記(a)〜(g)
の群から選ばれる高品質ビスフェノールAである。 (a)ナトリウム含有量が80ppb以下、かつ、鉄、
ニッケル、クロム、マンガン、鉛およびモリブデンから
なるA群の各元素含有量が50ppb以下である高品質
ビスフェノールA。
【0009】(b)吸着剤として細孔径100オングス
トロームの高純度球状シリカゲルにシリカゲル重量の1
5%のオクタデシル基を結合させた吸着剤を充填した、
内径4.6mm、長さ250mmのステンレス製カラム
を40℃に保持した高速液体クロマトグラフにより、溶
離液Aとして0.1%リン酸水溶液を、溶離液Bとして
アセトニトリルをそれぞれ使用し、測定開始時から測定
開始後5分までは溶離液A:溶離液Bの比率が1:1で
溶離液Aと溶離液Bの合計の流量が0.9ml/min
となるようにして測定を行い、合計の流量を一定にした
まま、測定開始後5分から溶離液Bの割合を連続的に増
加し、測定開始後55分までに溶離液A:溶離液Bの比
率が0:1となるように溶離液Bの割合を上昇させるグ
ラジエント操作を行い、波長254nmの紫外線検出器
によりビスフェノールAを分析したときに、15.5分
から24分までの間に溶離する化合物の吸収ピーク面積
の合計がビスフェノールAの吸収ピーク面積に対する割
合で2.0×10-3以下である高品質ビスフェノール
A。
【0010】(c)吸着剤として細孔径100オングス
トロームの高純度球状シリカゲルにシリカゲル重量の1
5%のオクタデシル基を結合させた吸着剤を充填した、
内径4.6mm、長さ250mmのステンレス製カラム
を40℃に保持した高速液体クロマトグラフにより、溶
離液Aとして0.1%リン酸水溶液を、溶離液Bとして
アセトニトリルをそれぞれ使用し、測定開始時から測定
開始後5分までは溶離液A:溶離液Bの比率が1:1で
溶離液Aと溶離液Bの合計の流量が0.9ml/min
となるように測定を行い、合計の流量を一定にしたま
ま、測定開始後5分から溶離液Bの割合を連続的に増加
し、測定開始後55分までに溶離液A:溶離液Bの比率
を0:1となるようにして溶離液Bの割合を連続的に上
昇させるグラジエント操作を行い、波長254nmの紫
外線検出器によりビスフェノールAを分析したときに、
22分から24分までの間に溶離する化合物の吸収ピー
ク面積の合計が、ビスフェノールAの吸収ピークの面積
に対し50ppm以下である高品質ビスフェノールA。
【0011】(d)下記一般式(1)(化1)で示され
る1−ナフトール誘導体の含有量の合計がビスフェノー
ルAに対し200ppm以下である高品質ビスフェノー
ルA。
【0012】
【化1】 (R、Rはそれぞれ1−ナフトールの2〜8位につ
いたメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基又はイソプロペニル基を表す)
【0013】(e)9,9’−ジメチルキサンテンの含
有量が2ppm以下である高品質ビスフェノールA。 (f)2−(4−ヒドロキシフェニル)−2,4,4−
トリメチルクロマンの含有量が50ppm以下である高
品質ビスフェノールA。 (g)2,2,4−トリメチルクロメンの含有量が5p
pm以下である高品質ビスフェノールA。
【0014】また本発明の一つは、フェノールとアセト
ンとを反応させてビスフェノールAを製造する方法にお
いて、フェノールとアセトンとの反応により得られた反
応液を吸着剤と接触させることを特徴とする、ナトリウ
ム含有量が80ppb以下であり、かつ、鉄、ニッケ
ル、クロム、マンガン、鉛およびモリブデンからなるA
群の各元素含有量が50ppb以下である高品質ビスフ
ェノールAの製造方法である。
【0015】さらに本発明の一つは、フェノールとアセ
トンとを反応させてビスフェノールAを生成させ、得ら
れた反応液からビスフェノールAとフェノールとの等モ
ル付加物結晶とフェノールを含む母液とに分離する方法
において、母液を吸着剤と接触させた後、反応器へ循環
することを特徴とする、ナトリウム含有量が80ppb
以下であり、かつ、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、
鉛およびモリブデンからなるA群の各元素含有量が50
ppb以下である高品質ビスフェノールAの製造方法で
ある。
【0016】
【発明の実施の形態】ビスフェノールAは一般的にアセ
トンと過剰のフェノールを酸触媒の存在下に脱水縮合反
応させて得ることができる。本発明のビスフェノールA
を製造する触媒については特に制限はなく、均一酸、固
体酸のどちらでもよい。
【0017】均一酸を用いる方法としては、触媒として
一般的に塩化水素、硫酸等が使用されるが、反応混合物
からの分離が容易なため塩化水素が好ましく用いられ
る。塩化水素を触媒として用いた場合、反応後、反応液
から触媒を分離するが、触媒分離工程後の塩化物イオン
濃度は10ppm以下、好ましくは1ppm以下とする
ことが好ましい。塩化物イオン濃度が10ppm以下で
あれば、触媒分離工程後の装置の腐食が少なく、ビスフ
ェノールAに混入する各金属成分が少なくなる。触媒の
分離方法としては、蒸留による除去、陰イオン交換樹脂
による吸着除去または蒸留後陰イオン交換樹脂により吸
着除去する方法等があり、いずれの方法を用いてもよい
が、蒸留後陰イオン交換樹脂により吸着除去するのが好
ましい。吸着除去に用いる陰イオン交換樹脂に特に制限
はなく、強塩基性イオン交換樹脂および弱塩基性イオン
交換樹脂のいずれも使用することができるが、好ましく
は、イオン交換樹脂の再生が容易なため弱塩基性イオン
交換樹脂を使用する。さらに好ましくは、耐熱性が高い
ピリジル基型弱塩基性イオン交換樹脂を使用する。
【0018】また、固体酸を用いる方法としては、触媒
として一般的にスルホン酸型陽イオン交換樹脂が使用さ
れる。さらに、スルホン酸型陽イオン交換樹脂の触媒活
性を向上させるために陽イオン交換樹脂と共にメルカプ
ト基含有化合物を反応系に存在させる方法が知られてい
る。陽イオン交換樹脂とメルカプト基含有化合物を共存
させる方法として、陽イオン交換樹脂のスルホン酸基の
一部をメルカプト基含有化合物とイオン結合または共有
結合で結合させる方法、および、陽イオン交換樹脂と化
学結合を形成しないメルカプト基含有化合物とスルホン
酸型陽イオン交換樹脂を充填した反応器に反応原料と共
に連続的に供給する方法があるが、いずれの方法を用い
てもよい。
【0019】固体酸触媒の他の例としては、スルホン酸
基含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水素基を共に
有する有機高分子シロキサンが挙げられる。触媒の例と
しては、特開平8−208545号、特開平9−110
989号および特開平10−225638号公報に記載
されているような、シロキサン結合からなるシリカマト
リックス中に部分的にスルホン酸基を有する炭化水素基
とメルカプト基を有する炭化水素基が直接シリカマトリ
ックス中のケイ素原子と炭素−ケイ素結合により結合し
た構造を有する有機高分子シロキサンである。
【0020】いずれの触媒を用いて得られた反応混合物
についても、触媒が分離され、必要に応じて反応生成
水、未反応アセトンおよび未反応フェノールの一部が除
去された後、冷却され、アダクト結晶の形でビスフェノ
ールAが分離される。さらに、このアダクト結晶である
ビスフェノールAとフェノールとの等モル付加物からフ
ェノールが除去され、ビスフェノールAが単離される。
【0021】このようにして得られるビスフェノールA
は、不純物として種々の無機元素及び有機化合物を含有
している。このビスフェノールAを芳香族ポリカーボネ
ートの製造原料に用いた場合、芳香族ポリカーボネート
製造時に着色が見られ、また得られた芳香族ポリカーボ
ネートの成形の際にも着色が生じ易い。従って、芳香族
ポリカーボネート製造時に着色のない、また得られた芳
香族ポリカーボネートの成形の際にも着色のない芳香族
ポリカーボネートを得るために、原料として用いられる
ビスフェノールA中に不純物として含まれる特定の無機
元素及び有機化合物を、一定量以下にする必要がある。
【0022】本発明の高品質ビスフェノールAは、下記
の(a)〜(g)の群から選ばれる。 (a)ナトリウム含有量が80ppb以下であり、か
つ、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、鉛およびモリブ
デンからなるA群の各元素含有量が50ppb以下であ
る高品質ビスフェノールA。
【0023】(b)吸着剤として細孔径100オングス
トロームの高純度球状シリカゲルにシリカゲル重量の1
5%のオクタデシル基を結合させた吸着剤を充填した、
内径4.6mm、長さ250mmのステンレス製カラム
を40℃に保持した高速液体クロマトグラフにより、溶
離液Aとして0.1%リン酸水溶液を、溶離液Bとして
アセトニトリルをそれぞれ使用し、測定開始時から測定
開始後5分までは溶離液A:溶離液Bの比率が1:1で
溶離液Aと溶離液Bの合計の流量が0.9ml/min
となるようにして測定を行い、合計の流量を一定にした
まま、測定開始後5分から溶離液Bの割合を連続的に増
加し、測定開始後55分までに溶離液A:溶離液Bの比
率が0:1となるように溶離液Bの割合を上昇させるグ
ラジエント操作を行い、波長254nmの紫外線検出器
によりビスフェノールAを分析したときに、15.5分
から24分までの間に溶離する化合物の吸収ピーク面積
の合計がビスフェノールAの吸収ピーク面積に対する割
合で2.0×10-3以下である高品質ビスフェノール
A。
【0024】(c)吸着剤として細孔径100オングス
トロームの高純度球状シリカゲルにシリカゲル重量の1
5%のオクタデシル基を結合させた吸着剤を充填した、
内径4.6mm、長さ250mmのステンレス製カラム
を40℃に保持した高速液体クロマトグラフにより、溶
離液Aとして0.1%リン酸水溶液を、溶離液Bとして
アセトニトリルをそれぞれ使用し、測定開始時から測定
開始後5分までは溶離液A:溶離液Bの比率が1:1で
溶離液Aと溶離液Bの合計の流量が0.9ml/min
となるように測定を行い、合計の流量を一定にしたま
ま、測定開始後5分から溶離液Bの割合を連続的に増加
し、測定開始後55分までに溶離液A:溶離液Bの比率
を0:1となるようにして溶離液Bの割合を連続的に上
昇させるグラジエント操作を行い、波長254nmの紫
外線検出器によりビスフェノールAを分析したときに、
22分から24分までの間に溶離する化合物の吸収ピー
ク面積の合計が、ビスフェノールAの吸収ピークの面積
に対し50ppm以下である高品質ビスフェノールA。
【0025】(d)下記式(1)(化2)で示される1
−ナフトール誘導体の含有量の合計がビスフェノールA
に対し200ppm以下である高品質ビスフェノール
A。
【0026】
【化2】 (R、Rはそれぞれ1−ナフトールの2〜8位につ
いたメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基又はイソプロペニル基を表す)
【0027】(e)9,9’−ジメチルキサンテンの含
有量が2ppm以下である高品質ビスフェノールA。 (f)2−(4−ヒドロキシフェニル)−2,4,4−
トリメチルクロマンの含有量が50ppm以下である高
品質ビスフェノールA。 (g)2,2,4−トリメチルクロメンの含有量が5p
pm以下である高品質ビスフェノールA。
【0028】本発明の高品質ビスフェノールAが、
(a)である場合、ナトリウム含有量は、50ppb以
下が好ましく、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、鉛及
びモリブデンからなるA群の各元素含有量は、20pp
b以下が好ましく、10ppb以下がさらに好ましい。
ビスフェノールAに含まれるナトリウムが80ppb以
下であり、かつ、A群の各元素が50ppb以下である
と、該ビスフェノールAを用いて芳香族ポリカーボネー
トを製造した時、得られる芳香族ポリカーボネートの着
色が改善され、さらには得られた芳香族ポリカーボネー
トの成形時の着色も改善される。
【0029】また、本発明の高品質ビスフェノールA
が、(a)である場合、上記A群の各元素の他に、ビス
フェノールAに含まれる銅、亜鉛、アルミニウム及びイ
ンジウムからなるB群の各元素含有量又はケイ素の含有
量を20ppb以下、好ましくは10ppb以下、さら
に好ましくは5ppb以下、および、チタンを1ppb
以下とすることにより、さらに効果的に芳香族ポリカー
ボネートの着色を改善することができる。
【0030】なお、本発明における各金属の含有量は、
フレームレス原子吸光法(電気加熱原子吸光法)により
測定される。各金属含有量測定のためにビスフェノール
Aの製造設備から採取する際の容器は、容器から各金属
が混入しないように十分に洗浄したものを用い、採取後
密栓をして分析を行うまで開封しないことが好ましい。
前処理から測定までの操作は清浄な環境で行うことによ
り、雰囲気中の各金属の混入を防ぐことができる。
【0031】本発明の高品質ビスフェノールAが(b)
である場合、後述の高速液体クロマトグラフィー分析に
より、15.5分から24分までの間に溶離する化合物
(以下化合物群Aという)の吸収ピーク面積の合計がビ
スフェノールAの吸収ピーク面積に対して、2×10-3
以下であり、好ましくは1×10-3以下である。化合物
群Aの吸収ピーク面積の合計がビスフェノールAの吸収
ピーク面積の2×10 -3以下であれば、芳香族ポリカー
ボネート製造時の着色が改善され、さらには得られた芳
香属ポリカーボネートの成形時の着色も改善される。
【0032】本発明の高品質ビスフェノールAが(c)
である場合、後述の高速液体クロマトグラフィー分析に
より、22分から24分までの間に溶離する化合物(以
下化合物群Bという)の吸収ピーク面積の合計がビスフ
ェノールAの吸収ピーク面積の50ppm以下であり、
好ましくは30ppm以下のものである。化合物群Bの
吸収ピーク面積の合計がビスフェノールAの吸収ピーク
面積の50ppm以下であれば、芳香族ポリカーボネー
ト製造時の着色が改善され、さらには得られた芳香属ポ
リカーボネートの成形時の着色も改善される。
【0033】また、化合物群Bの中で、分子量が307
以上309以下の化合物の吸収ピーク面積の合計がビス
フェノールAの吸収ピーク面積の20ppm以下、好ま
しくは10ppm以下とすることが好ましい。化合物群
Bの中でも特に307以上309以下の分子量を有する
化合物が芳香族ポリカーボネートの色相に対する影響が
大きく、該化合物が20ppm以下であれば芳香族ポリ
カーボネート製造時の着色が改善され、さらには得られ
た芳香族ポリカーボネートの成形時の着色も改善され
る。
【0034】なお、本発明において高速液体クロマトグ
ラフィーによる分析法の詳細は、以下のとおりである。
高速液体クロマトグラフ分析装置には特に制限はなく一
般的に市販されているものでよいが、溶離液の脱気が十
分に行えるような脱気装置を備え、送液ポンプにはグラ
ジエント操作が可能なダブルプランジャー式の低脈流ポ
ンプを用いる。また、分析カラムを一定温度で保温する
ために±0.1℃以内の範囲で温度制御ができるカラム
オーブン中に分析カラムを設置する。紫外線検出器とし
ては波長再現性±0.1nmの精度で測定できる紫外線
検出器を使用し、高品質ビスフェノールAが(b)、
(c)又は(d)の場合は波長254nmで、(e)又
は(g)の場合は波長200nmで、(f)の場合は波
長280nmで測定を行う。このような高速液体クロマ
トグラフ装置の一例として、島津製作所社製LC−10
A型高速液体クロマトグラフ分析装置が好適に用いるこ
とができる。
【0035】分析カラムは、吸着剤として細孔径100
オングストロームの高純度球状シリカゲルにシリカゲル
重量の15%のオクタデシル基を結合させた吸着剤、例
えば、ジーエルサイエンス社製イナートシルODS−3
型吸着剤を充填した、内径4.6mm、長さ250mm
のステンレス製カラムを使用する。この分析カラムをカ
ラムオーブンで40℃±0.1℃の温度範囲で保温して
分析を行う。
【0036】溶離液は、溶離液Aとして0.1%リン酸
水溶液を使用し、溶離液Bとしてアセトニトリルを使用
し、測定開始時から測定開始後5分未満までは溶離液
A:溶離液Bの比率を1:1、溶離液Aと溶離液Bの合
計の流量が0.9ml/minとなるように測定を行
い、合計の流量を一定にしたまま、測定開始後5分から
溶離液Bの割合を連続的に増加し、測定開始後55分ま
でに溶離液A:溶離液Bの比率を0:1となるように溶
離液Bの割合を連続的に上昇させるグラジエント操作を
行う。溶離液Aの0.1%リン酸水溶液は、JIS試薬
特級以上のリン酸を市販の高速液体クロマトグラフ用蒸
留水で0.1±0.0001(%)に希釈して使用す
る。溶離液Bのアセトニトリルには市販の高速液体クロ
マトグラフ用アセトニトリルを用いる。
【0037】本発明の高品質ビスフェノールAが(d)
である場合、上記式(1)で示される1−ナフトール誘
導体の含有量の合計がビスフェノールAに対し200p
pm以下であり、好ましくは100ppm以下であるビ
スフェノールAであり、このビスフェノールAに含まれ
る1−ナフトール誘導体の量が200ppm以下であれ
ば、芳香族ポリカーボネート製造時の着色が改善され、
さらには得られた芳香族ポリカーボネートの成形時の着
色も改善される。
【0038】式(1)で表される1−ナフトール誘導体
とは、具体的に5,7−ジメチル−1−ナフトール、
6,7−ジメチル−1−ナフトール、5,8−ジメチル
−1−ナフトール、6,8−ジメチル−1−ナフトー
ル、5−エチル−7−メチル−1−ナフトール、5−メ
チル−7−エチル−1−ナフトール、6−エチル−7−
メチル−1−ナフトール、6−メチル−7−エチル−1
−ナフトール、5,7−ジエチル−1−ナフトール、6,
7−ジエチル−1−ナフトール、5−n−プロピル−7
−メチル−1−ナフトール、6−n−プロピル−7−メ
チル−1−ナフトール、5−イソプロピル−7−メチル
−1−ナフトール、6−イソプロピル−7−メチル−1
−ナフトール、5−イソプロペニル−7−メチル−1−
ナフトール、6−イソプロペニル−7−メチル−1−ナ
フトール等が例示できる。
【0039】また、式(1)で表される1−ナフトール
誘導体の含有量の合計がビスフェノールAに対し200
ppm以下であると共に、前述の高速液体クロマトグラ
フィー分析法によりビスフェノールAを分析したとき
に、22分から24分までの間に溶離する化合物(以
下、化合物群Bという)の吸収ピーク面積の合計が、ビ
スフェノールAの吸収ピークの面積に対し50ppm以
下、さらに好ましくは30ppm以下であれば芳香族ポ
リカーボネートの着色が少なくなるので好ましい。
【0040】本発明の高品質ビスフェノールAが(e)
である場合、9,9’−ジメチルキサンテンの含有量が
2ppm以下、好ましくは1ppm以下である高品質ビ
スフェノールAであり、ビスフェノールAに含まれる
9,9’−ジメチルキサンテンの含有量が2ppm以下
であれば、芳香族ポリカーボネート製造時の着色が改善
され、さらには得られた芳香族ポリカーボネートの成形
時の着色も改善される。
【0041】本発明の高品質ビスフェノールAが(f)
である場合、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2,
4,4−トリメチルクロマンの含有量が50ppm以
下、好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは20
ppm以下であるビスフェノールAであり、このビスフ
ェノールAに含まれる2−(4−ヒドロキシフェニル)
−2,4,4−トリメチルクロマンの量が50ppm以
下であれば、芳香族ポリカーボネート製造時の着色が改
善され、さらには得られた芳香族ポリカーボネートの成
形時の着色も改善される。また、ビスフェノールA中の
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2,4,4−トリメ
チルクロマンの含有量が50ppm以下であると共に、
ナトリウム含有量が80ppb以下、かつ鉄、ニッケ
ル、クロム、マンガンおよび鉛からなるA群の各元素含
有量が50ppb以下、より好ましくは20ppb以
下、さらに好ましくは10ppb以下であれば芳香族ポ
リカーボネートの着色がより少なくなるので好ましい。
【0042】本発明の高品質ビスフェノールAが(g)
である場合、2,2,4−トリメチルクロメンの含有量
が5ppm以下、好ましくは2ppm以下であるビスフ
ェノールAであり、このビスフェノールAに含まれる
2,2,4−トリメチルクロメンの量が5ppm以下で
あれば、芳香族ポリカーボネート製造時の着色が改善さ
れ、さらには得られた芳香族ポリカーボネートの成形時
の着色も改善される。また、本発明の高品質ビスフェノ
ールAが(b)、(c)、(d)、(e)又は(g)で
ある場合、ビスフェノールAに含まれる鉄分を、好まし
くは50ppb以下、さらに好ましくは30ppb以
下、より好ましくは10ppb以下とすることにより芳
香族ポリカーボネートの色相の悪化を防ぐことができ
る。
【0043】本発明の(a)である高品質ビスフェノー
ルAを製造する方法としては、反応混合物から触媒を分
離し、必要に応じて未反応アセトンおよび反応生成水を
除去した後、反応液を吸着剤と接触させる方法が挙げら
れる。用いられる吸着剤の例としては、活性白土、珪藻
土、モンモリロナイト、モレキュラーシーブ、粘土鉱
物、活性炭、グラファイト、ハイドロタルサイト、キレ
ート樹脂、陽イオン交換樹脂等を挙げることができる。
また、反応混合物から、必要に応じて反応生成水および
未反応アセトンを除去した後冷却し、アダクト結晶を分
離した後の母液の少なくとも一部を前記吸着剤と接触さ
せてもナトリウムおよびA群の各元素含有量を減少させ
ることができる。
【0044】あるいは、反応混合物を冷却してアダクト
結晶を得る晶析操作は、ビスフェノールA製造プロセス
においては、通常1回または2回であるが、さらに晶析
操作回数を増やすことにより、最終的に得られるビスフ
ェノールA中のナトリウムおよびA群の各元素含有量を
低減することができる。また、上記操作を複数組み合わ
せて行っても良い。上記の各操作を行うことにより同時
にB群元素である銅、亜鉛、アルミニウムおよびインジ
ウム、さらにはケイ素、チタンも同時に低減することが
可能である。
【0045】本発明の(b)〜(g)である高品質ビス
フェノールAのように不純物としての有機化合物を減少
したビスフェノールAを製造する方法としては、ビスフ
ェノールA製造プロセスにおいて、通常1回または2回
行われる晶析操作の回数をさらに1回または2回増やす
方法が挙げられる。晶析の方法については特に制限はな
いが、晶析により析出したアダクト結晶と母液を分離し
た際に、アダクト結晶をフェノールで洗浄することが好
ましい。
【0046】芳香族ポリカーボネートは対衝撃性および
透明性に優れているため、光学用途、特に光ディスク基
盤に多く用いられているが、光ディスクは近年の高密度
化および大容量化により、記録再生の信頼性に対する要
望が強くなっている。光ディスクの記録再生の信頼性に
対して、原料である芳香族ポリカーボネートの色相が及
ぼす影響は大きく、芳香族ポリカーボネートは極力無色
透明であることが望ましい。一般的に、ポリマーの色相
評価には黄色度を表すb値が用いられ、b値が小さいほ
ど着色が少ないことを表している。光学用の芳香族ポリ
カーボネートとして好ましいb値は1.0以下、より好
ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.3以下であ
る。本発明の高品質のビスフェノールAを用いることに
より、上記範囲の色相を示す芳香族ポリカーボネートを
製造することができる。
【0047】本発明の高品質のビスフェノールAは、芳
香族ポリカーボネートの製造時または成形時において着
色が少なく、特に光学用途等の無色透明性が要求される
芳香族ポリカーボネートの原料として優れている。ま
た、芳香族ポリカーボネートの製造方法としては、ホス
ゲン法やエステル交換法等があるが、本発明のビスフェ
ノールAはいずれの方法にも使用できる。特に、通常着
色しやすいエステル交換法による芳香族ポリカーボネー
トの製造の際にも着色が抑制され好適に使用することが
できる。
【0048】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。なお、各分析は以下のように行った。 (1)各元素分析用検液の調整 クラス1,000のクリーンルーム内でビスフェノール
A5gを白金皿に精秤し、電気ヒーターで加熱して有機
物を昇華させた後、冷却し、硫酸を0.5ml添加し
て、再度加熱し、炭化させた後ガスバーナーで灰化し
た。放冷後、17%塩酸2mlを添加し加熱して残渣を
溶解し、さらに水を加えて加熱した後10mlに定容し
て検液とした。なお、前処理に用いる試薬は全て市販の
電子工業用を用い、器具は希硝酸等で十分な時間浸漬処
理した後、超純水により洗浄したものを用いた。
【0049】(2)各元素の分析 (1)で得られた検液をPERKIN ELMER社製
SIMAA6000型フレームレス原子吸光分析装置に
より分析を行った。 (3)各種有機化合物の定量 ビスフェノールA2gをアセトニトリル3mlに溶解
し、島津製作所製LC−10A型液体クロマトグラフを
用い、上述の方法に従い、2,2,4−トリメチルクロ
メン及び9,9’−ジメチルキサンテンは波長200n
mの、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2,4,4−
トリメチルクロマンは波長280nmの、その他の有機
化合物は254nmの紫外線検出器により定量した。 (4)芳香族ポリカーボネートのb値の測定 2mm厚のプレスシートのb値がスガ試験機社製HSC-5N
型カラーメーターを用いて透過法により測定された。
【0050】実施例1 塩化水素を触媒として、反応温度60℃、アセトンとフ
ェノールのモル比を1:6で反応させて反応混合物を得
た。この反応混合物を蒸留して塩化水素を除去し、さら
にスルホン酸型陽イオン交換樹脂と接触させた。この反
応混合物を45℃に冷却しアダクト結晶を析出させ、得
られたアダクト結晶と母液を分離した。このアダクト結
晶を40Torr、180℃で、ビスフェノールA中の
フェノール濃度が3%になるまでフェノールを除去し、
さらにスチームストリッピングによりフェノールを除去
しビスフェノールAを得た。このビスフェノールA中の
各元素含有量を表1(表1)に示す。このビスフェノー
ルA 102.6gとジフェニルカーボネート105.
9gを水酸化テトラメチルアンモニウムを触媒とし、1
5mmHgに減圧し、攪拌しながら240℃まで昇温し
て反応を行った。得られた反応物を薄膜型反応器で4m
mHg、260℃で反応を行いプレポリマーを得た。こ
のプレポリマーをさらに280℃、0.5mmHgで重
合を行いポリカーボネートを得た。得られたポリカーボ
ネートの極限粘度は0.35であり、b値は0.1であ
った。
【0051】実施例2 塩化水素を触媒として、反応温度60℃、アセトンとフ
ェノールのモル比を1:6で反応させて反応混合物を得
た。この反応混合物を蒸留して塩化水素を除去した後、
45℃に冷却しアダクト結晶を析出させ、得られたアダ
クト結晶と母液を分離した。分離された母液は全量の1
0%を系外へパージした後、スルホン酸型陽イオン交換
樹脂と接触させ反応器へ循環した。系内の有機不純物濃
度が一定になるまでこの状態を継続し、有機不純物濃度
が一定になったところで得られたアダクト結晶をフェノ
ールに溶解させ、45℃で再晶析を行い精製アダクトを
得た。この精製アダクトを40Torr、180℃で、
ビスフェノールA中のフェノール濃度が3%になるまで
フェノールを除去し、さらにスチームストリッピングに
よりフェノールを除去しビスフェノールAを得た。この
ビスフェノールA中の各元素含有量を表1(表1)に示
す。このビスフェノールAを原料として、実施例1と同
様にして重合を行ったところ、得られたポリカーボネー
トの極限粘度は0.35であり、b値は0.2であっ
た。
【0052】比較例1 塩化水素を除去した後の反応混合物の陽イオン交換樹脂
処理を行わなかった他は実施例1と同様にしてビスフェ
ノールAを得た。このビスフェノールA中の各元素含有
量を表1(表1)に示す。このビスフェノールAを原料
として、実施例1と同様にして重合を行ったところ、得
られたポリカーボネートの極限粘度は0.34であり、
b値は2.5であった。
【0053】比較例2 実施例1で得られたビスフェノールAに、0.01%水
酸化ナトリウム水溶液を添加し、ビスフェノールAに対
するナトリウムの含有量が100ppbとなるようにし
た。このビスフェノールAを溶融し十分に混合した後、
ジフェニルカーボネートと水酸化テトラメチルアンモニ
ウムを加え、実施例1と同様にして重合を行った。得ら
れたポリカーボネートの極限粘度は0.33であり、b
値は1.1であった。
【0054】比較例3〜7 0.01%水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、0.0
1%塩化鉄水溶液、0.01%塩化ニッケル水溶液、
0.01%塩化クロム水溶液、0.01%塩化マンガン
水溶液または0.01%硝酸鉛水溶液をそれぞれ添加
し、ビスフェノールA中のA群元素含有量が70ppb
となるようにした他は比較例2と同様にしてポリカーボ
ネートを得た。得られたポリカーボネートの極限粘度お
よびb値を表1(表1)に示す。
【0055】実施例3 ビスフェノールAに対するナトリウムの含有量を40p
pbとなるようにした他は比較例2と同様にしてポリカ
ーボネートを得た。得られたポリカーボネートの極限粘
度は0.34であり、b値は0.6であった。
【0056】実施例4〜13 A群元素の塩化物水溶液の添加量を調整し、ビスフェノ
ールA中のA群元素含有量が30ppbおよび15pp
bとなるようにした他は比較例3〜6と同様にしてポリ
カーボネートを得た。得られたポリカーボネートの極限
粘度およびb値を表1(表1)に示す。
【0057】実施例14〜17 0.01%水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、0.0
05%塩化銅水溶液、0.005%塩化亜鉛水溶液、
0.005%塩化アルミニウム水溶液または0.005
%塩化インジウム水溶液をそれぞれ添加し、ビスフェノ
ールA中のB群元素含有量が25ppbとなるようにし
た他は比較例2と同様にしてポリカーボネートを得た。
得られたポリカーボネートの極限粘度およびb値を表1
(表1)に示す。
【0058】実施例18 0.01%水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、0.0
01%塩化チタン水溶液を添加し、含有量が5ppbと
なるようにした他は比較例2と同様にしてポリカーボネ
ートを得た。得られたポリカーボネートの極限粘度およ
びb値を表1(表1)に示す。
【0059】
【表1】
【0060】実施例19 内面をガラスでライニングした反応器を用い、塩化水素
を触媒として、反応温度60℃、アセトンとフェノール
のモル比を1:6で反応させて反応混合物を得た。この
反応混合物を蒸留して塩化水素を除去し、さらにスルホ
ン酸型陽イオン交換樹脂と接触させた。この反応混合物
を45℃に冷却しアダクト結晶を析出させ、得られたア
ダクト結晶と母液を分離した。このアダクト結晶を40
Torr、180℃で、ビスフェノールA中のフェノー
ル濃度が3%になるまでフェノールを除去し、さらにス
チームストリッピングによりフェノールを除去しビスフ
ェノールAを得た。このビスフェノールA中の各元素含
有量を表2(表2)に示す。このビスフェノールA10
2.6gとジフェニルカーボネート105.9gを水酸
化テトラメチルアンモニウムを触媒とし、15mmHg
に減圧し、攪拌しながら240℃まで昇温して反応を行
った。得られた反応物を薄膜型反応器で4mmHg、2
60℃で反応を行いプレポリマーを得た。このプレポリ
マーをさらに280℃、0.5mmHgで重合を行いポ
リカーボネートを得た。得られたポリカーボネートの極
限粘度は0.35であり、b値は0.1であった。
【0061】実施例20 内面をガラスでライニングした反応器を用い、塩化水素
を触媒として、反応温度60℃、アセトンとフェノール
のモル比を1:6で反応させて反応混合物を得た。この
反応混合物を蒸留して塩化水素を除去した後、45℃に
冷却しアダクト結晶を析出させ、得られたアダクト結晶
と母液を分離した。分離された母液は全量の10%を系
外へパージした後、スルホン酸型陽イオン交換樹脂と接
触させ反応器へ循環した。系内の有機不純物濃度が一定
になるまでこの状態を継続し、有機不純物濃度が一定に
なったところで得られたアダクト結晶をフェノールに溶
解させ、45℃で再晶析を行い精製アダクトを得た。こ
の精製アダクトを40Torr、180℃で、ビスフェ
ノールA中のフェノール濃度が3%になるまでフェノー
ルを除去し、さらにスチームストリッピングによりフェ
ノールを除去しビスフェノールAを得た。このビスフェ
ノールA中の各元素含有量を表2(表2)に示す。この
ビスフェノールAを原料として、実施例19と同様にし
て重合を行ったところ、得られたポリカーボネートの極
限粘度は0.35であり、b値は0.2であった。
【0062】比較例8 塩化水素を除去した後の反応混合物の陽イオン交換樹脂
処理を行わなかった他は実施例19と同様にしてビスフ
ェノールAを得た。このビスフェノールA中の各元素含
有量を表2(表2)に示す。このビスフェノールAを原
料として、実施例19と同様にして重合を行ったとこ
ろ、得られたポリカーボネートの極限粘度は0.34で
あり、b値は2.5であった。
【0063】比較例9 実施例19で得られたビスフェノールAに、0.01%
水酸化ナトリウム水溶液を添加し、ビスフェノールAに
対するナトリウムの含有量が100ppbとなるように
した。このビスフェノールAを溶融し十分に混合した
後、ジフェニルカーボネートと水酸化テトラメチルアン
モニウムを加え、実施例19と同様にして重合を行っ
た。得られたポリカーボネートの極限粘度は0.33で
あり、b値は1.1であった。
【0064】比較例10〜14 0.01%水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、0.0
1%塩化鉄水溶液、0.01%塩化ニッケル水溶液、
0.01%塩化クロム水溶液、0.01%塩化マンガン
水溶液または0.01%モリブデン酸ナトリウム水溶液
をそれぞれ添加し、ビスフェノールA中のA群元素含有
量が70ppbとなるようにした他は比較例9と同様に
してポリカーボネートを得た。得られたポリカーボネー
トの極限粘度およびb値を表2(表2)に示す。
【0065】実施例21 ビスフェノールAに対するナトリウムの含有量を40p
pbとなるようにした他は比較例9と同様にしてポリカ
ーボネートを得た。得られたポリカーボネートの極限粘
度は0.34であり、b値は0.6であった。
【0066】実施例22〜31 A群元素の塩化物水溶液の添加量を調整し、ビスフェノ
ールA中のA群元素含有量が30ppbおよび15pp
bとなるようにした他は比較例10〜13と同様にして
ポリカーボネートを得た。得られたポリカーボネートの
極限粘度およびb値を表2(表2)に示す。
【0067】実施例32 0.01%水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、0.0
05%メタケイ酸ナトリウム水溶液を添加し、含有量が
25ppbとなるようにした他は比較例9と同様にして
ポリカーボネートを得た。得られたポリカーボネートの
極限粘度およびb値を表2(表2)に示す。
【0068】
【表2】
【0069】実施例33 システアミンで全スルホン酸基の15%を変性した架橋
度4%のスルホン酸型イオン交換樹脂を触媒として、反
応温度75℃、アセトンとフェノールのモル比を1:1
1で反応させて反応混合物を得た。この反応混合物を4
5℃に冷却しアダクト結晶を析出させ(晶析1回目)、
得られたアダクト結晶と母液を分離した。分離された母
液は全量の10%を系外へパージした後水を除去し反応
器へ循環した。系内の有機不純物濃度が一定になるまで
この状態を継続し、有機不純物濃度が一定になったとこ
ろで得られたアダクト結晶をフェノールに溶解させ、4
5℃で再晶析を行い(晶析2回目)アダクト結晶を得
た。このアダクト結晶をさらにフェノールに溶解させて
3回目の晶析を行い、得られたアダクト結晶を40To
rr、180℃でビスフェノールA中のフェノール濃度
が3%になるまでフェノールを除去し、さらにスチーム
ストリッピングによりフェノールを除去しビスフェノー
ルAを得た。得られたビスフェノールAを液体クロマト
グラフにより分析した。また、得られたビスフェノール
Aの鉄分析を行った。このビスフェノールA 102.
6gとジフェニルカーボネート105.9gとをテトラ
メチルアンモニウムを触媒とし、15mmHgに減圧
し、攪拌しながら240℃まで昇温して反応を行った。
得られた反応物を薄膜型反応器で4mmHg、260℃
で反応を行いプレポリマーを得た。このプレポリマーを
さらに280℃、0.5mmHgで重合を行い芳香族ポ
リカーボネートを得た。この結果、得られた芳香族ポリ
カーボネートの極限粘度[η]は0.35、ポリマーの
色相を表すb値は0であった。結果を表3(表3)に示
す。
【0070】比較例15 晶析の回数を2回にした他は実施例33と同様にしてビ
スフェノールAを得た。得られたビスフェノールAの液
体クロマトグラフによる分析を行った。また、鉄分析を
行ったところ25ppbであった。さらに、このビスフ
ェノールAを用いて実施例33と同様にして芳香族ポリ
カーボネートを重合したところ、得られた芳香族ポリカ
ーボネートの極限粘度は0.34、ポリマーの色相を表
すb値は1.5だった。結果を表3(表3)に示す。
【0071】
【表3】
【0072】実施例34、35 実施例33で得られたビスフェノールAに対して、実施
例33で得られた反応液から分取クロマトグラフにより
分取した化合物群Aを添加し、化合物群Aの液体クロマ
トグラフによる吸収ピーク面積の合計がビスフェノール
Aの吸収ピーク面積に対してそれぞれ0.9×1
−3、1.5×10−3となるように添加した他は実
施例33と同様にして芳香族ポリカーボネートを重合し
たところ、得られた芳香族ポリカーボネートの極限粘度
はそれぞれ0.35、0.35で、b値はそれぞれ0.
2、0.6であった。
【0073】比較例16 化合物群Aの添加量を、化合物群Aの液体クロマトグラ
フによる吸収ピーク面積の合計がビスフェノールAの吸
収ピーク面積に対して2.5×10−3となるように添
加した他は実施例34と同様にして芳香族ポリカーボネ
ートを重合したところ、得られた芳香族ポリカーボネー
トの極限粘度は0.34でb値は1.1であった。
【0074】実施例36 システアミンで全スルホン酸基の17%を変性した架橋
度4%のスルホン酸型イオン交換樹脂を触媒として、反
応温度80℃、アセトンとフェノールのモル比を1:1
1で反応させて反応混合物を得た。この反応混合物を4
5℃に冷却しアダクト結晶を析出させ(晶析1回目)、
得られたアダクト結晶と母液を分離した。分離された母
液は全量の10%を系外へパージした後水を除去し反応
器へ循環した。系内の有機不純物濃度が一定になるまで
この状態を継続し、有機不純物濃度が一定になったとこ
ろで得られたアダクト結晶をフェノールに溶解させ、4
5℃で再晶析を行い(晶析2回目)アダクト結晶を得
た。このアダクト結晶をさらにフェノールに溶解させて
3回目の晶析を行い、得られたアダクト結晶を40To
rr、180℃でビスフェノールA中のフェノール濃度
が3%になるまでフェノールを除去し、さらにスチーム
ストリッピングによりフェノールを除去しビスフェノー
ルAを得た。得られたビスフェノールAを液体クロマト
グラフにより分析したところ、化合物群Bの吸収ピーク
面積の合計はビスフェノールAの吸収ピーク面積に対し
て15ppmであった。尚、化合物群Bのうち検出され
た分子量308の化合物の吸収ピーク面積は、ビスフェ
ノールAの吸収ピーク面積に対して9ppmであった。
また、得られたビスフェノールAの鉄分析を行った。こ
のビスフェノールA102.6gとジフェニルカーボネ
ート105.9gをテトラメチルアンモニウムを触媒と
し、15mmHgに減圧し、攪拌しながら240℃まで
昇温して反応を行った。得られた反応物を薄膜型反応器
で4mmHg、260℃で反応を行いプレポリマーを得
た。このプレポリマーをさらに280℃、0.5mmH
gで重合を行いポリカーボネートを得た。この結果、得
られたポリカーボネートの極限粘度[η]は0.35、
ポリマーの色相を表すb値は0.1であった。結果を表
4(表4)に示す。
【0075】比較例17 晶析の回数を2回にした他は実施例36と同様にしてビ
スフェノールAを得た。得られたビスフェノールAを液
体クロマトグラフにより分析したところ、化合物群Bの
吸収ピーク面積の合計はビスフェノールAの吸収ピーク
面積に対して88ppmであった。尚、化合物群Bのう
ち検出された分子量308の化合物の吸収ピーク面積
は、ビスフェノールAの吸収ピーク面積に対して53p
pmであった。また、鉄分析を行ったところ25ppb
であった。さらに、このビスフェノールAを用いて実施
例36と同様にしてポリカーボネートを重合したとこ
ろ、得られたポリカーボネートの極限粘度は0.34、
ポリマーの色相を表すb値は1.7だった。結果を表4
(表4)に示す。
【0076】
【表4】
【0077】実施例37、38 実施例36で得られたビスフェノールAに対して、実施
例36で得られた反応液から分取クロマトグラフにより
分取した化合物群Bを添加し、化合物群Bの合計量がビ
スフェノールAに対してそれぞれ25、40ppmとな
るように添加した他は実施例36と同様にして芳香族ポ
リカーボネートを重合したところ、得られたポリカーボ
ネートの極限粘度はそれぞれ0.35、0.35で、b
値はそれぞれ0.2、0.6であった。
【0078】比較例18 化合物群Bの添加量を化合物群Bの合計量がビスフェノ
ールAに対して70ppmとなるように添加した他は実
施例37と同様にして芳香族ポリカーボネートを重合し
たところ、得られたポリカーボネートの極限粘度は0.
34でb値は1.2であった。
【0079】実施例39 システアミンで全スルホン酸基の15%を変性したスル
ホン酸型イオン交換樹脂を触媒として、反応温度75
℃、アセトンとフェノールのモル比を1:12で反応さ
せて反応混合物を得た。この反応混合物を45℃に冷却
しアダクト結晶を析出させ(晶析1回目)、得られたア
ダクト結晶と母液を分離した。分離された母液は全量の
10%を系外へパージした後水を除去し反応器へ循環し
た。系内の有機不純物濃度が一定になるまでこの状態を
継続し、有機不純物濃度が一定になったところで得られ
たアダクト結晶をフェノールに溶解させ、45℃で再晶
析を行い(晶析2回目)アダクト結晶を得た。このアダ
クト結晶をさらにフェノールに溶解させて3回目の晶析
を行い、得られたアダクト結晶を40Torr、180
℃でビスフェノールA中のフェノール濃度が3%になる
までフェノールを除去し、さらにスチームストリッピン
グによりフェノールを除去しビスフェノールAを得た。
得られたビスフェノールAを液体クロマトグラフにより
分析した結果、1−ナフトール誘導体として、5,7−
ジメチル−1−ナフトールと6,7−ジメチル−1−ナ
フトールが検出され、その合計は46ppmであった。
また、化合物群Bおよび鉄の分析を行ったところ、それ
ぞれ、11ppm、2ppbであった。このビスフェノ
ールA 102.6gとジフェニルカーボネート10
5.9gをテトラメチルアンモニウムを触媒とし、15
mmHgに減圧し、攪拌しながら240℃まで昇温して
反応を行った。得られた反応物を薄膜型反応器で4mm
Hg、260℃で反応を行いプレポリマーを得た。この
プレポリマーをさらに280℃、0.5mmHgで重合
を行いポリカーボネートを得た。この結果、得られたポ
リカーボネートの極限粘度[η]は0.35、ポリマー
の色相を表すb値は0であった。結果を表5(表5)に
示す。
【0080】比較例19 晶析の回数を2回にした他は実施例39と同様にしてビ
スフェノールAを得た。得られたビスフェノールAを実
施例39と同様に液体クロマトグラフにより分析した結
果、1−ナフトール誘導体の合計として294ppmで
あった。また、化合物群Bおよび鉄の分析を行ったとこ
ろ、それぞれ、72ppm、22ppbであった。さら
に、このビスフェノールAを用いて実施例39と同様に
してポリカーボネートを重合したところ、得られたポリ
カーボネートの極限粘度は0.36、ポリマーの色相を
表すb値は1.5だった。結果を表5(表5)に示す。
【0081】実施例40、41 実施例39で得られたビスフェノールAに対して、実施
例39で得られた反応液から分取クロマトグラフにより
分取した5,7−ジメチル−1−ナフトールを添加し、
1−ナフトール誘導体の合計量がビスフェノールAに対
してそれぞれ80、150ppmとなるように添加した
他は実施例39と同様にして芳香族ポリカーボネートを
重合したところ、得られたポリカーボネートの極限粘度
はそれぞれ0.35、0.36で、b値はそれぞれ0.
2、0.7であった。
【0082】比較例20 5,7−ジメチル−1−ナフトールの添加量を1−ナフ
トール誘導体の合計量がビスフェノールAに対して25
0ppmとなるように添加した他は実施例40と同様に
して芳香族ポリカーボネートを重合したところ、得られ
たポリカーボネートの極限粘度は0.35でb値は1.
1であった。
【0083】実施例42 5,7−ジメチル−1−ナフトールの代わりに、6,7
−ジメチル−1−ナフトールを1−ナフトール誘導体の
合計量がビスフェノールAに対して80ppmとなるよ
うに添加した他は実施例40と同様にして芳香族ポリカ
ーボネートを重合したところ、得られたポリカーボネー
トの極限粘度は0.35で、b値は0.3であった。
【0084】比較例21 6,7−ジメチル−1−ナフトールの添加量を1−ナフ
トール誘導体の合計量がビスフェノールAに対して25
0ppmとなるように添加した他は実施例40と同様に
して芳香族ポリカーボネートを重合したところ、得られ
たポリカーボネートの極限粘度は0.35でb値は1.
2であった。
【0085】
【表5】
【0086】実施例43 アセトンとフェノールのモル比が1:5、水3%の混合
物をガラス製反応器に仕込み、50℃に保温した。この
状態で、混合物中に塩化水素ガスを吹き込み反応を開始
させた。ほぼ全てのアセトンが反応で消費された後、反
応混合物を蒸留により塩化水素ガスを除去し、濃度が3
%になるように水を加えた後45℃に冷却しアダクト結
晶を析出させ(晶析1回目)、得られたアダクト結晶と
母液を分離した。得られたアダクト結晶をフェノールに
溶解させ、45℃で再晶析を行い(晶析2回目)得られ
たアダクト結晶を40Torr、180℃でビスフェノ
ールA中のフェノール濃度が3%になるまでフェノール
を除去し、さらにスチームストリッピングによりフェノ
ールを除去しビスフェノールAを得た。得られたビスフ
ェノールA中の9,9’−ジメチルキサンテン含有量お
よび鉄含有量を表6に示す。このビスフェノールA 5
10.8gとジフェニルカーボネート530.0gをテ
トラメチルアンモニウムを触媒とし、15mmHgに減
圧し、攪拌しながら240℃まで昇温して反応を行っ
た。得られた反応物を薄膜型反応器で4mmHg、26
0℃で反応を行いプレポリマーを得た。このプレポリマ
ーをさらに280℃、0.5mmHgで重合を行いポリ
カーボネートを得た。この結果、得られたポリカーボネ
ートの極限粘度[η]は0.35、ポリマーの色相を表
すb値は0.1であった。結果を表6(表6)に示す。
【0087】比較例22 晶析の回数を1回にした他は実施例43と同様にしてビ
スフェノールAを得た。得られたビスフェノールA中の
9,9’−ジメチルキサンテンおよび鉄含有量を表6に
示す。また、異性体である2,4'− ビスフェノールA
含有量は270ppmであり、市販のビスフェノールA
とほぼ同等の含有量であった。さらに、このビスフェノ
ールAを用いて実施例43と同様にしてポリカーボネー
トを重合したところ、得られたポリカーボネートの極限
粘度は0.35、ポリマーの色相を表すb値は2.5だ
った。結果を表6(表6)に示す。
【0088】実施例44 実施例43で得られたビスフェノールAと、実施例43
で得られた晶析1回目の母液から分取クロマトグラフに
より分取し、精製した9,9’−ジメチルキサンテンを
用いて、ビスフェノールA中の9,9’−ジメチルキサ
ンテンが1.6ppmとなるように添加した他は実施例
43と同様にして芳香族ポリカーボネートを重合した。
この結果を表6(表6)に示す。
【0089】比較例23 ビスフェノールA中の9,9’−ジメチルキサンテンの
含有量が3ppmとなるように添加した他は実施例44
と同様にして芳香族ポリカーボネートを重合した。この
結果を表6(表6)に示す。
【0090】実施例45 実施例43で得られたビスフェノールAに、0.01%
塩化鉄(III)水溶液を添加し、ビスフェノールA中の
鉄の含有量が70ppbとなるようにした。このビスフ
ェノールAを溶融し十分に混合した後、ジフェニルカー
ボネートと水酸化テトラメチルアンモニウムを加え、実
施例43と同様にして重合を行った。この結果を表6に
示す。
【0091】
【表6】
【0092】実施例46 システアミンで全スルホン酸基の10%を変性したスル
ホン酸型イオン交換樹脂を触媒として、反応温度80
℃、アセトンとフェノールのモル比を1:12で反応さ
せて反応混合物を得た。この反応混合物を45℃に冷却
しアダクト結晶を析出させ(晶析1回目)、得られたア
ダクト結晶と母液を分離した。分離された母液は全量の
10%を系外へパージした後水を除去し反応器へ循環し
た。系内の有機不純物濃度が一定になるまでこの状態を
継続し、有機不純物濃度が一定になったところで得られ
たアダクト結晶をフェノールに溶解させ、45℃で再晶
析を行い(晶析2回目)アダクト結晶を得た。このアダ
クト結晶をさらにフェノールに溶解させて3回目の晶析
を行い、得られたアダクト結晶を40Torr、180
℃でビスフェノールA中のフェノール濃度が3%になる
までフェノールを除去し、さらにスチームストリッピン
グによりフェノールを除去しビスフェノールAを得た。
得られたビスフェノールA中の2-(4-ヒドロキシフェニ
ル)-2,4,4-トリメチルクロマン含有量および各A群元
素の含有量を表7(表7)に示す。このビスフェノール
A 102.8gとジフェニルカーボネート106.0
gを、テトラメチルアンモニウムを触媒とし、15mm
Hgに減圧し、攪拌しながら240℃まで昇温して反応
を行った。得られた反応物を薄膜型反応器で4mmH
g、260℃で反応を行いプレポリマーを得た。このプ
レポリマーをさらに280℃、0.5mmHgで重合を
行いポリカーボネートを得た。この結果、得られたポリ
カーボネートの極限粘度[η]は0.38、ポリマーの
色相を表すb値は0.1であった。結果を表7(表7)
に示す。
【0093】比較例24 晶析の回数を2回にした他は実施例46と同様にしてビ
スフェノールAを得た。得られたビスフェノールA中の
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2,4,4-トリメチルクロマン
および各A群元素の含有量を表7に示す。また、異性体
である2,4'− ビスフェノールA含有量は200pp
mであり、市販のビスフェノールAとほぼ同等の含有量
であった。さらに、このビスフェノールAを用いて実施
例46と同様にしてポリカーボネートを重合したとこ
ろ、得られたポリカーボネートの極限粘度は0.37、
ポリマーの色相を表すb値は2.0だった。結果を表7
(表7)に示す。
【0094】実施例47、48 実施例46で得られたビスフェノールAと、実施例46
で得られた晶析1回目の母液から分取クロマトグラフに
より分取した2-(4-ヒドロキシフェニル)-2,4,4-トリメ
チルクロマンを用いて、ビスフェノールA中の2-(4-ヒ
ドロキシフェニル)-2,4,4-トリメチルクロマンの含有
量がそれぞれ25、40ppmとなるように添加した他
は実施例46と同様にして芳香族ポリカーボネートを重
合した。この結果を表7(表7)に示す。
【0095】比較例25 ビスフェノールA中の2-(4-ヒドロキシフェニル)-2,4,
4-トリメチルクロマン含有量が60ppmとなるように
添加した他は実施例47と同様にして芳香族ポリカーボ
ネートを重合した。この結果を表7(表7)に示す。
【0096】実施例49 実施例46で得られたビスフェノールAに、0.01%
水酸化ナトリウム水溶液を添加し、ビスフェノールA中
のナトリウムの含有量が90ppbとなるようにした。
このビスフェノールAを溶融し十分に混合した後、ジフ
ェニルカーボネートと水酸化テトラメチルアンモニウム
を加え、実施例46と同様にして重合を行った。この結
果を表7(表7)に示す。
【0097】実施例50〜54 0.01%水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、0.0
1%塩化鉄(III)水溶液、0.01%塩化ニッケル(I
I)水溶液、0.01%塩化クロム(III)水溶液、0.
01%塩化マンガン(II)水溶液または0.01%硝酸
鉛(II)水溶液をそれぞれ添加し、ビスフェノールA中
のA群元素含有量が60ppbとなるようにした他は実
施例49と同様にしてポリカーボネートを得た。この結
果を表7(表7)に示す。
【0098】実施例55 ビスフェノールA中のナトリウムの含有量が40ppb
となるようにした他は実施例49と同様にしてポリカー
ボネートを得た。この結果を表7(表7)に示す。
【0099】実施例56〜65 A群元素を含む水溶液の添加量を調整し、ビスフェノー
ルA中のA群元素含有量が30ppbおよび15ppb
となるようにした他は実施例50〜54と同様にしてポ
リカーボネートを得た。この結果を表7(表7)に示
す。
【0100】
【表7】
【0101】実施例66 アセトンとフェノールのモル比が1:5、水3%の混合
物をガラス製反応器に仕込み、55℃に保温した。この
状態で、混合物中に塩化水素ガスを吹き込み反応を開始
させた。ほぼ全てのアセトンが反応で消費された後、反
応混合物を蒸留により塩化水素ガスを除去し、濃度が3
%になるように水を加えた後45℃に冷却しアダクト結
晶を析出させ(晶析1回目)、得られたアダクト結晶と
母液を分離した。得られたアダクト結晶をフェノールに
溶解させ、45℃で再晶析を行い(晶析2回目)得られ
たアダクト結晶を40Torr、180℃でビスフェノ
ールA中のフェノール濃度が3%になるまでフェノール
を除去し、さらにスチームストリッピングによりフェノ
ールを除去しビスフェノールAを得た。得られたビスフ
ェノールA中の2,2,4−トリメチルクロメン含有量
および鉄含有量を表8(表8)に示す。このビスフェノ
ールA510gとジフェニルカーボネート530gをテ
トラメチルアンモニウムを触媒とし、15mmHgに減
圧し、攪拌しながら240℃まで昇温して反応を行っ
た。得られた反応物を薄膜型反応器で4mmHg、26
0℃で反応を行いプレポリマーを得た。このプレポリマ
ーをさらに280℃、0.5mmHgで重合を行いポリ
カーボネートを得た。この結果、得られたポリカーボネ
ートの極限粘度[η]は0.35、ポリマーの色相を表
すb値は0.1であった。結果を表8(表8)に示す。
【0102】比較例26 晶析の回数を1回にした他は実施例66と同様にしてビ
スフェノールAを得た。得られたビスフェノールA中の
2,2,4−トリメチルクロメンおよび鉄含有量を表8
に示す。また、異性体である2,4'− ビスフェノール
A含有量は290ppmであり、市販のビスフェノール
Aとほぼ同等の含有量であった。さらに、このビスフェ
ノールAを用いて実施例66と同様にしてポリカーボネ
ートを重合したところ、得られたポリカーボネートの極
限粘度は0.35、ポリマーの色相を表すb値は2.5
だった。結果を表8(表8)に示す。
【0103】実施例67 実施例66で得られたビスフェノールAに対して、実施
例66で得られた晶析1回目母液から分取クロマトグラ
フにより分取した2,2,4−トリメチルクロメンを添
加し、ビスフェノールA中の2,2,4−トリメチルク
ロメンが3ppmとなるように添加した他は実施例66
と同様にして芳香族ポリカーボネートを重合した。この
結果を表8(表8)に示す。
【0104】比較例27 ビスフェノールA中の2,2,4−トリメチルクロメン
の添加量が7ppmとなるように添加した他は実施例6
7と同様にして芳香族ポリカーボネートを重合した。こ
の結果を表8(表8)に示す。
【0105】実施例68、69 実施例66で得られたビスフェノールAに、0.01%
塩化鉄(III)水溶液を添加し、ビスフェノールA中の
鉄の含有量がそれぞれ20、70ppbとなるようにし
た。このビスフェノールAを溶融し十分に混合した後、
ジフェニルカーボネートと水酸化テトラメチルアンモニ
ウムを加え、実施例66と同様にして重合を行った。こ
の結果を表8(表8)に示す。
【0106】
【表8】
【0107】
【発明の効果】本発明の高品質のビスフェノールAは、
これを原料として製造され、成形される芳香族ポリカー
ボネートの着色が少なく、特に透明性や色相に対する要
求が厳しい光ディスク等の光学用途のポリマー原料とし
て有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平11−344097 (32)優先日 平成11年12月3日(1999.12.3) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平11−344098 (32)優先日 平成11年12月3日(1999.12.3) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−161483(P2000−161483) (32)優先日 平成12年5月31日(2000.5.31) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−161484(P2000−161484) (32)優先日 平成12年5月31日(2000.5.31) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−161485(P2000−161485) (32)優先日 平成12年5月31日(2000.5.31) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 三浦 俊澄 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB46 AD17 FC52 FE13 4J029 AA09 AB07 AC01 AD10 AE04 AE05 BB13A HC05A JB113 JB193 JF033 JF073 JF183 JF223 JF243 JF323 JF383 JF513 JF543 JF563 KA03

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)〜(g)の群から選ばれる高品
    質ビスフェノールA: (a)ナトリウム含有量が80ppb以下であり、か
    つ、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、鉛及びモリブデ
    ンからなるA群の各元素含有量が50ppb以下である
    高品質ビスフェノールA、(b)吸着剤として細孔径1
    00オングストロームの高純度球状シリカゲルにシリカ
    ゲル重量の15%のオクタデシル基を結合させた吸着剤
    を充填した、内径4.6mm、長さ250mmのステン
    レス製カラムを40℃に保持した高速液体クロマトグラ
    フにより、溶離液Aとして0.1%リン酸水溶液を、溶
    離液Bとしてアセトニトリルをそれぞれ使用し、測定開
    始時から測定開始後5分までは溶離液A:溶離液Bの比
    率が1:1で溶離液Aと溶離液Bの合計の流量が0.9
    ml/minとなるようにして測定を行い、合計の流量
    を一定にしたまま、測定開始後5分から溶離液Bの割合
    を連続的に増加し、測定開始後55分までに溶離液A:
    溶離液Bの比率が0:1となるように溶離液Bの割合を
    上昇させるグラジエント操作を行い、波長254nmの
    紫外線検出器によりビスフェノールAを分析したとき
    に、15.5分から24分までの間に溶離する化合物の
    吸収ピーク面積の合計がビスフェノールAの吸収ピーク
    面積に対する割合で2.0×10-3以下である高品質ビ
    スフェノールA、(c)吸着剤として細孔径100オン
    グストロームの高純度球状シリカゲルにシリカゲル重量
    の15%のオクタデシル基を結合させた吸着剤を充填し
    た、内径4.6mm、長さ250mmのステンレス製カ
    ラムを40℃に保持した高速液体クロマトグラフによ
    り、溶離液Aとして0.1%リン酸水溶液を、溶離液B
    としてアセトニトリルをそれぞれ使用し、測定開始時か
    ら測定開始後5分までは溶離液A:溶離液Bの比率が
    1:1で溶離液Aと溶離液Bの合計の流量が0.9ml
    /minとなるように測定を行い、合計の流量を一定に
    したまま、測定開始後5分から溶離液Bの割合を連続的
    に増加し、測定開始後55分までに溶離液A:溶離液B
    の比率を0:1となるようにして溶離液Bの割合を連続
    的に上昇させるグラジエント操作を行い、波長254n
    mの紫外線検出器によりビスフェノールAを分析したと
    きに、22分から24分までの間に溶離する化合物の吸
    収ピーク面積の合計が、ビスフェノールAの吸収ピーク
    の面積に対し50ppm以下である高品質ビスフェノー
    ルA、(d)下記式(1)で示される1−ナフトール誘
    導体の含有量の合計がビスフェノールAに対し200p
    pm以下である高品質ビスフェノールA、 (R、Rはそれぞれ1−ナフトールの2〜8位につ
    いたメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
    ル基又はイソプロペニル基を表す)(e)9,9’−ジ
    メチルキサンテンの含有量が2ppm以下である高品質
    ビスフェノールA、(f)2−(4−ヒドロキシフェニ
    ル)−2,4,4−トリメチルクロマンの含有量が50
    ppm以下である高品質ビスフェノールA、及び(g)
    2,2,4−トリメチルクロメンの含有量が5ppm以
    下である高品質ビスフェノールA。
  2. 【請求項2】高品質ビスフェノールAが(a)であり、
    銅、亜鉛、アルミニウム及びインジウムからなるB群の
    各元素含有量が20ppb以下である請求項1記載のビ
    スフェノールA。
  3. 【請求項3】高品質ビスフェノールAが(a)であり、
    チタンの含有量が1ppb以下である請求項1記載のビ
    スフェノールA。
  4. 【請求項4】高品質ビスフェノールAが(a)であり、
    A群の各元素含有量が20ppb以下である請求項1記
    載のビスフェノールA。
  5. 【請求項5】高品質ビスフェノールAが(a)であり、
    A群の各元素含有量が10ppb以下である請求項1記
    載のビスフェノールA。
  6. 【請求項6】高品質ビスフェノールAが(a)であり、
    ケイ素の含有量が20ppb以下である請求項1記載の
    ビスフェノールA(但し、A群の元素は鉛ではない)。
  7. 【請求項7】高品質ビスフェノールAが(b)であり、
    波長254nmの紫外線検出器によりビスフェノールA
    を分析したときに、15.5分から24分までの間に溶
    離する化合物の吸収ピーク面積の合計が、ビスフェノー
    ルAの吸収ピークの面積に対して1.0×10-3以下で
    ある請求項1記載のビスフェノールA。
  8. 【請求項8】高品質ビスフェノールAが請求項1の
    (b)、(c)、(d)、(e)または(g)であり、
    鉄含有量が50ppb以下である請求項1記載のビスフ
    ェノールA。
  9. 【請求項9】高品質ビスフェノールAが(c)であり、
    波長254nmの紫外線検出器によりビスフェノールA
    を分析したときに、22分から24分までの間に溶離す
    る分子量307以上309以下の化合物の吸収ピーク面
    積の合計が、ビスフェノールAの吸収ピークの面積に対
    し20ppm以下である請求項1記載のビスフェノール
    A。
  10. 【請求項10】高品質ビスフェノールAが(d)であ
    り、1−ナフトール誘導体の含有量の合計が100pp
    m以下である請求項1記載のビスフェノールA。
  11. 【請求項11】高品質ビスフェノールAが(d)であ
    り、吸着剤として細孔径100オングストロームの高純
    度球状シリカゲルにシリカゲル重量の15%のオクタデ
    シル基を結合させた吸着剤を充填した、内径4.6m
    m、長さ250mmのステンレス製カラムを40℃に保
    持した高速液体クロマトグラフにより、溶離液Aとして
    0.1%リン酸水溶液を、溶離液Bとしてアセトニトリ
    ルをそれぞれ使用し、測定開始時から測定開始後5分ま
    では溶離液A:溶離液Bの比率が1:1で溶離液Aと溶
    離液Bの合計の流量が0.9ml/minとなるように
    測定を行い、合計の流量を一定にしたまま、測定開始後
    5分から溶離液Bの割合を連続的に増加し、測定開始後
    55分までに溶離液A:溶離液Bの比率を0:1となる
    ように溶離液Bの割合を連続的に上昇させるグラジエン
    ト操作を行い、波長254nmの紫外線検出器によりビ
    スフェノールAを分析したときに、22分から24分ま
    での間に溶離する化合物の吸収ピーク面積の合計が、ビ
    スフェノールAの吸収ピークの面積に対し50ppm以
    下である請求項1記載のビスフェノールA。
  12. 【請求項12】高品質ビスフェノールAが(f)であ
    り、ナトリウム含有量が80ppb以下、かつ,鉄、ニ
    ッケル、クロム、マンガンおよび鉛からなるA群の各元
    素含有量が50ppb以下である請求項1記載のビスフ
    ェノールA。
  13. 【請求項13】高品質ビスフェノールAが(f)であ
    り、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2,4,4−ト
    リメチルクロマンの含有量が30ppm以下である請求
    項1記載のビスフェノールA。
  14. 【請求項14】A群の各元素含有量が20ppb以下で
    ある請求項12記載のビスフェノールA。
  15. 【請求項15】A群の各元素含有量が10ppb以下で
    ある請求項12記載のビスフェノールA。
  16. 【請求項16】光学用芳香族ポリカーボネートの原料で
    ある請求項1〜15のいずれかに記載のビスフェノール
    A。
  17. 【請求項17】フェノールとアセトンとを反応させてビ
    スフェノールAを製造する方法において、フェノールと
    アセトンとの反応により得られた反応液を吸着剤と接触
    させることを特徴とする、ナトリウム含有量が80pp
    b以下であり、かつ、鉄、ニッケル、クロム、マンガ
    ン、鉛およびモリブデンからなるA群の各元素含有量が
    50ppb以下である高品質ビスフェノールAの製造方
    法。
  18. 【請求項18】フェノールとアセトンとを反応させてビ
    スフェノールAを生成させ、得られた反応液からビスフ
    ェノールAとフェノールとの等モル付加物結晶とフェノ
    ールを含む母液とに分離する方法において、母液を吸着
    剤と接触させた後、反応器へ循環することを特徴とす
    る、ナトリウム含有量が80ppb以下であり、かつ、
    鉄、ニッケル、クロム、マンガン、鉛およびモリブデン
    からなるA群の各元素含有量が50ppb以下である高
    品質ビスフェノールAの製造方法。
JP2000365122A 1999-12-03 2000-11-30 高品質ビスフェノールaおよびその製造方法 Pending JP2002053512A (ja)

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