JP2002052739A - カートリッジ式袋 - Google Patents

カートリッジ式袋

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JP2002052739A
JP2002052739A JP2000244845A JP2000244845A JP2002052739A JP 2002052739 A JP2002052739 A JP 2002052739A JP 2000244845 A JP2000244845 A JP 2000244845A JP 2000244845 A JP2000244845 A JP 2000244845A JP 2002052739 A JP2002052739 A JP 2002052739A
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film
cartridge
ink
reinforcing sheet
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Tatsuya Nozaki
達也 野崎
Yoshihiro Sato
義博 佐藤
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インキ等の粘性液体を密封包装し、袋ごと印
刷機等に取り付けて使用するカートリッジ式袋であっ
て、空袋が嵩張らず、使用中、スムーズにインキ等を吸
引、排出でき、使用後、インキ等の残留が殆どなく、使
用適性と共に、経済性、廃棄性にも優れたカートリッジ
式袋を提供する。 【解決手段】 カートリッジ式袋100 を、積層フィルム
製の袋の上部の一部にプラスチック製の開閉可能な注出
口20を熱接着して接合し、また、該袋の外側両面に、両
側の端部に使用装置側に設けられたガイドレールに係合
する係合部17が設けられた所定幅aの帯状の補強シー
ト15を、それぞれ所定の長さの間隔bを開けて横方向
に、袋の前後で重なる位置に接着して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カートリッジ式袋
に関し、例えば、事務用印刷機、情報出力用プリンター
などに液状、粘体状などのインキを供給するために、イ
ンキを充填した状態で、印刷機、情報出力用プリンター
などに直接装着して使用するのに好適なカートリッジ式
袋に関する。このカートリッジ式袋は、インキ以外の液
状、粘体状物質の吸引取り出し用袋としても適してい
る。
【0002】
【従来の技術】従来、事務所などで使用される印刷機、
その他、情報出力用プリンターなどでは、インキの供給
に際して、その取り扱いの簡便性の点から、主に、容器
ごと印刷装置に取り付けて使用するカートリッジ式のイ
ンキ容器が採用されている。このようなカートリッジ式
容器は、特に充填されるインキが液状、粘体状などのイ
ンキの場合、使用中、容器内のインキが空気に触れず、
且つ、最終的に容器内に残留するインキの量を少なくで
きることが好ましく、例えば、吸引、排出によるインキ
の減量に応じて、容器も折りたたみや、収縮、すぼまり
などにより減容化され、内部への空気の流入が防止され
ると共に、容易に吸引、排出され、インキの残留量を少
なくできるように構成されている。
【0003】このようなカートリッジ式容器として、例
えば、化粧段ボールなどの小型の外箱内に、注出口付き
のプラスチック製トレー状容器の開口部に、積層フィル
ム製などの柔軟な深絞り成形容器を接合して形成した内
容器を装着した形式のカートリッジ式容器があり、この
場合、内容器に充填されたインキを注出口から吸引して
排出させた時、その減量に応じて、内容器の柔軟な深絞
り成形容器が、プラスチック製トレー状容器側に吸引さ
れ陥没することにより減容化され、空気の流入が防止さ
れると共に、インキの残留を少なくできるようになって
いる。
【0004】また、バッグインボックス(BIB)形式
で、化粧段ボールなどの小型の外箱内に、プラスチック
製の注出口が取り付けられた内袋を、その注出口が取り
付けられている側から内袋の半分程度の長さまで、外箱
の内面に接着させて装着した形式のカートリッジ式容器
がある。この場合は、内袋に充填されたインキの減量に
応じて、内袋の底部側が徐々に注出口部側に吸引されて
引き込まれることにより、内袋が減容化され、内部への
空気の流入を防止しつつ、インキの残留が少なくなるよ
うに吸引し、排出させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなカートリッ
ジ式容器は、印刷装置などへの取り付けの簡便性や使用
中の機能面では略満足できるものの、いずれも外箱と内
容器もしくは内袋との二重構造であり、製品に占める容
器コストの比率が比較的高く、また、容器が嵩張るた
め、容器の製造後、例えば、インキ充填までの保管や輸
送の効率、更には、使用後の廃棄処理の際の減容化の点
では問題があった。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、その目的とするところは、
例えば、粘性液体状などのインキを密封包装し、使用時
に容器のまま印刷装置に取り付けて使用できるカートリ
ッジ式袋であって、その構造を単純化でき、コストの低
減が可能で、空袋が嵩張らず、保管、輸送の効率がよ
く、使用後の廃棄の際も減容化できると共に、インキの
保存性もよく、印刷装置への取り付けも簡便で、使用
中、袋内に空気が入ることもなく、且つ、使用後、袋内
に残留するインキ量も少なくできるという、性能、使用
適性、経済性、廃棄処理性など総合的に優れたカートリ
ッジ式袋を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の本
発明により解決することができる。即ち、請求項1に記
載した発明は、上部の端縁部にプラスチックの成形体よ
りなる開閉可能な注出口が設けられた積層フィルム製の
袋と、該袋の外側の両面に、袋の幅方向に向けて接着さ
れる所定幅の帯状の補強シートとで形成されるカートリ
ッジ式袋であって、該袋の前後両側の壁面フィルムに、
前記補強シートが、該袋の上部から下部にかけて、それ
ぞれ所定の長さの間隔を開けて、且つ、袋の前後の重な
る位置に接着されると共に、該補強シートの左右両側の
端部に、該袋に充填された内容物を吸引、排出させる
際、該袋の両側部の位置を一定に保つために使用装置側
に設けられたガイドレールに係合する係合部が設けられ
ていることを特徴とするカートリッジ式袋からなる。
【0008】このような構成を採ることにより、本発明
のカートリッジ式袋は、上部の端縁部にプラスチックの
成形体よりなる開閉可能な注出口が設けられた積層フィ
ルム製の袋の外側に、化粧段ボールなどによる外箱が使
用されておらず、所定幅の帯状の補強シートのみが、前
後両側の壁面フィルムに、その上部から下部にかけて、
それぞれ所定の長さの間隔を開けて、袋の幅方向に、且
つ、袋の前後の重なる位置に接着されているので、空袋
は、折り畳まれた状態にでき嵩張らず、保管、輸送の効
率がよく、使用後の廃棄の際も減容化できる。また、袋
にはプラスチック製の開閉可能な注出口が取り付けられ
ているので、インキなど内容物の注出口としてだけでは
なく、注入口にも使用することができ、印刷機などへの
取り付けも容易に行うことができる。
【0009】インキが充填された袋は、胴部が筒状など
に広がって立体形状となり、前記補強シートが接着され
た部分は、その剛性が高められて硬くなるが、接着され
ていない部分(所定の長さの間隔の部分)は柔軟なまま
である。また、補強シートの左右両側の端部には、袋に
充填されたインキ等の内容物を吸引、排出させる際、該
袋の両側部の位置を一定に保つために使用装置側に設け
られたガイドレールに係合する係合部が設けられてい
る。従って、インキが充填された袋を印刷機に装着して
使用する際、印刷機側に設けられたガイドレールに、補
強シートの左右両側端部の係合部を係合させて装着する
ことができ、それにより、前後に広がった状態の袋の幅
を一定に保ち、且つ、袋の長さ方向には、ガイドレール
に沿って自由にスライドして、袋が縮まるように装着す
ることができる。
【0010】このようにカートリッジ式袋を印刷機に装
着することにより、注出口からインキが吸引、排出され
た際、袋は、インキの減量に応じて、補強シートが接着
された剛性の高い部分が外側に残り、補強シートが接着
されていない柔軟な前記所定の長さの間隔の部分の壁面
フィルムが、徐々に内側にリング状に引き込まれて、最
終的には蛇腹状に縮まった形状となる。従って、最後ま
で内部に空気が流入することがなく、インキはスムーズ
に吸引、排出され、印刷機に供給されると共に、インキ
の残留量も少なくなるように有効に使用することができ
る。
【0011】請求項2に記載した発明は、前記補強シー
トの左右両側の端部に設けられた係合部が、前記袋の側
部よりも外側に突出する位置に設けられ、且つ、それぞ
れの係合部が、袋の長さ方向に形成された凸状部で形成
されていることを特徴とする請求項1記載のカートリッ
ジ式袋からなる。
【0012】前記係合部の位置を、袋の側部よりも外側
に突出する位置に設けることにより、袋の側部に邪魔さ
れることがないので、係合部とそれに係合するガイドレ
ールの形状を一層自由に設計することができる。また、
前記係合部を、それぞれ袋の長さ方向に形成された凸状
部で形成することにより、袋の前後の重なる位置に接着
された補強シートの係合部同士が前後で対称形となるの
で、前記凸状部の高さが2倍になり、ガイドレールに係
合させた際、外れることがなく、一層確実にガイドレー
ルに係合させることができる。従って、このような構成
を採ることにより、前記請求項1に記載した発明の作用
効果に加えて、カートリッジ式袋は、使用中、一層確実
に袋の両側部の位置が一定に保たれ、且つ、長さ方向に
はスライドして縮まることができるので、一層整然とし
た蛇腹状に縮まり、インキの残留量も少なくなるように
有効に使用することができる。
【0013】請求項3に記載した発明は、前記袋の外側
の両面に、所定の長さの間隔を開けて接着される補強シ
ートの袋の長さ方向の長さと、所定の長さの間隔との関
係が、補強シートの袋の長さ方向の長さをaとし、所定
の長さの間隔をbとした時、a≧b≧a/2であって、且
つ、所定の長さの間隔bが、袋に内容物を充填して袋が
前後方向に広がった時の最大広がり部の差し渡し長さを
cとした時、b≦cとなるように形成されていることを
特徴とする請求項1または2に記載のカートリッジ式袋
からなる。
【0014】本発明のカートリッジ式袋は、先にも説明
したように、例えば、インキを充填して、印刷機に装着
し、インキを吸引、排出させる際、袋が蛇腹状に縮まる
ことによって、内部に空気が入ることなくスムーズに排
出され、且つ、インキの残留量も少なくできるようにし
たものである。従って、上記蛇腹形状は、できるだけ整
然と、且つ、タイトに形成されることが好ましく、その
ためには、前記補強シートの袋の長さ方向の長さaと所
定の長さの間隔b、および、前記袋の最大広がり部の差
し渡し長さcの関係が上記のような関係にあることが一
層好ましい。例えば、所定の長さの間隔bが、袋の最大
広がり部の差し渡し長さcよりも大きい場合は、蛇腹状
に引き込まれたフィルム同士が内部でぶつかり合い、整
然とした蛇腹形状に袋を縮めることができないため好ま
しくない。また、補強シートの袋の長さ方向の長さaと
所定の長さの間隔bの関係が、前記の範囲から外れる場
合は、蛇腹形状が、深く或いは間隔が密になりすぎる
か、浅く或いは間隔が疎になりすぎるので、インキの残
留量を少なくする効果が低下するため好ましくない。
【0015】従って、前記のような構成を採ることによ
り、前記請求項1または2に記載した発明の作用効果に
加えて、インキが充填されたカートリッジ式袋を印刷機
で使用する際、インキの吸引、排出により、袋の胴部の
剛性の低い前記所定の長さの間隔の部分のフィルムが、
それぞれ適度の深さに内側に引き込まれ、整然とした蛇
腹形状を形成しながら袋が縮まるので、内部に空気が入
ることなくスムーズにインキが排出され、また、インキ
の残留量も少なくなるように有効に使用することができ
る。
【0016】請求項4に記載した発明は、前記積層フィ
ルム製の袋が、その上部と下部のうち、少なくとも上部
が、前後2面の壁面フィルムの上部の間に、上面フィル
ムを内側に折り込んで挿入してなるガセット部を有する
形式で形成され、該ガセット部の前後のひだ状部のう
ち、一方のひだ状部が、内側が両側から中央部にかけて
窪んだ形状となるシールパターンでヒートシールされ、
もう一方のひだ状部には、その上部に、両側のフィル
ム、即ち、壁面フィルムとそれに対向する上面フィルム
とを延長して、突出部が設けられ、該突出部を含むひだ
状部の両側端縁部が、該ひだ状部の基部から突出部の上
辺までつながる形状にヒートシールされると共に、該突
出部の上部の端縁部にプラスチックの成形体よりなる開
閉可能な注出口が設けられて形成されていることを特徴
とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカートリッジ
式袋である。
【0017】このような構成を採ることにより、前記請
求項1乃至3のいずれかに記載した発明の作用効果に加
えて、カートリッジ式袋の少なくとも上部が、上面フィ
ルムを用いたガセット形式で形成されるため、インキが
充填された袋は、上部が筒状に大きく広がり、且つ、補
強シートとガセット部の構成により、上部の剛性が向上
され、上部の形状がしっかりと保たれる。従って、カー
トリッジ式袋を印刷機に装着して使用する際も、袋の上
部が先につぼまって閉塞することがなく、インキの減量
に応じて、袋が徐々に蛇腹形状に縮まり、最後まで内部
に空気が流入することなく、また、インキの残留量も少
なくなるようにスムーズに吸引、排出させることができ
る。
【0018】また、袋の上部だけでなく、下部も底面フ
ィルムを挿入してガセット形式で形成してもよく、その
場合には、袋の本体部全体が筒状に広がり、且つ、下部
のガセット部を内側が両側から中央部に向けて窪んだ形
状となる船底形のシールパターンでヒートシールするこ
とにより、袋に自立性が付与され、また、底部の保形性
も向上するので、袋全体の形態安定性が向上する。そし
て、充填されたインキを使用する際も、インキの減量に
応じて、一層整然と蛇腹形状を形成して袋が縮まり、最
後まで内部に空気が流入することなく、スムーズにイン
キが吸引、排出され、また、インキの残留量も少なくな
るように有効に使用することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のカートリッジ式
袋に用いる積層フィルム、袋の外側に接着する補強シー
ト、そして、注出口などの材料、および、カートリッジ
式袋の製造方法など、発明の実施の形態について説明す
る。先ず、本発明のカートリッジ式袋に用いる積層フィ
ルムは、主にプラスチックを主体とする積層フィルムを
用いるが、特に限定はされず、液状などの内容物の包装
用袋に用いられている公知の積層フィルムは、いずれも
使用することができ、充填されるインキの成分などに応
じて、適する構成の積層フィルムを適宜選択して使用す
ることができる。このような積層フィルムの構成の代表
的な例として、以下のような構成が挙げられる。
【0020】(1) ONフィルム/接着剤/L・LDPE
フィルム(シーラント層) (2) ONフィルム/接着剤/2軸延伸HDPEフィルム
/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層) (3) ONフィルム/接着剤/2軸延伸PPフィルム/接
着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層) (4) ONフィルム(シリカ又はアルミナ又はアルミニウ
ム蒸着層)/接着剤/2軸延伸HDPEフィルム/接着
剤/L・LDPEフィルム(シーラント層) (5) ONフィルム(シリカ又はアルミナ又はアルミニウ
ム蒸着層)/接着剤/2軸延伸PPフィルム/接着剤/
L・LDPEフィルム(シーラント層) (6) ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/
L・LDPEフィルム(シーラント層) (7) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコー
ト層(HDPE層/L・LDPE層)(シーラント層
は、L・LDPE層) (8) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコー
ト層(HDPE層/EVOH層/L・LDPE層)(シ
ーラント層は、L・LDPE層) (9) PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/
L・LDPEフィルム(シーラント層) (10)PETフィルム(シリカ又はアルミナ又はアルミニ
ウム蒸着層)/接着剤/ONフィルム/接着剤/L・L
DPEフィルム(シーラント層) (11)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/
アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シー
ラント層) (12)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着
剤/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シ
ーラント層) などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく
様々な構成の積層フィルムを使用することができる。
【0021】上記構成において、ONフィルムは2軸延
伸ナイロンフィルム、L・LDPEは直鎖状低密度ポリ
エチレン、HDPEは高密度ポリエチレン、LDPEは
低密度ポリエチレン、PPフィルムはポリプロピレンフ
ィルム、PETフィルムは2軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフィルム、EVOHはエチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物を指すものである。また、アンカーコー
トは、押し出しコーティングで樹脂を積層する際、接着
性を向上させるために基材フィルム側に予めコーティン
グするものでプライマーコートの一種である。
【0022】前記の積層フィルムの構成において、ON
フィルム、PETフィルムは、基材フィルムとして袋に
機械的強度や印刷適性を付与し、中間層の2軸延伸HD
PEフィルム、2軸延伸PPフィルムは、機械的強度の
ほか、水蒸気バリヤー性を向上させるために積層され
る。そして、シリカ又はアルミナ又はアルミニウム蒸着
層、アルミニウム箔、EVOH層、EVOHフィルムな
どは、主に、ガスバリヤー性を向上させるために積層す
るものであり、EVOH層、EVOHフィルム以外は、
水蒸気バリヤー性も向上させることができる。これらの
層を中間層に積層することにより、内容物の保存性を向
上させることができる。
【0023】また、シーラント層としては、L・LDP
Eフィルムの例のみを挙げたが、L・LDPEフィルム
は、ヒートシールの安定性や耐内容物性、例えば界面活
性剤に対する耐ストレスクラッキング性、耐水性などに
優れており、本発明のようなインキなどの包装用には適
している。
【0024】シーラント層には上記のほか、充填される
インキの成分や注出口の材質に応じて、ポリプロピレ
ン、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチ
レン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポ
リエステル系樹脂なども適宜選択して使用することがで
きる。
【0025】特に、エチレン・αオレフィン共重合体で
メタロセン系触媒などシングルサイト触媒を用いて重合
したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定し
ているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優
れており、例えば、前記請求項4に記載した発明のカー
トリッジ式袋のように、ガセット部と胴部の側部シール
部との間など、ヒートシール部にフィルムの重なりの差
による段差のある袋、また、プラスチックの成形体より
なる注出口を袋の内面に熱接着で接合するような袋のシ
ーラント層には、シール抜けによるピンホールの発生を
防止できる点で適している。更に、前記共重合体にオレ
フィン系エラストマーをブレンドしたものを用いること
により、シーラント層の熱流動性が改善され、前記段差
などによるピンホールの発生も一層効果的に防止するこ
とができる。
【0026】また、本発明のカートリッジ式袋に取り付
けられるプラスチックの成形体よりなる注出口は、袋の
上部の端縁部の両側のフィルムの間に、その接着基部を
挿入し、袋のシーラント層を利用して加熱シールヘッド
による熱圧着、または超音波シール方式などで熱接着す
ることが、生産性がよく、接着性能にも優れる点で好ま
しい。注出口自体は、例えば、プラスチックの射出成形
により容易に製造することができ、その形状は、注出口
部とキャップとが別々に成形された2ピースタイプでも
よく、注出口部とキャップとが、薄肉部を介して一体的
に成形された1ピースタイプであってもよい。
【0027】このような注出口は、接着基部の下に閉塞
防止リブ(横断面が十字形などの棒状リブ)が設けられ
た形状のものも用いることができ、それにより一層確実
にインキの残留量を少なくすることができる。また、注
出口が前記2ピースタイプの場合、例えば、注出口部を
袋に接合した後、注出口部の開口部から内容物を充填
し、キャップを閉める前に、開口部に積層フィルム製の
封止材を熱接着して密封性を向上させることもできる。
注出口の材質は、袋のシーラント層で熱接着できること
が好ましく、例えば、ポリプロピレン、中密度または高
密度などのポリエチレンのほか、ポリエステルなどを使
用することができる。
【0028】次に、袋の外側の両面、即ち、壁面フィル
ムに接着する補強シートは、剛性の高いものが好ましい
が、特に限定はされず、袋の壁面フィルムに接着できる
ものであれば何でも使用することができる。例えば、ポ
リスチレン系樹脂、ポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リカーボネートなどのプラスチックの単独または複合シ
ートのほか、紙、板紙、合成紙などの単体、またはその
表面にプラスチックフィルムなどを積層した加工紙や、
樹脂含浸紙などを使用することができる。只、補強シー
トの両側端部に係合部として、凸状部を成形する場合
は、成形性が必要となるため、前記プラスチックの単独
または複合シートが適当である。このような補強シート
の厚さは、その材質により剛性が異なるため、一律には
決められないが、例えば、プラスチックシートを使用す
る場合は、0.15〜0.8mmが適当であり、紙、板
紙を使用する場合は、0.2〜1.0mm程度が適当で
ある。
【0029】補強シートを、袋の表面に接着する方法
は、例えば、ホットメルト接着剤やドライラミネート用
接着剤などの接着剤を用いて接着してもよく、また、パ
ートコート剤、その他ヒートシール剤などの感熱接着剤
を必要部分に予めパターン状にコートしておいて熱接着
してもよい。また、補強シートに、板紙や内側に紙を積
層した積層シートを用いた場合は、エマルジョンタイプ
の接着剤を用いて接着することもできるので、接着方法
の選択範囲が広げられ、一層容易に接着することができ
る。
【0030】以上のような積層フィルム、注出口、補強
シートを用いて製造する本発明のカートリッジ式袋の製
造方法について説明する。本発明のカートリッジ式袋
は、その本体である袋自体の形式は、特に限定はされ
ず、例えば、ピロー形式(背シール部の位置は、注出口
の接合位置と重ならないように左右いずれかに寄せるこ
とが好ましい。図1参照)、三方シール形式、四方シー
ル形式、チューブ形式のほか、上部、または上部と下部
にガセット部を設けた変形ガセットパウチ形式(図4、
図5参照)など種々の形式の袋を使用することができ
る。
【0031】このような袋は、ピロー形式、三方シール
形式、四方シール形式などの場合は、それぞれ既存の製
袋機を利用して製袋することができる。また、前記上
部、または上部と下部にガセット部を設けた変形ガセッ
トパウチ形式の場合は、例えば、従来のスタンディング
パウチ用の製袋機に、上面フィルムの供給装置、および
そのヒートシール装置、トリミング装置などを付加する
ことにより、容易に製袋することができる。例えば、上
記変形ガセットパウチ形式の袋で、上部のガセット部の
一方のひだ状部を延長して突出部を設け、その部分に注
出口を取り付けるような場合、突出部を設けた側のひだ
状部と、もう一方のひだ状部とでヒートシールのシール
パターンが異なるため、別々にヒートシールする必要が
あるが、複数のセクションに分割してヒートシールする
ことにより問題なく製袋することができる。
【0032】注出口の取り付けは、三方シール形式、四
方シール形式の袋の場合は、製袋機に注出口の取り付け
装置を組み込んでインラインで取り付けることもできる
が、基本的には、専用の取り付け装置を別に用意して、
製袋後、オフラインで取り付けることが、むしろ全体と
しての生産性および品質安定化の点で好ましい。補強シ
ートの取り付けについても、袋の形式によっては、製袋
とインラインでの取り付けも可能であるが、製袋後、オ
フラインで取り付けてもよい。
【0033】
【実施例】以下に、図面を用いて本発明を更に具体的に
説明する。但し、本発明は、その要旨を超えない限り、
以下の図面に限定されるものではない。また、図面に付
した符号は、異なる図面においても、同じ名称の部分に
は同じ符号を用いた。図1は、本発明のカートリッジ式
袋の第1の実施例の構成を示す平面図である。また、図
2は、図1に示したカートリッジ式袋のA−A線断面図
である。但し、袋は、内容物が充填されて前後に広がっ
た時の形状で示した。図3の(イ)、(ロ)、(ハ)、
(ニ)、(ホ)、(ヘ)は、それぞれ本発明のカートリ
ッジ式袋の外側の両面に接着される補強シートの左右両
側の端部に設けられた係合部の形状と、その係合部を使
用装置側に設けられたガイドレールに係合させた時の状
態を説明する要部の拡大断面図である。図4は、本発明
のカートリッジ式袋の第2の実施例の構成を示す平面図
であり、図5は、本発明のカートリッジ式袋の第3の実
施例の構成を示す平面図である。また、図6は、図5に
示したカートリッジ式袋に内容物を充填して、袋が前後
に広がった時の形状を示す模式側面図である。
【0034】図1は、本発明のカートリッジ式袋の第1
の実施例の構成を示す平面図である。また、図2は、図
1に示したカートリッジ式袋のA−A線断面図である
が、袋は、内容物が充填されて前後に広がった時の形状
で示したものである。図1に示したカートリッジ式袋1
00は、その本体部が、ピロー形式の袋で形成されてお
り、最内層にシーラント層が積層された積層フィルム、
即ち、壁面フィルム1の両側をシーラント層が内側にな
るように折り返し、折り返された壁面フィルム1の両側
の端縁部同士を、そのシーラント層同士が対向するよう
に背シール部8(この場合、背シール部8の位置は、注
出口との重なりを避けるため、側部側に移動されてい
る)で重ね合わせてヒートシールし、背シール部8を一
方に(例えば外側に)倒して折り畳まれた形状の筒状体
を形成し、その上部の端縁部を上部シール部13でヒー
トシールして袋状とする際、両側のフィルムの間に、プ
ラスチックの成形体よりなる開閉可能な注出口20を、
その接着基部22が挟まるように挿入して上部シール部
13で熱接着して接合すると共に、この袋100の前後
両側の壁面フィルムの上部から下部にかけて、複数本
(図では4本)の所定幅aの帯状の補強シート15が、
上下の端縁部にはそれぞれ袋に内容物が充填されて袋が
膨らんだ時、立ち上がり部に相当する程度のスペースを
開け、且つ、それぞれの補強シート15の間には所定の
長さの間隔bを開けて横方向に、袋の前後で重なる位置
に接着されて構成されている。
【0035】上記の各補強シート15は、それが接着さ
れた部分の壁面フィルムの剛性を高めると共に、その左
右両側の端部には、使用装置側に設けられたガイドレー
ルに係合する係合部17が設けられており、例えば、イ
ンキが充填されたカートリッジ式袋を印刷機で使用する
際、印刷機側に設けられたガイドレールに係合部17が
係合するように袋を装着することにより、使用中、袋
は、その長さ方向には縮まることが可能であるが、幅方
向には、袋の両側部の位置が一定の距離に保たれるよう
になっている。この場合、各補強シート15の係合部1
7は、図1、図2に示されるように、袋の側部よりも外
側に突出する位置に、袋の長さ方向に形成された蒲鉾状
の凸状部で形成されている。また、各補強シート15
は、袋に接する全面が接着部16で接着されているが、
接着部16のパターンは、必ずしも図示したような全面
ベタのパターンである必要はなく、例えば、ストライプ
状など一部に空隙部を有するパターンであっても、剛性
を高める効果は得られるので構わない。各補強シート1
5の袋の長さ方向の長さaと、所定の長さの間隔bとの
関係は、先に説明したように、a≧b≧a/2 であっ
て、且つ、所定の長さの間隔bは、袋に内容物を充填し
て袋が前後方向に広がった時の最大広がり部の差し渡し
長さをc(図2参照)とした時、b≦cとなるように設
定することが好ましい。
【0036】尚、注出口20は、この場合、筒部21を
主体として、下部に接着基部22が設けられ、その上に
適宜にフランジ23が設けられ、上部には別体の螺子式
のキャップ24が取り付けられた構成である。このよう
な注出口20は、キャップ24を取り付ける前に、注出
口の開口部に積層フィルム製の封止材を熱接着して密封
性を高めることもできる。
【0037】カートリッジ式袋100へのインキの充填
は、キャップ24が取り外された状態の注出口20から
行うこともできるが、この場合、袋の底部がフラットな
形状であるため、底部をインキの充填口に使用すること
ができる。底部を充填口に使用した方が、充填口の幅が
広く、充填作業が容易であり、充填速度も速くすること
ができ、生産性を向上させることができる。その場合、
底部シール部9は、インキの充填前は未シールの開口部
とし、インキの充填後にヒートシールして密封される。
【0038】このような構成を採ることにより、カート
リッジ式袋100は、空袋の状態では偏平で嵩張らず、
保管や輸送を効率よく行うことができ、また、使用後の
廃棄の際も減容化できる。また、カートリッジ式袋10
0は、その本体部が、積層フィルムによるピロー形式の
袋と、その上部の端縁部に接合されたプラスチックの成
形体よりなる注出口20とで形成されているので、密封
性がよく、インキなど内容物の保存性もよい。
【0039】カートリッジ式袋100を印刷機で使用す
る際には、補強シート15の左右両側に設けられた各係
合部17を、印刷機側に設けられたガイドレールに係合
させると共に、注出口20をキャップ24を外して開封
し、開封された注出口部を印刷機に連結することによ
り、袋のまま簡便に印刷機に装着することができる。そ
して、印刷機に設けられた吸引ポンプにより、注出口部
からインキが吸引、排出され、印刷機に供給される。
【0040】また、印刷機の稼働中、袋内のインキの減
量に応じて、袋100は、その胴部の剛性が補強シート
15が接着された部分と、接着されていない部分とで異
なり、補強シート15が接着されていない部分は剛性が
低いため、この部分の壁面フィルムが内側に徐々に引き
込まれ、補強シート15が接着された部分は剛性が高
く、外側に膨らんだ形状のまま残るので、全体として蛇
腹形状に縮められる。この時、補強シート15の袋の長
さ方向の長さaと、所定の長さの間隔bと、前記袋の最
大広がり部の差し渡し長さcとの関係を、前記のように
設定することにより、袋100は、内側に引き込まれた
壁面フィルム同士が内部で重なり合って、中間部などで
閉塞することがなく、整然とした蛇腹形状に縮められ
る。従って、使用中、袋100の内部に空気が入ること
もなく、インキがスムーズに吸引、排出され、最終段階
では、袋内にインキが殆ど残留することがなく、有効に
使用することができる。
【0041】図3の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、
(ホ)、(ヘ)は、それぞれ本発明のカートリッジ式袋
の外側の両面に接着される補強シートの左右両側の端部
に設けられた係合部の形状と、その係合部を使用装置側
に設けられたガイドレールに係合させた時の状態を説明
する要部の拡大断面図である。(イ)、(ロ)に示した
係合部17は、前記図2のA−A線断面図に示した補強
シート15の両側の端部に設けられた係合部17と同じ
形状であり、袋の側部よりも外側に突出した位置に、袋
の長さ方向に形成された蒲鉾状の凸状部、即ち、断面形
状としては、半円形の凸状部を有する形状に形成されて
おり、このような係合部17が、袋の両側の重なる位置
に接着された補強シート15の左右両側の端部にそれぞ
れ設けられているので、両側の係合部17同士が合わさ
って、袋の長さ方向に円筒状の凸状部が形成された形状
となる。
【0042】このような形状の係合部17を係合させる
ガイドレールとして、(イ)の場合は、係合部17で形
成された円筒状の凸状部を、外側から抱え込むように保
持できる一端がスリット状に開放された筒状のガイドレ
ール18を用いたものであり、(ロ)の場合は、前記一
端がスリット状に開放された筒状のガイドレール18と
共に、両側の係合部17で形成された円筒状の凸状部の
内側に挿入される丸棒状のガイドレール18′を用いて
構成したものである。この場合、両側の係合部17で形
成された円筒状の凸状部を、その外側と内側の両方のガ
イドレール18、18′で保持できるので、一層確実に
袋の両側部の位置を一定に保つことができる。
【0043】次に、(ハ)、(ニ)に示した係合部17
は、前記(イ)、(ロ)に示した係合部17が、袋の長
さ方向に形成された蒲鉾状の凸状部、即ち、断面形状が
半円形の凸状部を有する形状であったのに対して、袋の
長さ方向に断面が矩形状の凸状部を有する形状に変更し
て形成したものである。そして、上記の形状の係合部1
7を係合させるガイドレールとして、(ハ)の場合は、
前記(イ)に示したガイドレール18と同様な形状のガ
イドレール18を用いたものであり、(ニ)の場合は、
(ハ)に用いたガイドレール18と共に、両側の係合部
17で形成された角筒状の凸状部の内側に挿入される角
棒状のガイドレール18′を用いて構成したものであ
る。この場合も、両側の係合部17で形成された角筒状
の凸状部を、その外側と内側の両方のガイドレール1
8、18′で保持できるので、一層確実に袋の両側部の
位置を一定に保つことができる。
【0044】(ホ)に示した係合部17は、袋の外側の
両面に接着された補強シート15の左右両側の端部を、
単にL字状に外側に折り曲げて凸状部を形成したもので
あり、補強シート15の剛性が高い場合は、このような
凸状部であっても充分に係合部としての機能を果たすこ
とができる。このような形状の係合部17は凸状部の幅
が小さいため、これを係合させるガイドレールとして
は、(ホ)に示すように、前記(イ)、(ハ)に示した
ガイドレール18の幅を小さくした形状のガイドレール
18を用いることができる。(ヘ)に示した係合部17
は、袋の外側の両面に接着された補強シート15の左右
両側の端部を、フラットなまま袋の両側部よりも外側に
突出するように形成し、その突出部を係合部17とした
ものである。このような形状の係合部17を係合させる
ガイドレールとしては、袋の長さ方向にコの字状に溝が
設けられた形状のガイドレール18を用いることがで
き、このような形状のガイドレール18を袋の両側部に
用いて、前記補強シート15の左右両側の係合部17が
コの字状の溝に嵌まり込むように配置して係合させるも
のである。このような係合部17とガイドレール18で
袋の両側部を保持させた場合、係合部17が内側に大き
く動いた時は、ガイドレール18で保持しきれなくなる
が、通常の使用状態では、袋に充填された内容物が吸
引、排出された時、袋は、前後への膨らみ形状が小さく
なり、幅方向には広がる形状となるため、ガイドレール
18から外れることはなく、袋の両側部の位置を一定に
保つことができる。
【0045】次に、図4は、本発明のカートリッジ式袋
の第2の実施例の構成を示す平面図である。図4に示し
たカートリッジ式袋200は、前記図1に示したカート
リッジ式袋100の構成において、袋本体の形式をピロ
ー形式から、詳細は以下に説明するように、四方シール
形式の袋の上部にガセット部6を設けた変形ガセットパ
ウチ形式に変更すると共に、袋の胴部の外側に接着した
補強シート15の接着領域を、その上部側のみを、ガセ
ット部6の上端近くまで広げた形状に変更して構成した
ものであり、注出口や補強シート15の接着パターンな
どその他の構成は、図1に示したカートリッジ式袋10
0と同様に構成したものである。
【0046】即ち、袋本体は、両側の壁面フィルム1、
1′の上部の間に、壁面フィルムと同様な構成の上面フ
ィルムを内側に向けて折り返し、上面フィルム折り返し
部2まで挿入し、上部にガセット部6を設けると共に、
折り返された上面フィルムの両側端縁部の上端近傍に、
上面フィルム切り欠き部4、4を設け、ガセット部6の
前後両側のひだ状部のうち、図において背面側のひだ状
部は、内側が両側から中央部にかけて窪んだ形状となる
シールパターン、具体的には、内側が両側から中央部に
向かって傾斜直線状に窪み、中央部で水平な直線となる
逆船底形のシールパターン、即ち、上部ガセット部背面
側シール部14でヒートシールされ、また、前側のひだ
状部には、その上辺に、両側のフィルム、即ち、壁面フ
ィルム1とそれに対向する上面フィルムとを延長して、
両側が上部方向に向かって幅が狭くなる形状の突出部1
1が設けられ、この突出部11を含む前側のひだ状部の
両側端縁部が、該ひだ状部の基部から突出部11の上部
までその内側ラインが傾斜直線でつながる形状の上側部
シール部12、12でヒートシールされると共に、該突
出部11の上部に、プラスチックの成形体よりなる注出
口20が熱接着により上部シール部13で接合され、ま
た、袋の胴部は、前後両側の壁面フィルム1、1′の左
右両側の端縁部を側部シール部10、10でヒートシー
ルして形成されている。
【0047】尚、袋の底部は、前後両側の壁面フィルム
1、1′の下部の端縁部を底部シール部9でヒートシー
ルして形成されるが、この場合も、前記図1に示したカ
ートリッジ式袋100と同様、袋の底部を内容物の充填
口に使用できるので、底部シール部9は、内容物の充填
後にヒートシールして密封することができる。
【0048】このような構成を採ることにより、カート
リッジ式袋200は、前記図1に示したカートリッジ式
袋100と対比して、袋の上部がガセット形式で形成さ
れると共に、補強シート15の接着領域が、ガセット部
6の上端近傍まで広げられているので、最上部の補強シ
ート15は、ガセット部6の上端近傍を含む位置に接着
されている。従って、袋の底部からインキを充填するこ
とにより、袋200は、上部が補強シートと共に六角柱
状に大きく広がり、その形態安定性、保形性が優れたも
のとなる。
【0049】また、カートリッジ式袋200を印刷機で
使用する際には、補強シート15の左右両側に設けられ
た各係合部17を、印刷機側に設けられたガイドレール
に係合させると共に、注出口20をキャップ24を外し
て開封し、開封された注出口部を印刷機に連結すること
により、袋200を容易に印刷機に装着することができ
る。また、使用中においても、袋200の上部、即ち、
注出口20の下側が、漏斗形状に大きく且つ保形性よく
広がり、また、袋の両側部の位置もガイドレールで一定
に保持されるので、インキの吸引、排出も一層容易に行
われ、インキの減量に応じて、袋200は、整然とした
蛇腹形状に縮まり、最後までインキの残留も殆どなくな
るように有効に使用することができる。尚、前記変更点
以外は、前記図1に示したカートリッジ式袋100と同
じ構成であるため、図1に示したカートリッジ式袋10
0と同様な作用効果を得ることができる。
【0050】図5は、本発明のカートリッジ式袋の第3
の実施例の構成を示す平面図であり、図6は、図5に示
したカートリッジ式袋に内容物を充填して、袋が前後に
広げられた時の形状を示す模式側面図である。図5に示
したカートリッジ式袋300は、前記図4に示したカー
トリッジ式袋200の構成において、袋本体の形状を、
袋の上部だけでなく、下部にもガセット部を設けた変形
ガセットパウチ形式の袋に変更すると共に、下部のガセ
ット部を、内側が両側から中央部にかけて窪んだ形状と
なるシールパターン、この場合、中央部が低く、両側端
部に向かって傾斜直線状に高くなる船底形のシールパタ
ーンでヒートシールし、また、胴部の外側に接着する補
強シート15の接着領域を、その下部が、下部のガセッ
ト部7の上端近傍までとなるように変更して構成したも
のである。そして、上記変更点以外は、図4に示したカ
ートリッジ式袋200と同様に構成されている。
【0051】即ち、カートリッジ式袋300は、袋本体
の上部と下部が、両側の壁面フィルム1、1′の上部と
下部の間に、それぞれ壁面フィルムに使用する積層フィ
ルムと同様な構成の上面フィルムまたは底面フィルムを
内側に向けて折り返し、上面フィルムの場合は、その両
側端縁部の上端近傍に上面フィルム切り欠き部4、4を
設け、また、底面フィルムの場合は、その両側端縁部の
下端近傍に底面フィルム切り欠き部5、5を設けて、そ
れぞれ上面フィルム折り返し部2、または底面フィルム
折り返し部3まで挿入し、所定のシールパターンでヒー
トシールする方法で、ガセット部6、7を有する形状に
形成され、胴部が、壁面フィルム1、1′の両側端縁部
を側部シール部10、10でヒートシールして形成さ
れ、また、下部のガセット部7は、内側が、中央部が低
く、両側端部に向かって傾斜直線状に高くなる船底形の
シールパターン、即ち、底部シール部9でヒートシール
されている。
【0052】このような構成を採った場合、カートリッ
ジ式袋300へのインキの充填は、底部からの充填が難
しいため、キャップ24を取り外した状態の注出口20
から行われる。このため充填速度はやや低下するが、注
出口20の保形性がよいので問題なく充填することがで
きる。そして、インキの充填後、キャップ24を取り付
ける前に、注出口20の開口部に積層フィルム製の封止
材を熱接着して密封性を向上させることができる。
【0053】また、カートリッジ式袋300は、前記図
1、図4に示したカートリッジ式袋100、200と同
様、空袋の状態では偏平で嵩張らず、保管や輸送を効率
よく行うことができ、使用後の廃棄の際も減容化でき
る。そして、袋300の本体部は、積層フィルム製で、
上下にガセット部6、7を有する変形ガセットパウチ形
式に形成されており、且つ、下部のガセット部7が、内
側が中央部が低く両側端部に向かって直線状に高くなる
船底形の底部シール部9でヒートシールされ、また、上
部のガセット部6が、前後のひだ状部でそのシールパタ
ーンが異なるが、略底部シール部9のシールパターンの
天地を逆にした逆船底形のシールパターンでヒートシー
ルされているので、インキが充填された袋300は、袋
の本体部全体が六角柱形状となり、容量の割にコンパク
トでスペースを取らず、図6の側面図に示すように、袋
でありながらボトルなどの保形性容器に似て外観にも優
れている。また、底部の外周には、底部シール部9によ
りリング状の脚部が形成されるので自立性に優れ、取り
扱いが容易になる。
【0054】そして、カートリッジ式袋300を印刷機
に装着して使用する際も、袋全体が形態安定性、保形性
に優れており、両側部の係合部17の位置も安定するの
で、印刷機側に設けられたガイドレールに係合させやす
く、一層容易に袋300を印刷機に装着することができ
る。また、使用中においても、袋300の上部、即ち、
注出口20の下側が、漏斗形状に大きく且つ保形性よく
広がり、また、袋の両側部の位置もガイドレールで一定
に保持されるので、インキの吸引、排出も一層容易に行
われ、インキの減量に応じて、袋300は、整然とした
蛇腹形状に縮まり、最後までインキの残留も殆どなくな
るように有効に使用することができる。以上、本発明の
カートリッジ式袋は、用途として、インキ用に使用した
例で説明したが、流動性の良好な各種液体のほか、粘性
液体、更には、吸引力の調節により、チューブ容器に収
納されているような、わさびやからしなどの粘体状物ま
で広範囲の内容物に好適に使用できるものである。
【0055】
【発明の効果】以上、詳しく説明したように、本発明に
よれば、液体状、粘性液体状などのインキ、その他の内
容物を密封包装し、使用時に、袋のまま印刷機、その他
の加工装置などに取り付けて使用できるカートリッジ式
袋であって、その構造を単純化でき、コストの低減が可
能で、空袋が嵩張らず、保管、輸送の効率がよく、使用
後の廃棄の際も減容化できると共に、内容物としてイン
キを充填した場合も、その保存性がよく、印刷機への取
り付けも簡便で、使用中、袋内に空気が流入することも
なく、安定した状態でインキを供給することができ、且
つ、使用後、袋内に残留するインキ量も少なくすること
ができるという、性能、使用適性と共に、経済性、廃棄
処理性など総合的に優れたカートリッジ式袋を提供でき
る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカートリッジ式袋の第1の実施例の構
成を示す平面図である。
【図2】図1に示したカートリッジ式袋のA−A線断面
図である。但し、袋は、内容物が充填されて前後に広が
った時の形状で示した。
【図3】(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、
(ヘ)は、それぞれ本発明のカートリッジ式袋の外側の
両面に接着される補強シートの左右両側の端部に設けら
れた係合部の形状と、その係合部を使用装置側に設けら
れたガイドレールに係合させた時の状態を説明する要部
の拡大断面図である。
【図4】本発明のカートリッジ式袋の第2の実施例の構
成を示す平面図である。
【図5】本発明のカートリッジ式袋の第3の実施例の構
成を示す平面図である。
【図6】図5に示したカートリッジ式袋に内容物を充填
して、袋が前後に広がった時の形状を示す模式側面図で
ある。
【符号の説明】
1、1′ 壁面フィルム 2 上面フィルム折り返し部 3 底面フィルム折り返し部 4 上面フィルム切り欠き部 5 底面フィルム切り欠き部 6、7 ガセット部 8 背シール部 9 底部シール部 10 側部シール部 11 突出部 12 上側部シール部 13 上部シール部 14 上部ガセット部背面側シール部 15 補強シート 16 接着部 17 係合部 18、18′ガイドレール 20 注出口 21 筒部 22 接着基部 23 フランジ 24 キャップ 100、200、300 カートリッジ式袋 a 補強シートの袋の長さ方向の長さ(=接着部の長
さ) b 所定の長さの間隔 c 袋の最大広がり部の差し渡し長さ
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA24 EA25 KC04 KC14 3E064 AB26 BA17 BA27 BA28 BA29 BA30 BA36 BA46 BA54 BA55 BA60 BB03 BC04 BC08 BC18 BC20 EA01 EA30 FA05 GA01 HF06 HG03 HN05 HN65

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部の端縁部にプラスチックの成形体より
    なる開閉可能な注出口が設けられた積層フィルム製の袋
    と、該袋の外側の両面に、袋の幅方向に向けて接着され
    る所定幅の帯状の補強シートとで形成されるカートリッ
    ジ式袋であって、該袋の前後両側の壁面フィルムに、前
    記補強シートが、該袋の上部から下部にかけて、それぞ
    れ所定の長さの間隔を開けて、且つ、袋の前後の重なる
    位置に接着されると共に、該補強シートの左右両側の端
    部に、該袋に充填された内容物を吸引、排出させる際、
    該袋の両側部の位置を一定に保つために使用装置側に設
    けられたガイドレールに係合する係合部が設けられてい
    ることを特徴とするカートリッジ式袋。
  2. 【請求項2】前記補強シートの左右両側の端部に設けら
    れた係合部が、前記袋の側部よりも外側に突出する位置
    に設けられ、且つ、それぞれの係合部が、袋の長さ方向
    に形成された凸状部で形成されていることを特徴とする
    請求項1記載のカートリッジ式袋。
  3. 【請求項3】前記袋の外側の両面に、所定の長さの間隔
    を開けて接着される補強シートの袋の長さ方向の長さ
    と、所定の長さの間隔との関係が、補強シートの袋の長
    さ方向の長さをaとし、所定の長さの間隔をbとした
    時、a≧b≧a/2であって、且つ、所定の長さの間隔b
    が、袋に内容物を充填して袋が前後方向に広がった時の
    最大広がり部の差し渡し長さをcとした時、b≦cとな
    るように形成されていることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のカートリッジ式袋。
  4. 【請求項4】前記積層フィルム製の袋が、その上部と下
    部のうち、少なくとも上部が、前後2面の壁面フィルム
    の上部の間に、上面フィルムを内側に折り込んで挿入し
    てなるガセット部を有する形式で形成され、該ガセット
    部の前後のひだ状部のうち、一方のひだ状部が、内側が
    両側から中央部にかけて窪んだ形状となるシールパター
    ンでヒートシールされ、もう一方のひだ状部には、その
    上部に、両側のフィルム、即ち、壁面フィルムとそれに
    対向する上面フィルムとを延長して、突出部が設けら
    れ、該突出部を含むひだ状部の両側端縁部が、該ひだ状
    部の基部から突出部の上辺までつながる形状にヒートシ
    ールされると共に、該突出部の上部の端縁部にプラスチ
    ックの成形体よりなる開閉可能な注出口が設けられて形
    成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載のカートリッジ式袋。
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