JP2002052492A - カッティング機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被切断物（紙等）の切り込み深さを容易に制
御でき、切断時の騒音を軽減したカッティング機を提供
する。 【解決手段】 被切断物１２が載置される載置台７と、
被切断物１２を切断するカッタ刃２３を有するカッタ２
１と、カッタ２１を保持し、任意の高さ位置に移動させ
るカッタ駆動部３３と、カッタ刃２３の高さを検出する
検出部３２と、制御部とを備え、制御部は、検出部３２
の検出信号に従い、カッタ刃２３の高さの初期設定を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はカッティング機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、この種の装置は例えば、特開
平６−１８３０８１号公報に示されている。この公報に
よると、使用者により、載置台上に紙が載置される。そ
して、アームが載置台の上方に設けられ、紙の縦方向に
移動可能に構成されている。

【０００３】印字ヘッドは、紙の横方向および縦方向に
移動しながら、紙に所定の印刷をする。その後、カッタ
は、紙の横方向および縦方向に移動しながら、紙を所定
の形状に切断している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記装置では、切断時
の騒音が大きい第１の欠点が有る。本発明者がその原因
を究明したところ、切断時に、カッタを下方に移動させ
た時、カッタはソレノイドにより駆動されているため、
カッタのホルダの底部が、紙を介して、急激に載置台
（紙を載置する部材）に当接するためである事が判っ
た。

【０００５】また、上記装置では、ソレノイドに電圧を
印加するか否かにより、カッタを下方（紙に挿入）又は
上方（紙から離れる）の２つの位置に設定している。こ
の様に、カッタの高さの初期設定を微細に調整できない
ので、カッタによる紙の切り込み深さを制御できない第
２の欠点が有る。そこで、本発明はこの様な従来の欠点
を考慮して、被切断物（紙等）の切り込み深さを容易に
制御でき、切断時の騒音を軽減したカッティング機を提
供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１の本発明では、被切断物が載置される載置
台と、前記被切断物を切断するカッタ刃を有するカッタ
と、前記カッタを保持し、任意の高さ位置に移動させる
カッタ駆動部と、前記カッタ刃の高さを検出する検出部
と、制御部とを備え、前記制御部は、前記検出部の検出
信号に従い、前記カッタ刃の高さの初期設定を行う。

【０００７】請求項２の本発明では、前記載置台と略同
じ高さを有する基準台を設け、前記カッタ刃の１端が前
記基準台に接触した時、前記検出部は前記検出信号を出
力する。

【０００８】請求項３の本発明では、前記カッタ刃の他
端と前記基準台との間に、所定の電圧を印加し、前記カ
ッタ刃の１端が前記基準台に接触し、電流が流れる事に
より前記検出部は前記検出信号を出力する。

【０００９】請求項４の本発明では、前記カッタ駆動部
は、前記カッタを下げ、前記検出信号の出力後に、前記
カッタを所定量だけ上げ、前記所定量より小さい量だ
け、前記カッタを速い速度で下げ、その後、緩い速度で
前記カッタを下げる様に、前記制御部は制御する。

【００１０】請求項５の本発明では、前記載置台と略同
じ高さを有する基準台を設け、前記カッタが緩い速度で
下がりながら、前記カッタ刃の１端が前記基準台に接触
した時、前記検出部は前記検出信号を出力する。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に、図１ないし図６に従い、
本発明の実施の形態に係るカッティング機１を説明す
る。図１はカッティング機１の斜視図、図２はカッティ
ング機１の要部斜視図、図３はカッティング機１に用い
られるカッタ駆動部等（カッタ刃が上方に位置する状態
を示す）の正面図である。図４は、カッティング機１に
用いられる（カッタ高さ）検出部の概略図、図５は上記
カッタ駆動部等（カッタ刃が基準台に接触した状態を示
す）の正面図、図６はカッティング機１のブロック図で
ある。

【００１２】これらの図に於て、本体２は例えば、左側
板３と、仕切板４と、右側板５と、連結板６と、載置台
７と、基台８等から構成されている。連結板６は例え
ば、断面が略コ字状に形成され（図３参照）、左側板３
と、右側板５を各々固定する様に設けられている。

【００１３】基台８は、断面が略コ字状に形成され、左
側板３と、仕切板４を各々固定する様に、設けられてい
る。載置台７は断面が略コ字状に形成され、小ネジ（図
示せず）等により、基台８上に固定されている。

【００１４】支持板９、１０は、本体２の後側に固定さ
れ、ロールされた被切断物（例えばロール紙等）１１
は、支持板９、１０に固定されている。被切断物１２
は、ロールされた被切断物１１の先頭部分である。被切
断物１２は、載置台７上に載置されている。

【００１５】プリントキャリッジ１３は例えばプラスチ
ックから成り、上方が開放した略凹状に形成されてい
る。プリントキャリッジ１３の後方側には、軸受けが形
成されている。シャフト１４は例えば、金属製の丸棒で
あり、その両端は各々、左側板３および右側板５に固定
されている。シャフト１４は、プリントキャリッジ１３
の軸受けに挿入されている。

【００１６】駆動ベルト（図示せず）はループ状に形成
され、シャフト１４と略平行に位置する様に設けられ、
歯車（図示せず）は駆動ベルトの内歯と噛合う様に、設
けられている。この歯車に形成された孔に、キャリッジ
モータ（図示せず）の軸が挿入され固定されている。

【００１７】プリントキャリッジ１３の後面側は駆動ベ
ルトに固定され、キャリッジモータが回転する事によ
り、プリントキャリッジ１３は主走査方向（Ｘ１−Ｘ２
方向）に移動する。この様に、プリントキャリッジ１３
と、シャフト１４と、駆動ベルトと、歯車と、キャリッ
ジモータ等により、プリントキャリッジ駆動部１５が構
成されている。

【００１８】４個の容器１６は各々、例えば箱状に形成
され、プリントキャリッジ１３内に配置されている。４
個の容器１６には各々、例えば、黒色インクと、イエロ
ーインクと、マジェンタインクと、シアンインクが充填
されている。

【００１９】印字ヘッド１７（実際には４個あるが、図
１では１個のみを図示）は、例えば直方体状のものであ
り、主走査方向（Ｘ１−Ｘ２）に、互いに離れて位置し
ている。各印字ヘッド１７は、例えば各々、副走査方向
（Ｙ１−Ｙ２）に沿って、６４個のオリフィス（図示せ
ず）が形成されている。各オリフィスの途中の側壁には
各々、圧電素子（図示せず）が設けられ、各オリフィス
の先端は絞られ、６４個のオリフィス毎に各入口部（合
計４個）が設けられている。４個の入口部は各々チュー
ブを介して、黒色インク用容器１６と、イエローインク
用容器１６と、マジェンタインク用容器１６と、シアン
インク用容器１６に接続されている。

【００２０】各印字ヘッド１７は、容器１６の下部に固
定され、プリントキャリッジ１３の底面には開口部が形
成されている。各印字ヘッド１７に設けられた各オリフ
ィスから、インクは適宜、上記開口部を通り、被切断物
（例えば紙等）１２上に吐出される様に、構成されてい
る。これらの容器１６と、印字ヘッド１７と、プリント
キャリッジ駆動部１５等により、印刷部１８が構成され
ている。

【００２１】駆動ベルト（図示せず）はループ状に形成
され、シャフト１４と略平行に位置する様に設けられ、
歯車（図示せず）は駆動ベルトの内歯と噛合う様に、設
けられている。この歯車に形成された孔に、カッタキャ
リッジモータ（図示せず）の軸が挿入され固定されてい
る。

【００２２】カッタキャリッジ１９は例えばプラスチッ
クから成り、正面が開放した略凹状に形成されている。
カッタキャリッジ１９の後方側には、軸受けが形成され
ている。シャフト１４は、カッタキャリッジ１９の軸受
けに挿入されている。

【００２３】カッタキャリッジ１９の後面側は、駆動ベ
ルトに固定され、カッタキャリッジモータが回転する事
により、カッタキャリッジ１９は主走査方向（Ｘ１−Ｘ
２方向）に移動する。この様に、カッタキャリッジ１９
と、シャフト１４と、駆動ベルトと歯車と、カッタキャ
リッジモータ等により、カッタキャリッジ駆動部２０が
構成されている。

【００２４】カッタ２１は例えば、胴体２２と、カッタ
刃２３と、ピポットベアリング２４と、磁石２５と、バ
ネ２６等により構成されている。バネ２６はスプリング
ピン等から成り、胴体２２の内面に固定されている（図
３と図４を参照）。

【００２５】カッタ刃２３の１端は、刃先が形成され、
他端はピポットベアリング２４に挿着されている。ピポ
ットベアリング２４は、磁石２５の磁力により、磁石２
５の底面に固定されている。磁石２５は、磁石２５の磁
力により、バネ２６の底面に固定されている。

【００２６】カッタ刃２３と、ピポットベアリング２４
と、バネ２６は、共に磁性体であり磁石２５の磁力によ
り、磁石２５に引き付けられている。カッタ刃２３は、
他端がピポットベアリング２４に挿着される事により、
円周方向（Ａ１−Ａ２）に回転自在に構成されている。

【００２７】胴体２２は、カッタ刃２３と、ピポットベ
アリング２４と、磁石２５と、バネ２６等を覆い、かつ
カッタ刃２３の１端（刃先）を露出する様に、設けられ
ている。これらの部品により、カッタ２１は構成されて
いる。この様に、カッタ２１は、被切断物１２を切断す
るカッタ刃２３を有している。

【００２８】基準台２７は例えば金属板等から成り、上
方が凸になる様に、曲げ加工が施こされたものである。
基準台２７は、小ネジ（図示せず）等により、基台８上
に固定されている。基準台２７は、載置台７と略同じ高
さを有している。即ち、基台８の表面から基準台２７の
表面までの高さは、基台８の表面から載置台７の表面ま
での高さと略同一になる様に、設けられている。

【００２９】リード線２８はバネ２６の先端と、出力端
子２９との間に配線されている。リード線２８の途中の
点は、抵抗３０を介して電源端子３１に接続されてい
る。基準台２７は接地（アース）されている。

【００３０】カッタ刃２３と、ピポットベアリング２４
と、磁石２５と、バネ２６は導電性材料から構成されて
いる。この様に、カッタ２１と、リード線２８と、出力
端子２９と、抵抗３０と、電源端子３１と、基準台２７
等により、（カッタ高さ）検出部３２が構成されてい
る。

【００３１】この検出部３２に於て、電源端子３１に例
えば、直流５ボルトが印加され、基準台２７にゼロボル
トが印加されている。カッタ刃２３の１端が基準台２７
から離れている場合、カッタ２１に電流が流れないの
で、出力端子２９には、Ｈｉレベルの信号が出力され
る。

【００３２】また、カッタ刃２３の１端が基準台２７に
接触した場合（図５参照）、電流がカッタ２１内を流れ
るので、出力端子２９には、Ｌｏレベルの信号（検出信
号）が出力される。

【００３３】即ち、カッタ刃２３の他端と、基準台２７
との間に、所定の電圧を印加し、カッタ刃２３の１端が
基準台２７に接触し、電流がカッタ２１を流れる事によ
り、検出部３２は検出信号を出力する。この様に、検出
部３２は、カッタ刃２３の高さを検出し、カッタ刃２３
が所定の高さになると、検出信号を出力する。

【００３４】次に、主に、図２と図３に従い、カッタ駆
動部３３を説明する。これらの図に於て、ローラ３４
は、カッタキャリッジ１９の上面に軸支され、連結板６
の側面に案内されている。この様に、カッタキャリッジ
駆動部２０を構成するカッタキャリッジモータ（図示せ
ず）を通電する事により、カッタキャリッジ１９は、Ｘ
１−Ｘ２方向に移動する。

【００３５】カッタキャリッジ１９の側部３５の裏面側
には、カッタモータ３６が固定されている。第１歯車３
７は、カッタモータ３６の軸に固定されている。第２歯
車３８の円周側に形成された歯車は、第１歯車３７に噛
合い、第２歯車３８の中心側に形成された歯車は第３歯
車３９の円周側に形成された歯車に噛合っている。

【００３６】第３歯車３９の中心側に形成された歯車
は、第４歯車４０の円周側に形成された歯車に噛合って
いる。第４歯車４０の中心側に形成された歯車は、第５
歯車４１に噛合っている。第５歯車４１は、支持板４２
に支持され、支持板４２は、カッタキャリッジ１９の底
部４３に固定されている。

【００３７】軸４４は例えば、金属製の丸棒から成り、
その両端は各々、カッタキャリッジ１９の上部４５と、
底部４３とに固定され、Ｚ１−Ｚ２方向に位置してい
る。

【００３８】ホルダ４６は、例えばプラスチックから成
り、正面から見れば（図３参照）、略逆Ｌ字状に形成さ
れている。ホルダ４６の右側に形成されたラック部４７
は、第５歯車４１に噛合っている。ホルダ４６の左側に
形成された孔の中に、カッタ２１は固定されている。

【００３９】この様にして、カッタキャリッジ１９と、
カッタモータ３６と、第１歯車３７と、第２歯車３８
と、第３歯車３９と、第４歯車４０と、第５歯車４１
と、ホルダ４６と、軸４４と、支持板４２により、カッ
タ駆動部３３が構成されている。

【００４０】カッタ駆動部３３は、カッタ２１を保持
し、かつカッタ２１を任意の高さ位置に移動させるもの
である。即ち、カッタモータ３６に所定の正電圧を印加
させると、第１歯車３７が所定方向に回転し、第２歯車
３８、第３歯車３９、第４歯車４０、第５歯車４１が所
定方向に回転し、ホルダ４６がＺ１方向に移動し、カッ
タ２１がＺ１方向（上方）に移動する。

【００４１】また、カッタモータ３６に、所定の負電圧
を印加させると、第１歯車３７が所定方向と逆方向に回
転し、第２歯車３８、第３歯車３９、第４歯車４０、第
５歯車４１が逆方向に回転し、ホルダ４６がＺ２方向に
移動し、カッタ２１がＺ２方向（下方）に移動する。

【００４２】また、カッタモータ３６は例えばパルス駆
動のステッピングモータから成り、１パルス（１ステッ
プ）毎に、７．５度ずつ回転する。そして、歯車３７〜
４１による合計の減速比は１／１００である。カッタモ
ータ３６が１ステップ回転する毎に、カッタ２１は０．
０１ｍｍ移動する。

【００４３】そして、基準台２７の主走査方向（Ｘ１−
Ｘ２）に於ける位置（図２の線Ｂを参照）と一致する様
に、キャリッジ待機マイクロスイッチ（図示せず）は、
基台８の線Ｂ上に固定されている。

【００４４】また、カッタ２１の主走査方向（Ｘ１−Ｘ
２）に於ける位置（図２の線Ｃを参照）と一致する様
に、突起部（図示せず）は、カッタキャリッジ１９の線
Ｃ上に形成されている。

【００４５】上記キャリッジ待機マイクロスイッチと、
突起部等により、カッタ位置検出部４８（図６参照）が
構成されている。カッタキャリッジ１９がＸ１−Ｘ２方
向に移動している時に、カッタキャリッジ１９に設けら
れた突起部が、基台８に設けられたキャリッジ待機マイ
クロスイッチのノブを押す事により、Ｌｏレベルの信号
（検知信号）を出力する。

【００４６】この時、カッタ２１は基準台２７の上方に
位置している。即ち、この時、カッタ２１の主走査方向
の位置（線Ｃ）と、基準台２７の主走査方向の位置（線
Ｂ）は一致している。

【００４７】給紙駆動ローラ（図示せず）は、長尺の円
柱状に形成され、載置台７と支持板９、１０との中間位
置に配置されている。給紙駆動ローラは歯車を介して、
給紙モータ（共に図示せず）により駆動される。給紙対
向ローラ（図示せず）は長尺の円柱状に形成され、給紙
駆動ローラに対向して、配置されている。

【００４８】この様にして、給紙モータが通電される
と、給紙駆動ローラは回転する。その結果、給紙駆動ロ
ーラと給紙対向ローラに挟まれた被切断物１２は、副走
査方向（Ｙ１方向）へ搬送され、載置台７上を前進す
る。

【００４９】第１駆動ローラ４９は長尺の円柱状に形成
され、載置台７の適所に形成された開口部５０の下方に
設けられている（図１参照）。第１駆動ローラ４９は歯
車を介して、送紙モータ（共に図示せず）により駆動さ
れる。第１対向ローラ（図示せず）は長尺の円柱状に形
成され、開口部５０の上方に設けられている。

【００５０】この様にして、送紙モータが通電される
と、第１駆動ローラ４９は回転する。その結果、第１駆
動ローラ４９と第１対向ローラに挟まれた被切断物１２
は、副走査方向（Ｙ１方向）へ搬送される。被切断物１
２は、この様に搬送されつつ、カッタ２１により切断さ
れる。

【００５１】第２駆動ローラ５１は長尺の円柱状に形成
され、第１駆動ローラ４９よりも前方（よりＹ１方向に
延びた位置）に設けられている。第２駆動ローラ５１は
歯車を介して、送紙モータ（共に図示せず）により駆動
される。第２対向ローラ（図示せず）は長尺の円柱状に
形成され、第２駆動ローラ５１に対向して、配置されて
いる。

【００５２】この構成によって、送紙モータが通電され
ると、第２駆動ローラ５１は回転する。その結果、第２
駆動ローラ５１と第２対向ローラに挟まれた被切断物１
２は副走査方向（Ｙ１方向）へ搬送される。被切断物１
２は、この様に搬送され、排紙される。

【００５３】これらの給紙モータと、送紙モータと、排
紙モータは、駆動部５２に接続されている。駆動部５２
は、スイッチング部と、電源端子（共に図示せず）等か
ら構成されている。スイッチング部に所定の制御信号が
入力されると、給紙モータ、送紙モータ、排紙モータの
内、所定のモータに対し、電源端子を介して、外部から
所定の電圧を印加する様に、構成されている。

【００５４】クリーニング部５３は、仕切板４と右側板
５との間に配置されている。プリントキャリッジ駆動部
１５がプリントキャリッジ１３を移動させると、印字ヘ
ッド１７はクリーニング部５３の真上に位置する。そし
て、クリーニング部５３は、印字ヘッド１７に形成され
たオリフィスの周辺に溜ったインク滴を吸引し、清掃す
る。

【００５５】マイクロスイッチ５４は例えば、左側板３
上に固定されている。カッタキャリッジ１９は、カッタ
キャリッジ駆動部２０により、Ｘ１方向に移動される
と、マイクロスイッチ５４のノブは、カッタキャリッジ
１９の側部３５に当接する。この様に、カッタキャリッ
ジ１９およびカッタ２１が待機位置に移動すると、マイ
クロスイッチ５４は待機状態である事を示すＬｏレベル
の信号（待機状態検知信号）を出力する。

【００５６】次に、図６のブロック図に従い、カッティ
ング機１の電気的構成を説明する。図６に於て、制御部
５５は例えば、ＣＰＵ等から成る。パソコン５６は例え
ば、インターフェース回路（図示せず）を介して、制御
部５５に接続されている。ＣＤ−ＲＯＭ（図示せず）は
必要に応じて、パソコン５６に装着されている。

【００５７】操作部５７は例えば電源スイッチ等が設け
られている。使用者が上記電源スイッチを押すと、印刷
命令信号が制御部５５へ入力される。表示部５８は例え
ば液晶表示装置等から成り、制御部５５が例えば、表示
命令信号を出力すると、表示部５８は上記信号に基づく
所定の表示を行なう。

【００５８】記憶部５９は、例えばＲＯＭとＲＡＭ（共
に図示せず）等から成る。ＲＯＭは例えば、制御部５５
自身の制御動作を定めた制御プログラムを記憶してい
る。ＲＡＭは例えば、印刷データとカットデータ等を記
憶している。

【００５９】この様にして、パソコン５６と、操作部５
８と、駆動部５２と、印刷部１８とカッタ高さ検出部３
２と、カッタ位置検出部４８と、カッタ駆動部３３と、
カッタキャリッジ駆動部２０と、記憶部５９は各々、制
御部５５に接続されている。以上の部品により、このカ
ッティング機１が構成されている。

【００６０】次に、図１ないし図８に従い、このカッテ
ィング機１の動作説明を行なう。図７は、カッティング
機１の主要動作を説明するためのフローチャート、図８
は図７に続くフローチャートである。

【００６１】これらの図に於て、使用者は最初に、支持
板９、１０により、ロールされた被切断物１１をセット
する。使用者は、操作部５７に設けられた電源スイッチ
を押すと、動作が開始する。

【００６２】制御部５５は、駆動部５２を介して、給紙
モータを通電させる。給紙駆動ローラと給紙対向ローラ
に挟まれた被切断物１２（ロールされた被切断物１１の
先頭近傍部分のこと）は、Ｙ１方向へ搬送され、載置台
７上を前進する。

【００６３】次に、給紙モータへの通電が停止し、送紙
モータへの通電が開始する。その結果、第１駆動ローラ
４９と第１対向ローラに挟まれた被切断物１２は載置台
７上を前進し、Ｙ１方向に於ける所定位置に達すると、
送紙モータへの通電が停止する。

【００６４】そして制御部５５は、パソコン５６より印
刷データを取り込む。また、パソコン５６より記憶部５
９へ、印刷データを読込んだ後に、記憶部５９から、印
刷データを取り込んでも良い。この時、カッタキャリッ
ジ１９およびカッタ２１は、待機状態の位置（Ｘ１−Ｘ
２方向に於て、最もＸ１方向の位置）に存在する。

【００６５】次に、制御部５５は、プリントキャリッジ
駆動部１５を構成するキャリッジモータを通電させ、プ
リントキャリッジ１３を所定の左端から右端へ移動させ
る。制御部５５は上記動作と共に、各印字ヘッド１７に
設けられた各々の圧電素子に対し電圧を印加し、インク
液を適宜吐出させ、印刷を行う。

【００６６】そして、制御部５５は、上記印刷動作を終
了すると、再びキャリッジモータを通電させ、プリント
キャリッジ１３を待機位置（例えばクリーニング部５３
の上方）に移動させ、キャリッジモータの通電を停止す
る。

【００６７】この様に、プリントキャリッジ１３が待機
位置に位置した後、制御部５５は、カッタキャリッジ駆
動部２０を構成するカッタキャリッジモータを通電させ
る（図７のＳ１）。

【００６８】次に制御部５５は、１ステップだけ、カッ
タキャリッジモータを通電させる（図７のＳ２）。そし
て、制御部５５は、基台８のＢ線上に位置するキャリッ
ジ待機マイクロスイッチ（図示せず）がオンしたか否か
を判定する（図７のＳ３）。

【００６９】上記説明では、カッタキャリッジ１９は待
機位置を出発した直後であるので、カッタキャリッジ１
９に保持されたカッタ２１の位置（Ｃ線）は、未だＢ線
に到達していないので（図２参照）、制御部５５は、Ｓ
３の判定を否定する。

【００７０】次に、制御部５５は、ステップＳ１の直前
に戻り、ステップＳ１、Ｓ２、Ｓ３の動作を繰返す。上
記動作を繰返している間に、カッタキャリッジ１９がＸ
２方向に移動し、Ｃ線とＢ線が一致すると、Ｃ線上に位
置するカッタキャリッジ１９の突起部がＢ線上に位置す
るキャリッジ待機マイクロスイッチのノブを押す。

【００７１】その結果、キャリッジ待機マイクロスイッ
チはオンしカッタ位置検出部４８は検出信号を出力し、
制御部５５はステップＳ３を肯定する。

【００７２】次に、制御部５５は、カッタ駆動部３３を
構成するカッタモータ（カッタ−アップダウンモータ）
に、所定の負電圧を印加させる（図７のＳ４）。そし
て、制御部５５は、１ステップ分だけ、カッタモータを
通電させる（図７のＳ５）。

【００７３】その結果として、カッタモータは、所定方
向と逆方向に１ステップ（回転角度７．５度）のみ回転
する。そして、第１歯車３７、第２歯車３８、第３歯車
３９と第４歯車４０、第５歯車４１は各々、所定方向と
逆方向に、所定角度だけ回転する。そして、ホルダ４６
がＺ２方向に移動し、カッタ２１に固定されたカッタ刃
２３の１端（先端）もＺ２方向（下方）に移動する。

【００７４】なお、この時、歯車３７〜４１による減速
比は１／１００であるので、カッタ刃２３の１端は０．
０１ｍｍ下方に移動する。この時、カッタモータは速い
速度（例えば２００ステップ／秒）で回転しているの
で、カッタ２１も速い速度（例えば２ｍｍ／秒）で移動
する。

【００７５】次に、制御部５５は、検出部３２が電流を
検出したか否かを判定する（図７のＳ６）。上記説明で
は、カッタ２１は下降を開始した直後であるので、カッ
タ刃２３の１端は、未だ基準台２７の表面に接触してい
なく（図３、図４を参照）、制御部５５は、Ｓ６の判定
を否定する。

【００７６】そして、制御部５５は、ステップＳ４の直
前に戻り、ステップＳ４、Ｓ５、Ｓ６の動作を繰返す。
上記動作を繰返している間に、ホルダ４６と、カッタ２
１とカッタ刃２３は、共に下方（Ｚ２方向）へ移動し、
カッタ刃２３の１端（先端）が基準台２７の表面に接触
する（図５参照）。

【００７７】その結果、検出部３２は電流を検出し、制
御部５５は、ステップＳ６を肯定する。この時、検出部
３２を構成する出力端子２９は、制御部５５に対し、検
出信号（Ｌｏレベルの信号）を出力する。

【００７８】次に、制御部５５は、カッタ駆動部３３を
構成するカッタモータに、１５０ステップ分だけ、所定
の正電圧を印加させる（図７のＳ７）。この時、カッタ
モータは、１５０ステップ分だけ（回転角度にして、１
１２５度回転する）所定方向に回転する。

【００７９】その結果、第１歯車３７、第２歯車３８、
第３歯車３９、第４歯車４０、第５歯車４１は各々、所
定方向に、所定角度だけ回転する。そして、ホルダ４６
と、カッタ２１と、カッタ刃２３は共に、上方（Ｚ１方
向）へ、１．５ｍｍだけ移動する（図３参照）。

【００８０】この時、検出部３２は電流を検出しなくな
る。また、この時、カッタモータは速い速度（例えば２
００ステップ／秒）で回転しているので、カッタ２１も
速い速度（例えば２ｍｍ／秒）で移動する。

【００８１】また、上述の様に、Ｓ２の時は、カッタモ
ータを所定方向に回転させ、Ｓ７の時は、カッタモータ
４を所定方向とは逆方向に回転させている。その結果、
歯車３７〜４１同士に生ずるバックラッシは解消され、
歯車３７〜４１は正確な回転角度を伝達でき、カッタ刃
２３の先端の位置精度は向上する。

【００８２】次に、制御部５５は、１ステップ分だけ、
カッタモータ３６に、１ステップ分だけ、所定の負電圧
を印加させる（図８のＳ８）。

【００８３】その結果、歯車３７〜４１は各々、所定方
向と逆方向に、所定角度だけ回転する。そして、ホルダ
４６と、カッタ２１と、カッタ刃２３は共に、下方（Ｚ
２方向）へ、０．０１ｍｍだけ移動する（図３参照）。

【００８４】この時、カッタモータ３６は速い速度（例
えば２００ステップ／秒）で回転しているので、カッタ
２１も速い速度（例えば２ｍｍ／秒）で移動する。

【００８５】次に制御部５５は、検出部３２が電流を検
出したか否かを判定する（図８のＳ９）。上記説明で
は、カッタ２１は下降を開始した直後であるので、カッ
タ刃２３の１端は、未だ基準台２７の表面に接触せず、
制御部５５は、Ｓ９の判定を否定する。

【００８６】そして制御部５５は、カッタモータ３６が
１３０ステップ回転したか否かを判定する（図８のＳ１
０）。上記説明では、カッタモータ３６は１ステップし
か回転していないので、制御部５５はＳ１０を否定す
る。

【００８７】次に制御部５５は、ステップＳ８の直前に
戻り、ステップＳ８、Ｓ９、Ｓ１０の動作を繰返す。上
記動作を繰返している間に、カッタモータ３６が１３０
ステップだけ、回転する。その結果、制御部５５は、Ｓ
１０の判定を肯定する。

【００８８】そして、制御部５５は、カッタモータ３６
の回転速度（レート）を遅い方に変更する（図８のＳ１
１）。この様にして、カッタモータ３６の回転速度は、
遅い速度（例えば５０ステップ／秒）となる。この時
に、カッタ刃２３の先端の移動速度は０．５ｍｍ／秒と
なる。

【００８９】次に、制御部５５は、Ｓ８の直前に戻り、
ステップＳ８、Ｓ９、Ｓ１０、Ｓ１１の動作を繰返す。
この様に、カッタモータ３６は、１３１ステップ以降
は、遅い速度で回転し、カッタ刃２３も遅い速度で下降
する。

【００９０】上記動作を繰返している間に、ホルダ４６
と、カッタ２１と、カッタ刃２３は共に下方へ移動し、
カッタ刃２３の１端は、基準台２７の表面に、再び接触
する（図５参照）。

【００９１】その結果、検出部３２は電流を検出し、制
御部５５は、ステップＳ９を肯定する。この時、検出部
３２を構成する出力端子２９は、制御部５５に対し、検
出信号（Ｌｏレベル）を出力する。

【００９２】次に制御部５５は、カッタ刃２３の高さデ
ータを、記憶部５９に記憶させる（図８のＳ１２）。即
ち、制御部５５は、検出部３２が検出信号を出力するの
に従い、カッタ刃２３の高さの初期設定を行う。

【００９３】この様に、カッタ刃２３の１端が、載置台
７と略同じ高さの基準台２７と接触した時に、その時の
カッタ刃２３の高さデータに基づき、カッタモータ３６
のステップ数をゼロ位置に設定（変換）する事を「カッ
タ刃２３の高さの初期設定を行う」と定義する。

【００９４】次に、制御部５５は切断動作を開始する
（図８のＳ１３）。即ち、制御部５５はパソコン５６よ
り、カットデータを読込む。カットデータとは、カッタ
刃２３をアップさせるか又はダウンさせるかを指示する
指示信号と、座標から成る。

【００９５】例えば、被切断物１２が２２０ミクロンの
厚さならば、アップさせる指示信号は、カッタモータ３
６をゼロ位置から１５０ステップ分だけ、所定方向に回
転させる信号である。この時、カッタ刃２３の先端は載
置台７の表面から、約１．５ｍｍだけ上方に位置する。

【００９６】また、ダウンさせる指示信号は、カッタモ
ータ３６をゼロ位置から５ステップ分だけ、所定方向と
逆方向に回転させる信号である。この時、カッタ刃２３
の先端は、載置台７の表面から、約０．０５ｍｍだけ下
方に位置する。なお、カッタ刃２３の下方に位置する載
置台７の部分は、凹状に形成され、カッタ刃２３の先端
が載置台７の表面に当接しない様に、構成されている。

【００９７】この様にして、カッタ２１は、カットデー
タに従い、アップ動作（カッタ刃２３が被切断物１２か
ら離れた状態）と、ダウン動作（カッタ刃２３が被切断
物１２に切込んだ状態）を行いながら、送紙モータを通
電する事により、被切断物１２をＹ１方向へ搬送する。

【００９８】この様にして、被切断物１２は、カットデ
ータに従い、所定の形状に切断される。その結果、制御
部５５は切断動作が終了か否かの判定を肯定する（図８
のＳ１４）。

【００９９】次に、制御部５５は、カッタキャリッジ駆
動部２０を構成するカッタキャリッジモータを通電し、
カッタキャリッジ１９およびカッタ２１を、元の待機位
置へ移動させる（図８のＳ１５）。

【０１００】そして、マイクロスイッチ５４が検出信号
を出力すると、制御部５５は、カッタキャリッジモータ
の通電を停止する。次に、制御部５５は、排紙モータを
通電し、被切断物１２を排紙させ、一連の動作を終了す
る。

【０１０１】上記動作の特徴的部分を以下にまとめる。
カッタ駆動部３３はカッタ２１を下げ（図７のＳ４、Ｓ
５）、検出部３２による検出信号の出力（図７のＳ６）
後に、カッタ２１を所定量だけ（例えば、カッタモータ
３６を１５０ステップ分だけ）上に上げる（図７のＳ
７）。

【０１０２】その後、カッタ駆動部３３は、前記所定量
（１５０ステップ）より小さい量（例えば、カッタモー
タ３６を１３０ステップ分だけ）だけ、カッタ２１を速
い速度（例えば２ｍｍ／秒）で下げる（図８のＳ８、Ｓ
９、Ｓ１０）。

【０１０３】そして、カッタ駆動部３３は、緩い速度
（例えば０．５ｍｍ／秒）でカッタ２１を再び下げる
（図８のＳ１１、Ｓ８）。制御部５５は、カッタ駆動部
３３が上記動作を行う様に、制御する。

【０１０４】なお、カッタ２１が緩い速度（例えば０．
５ｍｍ／秒）で下がりながら（図８のＳ１１、Ｓ８）、
カッタ刃２３の１端が基準台２７に接触した時、検出部
３２は検出信号（例えばＬｏレベルの信号）を出力する
ものである。

【０１０５】

【発明の効果】請求項１の本発明では、被切断物が載置
される載置台と、前記被切断物を切断するカッタ刃を有
するカッタと、前記カッタを保持し、任意の高さ位置に
移動させるカッタ駆動部と、前記カッタ刃の高さを検出
する検出部と、制御部とを備え前記制御部は、前記検出
部の検出信号に従い、前記カッタ刃の高さの初期設定を
行うものである。この様に、カッタ駆動部は、カッタを
任意の高さ位置に移動できるので、カッタのホルダの底
面が被切断物を介して、載置台に当接した時、当接時の
騒音を低減できる。更に、検出部は、カッタ刃の高さが
所定位置に達した事を検出した時、カッタ刃の高さの初
期設定を行うので、この初期設定を精度良く行う事がで
きる。

【０１０６】請求項２の本発明では、前記載置台と略同
じ高さを有する基準台を設け、前記カッタ刃の１端が前
記基準台に接触した時、前記検出部は前記検出信号を出
力する構成とする。この様に、カッタ刃の１端が、載置
台と略同じ高さの基準台に接触した時、検出信号を出力
するので、初期設定（カッタ刃の１端が載置台に接触し
た時、カッタモータのステッピング数をゼロに変更する
等）の精度が正確となる。

【０１０７】請求項３の本発明では、前記カッタ刃の他
端と前記基準台との間に、所定の電圧を印加し、前記カ
ッタ刃の１端が前記基準台に接触し、電流が流れる事に
より前記検出部は前記検出信号を出力する構成とする。
この様に、電流が流れる事を検出する事により、基準台
に接触するカッタ刃の１端の位置を正確に検出する事が
できる。

【０１０８】請求項４の本発明では、前記カッタ駆動部
は、前記カッタを下げ、前記検出信号の出力後に、前記
カッタを所定量だけ上げ、前記所定量より小さい量だ
け、前記カッタを速い速度で下げ、その後、緩い速度で
前記カッタを下げる様に、前記制御部は制御するもので
ある。この様に、カッタを下げ、検出信号の出力後に、
カッタを上げるので、カッタモータは所定方向に回転
し、その後に、逆方向に回転する事になる。その結果、
カッタ駆動部を構成する複数の歯車同士に生ずるバック
ラッシは解消され、歯車は正確な回転角度を伝達でき、
カッタ刃の先端の位置検出精度は向上する。

【０１０９】請求項５の本発明では、前記載置台と略同
じ高さを有する基準台を設け、前記カッタが緩い速度で
下がりながら、前記カッタ刃の１端が前記基準台に接触
した時、前記検出部は前記検出信号を出力する構成とす
る。この様に、カッタが緩い速度で下がりながら、カッ
タ刃の１端が基準台に接触した時、検出信号を出力する
ので、カッタ刃の先端の位置検出精度、即ち、カッタ刃
の高さの初期設定を精度良く行う事ができる。従って、
カッタ刃による被印刷物の切り込み深さを正確にかつ容
易に制御する事ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係るカッティング機１の
斜視図である。

【図２】上記カッティング機１の要部斜視図である。

【図３】上記カッティング機１に用いられるカッタ駆動
部（カッタ刃が上方に位置する状態を示す）の正面図で
ある。

【図４】上記カッティング機１に用いられる検出部３２
の概略図である。

【図５】上記カッタ駆動部（カッタ刃が基準台に接触し
た状態を示す）の正面図である。

【図６】上記カッティング機１のブロック図である。

【図７】上記カッティング機１の主要動作を説明するた
めのフローチャートである。

【図８】図７に続くフローチャートである。

【符号の説明】

７ 載置台 １２ 被切断物 ２１ カッタ ２３ カッタ刃 ３２ 検出部 ３３ カッタ駆動部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 慎一 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内 (72)発明者 清水 久夫 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内 (72)発明者 井上 清次 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内 (72)発明者 田中 淳司 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被切断物が載置される載置台と、前記被
   切断物を切断するカッタ刃を有するカッタと、前記カッ
   タを保持し、任意の高さ位置に移動させるカッタ駆動部
   と、前記カッタ刃の高さを検出する検出部と、制御部と
   を備え、前記制御部は、前記検出部の検出信号に従い、
   前記カッタ刃の高さの初期設定を行う事を特徴とするカ
   ッティング機。
2. 【請求項２】 前記載置台と略同じ高さを有する基準台
   を設け、前記カッタ刃の１端が前記基準台に接触した
   時、前記検出部は前記検出信号を出力する事を特徴とす
   る請求項１のカッティング機。
3. 【請求項３】 前記カッタ刃の他端と前記基準台との間
   に、所定の電圧を印加し、前記カッタ刃の１端が前記基
   準台に接触し、電流が流れる事により、前記検出部は前
   記検出信号を出力する事を特徴とする請求項２のカッテ
   ィング機。
4. 【請求項４】 前記カッタ駆動部は、前記カッタを下
   げ、前記検出信号の出力後に、前記カッタを所定量だけ
   上げ、前記所定量より小さい量だけ、前記カッタを速い
   速度で下げ、その後、緩い速度で前記カッタを下げる様
   に、前記制御部は制御する事を特徴とする請求項１のカ
   ッティング機。
5. 【請求項５】 前記載置台と略同じ高さを有する基準台
   を設け、前記カッタが緩い速度で下がりながら、前記カ
   ッタ刃の１端が前記基準台に接触した時、前記検出部は
   前記検出信号を出力する事を特徴とする請求項４のカッ
   ティング機。