JP2002052283A - 刺繍枠移送装置 - Google Patents

刺繍枠移送装置

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JP2002052283A
JP2002052283A JP2000244074A JP2000244074A JP2002052283A JP 2002052283 A JP2002052283 A JP 2002052283A JP 2000244074 A JP2000244074 A JP 2000244074A JP 2000244074 A JP2000244074 A JP 2000244074A JP 2002052283 A JP2002052283 A JP 2002052283A
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carriage
frame
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JP2000244074A
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Yoshihisa Shoji
善久 庄子
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリッジへの刺繍枠の着脱をスムースに行
い、検出スイッチの劣化を防止して耐久性を向上させ、
キャリッジに装着される刺繍枠を誤検出せずに簡単に且
つ確実に検出できる刺繍枠移送装置を提供する。 【解決手段】 刺繍枠移送装置10のロック機構40
は、刺繍枠11の連結部21をキャリッジ12に押圧す
る押圧位置と押圧を解除する解除位置とに亙って移動自
在にキャリッジ12に支持されたロック部材41と、こ
のロック部材41を押圧位置へ付勢する圧縮コイルバネ
42を有する。刺繍枠11の連結部21に被検出部23
を設け、ロック部材41に被検出部23を検出する検出
スイッチ56を設け、ロック部材41を押圧位置に切換
えた状態のときだけ、検出スイッチ56で被検出部23
を検出可能に構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は刺繍枠移送装置に
関し、特に、検出位置(押圧位置)と退避位置(解除位
置)とに亙って位置切換え可能な可動部材に検出スイッ
チを設け、可動部材を検出位置に切換えた状態のときだ
け検出スイッチで刺繍枠の被検出部を検出可能に構成し
た刺繍枠移送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、一般的な刺繍枠移送装置は、刺
繍枠と、刺繍枠を着脱可能なキャリッジと、キャリッジ
をミシンベッド部の幅方向(Y方向)へ移動させるY方
向移送機構と、このY方向移送機構と共にキャリッジを
ミシンベッド部の長さ方向(X方向)へ移動させるX方
向移送機構等を備えている。この刺繍枠移送装置により
加工布を取付けた刺繍枠がX方向とY方向へ移送され、
その加工布にミシンの縫製機構により縫製が施されて刺
繍模様が形成される。
【0003】Y方向移送機構は、キャリッジをY方向へ
移動自在にガイド支持するY方向フレームと、このY方
向フレームに装着されてキャリッジをY方向へ駆動する
Y方向モータを含むY方向駆動系を有し、X方向移送機
構は、Y方向フレームの下側に設けられてY方向フレー
ムをX方向へ移動自在にガイド支持するX方向フレーム
と、このX方向フレームに装着されてY方向フレームを
X方向へ駆動するX方向モータを含むX方向駆動系を有
する。
【0004】この種の刺繍枠移送装置では、X方向移送
機構をケース部材に収容し、ケース部材の上側にY方向
移送機構とキャリッジを配設し、このケース部材をミシ
ンベッド部に着脱可能に構成したものが多い。ケース部
材がミシンベッド部に装着されると、刺繍枠移送装置の
電気系とミシンの電気系がコネクタを介して接続され、
ミシンの制御部によりX方向移送機構とY方向移送機構
が駆動制御される。
【0005】ところで、従来の刺繍枠移送装置におい
て、主に刺繍枠の装着の有無を検出する為の検出スイッ
チを設けたものが実用に供されている。例えば、前記Y
方向フレーム又はケース部材に検出スイッチを固定的に
設け、移送機構を駆動制御してキャリッジを所定の検出
位置(例えば、移動限界位置付近)へ移動させ、そのと
き、キャリッジに刺繍枠が装着されていると、刺繍枠の
被検出部が検出スイッチで検出されるようにした技術は
知られている。
【0006】また、キャリッジに検出スイッチを固定的
に設け、刺繍枠をキャリッジの枠装着位置に装着する
と、刺繍枠の被検出部が検出スイッチで検出されるよう
にした技術も知られている。この技術においては、刺繍
枠の装着の有無だげでなく、キャリッジに複数の検出ス
イッチを設けるとともに、刺繍枠に1又は複数の検出ス
イッチに対応する1又は複数の被検出部を設けることに
より、これら被検出部の配置パターンで刺繍枠の種類を
検出することもできる。
【0007】他方、従来の刺繍枠移送装置において、刺
繍枠をキャリッジに着脱する種々の構造が実用化されて
いる。例えば、本願出願人が出願した実用新案登録第2
522857号公報では、キャリッジの立壁部に上端か
ら縦長の1対の係合溝が形成され、刺繍枠の連結部に1
対の係合溝に対応する1対の係合ピンが設けられ、ま
た、キャリッジには立壁部の上側から刺繍枠側へ張り出
した付勢位置で前記連結部を下方へ付勢する板バネが設
けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 従来の刺繍枠移送装
置において、キャリッジを検出位置へ移動させ、そのと
きキャリッジに刺繍枠が装着されていると、刺繍枠の被
検出部が検出スイッチで検出される技術では、主に刺繍
枠の装着の有無を検出する為だけに、キャリッジを検出
位置へ移動させなければならない。そして、刺繍縫製を
行う前に刺繍枠の装着の有無を確実に検出するために
は、縫製開始毎にキャリッジを検出位置へ移動させなけ
ればならないため、その為の時間と電力がかかりかなり
不利である。
【0009】また、キャリッジに検出スイッチを固定的
に設け、刺繍枠をキャリッジの枠装着位置に装着する
と、刺繍枠の被検出部が検出スイッチで検出される技術
では、検出スイッチが常時刺繍枠の被検出部を検出可能
な位置に位置しているため、特に検出スイッチが接触型
スイッチ等の場合、刺繍枠をキャリッジに着脱する毎
に、その検出スイッチが対応する刺繍枠の被検出部以外
の部分に接触して、刺繍枠をスムースに着脱できないこ
と、検出スイッチが劣化して耐久性が低下すること、等
の虞が生じる。
【0010】しかも、刺繍枠がキャリッジの枠装着位置
に完全に装着されていなくても、検出スイッチが刺繍枠
の被検出部を検出する虞がある。つまり、刺繍枠の枠装
着位置への装着が不備であっても、刺繍枠が装着されて
いると誤検出し、この状態で縫製が行われると、刺繍枠
にガタツキが生じて刺繍模様の品質が低下する。
【0011】また、実用新案登録第2522857号公
報の刺繍枠移送装置では、製作誤差や組付け誤差等によ
り、キャリッジの1対の係合溝に刺繍枠の1対の係合ピ
ンをガタツキなく係合させることが難しく、特に刺繍枠
が移動を開始する際、キャリッジに対して刺繍枠がガタ
ついて位置ずれを起こし、刺繍模様の品質が低下すると
いう問題もある。それ故、高い加工精度や組付け精度が
必要となるが、製作コストが高価になる等の不都合が生
じる。
【0012】本発明の目的は、刺繍枠移送装置におい
て、刺繍枠の着脱をスムースに行うこと、検出スイッチ
の劣化を防止して耐久性を向上させること、キャリッジ
に装着される刺繍枠を誤検出せずに簡単に且つ確実に検
出すること、等である。
【0013】
【課題を解決するための手段】 請求項1の刺繍枠移送
装置は、刺繍枠と、刺繍枠を着脱可能なキャリッジと、
キャリッジを直交2方向へ独立に移動させる移送機構を
備えた刺繍枠移送装置において、前記キャリッジに検出
位置と退避位置とに亙って位置切換可能な可動部材を設
け、この可動部材に刺繍枠の被検出部を検出する為の検
出スイッチを設け、前記可動部材を検出位置に切換えた
状態のときだけ検出スイッチで被検出部を検出可能に構
成したことを特徴とするものである。
【0014】この刺繍枠移送装置は、刺繍枠、キャリッ
ジ、移送機構を備え、刺繍枠をキャリッジに装着し、そ
のキャリッジを直交2方向へ独立に移動させるものであ
り、そのキャリッジに取付けた加工布にミシンの縫製機
構により縫製が施されて刺繍模様が形成される。キャリ
ッジに検出位置と退避位置とに亙って位置切換可能な可
動部材が設けられ、この可動部材に刺繍枠の被検出部を
検出する為の検出スイッチが設けられ、可動部材を検出
位置に切換えた状態のときだけ検出スイッチで被検出部
を検出可能に構成されている。
【0015】つまり、可動部材を退避位置に切換えて、
検出スイッチで刺繍枠の被検出部を検出不能な状態にし
て、刺繍枠をキャリッジに着脱し、刺繍枠を枠装着位置
に装着した状態で可動部材を検出位置に切換えて、検出
スイッチで刺繍枠の被検出部を検出することができる。
特に検出スイッチが接触型スイッチの場合、刺繍枠の着
脱の際に、その検出スイッチが対応する刺繍枠の被検出
部やそれ以外の部分に殆ど接触しないようにして、刺繍
枠の着脱をスムースに行い、検出スイッチの劣化を防止
して耐久性を向上させることができる。
【0016】このように、刺繍枠をキャリッジに装着す
るだけで刺繍枠の被検出部を簡単に検出でき、また、刺
繍枠の着脱の際には可動部材を退避位置に保持し、刺繍
枠が枠装着位置に装着されると、可動部材を検出位置に
切換え可能に構成することで、キャリッジに装着される
刺繍枠の被検出部を誤検出せずに確実に検出できるよう
になる。尚、可動部材については、検出スイッチを設け
る為だけの部材として設けてもよいし、刺繍枠の連結部
をキャリッジに解除可能に押圧してロックするような場
合、そのロック部材と共通の部材として設けてもよい。
【0017】請求項2の刺繍枠移送装置は、刺繍枠と、
刺繍枠を着脱可能なキャリッジと、キャリッジを直交2
方向へ独立に移動させる移送機構とを備えた刺繍枠移送
装置において、前記キャリッジに刺繍枠の連結部を係脱
可能に係合させる係合機構と、この係合機構を介して枠
装着位置に係合した刺繍枠の連結部をキャリッジに解除
可能にロックするロック機構を設け、このロック機構
は、前記連結部をキャリッジに押圧する押圧位置と押圧
を解除する解除位置とに亙って移動自在にキャリッジに
支持された可動部材と、この可動部材を押圧位置へ付勢
する付勢部材を有し、前記刺繍枠の連結部に被検出部を
設けるとともに可動部材に被検出部を検出する検出スイ
ッチを設け、前記可動部材を押圧位置に切換えた状態の
ときだけ、検出スイッチで刺繍枠の被検出部を検出可能
に構成したことを特徴とするものである。
【0018】この刺繍枠移送装置は、刺繍枠、キャリッ
ジ、移送機構を備え、刺繍枠をキャリッジに装着し、そ
のキャリッジを直交2方向へ独立に移動させるものであ
り、そのキャリッジに取付けた加工布にミシンの縫製機
構により縫製が施されて刺繍模様が形成される。係合機
構とロック機構が設けられ、係合機構により、キャリッ
ジに刺繍枠の連結部を係脱可能に係合させ、ロック機構
により、この係合機構を介して枠装着位置に係合した刺
繍枠の連結部をキャリッジに解除可能にロックする。
【0019】ロック機構は可動部材と付勢部材を有し、
可動部材は、前記連結部をキャリッジに押圧する押圧位
置と押圧を解除する解除位置とに亙って移動自在にキャ
リッジに支持され、付勢部材によりこの可動部材が押圧
位置へ付勢されている。そして、刺繍枠の連結部に被検
出部が設けられ、可動部材に被検出部を検出する検出ス
イッチが設けられ、可動部材を押圧位置に切換えた状態
のときだけ、検出スイッチで刺繍枠の被検出部を検出可
能に構成されている。
【0020】つまり、可動部材を解除位置に切換えて、
検出スイッチで刺繍枠の被検出部を検出不能な状態にし
て、刺繍枠をキャリッジに着脱でき、刺繍枠の連結部を
枠装着位置に係合させた状態で可動部材が押圧位置に切
換わり、付勢部材の付勢力により前記連結部をキャリッ
ジに押圧しロックすると共に、検出スイッチで刺繍枠の
被検出部を検出することができる。特に検出スイッチが
接触型スイッチの場合、刺繍枠の着脱の際に、その検出
スイッチが対応する刺繍枠の被検出部やそれ以外の部分
に殆ど接触しないようにして、刺繍枠の着脱をスムース
に行い、検出スイッチの劣化を防止して耐久性を向上さ
せることができる。
【0021】このように、刺繍枠をキャリッジに装着す
るだけで刺繍枠の被検出部を簡単に検出でき、また、刺
繍枠の着脱の際には可動部材を解除位置に保持し、刺繍
枠が枠装着位置に装着されると、可動部材を押圧位置に
切換え可能に構成することで、キャリッジに装着される
刺繍枠の被検出部を誤検出せずに確実に検出できるよう
になる。また、可動部材により前記連結部をキャリッジ
に押圧して装着するようにしたので、それ程高い加工精
度や組付け精度を必要とせず、製作コストが高価になる
のを防止できる。
【0022】請求項3の刺繍枠移送装置は、請求項1又
は2の発明において、前記検出スイッチは、被検出部に
接触可能な検出レバーを有するオンオフスイッチであ
り、前記被検出部は、検出レバー側へ突出する突起部か
らなることを特徴とするものである。刺繍枠を枠装着位
置に装着した状態で可動部材が検出位置(押圧位置)に
切換えられると、検出スイッチの揺動レバーが刺繍枠の
突起部に接触し揺動するため、検出スイッチで刺繍枠の
被検出部を確実に検出することができる。
【0023】請求項4の刺繍枠移送装置は、請求項2の
発明において、前記係合機構は、キャリッジと刺繍枠の
連結部の一方に設けられた係合溝と他方に設けられかつ
前記係合溝にスライド可能に係合する係合部を有するこ
とを特徴とするものである。キャリッジの係合溝又は係
合部を形成する部分に受け止め部を設けることができ、
この係合機構を介して係合した前記連結部を前記受け部
にロック部材で押圧することができる。刺繍枠の連結部
を、キャリッジとロック部材の間においてスライドさせ
ることができるため、刺繍枠の着脱の際、ロック部材を
大きく解除位置に退避させる必要がなく、全体的な構造
を小型化及び簡単化できる。
【0024】請求項5の刺繍枠移送装置は、請求項4の
発明において、前記キャリッジに複数の検出スイッチを
刺繍枠装着方向に並べて設け、刺繍枠の連結部に1又は
複数の検出スイッチに対応する1又は複数の被検出部を
設け、この1又は複数の被検出部を刺繍枠の種類毎に固
有の配置パターンで配置したことを特徴とするものであ
る。つまり、キャリッジに装着した刺繍枠の種類を検出
できるようになる。しかも、刺繍枠を前記係合機構を介
してスライドさせながら装着する際に、検出スイッチが
刺繍枠の被検出部に殆ど接触しないように構成すること
ができる。
【0025】請求項6の刺繍枠移送装置は、請求項5の
発明において、使用頻度の高い刺繍枠に、刺繍枠装着時
の進入の際に上流側に位置する検出スイッチに対応する
1つの被検出部を設けたことを特徴とするものである。
使用頻度の高い刺繍枠をキャリッジに着脱する際、刺繍
枠装着時の進入の際に上流側に位置する検出スイッチ以
外の残りの検出スイッチが、前記被検出部に全く接触し
ないようになるため、前記残りの検出スイッチの劣化を
より確実に防止して耐久性を向上させることができる。
【0026】請求項7の刺繍枠移送装置は、請求項3〜
6の何れかの発明において、前記可動部材に設けられた
突出部と、刺繍枠に設けられ突出部が係脱可能な凹溝と
を有し、突出部が凹溝に係合して刺繍枠を前記枠装着位
置に位置決めする位置決め機構を設けたことを特徴とす
るものである。検出スイッチで被検出部を確実に検出す
るために、突出部を凹溝に係合させて刺繍枠を枠装着位
置に位置決めした状態で、可動部材を検出位置(押圧位
置)に切換えることができる。
【0027】請求項8の刺繍枠移送装置は、請求項3〜
7の何れかの発明において、前記係合機構を介して刺繍
枠をキャリッジの枠装着位置に装着する際に、可動部材
を案内して退避位置又は解除位置に切換えるガイド部
を、刺繍枠の連結部又は可動部材に設けたことを特徴と
するものである。刺繍枠が枠装着位置以外に位置する状
態において、刺繍枠を着脱する際、可動部材を退避位置
又は解除位置に確実に保持することができる。
【0028】請求項9の刺繍枠移送装置は、請求項4の
発明において、前記可動部材に複数の検出スイッチを電
気的に接続する基板を設けたことを特徴とするものであ
る。複数の検出スイッチに対応する複数の配線を、可動
部材に設けた基板を介して纏めて刺繍枠移送装置の制御
装置等に接続できるようになる。
【0029】請求項10の刺繍枠移送装置は、請求項9
の発明において、前記刺繍枠移送装置の制御装置に基板
の配線を電気的に接続するコネクタを前記基板に設けた
こと特徴とするものである。基板の配線の刺繍枠移送装
置の制御装置への接続と分離を容易に行うことができ、
刺繍枠移送装置の組立てやメンテナンス等のときに便利
になる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。本実施形態は、ミシン
により加工布に縫製を施して刺繍模様を形成するため
に、加工布を取付けた刺繍枠を移送する刺繍枠移送装置
に、本発明を適用した場合の例である。尚、図1の前後
左右を前後左右として説明する。
【0031】最初にミシンMについて簡単に説明する。
図1に示すように、ミシンMは、ベッド部1、脚柱部
2、アーム部3、ヘッド部4を有し、ベッド部1に刺繍
枠移送装置10が着脱可能に装着される。ヘッド部4に
針棒5と押え棒7が上下動可能に支持され、針棒5の下
端部に縫針6が装着され、押え棒7の下端部に刺繍用の
布押え8が装着されている。ベッド部1の内部に回転釜
からなる糸捕捉器(図示略)が設けられ、この糸捕捉器
と縫針6とが協働して上糸と下糸を交絡させ加工布に縫
目を形成する。
【0032】図示していないが、ミシンMには、ミシン
モータ、針棒5を駆動する針棒駆動機構、天秤、天秤を
駆動する天秤駆動機構、回転釜を駆動する釜駆動機構等
が設けられている。これら駆動機構は、例えば、ミシン
モータの駆動力を針棒5と天秤と回転釜に夫々伝達して
それらを駆動するように構成されている。
【0033】刺繍枠移送装置10について説明する。図
1〜図8に示すように、刺繍枠移送装置10は、刺繍枠
11、刺繍枠11の連結部21を着脱可能なキャリッジ
12、キャリッジ12をベッド部1の幅方向である前後
方向(Y方向)へ移動させるY方向移送機構13、Y方
向移送機構13の下側に配設されてY方向移送機構13
と共にキャリッジ12をベッド部1の長さ方向である左
右方向(X方向)へ移動させるX方向移送機構14を有
する。
【0034】刺繍枠移送装置10は、平滑な上面を有す
るケース15と、このケース15の上側に配設されて前
後方向に細長く且つ前後両端部分がケース15の前後両
側へ張出す可動ケース16を有する。
【0035】ケース15は上ケース15aと下ケース1
5bとで構成され(図2〜図7参照)、このケース15
にX方向移送機構14が収容され、ケース15の上側に
Y方向移送機構13の大部分とキャリッジ12が配設さ
れている。可動ケース16はその前端部分よりも後端部
分がケース15から大きく張出すように構成され、その
可動ケース16にY方向移送機構13とキャリッジ12
の一部が収容されている。ケース15がベッド部1に装
着され、この状態で、ケース15の上面がベッド部1の
上面(ベッド面)と同じ高さになる。
【0036】図2、図9〜図11に示すように、刺繍枠
11は、加工布を取付ける布取付枠部20と、キャリッ
ジ12に連結される連結部21を有し、この刺繍枠移送
装置10には、布取付枠部20の大きさと形状が異なる
複数種類の刺繍枠11が着脱可能に設けられている。但
し、これら刺繍枠11については同一符号を付して説明
する。例えば、図2、図9は布取付枠部20が約160 ×
260 (左右方向長さ[mm]×前後方向長さ[mm])の刺繍枠
11、図10は布取付枠部20が約100 ×100の刺繍枠
11、図11は布取付枠部20が約60×40の刺繍枠11
である。
【0037】複数種類の刺繍枠11の連結部21は略同
じ構造であり、キャリッジ12が原点位置のときに、キ
ャリッジ12に装着されている刺繍枠11の布取付枠部
20の中心が一定位置(例えば、縫針6の位置)に位置
するように、例えば、図10、図11のような刺繍枠1
1では、布取付枠部20と連結部21を種々の左右方向
長さの繋ぎ部22を介して連結している。布取付枠部2
0は、外枠20aと内枠20bと締付け機構20cを有
し、外枠20aと内枠20bの間に加工布を挟み、締付
け機構20cで外枠20aを内枠20bに締付けて加工
布を取付ける。
【0038】刺繍枠11の連結部21には、キャリッジ
12側の検出スイッチ56により検出可能な被検出部2
3が設けられている。検出スイッチ56はキャリッジ1
2側に前後方向に並べて3つ設けられ、これら検出スイ
ッチ56に対応させて、刺繍枠11の連結部21に、最
大3つの被検出部23を前後に並べて前方位置と後方位
置とそれらの間の中間位置とに設けることができるが、
刺繍枠11の種類毎に1〜3つの被検出部23が固有の
配置パターンで配置されている。
【0039】前記前方位置と中間位置と後方位置のう
ち、例えば、図9の刺繍枠11には、前方位置と中間位
置に2つの被検出部23が設けられ、図10の刺繍枠1
1には、前方位置に1つの被検出部23が設けられ、図
11の刺繍枠11には、中間位置に1つの被検出部23
が設けられている。
【0040】図9、図12〜図14に示すように、キャ
リッジ12は、Y方向移送機構13のY方向フレーム6
0にガイドされる被ガイド部材25と、この被ガイド部
材25の右端部に連結されて刺繍枠11を取付ける取付
台26を有する。取付台26は、立壁部27と、立壁部
27の下端部から右方へ張出す張出部28を有し、立壁
部27が後述の調節機構110 (図20、図21参照)を
介して被ガイド部材25に連結されている。
【0041】このキャリッジ12には、刺繍枠11の連
結部21を前後方向へスライドさせて係脱可能に係合さ
せる係合機構30の係合溝31と、この係合機構30を
介して枠装着位置に係合した刺繍枠11の連結部21を
キャリッジ12に解除可能にロックするロック機構40
が設けられている。
【0042】図12〜図14に示すように、係合機構3
0は、キャリッジ12の取付台26の張出部28に上側
から形成された前後方向に長い係合溝31と、刺繍枠1
1の連結部21の下端部に形成された前後方向に長い係
合部32を有し、この係合部32が係合溝31にスライ
ド可能に係合するように構成されている。係合部32の
長さは係合溝31の長さと略同じ或いは少し短く、係合
部32が係合溝31に係合した状態で、それらの長さ方
向中央位置が略一致すると刺繍枠11が枠装着位置に装
着される。
【0043】この係合機構30では、例えば、係合溝3
1の後端部にブロック部材等を嵌合し固定することによ
り、刺繍枠11をキャリッジ12に前方側からしか係合
させることができず、刺繍枠11をキャリッジ12に係
合した状態で、刺繍枠11をキャリッジ12から前方側
へしか係合解除できないようになっている。
【0044】キャリッジ12の張出部28の係合溝31
以外の上面は平滑面に形成され、この張出部28のうち
係合溝31よりも左側の上面に、係合機構30を介して
係合する連結部21の左端の接触部21aが摺動自在に
接触するようになっており、この状態で、次に詳述する
ロック機構40のロック部材41により、連結部21が
キャリッジ12の張出部28に押圧される。
【0045】図12〜図16に示すように、ロック機構
40は、刺繍枠11の連結部21をキャリッジ12に押
圧する図12の押圧位置(検出位置)と押圧を解除する
図15の解除位置(退避位置)に亙って位置切換え可能
に左右方向へ移動自在にキャリッジ12にガイド支持さ
れたロック部材41(可動部材)と、ロック部材41を
押圧位置(右方)へ付勢する付勢部材としてロック部材
41の長さ方向(前後)両端付近に対応する位置に設け
られた1対の圧縮コイルバネ42を有する。
【0046】ロック部材41は、前後方向長さがキャリ
ッジ12の取付台26の前後方向長さよりも少し短く、
張出部28の上側に配設されている。ロック部材41の
長さ方向両端付近の下部に1対の摺動部43が設けら
れ、これら摺動部43が前記枠装着位置の刺繍枠11の
連結部21の摺動部24に摺動しつつ係合して連結部2
1を下側に押圧する。1対の摺動部43は、夫々、刺繍
枠11の摺動部24側つまり下方に突出させた突起部に
形成され、その下面がロック部材41の移動方向(左右
方向)に対して右側程上方へ傾斜したテーパ状に形成さ
れている。
【0047】前側の摺動部(突起部)43の刺繍枠11
の装着方向である前後方向両端側に、摺動部43に対し
て前後に離隔する程上側に位置するように傾斜した1対
のテーパガイド部44が形成され、これらテーパガイド
部44の下面は、左右方向に対して右側程上方へ傾斜し
たテーパ状に形成されて摺動部43の同じテーパ状の下
面に連なっている。ここで、刺繍枠11の連結部21の
摺動部24の上面は、ロック部材41の1対の摺動部4
3と面接触状に係合するように、左右方向に対して右側
程上方へ傾斜したテーパ状に形成されている。
【0048】ロック機構40のロック部材41を押圧位
置と解除位置とに移動自在に案内するために、第1,第
2ガイド軸45,46が設けられ、これらガイド軸4
5,46がロック部材41の案内孔47,48に夫々挿
通され、第1ガイド軸45とその案内孔47は、刺繍枠
11の連結部21のスライド方向である左右方向へのロ
ック部材41の微小移動を許容し、第2ガイド軸46と
その案内孔48は、左右方向へのロック部材41の微小
移動を禁止し且つ第1,第2ガイド軸45,46の軸心
を含む面内でのロック部材41の傾動を許容するように
構成されている。
【0049】第1ガイド軸45はロック部材41の長さ
方向両端付近に対応する位置に1対設けられ、これら第
1ガイド軸45の間の中間位置に第2ガイド軸46が設
けられ、これらガイド軸45,46は夫々左端部をキャ
リッジ25の取付台25の立壁部27に固着して右方向
へ延び案内孔47,48を挿通している。前記1対の圧
縮コイルバネ42は立壁部27とロック部材41の間に
おいて1対の第1ガイド軸45に夫々外装され、3つの
検出スイッチ56の配置上、前側の圧縮コイルバネ42
の付勢力よりも後側の圧縮コイルバネ42の付勢力を強
力にしてある。
【0050】図13、図14に示すように、第1ガイド
軸45が挿通する案内孔47は、左右方向に細長い小判
孔であり、第2ガイド軸46が挿通する案内孔48が、
上下方向(ガイド軸46の軸心方向と直交し且つ刺繍枠
11の連結部21のスライド方向と直交する方向)に細
長い小判孔である。圧縮コイルバネ42により右方へ付
勢されたロック部材41がガイド軸45,46から抜け
ないように、1対の案内孔47の右側において1対の第
1ガイド軸45の右端部に抜け止めリング45aが外嵌
状に装着されている。
【0051】図9〜図14に示すように、係合機構30
を介して係合した刺繍枠11を前記枠装着位置に位置決
めする位置決め機構50が設けられている。この位置決
め機構50は、ロック部材41に設けられた突出部51
と、刺繍枠11に設けられ突出部51が係脱可能な凹溝
52とを有する。突出部50はロック部材41の長さ方
向中央の右端部に形成され、凹溝52は刺繍枠11の連
結部21において連結部21の長さ方向中央に形成さ
れ、この突出部51が凹溝52に係合して刺繍枠11が
スライド不能にロックされて枠装着位置に位置決めされ
る。
【0052】また、図9〜図11に示すように、係合機
構30を介して刺繍枠11をキャリッジ12の枠装着位
置に装着する際に、ロック部材41を案内して解除位置
に切換えるガイド部55が、刺繍枠11に設けられてい
る。このガイド部55は、刺繍枠11の連結部21にお
いて、連結部21の長さ方向中央からその後半部に亙っ
て形成され、その長さ方向前部の直線ガイド部55a
と、長さ方向後部に位置して直線ガイド部55aの後端
から緩やかに右方へ湾曲する湾曲ガイド部55bを有
し、ガイド部55の左面前端は前記凹溝52の左後端に
連なっている。
【0053】図9〜図11に示すように、ロック部材4
1には、刺繍枠11の被検出部23を検出する3つの検
出スイッチ56が前後方向に並べられ、ロック部材41
の長さ方向ほぼ中心位置に対して後側へ偏った状態で設
けられ、ロック部材41が押圧位置に切換えられた状態
のときだけ、検出スイッチ56で刺繍枠11の被検出部
23を検出可能に構成してある。各検出スイッチ56
は、被検出部23に接触可能な検出レバー56aを有す
るオンオフスイッチであり、前記被検出部23は検出レ
バー56a側つまり左側へ突出する突起部からなり、前
述のように、各刺繍枠11において、この1〜3の被検
出部23を刺繍枠11の種類毎に固有の配置パターンで
配置されている。
【0054】図10の布取付枠部20の大きさが約100
×100 の刺繍枠11を使用頻度の最も高い刺繍枠11と
すると、この使用頻度の高い刺繍枠11には、刺繍枠装
着時の進入の際に上流側に位置する(最も前方に位置す
る)検出スイッチ56に対応する1つの被検出部23が
設けられている。尚、3つの検出スイッチ56を設けた
ことにより、刺繍枠11の装着の有無と装着される7種
類の刺繍枠11を検出可能となる。
【0055】ロック部材41には前後方向に細長い基板
57が固定的に設けられ、この基板57に3つの検出ス
イッチ56が固定されると共に電気的に接続されてい
る。そして、この基板57には、基板57の配線を電気
的に接続するコネクタ58が設けられ、このコネクタ5
8から各検出スイッチ56の配線を含む共通の配線コー
ド105 (図9、図12参照)が延びている。
【0056】ここで、キャリッジ12への刺繍枠11の
着脱について説明する。図16に示すように、キャリッ
ジ12に刺繍枠11を装着していない状態では、圧縮コ
イルバネ42により右方へ付勢されたロック部材41
が、抜け止めリング45aに係止されて右限界位置に位
置している。この状態から、キャリッジ12の張出部2
8とロック部材41の間に、刺繍枠11の連結部21を
前側から挿入するように連結部21の係合部32を係合
溝31に係合させて、連結部21を後方へスライドさせ
る。
【0057】その際、連結部21のガイド部55の前端
部が、右限界位置に位置するロック部材41の突出部5
1の右端よりも右側に位置するため、後方へ移動するガ
イド部55が突出部51と衝突することなく、湾曲ガイ
ド部55bが突出部51に係合して突出部51を左側へ
押動してロック部材41を解除位置に切換え、直線ガイ
ド部55aが突出部51に係合してロック部材41を解
除位置に保持する。このとき、ロック部材41は、第
1,第2ガイド軸45,46の軸心を含む面内で傾動し
ながら解除位置にスムースに切換わる。
【0058】尚、連結部21のガイド部55の前端部
が、右限界位置に位置するロック部材41の突出部51
の右端よりも左側に位置していても、その後、突出部5
1の右端よりも右側に位置するようにして突出部51に
係合できるように、ガイド部55がロック部材41に直
接係合して、ロック部材41を左方へ押動するように構
成できる。この場合も、第1,第2ガイド軸45,46
の軸心を含む面内で傾動しながら左方へスムースに移動
する。
【0059】ガイド部55に突出部51を係合させロッ
ク部材41が解除位置に切換わった状態で、連結部21
を後方へ更にスライドさせ、突出部51と凹溝52の前
後方向位置が一致して、刺繍枠11が枠装着位置に達す
る。すると、圧縮コイルバネ42の付勢力によりロック
部材41が右方へ移動し、突出部51が凹溝52に係合
すると共に、ロック部材41の1対の摺動部43が、連
結部21の1対の摺動部24に摺動しつつ係合して連結
部21をキャリッジ12に押圧しロックする。
【0060】尚、作業者がロック部材41を手動で解除
位置に切換えた状態で、刺繍枠11の連結部21を枠装
着位置に装着してから、ロック部材41から手を離し、
そのロック部材41で連結部21をロックする手順で行
うことも勿論可能である。また、刺繍枠11をキャリッ
ジ12から取外す場合には、図15に示すように、作業
者がロック部材41を手動で解除位置に切換えて、突出
部51と凹溝52の係合を解除させ、刺繍枠11を前方
へスライドさせて取外す。
【0061】図8、図17〜図19に示すように、Y方
向移送機構13は、キャリッジ12を前後方向へ移動自
在にガイド支持するY方向フレーム60と、このY方向
フレーム60に装着されてキャリッジ12を前後方向へ
駆動するY方向駆動系70を有する。
【0062】Y方向フレーム60は、前後方向に長いY
方向フレーム本体61と、その下側に配設されY方向フ
レーム本体61に前後両端部で固定された補助フレーム
62を有し、補助フレーム62の下部がケース15に収
容され、ケース15の上側に補助フレーム62の上部と
Y方向フレーム本体60が配設されている。Y方向フレ
ーム本体60には、キャリッジ12を前後方向へ案内す
る前後方向に長い案内軸63とこの案内軸63に対して
左右方向へ離隔した位置に案内部材64が設けられてい
る。
【0063】案内軸63はY方向フレーム本体61の右
部に配設され、案内軸63の両端部が、Y方向フレーム
本体61の前後両側壁に固着され、案内部材64はY方
向フレーム本体61の左部に配設され、Y方向フレーム
本体61の底部に固定されて上方へ立上がり左方へ屈曲
した形状である。そして、キャリッジ12の被ガイド部
材25が案内軸63に摺動自在に外嵌され、被ガイド部
材25の左端のコ字形の係合部25aが案内部材64の
上端部に左側から摺動自在に係合している。
【0064】Y方向駆動系70は、Y方向電動モータ7
1、駆動ギア72、大径ギア73、1対のプーリ74,
75、タイミングベルト76を有し、Y方向電動モータ
71の駆動力をキャリッジ12に伝達して、キャリッジ
12を前後方向へ駆動する。Y方向電動モータ71は、
可動ケース16のケース15の前後両側へ張出した前後
両端部分のうち張出し量が小さい方に、つまり前端部分
に配設されて、Y方向フレーム本体61の底部の前端下
面に上向きにして固定され、その底部の上側へ挿通する
Y方向電動モータ71の出力軸に駆動ギア72が固着さ
れている。
【0065】Y方向フレーム本体61の前部に、同軸上
に固着された大径ギア73とプーリ74が回転自在に枢
支され、その大径ギア73に駆動ギア72が噛合してい
る。Y方向フレーム本体61の後部にプーリ75が回転
自在に枢支され、これらプーリ74,75に無端状のタ
イミングベルト76が掛装されている。タイミングベル
ト76は、案内軸63と案内部材64の間に配設され、
その一部がキャリッジ12に連結されている。
【0066】X方向移送機構14は、Y方向フレーム6
0の下側に設けられてY方向フレーム60を左右方向へ
移動自在にガイド支持するX方向フレーム80と、この
X方向フレーム80に装着されてY方向フレーム60を
左右方向へ駆動するX方向駆動系90を有する。X方向
フレーム80には、Y方向フレーム60を左右方向へ案
内する左右方向に長い案内軸81とこの案内軸81に対
して前後方向へ離隔した位置に案内部材82(ガイド
部)が設けられている。
【0067】案内軸81はX方向フレーム80の後部に
配設され、案内軸81の両端部が、X方向フレーム80
の左右両側壁部に固着され、案内部材82はX方向フレ
ーム80の前部に配設され、X方向フレーム80の前側
壁に固定されて前方へ延びている。Y方向フレーム60
の補助フレーム62に、案内軸81にガイドされる1対
の被案内部83と、この被案内部83に対して前後方向
へ離隔した位置において前記案内部材82に前側から摺
動自在に係合してガイドされるコの字形の係合部84が
設けられている。1対の被案内部83はある程度左右方
向へ相離隔した位置に設けられている。
【0068】X方向駆動系90は、X方向電動モータ9
1、駆動ギア92、大径ギア93、1対のプーリ94,
95、タイミングベルト96を有し、X方向電動モータ
91の駆動力を補助フレーム62に伝達して、Y方向フ
レーム60を左右方向へ駆動する。X方向電動モータ9
1は、X方向フレーム80の底部の右下面に上向きにし
て固定され、その底部の上側へ挿通するX方向電動モー
タ91の出力軸に駆動ギア92が固着されている。
【0069】X方向フレーム80の右部に、同軸上に固
着された大径ギア93とプーリ94が回転自在に枢支さ
れ、その大径ギア93に駆動ギア92が噛合している。
X方向フレーム80の左部にプーリ95が回転自在に枢
支され、これらプーリ94,95に無端状のタイミング
ベルト96が掛装されている。タイミングベルト96
は、案内軸81と案内部材82の間に配設され、その一
部が補助フレーム62に連結されている。
【0070】図8、図17、図18に示すように、Y方
向フレーム60の補助フレーム62は、平面視にて略逆
三角形状のベース部62aと、ベース部62aの前後両
端から上方へ立上がるように一体形成された立上部62
b,62cを有し、側面視にて凹状に形成されている。
【0071】図1、図17、図18に示すように、ケー
ス15の上壁と側壁に左右方向に長い1対のスリット10
0,101 が形成され、補助フレームのうち、ベース部62
aの前端部がスリット100 を移動自在に挿通し、立上部
62cがスリット101 を移動自在に挿通している。この
ように、ケース15の上壁と側壁にスリット100,101を
形成したので、ケース15内に糸くずや布くず等のゴミ
やホコリが侵入するのを極力防止することができる。
尚、立上部62b,62cの上端部分がY方向フレーム
本体61に連結され、ベース部62aの後部下側に1対
の被案内部83が設けられ前部下側に係合部84が設け
られている。
【0072】図8、図12に示すように、Y方向フレー
ム60のY方向フレーム本体61の左端部に、検出スイ
ッチ56からケース15内に延びる配線コード105 の大
部分を支持して前後方向に沿って案内する前後方向に長
いコード支持部106 が設けられ、このコード支持部106
は、底壁106aと底壁106aの左側から立上がる側壁106bを
有し、配線コード105 を底壁106aで支持し、底壁106aで
支持された配線コード105 を側壁106bで前後方向に沿っ
て案内して底壁106aからの脱落を防止する。
【0073】図8、図9、図12に示すように、配線コ
ード105 は可撓性のある帯状コードであり、基板57の
コネクタ58から延びるこの配線コード105 は、可動ケ
ース16内においてキャリッジ12の上側を通り、Y方
向フレーム本体61の案内部材64まで案内され、そこ
から縦向きになって底壁106aで支持される。キャリッジ
12を離れた配線コード105 は底壁106aで支持されつ
つ、例えば、先ず案内部材64に沿って後方へ延びてか
らUターンして側壁106bに沿って前方へ延びる。
【0074】このようにしてケース15の上壁のスリッ
ト100 の上側位置まで案内された配線コード105 は下向
きに向きを変え、Y方向フレーム本体61から延びるそ
の配線コード105 を、ケース15の上壁のスリット100
を挿通する補助フレーム62に沿ってケース15内に案
内するようにしてある。また、図示していないが、Y方
向フレーム本体61に設けられてキャリッジ12を前後
方向へ駆動するY方向電動モータ71から延びるコード
を、ケース15の側壁のスリット101 を挿通する補助フ
レーム62に沿ってケース15内に案内するようになっ
ている。
【0075】図7に示すように、ケース17の右端部に
コネクタ109 が設けられ、このコネクタ109 に、前記配
線コード105 、Y方向電動モータ71から延びるコー
ド、 X方向電動モータ91から延びるコードが接続さ
れ、ケース15がベッド部1に装着されると、コネクタ
109 がベッド部1の左端部に設けたコネクタ(図示略)
に接続されて、前記コードがミシンMの制御装置や電源
に電気的に接続される。
【0076】さて、図20、図21に示すように、キャ
リッジ12の被ガイド部材25に対して取付台26の高
さ位置を調節する調節機構110 が設けられている。この
調節機構110 は、取付台26の立壁部27に形成された
高さ方向に細長い長孔111 と、この長孔111 に挿通して
被ガイド部材25と取付台26を解除可能に締結するネ
ジ部材112 を有する。
【0077】ネジ部材112 を緩めて被ガイド部材25と
取付台26の締結を解除した状態で、長孔111 に対して
ネジ部材112 をガイドさせつつ取付台26を昇降させて
高さ調節を行うことができ、高さ位置調節後にネジ部材
112 を締めて被ガイド部材25と取付台26を締結し刺
繍枠11の高さ位置を固定することができる。
【0078】また、図18、図19、図22、図23に
示すように、Y方向フレーム60のうち案内部材82を
介して支持される部分の高さ位置を調節して、Y方向フ
レーム60を案内軸81回りに回動させる第2の調節機
構115 が設けられている。この第2の調節機構115 は、
案内部材82に形成された高さ方向に細長い複数の長孔
116 と、これら長孔116 に夫々挿通してX方向フレーム
80と案内部材82を解除可能に締結する複数のネジ部
材117 を有する。
【0079】複数のネジ部材117 を緩めてX方向フレー
ム80と案内部材82の締結を解除した状態で、長孔11
6 に対してネジ部材117 をガイドさせつつ案内部材82
と一体的にY方向フレーム60を昇降させてキャリッジ
12つまり刺繍枠11の姿勢を調節することができ、姿
勢調節後にネジ部材117 を締めてX方向フレーム80と
案内部材82を締結して刺繍枠11の姿勢を固定でき
る。
【0080】上記刺繍枠移送装置10の作用・効果につ
いて説明する。ロック機構40は、刺繍枠11の連結部
21をキャリッジ12に押圧する押圧位置と押圧を解除
する解除位置とに亙って移動自在にキャリッジ12に支
持されたロック部材41と、このロック部材41を押圧
位置へ付勢する圧縮コイルバネ42とを有し、ロック機
構40において、ロック部材41の摺動部43を連結部
21の摺動部24側の下側に突出させ、これら摺動部2
4,43を、ロック部材41の移動方向に対して傾斜し
たテーパ状に形成した。
【0081】従って、圧縮コイルバネ42の付勢力を比
較的弱い付勢力に設定しても、その付勢力がロック部材
41の摺動部43から連結部21の摺動部24に倍力さ
れて伝達されるため、係合機構30を介して係合した刺
繍枠11の連結部21をロック部材41によりキャリッ
ジ12に強力に押圧し確実にロックできる。
【0082】即ち、摺動部24,43をテーパ形状とし
たので、圧縮コイルバネ42の付勢力がロック部材41
の摺動部43を介して連結部21に対して下方及び右方
の2方向に伝達されて、連結部21がキャリッジ12に
強力に押圧される。特に、圧縮コイルバネ42の付勢力
を、ロック部材41の摺動部43から連結部21の摺動
部24に対して前記2方向に伝達できるため、連結部2
1の下端部に設けられた係合部32がキャリッジ12の
係合溝32の内面に対して前記2方向の力で押圧され、
これにより、圧縮コイルバネ42の付勢力を比較的弱い
付勢力に設定しても、連結部21をキャリッジ12に強
力にロックできるようになる。
【0083】それ故、作業者がロック部材41を比較的
弱い力で操作して解除位置に移動させることもでき、ロ
ック部材41を解除位置に移動させた状態で行う刺繍枠
11の着脱作業を容易に行うことが可能になる。特に、
摺動部43を、ロック部材41の長さ方向両端付近に1
対設けたので、ロック部材41の1対の摺動部43を連
結部21の摺動部24に確実に接触させて、連結部21
をキャリッジ12に確実に押圧してロックできるように
なる。
【0084】ロック部材41の突起部である摺動部43
の前後方向両端側にテーパガイド部44を形成したの
で、キャリッジ12に刺繍枠11が装着されていない状
態で、ロック部材41が押圧位置よりも解除位置と反対
側方向へ位置する場合、刺繍枠11をキャリッジ12に
装着する際、刺繍枠11の連結部21がテーパガイド部
44にガイドされて、連結部21が摺動部43に引っ掛
かるのを防止でき、また、ロック部材41を直接操作し
て解除位置に切換えなくても刺繍枠11をキャリッジ1
2に装着できる。
【0085】ロック機構40は、キャリッジ12に設け
られ且つロック部材41の案内孔47,48に夫々挿通
されてロック部材41を押圧位置と解除位置とに移動自
在に案内すると第1,第2ガイド軸45,46を有し、
第1ガイド軸45とその案内孔47は、左右方向へのロ
ック部材41の微小移動を許容すると共に、第2ガイド
軸46とその案内孔48は、左右方向へのロック部材4
1の微小移動を禁止し且つ第1,第2ガイド軸45,4
6の軸心を含む面内でのロック部材41の傾動を許容す
るように構成した。
【0086】従って、ロック部材41が第1,第2ガイ
ド軸45,46を介して押圧位置と解除位置とに亙って
移動する際、ロック部材41が、第1,第2ガイド軸4
5,46の軸心を含む面内で傾動して、ガイド軸45,
46に対してこじれる虞がなく、移動不能にロックする
虞もなくなる。つまり、ロック部材41を押圧位置と解
除位置とに亙ってスムースに確実に切換えることがで
き、左右方向に対する案内孔47,48の加工精度とガ
イド軸45,46の組付け精度を緩和することができ
る。
【0087】第2ガイド軸46が挿通する案内孔48
が、第2ガイド軸46の軸心方向と直交し且つ前記連結
部21のスライド方向と直交する上下方向に細長い小判
孔であるので、第1ガイド軸45を案内孔47に挿通さ
せた状態で、第2ガイド軸46を案内孔48に挿通させ
るように組付け易くなり、案内孔47,48の加工精度
とガイド軸45,46の組付け精度を緩和できる。
【0088】刺繍枠11の連結部21に被検出部23を
設けるとともにロック部材41に被検出部23を検出す
る検出スイッチ56を設け、ロック部材41を押圧位置
に切換えた状態のときだけ、検出スイッチ56で刺繍枠
11の被検出部23を検出可能に構成した。従って、刺
繍枠11の着脱の際に、その検出スイッチ56が対応す
る刺繍枠11の被検出部23やそれ以外の部分に殆ど接
触しないようにして、刺繍枠11の着脱をスムースに行
い、検出スイッチ56の劣化を防止して耐久性を向上さ
せることができる。
【0089】しかも、刺繍枠11の着脱の際にはロック
部材41を解除位置に保持し、刺繍枠11が枠装着位置
に装着されると、ロック部材41を押圧位置に切換える
ように構成したので、キャリッジ12に装着される刺繍
枠11の被検出部23を誤検出せずに確実に検出でき
る。キャリッジ12に3つの検出スイッチ56を前後方
向に並べて設け、刺繍枠11の連結部21に1〜3つの
検出スイッチ56に対応する1〜3つの被検出部23を
設けたので、1〜3つの被検出部23を刺繍枠11の種
類毎に固有の配置パターンで配置して、キャリッジ12
に装着した刺繍枠11の種類を検出できるようになる。
【0090】使用頻度の高い刺繍枠11に、刺繍枠装着
時の進入の際に上流側に位置する検出スイッチ56に対
応する1つの被検出部23を設けたので、使用頻度の高
い刺繍枠11をキャリッジ12に着脱する際、前記1つ
の検出スイッチ56以外の残りの検出スイッチ56が、
前記1つの被検出部23に全く接触しないようになるた
め、残りの検出スイッチ56の劣化をより確実に防止し
て耐久性を向上させることができる。
【0091】3つの検出スイッチ56がロック部材41
の長さ方向ほぼ中心位置に対して後側に偏った状態で設
けられ、その後側の圧縮コイルバネ42を前側の圧縮コ
イルバネ42の付勢力よりも強力にしたので、ロック部
材41が押圧位置に切換えられて刺繍枠11の被検出部
23を確実に検出できると共に、1対の圧縮コイルバネ
42によりロック部材41を押圧位置に略全体的にバラ
ンスの取れた状態で付勢し、刺繍枠11の連結部21を
キャリッジ12に安定的にロックできる。
【0092】即ち、3つの検出スイッチ56をロック部
材41の長さ方向中心に対して後側に偏った状態に設け
ると、検出スイッチ56が刺繍枠11の被検出部23を
検出する際に解除位置方向への検出負荷を受け、その力
はロック部材41の長さ方向中心に対して後側に偏って
作用する。それ故、後側の圧縮コイルバネ42を前側の
圧縮コイルバネ42の付勢力よりも強力にすることによ
り、ロック部材41を押圧位置に略全体的にバランスの
取れた状態で付勢して、刺繍枠11の連結部21をキャ
リッジ12に安定的に確実にロックできる。つまり、3
つの検出スイッチ56をロック部材41の長さ方向中心
に対して偏った状態に問題なく設けることが可能とな
る。
【0093】ロック部材41に設けられた突出部51
と、刺繍枠11に設けられ突出部51が係脱可能な凹溝
52とを有し、突出部51が凹溝52に係合して刺繍枠
11を前記枠装着位置に位置決めする位置決め機構50
を設けたので、検出スイッチ56で被検出部23を確実
に検出する為に、突出部51を凹溝52に係合させて刺
繍枠11を枠装着位置に位置決めした状態で、ロック部
材41を押圧位置に確実に切換えることができる。
【0094】係合機構30を介して刺繍枠11をキャリ
ッジ12の枠装着位置に装着する際に、ロック部材41
を案内して退避位置に切換えるガイド部55を、刺繍枠
11の連結部21に設けたので、刺繍枠11が枠装着位
置以外に位置する状態において、刺繍枠11を着脱する
際、ロック部材41を解除位置に確実に切換えて保持す
ることができる。
【0095】ロック部材41に3つの検出スイッチ56
を電気的に接続する基板57を設けたので、3つの検出
スイッチ56に対応する配線を、基板57を介して纏め
て配線コード105 で制御装置等に接続できる。しかも、
基板57の配線を電気的に接続するコネクタ58を前記
基板57に設けたので、基板57の配線の接続と分離を
容易に行うことができ、刺繍枠移送装置10の組立てや
メンテナンス等のときに便利になる。
【0096】検出スイッチ56からケース15内に延び
る配線コード105 の大部分を支持して前後方向に沿って
案内するコード支持部106 を、Y方向フレーム本体61
に設けたので、前後方向へ移動するキャリッジ12の検
出スイッチ56からケース12内に延びる配線コード10
5 を、整然と配設しケース15内に確実に案内すること
ができ、Y方向フレーム60を可動ケース16でカバー
して、その可動ケース16内に配線コード105 の大部分
を収容できるため、配線コード105 にホコリやゴミが付
着するのを防止できる。
【0097】X方向フレーム80に左右方向に長くかつ
前後方向に相離隔した位置に案内軸81及びガイド部材
82を設け、Y方向フレーム60は、前後方向に長いY
方向フレーム本体61とその下側に配設されY方向フレ
ーム本体61に両端部で固定された補助フレーム62を
有し、この補助フレーム62に、案内軸81にガイドさ
れる被案内部83と、この被案内部83に対してY方向
へ離隔した位置においてガイド部材82でガイドされる
係合部84を設けた。
【0098】このように、Y方向フレーム本体61に補
助フレーム62の両端部を固定し、この補助フレーム6
2の前後方向へ離隔した被案内部83と係合部84を、
X方向フレーム80の案内軸81とガイド部材82でガ
イド支持するため、X方向フレーム80にY方向フレー
ム60を安定した状態で左右方向へ移動自在にガイド支
持することができ、しかも、補助フレーム62の被案内
部83と係合部84を前後方向へ比較的接近させて設け
ることができ、これにより、移送機構13,14の構造
を簡単化でき製作コストを低減することができる。
【0099】ケース15の上側に配設されてY方向移送
機構13を収容する可動ケース16を、ケース15の前
後両側へ張出するように構成し、この可動ケース15の
ケース15の前後両側へ張出した前後両端部分のうち張
出し量が小さい前端部分に、Y方向電動モータ71を配
設した。従って、キャリッジ16の前後方向の移動スト
ロークを大きくとることができると共に、Y方向電動モ
ータ71を可動ケース16の内部に配設したことによ
り、ケース15にY方向電動モータ71の出力軸が挿通
するスリットを形成しなくてもよくなりケース15の構
造が簡単化し、ケース15内にゴミや埃等も入りにくく
なり、更に、Y方向電動モータ71の出力軸が外部に露
出しなくなるため、その出力軸に糸が絡まる虞もなくな
る。
【0100】そして、キャリッジ12が後側へ大きく移
動した際、可動ケース16の張出し量が小さい前端部分
にY方向電動モータ71を配設しているので、刺繍枠1
1(加工布)を取付けたキャリッジ12とY方向移送機
構13の全体的な重心が後側に偏り過ぎるのを防止して
重量バランスをとることができ、キャリッジ12と刺繍
枠11を安定した姿勢でガタツキなく移動させることが
できる。また、可動ケース16の前端部分よりも後端部
分をケース15から大きく張出すようにして、キャリッ
ジ12を前方よりも後方に大きく移動させるように構成
できるため、刺繍枠移送装置10の前側から作業する作
業者の邪魔になるのを極力防止できる。
【0101】前記刺繍枠移送装置10の変更形態につい
て説明する。 1〕刺繍枠11の摺動部24とロック部材41の摺動部
43の一方だけを、ロック部材41の移動方向に対して
傾斜したテーパ状に形成してもよい。 2〕摺動部43の左右両端側の少なくとも1つのテーパ
ガイド部44を省略することが可能である。
【0102】3〕係合機構30において、ロック部材4
1に係合溝を設け、この係合溝にスライド可能に係合す
る係合部をキャリッジ12に設けてもよい。 4〕位置決め機構50において、刺繍枠11に突出部を
設け、この突出部が係脱可能な凹溝をロック部材41に
設けてもよい。
【0103】5〕キャリッジ12に2つ又は4つ以上の
複数の検出スイッチ56を設け、刺繍枠の連結部に1又
は複数の検出スイッチ56に対応する1又は複数の被検
出部を設けてもよい。検出スイッチ56の数がn個の場
合、(2n −1)種類の刺繍枠11を検出することが可
能となる。尚、刺繍枠11の装着の有無だけを検出する
場合には、1つの検出スイッチ56を設けるだけでよ
い。 6〕ロック機構40において、1又は3つ以上の第1ガ
イド軸とその案内孔を設けてもよい。
【0104】7〕調節機構110 において、被ガイド部材
25に上下方向に細長い長孔を形成し、この長孔にネジ
部材を挿通させて被ガイド部材25と取付台26とを解
除可能に締結するようにしてもよい。 8〕第2の調節機構115 において、X方向フレーム80
に上下方向に細長い複数の長孔を形成し、これら長孔に
複数のネジ部材を夫々挿通させてX方向フレーム80と
案内部材82を解除可能に締結するようにしてもよい。
【0105】9〕ロック部材41を一体のものでなく複
数の部材で構成してもよい。 10〕摺動部43をロック部材41の両端部以外の位置
に設けてもよいし、摺動部43を1対ではなく3つ以上
設けてもよい。
【0106】尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前
記変更形態以外の種々の変更を付加した形態で実施する
ことも可能である。
【0107】
【発明の効果】 請求項1の刺繍枠移送装置によれば、
キャリッジに検出位置と退避位置とに亙って位置切換可
能な可動部材を設け、この可動部材に刺繍枠の被検出部
を検出する為の検出スイッチを設け、前記可動部材を検
出位置に切換えた状態のときだけ検出スイッチで被検出
部を検出可能に構成した。従って、刺繍枠の着脱の際
に、その検出スイッチが対応する刺繍枠の被検出部やそ
れ以外の部分に殆ど接触しないようにして、刺繍枠の着
脱をスムースに行い、検出スイッチの劣化を防止して耐
久性を向上させることができる。しかも、刺繍枠の着脱
の際には可動部材を退避位置に保持し、刺繍枠が枠装着
位置に装着されると、可動部材を検出位置に切換え可能
に構成することで、キャリッジに装着される刺繍枠の被
検出部を誤検出せずに確実に検出できるようになる。
【0108】請求項2の刺繍枠移送装置によれば、キャ
リッジに刺繍枠の連結部を係脱可能に係合させる係合機
構と、この係合機構を介して枠装着位置に係合した刺繍
枠の連結部をキャリッジに解除可能にロックするロック
機構を設けた。そして、ロック機構は、前記連結部をキ
ャリッジに押圧する押圧位置と押圧を解除する解除位置
とに亙って移動自在にキャリッジに支持された可動部材
と、この可動部材を押圧位置へ付勢する付勢部材を有
し、前記連結部に被検出部を設けるとともに可動部材に
被検出部を検出する検出スイッチを設け、可動部材を押
圧位置に切換えた状態のときだけ、検出スイッチで刺繍
枠の被検出部を検出可能に構成した。
【0109】従って、刺繍枠の着脱の際に、その検出ス
イッチが対応する刺繍枠の被検出部やそれ以外の部分に
殆ど接触しないようにして、刺繍枠の着脱をスムースに
行い、検出スイッチの劣化を防止して耐久性を向上させ
ることができる。しかも、刺繍枠の着脱の際には可動部
材を解除位置に保持し、刺繍枠が枠装着位置に装着され
ると、可動部材を押圧位置に切換え可能に構成すること
で、キャリッジに装着される刺繍枠の被検出部を誤検出
せずに確実に検出でき、更に、可動部材により前記連結
部をキャリッジに押圧して装着するようにしたので、そ
れ程高い加工精度や組付け精度を必要とせず、製作コス
トが高価になるのを防止できる。
【0110】請求項3の刺繍枠移送装置によれば、検出
スイッチは、被検出部に接触可能な検出レバーを有する
オンオフスイッチであり、前記被検出部は、検出レバー
側へ突出する突起部からなるので、刺繍枠を枠装着位置
に装着した状態で可動部材が検出位置(押圧位置)に切
換えられると、検出スイッチの揺動レバーが刺繍枠の突
起部に接触し揺動するため、検出スイッチで刺繍枠の被
検出部を確実に検出することができる。
【0111】請求項4の刺繍枠移送装置によれば、係合
機構は、キャリッジと刺繍枠の連結部の一方に設けられ
た係合溝と他方に設けられかつ前記係合溝にスライド可
能に係合する係合部を有するので、この係合機構を介し
て係合した前記連結部を前記受け部にロック部材で押圧
することができる。しかも、刺繍枠の連結部をキャリッ
ジとロック部材の間においてスライドさせることができ
るため、刺繍枠の着脱の際、ロック部材を大きく解除位
置に退避させる必要がなく、全体的な構造を小型化及び
簡単化できる。
【0112】請求項5の刺繍枠移送装置によれば、キャ
リッジに複数の検出スイッチを刺繍枠装着方向に並べて
設け、刺繍枠の連結部に1又は複数の検出スイッチに対
応する1又は複数の被検出部を設け、この1又は複数の
被検出部を刺繍枠の種類毎に固有の配置パターンで配置
したので、キャリッジに装着した刺繍枠の種類を検出で
きるようになる。しかも、刺繍枠を前記係合機構を介し
てスライドさせながら装着する際に、検出スイッチが刺
繍枠の被検出部に殆ど接触しないように構成することが
できる。
【0113】請求項6の刺繍枠移送装置によれば、使用
頻度の高い刺繍枠に、刺繍枠装着時の進入の際に上流側
に位置する検出スイッチに対応する1つの被検出部を設
けたので、使用頻度の高い刺繍枠をキャリッジに着脱す
る際、刺繍枠装着時の進入の際に上流側に位置する検出
スイッチ以外の残りの検出スイッチが、前記被検出部に
全く接触しないようになるため、前記残りの検出スイッ
チの検出スイッチの劣化をより確実に防止して耐久性を
向上させることができる。
【0114】請求項7の刺繍枠移送装置によれば、可動
部材に設けられた突出部と、刺繍枠に設けられ突出部が
係脱可能な凹溝とを有し、突出部が凹溝に係合して刺繍
枠を前記枠装着位置に位置決めする位置決め機構を設け
たので、検出スイッチで被検出部を確実に検出する為
に、突出部を凹溝に係合させて刺繍枠を枠装着位置に位
置決めした状態で、可動部材を検出位置(押圧位置)に
切換えることができる。
【0115】請求項8の刺繍枠移送装置によれば、係合
機構を介して刺繍枠をキャリッジの枠装着位置に装着す
る際に、可動部材を案内して退避位置又は解除位置に切
換えるガイド部を、刺繍枠の連結部又は可動部材に設け
たので、刺繍枠が枠装着位置以外に位置する状態におい
て、刺繍枠を着脱する際、可動部材を退避位置又は解除
位置に確実に保持することができる。
【0116】請求項9の刺繍枠移送装置によれば、可動
部材に複数の検出スイッチを電気的に接続する基板を設
けたので、複数の検出スイッチに対応する複数の配線
を、可動部材に設けた基板を介して纏めて刺繍枠移送装
置の制御装置等に接続できる。
【0117】請求項10の刺繍枠移送装置によれば、刺
繍枠移送装置の制御装置に基板の配線を電気的に接続す
るコネクタを前記基板に設けたので、基板の配線の刺繍
枠移送装置の制御装置への接続と分離を容易に行うこと
ができ、刺繍枠移送装置の組立てやメンテナンス等のと
きに便利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るミシンと刺繍枠移送装
置の斜視図である。
【図2】刺繍枠移送装置の平面図である。
【図3】刺繍枠移送装置の底面図である。
【図4】刺繍枠移送装置の正面図である。
【図5】刺繍枠移送装置の背面図である。
【図6】刺繍枠移送装置の左側面図である。
【図7】刺繍枠移送装置の右側面図である。
【図8】刺繍枠移送装置の移送機構の平面図である。
【図9】キャリッジと刺繍枠の一部の平面図である。
【図10】キャリッジと刺繍枠の一部の平面図である。
【図11】キャリッジの刺繍枠の一部の平面図である。
【図12】刺繍枠移送装置の要部の正面側からの縦断面
図である。
【図13】キャリッジの平面図である。
【図14】キャリッジの右側面図である。
【図15】キャリッジを含む要部の正面側からの縦断面
図である。
【図16】キャリッジを含む要部の正面側からの縦断面
図である。
【図17】移送機構の右側面図である。
【図18】移送機構の左側面図である。
【図19】移送機構の正面図である。
【図20】調節機構を含む要部の立て断面図である。
【図21】調節機構を含む要部の立て断面図である。
【図22】第2の調節機構を含む要部の立て断面図であ
る。
【図23】第2の調節機構を含む要部の立て断面図であ
る。
【符号の説明】
M ミシン 10 刺繍枠移送装置 11 刺繍枠 12 キャリッジ 13 Y方向移送機構 14 X方向移送機構 15 ケース 16 可動ケース 23 被検出部 30 係合機構 40 ロック機構 41 ロック部材 42 圧縮コイルバネ 45,46 第1,第2ガイド軸 47,48 案内孔 50 位置決め機構 56 検出スイッチ 57 基板 58 コネクタ 60 Y方向フレーム 70 Y方向駆動系 80 X方向フレーム 90 X方向駆動系 110 調節機構 115 第2の調節機構

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刺繍枠と、刺繍枠を着脱可能なキャリッ
    ジと、キャリッジを直交2方向へ独立に移動させる移送
    機構を備えた刺繍枠移送装置において、 前記キャリッジに検出位置と退避位置とに亙って位置切
    換可能な可動部材を設け、この可動部材に刺繍枠の被検
    出部を検出する為の検出スイッチを設け、 前記可動部材を検出位置に切換えた状態のときだけ検出
    スイッチで被検出部を検出可能に構成したことを特徴と
    する刺繍枠移送装置。
  2. 【請求項2】 刺繍枠と、刺繍枠を着脱可能なキャリッ
    ジと、キャリッジを直交2方向へ独立に移動させる移送
    機構とを備えた刺繍枠移送装置において、 前記キャリッジに刺繍枠の連結部を係脱可能に係合させ
    る係合機構と、この係合機構を介して枠装着位置に係合
    した刺繍枠の連結部をキャリッジに解除可能にロックす
    るロック機構を設け、 このロック機構は、前記連結部をキャリッジに押圧する
    押圧位置と押圧を解除する解除位置とに亙って移動自在
    にキャリッジに支持された可動部材と、この可動部材を
    押圧位置へ付勢する付勢部材を有し、 前記刺繍枠の連結部に被検出部を設けるとともに可動部
    材に被検出部を検出する検出スイッチを設け、前記可動
    部材を押圧位置に切換えた状態のときだけ、検出スイッ
    チで刺繍枠の被検出部を検出可能に構成したことを特徴
    とする刺繍枠移送装置。
  3. 【請求項3】 前記検出スイッチは、被検出部に接触可
    能な検出レバーを有するオンオフスイッチであり、前記
    被検出部は、検出レバー側へ突出する突起部からなるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の刺繍枠移送装
    置。
  4. 【請求項4】 前記係合機構は、キャリッジと刺繍枠の
    連結部の一方に設けられた係合溝と他方に設けられかつ
    前記係合溝にスライド可能に係合する係合部を有するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の刺繍枠移送装置。
  5. 【請求項5】 前記キャリッジに複数の検出スイッチを
    刺繍枠装着方向に並べて設け、刺繍枠の連結部に1又は
    複数の検出スイッチに対応する1又は複数の被検出部を
    設け、この1又は複数の被検出部を刺繍枠の種類毎に固
    有の配置パターンで配置したことを特徴とする請求項4
    に記載の刺繍枠移送装置。
  6. 【請求項6】 使用頻度の高い刺繍枠に、刺繍枠装着時
    の進入の際に上流側に位置する検出スイッチに対応する
    1つの被検出部を設けたことを特徴とする請求項5に記
    載の刺繍枠移送装置。
  7. 【請求項7】 前記可動部材に設けられた突出部と、刺
    繍枠に設けられ突出部が係脱可能な凹溝とを有し、突出
    部が凹溝に係合して刺繍枠を前記枠装着位置に位置決め
    する位置決め機構を設けたことを特徴とする請求項3〜
    6の何れかに記載の刺繍枠移送装置。
  8. 【請求項8】 前記係合機構を介して刺繍枠をキャリッ
    ジの枠装着位置に装着する際に、可動部材を案内して退
    避位置又は解除位置に切換えるガイド部を、刺繍枠の連
    結部又は可動部材に設けたことを特徴とする請求項3〜
    7の何れかに記載の刺繍枠移送装置。
  9. 【請求項9】 前記可動部材に複数の検出スイッチを電
    気的に接続する基板を設けたことを特徴とする請求項4
    に記載の刺繍枠移送装置。
  10. 【請求項10】 前記刺繍枠移送装置の制御装置に基板
    の配線を電気的に接続するコネクタを前記基板に設けた
    こと特徴とする請求項9に記載の刺繍枠移送装置。
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