JP3970832B2 - ミシン用布切り装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ミシンによって縫われる布をミシンの送り装置の送り方向に沿って切断するミシン用布切り装置に関する。
ミシンに取付けられて利用されるミシン用布切り装置は、従来様々なタイプのものが知られていた。例えば特許文献1に開示された布切り装置が従来知られていた。
特許文献1に係る布切り装置は、ミシンの頭部側に揺動可能に取付けられる揺動片を有しており、その揺動片の揺動先端に布を切る切断部材が取付けられていた。そして切断部材は、揺動片を揺動させることで、頭部側の収納位置と、布が載置されるミシンの基台側の使用位置との間で揺動移動される構成であった。
特開2002−18170号公報
しかし揺動片は、ミシンに対して揺動する構造であった。したがって切断部材を使用位置と収納位置との間で位置移動させるためには、切断部材を揺動させるために大きな空間、すなわち揺動軌跡を確保するために大きな空間が必要であった。
そこで本発明は、切断部材を収納位置と使用位置とに移動させるために必要となる空間が小さいミシン用布切り装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備えるミシン用布切り装置であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によると、ミシンの頭部側に取付けられる取付部材と、取付部材から直線的に下方に引出される引出部材と、引出部材の先端側に取付けられて布を切る切断部材とを有している。取付部材は、上下方向に延出するガイド部を有し、該ガイド部には、針棒に連動して上下動する上側連結片が案内支持されている。引出部材は、上側連結片と取付部材の間に積層状に配設されかつガイド部に上下動可能に案内支持される引出固定片と、引出固定片に上下動可能にかつ厚み方向に並設される引出可動片とを有している。引出可動片は、引出固定片とによって上側連結片を挟み、引出部材を下方に引出した際に上側連結片の下端部と連結する連結部を上端部に有している。そして切断部材が、引出部材によって、頭部側の収納位置と、頭部の下方に位置するミシンの基台側の使用位置とに直線的に上下移動される構成になっている。
すなわち切断部材は、引出部材とともに取付部材に対して上下に直線移動する。したがって切断部材と引出部材は、移動軌跡が上下直線上となり、移動軌跡に必要となる空間が小さくなる。かくしてミシン用布切り装置は、ミシンに対して取付けやすい。
請求項2に記載の発明によると、引出部材を使用位置と収納位置にて位置決めするロック手段と、そのロック手段を解除する解除手段とを有している。そして解除手段は、引出部材の下端手前側に設けられた二つの把持部を挟持することでロック手段を解除し、把持部を利用することで引出部材を上下に移動させ、使用位置または収納位置にて挟持解除することで引出部材をロック手段によってロックさせ得る構成になっている。
すなわち解除手段は、二つの把持部によってロック手段を操作する構成になっている。そして二つの把持部は、引出部材の下端手前側に設けられている。
したがってミシンの利用者は、二つの把持部を挟持しやすく、ロック手段を操作しやすい。また把持部によって引出部材を上下に移動させることもできるため、引出部材の移動をも容易に行える。
請求項3に記載の発明によると、引出部材は、引出固定片と引出可動片とを有している。引出固定片の下端側には、引出固定片が下方に引出されることでミシンの基台に対して位置決め固定される位置決め部が設けられている。また引出可動片の上端側には、引出可動片が下方に引出されることでミシン針の動きに従動する従動部材に連結される連結部が設けられている。そして切断部材は、引出固定片の先端側に設けられる固定刃と、引出可動片の先端側に設けられる可動刃とを有している。
すなわち引出部材は、引出固定片と引出可動片を有している。また切断部材は、引出固定片側に設けられた固定刃と、引出可動片側に設けられた可動刃を有している。そして引出固定片の下端側には、ミシンの基台に対して位置決め固定される位置決め部が設けられている。
したがって位置決め部は、引出固定片の引出し方向の移動によって基台に対して位置決め固定される。そのため位置決め部は、容易な構成になっている。例えば特許文献1に記載のミシン用布切り装置は、ミシンに対して揺動する揺動片を有し、その揺動片の揺動先端に位置決め手段を有していた。そしてその位置決め手段は、揺動片を使用位置まで揺動させ、その位置にて揺動片の下端から下方へと引出される構成であった。すなわち揺動片の揺動方向と位置決め手段の引出し方向とが異なる方向であった。これに対して本発明に係る位置決め部は、引出固定片の引出方向と位置決め部の位置決め固定方向とが同じ方向である。そのため位置決め部を容易な構成にすることができる。例えば出没可能な構成にする必要がない。
請求項4に記載の発明によると、ロック手段を解除する解除手段を有している。そしてその解除手段が、引出可動片の連結部を従動部材に対して連結した状態と、非連結の状態とに可変とする構成をも備えている。
したがって引出可動片は、ロック手段を解除する解除手段によって、従動部材に対して連結・非連結とされる。かくしてミシン用布切り装置は、部品の共通化によって構成が容易になる。
請求項5に記載の発明によると、解除手段は、引出固定片に揺動可能に取付けられるロック操作片を有している。そしてロック操作片は、揺動支点よりも下側位置に把持部を有し、その把持部と引出固定片に設けられた把持部とを挟持することで、揺動支点を中心に揺動される構成であり、揺動されることでロック手段をロック解除する。またロック操作片は、揺動支点よりも上側位置にて引出可動片に当接する当接部を有し、その当接部が前記ロック操作片の揺動によって引出可動片を傾倒させ、傾倒させることで引出可動片に形成された連結部を従動部材に対して非連結の状態とさせる構成になっている。
すなわち解除手段は、ロック操作片を有している。そしてロック操作片は、引出固定片に対して揺動し、揺動することでロック手段をロック解除する。さらにロック操作片は、揺動することで引出可動片を傾倒させ、引出可動片の連結部を従動部材に対して非連結の状態にする。
したがってロック操作片は、ロック手段をロック解除し、連結部を従動部材に対して非連結にするという二つの作用を同時になし得る構成になっている。かくしてミシン用布切り装置は、部品の共通化によって構成が容易になる。
請求項6に記載の発明によると、取付部材は、板材であってミシンにねじによって取付けられる取付部を有し、上側連結片は、リンク部材を介して回動支持部材によって針棒に連結されている。そして取付部と回動支持部材のみによってミシンに取付けられる構成になっている。請求項7に記載の発明によると、引出部材がミシンに対して直接的に接触および取付けられていない。
本発明によると、切断部材を収納位置と使用位置とに移動させるために必要となる空間が小さくなる。
本発明の実施の形態を図1〜8にしたがって説明する。
ミシン10は、図1に示すように縫製する布が載置される基台12と、その基台12の上方に向けて張出すアーム15と、アーム15の先端に設けられた頭部11とを有している。
基台12には、針板13が取付けられており、針板13の下側には、布を送る送り装置19が設けられている。アーム15内には、電動のモータが設けられている。
そして頭部11には、頭部11から基台12へ延出する針棒14と押え棒17とが取付けられている。針棒14は、リンク部材によってモータとリンクされており、モータの駆動力によって上下に往復運動する。また押え棒17の先端には、布を押えるための押え金具18が取付けられている。
また頭部11には、図1に示すように布切り装置1も取付けられている。
布切り装置1は、図2に示すように頭部11内に取付られる取付部材2と、取付部材2に対して下方に直線的に引出される引出部材30と、引出部材30の先端に設けられる切断部材6とを有している。また布切り装置1は、図4に示すように針棒14とリンクされる従動部材(20〜23)をも備えている。
取付部材2は、図4に示すようにミシンの骨枠16に取付けられる取付部2a,2bを有している。そして取付部材2には、レール部材2c,2dが平行に取付けられることで、レール部材2c,2d間にガイド部2eが形成されている。
従動部材(20〜23)は、図4に示すように回動支持部材23と、二つのリンク部材21,22と、上側連結片20を備えて構成されている。
リンク部材22は、下側端が回動支持部材23を介して針棒14に対して回動可能に支持され、上側端がリンク部材21に回動可能に支持されている。
リンク部材21は、奥端側がリンク部材22に回動可能に支持され、手前端側がレール部材2dに回動可能に取付けられている。そして中央寄りの位置には、前後に延出する長穴21cが形成されている。
上側連結片20は、ガイド部2eに案内支持されて上下動する板部材である。そして一側面には、リンク部材21の長穴21cに向けて突出する連結ピン20bが設けられている。
したがって上側連結片20は、リンク部材21,22を介して針棒14と連結されている。そして針棒14の駆動力を利用して上下に往復運動する。
また上側連結片20の下端側には、連結ピン20bが形成されている。そして連結ピン20bが、図7に示すように引出可動片4の連結部4dに連結されることで、上側連結片20と引出可動片4とが連結される。
また頭部11内には、図4に示すようにロック手段を構成する位置決め部材7も設けられている。
位置決め部材7は、レール部材2dに対して立設している。そして位置決め部材7には、図5に示すように二つの保持凹部7a,7bが形成されている。保持凹部7a,7bは、引出部材30側に形成された保持ピン5eが係止される構成になっている。そして図3に示すように保持凹部7a側に保持ピン5eが係止されることで、引出部材30を収納位置にロックする。そして図8に示すように保持凹部7b側に保持ピン5eが係止されることで、引出部材30を使用位置にロックする。
引出部材30は、図6に示すように引出固定片3と引出可動片4を有している。
引出固定片3は、上下方向に延出する板部材であって、上端側に溝3aが形成されている。そして下端には、固定刃60が取付けられている。また手前端縁には、手前側へ延出する把持部3dと、本体に対して立設する立設部3bが設けられている。
引出固定片3の幅寸法は、図2に示すようにガイド部2eの幅寸法とほぼ同じである。そのため引出固定片3は、前後に傾倒することが防止されている。また引出固定片3は、図5に示すように取付部材2と上側連結片20との間に設置されている。そのため引出固定片3は、板厚方向に傾倒することが防止されている。かくして引出固定片3は、安定良く取付部材2に対して上下動する。
引出可動片4は、図6に示すように上下方向に延出する板部材であって、図8に示すように引出固定片3に対して厚み方向に並設されている。そして引出可動片4は、図6に示すように立設部4aと連結部4dと取付部4cを有している。
立設部4aは、引出可動片4の本体に対して立設しており、線バネ50の一端が差込まれる貫通穴を有している。連結部4dは、引出可動片4の上端側に貫通孔状に形成されている。そして連結部4dは、図8に示すように連結ピン20bに対して脱着可能に連結される構成になっている。
また取付部4cは、引出可動片4の下端側に設けられている。そして取付部4cには、可動刃61が揺動可能に取付けられている。
切断部材6は、図6に示すように固定刃60と可動刃61を有している。
固定刃60は、引出固定片3の下側先端に固定的に取付けられている。そして固定刃60は、取付部60cと位置決め部60aと刃先部60dを有している。
位置決め部60aは、固定刃60の下端に設けられており、下方に突出した構成になっている。そして位置決め部60aは、図7に示すように針板13に形成された差込穴13aに差し込まれて位置決め固定される。
図6に示すように固定刃60の奥側先端に形成された取付部60cには、可動刃61の奥側端の取付部61aが揺動可能に取付けられる。
可動刃61は、前後(手前奥)方向に延出している。そして奥側が固定刃60に対して揺動可能に取付けられ、手前側が引出可動片4の取付部4cに揺動可能に取付けられている。したがって可動刃61は、引出可動片4が上下往復運動することで、取付部60cを中心に揺動する。そして可動刃61の刃先部61bが、固定刃60の刃先部60dに対して上下に揺動する。
布切り装置は、図6に示すように引出部材30側にロック操作片5を有している。
ロック操作片5は、上下方向に延出する板部材である。そしてロック操作片5は、中央寄り位置に厚み方向に貫通する取付部5cを有している。そして取付部5cが、支持部材31を介して引出固定片3の立設部3bに揺動可能に取付けられている。したがってロック操作片5は、図8に示すように引出固定片3に対して直交した位置関係になっている。そしてロック操作片5は、引出固定片3の厚み方向に揺動する。
またロック操作片5は、図6に示すように上端位置(取付部5cよりも上方位置)に当接部5hを有している。当接部5hは、図8に示すように引出可動片4と引出固定片3の積層間に張出している。したがって当接部5hは、ロック操作片5が揺動した際に、引出可動片4を引出固定片3から離間させ得る構成になっている。
また当接部5hの奥側縁には、図6に示すように傾倒防止部5jが設けられている。したがって傾倒防止部5jは、引出可動片4が奥側へ傾倒することを防止する。
またロック操作片5は、図6に示すように下端位置(取付部5cよりも下方位置)に把持部5gを有している。把持部5gは、ロック操作片5の下端から手前に張出している。そして図8に示すように把持部5gと引出固定片3の把持部3dは、平行に手前方向に張出している。
そして把持部3d,5gを把持することで、把持部5gが把持部3d側に引寄せられる。これによりロック操作片5は、取付部5cを中心に揺動する。
またロック操作片5には、図5に示すように二つの線バネ50,51が取付けられている。線バネ51は、ロック操作片5と引出固定片3との間に取付けられており、ロック操作片5を引出固定片3に対して付勢している。そしてロック操作片5は、線バネ51によって図5の反時計回りに付勢されている。
線バネ50は、ロック操作片5と引出可動片4との間に設けられており、引出可動片4をロック操作片5に対して付勢している。そしてロック操作片5は、線バネ50によって上端側が当接部5hに向けて付勢されている。
ロック操作片5は、図6に示すように上端側に保持ピン5eを有している。そして保持ピン5eは、図3,8に示すように線バネ51によって保持凹部7a,7bに係合する方向に付勢されている。かくして保持ピン5eは、保持凹部7a,7bに安定良く保持される(ロック状態)。
そして保持ピン5eを保持凹部7a,7bから外す場合は、把持部3d,5gを挟持する。これによりロック操作片5が線バネ51に反して揺動し、保持ピン5eが保持凹部7a,7bから外れる(ロック解除状態)。
また線バネ50,51は、図8に示すようにロック操作片5を介して引出可動片4を引出固定片3側へ付勢している。そのため引出可動片4の連結部4dは、引出固定片3の連結ピン20bに向けて付勢され、連結部4dが連結ピン20bに安定良く連結される(連結状態)。
そして連結部4dを連結ピン20bから外す場合は、把持部3d,5gを挟持する。これによりロック操作片5が線バネ51に反して傾倒し、引出可動片4もロック操作片5の当接部5hを介して傾倒する。そして連結部4dが連結ピン20bから外れる(非連結状態)。
また連結ピン20bと連結部4dは、図3に示すように収納位置においては、上下にずれた状態になる。そのため連結ピン20bと連結部4dは、収納位置においては非連結の状態になる。また引出可動片4は、収納位置において保持ピン5eが保持凹部7aに係合されることで傾倒した状態で保持される。これにより引出可動片4が連結ピン20bに当たることが防止されている。
また引出固定片3には、図6,8に示すように取付台41を介して板バネ40が取付けられている。板バネ40は、引出可動片4を引出固定片3側へ付勢している。したがって引出可動片4側の可動刃61は、引出固定片3側の固定刃60に対して強く摺接する。かくして固定刃60と可動刃61は、確実に布を切断する。
次に、引出部材30を収納位置から使用位置に位置移動させる方法を説明する。
先ず収納位置において把持部3d,5gを挟持し(図2,3参照)、保持ピン5eを保持凹部7aから外す。そして把持部3d,5gを利用して、引出部材30を下方に引出す。そして位置決め部60aを図7に示すように差込穴13aに差込む。これにより引出固定片3の下端が位置決め部60aによって位置決め固定される。そして把持部3d,5gを挟持解除し、図8に示すように保持ピン5eを保持凹部7bに係合させる。そして引出可動片4の連結部4dを上側連結片20の連結ピン20bに連結させる。これにより引出可動片4は、針棒14に連動し得る状態になる。
次に、引出部材30を使用位置から収納位置へ位置移動させる方法を説明する。
先ず、把持部3d,5gを挟持する(図8参照)。これによって保持ピン5eが保持凹部7bから外れ、連結ピン20bから連結部4dが外れる。そして把持部3d,5gを利用して引出部材30を持上げる。そして把持部3d,5gを挟持解除し、図3に示すように保持ピン5eを保持凹部7aに係合させる。
以上のようにして布切り装置1が構成される。
すなわち切断部材6は、図2,7に示すように引出部材30とともに取付部材2に対して上下に直線移動する。したがって切断部材6と引出部材30は、移動軌跡が上下直線上となり、移動軌跡に必要となる空間が小さくなる。かくして布切り装置1は、ミシン10に対して取付けやすい。
また解除手段(5)は、図6に示すように二つの把持部3d,5gによってロック手段(7,5e)を操作する構成になっている。そして二つの把持部3d,5gは、引出部材30の下端手前側に設けられている。
したがってミシン10の利用者は、二つの把持部3d,5gを挟持しやすく、ロック手段を操作しやすい。また把持部3d,5gによって引出部材30を上下に移動させることもできるため、引出部材30の移動をも容易に行える。
また引出部材30は、図7に示すように引出固定片3と引出可動片4を有している。また切断部材6は、引出固定片3側に設けられた固定刃60と、引出可動片4側に設けられた可動刃61を有している。そして引出固定片3の下端側には、ミシン10の基台12に対して位置決め固定される位置決め部60aが設けられている。
したがって位置決め部60aは、引出固定片3の引出し方向の移動によって基台12に対して位置決め固定される。そのため位置決め部60aは、容易な構成になっている。例えば特許文献1に記載のミシン用布切り装置は、ミシンに対して揺動する揺動片を有し、その揺動片の揺動先端に位置決め手段を有していた。そしてその位置決め手段は、揺動片を使用位置まで揺動させ、その位置にて揺動片の下端から下方へと引出される構成であった。すなわち揺動片の揺動方向と位置決め手段の引出し方向とが異なる方向であった。これに対して本形態に係る位置決め部60aは、引出固定片3の引出方向と位置決め部60aの位置決め固定方向とが同じ方向である。そのため位置決め部60aを容易な構成にすることができる。例えば出没可能な構成にする必要がない。
またロック手段を解除する解除手段(5)は、図8に示すように引出可動片4の連結部4dを従動部材(20)に対して連結した状態と、非連結の状態とに可変とする構成をも備えている。
したがって引出可動片4は、ロック手段を解除する解除手段によって、従動部材(20)に対して連結・非連結とされる。かくして布切り装置1は、部品の共通化によって構成が容易になる。
また引出可動片4は、図3に示すように収納位置にて従動部材(20)に対して非連結とされている。そのためエネルギーの無駄な消費を防止できる構成になっている。
また解除手段は、図8に示すようにロック操作片5を有している。そしてロック操作片5は、引出固定片3に対して揺動し、揺動することでロック手段(7,5e)をロック解除する。さらにロック操作片5は、揺動することで引出可動片4を傾倒させ、引出可動片4の連結部4dを従動部材(20)に対して非連結の状態にする。
したがってロック操作片5は、ロック手段(7,5e)をロック解除し、連結部4dを従動部材(20)に対して非連結にするという二つの作用を同時になし得る構成になっている。かくして布切り装置1は、部品の共通化によって構成が容易になる。
ミシンの正面側からの斜視図である。 図1のA−A線断面矢視図であって、説明を容易とするためにロック操作片を除いた図である。 収納位置における布切り装置の裏面図である。 図2に相当する図であって、説明を容易とするためにミシンの頭部内から引出される部材を取除いた図である。 ミシンの頭部側に取付けられる布切り装置の部材の裏面図と、頭部側から引出される布切り装置の部材の裏面図である。 ミシンの頭部側から引出される布切り装置の部材の各左側面図である。 使用位置における図2に相当する図である。 使用位置における図3に相当する図である。
符号の説明
1…布切り装置
2…取付部材
3…引出固定片
3d,5g…把持部
4…引出可動片
5…ロック操作片(解除手段)
5e…保持ピン(ロック手段)
6…切断部材
7…位置決め部材(ロック手段)
10…ミシン
11…頭部
12…基台
13…針板
14…針棒
19…送り装置
20…上側連結片(従動部材)
20b…連結ピン
21,22…リンク部材
30…引出部材
50,51…線バネ
60…固定刃
60a…位置決め部
61…可動刃

Claims (7)

  1. ミシンによって縫われる布をミシンの送り装置の送り方向に沿って切断するミシン用布切り装置であって、
    ミシンの頭部側に取付けられる取付部材と、前記取付部材から直線的に下方に引出される引出部材と前記引出部材の先端側に取付けられて布を切る切断部材とを有し
    前記取付部材は、上下方向に延出するガイド部を有し、該ガイド部には、針棒に連動して上下動する上側連結片が案内支持されており、
    前記引出部材は、前記上側連結片と前記取付部材の間に積層状に配設されかつ前記ガイド部に上下動可能に案内支持される引出固定片と、前記引出固定片に上下動可能にかつ厚み方向に並設される引出可動片とを有し、
    前記引出可動片は、前記引出固定片とによって前記上側連結片を挟み、前記引出部材を下方に引出した際に前記上側連結片の下端部と連結する連結部を上端部に有し、
    前記切断部材が、前記引出部材によって、前記頭部側の収納位置と、前記頭部の下方に位置するミシンの基台側の使用位置とに直線的に上下移動される構成になっていることを特徴とするミシン用布切り装置。
  2. 請求項1に記載のミシン用布切り装置であって、
    引出部材を使用位置と収納位置にて位置決めするロック手段と、そのロック手段を解除する解除手段とを有しており、
    前記解除手段は、前記引出部材の下端手前側に設けられた二つの把持部を挟持することで前記ロック手段を解除し、前記把持部を利用することで前記引出部材を上下に移動させ、前記使用位置または前記収納位置にて挟持解除することで前記引出部材を前記ロック手段によってロックさせ得る構成になっていることを特徴とするミシン用布切り装置。
  3. 請求項1または2に記載のミシン用布切り装置であって、
    引出部材は、引出固定片と引出可動片とを有しており、
    前記引出固定片の下端側には、前記引出固定片が下方に引出されることでミシンの基台に対して位置決め固定される位置決め部が設けられており、前記引出可動片の上端側には、前記引出可動片が下方に引出されることでミシン針の動きに従動する従動部材に連結される連結部が設けられており、
    切断部材は、前記引出固定片の先端側に設けられる固定刃と、前記引出可動片の先端側に設けられる可動刃とを有していることを特徴とするミシン用布切り装置。
  4. 請求項3に記載のミシン用布切り装置であって、
    ロック手段を解除する解除手段を有し、
    その解除手段が、引出可動片の連結部を従動部材に対して連結した状態と、非連結の状態とに可変とする構成をも備えていることを特徴とするミシン用布切り装置。
  5. 請求項4に記載のミシン用布切り装置であって、
    解除手段は、引出固定片に揺動可能に取付けられるロック操作片を有し、
    そのロック操作片は、揺動支点よりも下側位置に把持部を有し、その把持部と前記引出固定片に設けられた把持部とを挟持することで、前記揺動支点を中心に揺動される構成であり、揺動されることでロック手段をロック解除し、
    かつ前記揺動支点よりも上側位置にて引出可動片に当接する当接部を有し、その当接部が前記ロック操作片の揺動によって前記引出可動片を傾倒させ、傾倒させることで前記引出可動片に形成された連結部を従動部材に対して非連結の状態とさせる構成になっていることを特徴とするミシン用布切り装置。
  6. 請求項1に記載のミシン用布切り装置であって、
    取付部材は、板材であってミシンにねじによって取付けられる取付部を有し、
    上側連結片は、リンク部材を介して回動支持部材によって針棒に連結されており、
    前記取付部と前記回動支持部材のみによってミシンに取付けられる構成になっていることを特徴とするミシン用布切り装置。
  7. 請求項6に記載のミシン用布切り装置であって、
    引出部材がミシンに対して直接的に接触および取付けられていないことを特徴とするミシン用布切り装置。
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