JP2002051762A - 果実酒及びその製造方法 - Google Patents

果実酒及びその製造方法

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JP2002051762A JP2000243396A JP2000243396A JP2002051762A JP 2002051762 A JP2002051762 A JP 2002051762A JP 2000243396 A JP2000243396 A JP 2000243396A JP 2000243396 A JP2000243396 A JP 2000243396A JP 2002051762 A JP2002051762 A JP 2002051762A
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彰彦 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な装置や複雑な工程を必要とすることな
く、亜硫酸添加量を抑えると共に、風味良好で品質的に
優れた果実酒及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明のコーヒー豆抽出物を含むワイン
と、亜硫酸及びコーヒー豆抽出物を含まない無添加ワイ
ン及び亜硫酸添加ワインについて、色調と風味の官能検
査を行った結果、亜硫酸及びコーヒー豆抽出物を含まな
い無添加ワインは評価点10点で後味悪いのに対し、本
発明のコーヒー豆抽出物を含むワインは評価点35点で
風味非常に良好であり、亜硫酸添加ワインに匹敵するほ
ど評価点が高く、風味非常に良好であった。この結果よ
り、ワインにコーヒー豆抽出物を120〜300ppm
程度含有させることにより、亜硫酸を含有しなくても、
亜硫酸含有ワインと同等又は更に品質の高いワインが得
られることが判る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、果実酒及びその製
造方法に関し、更に詳しく言えば、高価な装置や複雑な
工程を必要とすることなく、果実酒への亜硫酸添加量を
抑えると共に、保存安定性に優れ、且つ風味良好で品質
的に優れた果実酒及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイン等の果実酒は、一般に、原料とな
るブドウ、リンゴ、ビワ、イチゴ等の果実類を破砕、搾
汁し、得られた原料果汁に酵母を添加してアルコール発
酵させることにより製造される。しかし、一般に原料と
なる果実類には各種野性酵母、乳酸菌、酢酸菌等の他の
微生物が付着しており、これらがアルコール発酵過程に
おいて、酵母によるアルコール発酵を阻害したり、ある
いは異常な発酵を起こすことがある。また、果実類を破
砕、搾汁してその組織を破壊すると、果汁に含まれる酸
化酵素等の各種酵素により、同果汁中の成分が酵素的に
変化することがある。このように果実酒の製造において
は、様々な外的要因が複雑に絡みあうことにより、果実
酒の品質劣化を起こすという問題がある。
【0003】そして従来より、かかる問題を解決して、
風味良好であり、且つ品質が均一化された果実酒を製造
するために、原料果実の破砕、搾汁する工程の前又はそ
の工程中に亜硫酸を添加している。亜硫酸の効能は主
に、酵母によるアルコール発酵を阻害したり、あるいは
異常な発酵を起こす雑菌類の繁殖を抑えると共に、果汁
中の成分が酵素劣化を防止するものである。かかる亜硫
酸は食品添加物として長年の使用実績もあり、果実酒製
造において従来より広く使用されているが、近年、健康
食品或いは自然食品に対して非常に関心が高まり、化学
合成品を含まない亜硫酸無添加果実酒の出現が強く望ま
れている。また、この亜硫酸は添加量が多くなると果実
酒の風味や香りを阻害し、あるいは優良酵母の生育を阻
害するおそれも否定できないことから、果実酒の品質向
上の観点から、できる限りその使用を制限するか、又は
廃止することが望まれている。
【0004】しかし、単に亜硫酸の添加を廃止したので
は、上記のように、原料となる果実類に付着した各種野
性酵母、乳酸菌、酢酸菌等の他の微生物により、酵母に
よるアルコール発酵を阻害したり、あるいは異常な発酵
を起こし、また、果汁に含まれる酸化酵素等の各種酵素
により、同果汁中の成分が酵素的に変化することによ
り、果実酒の品質劣化を起こすという問題がある。かか
る品質劣化は特に白ワインにて顕著に現れるので、果実
酒の製造、特に白ワインの製造において、亜硫酸の添加
量を抑えることと、品質劣化を防止することを両立する
ことには相当の困難を伴うものである。
【0005】かかる問題を解決する方法として、例え
ば、物理的方法として、原料となる果実の破砕、搾汁か
らアルコール発酵、製成まで低温管理したり、不活性ガ
ス(窒素ガス、炭酸ガス)を使用して酸化を防止をする
方法が検討されているが、この方法で得られる果実酒は
瓶詰後、経日的に褐変増色し、風味も悪くなるという欠
点を有している。また、その他に、プロアントシアニジ
ンを500ppm以上含有し、総亜硫酸を20ppm以
下含有する亜硫酸無添加ワイン(特開平9−91791
号公報)や、褐変の原因となる総タンニンが150pp
m以下、且つ総亜硫酸を20ppm以下である果実酒
(特開平5−328960号公報)が提案されている
が、依然として、亜硫酸添加量を抑制しつつ、更に優れ
た品質を備えた果実酒及びその製造方法の開発が求めら
れていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、高価な装置や複雑な工程を
必要とすることなく、果実酒への亜硫酸添加量を抑える
と共に、保存安定性に優れ、且つ風味良好で品質的に優
れた果実酒及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ブドウ、リン
ゴ、モモ及び柑橘類等の果実類の果汁を含む発酵原料を
用いて果実酒を製造し、瓶詰めするまでの工程の任意の
時点において、コーヒー豆抽出物を添加することによ
り、高価な装置や複雑な工程を必要とすることなく、製
造時の亜硫酸添加量を抑えつつ、保存安定性に優れ、且
つ風味良好で高品質な果実酒を得られることを見出し
て、本発明を完成するに至った。
【0008】本第1発明の果実酒は、コーヒー豆抽出物
を含有することを特徴とする。上記「コーヒー豆抽出
物」とは、コーヒー豆を原料として抽出することにより
得られるものである。上記「コーヒー豆抽出物」として
は、抽出液をろ過したままの液でもよく、これを脱色等
の後処理をした液でもよい。また、これを濃縮した濃縮
液でもよい。尚、この抽出物を噴霧乾燥して粉末とした
ものを用いてもよい。
【0009】本第1発明において、上記「コーヒー豆抽
出物」の原料となるコーヒー豆としては、例えば、アラ
ビカ種、ロブスタ種及びリベリカ種等のいずれの品種を
用いてもよく、その産地も特に限定されることはない。
また、栽培原地においてコーヒー飲料用として生産され
たコーヒー豆は、焙煎用に選別される際に多量の選外品
が分別除去されるが、本発明においてはこの選外品も上
記コーヒー豆として使用することができる。また、上記
コーヒー豆は、焙煎後のものを用いることもできるが、
コーヒー生豆を用いる方が好ましい。即ち、上記「コー
ヒー豆抽出物」として、本第2発明に示すように、コー
ヒー生豆を用いた「コーヒー生豆抽出物」を用いる方が
好ましい。
【0010】本第1発明において、上記「コーヒー豆抽
出物」を得るための抽出方法については特に制限される
ものはない。原料であるコーヒー豆は未粉砕でも、粉砕
したものでもよく、抽出物の品質を維持できる限り、不
純物除去等の前処理をしてもよい。抽出溶媒としては、
水又は熱水の他、エタノール、酢酸エチル、n−ヘキサ
ン等の有機溶媒や、これらの有機溶媒と水又は熱水との
混合溶媒でもよい。尚、本抽出物は水溶性であることか
ら、これらの溶媒のうち、水(熱水も含む)又はエタノ
ール/水の混合溶媒が好ましい。抽出条件も特に制限は
ないが、通常は常温又は加熱抽出が好ましい。加熱温度
及び加熱時間についても、十分に抽出でき、抽出物の品
質を維持できる範囲で種々の条件とすることができる。
更に、上記抽出において、抽出物の品質を維持できる限
り、抽出を補助する物質を添加することもできる。例え
ば、プロテアーゼ、セルラーゼ等の酵素類の他、L−ア
スコルビン酸類のような還元性物質などを加えてもよ
い。抽出液のpHは、L−アスコルビン酸類などを加え
ると、通常は5〜6を示すが、抽出物の品質劣化を引き
起こさない限り、このpHには制限はない。
【0011】本第1発明及び第2発明の果実酒は、上記
「コーヒー豆抽出物」又は「コーヒー生豆抽出物」が含
まれていれば、それがいかなる方法により製造されたも
のであるかは問わない。即ち、発酵工程については、公
知の条件・方法で行えばよく、また、上記「コーヒー豆
抽出物」は、本第3発明に示すように、工程中の任意の
時点で添加することができる。この場合、上記「コーヒ
ー豆抽出物」は発酵前の原料果汁に添加するのが通常で
ある。更に、本第1発明〜第3発明において、上記「コ
ーヒー豆抽出物」の含有量については特に限定はない
が、通常は固形分濃度で60ppm以上、好ましくは9
0ppm、更に好ましくは120ppm以上である。上
記「コーヒー豆抽出物」の含有量をかかる範囲とする
と、より優れた品質の果実酒となるので好ましい。
【0012】本第4発明の果実酒の製造方法は、果実酒
を製造する工程において、工程中の任意の時点でコーヒ
ー豆抽出物を添加することを特徴とする。本第4発明に
おいて、上記果実酒の原料としては、ブドウ、リンゴ、
モモ、ナシ、ウメ、アンズ、パイナップル、プラム、イ
チゴ、キウイフルーツ、メロン及び柑橘類等の果実類が
挙げられる。これらの1種又は2種以上を、必要に応じ
て常法により、茎、芯、種及び皮等の除去処理等の前処
理を行った後、常法により破砕、搾汁して得られた生果
汁が好適に用いられる。
【0013】本第4発明の果実酒の製造方法において、
亜硫酸の添加以外は、従来の一般的に行われる製造方法
に従って行うことができる。即ち、通常、ブドウ、リン
ゴ及びモモ等の原料果実を破砕して原料果汁を得て、次
いで、原料果汁に種酵母を添加し、原料に含まれるグル
コースやフルクトースを酵母により発酵させる単発酵で
原酒を得て、その後、おり引き、珪藻土等を用いた清澄
ろ過等の清澄工程を経て貯蔵、製品化される。この製造
方法において、原料果汁の調製方法や発酵条件、清澄方
法についても特に限定はなく、例えば、原料果汁の調製
過程において、果汁の清澄促進と果汁歩合を向上させる
ために、ペクチン分解酵素を10〜40ppm添加使用
することができる。また、発酵に用いる種酵母として
は、一般的に果実酒の製造に用いられるものが使用でき
る。例えば、ワイン酵母及び清酒酵母等が挙げられる。
この中で、あらかじめ純粋培養された優良なワイン酵母
を用いることが好ましく、そのような酵母の例として、
例えば、サッカロミセス・セレビシエ、サッカロミセス
・バリエタス(Var.)・エリプソイデウス等が挙げ
られる。
【0014】本第4発明の果実酒の製造方法において、
上記「コーヒー豆抽出物」は、工程中の任意の時点で添
加することができる。例えば、発酵過程終了後の清澄工
程の段階や、あるいは最後のびん詰め等の製品化の段階
で添加することもできるが、通常は、本第5発明に示す
ように、原料搾汁の調製工程等の発酵工程の前の工程
か、又は発酵工程時に添加される。かかる段階で添加す
ることにより、原料果汁の品質劣化や、あるいは、原料
となる果実類に付着した各種野性酵母、乳酸菌、酢酸菌
等の他の微生物により、酵母によるアルコール発酵を阻
害したり、異常な発酵を起こすことによる果実酒の品質
劣化を防止できるので好ましい。尚、本第4発明の果実
酒の製造方法において、上記「コーヒー豆抽出物」とし
て、本第6発明に示すように、コーヒー生豆から抽出し
て得られるコーヒー生豆抽出物を使用することができ
る。
【0015】本第4発明〜第6発明の果実酒の製造方法
において、上記「コーヒー豆抽出物」の添加量について
は特に限定はないが、通常は、原料果汁又は最終的に得
られる果実酒において固形分濃度で通常は60ppm以
上、好ましくは90ppm、更に好ましくは120pp
m以上である。上記「コーヒー豆抽出物」の含有量をか
かる範囲とすると、より優れた品質の果実酒が得られる
ので好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明する。 (1)コーヒー豆抽出物の調製 コーヒー豆抽出物の調製は、特開平10−120696
号公報に記載されている方法に従って行った。即ち、原
料として未粉砕コーヒー生豆100kgに対して、水−
エタノール抽出溶媒(エタノール濃度50重量%)を5
倍量使用し、70〜75℃で抽出溶媒を還流させながら
3時間攪拌することにより、生豆中の成分を抽出した。
そして、遠心分離によりこの抽出液からコーヒー生豆等
の固形物を取り除いた。引き続き、抽出液をタンクに移
し、理論上の粉砕豆量に対して0.06%の活性炭を混
合し、50℃に加熱し、30分間攪拌して脱色した。そ
の後、プレコートとしてろ過器内に0.5〜1.5kg
のケイソウ土を使用し、ボディーコートとして抽出エキ
スに約1.8kgのケイソウ土を使用してろ過を行っ
て、次いで、ろ液を噴霧乾燥することにより、以下の実
施例で使用するコーヒー豆抽出物を調製した。
【0017】(2)試験例1 亜硫酸添加白ワイン及び無添加白ワインとコーヒー豆抽
出物含有白ワインとの比較を次のように行った。原料果
汁として、白ブドウ濃縮還元果汁を使用した。原料果汁
を蒸留水で希釈し比重を1.1(15℃)とし、85℃
で30分殺菌した。そして35℃に冷却後、ワイン酵母
HK−4(Saccharomyces cerevi
siae)を5%(容量)相当加え、半密閉容器中25
℃で20時間静置培養を行い、種酵母とした。次いで、
蒸留水で希釈し比重を1.1とした原料果汁10リット
ルに、上記(1)で調製したコーヒー豆抽出物を120
ppm相当となるように加え、更に上記種酵母を20%
(容量)加えて25℃で10日間発酵を行い、次いで常
法によりケイソウ土で清澄ろ過し、実施例(コーヒー豆
抽出物含有ワイン)を得た。
【0018】一方、上記と同様に種酵母及び原料果汁を
調整し、コーヒー生豆抽出物及び亜硫酸を加えないもの
を比較例1(無添加ワイン)とした。また、比重1.1
の果汁を85℃×30分殺菌冷却後、ピロ亜硫酸カリウ
ム60ppmを加え、ワイン酵母を5%(容量)添加
し、25℃×20時間静置培養した亜硫酸耐性種酵母を
亜硫酸60ppm添加した原料果汁に20%加え、25
℃で10日間発酵させたものを比較例2(亜硫酸添加ワ
イン)とした。
【0019】そして、日頃ワインを常飲している20〜
30歳代の男女20名の官能検査員に試飲してもらうこ
とより、上記実施例並びに比較例1及び2の各種ワイン
の色調と風味の官能検査を行った。評価方法は、風味非
常に良好な場合を2点、異味異臭なく良好な場合を1
点、普通の場合を0点、風味やや悪い場合を−1点、異
臭雑味ありの場合を−2点として点数化する方法により
行った(満点で40点)。その結果を以下の表1に示
す。
【0020】
【表1】
【0021】(3)試験例2 コーヒー生豆抽出物の添加量と果実酒の性質との関係の
検討を行った。上記試験例1の方法に従って種酵母を調
整した。そして、蒸留水で希釈し比重を1.1とした原
料果汁10リットルに、上記(1)で製造したコーヒー
豆抽出物を、30、60、90、120、150、20
0及び300ppmの濃度となるように添加し、更に上
記種酵母を20%(容量)添加して、25℃で10日間
発酵を行った。次いで、常法によりケイソウ土で清澄濾
過し、コーヒー豆抽出物の添加量が異なるコーヒー豆抽
出物含有ワインを得た。このようにして得られた各種ワ
インの色調と風味の官能検査を、上記試験例1と同様に
行った。その結果を以下の表2に示す。また、コーヒー
生豆抽出物の添加量と評価点とをプロットしたグラフを
図1に示す。
【0022】
【表2】
【0023】(4)実施例の効果 表1によれば、比較例1(亜硫酸無添加ワイン)では、
色調もやや不良であり、官能試験の評価点も10点と低
いのに対し、比較例2(亜硫酸添加ワイン)では、色調
が良好で、評価点も33点であった。一方、実施例(コ
ーヒー生豆抽出物含有ワイン)は、亜硫酸無添加にもか
かわらず色調が良好で、官能試験結果でも評価点も35
点と、比較例2(亜硫酸添加ワイン)に劣らない風味良
好なワインであることが判る。かかる結果より、果実酒
の製造工程において、風味良好なワインが得るために
は、コーヒー豆抽出物を添加することが効果的であるこ
とが判る。
【0024】また、表2及び図1によれば、コーヒー生
豆抽出物の添加量が30ppmでは、色調が不良で、官
能試験結果でも風味も低く評価点も12点と低く、60
ppmでは、色調がやや不良で風味も若干低く評価点も
20点と少し低かった。90ppmでは、風味は良好で
あり、評価点は26点と若干改善傾向が認められるが、
色調はやや不良であり、依然として品質的に満足し得る
ものとは言い難いものであることが判る。これに対し、
コーヒー生豆抽出物の添加量が120、150、200
及び300ppmでは、色調が良好で、風味も非常に良
好で評価点34点及び35点とも高く、品質的に満足し
得るものであることが判る。これらの結果より、コーヒ
ー生豆抽出物の添加量が120〜300ppm程度の場
合に、色調がよく、芳香が高く雑味が少ない品質的に優
れたワインを得ることができることが判る。
【0025】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。例え
ば、本発明の果実酒及びその製造方法においては、亜硫
酸は全く添加しなくてもよいが、必要に応じて添加する
こともできる。この場合の亜硫酸の添加量は、通常10
〜30ppmである。本発明においては、コーヒー豆抽
出物により果実酒の品質劣化を防止できるので、このよ
うに、亜硫酸の添加量が従来より低くても、果実酒の品
質劣化を防止することができるので好ましい。また、本
発明の果実酒の種類については特に限定はないが、上記
実施例に示すように、従来、亜硫酸なしでは品質劣化を
抑制することが相当困難であると考えられてきた白ワイ
ンにおいて、品質劣化を防止することができるので、特
に白ワインが好ましい。
【0026】
【発明の効果】本発明の果実酒によれば、従来より添加
物として使用されていた亜硫酸を含有することなく、あ
るいは従来よりも添加量を抑制しつつ、風味が非常に良
好で、且つ保存安定性に優れた高品質な果実酒が得られ
る。また、従来よりも亜硫酸を含有することなく、ある
いは従来よりも添加量を抑制できることから、近年の自
然指向、健康指向を反映し、化学合成品を含まない天然
物原料のみの果実酒製造が可能となる。また、本発明の
果実酒の製造方法によれば、コーヒー豆抽出物を添加す
ることにより、亜硫酸の使用量を抑制することができる
結果、亜硫酸による果実酒の風味の変化が防止でき、且
つ優良酵母等の亜硫酸による生育阻害も防止できる。従
って、アルコール発酵が良好に進行し、風味が非常に良
好で、且つ保存安定性に優れた高品質な果実酒が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本試験例2におけるコーヒー生豆抽出物の添加
量と評価点とをプロットしたグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーヒー豆抽出物を含有することを特徴
    とする果実酒。
  2. 【請求項2】 上記コーヒー豆抽出物がコーヒー生豆抽
    出物である請求項1記載の果実酒。
  3. 【請求項3】 果実酒を製造する工程において、工程中
    の任意の時点でコーヒー豆抽出物を添加することにより
    得られることを特徴とする果実酒。
  4. 【請求項4】 果実酒を製造する工程において、工程中
    の任意の時点でコーヒー豆抽出物を添加することを特徴
    とする果実酒の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記コーヒー豆抽出物の添加が発酵工程
    の前又は発酵工程時である請求項4記載の果実酒の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 上記コーヒー豆抽出物がコーヒー生豆抽
    出物である請求項4又は5に記載の果実酒の製造方法。
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