JP2002051659A - 動物排泄物処理材 - Google Patents

動物排泄物処理材

Info

Publication number
JP2002051659A
JP2002051659A JP2000238510A JP2000238510A JP2002051659A JP 2002051659 A JP2002051659 A JP 2002051659A JP 2000238510 A JP2000238510 A JP 2000238510A JP 2000238510 A JP2000238510 A JP 2000238510A JP 2002051659 A JP2002051659 A JP 2002051659A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
absorbing material
ion
absorbing
galactomannan
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000238510A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Kawanaka
聡 川中
Yoshio Nakai
美穂 中井
Norihiro Naito
宣博 内藤
Satoko Wada
里子 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP2000238510A priority Critical patent/JP2002051659A/ja
Publication of JP2002051659A publication Critical patent/JP2002051659A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Housing For Livestock And Birds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペットや家畜の尿を少量で速やかに吸収し、
衛生的であり、軽量であり、かつ尿を吸収後の処理材の
塊が硬く固化され、また生分解性を有するのでトイレや
下水道に流して処分することが可能な動物の排泄物用処
理材を提供する。 【解決手段】 吸水材、有機物充填材、及び無機充填材
から構成され、前記吸水材と有機物充填材とが、生分解
性を有し、吸水材が、ガラクトマンナン、ホウ素イオ
ン、及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンから成
る動物排泄物処理材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性を有する
動物(家畜やペット等)の排泄物用処理材に関する。更
に詳しくは、ガラクトマンナン、ホウ素イオン、及びホ
ウ素イオン以外の三価以上の多価金属イオンから成る吸
水材、有機物充填材、無機物充填材から構成され、動物
の尿や軟便などの排泄物中の水分を速やかに吸収固化
し、吸水材と有機物充填材が生分解性を有するのでトイ
レや下水などの直接流して処分することが可能な動物の
排泄物用処理材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ペットや家畜の排泄物の処理は、通常、
砂、クレー、ゼオライト、ベントナイト等の鉱物質粉粒
体に、或いは藁や籾殻などの有機物処理材に、排泄物を
吸収させることにより行われている。しかしながら、有
機物処理材は、水分の吸収速度が遅いために、処理材表
面に残存する未吸収の尿が家畜やペットの毛や足に付着
して、畜舎の床、部屋、その周囲を汚したり、また、濡
れてべとべとの状態になった鉱物質粉粒体や有機物処理
材が、家畜やペットの毛や足に付着し、家畜やペットが
歩きまわるときに、足に付着した粉粒体、有機物処理材
をまき散らして、家畜やペットだけでなく人の住居環境
を汚す問題があった。その上、鉱物質粉粒体は、一般に
その質量が重いため、運搬の取扱いが容易でない難点が
あった。これらの問題や難点を解決するものとして、近
年、パルプ粒状物の表面にアニオン系の合成高分子系吸
水性ポリマーを付着させた動物の排泄物用処理材や、製
紙カスとポリアクリル酸ソーダのような合成高分子系吸
水性ポリマーとを混合したものの造粒物からなる動物の
排泄物用処理材が知られている。また、古紙のスラッジ
の造粒成形品を排泄物用処理材の基材とするものが知ら
れている。
【0003】しかしながら、従来のパルプを用いた排泄
物用処理材では、ペットの尿の吸収速度が遅く、また吸
収後の処理材は全く固化しないため、使用後の処理が煩
雑であった。パルプ粒状物の表面に合成高分子系吸水ポ
リマーを付着させたものは、尿などを吸収してその表面
だけが吸収体になってしまい、尿はパルプの内部まで浸
透と吸収が行われない。従って排泄物用処理材の吸収効
率は悪かった。また、合成高分子系高吸水性ポリマー
は、蒸留水に対して1000倍程度の高い吸水性を示す
ものであるが、生理食塩水及び海水などのような塩濃度
の水溶液に対してイオンの影響を受けて吸水性が30倍
以下まで低下することが知られている。最近猫などのペ
ットが、人間の食事と同じものを食することもあり、猫
の尿中の塩濃度が高くなる傾向にあるため、合成高分子
系高吸水性ポリマーの吸水性は十分でなかった。
【0004】さらにこれらの合成高分子系吸水ポリマー
は、生分解性を有しないため、使用後の廃棄が問題であ
る。現状としては、これらの合成高分子系吸水ポリマー
を含む排泄物処理材を廃棄時に焼却処理する方法と埋め
立てする方法が行われているが、焼却炉で処理する方法
では、焼却時に発生する熱による炉材の損傷のほかに、
地球の温暖化や酸性雨の原因となるガスの発生源となる
ことが指摘されている。さらに、含水率の高い使用済み
排泄物処理材などを焼却する場合、焼却炉へ投入した際
には炉内燃焼温度が急激に低下し炉材の劣化を促進する
だけでなく、ダイオキシン類が発生し易い燃焼雰囲気と
なるために後段での排ガス処理設備への負担が大きくな
り、より性能の高い排ガス処理設備が必要とされる。埋
め立て処理する方法では、腐らないため地盤が安定しな
い等の問題があるうえ、埋め立てに適した場所がなくな
ってきたことが大きな問題となっている。すなわち、こ
れらの合成高分子系吸水ポリマーは分解性に乏しく、水
中や土壌中では半永久的に存在するので、廃棄物処理に
おける環境保全を考えると非常に重大な問題である。
【0005】このような傾向から近年、生分解性ポリマ
ーが注目されており、これを吸水材として使用すること
が提案されている。生分解性を有する吸水材としては、
例えばポリエチレンオキシド架橋体(特開平6−157
795号公報など)、ポリビニルアルコール架橋体、カ
ルボキシメチルセルロース架橋体(米国特許46507
16号公報)、アルギン酸架橋体、澱粉架橋体(特開昭
55−15634号公報)、ポリアミノ酸架橋体(特開
平7−224163号公報、特開平7−309943号
公報、特開平8−59820号公報、特開平8−504
219号公報、特開平9−169840号公報など)、
ガラクトマンナン−金属イオン架橋体(特開平8−59
891号公報、特公平3−66321号公報、特開昭5
6−97450号公報)などが知られている。
【0006】しかしながら、ガラクトマンナン−金属イ
オン架橋体以外の吸水材は、何れもアニオン性を有して
いることから、尿中の塩濃度に影響を受けて吸水量は低
く、さらに炭酸カルシウムなどの二価カチオンと接触す
るとポリマーの架橋のためにゲル中の水分は放出される
などの問題があった。さらに、これらの生分解性吸水材
は、コストが高く、動物排泄物処理材として実用化出来
るものではなかった。
【0007】ガラクトマンナンと金属イオンから成る吸
水材は、コストも安価で尿中の塩濃度に対しても影響を
受けないことから、非常に有用である。ガラクトマンナ
ンとホウ素イオンから成るペット用排泄物処理材として
は、米国特許第5359961号公報や第576202
3号公報が知られている。しかし、これらの処理材中に
含まれる吸水材は、ガラクトマンナンとホウ素イオンの
みから構成されることから、吸水能は高いものの、吸水
後のゲルはゲル強度が低く、滑りを発生しやすく、結果
として、家畜やペットの足裏などに付着して、動物や人
の居住環境を一層汚染させやすくするなどの問題があ
り、満足できるものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決し、ペットや家畜の尿を速やかに吸収することがで
き、滑りやベトツキが発生しないようなゲル強度を有
し、固化してトイレや下水に流して処理することが可能
な排泄物用処理材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、特定の吸水材、有機物充填材、及び無機充填材
から構成される動物用排泄物処理材が、上記問題を解消
できることを見出し、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明は、吸水材、有機物充填材、及び無機充填
材から構成され、前記吸水材と有機物充填材とが、生分
解性を有し、吸水材が、ガラクトマンナン、ホウ素イオ
ン、及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンから成
ることを特徴とする動物排泄物処理材を要旨とするもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の動物排泄物処理材は、
(1)有機物充填材、(2)無機物充填材、(3)吸水
材から主に構成されるものである。
【0011】本発明の動物排泄物処理材を構成する有機
物充填材は、適度に吸水することが可能で、粒状に成形
され、生分解性を有するものであれば特に限定されるも
のではない。例えばビジネス書類、新聞、雑誌等の回収
古紙や、バージンパルプからセルロース成分を抽出した
粉末パルプや、セルロースフラフ、或いは細分化された
シュレッダーダスト、木粉、木片、籾殻、細分化された
藁、コーヒー粕、米糠、おからなどをパン型造粒機など
で球状などに造粒成形されたものが挙げられるが、吸水
量が比較的多い点で粉末パルプやセルロースフラフが好
ましい。
【0012】本発明の動物排泄物処理材を構成する無機
物充填材は、有機物充填材がセルロースの場合は特に、
セルロースの水中での再解離性(水崩壊性)を促進する
働きを有しており(特開平9−252675号公報)、
また無機物充填材が有機物充填材中に存在した場合、無
機物がチャンネルとなって尿などの水分を誘導し、有機
物充填材や吸水材の吸水速度を早めることが出来る点で
有用である。このような無機物充填材としては、コロイ
ダルシリカ、層状珪酸塩、ゼオライト、タルク、ホワイ
トカーボン、超微粒子状シリカ、酸化チタン粉末、炭酸
カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられるがコスト
が安価な点でタルクが好ましい。
【0013】本発明の動物排泄物処理材を構成する吸水
材は、ガラクトマンナン、ホウ素イオン、及びホウ素イ
オン以外の三価以上の多価金属イオンから成るものであ
れば特に限定されない。ガラクトマンナンとしては、例
えば、ローカストビーンガム、グアガムが挙げられる
が、安価であることからグアガムが好ましい。これらは
単独でホウ素イオン及びホウ素イオン以外の三価以上の
金属イオンと架橋させてもよいが、2種以上のガラクト
マンナン又はその誘導体を混合してから架橋させてもよ
い。この場合、全ガラクトマンナンの50%以上がグア
ガムであることが好ましい。グアガムと混合可能なガラ
クトマンナン又はその誘導体としては、カルボキシルメ
チルガラクトマンナン、カルボキシメチルヒドロキシプ
ロピルガラクトマンナンやローカストビーンガムなどが
挙げられ、こらのグループから選ばれる1種以上のガラ
クトマンナン又はその誘導体を全ガラクトマンナンの5
0質量%以下の範囲で加えてから、ホウ素イオン及びホ
ウ素イオン以外の三価以上の金属イオンで架橋してもよ
い。しかしながら、前述のように吸水材の構造中にカル
ボキシル基を含有すると二価以下のカチオン濃度に対し
て吸水能が影響を受け、低下するのでこれらの混合割合
は全ガラクトマンナンの10質量%以下が好ましく、さ
らに好ましくは5質量%以下である。ガラクトマンナン
の分子量は1万以上が好ましく、より好ましくは5万以
上である。分子量が1万以下の場合は金属イオンで架橋
してもゲルを形成しないので不適当である。
【0014】本発明の動物排泄物処理材を構成する吸水
材は、二価以下のカチオン水溶液を自重の40倍以上吸
水でき、且つ吸水後のゲル強度が2×10-5N/mm2
以上であることが好ましい。ゲル強度がこの値未満で
は、吸水後のゲルが流動性の高い液状に近くなるため、
動物の足裏などに付着し、室内を汚染する原因になる。
なお、二価以下のカチオン水溶液とは、一価(ナトリウ
ム、カリウムなど)又は二価のカチオン(マグネシウ
ム、カルシウムなど)のみが溶解された水溶液だけでな
く、他の電解質が二価以下のカチオンと共に溶解してい
る水溶液も含むものとする。
【0015】本発明において、吸水材を作成する場合の
ガラクトマンナンの水への膨潤濃度は、ガラクトマンナ
ンが水に均一に膨潤が可能でホウ素イオン及びホウ素イ
オン以外の三価以上の金属イオンとの架橋時にゲルが容
易に作成できる濃度であれば特に限定されるものではな
いが、好ましくは0.1質量%〜10質量%、さらに好
ましくは0.5質量%〜3質量%である。またこの時の
膨潤温度はガラクトマンナンが膨潤でき、熱分解により
分子量の低下を招かない温度であれば特に限定されるも
のではないが、好ましくは5℃〜80℃、さらに好まし
くは20〜60℃である。
【0016】ガラクトマンナンとホウ素イオン及びホウ
素イオン以外の三価以上の金属イオンとのゲル架橋、乾
燥後の吸水能、及び自由吸水下ゲル強度を低下させない
範囲であれば、吸水速度の向上やゲル強度の向上の目的
で、単糖類、キレート剤などの有機化合物、無機塩類、
コロイダルシリカ、層状珪酸塩、ゼオライト、タルク、
ホワイトカーボン、超微粒子状シリカ、酸化チタン粉末
等の無機化合物を添加してもよい。さらに可塑剤、酸化
剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、殺菌
剤、防カビ剤、肥料、香料、防臭剤、消臭剤、顔料等を
混合してもよい。また場合によっては架橋遅延剤を添加
することも可能である。
【0017】本発明において、吸水材に添加することが
できる可塑剤としては、各種の親水性化合物が挙げられ
る。その目的は、吸水材に柔軟性を付与することにあ
る。可塑剤としては特に限定されないが、アルコール、
カルボン酸、スルホン酸、グリコール類、水溶性合成ポ
リマー、アミノアルコール、単糖類、二糖類、三糖類、
20種類の必須アミノ酸、アミノ酸及びアミノ酸誘導
体、核酸及びその誘導体、リン脂質、ビタミン及び補酵
素類が挙げられる。これらの中で分子内に親水基を豊富
に持つ化合物が均一に混合しやすいので好ましい。すな
わち、ソルビトール、ペンタエリスリトール、イズロン
酸、ガラクタル酸、α−ガラクツロン酸、グルカル酸、
β−グルクロン酸、グルコン酸、グルロン酸、2−デオ
キシグルコン酸、マンヌロン酸−6,3−ラクトン、α
−ガラクトサミン塩酸塩、α−マンノサミン塩酸塩、ム
ラミン酸、アルギン酸、コンドロイチン−4−硫酸塩、
コンドロイチン−6−硫酸塩、ヒアルロン酸、ペクナン
酸、キトサン、キトサン−コハク酸変性物、カチオン化
デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、カチオン化セルロースが好ましく、ソ
ルビトール、ペンタエリスリトール、グルコン酸、α−
ガラクトサミン塩酸塩、コンドロイチン−4−硫酸塩、
コンドロイチン−6−硫酸塩、アルギン酸、ヒアルロン
酸、キトサン、キトサン−コハク酸変性物、カチオン化
デンプン、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セ
ルロースが特に好ましい。可塑剤は必要により、2種以
上の他の可塑剤と混合して用いてもよい。これらの可塑
剤の使用量は特に限定されないが、吸水材に対して、
0.1〜70質量%が好ましく、0.1〜30質量%が
より好ましい。
【0018】本発明の吸水材の作成に用いる架橋剤は、
少なくともホウ素イオン及びホウ素イオン以外の三価以
上の金属イオンを含むことが必要である。ホウ素はガラ
クトマンナンの架橋剤としてだけでなく、尿のようなア
ンモニアを発生させる液体の臭気発生抑制成分としても
有用である。これは、ホウ素が尿中の尿素をアンモニア
に分解する作用を有する酵素であるウレアーゼの活性阻
害作用を有していることに起因する(米国特許第446
2819、4949672号公報)。
【0019】また、ホウ素イオン以外の三価以上の金属
イオンとしては、チタンイオン、ジルコニウムイオン、
アルミニウムイオン、イットリウムイオン、セリウムイ
オンが挙げられるが、安価で安全性が高いことからチタ
ンイオンが最も好ましい。
【0020】ホウ素イオン及びチタンイオンの形態とし
ては特に限定しないが、チタンに関しては水溶液でのp
Hが中性付近であり、安定性が高いことからアルコキシ
ド化合物が好ましく、ホウ素に関しては安価なことから
四ホウ酸ナトリウムが好ましい。チタンのアルコキシド
化合物としては、例えばデュポン社の製品にTyzor131、
チタニウムIV トリエタノールアミネート イソプロポ
キシド、チタニウムIVジイソプロポキシド ビスアセチ
ルアミネート、TyzorGBA、チタニウムIV テトラ−2−
エチルヘキソキシド、チタニウムIV テトライソプロポ
キシド、チタニウムIV ビスアンモニウムラクテート
ジヒドロキシド、ニッソー社の製品にチタニウムIV ジ
−n−ブトキシ ビストリエタノールアミネート、チタ
ニウムIV イソプロポキシオクチレン グリコレート、
三菱ガス化学社にチタニウムIVアンモニウムラクテート
などが挙げられるが、安価で水溶液中で最も安定なこと
からTyzor131が好ましい。
【0021】本発明において、吸水材に用いられる架橋
剤は、少なくともホウ素イオン及びホウ素イオン以外の
三価以上の金属イオンを含むことが必要であるが、生分
解性、吸水能力及びゲル強度の低下を招かない範囲であ
れば、他の架橋剤、例えばグルタルアルデヒド、グリオ
キサールなどのアルデヒド化合物、エチレンジアミン、
ポリアミドレジンなどのアミン化合物、2,2-ビスヒドロ
キシメチルブタノールトリ[3-(1-アジリジン)]プロピオ
ン酸などのアジリジン化合物、トリレンジイソシアナー
ト、ヘキサメチレンジイソシアナート、トルエンジイソ
シアナートなどのイソシアナート化合物、グリセロー
ル、プロピレングリコール、エチレングリコールなどの
多価アルコール、エピクロルヒドリン、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグ
リシジルエーテルなどのエポキシ化合物などと混合して
用いることも可能である。
【0022】ガラクトマンナンゾルの架橋に用いられる
金属イオン濃度は、ホウ素イオン及びホウ素イオン以外
の三価以上の多価金属イオンの併用添加により、吸水量
が自重の40倍以上、吸水後のゲル強度が2×10-5
/mm2以上を有する乾燥物が作成できる範囲が好まし
い。ホウ素に関してはグアガム質量1kg当たり10〜
2,000ミリモルが好ましく、50〜1,000ミリモ
ルが特に好ましい。ホウ素以外の三価以上の多価金属イ
オンに関しては、金属イオンの種類やその形態によって
適宜異なるが、グアガム質量1kg当たり概ね1〜12
0ミリモルが好ましく、10〜60ミリモルが特に好ま
しい。ガラクトマンナンとホウ素及びホウ素以外の三価
以上の多価金属イオンとの架橋ゲルを形成させるときの
温度は特に限定されないが、反応を促進させるためにも
5〜90℃が好ましく、20〜50℃がさらに好まし
い。90℃以上ではガラクトマンナンの熱分解により低
分子化が顕著に起こり、5℃以下では膨潤しない。
【0023】また架橋剤を添加することによってゲルの
pHが変化するが、ゲルの最終的なpHは5〜13が好ま
しく、6〜10がさらに好ましい。このためpHがこの
範囲外にある場合は、適宜水酸化ナトリウムや塩酸など
を添加してゲルpHを調製すればよい。特にガラクトマン
ナンは強酸の存在下で加水分解されて低分子化するた
め、酸性の架橋剤液を用いる場合は架橋剤添加と同時或
いは直後にpH調製を行う必要がある。またこのような
架橋剤を用いる場合は、加水分解反応速度を遅くするた
めにできるだけガラクトマンナンゾルを冷却してから添
加したほうがよい。冷却温度は1〜10℃の範囲であ
る。ガラクトマンナンが低分子化すると吸水後のゲルの
風合いが悪化(滑りが発生)しやすいので、出来るだけ
回避することが望ましい。
【0024】また場合によっては、架橋後のゲルを回転
刃付きのブレンダーなどで破砕し、ゲル粒子表面を再
度、架橋剤で架橋することも可能である。この場合に用
いる架橋剤としては前述のホウ素イオン又は/及びホウ
素イオン以外の三価以上の多価金属イオンが好ましい。
【0025】ガラクトマンナン架橋ゲル体の乾燥方法
は、吸水性能の低下がなく、乾燥後に所定の粒状物が得
られる方法であれは特に限定しない。例えば、架橋後の
ゲルを破砕してから親水性溶媒中で脱水し熱風乾燥して
もよいし、架橋後のゲルを減圧乾燥或いは凍結乾燥した
ものを粉末状に粉砕し、そのままの粉末状で使用しても
よいし、或いは再度造粒して粒子を得てもよい。加熱乾
燥する場合は乾燥温度は90℃以下であればよく、好ま
しくは50℃以下である。乾燥後の吸水材粒子の大きさ
は20〜1000μmが好ましく、50〜200μmが
さらに好ましい。
【0026】上記(1)有機物充填材、(2)無機物充
填材、(3)吸水材を、動物用排泄物処理材として用い
るためには造粒する必要があるが、上記成分(1)〜
(3)を造粒する方法、順序は、本発明の動物用排泄物
処理材の吸水能及びゲル強度が低下しない範囲であれば
特に限定されない。例えば、予め有機物充填材と無機物
充填材を混練して造粒し、その表面に吸水材粒子を付着
させてもよいし、有機物充填材と無機物充填材をガラク
トマンナンゾル中で予め混練してから架橋してゲル化さ
せ、乾燥して造粒してもよく、或いは有機物充填材と無
機物充填材を混練して造粒した表面に、無機物充填材と
ガラクトマンナンゾルを混合して架橋、乾燥した吸水材
粒子を付着させてもよい。
【0027】有機物充填材と吸水材粒子を付着させる場
合は特にバインダーは不要であり、30℃以上で80%
以上の湿度下で有機物充填材と吸水材粒子を混練しなが
ら造粒するだけでよい。これは、吸水材粒子が高い湿度
下では空気中の水分によって膨潤しはじめ粘着性を有す
るため、バインダーを使用しなくても付着が可能となる
からである。造粒後は再度90℃以下で乾燥すればよ
い。必要に応じてCMC、PVA、PEG、グリセリ
ン、エチレングリコールなどを、バインダー効果を得る
ために添加することができる。添加する方法としては、
水溶液にしてスプレーする方法が好ましい。添加する液
の量は、有機物充填材、無機物充填材、吸水材の組成比
によっても異なるが、通常は全組成物に対して10〜5
0質量%、好ましくは30〜40質量%である。加液量
が多すぎると、造粒物の表面に添着された吸水材が膨潤
してゲル状となるため、造粒物同士がブロッキングし、
全体が団子状の塊となるので、後処理が困難となる。逆
に加液量が少なすぎると十分に接着できず、被覆の造粒
は十分に行えなくなる。
【0028】本発明の排泄物用処理材には、必要に応じ
て、消臭剤、芳香剤、殺虫剤、昆虫幼若ホルモン、防か
び剤、防腐剤、抗菌剤、着色剤、猫が好むマタタビのよ
うなもの、嵩密度を調節するため無機物などを各々0.
01〜10質量%添加させることができる。これらは、
本発明の排泄物用処理材中に存在していればよく、予め
造粒の際に添加してもよい。
【0029】本発明の排泄物用処理材を造粒するために
は、有機物充填材、無機物充填材と吸水材粒子をナウタ
ーミキサー、リボンミキサー、万能ミキサー、モルタル
ミキサーなどの混合装置に入れ、高温高湿下で攪拌しな
がら、或いはバインダーとして少量の水を均一に加えて
湿らしながら攪拌する。バインダーの中に必要に応じて
CMC、PVA、PEG、グリセリン、エチレングリコ
ールなどを添加してもよい。
【0030】これらの成分の組成としては、有機物充填
材が45〜70質量%、無機物充填材が10〜25質量
%、吸水材が5〜45質量%が好ましく、有機物充填材
が50〜60質量%、無機物充填材が15〜20質量
%、吸水材が20〜35質量%であることが好ましい。
【0031】本発明においては、最終形態である排泄物
処理材としては、粒径が1〜20mm、好ましくは3〜
10mmであり、嵩密度が0.1〜5g/cm3、好ま
しくは0.5〜2g/cm3である。
【0032】以上のように、本発明の有機物充填材と無
機物充填材、生分解性を有する吸水材から構成された動
物用排泄物処理材は、吸水性能に優れ、使用後には吸水
材がゲル化することによって使用した部分のみが固化す
るので掬い取って処分する便利さを有しており、さらに
固化部分だけをトイレや下水に処分しても、下水処分場
において微生物の作用により有機物充填材と吸水材部分
は分解されるので焼却や埋設処理する必要がない。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。なお、吸水材の吸水量、ゲル強度の測定
法については下記に示した。
【0034】1.吸水量の測定 吸水量の測定は、ティーバッグ法にて生理食塩水(0.
9質量%塩化ナトリウム水溶液)を用いて行った。すな
わち、250メッシュのナイロン製ティーバッグに吸水
材1gを入れ、1Lの0.9質量%塩化ナトリウム水溶
液にティーバッグを3時間浸し、ティーバッグを引き上
げ、10分間水切りを行った後、その質量を測定した。
吸水材の吸水量は、3時間水に浸した吸水材が入ってい
ないティーバッグの質量をブランクとし、吸水して膨潤
した吸水材が入ったティーバッグの質量から、膨潤前の
吸水材の質量とブランクの質量を減じた値を、膨潤前の
吸水材の質量で除した値を吸水量(g/g樹脂)とし
た。
【0035】2.自由吸水下でのゲル強度の測定 自由吸水下でのゲル強度の測定は、予め測定して得た吸
水倍率に従って500〜1,000μmに篩い分けた吸
水材粒子を攪拌しながら0.9質量%食塩水に浸して3
時間自由吸水させ、サイエンティフィク社のレオメトリ
ック SR−5000を用いて1Hz、室温にて粘弾性
G*を測定し、その数値をゲル強度とした。
【0036】実施例1 1.排泄物処理材の作成 1−1 吸水材の作成 グアガム(大日本製薬社製 PF-20)4gを50℃に加
温した純水200ml(固形分濃度2質量%)に攪拌し
ながら添加し、溶解・膨潤させゾル液を作成した。1時
間膨潤後、そのゾル液200mlにTyzor131溶
液を最終的なチタン含有量がグアガム質量1kg当たり
30ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム十水和物
水溶液を最終的なホウ素含有量が500ミリモルになる
ようにそれぞれ添加し、ブレンダーで破砕混合しながら
充分に架橋させた。これらのゲルのpHは9.0±0.
1になるよう調製した。このゲルを凍結乾燥させ、得ら
れた乾燥物を窒素流下において鑢で1mm以下に破砕
し、得られた断片について生理食塩水吸水量及びゲル強
度(ゲル粘弾性G*)の測定を行った。その結果、本実施
例の吸水材は生理食塩水吸水量が91g/g、ゲル強度
が8.7×10-5N/mm2であった。
【0037】1−2 排泄物処理材の作成 上記1−1の吸水材粉末とおがくず、タルク(石津製薬
社製)を用いて排泄物処理材を作成した。吸水材とおが
くず、タルクの質量当たり混合比率は20:60:20
とした。これらを混合し、卓上万能ミキサー(二葉理科
社製)で適度に水分を噴霧しながら攪拌した。その後、
造粒した混合物を30℃で熱風乾燥し、排泄物処理材を
得た。嵩密度の測定は試料を体積100cm3のスチー
ル製容器に入れ、試料が密になるように底部を弾性のな
い硬いゴムシート上で10〜20回たたき、試料が10
0cm3以上に加えられない時の質量を測定した。その
結果、嵩密度は0.5g/cm3であった。
【0038】2.排泄物処理材の人工尿吸水試験 上記で作成した排泄物処理材200gに人工尿(1.9
4質量%尿素、0.8質量%塩化ナトリウム、840p
pm塩化カルシウム、2050ppm硫酸マグネシウ
ム)20mlを滴下し、凝固具合とゲルの付着具合を試
験したところ、滴下1分後には、滴下した排泄物処理材
周辺が固化して凝固し、またその上から指で押しても指
にゲル粒子が付着することはなく好適であった。この凝
固した排泄物処理材約30gをスコップで掬い取り、ト
イレで10Lの水で流した所、トイレ便器周辺や配管に
詰まることなく流去させることができた。
【0039】
【発明の効果】本発明の排泄物用処理材は、動物の尿を
速やかに吸収し、排泄後に処理材の塊が硬く固化され、
吸水材と有機物充填材が生分解性を有しているためトイ
レや下水に直接処分することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 里子 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式会 社中央研究所内 Fターム(参考) 2B101 AA01 AA13 GB06 GB08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水材、有機物充填材、及び無機充填材
    から構成され、前記吸水材と有機物充填材とが、生分解
    性を有し、吸水材が、ガラクトマンナン、ホウ素イオ
    ン、及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンから成
    ることを特徴とする動物排泄物処理材。
  2. 【請求項2】 吸水材が、二価以下のカチオン水溶液を
    自重の40倍以上吸水でき、且つ吸水後のゲル強度が2
    ×10-5N/mm2以上であることを特徴とする請求項
    1記載の動物排泄物処理材。
  3. 【請求項3】 ホウ素イオン以外の三価以上の多価金属
    イオンが、チタンイオン、ジルコニウムイオン、イット
    リウムイオン、セリウムイオンから成る群から選ばれる
    1種以上のイオンであることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の動物排泄物処理材。
JP2000238510A 2000-08-07 2000-08-07 動物排泄物処理材 Pending JP2002051659A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000238510A JP2002051659A (ja) 2000-08-07 2000-08-07 動物排泄物処理材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000238510A JP2002051659A (ja) 2000-08-07 2000-08-07 動物排泄物処理材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002051659A true JP2002051659A (ja) 2002-02-19

Family

ID=18730201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000238510A Pending JP2002051659A (ja) 2000-08-07 2000-08-07 動物排泄物処理材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002051659A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003279565A (ja) * 2002-03-26 2003-10-02 Kumiai Chem Ind Co Ltd ペットの健康診断方法及びペット健康診断用キット
JP2004000133A (ja) * 2002-03-27 2004-01-08 Shinichi Kato 動物用糞尿処理材
JP2007222864A (ja) * 2006-01-26 2007-09-06 Dainippon Printing Co Ltd 吸収材
JP2009124952A (ja) * 2007-11-20 2009-06-11 Tottori Univ 動物飼育用消臭抗菌敷料およびそれに用いる消臭抗菌液剤
JP2012165942A (ja) * 2011-02-16 2012-09-06 Kracie Home Products Ltd 清掃具
JP2018113876A (ja) * 2017-01-17 2018-07-26 株式会社大貴 排泄物処理材及びその製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003279565A (ja) * 2002-03-26 2003-10-02 Kumiai Chem Ind Co Ltd ペットの健康診断方法及びペット健康診断用キット
JP2004000133A (ja) * 2002-03-27 2004-01-08 Shinichi Kato 動物用糞尿処理材
JP2007222864A (ja) * 2006-01-26 2007-09-06 Dainippon Printing Co Ltd 吸収材
JP2009124952A (ja) * 2007-11-20 2009-06-11 Tottori Univ 動物飼育用消臭抗菌敷料およびそれに用いる消臭抗菌液剤
JP2012165942A (ja) * 2011-02-16 2012-09-06 Kracie Home Products Ltd 清掃具
JP2018113876A (ja) * 2017-01-17 2018-07-26 株式会社大貴 排泄物処理材及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4495305B2 (ja) トイレに流し捨てることができる動物用排泄物処理材
US5014650A (en) Animal litter
US8356578B2 (en) Waste encapsulating animal litter
JP3439885B2 (ja) ペットの排泄物用処理材及びその製法
JPH04335841A (ja) 動物の排泄物用処理材
CA2600683A1 (en) Clumping, non-dusting calcium carbonate-based animal litter
JP2002051659A (ja) 動物排泄物処理材
AU8376598A (en) Urinary infection detecting animal litter
JP5150661B2 (ja) トイレに流し捨てることができる水解性の動物用排泄物処理材の製造方法
WO1997014299A1 (fr) Materiau de traitement pour excrements d'animaux et procede de production de ce materiau
JPS63240942A (ja) 排せつ物処理剤
JP2847233B2 (ja) 犬猫の糞尿処理材およびその製造方法
JP2000300102A (ja) ペット用排泄物処理剤
JP2004008003A (ja) 動物用排泄物処理材
JP2004201520A (ja) 動物用排泄物処理材
JP3891708B2 (ja) 動物の排泄物用処理材
JP2847232B2 (ja) 犬猫の糞尿処理材およびその製造方法
JP2603045B2 (ja) ペット用トイレ砂
JP2002051939A (ja) 携帯用汚物処理袋
JP3910456B2 (ja) ペット排泄物処理剤およびその製造方法
JP2931422B2 (ja) ペットの糞尿処理材
JP3845190B2 (ja) 小動物の排泄物処理材及びその製造方法
KR20240085585A (ko) 카사바를 함유한 고양이 모래 및 그 제조방법
JP2006110537A (ja) 家畜排泄物用処理剤および家畜排泄物の処理方法
JP3187400U (ja) 所定の容器入りのペット用糞尿処理材