JP2007222864A - 吸収材 - Google Patents
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Abstract
古紙をリサクルでき、水などの吸収性に優れ、低コストで製造でき、かつ、リサイクル製品を使用した後でも環境への負荷が少ない吸収材を提供する。
【解決手段】
古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物とバージンパルプとからなる植物繊維質成分と生分解性吸収性樹脂成分とからなり、その割合が質量基準で、古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物:バージンパルプ=40〜90質量部:60〜10質量部であることを特徴とし、植物繊維質成分:生分解性吸収性樹脂成分=50〜95質量部:5〜50質量部であり、古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物において、粉砕後の破片の最大長さが0より大きく、5.0mm以下であり、嵩密度が0.03〜0.05g/cm3であり、平均繊維長が0.3〜5.0mmであり、繊維長の加重平均が0.5〜10mmであり、平均繊維幅が0.01〜0.07mmであることも特徴とする。
【選択図】 なし
Description
従って、吸収材は、古紙をリサクルでき、リサイクルしたリサイクル製品が低コストで製造でき、該リサイクル製品は水、油、溶剤及びゲルなどの吸収性に優れ、かつ、該リサイクル製品を使用した後でも環境への負荷が少ないことが求められている。
また、吸収性樹脂を含む吸収材としては、紙オムツなどの衛生材料が知られている(例えば、特許文献4〜6参照。)。しかしながら、該吸収性樹脂は石油由来であり、高価であり、生分解性がなく、水中や土壌中では半永久的に存在するので、廃棄物処理における環境保全を考えると非常に重大な問題である。また、それをリサイクルすれば多大な費用がかかり、焼却するにも大量であるため環境への負荷が大きいという欠点がある。
さらに、古紙を使用した吸収材が知られている(例えば、特許文献7〜10参照。)。特許文献7は、押出成形機にて押出成形した造粒物などで、押出成形による製造にあたって、押出成形機にかかる大きな負荷を解消を課題とし、植物繊維質成分及び澱粉質成分を骨格成分と共に高吸水性ポリマーを用いた成形体である。特許文献8は、水と有機溶剤が共存していると、水をあまり吸着せず有機溶剤を効率良く吸着することができないという課題を解消したもので、環境汚染を防止する関点から、有機溶剤を効率良く吸着する粉砕したサイズ剤入りの紙を用いて、粉砕したサイズ剤入りの紙同士を結合材で結合させてなるものである。特許文献9は、ペットの尿の吸収速度が遅く、また吸収後の処理材は全く固化しないため、使用後の煩雑処理を解消した排泄物用処理材で、古紙のスラッジに成形助材のクレー又はベントナイトを添加して造粒した粒状物基材の表面にノニオン系吸水性ポリマーを被覆したものである。特許文献10は、ペットなどの尿を少量で速やかに吸収し、衛生的であり、軽量であり、かつ尿を吸収後の処理材の塊が硬く固化され、また生分解性を有するのでトイレや下水道に流して処分するために、吸水材、有機物充填材、及び無機充填材から構成される動物の排泄物用処理材である。しかしながら、これら特許文献7〜10では、吸水材はいずれも造粒物であり、未だ吸水機能が低く、また、古紙のリサイクル化については記載も示唆もされていない。
請求項2の発明に係わる吸収材は、上記古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物とバージンパルプとの割合が質量基準で、古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物:バージンパルプ=50〜80質量部:50〜20質量部であるように、したものである。
請求項3の発明に係わる吸収材は、上記植物繊維質成分と上記生分解性吸収性樹脂成分との割合が質量基準で、植物繊維質成分:生分解性吸収性樹脂成分=50〜95質量部:5〜50質量部であるように、したものである。
請求項4の発明に係わる吸収材は、上記植物繊維質成分と上記生分解性吸収性樹脂成分との割合が質量基準で、植物繊維質成分:生分解性吸収性樹脂成分=70〜90質量部:10〜30質量部であるように、したものである。
請求項5の発明に係わる吸収材は、上記生分解性吸収性樹脂成分が、ガラクトマンナンとチタン若しくはジルコニウムから成る吸水体、架橋ポリアミノ酸重合体を含有する吸水材、及び/若しくは、ポリ乳酸とけん化度が95%以上であるポリビニルアルコールとを含有する水分散体を凍結解凍して得られる高分子含水ゲル複合体であるように、したものである。
請求項6の発明に係わる吸収材は、上記古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物において、粉砕後の破片の最大長さが0より大きく、5.0mm以下であるように、したものである。
請求項7の発明に係わる吸収材は、上記古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物の嵩密度が0.03〜0.05g/cm3であるように、したものである。
請求項8の発明に係わる吸収材は、上記古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物の平均繊維長が0.3〜5.0mmであるように、したものである。
請求項9の発明に係わる吸収材は、上記古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物の繊維長の加重平均が0.5〜10mmであるように、したものである。
請求項10の発明に係わる吸収材は、上記古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物の平均繊維幅が0.01〜0.07mmであるように、したものである。
請求項2の本発明によれば、古紙をより多くリサクルでき、リサイクルしたリサイクル製品がより低コストで製造できる吸収材が提供される。
請求項3〜5の本発明によれば、水、油、溶剤及びゲルなどの吸収性により優れる吸収材が提供される。
請求項6〜10の本発明によれば、水、油、溶剤及びゲルなどの吸収性により優れる吸収材が提供される。
本発明の吸収材は、古紙とバージンパルプとの配合比を明確に設定した有機ベース基材(植物繊維質成分)に、生分解性吸水樹脂を含ませて、吸収材を製造する。古紙のインキなどを分離することなく、全量をリサイクルでき、しかも古紙の含有量を多くできるので、低コストでリサイクル製品が製造できる。従来の生分解性吸水樹脂を100%使用した吸水材と比較すると、低コストで安く製造することができる。本発明の吸収材は、水、油、溶剤及びゲルなどの吸収性に優れるので、少量の使用でよく、使用後の処分も容易である。リサイクル製品を使用後に廃棄しても、処分場において微生物の作用により分解されるので焼却や埋設処理する必要がなく、環境への負荷が少ない。本発明の吸収材により、容易に安全に、大量の古紙をリサイクルすることができる。
(バージンパルプ)バージンパルプは、例えば木材パルプ、コーンファイバー、または麻、棉、藁等より得られる繊維で、未使用のものである。
平均繊維長及び平均繊維幅は、Optest Equipment社製の繊維長・形状測定機FQAを使用して、古紙及びバージンパルプの粉砕物を純水で希釈し、希釈液をフローセルにて吸収し、CCDカメラにて繊維画像を撮影し、画像解析により繊維長及び繊維幅を測定し、平均したものである。繊維長の加重平均は、i=1,2,3・・n,n=iがn番目の繊維数、L=iがn番目の繊維長さとして、荷重平均Lw=ΣniLi2/
ΣniLiから計算したものである。嵩密度(g/cm3)は、古紙及びバージンパルプ
の粉砕物を体積100cm3のスチール製容器に入れ、粉砕物が密になるように底部を弾性のない硬いゴムシート上で10〜20回たたき、試料が100cm3以上に加えられない時の重量を測定し、算出したものである。
Claims (10)
- 少なくとも植物繊維質成分と生分解性吸収性樹脂成分とを含む吸収材において、前記植物繊維質成分が、古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物とバージンパルプとからなり、その割合が質量基準で、古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物:バージンパルプ=40〜90質量部:60〜10質量部であることを特徴とする吸収材。
- 上記古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物とバージンパルプ植物繊維質成分の割合が質量基準で、古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物:バージンパルプ=50〜80質量部:50〜20質量部であることを特徴とする請求項1記載の吸収材。
- 上記植物繊維質成分と上記生分解性吸収性樹脂成分との割合が質量基準で、植物繊維質成分:生分解性吸収性樹脂成分=50〜95質量部:5〜50質量部であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の吸収材。
- 上記植物繊維質成分と上記生分解性吸収性樹脂成分との割合が質量基準で、植物繊維質成分:生分解性吸収性樹脂成分=70〜90質量部:10〜30質量部であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の吸収材。
- 上記生分解性吸収性樹脂成分が、ガラクトマンナンとチタン若しくはジルコニウムから成る吸水体、架橋ポリアミノ酸重合体を含有する吸水材、及び/若しくは、ポリ乳酸とけん化度が95%以上であるポリビニルアルコールとを含有する水分散体を凍結解凍して得られる高分子含水ゲル複合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吸収材。
- 上記古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物において、粉砕後の破片の最大長さが0より大きく、5.0mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吸収材。
- 上記古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物の嵩密度が0.03〜0.05g/cm3であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の吸収材。
- 上記古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物の平均繊維長が0.3〜5.0mmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の吸収材。
- 上記古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物の繊維長の加重平均が0.5〜10mmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の吸収材。
- 上記古紙の粉砕物及び/若しくは解繊物の平均繊維幅が0.01〜0.07mmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の吸収材。
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