JP2002051939A - 携帯用汚物処理袋 - Google Patents

携帯用汚物処理袋

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JP2002051939A
JP2002051939A JP2000238511A JP2000238511A JP2002051939A JP 2002051939 A JP2002051939 A JP 2002051939A JP 2000238511 A JP2000238511 A JP 2000238511A JP 2000238511 A JP2000238511 A JP 2000238511A JP 2002051939 A JP2002051939 A JP 2002051939A
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water
absorbing material
biodegradable
bag
acid
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JP2000238511A
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English (en)
Inventor
Satoshi Kawanaka
聡 川中
Yoshio Nakai
美穂 中井
Norihiro Naito
宣博 内藤
Satoko Wada
里子 和田
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全ての構成素材が生分解性を有する素材から
成る生分解性携帯用汚物処理袋を提供する。 【解決手段】 吸水材、不透水性袋状物品、及び粘着性
テープから構成され、前記吸水材、不透水性袋状物品、
及び粘着性テープが生分解性を有し、前記吸水材が、ガ
ラクトマンナン、ホウ素イオン、及びホウ素イオン以外
の三価以上の多価金属イオンから成る吸水材である携帯
用汚物処理袋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、携帯用ト
イレ、携帯用吐しゃ物処理袋、携帯用ペット用トイレな
どの携帯用汚物処理袋に好適に用いられる、吸水性ポリ
マーと不透水性フィルム、粘着性テープから成る尿、吐
しゃ物又は血液を吸水し保持する生分解性携帯用汚物処
理袋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ドライブやキャンプ、登山などの
アウトドアの際などに携行する携帯トイレや乗り物酔い
の際に吐しゃ物を処理する処理袋としては、非生分解性
素材から成るポリエチレンなどの液不透過性シートの袋
内に、不織布にパックした非生分解性の高吸水性樹脂粉
末を収納したものがあった。これらの汚物処理袋は使用
後に、汚物と共に山谷や湖沼、海洋、河川、森林中など
の環境中に放置されたり、土壌中に埋設されたりしてい
た。しかしながら、これらの素材は非生分解性であるの
で、見た目には消失していても厳密には環境中で生分解
されることなく残存しており、逆に環境汚染の原因とな
っていた。またこのような非生分解性の吸水性樹脂を含
む汚物をトイレに流しても、下水処理場では分解され
ず、結局汚泥として吸水性樹脂を回収し、焼却処理しな
ければならず、非常に効率の悪いものであった。
【0003】近年の旅行やアウトドアブームにより、こ
のような携帯用汚物処理袋は多用されているが、このよ
うな用途に使用されている吸水材としては、例えば、架
橋ポリアクリル酸部分中和物(特開昭55−84304
号公報、米国特許4625001号公報)、澱粉−アク
リロニトリル共重合体の部分加水分解物(特開昭46−
43995号公報)、澱粉−アクリル酸グラフト共重合
体(特開昭51−125468号公報)、酢酸ビニル−
アクリル酸エステル共重合体の加水分解物(特開昭52
−14689号公報)、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸とアクリル酸の共重合架橋物(欧
州特許0068189号公報)、カチオン性モノマーの
架橋体(米国特許4906717号公報)、架橋イソブ
チレン−無水マレイン酸共重合体(米国特許43895
13号公報)などが知られている。
【0004】ところがこれらの合成高分子系吸水材は生
分解性を有しないため、使用後の廃棄が問題である。現
状としては、これらの合成高分子系吸水材を含む携帯用
汚物処理袋を廃棄時に焼却処理する方法と埋め立てする
方法が行われているが、焼却炉で処理する方法では、焼
却時に発生する熱による炉材の損傷のほかに、地球の温
暖化や酸性雨の原因となるガスの発生源となることが指
摘されている。さらに、含水率の高い使用済み紙おむつ
などを焼却する場合、焼却炉へ投入した際には炉内燃焼
温度が急激に低下し炉材の劣化を促進するだけでなく、
ダイオキシン類が発生し易い燃焼雰囲気となるために後
段での排ガス処理設備への負担が大きくなり、より性能
の高い排ガス処理設備が必要とされる。埋め立て処理す
る方法では、プラスチックは容積がかさばる、腐らない
ため地盤が安定しない等の問題があるうえ、埋め立てに
適した場所がなくなってきたことが大きな問題となって
いる。すなわち、これらの樹脂は分解性に乏しく、水中
や土壌中では半永久的に存在するので、廃棄物処理にお
ける環境保全を考えると非常に重大な問題である。
【0005】一方、携帯用汚物処理袋の外側の袋状物品
を構成する素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステルから成るフィルムがその優れた不透水
性から使用されてきた。しかしセルロース、レーヨン以
外のこれら構成成分は、生分解性を有していないため、
使用後廃棄物の土壌埋め立ての際には土壌中に残存して
しまうので、前述の非生分解性吸水材と同様の問題が提
起されている。
【0006】このような状況から全ての構成部分(吸水
材、袋状物品、粘着性テープ)が生分解性を有する素材
から成る生分解性の携帯用汚物処理袋の開発が期待され
ていた。
【0007】[生分解性を有する吸水材、袋、粘着テー
プの技術的背景]近年、「地球にやさしい素材」として
生分解性ポリマーが注目されており、これを吸水材、フ
ィルム、不織布として使用することが提案されている。
生分解性を有する吸水材としては、例えばポリエチレン
オキシド架橋体(特開平6−157795号公報な
ど)、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメチル
セルロース架橋体(米国特許4650716号公報)、
アルギン酸架橋体、澱粉架橋体(特開昭55−1563
4号公報)、ポリアミノ酸架橋体(特開平7−2241
63号公報、特開平7−309943号公報、特開平8
−59820号公報、特開平8−504219号公報、
特開平9−169840号公報など)、ガラクトマンナ
ン−金属イオン架橋体(特開平8−59891号公報、
特公平3−66321号公報、特開昭56−97450
号公報)などが知られている。
【0008】生分解性を有する不透水性フィルムとして
は、いわゆる生分解性プラスチックがあり、その主なも
のはポリ乳酸系重合体、デンプン−ポリカプロラクトン
共重合体、コハク酸エステル系重合体、ポリ−3−ヒド
ロキシブチレート−3−ヒドロキシバリレート共重合
体、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸重合体、ポリ−ε−カプ
ロラクトン重合体、ポリブチレンサクシネート重合体、
ポリエステルアミド重合体などが知られている。生分解
性を有する不織布としては、セルロース、レーヨンから
成る不織布が知られている。また生分解性を有する粘着
性テープとしては、基材フィルムとして前述の生分解性
プラスチックの他、ポリ酪酸、デンプンとポリビニルア
ルコールのポリマーアロイなどから成るフィルムが知ら
れ、粘着剤としては、ゴム成分として天然ゴム、粘着付
与剤としてロジン、テルペンおよびそれらの誘導体が知
られている。
【0009】ところで、非生分解性の合成高分子系吸水
材と比較した場合、前述した生分解性を有する吸水材は
吸水性能が低く、またコストも高いため現在ほとんど使
用されていない。このため、不透水性シートや不織布に
生分解性プラスチックやセルロースを用いて生分解性携
帯用汚物処理袋の一部を製造できるにも関わらず、吸水
材部分が非生分解性であるため、生分解性の携帯用汚物
処理袋は実用化されていなかった。吸水材部分以外が生
分解性素材で構成された携帯用汚物処理袋では、「完全
な生分解性携帯用汚物処理袋」とはいえないし、生分解
性の特長を生かしてこれらをコンポスト化するために
は、使用後に吸収材部分のみを除去し別途焼却処理する
必要が有る。このような手間の掛かる「部分的生分解性
携帯用汚物処理袋」は消費者にとってメリットがないた
め実用化されていない。
【0010】また、これらポリアクリルアミドやポリア
クリル酸の安全性については完全に証明されておらず、
これらのモノマー(アクリル酸やアクリルアミド)は神
経毒性や発癌性、変異原性を有していることが指摘され
ている。すなわちこれらのポリマー中に未反応のモノマ
ーが残存していないという保証はなく、また廃棄された
ポリマーが環境中で紫外線や環境中の微生物によりどの
ような修飾を受けてどのような化合物に変化するのかは
確認されていないため、ポリアクリル酸やポリアクリル
アミドを含んだコンポストが植物、動物にとって安全性
なものであるとは言い難い[倉根隆一郎ら、機能材料、
19巻、10月号、1999年、24〜34ページ]。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このような状況におい
て、本発明の目的は、全ての構成素材が生分解性を有
し、安全性が高く、安価な携帯用汚物処理袋を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、生分解性を有する構成素材と特定の吸水材を用
いた携帯用汚物処理袋が、従来の生分解性を有しない素
材から構成された携帯用汚物処理袋に比べて同等以上の
吸水性能を有すること、その携帯用汚物処理袋が土壌
中、コンポスト中において優れた完全な生分解性を有す
ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、吸水材、不透水性袋状物品、及び粘着性
テープから構成され、前記吸水材、不透水性袋状物品、
及び粘着性テープが生分解性を有し、前記吸水材が、ガ
ラクトマンナン、ホウ素イオン、及びホウ素イオン以外
の三価以上の多価金属イオンから成る吸水材であること
を特徴とする携帯用汚物処理袋を要旨とするものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の携帯用汚物処理袋は主に
(a)不透水性袋状物品部分、(b)吸水材部分(c)
粘着性テープ部分の各部分から構成されるものである。
【0014】前記構成部分(a)の不透水性袋状物品
は、携帯用汚物処理袋の外側の袋に用いられるものであ
り、適度な可とう性、強度、熱寸法安定性、溌水性、耐
熱性を有する生分解性で不透水性のプラスチックフィル
ムが用いられる。フィルムに使用される生分解性プラス
チックの具体例としては、例えば、脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸、脂肪族二価アルコールおよび脂肪族二塩基酸
を組み合わせて製造できる生分解性を有する脂肪族ポリ
エステル系重合体が挙げられる。
【0015】脂肪族ポリエステル系重合体に用いられる
脂肪族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、グリコ
ール酸、乳酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪
酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6
−ヒドロキシカプロン酸などが挙げられる。さらに脂肪
族ヒドロキシカルボン酸の環状エステル、例えば乳酸の
二量体であるラクタイド、グリコール酸の二量体である
グリコライド、6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステ
ルであるε−カプロラクトンなどが挙げられる。これら
は単独でまたは二種以上併せて用いることができる。
【0016】脂肪族二価アルコールの具体例としては、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジオールなどが挙げられる。こ
れらは単独でまたは二種以上併せて用いることができ
る。
【0017】脂肪族二塩基酸の具体例としては、コハク
酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウ
ンデカン二酸、ドデカン二酸などが挙げられる。これら
の脂肪族二塩基酸は単独でまたは二種以上併せて用いる
ことができる。
【0018】その他の生分解性プラスチックの例とし
て、上記脂肪族ポリエステル系重合体に一部テレフタル
酸および/またはイソフタル酸が共重合された半脂肪族
ポリエステル系重合体、上記脂肪族ポリエステルに脂肪
族ジアミンや脂肪族アミノカルボン酸、ラクタム類が共
重合されたポリエステルアミド系重合体、デンプン系重
合体、ポリビニルアルコール系重合体、セルロースアセ
テート系重合体などが挙げられる。これらの重合体には
目的に応じて各種添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、可塑剤、熱安定剤、難燃剤、離型剤、無機添加
剤、結晶核剤、耐電防止剤、顔料、アンチブロッキング
剤を添加することができる。
【0019】これらの生分解性プラスチックの中でも、
安全性、コスト的な観点から好ましくはポリ乳酸系重合
体が用いられる。ポリ乳酸系重合体とはポリ乳酸(ホモ
ポリマー)の他、生分解性を有するポリ乳酸を主体とす
るコポリマー及び混合物を含むものである。ポリ乳酸を
形成する乳酸としてはL-乳酸、D-乳酸、DL−乳酸及びこ
れらの混合物のいずれでもよい。またこれらの乳酸より
得られたポリ乳酸を互いに混合して用いてもよい。さら
に共重合や他の柔軟な生分解性ポリマーの混合、または
生分解性の可塑剤の混合などにより必要に応じて伸度、
弾性を調整することができる。これらの可塑剤としては
生分解性があって且つポリ乳酸との相溶性に優れるもの
が好適に用いられる。例として、1価または多価脂肪酸
エステル系可塑剤、1価または多価脂肪族アルコールエ
ステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤、
脂肪族ポリエステル系可塑剤などが挙げられる。
【0020】ポリ乳酸系重合体を得るための方法は公知
の方法を用いればよく、例えば乳酸を脱水縮合、又は乳
酸の環状エステルを開環重合する方法が用いられる。ま
た分子量増大を目的として少量の鎖延長剤、例えばジイ
ソシアネート化合物、ジエポキシ化合物、酸無水物など
を使用してもよい。ポリ乳酸系重合体は、重量平均分子
量が1万〜100万の範囲が好ましく、これより分子量
が小さいと実用に供し得る引っ張り強度を有するフィル
ムが得られず、これより分子量が大きいと、溶融粘度が
高くなりフィルム化が困難になる。
【0021】生分解性プラスチックフィルムを得る方法
としては特に制限がなく、公知の成形方法によりフィル
ム状に成形される。T−ダイ成形法、インフレーション
成形法、カレンダー成形法、熱プレス成型法などによ
り、フィルム状に成形する方法が挙げられる。またこれ
らのフィルムは少なくとも一方向に延伸されていてもよ
い。延伸法として特に制限はないが、ロール延伸法、テ
ンター法、インフレーション法などが挙げられる。フィ
ルムの厚さは適度な強度と可とう性を有する範囲であれ
ば特に限定されないが5〜300μmが好ましく、10
〜100μmが更に好ましい。これらの生分解性プラス
チックからなるフィルムは風合いの観点から適度な可と
う性と柔らかさを持っていることが望ましい。このよう
なフィルムとしてはフィルムの引張破断伸度が100%
以上、引張弾性率が1000MPa以下が好ましく、2
00%以上、600MPa以下であることがさらに好ま
しい。またこのような生分解性プラスチックフィルムを
片面或いは両面にコーティングした紙も、そのコーティ
ング層を内側にして袋状に加工し、携帯用汚物処理袋の
袋状物品として好適に用いることも出来る。
【0022】前記構成部分(b)の吸水材部分は、吸水
材と有機物充填材などから構成され、携帯用汚物処理袋
において目的とする液体を速やかに吸収しゲル化して、
水分がゲル内に保持され、袋内部からゲルが容易に流出
しない程度に流動性を失うようなものである必要があ
る。これらの吸水材部分はそれぞれ単独で袋状物品の内
側に配置されてもよいが、これらが使用前に袋状物品か
ら外へ漏れないようにするために、吸水材部分をさらに
生分解性の不織布などで包含してもよい。
【0023】従来、吸水材としては粉末状や繊維状のポ
リアクリル酸系樹脂などの非生分解性合成高分子が使用
されてきたが、これらは生分解性を全く有しないため、
本発明では吸水材として用いることはできない。本発明
における吸水材は、生分解性を有し、ガラクトマンナ
ン、ホウ素イオン、及びホウ素イオン以外の三価以上の
多価金属イオンから成るものである。ガラクトマンナン
としては、最も安価なグアガムが好ましい。ホウ素イオ
ン以外の三価以上の多価金属イオンとしては、チタンイ
オン、アルミニウムイオン、ニオブイオン、アンチモン
イオン、ジルコニウムイオン、セリウムイオン、ランタ
ンイオン、イットリウムイオン、鉄イオンなどの多価金
属イオンが挙げられるが、環境及び人体への影響がほと
んどないことから、好ましくはチタンイオン、ジルコニ
ウムイオン、セリウムイオンである。
【0024】本発明において、吸水材は、二価以下のカ
チオン水溶液を自重の40倍以上吸水でき、吸水後のゲ
ル強度が2×10-5N/mm2以上であることが好まし
い。ゲル強度がこの値未満の時は、吸水後のゲルが高い
流動性を有するようになる。このような流動性の高いゲ
ルは、汚物中の水分を吸収しても固化させることができ
ず、処理袋の口から漏れ出す危険性を有するので好まし
くない。なお本発明において、二価以下のカチオン水溶
液とは一価(ナトリウム、カリウムなど)又は二価のカ
チオン(マグネシウム、カルシウムなど)のみが溶解さ
れた水溶液だけでなく、他の電解質が二価以下のカチオ
ンと共に溶解している水溶液も含むものとする。
【0025】本発明において、ガラクトマンナンを架橋
する架橋剤は、ホウ素イオン、及びホウ素イオン以外の
三価以上の多価金属イオンであるが、生分解性、吸水能
力及びゲル強度の低下を招かない範囲であれば、他の架
橋材、例えば、グルタルアルデヒド、グリオキサールな
どのアルデヒド化合物、エチレンジアミン、ポリアミド
レジンなどのアミン化合物、2,2-ビスヒドロキシメチル
ブタノールトリ[3-(1-アジリジン)]プロピオン酸などの
アジリジン化合物、トリレンジイソシアナート、ヘキサ
メチレンジイソシアナート、トルエンジイソシアナート
などのイソシアナート化合物、グリセロール、プロピレ
ングリコール、エチレングリコールなどの多価アルコー
ル、エピクロルヒドリン、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエー
テルなどのエポキシ化合物などと混合して用いることも
可能である。
【0026】ガラクトマンナンをホウ素イオンとホウ素
イオン以外の三価以上の多価金属イオンで架橋する場合
は、それぞれを単独で使用するのではなく、ホウ素イオ
ンとホウ素イオン以外の三価以上の多価金属イオンを共
に使用すること必要である。この場合、ホウ素イオン
とホウ素イオン以外の三価以上の多価金属イオンを含む
混合架橋剤液を用いてガラクトマンナンゾルを架橋して
もよいし、ガラクトマンナンゾルをホウ素イオンで架
橋後、次いでホウ素イオン以外の三価以上の多価金属イ
オンで架橋してもよいし、ガラクトマンナンゾルをホ
ウ素イオン以外の三価以上の多価金属イオンで架橋後、
次いでホウ素イオンで架橋してもよく、ガラクトマン
ナン−ホウ素イオン−ホウ素イオン以外の三価以上の多
価金属イオン架橋ゲルを、ホウ素イオン又は/及びホウ
素イオン以外の多価金属イオンにより再架橋してもよ
く、さらにはガラクトマンナン−ホウ素イオン以外の
三価以上の多価金属イオン架橋ゲルをホウ素イオンとホ
ウ素イオン以外の三価以上の多価金属イオンの混合架橋
剤で再架橋してもよい。この架橋方法については、使用
する吸水材の形態によって異なるので特に限定しない
が、粉末状吸水材の場合はが好ましく、繊維状吸水
材、フィルム状吸水材及びシート状吸水体の場合はが
好ましい。
【0027】架橋剤に含まれるホウ素イオン及びホウ素
イオン以外の三価以上の多価金属イオンの形態としては
塩化物、硫酸化物、炭酸化物、酢酸化物、蟻酸化物、乳
酸化物、アルコキシドなどが挙げられるが、使用する金
属によって好ましい形態が異なるので適宜選択する必要
がある。例えば、チタンに関しては塩化物又はアルコキ
シドが好ましく、ホウ素に関してはホウ酸アルカリ金属
塩の水和物が好ましい。好ましいホウ酸アルカリ金属塩
としてはホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムである。例
えば、好ましいチタンの塩化物は四塩化チタンであり、
好ましいチタンアルコキシドとしてはチタニウム(IV)
ジイソプロポキシド ビスアセチルアセトネート、チタ
ニウム(IV) トリエタノールアミネート イソプロポ
キシド、チタニウム(IV)テトライソプロポキシド、チ
タニウム(IV)ジ−n−ブトキシビストリエタノールア
ミネート、チタニウム(IV)イソプロポキシオクチレン
グリコネート、Tyzor131(Du pont社)、Ty
zorGBA(Du pont社)などのチタンアルコキシド
化合物が挙げられるが、最も好ましいチタンの形態は水
溶性でpHが中性以上で且つ、水溶液状態で安定で、安
価なTyzor131である。
【0028】ガラクトマンナンとホウ素イオン及びホウ
素イオン以外の三価以上の多価金属イオンの混合比率
は、ガラクトマンナンとホウ素イオン及びホウ素イオン
以外の三価以上の多価金属イオンの種類によって異なる
ので適宜選択する必要がある。例えば、ガラクトマンナ
ンとしてグアガムを用いる場合、グアガム質量1kg当
たり、ホウ素イオンは10〜2000ミリモル、ホウ素
イオン以外の三価以上の多価金属イオンは1〜200ミ
リモル添加することが好ましい。ガラクトマンナンを水
和させてゾル化し、架橋剤を加えてゲル化したあと、乾
燥すると生分解性を有する吸水性樹脂が作成できる。ホ
ウ素イオンに関しては使用後の携帯用汚物処理袋、特に
携帯用トイレから発生するアンモニアの原因である尿素
を分解する酵素であるウレアーゼの活性を阻害するとの
報告があることから、携帯用トイレに使用する吸水材の
組成としてはかなり好ましい(米国特許4949672
号公報、米国特許5176108号公報など)。
【0029】吸水材部分に用いられる吸水材の形態は、
粉末状、繊維状、フィルム状、シート状の形態を特に限
定しない。
【0030】こうして得られる吸水材に、さらに必要に
応じて、pH調整剤、消臭剤、香料、各種の無機充填
材、発泡剤、顔料、染料、抗菌剤、親水性短繊維、可塑
剤、粘着剤、界面活性剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、
塩類等を添加し、これにより吸水材に種々の機能を付与
してもよい。
【0031】特に、本発明を携帯用吐しゃ物処理袋とし
て使用する際には、pH調整剤の添加が好ましい。本発
明品に含まれる吸水材は生分解性を有していることから
酸性条件下では酸分解したり、或いは消化液中の酵素に
より酵素分解される可能性があり、pH調整剤の非存在
下では吸水材が分解されてしまい、長時間のゲル化作用
が維持できないことがある。このため、吐しゃ物のpH
を中性〜アルカリ性に維持することが好ましい。pH調
整剤としては、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウムなど
酸性溶液を中性〜アルカリ性に中和或いはアルカリ化で
きるものが好ましい。これらのpH調整剤と吸水材との
混合比は5/95〜95/5が好ましく、30/70〜
70/30がさらに好ましい。
【0032】一方、無機充填材としては、水性液体等に
対して不活性な物質、例えば、各種の無機化合物の微粒
子、粘土鉱物の微粒子等が挙げられる。このような無機
充填材としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カ
オリン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリ
ウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウ
ム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、
アルミナ、マイカ、ゼオライト、珪酸白土などが挙げ
れ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シルカ、珪藻
土、チタン、ゼオライトが好ましい。
【0033】有機物充填材としては吸水材の性能を妨げ
ず、生分解性で軽量で保水能を有し、汚物の固化を補助
するようなものであれば特に限定しないが、例えばセル
ロース素材(シュレッダーダスト、古紙スラッジ、綿、
セルロースフラフなど由来や形状は特に限定しない)や
木粉、木片、おがくず、籾殻、コーヒー粕、おから、米
糠、藁などの廃棄物が好ましい。吸水材部分を構成する
吸水材と有機物充填材との混合比は特に限定されない
が、有機物充填材を混合する場合の混合比は、5/95
〜95/5が好ましく、30/70〜70/30がさら
に好ましい。
【0034】一枚の携帯用汚物処理袋の吸水材部分に含
まれる吸水材の量は携帯用汚物処理袋の種類によって異
なるが、例えば携帯用トイレの場合は5〜15gが好ま
しく、10〜12gがさらに好ましい。また例えば携帯
用吐しゃ物処理袋の場合は0.5〜10gが好ましく、
0.5〜3gがさらに好ましい。
【0035】使用前の粉末状の吸水材と有機物充填材が
袋内部から漏れ落ちないようにするために、これらの吸
水材部分を生分解性を有する不織布で包含することが望
ましい。吸水材部分を包含するための不織布は主に通液
性に優れ、溶融紡糸性が良好で、適度な可とう性、強
度、透水性、耐熱性を有する生分解性繊維から成る不織
布であれば特に限定されるものではなく、例えばセルロ
ース、レーヨンなどの他、ポリ乳酸系重合体、デンプン
−ポリカプロラクトン共重合体、コハク酸エステル系重
合体、ポリ3−ヒドロキシブチレート−3−ヒドロキシ
バリレート共重合体、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸系重合
体、ポリ−ε−カプロラクトン系重合体、ポリブチレン
サクシネート系重合体、ポリエステルアミド系重合体な
どから選ばれる1種以上の樹脂成分を単独又は複合紡糸
した繊維から成る不織布が挙げられるが、溶融紡糸性、
加工性、強度、コスト的な観点などから好ましくはポリ
乳酸系重合体とポリ乳酸系重合体よりも融点が30℃以
上低く且つ融点が90℃以上である生分解性樹脂とを複
合紡糸した繊維から成る不織布である。
【0036】単独紡糸や複合紡糸するには、公知の溶融
紡糸方法及び装置により紡糸し、その後強度を得るため
に100%以上、好ましくは200%以上延伸すればよ
い。特に複合紡糸する場合、その形態としては芯鞘型又
は並列型複合紡糸が挙げられるが、好ましくは芯鞘型複
合紡糸であり、さらに好ましくはポリブチレンサクシネ
ート系重合体を鞘成分、ポリ乳酸系重合体を芯成分とし
た芯鞘型複合紡糸繊維である。不織布繊維として複合紡
糸繊維を用いる場合、不織布を作り熱接着し強度を維持
するためには、ポリ乳酸系重合体成分の融点は複合紡糸
する生分解樹脂成分の融点よりも30℃以上高いことが
必要である。また不織布加工する際にはある程度の耐熱
性が要求される。通常、水流交絡後、乾燥工程が必要と
なり、この場合乾燥温度が100℃程度でないと乾燥効
率が悪くなるため、複合紡糸する生分解性樹脂の融点は
90℃以上が好ましい。芯鞘複合繊維を用いる場合にお
いて、ポリ乳酸重合体成分と複合紡糸する生分解性樹脂
成分の芯鞘複合比は10/90〜90/10であり、好
ましくは30/70〜70/30である。
【0037】単繊維又は芯鞘複合繊維は長繊維、短繊維
のいずれでもよく、使用目的により適宜選択できる。吸
水材部分の包含に用いられる不織布の繊度、密度や目付
けは、所望する通液性、可とう性によって適宜選択され
るので特に限定しないが、抄紙法により不織布を作る場
合用いる複合短繊維は繊度が0.5〜5dtexが好ま
しく、さらに好ましくは1〜3dtexであり、カット
長は1〜25mmが好ましく、さらに好ましくは3〜1
5mmである。繊度が0.5dtexより小さく、カッ
ト長が1mmより小さいときは抄紙が困難であり、繊度
が5dtexより大きく、カット長が25mmより長く
ては抄紙により均一な不織布を得ることが困難である。
吸水材部分の包含に用いる不織布は通液性に優れ、あま
り嵩張らないものが望ましく、その密度は0.01〜1
g/cm3が好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.2g
/cm3である。また目付けは1〜50g/m2が好ましく、さ
らに好ましくは5〜20g/m2である。目付けが50g/m2
以上では通液性が悪くなる。
【0038】前記構成部分(c)の粘着性テープは、汚
物処理袋の袋口を折り返したあと、内容物が容易に漏出
しないようにするために折り返し部分と他方の袋状物品
外側を接着するために用いられる。粘着性テープは、基
材としての生分解性プラスチックフィルム部分と、粘着
剤部分とから構成される。
【0039】基材としての生分解性フィルムは、前記
(a)で用いた生分解性プラスチックのフィルムが用い
られ、強度に優れる点でポリ乳酸重合体の延伸フィルム
が好ましい。粘着剤としては、生分解性を有するもので
あれば特に限定されないが、例えば天然ゴム、イソプレ
ンゴムなどのゴム成分をベース材とし、天然ロジンの粘
着付与剤を添加した粘着剤組成物を使用することができ
る。基材の上に粘着剤組成物を塗布する方法としては公
知の塗布方法、例えばロールコーター法、浸漬法、ハケ
塗り法、スプレー法などが挙げられる。粘着剤の厚さと
しては2〜200μmが好ましい。
【0040】以上の構成部分(a)〜(c)を公知のホ
ットメルト接着或いは熱接着などの方法により相互に接
着、固定し、携帯用汚物処理袋を製造することができ
る。
【0041】
【実施例】以下実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明は本実施例に限定されるものではない。な
お、吸水材の吸水量、ゲル強度の測定は下記のとおり行
った。
【0042】1.吸水量の測定 吸水量の測定は、ティーバッグ法にて0.9質量%塩化
ナトリウム水溶液を用いて行った。すなわち、250メ
ッシュのナイロン製ティーバッグに吸水材1gを入れ、
1Lの0.9質量%塩化ナトリウム水溶液にティーバッ
グを3時間浸し、ティーバッグを引き上げ、10分間水
切りを行った後、その質量を測定した。吸水材の吸水量
は、3時間水に浸した吸水材が入っていないティーバッ
グの質量をブランクとし、吸水して膨潤した吸水材が入
ったティーバッグの質量から、膨潤前の吸水材の質量と
ブランクの質量を減じた値を、膨潤前の吸水材の質量で
除した値を吸水量(g/g樹脂)とした。
【0043】2.自由吸水下でのゲル強度の測定 自由吸水下でのゲル強度の測定は、予め測定して得た吸
水倍率に従って500〜1,000μmに篩い分けた吸
水材粒子を攪拌しながら0.9質量%食塩水に浸して3
時間自由吸水させ、サイエンティフィク社のレオメトリ
ック SR−5000を用いて1Hz、室温にて粘弾性
G*を測定し、その数値をゲル強度とした。
【0044】実施例1 1.生分解性不織布の作成 融点が118℃の1,4−ブタンジオールとコハク酸から
合成されるポリブチレンサクシネート重合体をウレタン
結合により高分子量化した重合体(昭和高分子社製 ビ
オノーレ)を鞘成分、融点が165℃のポリ乳酸重合体
を芯成分とし、溶融押し出し機において芯鞘型複合紡糸
用金型を用いて、前記樹脂製分を210℃に加熱溶解し、
多数の微細孔から押し出しし、紡糸した。芯鞘成分の混
合比は芯成分/軸成分が40/60で行った。紡出され
たフィラメント群をエジェクターにより高速エアーで引
き取りながら延伸して開繊し、移動するワイヤー製捕集
用支持体上に捕集・堆積させウェブを形成させた。得ら
れた長繊維フィラメントの平均繊度は1.5dtex、
目付けは15g/m2、密度は0.1g/cm3であった。こ
のウェブの上を110℃に加熱した凹凸ロールと平滑ロー
ルの間に導入し、線圧30kg/cmで凹凸ロールの凸部に対
応する部分を融着することにより、生分解性の透水性ス
パンボンド不織布を得た。また前述と同様の方法を用い
て、平均繊度が1.5dtex、目付けが60g/m2
の生分解性スパンボンド不織布を得た。
【0045】2.生分解性フィルムの作成 φ45mmの口径を有する2軸混練機ホッパー口よりポ
リ乳酸原料として(A)重量平均分子量20万のポリ乳
酸重合体(カーギルダウポリマーズ社製 EcoPLA
4030D)を74質量部、およびアンチブロッキング
剤として(B)平均粒子径3μmのシリカ(富士シリシ
ア社製 サイリシア)10質量部、および(C)エルカ
酸アミド(日本油脂社製 アルフローP10)1質量部
をそれぞれ重量式フィーダーにより計量しながら投入し
た。また可塑剤として(D)両末端がメトキシ封鎖され
た平均分子量400のポリエチレングリコール(三洋化
成製 サンファインDM400)15質量部をシリンダ
ーの途中より液体定量ポンプにより定量的に注入した。
温度180℃〜190℃の条件で(A)から(D)を溶
融混練した後、ストランド状に押し出された組成物を水
浴中にて冷却、ペレット状にカッティングした。このよ
うにして得られたポリ乳酸組成物のペレットを40℃、
減圧下で8時間乾燥した。乾燥後のペレットをφ50m
mの口径を有する単軸押出機を用い、温度180℃で溶
融させ、Tダイからシート状に押し出してキャスティン
グロールで急冷し、厚さ25mの未延伸シートを得た。
このようにして得られたフィルムを220%延伸して得
たフィルムの引張弾性率をJIS K6732に準じて
測定したところ550Mpaであり、引張破断伸度を測
定したところ225%であった。
【0046】3.生分解性粘着性テープの作成 前述と同様の方法を用いて厚さ200μmの生分解性フィ
ルムを得、この表面片面に天然ゴムをベース材とし、天
然ロジンの粘着付与剤を添加した粘着剤組成物をロール
コーター法で20μm厚に塗布することにより、生分解性
の粘着性テープを得た。
【0047】4.生分解性吸水材の作成 グアガム(大日本製薬社製 PF-20)4gを50℃に加
温した純水200ml(固形分濃度2質量%)に攪拌し
ながら添加し、溶解・膨潤させゾル液を作成した。1時
間膨潤後、そのゾル液200mlにTyzor131溶
液を最終的なチタン含有量がグアガム質量1kg当たり
30ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム十水和物
水溶液を最終的なホウ素含有量が500ミリモルになる
ようにそれぞれ添加し、ブレンダーで破砕混合しながら
充分に架橋させた。これらのゲルのpHは9.0±0.
1になるよう調製した。このゲルを凍結乾燥させ、得ら
れた乾燥物を窒素流下において鑢で1mm以下に破砕
し、得られた断片について吸水量及びゲル強度(ゲル粘
弾性G*)の測定を行った。その結果、本実施例の吸水材
は生理食塩水吸水量が91g/g、ゲル強度が8.7×
10-5N/mm2であった。この吸水材とセルロースフ
ラフとの混合比率を20/80とし、この混合物50g
を前述の目付け15g/cm2の生分解性不織布から成
る袋に入れ、袋の口を融着して、生分解性不織布で包含
された生分解性吸水材部分を作成した。
【0048】5.生分解性携帯用トイレの作成と尿漏れ
試験 上記生分解性フィルムから融着法によって不透水性袋状
物品を作成し、生分解性不織布で包含された生分解性吸
水材部分を袋状物品内に入れ、生分解性粘着性テープを
袋状物品の片側両端に装備できるように融着法によって
相互に接着させ、構成素材が全て生分解性素材から成る
携帯用トイレを作成した。本携帯用トイレを成人20人に
配布し、袋内に尿を排出してもらったところ、尿の漏れ
もなく、袋内部では尿を吸水したゲルが固化しており流
動性はほとんどなかった。このことにより、従来の市販
非生分解性携帯用トイレに比べて何ら劣ることないこと
が確認された。
【0049】6.生分解性試験 上記携帯用トイレを25℃、水分含量30%の土壌中に埋設
し、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後の分解状況をモニタリン
グしたところ、以下の結果となった。 3ヶ月後:携帯用トイレの形状はそのまま残っていたが
吸水材部分分のみが完全に分解されていた。 6ヶ月後:携帯用トイレの形状は崩壊していたがフィル
ムや不織布の断片は土中に確認された。 1年後:携帯用トイレの外側フィルム断片もすべて土中
で目視によっては確認できなかった。 また、60℃にて残飯、魚カス、野菜屑などから成る水分
含量60%のコンポスト中に本紙おむつを投入し、コンポ
スト試験を行ったところ、開始1週間後には本携帯用ト
イレの形状は崩壊し、3週間後には断片もコンポスト中
には確認できなかった。
【0050】
【発明の効果】本発明の生分解性携帯用汚物処理袋は優
れた吸水性能を有しており、また土壌中、コンポスト中
において優れた生分解性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 5/14 ZBP C08L 5/14 ZBP (72)発明者 和田 里子 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式会 社中央研究所内 Fターム(参考) 2D036 HA26 3E023 BA03 BA15 BA19 BA20 4J002 AB051 DD077 DE247 DG047 DK006 EC077 EG047 GC00 GD03 GG00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水材、不透水性袋状物品、及び粘着性
    テープから構成され、前記吸水材、不透水性袋状物品、
    及び粘着性テープが生分解性を有し、前記吸水材が、ガ
    ラクトマンナン、ホウ素イオン、及びホウ素イオン以外
    の三価以上の多価金属イオンから成る吸水材であること
    を特徴とする携帯用汚物処理袋。
  2. 【請求項2】 吸水材が、自重の40倍以上の二価以下
    のカチオン水溶液を吸水し、且つ吸水後のゲル強度が2
    ×10-5N/mm2以上であることを特徴とする請求項
    1記載の携帯用汚物処理袋。
  3. 【請求項3】 ホウ素イオン以外の三価以上の多価金属
    イオンが、チタンイオン、ジルコニウムイオン、セリウ
    ムイオンから成る群から選ばれる1種以上のイオンであ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の携帯用汚物処
    理袋。
  4. 【請求項4】 不透水性袋状物品が、ポリ乳酸重合体か
    ら成るフィルムであることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の携帯用汚物処理袋。
  5. 【請求項5】 粘着性テープが、ポリ乳酸重合体と天然
    ゴム系粘着剤組成物とから成ることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の携帯用汚物処理袋。
  6. 【請求項6】 不透水性袋状物品が、引張破断伸度10
    0%以上、引張弾性率1000MPa以下のフィルムで
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    携帯用汚物処理袋。
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