JP2003279565A - ペットの健康診断方法及びペット健康診断用キット - Google Patents
ペットの健康診断方法及びペット健康診断用キットInfo
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Abstract
簡便に検出することができ、家庭でペットの健康状態を
管理することが可能となるペットの健康診断方法及びペ
ット健康診断用キットを提供すること。 【解決手段】 ペットの尿を吸収させた尿吸収材を溶媒
に入れ、該溶媒中に溶出した尿の成分を検出することを
特徴とするペットの健康診断方法及び該健康診断に用い
るキット。
Description
方法及びペット健康診断用キットに関する。さらに詳し
くは、犬やネコ等のペットの尿の成分を容易にかつ簡便
に検出することができ、家庭でペットの健康状態を管理
することが可能となるペットの健康診断方法及びペット
健康診断用キットに関する。
ける犬やネコ等のペットの位置付けは高く、飼い主にと
ってペットの健康状態は極めて重要なものである。ペッ
トの健康状態は、ペットの尿や血液の検査を行い管理す
ることができれば理想的であるが、実際には、一般の家
庭でペットから採尿や採血及びそれらの検査を行うこと
は非常に困難であった。
理できない場合が多く、ペットの病気の発見はどうして
も遅れがちとなり、ペットの健康状態が悪化してから動
物病院等で診察を受けることが多かった。従って、ペッ
トの病気の処置は、病気が悪化してから行われることが
ほとんどであり、場合によっては手遅れとなってしまっ
ていた。このようなことから、病気の早期発見に繋がる
ペットの健康状態の管理を家庭で簡便に行いたいという
要望が、ペットの飼い主の間に挙がっていた。
理を一般家庭で簡便に行う方法として、動物の尿に含ま
れる特定成分と呈色反応し色調が変化する発色試薬を、
いわゆるペット用トイレ砂等の尿吸収材に含浸させ、ペ
ットが排尿すると同時に該試薬が発色することを利用し
て尿中の成分を検出して健康管理を行う方法が多数報告
されている(特開昭61−202637号公報、特開平
4−114066号公報、特開平05−223812号
公報、特開平07−264948号公報、特開平10−
257832号公報、特開平11−295306号公
報、特開2000−333547号公報等)。
いる方法は、その操作自体は、簡便ではあるものの、ペ
ットの尿と反応してもほとんど色調の変化が無かった
り、僅かに変化しても経時的に色調が変化する等の問題
があり、定量的な尿の検査はできず、実用的なものでは
なかった。
材に保持させるためには、発色試薬を多量に吸収材に含
浸させなくてはならないが、ペットに違和感なく該吸収
材を使用させるためには、発色試薬の含有量を極力低減
させなければならず、このバランスを取るために、発色
試薬の量が減らされるという点が挙げられる。また、尿
に含まれる特定成分と発色試薬との呈色反応は短時間で
終了することが多いが、その色調が持続しない場合があ
ったり、経時的に色調が変化してしまう場合あるいは尿
中の水分が乾燥することで色調が変化する場合がある
等、ペットが排尿した時に居合わせない限り、定量的な
尿の成分の検出ができないことがある点も原因に挙げら
れる。
は、ペットの尿を用いた従来のペットの健康診断方法の
問題点を改善するものであり、飼い主がペットが排尿し
た時に居合わせなくとも、飼い主がその尿の成分を容易
にかつ簡便に検出することができ、ペットの健康状態を
適宜把握できる実用的なペットの健康診断方法を提供す
ることにある。
尿を用いたペットの健康診断方法に関して鋭意研究した
結果、ペットの尿を吸収させた尿吸収材を試料として用
い、これから溶媒中に溶出した尿の成分を、尿中の特定
成分と呈色反応する試薬を用いて検出すれば、いつでも
ペットの尿成分を容易にかつ簡便に検出することができ
ることを見出し、本発明を完成した。
せた尿吸収材を溶媒に入れ、該溶媒中に溶出した尿の成
分を検出することを特徴とするペットの健康診断方法を
提供するものである。
と、尿の成分を検出可能な試薬からなるペット健康診断
用キットを提供するものである。
(以下、単に「診断方法」という)は、ペットの尿を吸
収させた尿吸収材を溶媒に入れ、該溶媒中に溶出した尿
の成分を検出するものである。
収材としては、ペットの尿を吸収でき、かつ、吸収した
尿の成分を溶媒内で放出可能なものであれば特に制限な
く使用することができる。例えば、ベントナイトを主成
分とする鉱物質の破砕粒や、パルプ繊維、オカラ、木
粉、豆類の殻等の植物質を造粒したものなど、一般にペ
ット用トイレ砂等の名称で市販されているものを、尿吸
収材として用いることができる。
施するためには、尿吸収材として、尿を吸収した部分
と、吸収していない部分が容易に区別できるものを利用
することが好ましい。このような尿吸収材としては、例
えば、尿を吸収した時に塊状に固まり、溶媒中に尿中の
成分を溶出させる際には粒子が容易に崩壊し、さらに尿
検査薬と反応する他成分を含有しない等の性能を有する
ものが好ましい。このような性能を有する尿吸収材とし
ては、例えば、パルプ繊維を造粒したものや、木粉、ケ
ナフ( Hibiscus cannabinus Linn. / Hibiscus Sabdar
iffa Linn. )粉等の植物質あるいはベントナイト、ク
レー、アタパルジャイト、セピオライト、ガレオナイト
等の鉱物質を主成分として造粒した尿吸収材が挙げられ
る。特に、ケナフの粉末を含有する造粒物の表面にベン
トナイトを被覆して成る尿吸収材を使用することが、1
粒当たりに吸収する尿の量が多く、少量の尿吸収材で尿
中の成分を検出できるという点で好ましい。
収材を溶媒に入れ、該剤に吸収された尿の成分を溶媒中
に溶出させ、溶出した尿の成分を検出し、その結果によ
りペットの健康状態を診断するものである。
は、例えば、水や、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の
塩類物質を水に溶かした塩類水溶液、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン、アセトニトリ
ル等の水溶性有機溶媒水溶液が挙げられる。
崩壊する場合は、溶媒として水を使用することができる
が、例えば、膨潤性物質であるベントナイトを含有する
尿吸収材の場合には、溶媒として水を使用すると、崩壊
に時間がかかることになるので、塩類溶液あるいは水溶
性有機溶媒の水溶液を利用することが好ましい。
は、pHの緩衝作用を有さない上記塩類の水溶液を用い
ることが好ましい。なお、上記塩類は、通常、1%から
10%程度の水溶液として使用するが、所定量の塩類が
存在するところに水を加える方法を用いてもよい。
は、尿吸収材中の尿の濃度や量及び成分等より適宜決定
されるが、一般に、試料として用いる尿吸収材の重量に
対し、重量比で1から500倍量程度を用いることが好
ましい。
分は、当該特定成分と呈色反応する試薬(以下、「尿検
出薬」という)を用いて検出される。
ペットの尿中のpH、ブドウ糖、蛋白質、潜血、ケトン
体等を検出する試薬であり、これら以外でも、尿中の特
定成分を色調の変化により検出できる試薬であれば、特
に制限なく使用することができる。
H指示薬を主成分とするものが挙げられ、pH指示薬の
例としては、pH値が4から10の範囲に色調変化のp
H域を有するpH指示薬として、チモールブルー、フェ
ノールフタレイン、トロペオリンOOO、クレゾールレ
ッド、フェノールレッド、ニュートラルレッド、ブロモ
チモールブルー、ブロモクレゾールパープル、ブロモフ
ェノールレッド、p−ニトロフェノール、メチルレッ
ド、ブロモクレゾールグリーン、テトラブロモフェノー
ルブルー、クロロフェノールレッド、メチルオレンジ、
エチルオレンジ、ブロモフェノールブルー、ブリリアン
トイエロー、コンゴーレッドブロモクレゾールブルー等
の指示薬が挙げられる。これらの指示薬は、1種を単独
で、あるいはを二種以上を組み合わせて使用してもよ
い。上記の指示薬を組み合わせて使用する例としては、
メチルオレンジとブロモクレゾールグリーンの混合指示
薬、メチルレッドとブロモチモールブルーの混合指示
薬、ブロモクレゾールパープルとブロモチモールブルー
の混合指示薬等が挙げられる。
反応によるブドウ糖の反応を利用したものが挙げられ、
例えば、グルコースオキシダーゼ及びパーオキシダーゼ
の酵素群に、4−アミノアンチピリン及びクロロフェノ
ールを組み合わせたものや、該酵素群に4−アミノアン
チピリン及びナフトールジスルホン酸を組み合わせたも
のが挙げられる。これらの酵素群に4−アミノアンチピ
リン及びクロロフェノールを組み合わせたものは、検体
中にブドウ糖が存在することにより色調がピンク色に変
化する。また、上記酵素群に4−アミノアンチピリン及
びナフトールジスルホン酸を組み合わせたものは、ブド
ウ糖の存在で紫色に色調が変化する。さらに、o−トリ
ジンも上記酵素群と組み合わせて使用できるが、この場
合は、ブドウ糖の存在で緑色に色調が変化する。
差法により蛋白質の有無を識別する指示薬を主成分とす
るものが挙げられ、この指示薬の例としては、例えば、
テトラブロモブルーやテトラブロモチモールブルー、テ
トラブロモフェノールブルー等が挙げられる。テトラブ
ロモブルーは、検体中に蛋白質が存在すると複合体を形
成し、酸性色である黄色から塩基性色である青色に色調
が変化する。
化性指示薬、有機過酸化物等を主成分とするものが挙げ
られる。被酸化性指示薬の例としてはo−トリジンやベ
ンジジン等が挙げられ、有機過酸化物の例としては、ク
メンヒドロペルオキシド等が挙げられる。尿中に潜血が
存在すると、この潜血が上記したクメンヒドロペルオキ
シド等と化合して発生期の酸素を発生し、この酸素は直
ちにo−トリジンやベンジジン等に反応してこの指示薬
を発色させる。
化ニッケルとニトロプルシュドナトリウムの組み合わせ
等が挙げられる。この組み合わせにおいては、検体中の
アセト酢酸存在下で、色相が淡黄色から赤紫色に変化す
る。
用いても、また、予め水溶液として用いてもよい。さら
に、液状または水溶液とした尿検出薬を、パルプ製やガ
ラス繊維性のろ紙等の紙片に含浸させ、試験紙片とした
形態で用いてもよい。尿検出薬を試験紙片とする形態を
とる場合には、1種類の尿検出薬を1枚の紙片に含浸さ
せてもよいし、異なる尿検出薬を含浸させた複数の紙片
を、別途用意された台紙やプラスチック板等に貼り付け
て用いてもよい。このようにすれば、同時に複数種の尿
成分の検出を行うことが可能となり、複数成分の検出デ
ータを同時に得ることができるので好ましい。
他、ウロビリノーゲン、ビリルビン、亜硝酸塩等の検査
薬を含有した数種の試験紙片を、台紙やプラスチックの
板に貼り付けた市販の尿検査試験紙(例えば、プレテス
トマルチ:和光純薬社製)や、市販されている各種の水
質検査薬を尿検査薬として用いることもできる。これら
のうち前者は、採取した尿に直接浸して引き上げ、紙片
の色調変化調べるものであり、後者は、採取した水を加
えた時の水の色調変化を調べるものであるが、本発明方
法に転用可能である。
ば、次に挙げる手段を用いればよい。まず、尿吸収材を
ペット用のトイレに敷置し、ペットの尿を吸収した尿吸
収材の所定量、例えば1粒から数粒を採取する。次に、
この尿吸収材を、透明ないしは半透明の容器に入れ、適
量の溶媒を加えて尿吸収材を崩壊・分散させた後、尿検
出薬を加える方法が挙げられる。また、別の方法として
は、予め尿検出薬が入れられた透明ないしは半透明の容
器に、所定量の尿吸収材を入れ、これに適量の溶媒を加
える方法も挙げられる。このようにすることにより、溶
媒に溶解した尿の成分と、尿検出薬が反応するので、こ
の変化を観察することにより、特定の尿成分が検出され
る。なお、尿成分の検出を呈色反応により行う場合は、
呈色する数秒から数分の間に、溶液全体の色調を標準比
色表に記載される色調と対比して、尿中の特定成分を検
出するという方法が例として挙げられる。
器に入れ、適量の溶媒を加えて尿吸収剤を崩壊させた溶
液に、尿検出薬を含浸させた試験紙片や、異なる尿検出
薬を含浸させた複数の紙片を台紙等に貼り付けたもの
や、市販される尿検査試験紙等を溶液に含浸させてすぐ
に引き上げて、数秒から数分の間に、試験紙片の色調を
標準比色表に記載される色調と対比するという方法を用
いてもよい。
い、例えば、表1に挙げる各成分の正常値と対比するこ
とにより、ペットの健康状態を把握することができる。
は、結果が平常値より高い場合には、特にペットがネ
コ、さらに若齢の雄ネコである場合には、尿路結石を発
症しやすい。この尿路結石は、発見が遅れると重篤な状
態になり得ることからも、ペットの健康診断方法におい
てはpHの検出を必須の項目とすることが好ましい。
にあたっては、予め、標準比色表を作成しておくことが
好ましい。この「標準比色表」は、尿吸収材の種類や、
採取する吸収材の粒数、また尿の成分を溶解させるため
に用いる溶媒の種類及び液量などの基本的な試験条件
(基本条件)を決めておき、尿中の特定成分濃度が判明
している尿を、特定成分をある濃度ごとに、基本条件で
検出した場合における色調をそれぞれ確認しておき、例
えば、その結果を一覧表にすることにより調製される。
この標準比色表にある色調と、本発明の診断方法により
呈色された色調とを対比することにより、尿中の成分を
正確に検出することができ、また、濃度範囲を細かくし
て作成しておけば、検出結果の定量化も可能となる。こ
の標準比色表は、尿検出薬ごとに作成しておくことが好
ましい。
反応は、通常は瞬時ないしは数分で終了し、それ以後は
成分が変質し、呈色した色調が変化するものが多いの
で、各尿検出薬の呈色反応の終了時及び呈色した色調が
変化する時を予め把握しておき、呈色した色調が変化し
ないうちに、該色調と標準比色表に記載された色調とを
対比して、尿中の特定成分を正確に検出しておくことが
好ましい。
に、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の塩類物質と尿検
出薬を組み合わせたり、尿成分を溶解可能な溶媒と尿検
出薬を組み合わせて、必要に応じ標準比色表等を添えた
ペット健康診断用キットを用いることが好ましい。ま
た、これらに、ペット用トイレ砂等の尿吸収材を併せ組
合せれば、尿吸収材の種類による測定誤差が少なくなる
ので、より好ましい。
具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制約さ
れるものではない。なお、以下の実施例等において、
「部」とは重量部を示す。
iscus cannabinus Linn. / Hibiscus Sabdariffa Linn.
)の粉末(目開きが150μmの篩を50%通過する
粒度)20部とベントナイト(クニゲルV1:クニミネ
工業(株)製)13部の混合粉体に水40部を加えて混
練し、3mmの孔を開けたプレートより押し出して造粒
物を得た。得られた造粒物を回転するドラム(コンクリ
ートミキサー:堀鉄工所社製)に入れ、転がしながらベ
ントナイト(クニゲルV1:クニミネ工業(株)製)6
7部を加えて3分間混合し、ベントナイトを造粒物の表
面に被覆させた後、80℃の温風で流動乾燥し、尿吸収
材(調製品1)を得た。
り、3種の尿検出用紙片(調製品2−aから調製品2−
c)を調製した。これを、5mm×30mmの厚さ1m
mの濾紙に、1種当り1枚を貼り付け、ブドウ糖、蛋白
質及びpH検査用の尿成分検出用紙片(調製例2)を得
た。
A−2ナトリウム 2mg、4−アミノアンチピリン 5
mg、1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸ナトリウ
ム 16mg、パーオキシダーゼ 6mg、グルコースオ
キシダーゼ 25mg、リン酸2水素ナトリウム 8m
g、リン酸水素2ナトリウム 4mgを、水 50mlに
溶解して検出薬溶液を調製した。この溶液中に、サイズ
50mm×50mm、厚さ1mmの濾紙を10秒間浸漬
させた後引き上げ、水切りを行い、30℃でデシケータ
ーにて減圧乾燥させた。この検出薬を浸漬させた濾紙を
5mm角の正方形に裁断して、ブドウ糖検出用紙片(調
製品2−a)を得た。
ン酸緩衝液とテトラブロムフェノールブルー0.1%の
メタノール溶液を等量混合して検出薬溶液を調製した。
この溶液中に、サイズ50mm×50mm、厚さ1mm
の濾紙を10秒間浸漬させた後引き上げ、水切りを行
い、30℃でデシケーターにて減圧乾燥させたた。この
検出薬を浸漬させた濾紙を5mm角の正方形に裁断し
て、蛋白質検出用紙片(調製品2−b)を得た。
ド2.5mgとブロムチモールブルー48mgを100
mlのメタノールに溶解させて検出薬溶液を調製した。
この溶液中に、サイズ50mm×50mm、厚さ1mm
の濾紙を10秒間浸漬させた後引き上げ、水切りを行
い、30℃でデシケーターにて減圧乾燥させたた。この
検出薬を浸漬させた濾紙を5mm角の正方形に裁断し
て、pH検出用紙片(調製品2−c)を得た。
販されるパルプ繊維が造粒されたトイレ砂(ペーパーキ
ャットスーパーハード:スーパーキャット社製)5リッ
トルを、サイズ約400mm×400mm、深さ約15
0mmのペット用トイレに敷き、ネコが尿をしてから3
時間後、固まったところから尿吸収材1粒を採取した。
これを、10ml容の透明のプラスチック製容器に入
れ、水3mlを入れて振り、尿吸収材を崩壊・分散させ
た。
出用紙片を浸して瞬時に引き上げ、予め作成しておいた
標準比色表を用いて、試験紙片の色調と標準比色表に記
載される色調を肉眼で比較した。その結果、このネコの
尿中のブドウ糖は10mg/dL以下、蛋白質は10m
g/dL以下、pHは6.2と検出され、健康なネコと
診断した。
粉を造粒して調製した市販のトイレ砂(スーパーウッデ
ィー:常陸化工社製)5リットルを、ペット用トイレに
敷き、実施例1で診断したネコが尿をしてから3時間
後、固まったところから尿吸収材1粒を採取した。これ
を、市販のpH検査水質キット(パックテスト(WAK
−BTB型:約10ml容の透明のプラスチック製容器
にpH指示薬が入ったもの):共立理化学研究所製)に
入れた。このキットに、さらに、5%塩化ナトリウム水
溶液3mlを入れて振り、尿吸収材を崩壊、分散させ
た。
成しておいた標準比色表の色調を肉眼で比較した。その
結果、このネコの尿のpHは6.2と検出され、健康な
ネコと診断した。
5リットルをペット用トイレに敷いた。次いで、このペ
ット用トイレで、過去に尿路結石で外科的処置をした
が、現在も頻尿症状が認められるネコが尿をしてから5
時間後に、塊状に固化した尿吸収材1粒を採取した。採
取した該材を、実施例2で使用したものと同仕様のpH
検査水質キットに入れ、5%塩化ナトリウム水溶液3m
lを入れて振り、該剤を崩壊・分散させた。
いた標準比色表の色調を肉眼で比較した。その結果、こ
のネコの尿のpHは7.2と検出され、ネコの正常値
(6.0〜6.5)を若干越えていることから、何らか
の健康改善が必要なネコと考えられ、獣医による治療が
必要であると診断した。
5リットルをペット用トイレに敷き、腎臓疾患と診断さ
れたネコが尿をしてから2時間後、塊状に固化した該材
を1粒採取した。採取した尿吸収材を、10ml容の透
明のプラスチック製容器に入れ、溶媒として5%塩化ナ
トリウム水溶液3mlを入れて振り、該剤を崩壊・分散
させた。
(プレテストマルチ(ウロビリノーゲン、潜血、ビリル
ビン、ケトン体、ブドウ糖、蛋白質、pH、比重、亜硝
酸塩、白血球用の検査薬を含有した試験紙片が一枚のプ
ラスチック板に貼り付けられた尿検査試験紙):和光純
薬社製)を浸して瞬時に引き上げ、試験紙の色調と標準
比色表の色調を肉眼で比較した。その結果、このネコの
尿中のブドウ糖は10mg/dL以下、蛋白質は30m
g〜100mg/dL、pHは6.4、ウロビリノーゲ
ンは1mg/dL以下、潜血は赤血球0個/μL、ビリ
ルビンは0mg/dL以下、ケトン体はアセト酢酸とし
て0mg/dLと検出され、蛋白質が正常値(0〜30
mg/dL)を超えていることが確認できた。
mgとブロムチモールブルー48mgを100mlのメ
タノールに溶解して、pH検出用の尿検出薬を調製し
た。この検査薬と、市販のパルプ繊維が造粒されたトイ
レ砂(ペーパーキャットスーパーハード:スーパーキャ
ット社製)500mlを混合して、トイレ砂に検出薬を
吸着させた後、暗所で風乾させpH用尿検出薬含有トイ
レ砂を調製した。このトイレ砂を調製品1の尿吸収剤5
リットルと混合して、ペット用トイレに敷いた。
れたネコが尿をした直後および5時間後に、固まった部
分の尿検出薬含有トイレ砂を肉眼で観察した。この結
果、色調の変化はほとんど見られなかった。
用いて、各pHごとの色調を確認して、標準比色表の作
成することを試みたが、各pHでの該トイレ砂の色調変
化が明確には現れず、標準比色表を作成することはでき
なかった。以上より、このpH用尿検出薬含有トイレ砂
を用いて、ネコの尿のpHを検出することはできなかっ
た。
ウム 10mg、4−アミノアンチピリン 25mg、1
−ナフトール−3,6−ジスルホン酸ナトリウム 80
mg、パーオキシダーゼ 30mg、グルコースオキシ
ダーゼ 125mg、リン酸2水素ナトリウム 40mg
及びリン酸水素2ナトリウム 20mgを水 50mlに
溶解させて、ブドウ糖検出用の尿検出薬を調製した。こ
の検出薬と、市販のパルプ繊維が造粒されたトイレ砂
(ペーパーキャットスーパーハード:スーパーキャット
社製)500mlを混合して、トイレ砂に検出薬を吸着
させた後、暗所で風乾してブドウ糖用尿検出薬含有トイ
レ砂を調製した。このトイレ砂を、ペット用トイレに敷
いた。
たネコが尿をした直後、固まった部分の尿検出薬含有ト
イレ砂を肉眼で観察したが、色調の変化は明確でないも
のの極僅かに紫色を呈していた。3時間後に再度肉眼観
察したところ、先ほどの紫色は消えてしまっており、ブ
ドウ糖の検出はできなかった。以上より、ネコが尿をす
る時に居合わせない限り、ペット尿中のブドウ糖検出は
不可能ということが確認できた。
トの尿を吸収させた尿吸収材を溶媒に入れ、該溶媒中に
溶出した尿の成分を検出することにより行われるので、
ペットの尿の成分を容易にかつ簡便に検出することがで
き、かつ、飼い主がペットの排尿時に居合わせる必要と
しないものである。また、その検出態様も、例えば、尿
検出薬が尿中の特定成分と反応した際の色調変化を肉眼
で確認するものとすれば、ペットの健康状態が容易に判
断できる。
をとれば、検出がより簡便になり、かつ、異なる尿検出
薬を含浸させた複数の紙片を台紙等に貼り付けて用いれ
ば、同時に複数種の尿成分の検出を行うことが可能とな
り、複数成分の検出データを同時に得ることができるも
のである。
びペット健康診断キットは、極めて実用的に、ペットの
健康状態を必要なときに適宜把握することができ、家庭
でペットの健康状態の管理に有利に使用しうるものであ
る。 以 上
Claims (15)
- 【請求項1】 ペットの尿を吸収させた尿吸収材を溶媒
に入れ、該溶媒中に溶出した尿の成分を検出することを
特徴とするペットの健康診断方法。 - 【請求項2】 尿の成分の検出が、尿中の特定成分と呈
色反応する試薬を用いて行われる請求項第1項記載のペ
ットの健康診断方法。 - 【請求項3】 尿中の特定成分と呈色反応する試薬が、
pH指示薬である第2項記載のペットの健康診断方法。 - 【請求項4】 尿中の特定成分と呈色反応する試薬が紙
に含浸されている請求項第2項または第3項記載のペッ
トの健康診断方法。 - 【請求項5】 尿吸収材がパルプ繊維、植物質または鉱
物質から選ばれる少なくとも1種を含有し、かつそれら
を造粒したものである請求項第1項ないし第4項のいず
れかの項記載のペットの健康診断方法。 - 【請求項6】 尿吸収材が、アオイ科フヨウ属植物のケ
ナフ( Hibiscus cannabinus Linn. / Hibiscus Sabdar
iffa Linn. )の粉末を含有する造粒物の表面にベント
ナイトを被覆してなるものである請求項第1項ないし第
5項のいずれかの項記載のペットの健康診断方法。 - 【請求項7】 溶媒が水または塩類の水溶液から選ばれ
るものである第1項ないし第6項のいずれかの項記載の
ペットの健康診断方法。 - 【請求項8】 尿吸収材がベントナイトを含むものであ
り、溶媒が塩類の水溶液または水溶性有機溶媒の水溶液
である請求項第1項ないし第6項のいずれかの項記載の
ペットの健康診断方法。 - 【請求項9】 尿中の特定成分と呈色反応する試薬が酵
素を含むものであり、溶媒が塩類の水溶液である請求項
第2項及び第4項ないし第8項のいずれかの項記載のペ
ットの健康診断方法。 - 【請求項10】 塩類物質と、尿の成分を検出可能な試
薬からなるペット健康診断用キット。 - 【請求項11】 尿成分を溶解可能な溶媒と、尿の成分
を検出可能な試薬からなるペット健康診断用キット。 - 【請求項12】 尿の成分を検出可能な試薬が、尿中の
特定成分と呈色反応する試薬である請求項第10項また
は第11項記載のペット健康診断用キット。 - 【請求項13】 尿中の特定成分と呈色反応する試薬
が、pH指示薬である請求項第12項記載のペット健康
診断用キット。 - 【請求項14】 尿中の特定成分と反応して呈色反応す
る試薬が紙に含浸されている請求項第12項または第1
3項記載のペット健康診断用キット。 - 【請求項15】 さらに尿吸収材を含むものである請求
項第10項ないし第14項のいずれかの項記載のペット
健康診断用キット。
Priority Applications (1)
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