JPH10257832A - 健康チェック用発色型トイレ材及び健康チェック用複合トイレ材 - Google Patents

健康チェック用発色型トイレ材及び健康チェック用複合トイレ材

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JPH10257832A
JPH10257832A JP8602597A JP8602597A JPH10257832A JP H10257832 A JPH10257832 A JP H10257832A JP 8602597 A JP8602597 A JP 8602597A JP 8602597 A JP8602597 A JP 8602597A JP H10257832 A JPH10257832 A JP H10257832A
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JP
Japan
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toilet
urine
toilet material
health
colored
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JP8602597A
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Yasuo Ema
泰穂 江間
Akito Nakamura
明人 中村
Tadahiko Inukai
忠彦 犬飼
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NEA CORP KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 尿排出の動物(犬、猫等)の健康状態を目視
でチェックでき、資源を有効に再利用し、安価であっ
て、使用後の廃棄処理にまで配慮した健康チェック用発
色型トイレ材及び健康チェック用複合トイレ材を提供す
る。 【解決手段】 動物の尿に含まれる特定成分(グルコー
ス、蛋白質等)の含有の可否により動物の健康度を確認
するためのトイレ材であって、特定成分と反応して識別
可能物質を生成させる酵素類及び該識別可能物質と反応
して発色する発色剤(又は特定成分と反応する発色剤)
が多孔性基材に含浸されており、多孔性基材は植物性繊
維を含む廃棄物(おから、脱脂大豆及び水洗した醤油粕
等)及び接合剤(澱粉類、ポリエチレン等)によって構
成され、廃棄物片が接合剤によって相互に接合されてい
る。おから等は加熱水、アミラーゼ又はプロテアーゼで
処理するのがよい。他の動物用非発色型多孔性トイレ材
を混合して使用してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、尿を排出する動
物、特に小動物(このうち特に小動物ペット類)の健康
を目視でチェックできる健康チェック用発色型トイレ材
及び健康チェック用複合トイレ材に関する。また、本発
明は、動物の尿などを速やかに吸収し、臭いを抑える働
きがあり、且つ廃物を再利用して資源の有効活用を図っ
た健康チェック用発色型トイレ材及び健康チェック用複
合トイレ材に関する。本発明は、ペット類等の健康管理
に広く利用される。
【0002】
【従来の技術】成人病と言われている生活習慣病は飽食
時代を迎えている現代人のみならず、ペット類等にまで
その悪影響が及んできている。飼い主にとってはペット
類等の健康状態を知りたい願望はありながら、ペット類
の採尿、採血、そしてそれらの検査を行うことは困難で
ある。従って、飼っているペット類の健康状態がかなり
悪くなってきてから気づくことが殆どであり、多大な治
療費がかかるばかりでなく、手遅れになってしまうこと
もある。
【0003】更に、犬、猫等のペットを室内で飼うこと
が多くなってきており、ペットの排泄を室内の一定の場
所で行わせるためのペット用のトイレの需要が年々高ま
っている。また、ペットの排泄物の臭いを抑え、良好な
室内環境を維持するため、このペット用のトイレには脱
臭剤、消臭剤などが備えられている。このような脱臭剤
などとしては、所謂、猫砂或いはゼオライト等の多孔質
の無機物などが使用されることが多い。しかし、これら
は安価ではあるが、特に、尿を含んだ砂、ゼオライト等
がトイレ全体に広がってしまったり、使用後の廃棄処理
が面倒である等の問題がある。
【0004】脱臭剤などとしては、上記の他、最近で
は、紙或いはウッドチップなども使用されている。これ
らは糞尿を吸収した部分が局所的に固まり、その特定の
部分を廃棄すればよいこと、及び使用後の脱臭剤などを
家庭の便器に廃棄することができること等の長所があ
る。しかし、ゼオライト等の無機物に比べて高価である
こと、及び貴重な森林資源を用いて製造される紙の有効
利用であるとは必ずしもいえないこと等の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ペット類等の飼い主が
飼っているペット類の健康状態を簡単に知ることができ
る方法があれば、ペット類等にとっても飼い主にとって
も大変好ましいことである。また、採血、採尿は素人で
ある飼い主には極めて困難であり、これらの検査をする
ことは更に困難である。本発明は、尿を排出する動物
(特に小動物ペット類)の健康状態を目視でチェックで
き、更に、資源を有効に再利用し、且つ安価であって、
使用後の廃棄処理にまで配慮した健康チェック用発色型
トイレ材及び健康チェック用複合トイレ材を提供するこ
とを課題とする。また、本発明は、ペットの尿等の臭い
が抑えられ、使用後は適度な硬さの塊状物となって廃棄
処理し易く、可燃性のゴミとして処分することもでき、
更に、そのまま土中に埋めることもでき経時とともに分
解して消失する健康チェック用発色型トイレ材を提供す
ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ペット類
等が行う日常行動の中で、トイレに着目した。即ち、屎
尿場所を習慣づければ、その場所で尿検査ができ、そう
すればペットの健康状態を簡単に把握できるし、しかも
この検査の結果を発色させてその健康状態を発色度に応
じて判断できる点に着目して、本発明は完成された。本
第1発明の健康チェック用発色型トイレ材は、動物の尿
に含まれる特定成分の含有の可否により該動物の健康度
を確認するための健康チェック用発色型トイレ材であっ
て、上記特定成分と反応して識別可能物質を生成させる
酵素類、及び該識別可能物質と反応して発色する発色剤
が、尿が浸透可能な多孔性基材に含浸されており、該多
孔性基材は、植物性繊維を含む廃棄物及び接合剤によっ
て構成され、上記廃棄物からなる無定形片が、上記接合
剤によって相互に接合されているいることを特徴とす
る。
【0007】本第2発明の健康チェック用発色型トイレ
材は、動物の尿に含まれる特定成分の含有の可否により
該動物の健康度を確認するための健康チェック用発色型
トイレ材であって、上記特定成分と反応して発色する発
色剤が、尿が浸透可能な多孔性基材に含浸されており、
該多孔性基材は、植物性繊維を含む廃棄物及び接合剤に
よって構成され、上記廃棄物からなる無定形片が、上記
接合剤によって相互に接合されていることを特徴とす
る。
【0008】上記「動物」としては、犬、猫、鼠等の小
動物のみならず、牛、馬、象、ライオン、猿等の大動物
をも適用できる。しかし、これらの動物のうち、犬、猫
又は鼠類等の小動物が好ましく、更に、ペット用犬、ペ
ット用猫、ペット用鼠類が好ましい。
【0009】上記「特定成分」としては、疾病の結果、
この疾病動物の尿に反映される成分、即ち健康のチェッ
クをすることが可能な対象成分であればよく、例えば、
本第3発明に示すように、グルコース、蛋白質又は尿素
とすることができる。例えば、この特定成分としてのグ
ルコースの定量(又は半定量)を目的とする場合、酵素
類としてはグルコースオキシダーゼを用いることがで
き、この場合、過酸化水素(識別可能物質となる。)が
生成する。従って、この過酸化水素と反応して発色させ
る発色剤として、アニリン系、テトラベース系、アミノ
アンチピリン系、ジアニシジン系、ベンジジン系の各化
合物等を使用できる。例えば、アニリン系化合物を用い
る場合には、青紫色に発色させることができる。また、
グルコースデヒドロゲナーゼを用いる場合には、還元型
ピリジンヌクレオチドが生成するので、これと反応して
発色させるテトラゾリウム系化合物とジアホラーゼを使
用することにより、定量又は半定量をすることができ
る。
【0010】また、蛋白質の定量又は半定量をする場合
には、常温で蛋白質と反応して発色させる発色剤、又は
蛋白質を酵素類にて分解させこの分解生成物である識別
可能物質と反応して発色する発色剤を使用することがで
きる。例えば、蛋白質のアルカリ性水溶液に反応して発
色する硫酸銅溶液を用いることにより、青紫〜赤紫色に
発色させることができる。また、α−ナフトールと次亜
臭素酸ナトリウム(又は次亜塩素酸ナトリウム)とを蛋
白質と反応させると赤色に発色させることもできる。更
に、ピロガロールレッド−モリブデン酸錯体による酸性
下における蛋白質との結合により青紫色に発色させるこ
ともできる。
【0011】更に、尿素の定量又は半定量をする場合に
は、例えば、pH5〜9の間を測ることができるpH指
示薬とウレアーゼとの併用によって尿中の尿素量をおお
まかに知ることができる。この場合の酵素類の例がウレ
アーゼであり、この酵素と尿素との反応により生じる識
別可能物質の例がアンモニアであり、発色剤の例がpH
指示薬となる。即ち、pH指示薬のみのチップ等では尿
そのもののpHを知ることができ、pH指示薬とウレア
ーゼを同時に含浸させたチップ等は、尿中尿素量に比例
してアンモニアが発生してくることから、尿のみのpH
より高値となり、尿素が多くなればなる程、そのpHは
大きくなる。従って、両者のpH値の差を発色差により
判別し、そのpH値の差により、生成されたアンモニア
量、即ち尿素量を知ることができる。
【0012】上記「多孔性基材」は、本第4発明に示す
ように、小片又はシートとすることができる。この小片
(例えばチップ等)の大きさ、材質・素材等は、特に限
定されないが、その大きさとしては、混合して使用しよ
うとする、通常の非発色型多孔性トイレ用チップの大き
さに準ずるのが好ましい。この大きさとしては、通常、
直径(若しくは最大直径)が1〜5mm、長さ(若しく
は最大長さ)4〜12mm程度であり、特に犬・猫用に
ついては直径(若しくは最大直径)が2〜3mm程度、
長さ(若しくは最大長さ)が2〜8mm(好ましくは6
〜8mm)程度が好ましい。この犬・猫用の大きさの場
合、犬、猫がこれらを掘り返すのに丁度良い大きさであ
るので、好ましい。また、この多孔性基材は、通常、適
宜の形状、寸法のチップに成形して使用される。このチ
ップは、ペットの種類及びその大きさ等によって、適宜
の形状及び寸法のものとすればよい。また、本発明の基
材は、適度な空隙を有する多孔質体であって、その嵩密
度が0.50〜0.80、特に第10発明のように
「0.55〜0.75」、更には0.60〜0.70程
度ものが好ましい。嵩密度が0.50未満と軽い場合
は、犬、猫等の動きによってトイレ材が容易に散乱して
しまって、トイレ材の用をなさない。一方、嵩密度が
0.80を越える場合は、空隙が少なく、尿等を十分に
吸収することができないため好ましくない。
【0013】上記「植物性繊維を含む廃棄物」は特定さ
れず、各種の食品加工業及び農林業等において排出され
る植物性繊維を含む廃棄物を使用することができる。こ
の廃棄物に含まれる植物性繊維の量比も特に限定はされ
ないが、本発明のトイレ材は、この植物性繊維によっ
て、その形状が保持されるものであり、廃棄物中の植物
繊維の含有量は30重量%以上であることが好ましい。
植物性繊維の量比が低くなるとともに本トイレ材は柔ら
かくなり、使用し難いものになる。
【0014】また、上記「無定形片」は、各種の食品加
工業等において排出される廃棄物を用いてトイレ材を製
造する際の、混合、混練等、加工時に形成されるもので
あり、形状及び寸法は特定されない。廃棄物は、通常、
何ら加工を要することなく、そのまま用いることができ
るが、押出成形などの際に成形機に問題なく供給するこ
とができないほどに粗大なものである場合は、予め適宜
の大きさに加工、処理した後、使用してもよい。更に、
廃棄物が多量の水分を含んでいる場合は、適宜に乾燥し
た後、使用してもよい。
【0015】植物性繊維を含む廃棄物としては、大豆を
豆腐に加工する際に排出されるおから、大豆中の油分を
圧搾等によって除いた残査である脱脂大豆、大麦を醗酵
させてビールを製造する際に排出されるビール粕、米を
醗酵させて清酒を製造する際に排出される酒粕などの
他、焼酎粕及び醤油粕等を使用することができる。この
廃棄物としては、第7発明に示すように、おから、脱脂
大豆及び水洗した醤油粕のうちの少なくとも一方とする
のが好ましい。これらを使用して得られるトイレ材は、
適度に発泡し、軽量であって、且つ輸送、保管時等、そ
の形状が崩れてしまうようなことがない。また、おから
は豆腐の製造に伴って副生するものであり、且つ安価で
あって、入手し易く、資源の有効な再利用を主たる目的
の一つとする本発明のトイレ材においては特に好まし
い。更に、この醤油粕とは、脱脂大豆のプロテアーゼ処
理、アミラーゼ処理を極く自然に行わせしめた食品廃棄
物である。しかし、このままでは、食塩濃度が高く、p
Hが低く、アノ酸、ペプチドが相当量含まれているの
で、これを水洗処理してこれらを除去する必要がある。
この水洗処理は、以下に示すような加熱水で行うのが好
ましい。
【0016】上記おから又は上記脱脂大豆は、第9発明
に示すように、加熱水処理、水系でのアミラーゼ処理及
び水系でのプロテアーゼ処理のうちの少なくとも1つを
行い、その後乾燥させて得たものとするのが好ましい。
非加熱水(常温水)を使用しても良いが、加熱水が好ま
しい。この加熱水としては、例えば30〜80℃程度
(更に好ましくは30〜60℃程度)の水とすることが
好ましい。水洗によって特におからの表面に付着してい
た水溶性有機物等が除去され、品質の安定したおからと
することができる。更に、この水処理によって、水溶性
のグルコース又は蛋白質等をも溶解除去させることがで
きる。そのため尿中のグルコース又は蛋白質の検出する
際の妨害を防止できる。特に加熱水により、水溶性有機
物をより一層確実に溶解除去できる。
【0017】更に、糖(特にグルコース)の1,4−グ
ルコシド結合を加水分解する作用のあるアミラーゼ(例
えばα−アミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコ
シダーゼ等)、及び/又は、蛋白質のペプチド結合を加
水分解する作用のあるプロテアーゼによる水系での処理
(より好ましくは加熱水中でのアミラーゼ等又はプロテ
アーゼによる処理)を行うことが、より好ましい。これ
により、より不純物の少ない、安定したおからとするこ
とができるとともに、グルコース及び/又は蛋白質をよ
り確実に除去できるので、尿中のグルコース、蛋白質を
検出する際の妨害を、より有効に防止できる。尚、この
処理温度は20〜60℃とすることができ、特に、アミ
ラーゼ等によるグルコースの分解処理の温度は60℃以
下、例えば40〜60℃とするのが好ましい。この温度
により十分にグルコースの分解処理ができるからであ
る。特に、おからの場合においては、おからの製造過程
において100℃程度で加熱処理されており、デンプン
のα−化のため100℃程度の高温にする必要性が少な
い。また、プロテアーゼによる処理温度としては、20
〜60℃程度、特に50℃以下(例えば30〜50℃、
特に40〜50℃程度)程度が好ましい。この理由は、
余り温度が高いとプロテアーゼが失活するためである。
【0018】また、(1)グルコースのみの検出を目的
とする場合にはα−アミラーゼ処理のみを、蛋白質のみ
の検出を目的とする場合にはプロテアーゼ処理のみを行
うことができるし、また、(2)これら水洗(特に加熱
水処理)、α−アミラーゼによる水系での処理及びプロ
テアーゼによる水系での処理を適宜組み合わせて実施す
ることもできるし、更に、(3)α−アミラーゼ及びプ
ロテアーゼを同時に配合して水系で同時処理することも
できる。しかし、先にα−アミラーゼ処理を行いその後
にプロテアーゼ処理するのが好ましい。この場合、α−
アミラーゼ処理を30〜80℃(特に40〜60℃、更
に好ましくは50〜60℃)にて2〜8時間(特に4〜
6時間、更に好ましくは5〜6時間)を行い、その後引
き続いて行うプロテアーゼ処理を放熱させながら0.5
〜3時間(特に1〜2時間)行うのが好ましい。α−ア
ミラーゼ処理を6時間以上と長い時間行うと、腐敗が進
行するので好ましくない。同時処理又は先にプロテアー
ゼ処理を行うと、プロテアーゼによりアミラーゼが壊れ
る場合があるからである。このような水洗及び/又は特
定の処理によって、所定の有機物を除去できるので、成
形用混合物をより容易に膨化させることができ、得られ
る多孔質基材の品質も安定したものとなるとともに、尿
中のグルコース又は蛋白質の検出の精度を上げることも
できる。
【0019】上記多孔質基材は、使用するまでの間の輸
送、保管時及び取扱時等に容易に崩れてしまって粉末状
にならない程度に形状が保持されればよい。従って、個
々の無定形片を相互に接合して、一体に本トイレ材を形
成するための上記「接合剤」は、それほど大きな接合力
は必要としない。この「接合剤」としては、植物性の接
合剤又は合成樹脂からなる接合剤を使用することができ
る。上記植物性の接合剤は、、廃棄処理が容易であっ
て、且つ環境上の問題を生ずることがない点を考慮すれ
ば、好ましい。この植物性の接合剤としては、デンプン
を含む農産物、デンプン類等とすることができる。この
場合は天然物のため生分解が容易であるので、この点に
おいて有用である。尚、このものはグルコースチェック
用の基材の製造には使用するのは好ましくない。勿論、
蛋白質等の他のチェック用には使用できる。
【0020】デンプンは植物の種子、果実、根及び根茎
に多く貯蔵されており、冷水には不溶であるが、温水、
熱水中では、分子間隔が徐々に広がり、溶解してゾル状
となる。このようにゾル状となったデンプンが、植物性
繊維を含む廃棄物からなる個々の無定形片の間隙に入り
込み、それらを接合して繋ぎ合わせることによって、本
発明の多孔質基材が形成される。
【0021】デンプンを含む農産物としては、トウモロ
コシ、米、麦、小麦及び根菜類等を使用することができ
る。また、デンプン類としては、コーンスターチ、サツ
マイモデンプン、ジャガイモデンプン及びタピオカデン
プン等を用いることができる。これらデンプンを含む農
産物及びデンプン類は、1種のみを用いてもよいし、2
種以上を併用してもよい。更に、デンプンを含む農産物
としては、「トウモロコシ」及び「米粉」のうちの少な
くとも一方が特に好ましい。また、デンプン類としては
「コーンスターチ」が好適である。
【0022】上記のように種子、根等に粒状のデンプン
が貯蔵された農産物を、何ら加工しないでそのまま使用
すれば工程上は簡便であって好ましい。特に、商品とし
て市場に出荷できないものを用いれば、トイレ材のコス
トの面でも有利である。但し、農産物をそのまま使用す
る場合は、デンプンの接合効果を十分に得るためには、
植物性繊維を含む廃棄物に対して、この農産物を比較的
高い量比で使用しなければならないこともある。この場
合、デンプンを含む農産物として、根菜類のように多く
の植物性繊維を含んでいるものを使用すれば、植物性繊
維を含む廃棄物の代替として利用することができるとの
利点もある。しかし、米、麦等、それほど多くの植物性
繊維を含まないものを用いる場合は、得られるトイレ材
の形状が安定して保たれるように留意し、接合剤として
他のものを併用する等の手段を講ずることが好ましい。
【0023】また、本発明では、農産物そのままではな
く、これらから取り出したデンプン類そのものを使用し
てもよい。このデンプン類は、例えば、トウモロコシ、
米粉等に冷水を加えて粉砕し、固形物を除去した溶液を
静置し、デンプン粒を沈降させる等の方法によって得る
ことができる。このようにして取り出したデンプン類を
使用すれば、その組成にもよるが、植物性繊維を含む廃
棄物に比較的少量添加するのみで、得られるトイレ材の
形状が十分に保持される。尚、デンプンは吸湿性が強
く、風乾状態で20重量%程度、やや湿度の高い空気中
では35重量%程度の水を含んでいる。本発明では、こ
の水を含んだ状態のデンプンをそのまま使用することも
できるが、乾燥した後、用いることが好ましい。
【0024】また、上記合成樹脂からなる接合剤として
は、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等を使用でき、特に、比較的融点の低い樹
脂が好ましい。融点の低い樹脂であれば、より低温にお
いて、植物性繊維からなる無定形片を相互に容易に接合
することができる。これらのものはグルコースチェック
用に感応しないので、グルコースチェック用の基材にも
使用できる。勿論、蛋白質等の他のチェック用にも使用
できる。また、接合剤としての作用が損なわれず、得ら
れるトイレ基材に有害物として残留するようなものを含
まなければ、合成樹脂として廃プラスチックを使用する
こともできる。このような安価な樹脂を用いれば基材の
コストの面で有利である。但し、このトイレ材を使用し
た後、生分解させる場合は、生分解性樹脂を用いる等の
配慮が必要である。
【0025】本発明のトイレ材の基材は「多孔質体」で
あり、多くの空隙を有する。この空隙は、無定形片及び
接合剤の間等に形成され、その大きさ、形状、方向等は
まったくランダムである。本発明のトイレ材では、この
空隙は、それぞれが独立した空隙であってもよいし、こ
れらの少なくとも一部が連通したものであってもよい。
そして、この空隙内に尿等が吸収され、空隙の壁面に吸
着されるため、尿等の臭いが効率的に低減される。ま
た、これら空隙が連通した部分が多いほど尿等がより速
やかに、且つ十分に吸収されて、良好な室内環境が保た
れる。更に、接合剤としてデンプン類を使用すれば、こ
のデンプン類そのものも膨潤して、内部に多くの空隙を
有し、尿等はこの空隙にも吸収、吸着され、その臭いが
より抑えられる。
【0026】上記多孔質体は、第5発明に示すように、
植物性繊維を含む廃棄物と接合剤とからなる混合物を用
い、押出成形によって製造されたものであり、上記押出
成形の温度が90〜130℃であり、上記混合物に、単
位時間当たりの吐出量(単位;kg)と、単位時間当た
りの水の供給量(単位;リットル)との比(吐出量の絶
対値/水の供給量の絶対値)が7〜18となる範囲で、
連続的に水を供給しつつ、加熱し、混練して、上記混合
物を膨化させ、その後、吐出させて得られたものとする
ことができる。
【0027】接合剤の配合量は、通常、廃棄物100重
量%に対して1〜20重量%とすることが好ましい。接
合剤が1重量%未満である場合は、接合剤としての機能
が十分に得られず、トイレ材が脆くなって、その形状が
保持されない。また、接合剤が20重量%を越える場合
は、発泡が過多となり、空隙が多くなりすぎて、得られ
るトイレ材の形状が安定して保持されない。接合剤とし
ては、デンプンを含む農産物を使用するか、デンプン類
を用いるか、他の非デンプン系接合剤を使用するか、更
には、その配合量等は目的、用途等により適宜調整する
ことが好ましい。この配合量は、特に2〜15重量%、
更には5〜10重量%程度とすることが好ましく、この
範囲であれば、適度に発泡し、形状は十分に保持され、
且つ尿等を十分に吸収することができるトイレ材を得る
ことができる。
【0028】また、上記多孔質基材の製造方法は特に限
定されないが、「押出成形」によって製造することがで
きる。この押出成形では、無定形片と接合剤との混合、
混練、並びにデンプン類、合成樹脂等からなる接合剤に
よる無定形片の接合及びチップ化を、一軸又は二軸の押
出成形機によって連続的に行うことができ、非常に効率
的である。更に、押出速度、ダイスの形状等によって、
得られるトイレ材のチップの形状及び寸法を、ペットの
種類、その大きさ等によって、容易に、且つ任意に変え
ることもできる。尚、合成樹脂を用いた場合、外表面に
この合成樹脂被膜が形成されるときには、これを除く
か、又は形成された基材を割る又は破砕する等によっ
て、この被膜が形成されていない表面を露出形成させ、
これにより尿の吸収を容易にすることができる。
【0029】押出成形機では、通常、そのバーレル部に
混練ゾーンと押出ゾーンとが備えられており、連続的に
多孔質基材を製造することができる。また、前段に混練
機が取り付けられた押出成形機を用いてもよい。尚、コ
ーンブレンダー、バンバリーミキサー等によって、廃棄
物と接合剤とを予め混合、分散しておき、これを押出成
形機に供給する方法が好ましいが、廃棄物及び接合剤の
形状、大きさ等によっては、押出成形機に直接供給する
こともできる。
【0030】押出成形の温度が90℃未満である場合
は、デンプン類等が十分にゾル状とならず、無定形片の
接合、一体化が不十分となって、トイレ材の形状の保持
が難しくなる。一方、130℃を越えると、空隙が大き
くなって多孔質基材が脆くなり、また、消臭効果が損な
われる恐れがある。この押出成形の温度は、特に100
〜130℃、更には115〜125℃であることが好ま
しく、この温度範囲であれば、形状の保持が十分であっ
て、取り扱い易いトイレ材を得ることができる。尚、こ
の成形温度とは吐出物の出口温度であり、押出成形機の
供給ゾーン、混練ゾーン、押出ゾーン及びダイス等の温
度を適宜設定することにより調整することができる。こ
の温度設定は、供給ゾーン側を低めに、ダイス側を高め
にするのが一般的である。
【0031】更に、単位時間当たりの吐出量(単位;k
g)と、単位時間当たりの水の供給量(単位;リット
ル)との比が7未満の場合は、温水等が揮散する際の空
隙の形成が過度となる。そのため、空隙の多い脆いトイ
レ材となり、形状が保持できなくなる。一方、上記の比
が高くなるにつれて、空隙の形成などに与かることな
く、そのまま成形機外へ排出されてしまう温水等の割合
がより高くなっていくためか、トイレ材は徐々に空隙の
少ない硬いものになっていく。また、この比が18を越
える場合は、硬く、緻密な多孔質基材(トイレ材)とな
ってしまって、尿等が十分に吸収されない。
【0032】本発明では、上記のように単位時間当たり
の吐出量と単位時間当たりの水の供給量との比を変える
ことによって、トイレ材の空隙生成の程度を調整するこ
とができる。この比は、特に7〜12、更には第6発明
に示すように「7〜9」とすることが好ましい。上記の
比が7〜9の範囲であれば、第9発明に特定する嵩密度
を有し、輸送、保管等或いは取扱時などに形状が崩れる
ことことがなく、且つ尿等を十分に吸収することができ
る多孔質基材とすることができる。
【0033】尚、単位時間当たりの吐出量と、単位時間
当たりの水の供給量との比は、使用する廃棄物及び接合
剤の種類並びに配合量によって、上記の範囲内で適宜設
定することができる。更に、特に、廃棄物及び接合剤と
して同様のものを使用して連続的に製造する場合は、吐
出量と水の供給量との比をできるだけ一定にすることが
好ましい。言い換えれば、吐出量の増減と、水の供給量
の増減とは、並行して行うことが好ましい。このように
することにより、デンプン類等の接合剤は同程度にゾル
化し、無定形片が同程度の力で接合され、且つ水分によ
る混合物の膨化の程度もほぼ一定となって、安定した品
質の多孔質基材、ひいてはそのようなトイレ材を得るこ
とができる。
【0034】また、廃棄物としておから又は脱脂大豆等
を使用し、接合剤としてコーンスターチ(又はポリエチ
レン若しくはポリプロピレン等)を用いた場合、廃棄物
と接合剤との合計量100重量%に対して、接合剤を8
〜12重量%、特に9〜11重量%、更には10重量%
程度とすることが好ましい。更に、廃棄物としておから
又は脱脂大豆等を使用し、接合剤として米粉を使用した
場合は、廃棄物と接合剤との合計量100重量%に対し
て、接合剤を3〜7重量%、特に4〜6重量%、更には
5重量%程度とすることが好ましい。このように特定の
廃棄物と接合剤とを組み合わせ、且つ接合剤の配合量を
上記の特定の範囲とした場合は、より優れた性能の多孔
質基材を得ることができる。また、上記のおからは乾燥
し、粉砕して、嵩密度が0.20〜0.50、特に0.
30〜0.40、更には0.35〜0.40程度の粉体
とした後、接合剤と混合することが好ましい。
【0035】本発明では、膨化して吐出される吐出物
は、その吐出方向に適宜の長さに切断し、チップ化する
ことができる。このチップはダイスに設けられる透孔の
形状によって、円形、三角形、四角形等、適宜の断面形
状のものとすることができる。また、その長さも押出速
度と切断速度とを調整することにより、任意に変えるこ
とができる。このチップの直径は1〜5mm、長さは1
〜12mm程度とすることができる。特に、犬、猫等の
場合、直径2〜3mm、長さ2〜8mm程度のチップが
適当であることは前記の通りである。尚、チップは上記
のように円柱状とすることができるが、他の形状の場合
も、この寸法に相当する大きさのものとすることが好ま
しい。
【0036】本第11発明の健康チェック用複合トイレ
材は、動物の尿に含まれる特定成分の含有の可否により
該動物の健康度を確認するための健康チェック用発色型
トイレ材であって、上記特定成分と反応して識別可能物
質を生成する酵素類、及び該識別物質と反応して発色す
る発色剤が、尿が浸透可能な多孔性基材に含浸されてお
り、上記請求項1乃至10のいずれかに記載の健康チェ
ック用発色型トイレ材と、尿が浸透可能な動物用非発色
型多孔性トイレ材と、が混合されてなり、上記動物用非
発色型多孔性トイレ材100容量部に対して、上記健康
チェック用発色型トイレ材が0.01〜20容量部(好
ましくは0.1〜10容量部)であることを特徴とす
る。
【0037】本第12発明の健康チェック用複合トイレ
材は、動物の尿に含まれる特定成分の含有の可否により
該動物の健康度を確認するための健康チェック用発色型
トイレ材であって、上記特定成分と反応して発色する発
色剤が、尿が浸透可能な多孔性基材に含浸されており、
上記請求項1乃至10のいずれかに記載の健康チェック
用発色型トイレ材と、尿が浸透可能な動物用非発色型多
孔性トイレ材とが混合されてなり、上記動物用非発色型
多孔性トイレ材100容量部に対して、上記健康チェッ
ク用発色型トイレ材が0.01〜20容量部(好ましく
は0.1〜10容量部)であることを特徴とする。
【0038】本第11及び第12発明における上記「動
物」、上記「特定成分」、上記「識別可能物質」、上記
「酵素類」、上記「発色剤」又は上記「多孔質基材」
は、前記発明に係る説明において示すものを、同様に適
用できる。上記「動物」としては、同様に、ペット用
犬、ペット用猫又はペット用鼠類が好ましい。上記健康
チェック用発色型トイレ材の混合比率が0.01未満で
は、少なすぎると検査しにくく、20容量部を越えると
混合比が高すぎてコストが高くなる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明を試作例及び試験例
を用いて具体的に説明する。 試作例1(グルコースの尿検査用発色型セルロース球製
トイレチップの製造) グルコースオキシダーゼ200万国際単位とアスコルビ
ン酸オキシダーゼ5万国際単位、パーオキシダーゼ10
00パープロガリン単位を0.8Mリン酸緩衝液(pH
6.0)50mlに溶解し、別に可溶性デンプン1.0
gとヨウ化カリウム0.4gを溶解した液50mlに加
えてよく混和して発色液を作成した。そして、この液中
に、直径3mmのセルロース球を浸した。十分に含浸さ
せたセルロース球を取り出し、水切りをした後30℃で
デシケーターにて減圧乾燥させた。これにより、グルコ
ースの尿検査(定量)用発色型セルロース球製トイレチ
ップを製造した。
【0040】試作例2(蛋白質の尿検査用発色型セルロ
ース球製トイレチップの製造) 1Mクエン酸緩衝液とテトラブロムフェノールブルー1
00mg%のメタノール溶液を等量混合して発色液を作
成した。そして、直径3mmのセルロース球(又は厚さ
約2mmの濾紙)をこの溶液中に含浸させた。このセル
ロース球(又は濾紙)を取り出し、30℃でデシケータ
ー中で減圧乾燥し、濾紙は5mm角に切断して、蛋白質
の尿検査(定量)用発色型セルロース球製トイレチップ
を製造した。
【0041】試作例3(pH測定用濾紙製トイレチップ
の製造) メチルレッド2.5mgとブロムチモールブルー48m
gを100mlのメタノールに溶解して発色液を作成し
た。そして、この液に厚さ2mmの濾紙を浸漬する。こ
の濾紙を取り出し、暗所で風乾した後、5mm×10m
mの長方形に切断して、pH測定用トイレチップを製造
した。
【0042】試作例4(尿素測定用濾紙製トイレチップ
の製造) 試作例3によって得られた風乾濾紙(pH指示薬を含
む。)に、ウレアーゼ2000国際単位/mlとなるよ
うに蒸留水で調製した溶液を噴霧し、30℃のデシケー
タ中で減圧乾燥した。その後、濾紙を5mm×5mmの
正方形に切断した。尚、ウレアーゼ溶液の噴霧量は薬1
0ml/100cm2 を基準として行った。
【0043】試作例5(アミラーゼ等処理をしたおから
を使用して得た健康チェック用発色型おから製トイレチ
ップの製造) (1)アミラーゼ等処理をしたおからを使用した得た多
孔質基材の製造 まず、アミラーゼ及びプロテアーゼ処理した乾燥おから
を以下のようにして作った。即ち、市販されている乾燥
おから約90kg、α−アミラーゼ0.5〜1.8kg
を水0.9〜1.8トン中に投入し、撹拌下、50〜6
0℃に加熱し、5〜6時間この温度に維持させて、α−
アミラーゼにより、おからに付着しているグルコースの
α−1,4−グルコシド結合を加水分解させた。その
後、室温下に1〜2時間放置させて(40〜50℃で1
〜2時間程度)、プロテアーゼにより、おからに付着し
ている蛋白質のペプチド結合を加水分解させた。その
後、減圧乾燥又は熱風乾燥により脱水させて乾燥おから
を製造した。尚、加熱水により、おからに付着している
水溶性の有機物質をも同時に溶解除去させることができ
た。但し、上記乾燥おからの代わりに、豆腐製造会社か
ら廃棄される乾燥前のおからを、そのまま使用すること
もできる。
【0044】上記特定処理された乾燥おから90kgに
コーンスターチ又はポリエチレン10〜15kgを
加え、コーンブレンダーによって、室温において分散、
混合させた。この混合物をスクリュー径47mmの二軸
押出成形機(日本製鋼株式会社製)に供給した。ホッパ
ーから混合物を投入する箇所の温度を約90℃に設定
し、ホッパーから混合物とともに11〜12リットル/
時間の速度で水を供給し、90〜110kg/時間の押
出速度(吐出量の絶対値/水の供給量の絶対値=7.5
〜10)で膨化した混合物を吐出させた。尚、ダイスの
温度を約120℃に設定したが、吐出物の出口温度も同
程度であった。
【0045】この直径2〜3mmの吐出物を長さ8mm
に切断し、約100kgのチップ状のトイレ材を得た。
このトイレ材は、接合剤がコーンスターチ又はポリ
エチレンのいずれの場合も、水を噴霧しても形態が壊れ
ることなく、形状保持性に優れ、取り扱い易い、良好な
品質の多孔質基材を得ることができた。特に、ポリエチ
レンを使用したものの場合には、硬めで水に浸漬させた
場合容易に型崩れがしにくかった。尚、ポリエチレンの
代わりにポリプロピレンを使用した場合も同様な基材を
得ることができた。また、このスクリュー径47mmの
二軸押出成形機を使用した場合、吐出量は70〜120
kg/時間、水の供給量は7〜10リットル/時間の範
囲(吐出量の絶対値/水の供給量の絶対値=7.0〜1
7.1)であり、形状の保持性に優れ、取り扱い易い、
良好な品質の多孔質基材を得ることができる。
【0046】(2)健康チェック用発色型トイレチップ
の製造 上記多孔質基材(接合剤としてポリエチレンを用いたも
の)に、試作例1に示すグルコース発色用試薬組成物
を、塗布して、この基材が壊れないうちに直ちに乾燥さ
せて、グルコースの尿検査(定量)用発色型トイレチッ
を製造した。また、上記多孔質基材(接合剤として
コーンスターチ又はポリエチレンを用いたもの)に、試
作例2に示す蛋白質発色用試薬組成物を、塗布して、こ
の基材が壊れないうちに直ちに乾燥させて、蛋白質の尿
検査用発色型トイレチップB(コーンスターチ使用物)
又はC(ポリエチレン使用物)を製造した。
【0047】試験例1 本試験例は尿中のグルコースを定量するものである。市
販されている非発色型トイレペレット(商品名:「エル
ペット」、大王製紙株式会社製)1リットルに、試作例
1で得られたグルコース定量用の尿検査用発色型セルロ
ース製トイレチップを50ミリリットル配合し、よく混
合した後、猫のトイレに敷いた。猫が屎尿したのを確か
めた後、目視した所、青色に発色していた。この尿検査
用チップの色度変化を、予め作成しておいた標準比色表
を用いて肉眼定量(目視)した所、尿中のグルコース含
量は約40〜50mg/dlと確認できた。
【0048】試験例2 本試験例は尿中の蛋白質含量を定量するものである。市
販されている非発色型トイレ用ペレット(商品名:「カ
タピー」、ペパーレット株式会社製)1リットルに、試
作例2で得られた蛋白質定量用発色型セルロース製トイ
レチップ(又は濾紙製)を10ml配合し、よく混合し
た後、犬のトイレに敷いた。犬が屎尿したことを確認し
た後、尿検査用チップの色度変化から、予め作成してお
いた標準比色表を用いて肉眼定量したところ、尿中の蛋
白質含量は10〜20mg/dlであった。
【0049】試験例3 本試験例も尿中の蛋白質含量を定量するものである。市
販されているトイレ用シート(商品名:「ペットシーツ
脱臭・ゼリー」、株式会社ボンビアルコン製、30cm
×45cm)の吸水側表面に、試作例2で得られた蛋白
質定量用発色型セルロース球製トイレチップ(又は濾紙
製)を10箇所に貼りつけた。このものを犬のトイレに
敷いて、糞尿した後、チップの色変化を標準比色表より
肉眼定量した所、尿中の蛋白質含量は約20mg/dl
前後であった。
【0050】試験例4 本試験例は尿中の尿素含量を定量するものである。市販
されている猫用トイレ砂(商品名:「シーシーサン
ド」、株式会社スーパーキャット製)1リットルに、試
作例3で得られたpH測定用濾紙製トイレチップを約
0.5mlと、試験例4で得られた尿素測定用濾紙製ト
イレチップ0.3mlとを配合し十分に混和させた後、
猫のトイレに敷いた。猫の糞尿後、長方形の試験片のp
H値と、正方形の試験片のpH値との差から、予め尿を
使用して作成しておいた尿素の標準比色法より、猫の尿
中の尿素含量は約200mg/dlであった。
【0051】試験例5 本試験例は、アミラーゼ等処理をしたおからを使用した
得た健康チェック用発色型トイレチップA、B又はCを
利用して、グルコース又は蛋白質を定量するものであ
る。上記試作例5により得られた3種類のチップを、別
々に、ペット用トイレに敷き詰め、そこで猫に排尿をさ
せた。その結果、チップは猫の動きによって容易に散乱
するようなことはなく、また、尿はその全量が速やかに
チップに吸収され、尿を吸収したチップは固まって塊状
物となった。この塊状物は持ち上げても崩れてしまうこ
とはなく、容易に廃棄処理することができた。
【0052】また、グルコースの尿検査(定量)用発色
型トイレチップAに生成された発色度は、試験例1と略
同様であり、同程度の尿中のグルコース含量(約40〜
50mg/dl程度)を示した。更に、蛋白質の尿検査
(定量)用発色型トイレチップB又はCに生じた発色度
は、試験例2と略同様であり、同程度の尿中の蛋白質含
量(10〜20mg/dl程度)を示した。そして、こ
のチップB又はCのいずれも略同様な発色度を示した。
また、尿を吸収したチップを廃棄した後、室内にはほと
んど猫の尿の臭いは残っていなかった。更に、尿を吸収
したチップを土中に埋め、3ケ月経過後に再び掘り起こ
してみたが、チップ(特にコーンスターチを用いたも
の)はほとんど見出されなかった。尚、上記多孔質基材
のままのもの、即ち発色試薬を塗布しないチップに、同
様に猫に排尿させた所、ほとんど肉眼では着色しなかっ
た。これにより、おからに付着しているグルコース及び
蛋白質はほとんど除去されていることが判る。また、上
記試験例3で用いた濾紙の代わりに、上記乾燥おからを
使用してチップを用いて同様の発色剤処理をした場合で
も、同様の結果を得ることもできる。
【0053】試験例6 本試験例は、上記試作例5で示す多孔性基材の製造条件
を比較したものである。乾燥したおから70kg及びコ
ーンスターチ10kgに、タルク20kg(20重量
%)を加え、実施例と同様にして分散、混合させ、同様
の装置、条件で押出成形し、吐出させた。しかし、混合
物はほとんど結合されておらず、微粒状のまま吐出され
てチップとすることができなかった。尚、ゼオライト、
炭酸カルシウム等、他の無機充填剤を配合した場合も同
様の結果であった。また、特にタルク等の場合、5重量
%程度に減量してもほとんど改善はみられず、使用に供
し得るチップとすることはできなかった。更に、これら
無機充填を配合した場合、押出成形機等のバーレル、ス
クリュー、カッター等の摩耗が激しい。また、無機充填
剤は燃焼しないため、配合が少量であってトイレ材が得
られたとしても、燃焼して処理することは難しい。尚、
本発明においては、前記具体的実施例に示すものに限ら
れず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更し
た実施例とすることができる。
【0054】
【発明の効果】本発明の健康チェック用発色型トイレ材
及び健康チェック用複合トイレ材を用いれば、尿を排出
する動物(特に小動物ペット類)の健康状態を目視で且
つ簡便にチェックすることができ、そのため、飼い主に
とってもその動物等にとっても大変便利である。従っ
て、動物等(特にペット類等)の健康管理に大変有用で
ある。更に、飼い主にとって大切なペットの犬、猫、鼠
に適用すれば、更に一層有用である。
【0055】おから等の廃棄物を所定条件下で製造して
得た多孔質基材を用いたもの、特にアミラーゼ及びプロ
テアーゼ処理して得られたおからを使用した得られた多
孔質基材においては、健康チェック用のための発色によ
る定量ができるとともに、犬、猫等のペットの尿等を速
やかに吸収し、室内に尿等の臭いがほとんど残らない発
色型トイレ材とすることができる。また、尿等を吸収し
た後のトイレ材は扱い易い塊状物となり、容易に廃棄処
理することができる。更に、このトイレ材は、食品加工
業等における廃棄物及びデンプンを含む農産物等を原料
としているため、資源の有効利用、環境等の面において
も非常に有用である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物の尿に含まれる特定成分の含有の可
    否により該動物の健康度を確認するための健康チェック
    用発色型トイレ材であって、 上記特定成分と反応して識別可能物質を生成させる酵素
    類、及び該識別可能物質と反応して発色する発色剤が、
    尿が浸透可能な多孔性基材に含浸されており、該多孔性
    基材は、植物性繊維を含む廃棄物及び接合剤によって構
    成され、上記廃棄物からなる無定形片が、上記接合剤に
    よって相互に接合されているいることを特徴とする健康
    チェック用発色型トイレ材。
  2. 【請求項2】 動物の尿に含まれる特定成分の含有の可
    否により該動物の健康度を確認するための健康チェック
    用発色型トイレ材であって、 上記特定成分と反応して発色する発色剤が、尿が浸透可
    能な多孔性基材に含浸されており、該多孔性基材は、植
    物性繊維を含む廃棄物及び接合剤によって構成され、上
    記廃棄物からなる無定形片が、上記接合剤によって相互
    に接合されていることを特徴とする健康チェック用発色
    型トイレ材。
  3. 【請求項3】 上記特定成分は、グルコース、蛋白質又
    は尿素である請求項1又は2記載の健康チェック用発色
    型トイレ材。
  4. 【請求項4】 上記多孔性基材は、小片又はシートであ
    る請求項1、2又は3記載の健康チェック用発色型トイ
    レ材。
  5. 【請求項5】 上記多孔性基材は、植物性繊維を含む廃
    棄物と、接合剤とからなる混合物を用い、押出成形によ
    ってトイレ材を製造する方法であって、上記押出成形の
    温度が90〜130℃であり、上記混合物に、単位時間
    当たりの吐出量(単位;kg)と、単位時間当たりの水
    の供給量(単位;リットル)との比(吐出量の絶対値/
    水の供給量の絶対値)が7〜18となる範囲で、連続的
    に水を供給しつつ、加熱し、混練して、上記混合物を膨
    化させ、その後、吐出させて得られたものである請求項
    1乃至4のいずれかに記載の健康チェック用発色型トイ
    レ材。
  6. 【請求項6】 単位時間当たりの吐出量(単位;kg)
    と、単位時間当たりの水の供給量(単位;リットル)と
    の上記比(吐出量の絶対値/水の供給量の絶対値)が7
    〜9である請求項5記載の健康チェック用発色型トイレ
    材。
  7. 【請求項7】 上記廃棄物が、おから、脱脂大豆及び水
    洗した醤油粕のうちの少なくとも一方である請求項1乃
    至6のいずれかに記載の健康チェック用発色型トイレ
    材。
  8. 【請求項8】 上記おから又は上記脱脂大豆は、加熱水
    処理、水系でのアミラーゼ処理及び水系でのプロテアー
    ゼ処理のうちの少なくとも1つを行い、その後乾燥させ
    て得たものである請求項7記載の健康チェック用発色型
    トイレ材。
  9. 【請求項9】 上記多孔性基材の嵩比重が0.55〜
    0.75である請求項1乃至8のいずれかにに記載の健
    康チェック用発色型トイレ材。
  10. 【請求項10】 上記動物は犬又は猫であり、上記多孔
    性基材の直径が2〜3mm、その長さが2〜8mmであ
    る請求項1乃至9のいずれかに記載の健康チェック用発
    色型トイレ材。
  11. 【請求項11】 動物の尿に含まれる特定成分の含有の
    可否により該動物の健康度を確認するための健康チェッ
    ク用発色型トイレ材であって、上記特定成分と反応して
    識別可能物質を生成する酵素類、及び該識別物質と反応
    して発色する発色剤が、尿が浸透可能な多孔性基材に含
    浸されており、上記請求項1乃至10のいずれかに記載
    の健康チェック用発色型トイレ材と、尿が浸透可能な動
    物用非発色型多孔性トイレ材と、が混合されてなり、 上記動物用非発色型多孔性トイレ材100容量部に対し
    て、上記健康チェック用発色型トイレ材が0.01〜2
    0容量部であることを特徴とする健康チェック用複合ト
    イレ材。
  12. 【請求項12】 動物の尿に含まれる特定成分の含有の
    可否により該動物の健康度を確認するための健康チェッ
    ク用発色型トイレ材であって、上記特定成分と反応して
    発色する発色剤が、尿が浸透可能な多孔性基材に含浸さ
    れており、上記請求項1乃至10のいずれかに記載の健
    康チェック用発色型トイレ材と、尿が浸透可能な動物用
    非発色型多孔性トイレ材とが混合されてなり、 上記動物用非発色型多孔性トイレ材100容量部に対し
    て、上記健康チェック用発色型トイレ材が0.01〜2
    0容量部であることを特徴とする健康チェック用複合ト
    イレ材。
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