JP2014042763A - 吸収性構造体及び吸収材 - Google Patents

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Abstract

【課題】時間の経過に伴い発生する尿臭の発生部位を、簡便かつ客観的に特定することができる吸収性構造体又は吸収材を提供すること。
【解決手段】臭気成分前駆体を分解して臭気成分を生じる酵素による酵素反応によって水に難溶の色素化合物又は蛍光色素化合物を生じる酵素基質型の酵素活性検出試薬を含有する吸収性構造体又は吸収材。吸収性構造体は、好ましくは吸収性物品1又は該吸収性物品の吸収性コア4である。酵素活性検出試薬としては、好ましくはグリコシダーゼ活性検出試薬又はサルファターゼ活性検出試薬が用いられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、尿臭発生部を簡便かつ視覚的に特定できる吸収性構造体に関する。
近年、消費者の衛生志向の高まりから、見た目の汚ればかりでなく汚れの存在を想起させる臭気についても、これを除去することが強く望まれている。特に尿については、排尿直後の臭気は弱いが、これが例えば使い捨ておむつ、尿取りパッド等の吸収性物品中に吸収された状態では、時間の経過に伴い強い臭気を発するようになることが知られており、この不快度は生活環境悪臭の中でもとりわけ大きい。
このような時間の経過に伴い発生する尿臭気は、臭気成分前駆体となる尿中の種々の有機物が微生物の酵素によって分解されることに起因するものと考えられている。このため、これに対する消臭・防臭技術としては、悪臭成分を物理的又は化学的に除去する消臭剤や、悪臭を感覚的にマスキングする香料の使用だけでなく、悪臭の発生を元から持続的に抑制できる手法として、臭気原因微生物に対する抗菌剤や原因酵素(ウレアーゼ、β-グルクロニダーゼ、アリールサルファターゼ等)に対する酵素阻害剤の使用も提案されている。
一方、微生物に由来する臭気やこれに関わる微生物を簡便に検出する手法としては、例えば特許文献1では、酸塩基指示薬等の臭気感色性の視覚指示薬(臭気成分と反応することにより色変化を生じる化合物)を含む使い捨ておむつ、失禁パッド等の製品が開示されている。
また、特許文献2では細菌に由来する揮発性成分をGC分析あるいは指示薬で検出することによって微生物の存在を検出する手法が開示されている。この手法によれば、例えば大腸菌の存在は、ジメチルアミノシンナミックアルデヒドで染色された綿を大腸菌の懸濁液に露出させ、菌体の産するインドールによる指示薬の変色によって確認される。
また、特許文献3ではβ-グルクロニダーゼ又はアリールサルファターゼの基質型酵素活性検出試薬を含有する培地によって、大腸菌を含む尿路感染症関連細菌を検出する方法が提案されている。この手法では前述の培地に検体を加えて培養し、菌体酵素に由来するコロニー及び/又は培地の着色を目視観察することによって微生物の検出を行う。
特表2007−508105号公報 特表2008−538179号公報 特表平9−512438号公報
前述のように、尿臭気の消臭・防臭技術としては、消臭剤、マスキング剤、抗菌剤、酵素阻害剤等、様々な剤の使用が考えられるが、これら剤の適用部位を決定する際、尿臭発生部の位置情報は非常に重要である。とりわけ抗菌剤、酵素阻害剤のような防臭剤は、剤の適用部位が臭気発生部から外れると著しく効果が落ちる場合があり、臭気発生部への適用は必須と言える。また、特に吸収性物品のように尿が様々な素材と接触しながら移動していく製品について、消臭・防臭剤の配合部位を決定するためには、尿臭発生部を厳密に特定する必要がある。
このように、吸収性物品における簡便な尿臭発生部の可視化手法は、消臭・防臭剤の配合部位や配合量の最適化のため強く望まれる技術であるが、一方で、臭気成分には強い拡散性があるため、例えば特許文献1及び2のように臭気成分自体を指示薬あるいはGC分析等によって検出する手法では、高い空間分解能で臭気発生部を特定することは非常に困難である。
また、特許文献3のように培地での培養を前提とする方法は、微生物の増殖部位として臭気発生部の特定は可能であるが、求める空間分解能に応じてサンプルを細かく分割等する必要があることから操作は煩雑となり、吸収性物品の製品と同様の系における尿臭発生部の特定は困難である。
従って、本発明の課題は、尿臭発生部を簡便且つ視覚的に特定することのできる吸収性構造体を提供することにある。
本発明は、臭気成分前駆体を分解して臭気成分を生じる酵素による酵素反応によって水に難溶の色素化合物又は蛍光色素化合物を生じる酵素基質型の酵素活性検出試薬を含有する吸収性構造体を提供するものである。
また、本発明は、臭気成分前駆体を分解して臭気成分を生じる酵素による酵素反応によって水に難溶の色素化合物又は蛍光色素化合物を生じる酵素基質型の酵素活性検出試薬を保持する吸収材を提供するものである。
本発明の吸収性構造体によれば、時間の経過に伴い発生する尿臭の発生部位を、簡便かつ客観的に特定することができる。そのため、例えば、種々の消臭剤、芳香剤、抗菌剤、酵素阻害剤の好ましい配合部位やその配合量等の決定が容易となり、また、尿臭生成抑制効果に優れた製品構成や吸収材の選択等が容易となる。
また、本発明の吸収材によれば、尿臭発生部を特定したい対象に分散させることによって、該尿臭発生部を簡便かつ客観的に特定することができる。
本発明の吸収性構造体の一実施形態を示す断面図である。 本発明の他の実施形態である吸収性コアを示す断面図である。 参考例1で用いたマイクロテストチューブを示す模式図である。 参考例1における試験後の着色の様子を示す図である。 実施例1で用いた尿取りパッドの切片を示す図である。 実施例1におけるサンプルの画像及び臭気強度評価値を示す図である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
<酵素活性検出試薬を含ませる対象の吸収性構造体及び吸収材>
本発明の吸収性構造体は、好ましくは吸収性物品又は該吸収性物品の吸収性コアである。
吸収性物品は、使用時にヒト又は動物由来の体液が吸収される物品であり、好ましくは尿及び汗の一方又は双方を含有する体液、より好ましくは尿を含有する体液、特に尿が吸収される物品である。
吸収性物品としては、軽失禁パッド、尿取りパッド、使い捨ておむつ、パンティーライナー、生理用ナプキン、タンポン等のサニタリー製品、ペット用トイレ、ペット用尿吸収シート等の犬、猫等のペット用排泄物関連製品を挙げることができる。これらは、尿あるいは尿を含む体液が吸収保持されることが想定されるものであり、本発明の吸収性物品として好ましい。同様の観点から、軽失禁パッド、尿取りパッド、使い捨ておむつ、ペット用トイレ、ペット用尿吸収シートがより好ましい。
図1は、本発明の吸収性構造体の一実施形態である吸収性物品の断面構造の一例を示す模式断面図である。図1に示す吸収性物品1は、使い捨ておむつ、軽失禁パッド又は尿取りパッド等であり、図1に示すように、液透過性の表面シート2、液難透過性の裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在された吸収性コア4を具備している。液難透過性は、液不透過性と液難透過性を含む概念である。また、図1に示す吸収性コア4は、パルプ繊維等の繊維材料42及び吸水性ポリマー43からなり、その上下両面をコアラップシート44,45によって被覆されている。吸収性コア4は、例えば、積繊ドラムに向けて飛散状態で供給した繊維材料42及び吸水性ポリマー43を、該積繊ドラムの周面に形成した凹部に吸引により堆積させることにより、所定形状に成形した混合積繊体である。コアラップシート44,45は、主として吸水性ポリマー43の漏れ出しを防止するものであり、好ましくは、吸収性物品の幅方向に沿う断面において、吸収性コア4の周囲を全周に亘って被覆している。コアラップシート44,45は、例えば、薄葉紙又は液透過性の不織布等からなり、吸収性コア4の表面シート2側を被覆する部分と該コアの裏面シート3側を被覆する部分とが、一枚のシートからなるものでも別体のシートからなるものでも良い。また、本発明における吸収性物品の吸収性コアとしては、各種公知の吸収性物品の吸収性コアの構成を採用でき、例えば、図2に示す吸収性コア41のように、吸水性ポリマー43が厚み方向の一部に偏在していても良いし、繊維材料の密度又は種類が異なる複数の繊維層46,47を有するもの等であっても良い。
本発明における吸収性構造体には、後述する酵素活性検出試薬が配合されている。例えば、図1に示す構成の吸収性物品にも、後述する酵素活性検出試薬が配合されている。吸収性構造体が、吸収性物品である場合、酵素活性検出試薬は、その吸収性物品のどこに配置されていても良いが、少なくとも吸収性コアに配置されていることが好ましい。
また、酵素活性検出試薬は、尿臭発生部を良好な空間分解能で特定可能とする点から、吸収性物品全体に満遍なく均一に配置されていることが好ましい。また、同様の観点から、酵素活性検出試薬は、吸収性コアの全体に分布していることが好ましく、吸収性コアの全体に均一に配置されていることがより好ましい。吸収性物品全体、又は吸収性コアの全体に均一に配置する方法としては、例えば、後述するように酵素活性検出試薬を溶解した液剤を、吸収性物品全体又は吸収性コアの全体に含浸させた後、乾燥させる方法、あるいは吸収性物品、又は吸収性コアを構成する材料それぞれについて、あらかじめ酵素活性検出試薬を均一に固定化した材料を用いて混合積繊体を構成する方法が挙げられる。あらかじめ吸収性物品又は吸収性コアを構成する材料に酵素活性検出試薬を均一に固定化する方法としては、一般的に行われている方法を用いればよい。例えば酵素活性検出試薬を溶解した液剤を添加し、続いて攪拌を行いながら溶媒を留去することによって酵素活性検出試薬を添着させる方法で固定化することができる。吸収性コアを構成する材料としては、パルプ繊維(フラッフパルプ)等の繊維材料、吸水性ポリマー等が挙げられる。吸収性コアは、繊維材料のみ、又は吸水性ポリマーのみから構成されていても良い。
本発明において、吸収材とは、自重の5重量倍以上1000重量倍以下の体液、特に尿を吸収することができる素材であり、好ましくは、上記したような本発明の吸収性物品の吸収材料として使用される素材である。このような吸収材としては、例えば、吸水性ポリマー、パルプ繊維(フラッフパルプ)、スポンジ等を挙げることができるが、上述の特性を有し、直接的あるいは副次的に尿等の体液を吸収保持する役割を担う素材であれば特に制限されない。
なお、吸水性ポリマーは、自重の20重量倍以上1000倍以下の体液、特に尿を吸収して保持できるものである。このような吸水性ポリマーの例としては、各種公知のものを用いることができるが、例えば、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体の架橋物、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体の架橋物、デンプン又はカルボキシメチル化セルロースの架橋物、デンプン-アクリル酸塩グラフト共重合体の加水分解生成物の架橋物、ビニルアルコール-アクリル酸塩共重合体の架橋物、無水マレイン酸グラフトポリビニルアルコールの架橋物、架橋イソブチレン-無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体のケン化物から選択される1以上であることが好ましい。
<酵素活性検出試薬>
本発明の吸収性構造体及び吸収材は、尿臭発生部を視覚的に特定可能とする目的で、酵素活性検出試薬を含有する。吸収材は、表面のみに酵素活性検出試薬を保持するものであっても良く、好ましくは、尿臭発生部を特定したい対象に分散させることによって、該対象における尿臭発生部を視覚的に特定可能とする。
本発明において酵素活性検出試薬は、尿臭発生部を良好な空間分解能で特定する観点から、拡散の激しい揮発性成分の検出指示薬ではなく、酵素活性を直接的に検出できる酵素基質型の酵素活性検出試薬が用いられる。
更に本発明において使用する酵素活性検出試薬は、酵素反応により色素化合物又は蛍光色素化合物を生成するものであるが、この色素化合物又は蛍光色素化合物は、上記と同様の観点から、多量の水分を含んだ物品中で拡散性が低いこと、すなわち水に難溶であることを要する。具体的には、上記色素化合物又は蛍光色素化合物は20℃の水に対する溶解度が10g/L未満が好ましく、更には6g/L未満が好ましく、更には0.5g/L未満が好ましく、特に0.05g/L未満であることが好ましい。
また、本発明において使用する酵素活性検出試薬は、多量の水分を含んだ物品中で均一に分布していることが好ましい。従って、酵素活性検出試薬は、酵素反応前の時点では水中での拡散性が高いこと、即ち、酵素反応後に生じる色素化合物又は蛍光色素化合物よりも水に対する溶解度が高いことが好ましい。
また、酵素反応により生成される上記化合物は、可視領域に吸収を持つ化合物又は可視領域に蛍光を発する化合物、すなわち色素化合物又は蛍光色素化合物であることを要する。なかでも、検出の容易性から、可視領域に吸収を持つ色素化合物であるものがより好ましい。更に尿の色とのコントラストが明確になることから、特に500〜800nmに吸収スペクトルを有する色素化合物が好ましく、青色に呈色するものがより好ましい。
検出の対象となる酵素は、臭気成分前駆体を分解して臭気成分を生じさせる反応を触媒する酵素であり、尿臭発生の原因となる微生物によって産生される酵素であればよく、例えばグリコシダーゼ及びサルファターゼが挙げられる。また、実際に感じる尿臭気の強度、質、尿臭気発生までの時間等を近似的に再現できる観点から、臭気成分としてフェノール化合物の発生部を特定できるものが好ましく、このためβ-グルクロニダーゼあるいはアリールサルファターゼ活性を検出できるものが好ましく、更にはβ-グルクロニダーゼ活性を検出できるものが特に好ましい。
β-グルクロニダーゼは、臭気成分前駆体として尿中に含まれる各種フェノール類のグルクロン酸抱合体を加水分解し、フェノール、p-クレゾール、4-ビニル-2-メトキシフェノール、4-ビニルフェノール、2-メトキシ-1,3-ベンゼンジオール、1,4-ベンゼンジオール、1,3-ベンゼンジオール等のフェノール系臭気成分を生じさせる。また、アリールサルファターゼは臭気成分前駆体として尿中に含まれる各種フェノール類の硫酸抱合体を加水分解し、フェノール、p-クレゾール、4-ビニル-2-メトキシフェノール、4-ビニルフェノール、2-メトキシ-1,3-ベンゼンジオール、1,3-ベンゼンジオール等のフェノール系臭気成分を生じさせる。
<グリコシダーゼ活性検出試薬>
本発明に用いられるグリコシダーゼ活性検出試薬は、酵素反応後に水に難溶の色素化合物又は蛍光色素化合物を生じる酵素基質型のグリコシダーゼ活性検出試薬であって、グリコシダーゼ活性を視覚的に検出できるものであれば特に限定されない。
酵素反応後に水に難溶の色素化合物又は蛍光色素化合物を生じるグリコシダーゼ活性検出試薬としては、例えば、フェノールフタレイン等のフェノール系酸塩基指示薬、5-ブロモ-4-クロロ-3-ヒドロキシインドール、5-ブロモ-6-クロロ-3-ヒドロキシインドール、6-クロロ-3-ヒドロキシインドール、3-ヒドロキシインドール等のヒドロキシインドール類縁体、4-メチルウンベリフェロン等のウンベリフェロン類縁体をアグリコン(非糖部分)とするグリコシド化合物を挙げることができる。
本発明で使用するグリコシダーゼ活性検出試薬は、上述のアグリコンと糖とがβ-D-グリコシド結合により結合したグリコシド化合物がより好ましい。
更に、発色のpH安定性の観点からヒドロキシインドール類縁体のグリコシド化合物、ウンベリフェロン類縁体のグリコシド化合物が好ましく、また、これらのうち、酵素反応により生じる化合物が可視領域に吸収を持つ色素化合物であり、これが水に特に難溶でもある観点から、ヒドロキシインドール類縁体のグリコシド化合物が特に好ましい。
これらのグリコシダーゼ活性検出試薬は糖部位の違いにより、種々のグリコシダーゼ活性を検出するものであり、例えば、グルコース、グルクロン酸、マンノース、ガラクトース、フルクトース、フコース、ラムノース、アラビノース、キシロースを糖部位として有するものを挙げることができる。この中でも尿臭関連微生物酵素の検出性の観点からグルコース、グルクロン酸、ガラクトースが前述のアグリコンと結合したものが好ましく、更にこれらの中でも尿臭気発生との関わりからグルクロン酸と前述のアグリコンのβ-D-グリコシド結合により成る化合物、即ちβ-グルクロニダーゼ活性検出試薬が特に好ましい。
このようなものとして具体的には、ヒドロキシインドール類縁体のグルクロン酸化化合物として5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニド、5-ブロモ-6-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニド、6-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニド、インドキシル-β-D-グルクロニドを、ウンベリフェロン類縁体のグルクロン酸化化合物としては4-メチルウンベリフェリル-β-D-グルクロニドを挙げることができる。
また、これらのうち、酵素反応により生じる化合物が可視領域に吸収を持つ色素化合物であり、これが水に特に難溶でもある観点から、ヒドロキシインドール類縁体のグルクロン酸化化合物、即ち、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニド、5-ブロモ-6-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニド、6-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニド、インドキシル-β-D-グルクロニドがより好ましく、以上の中でも色素化合物の尿色とのコントラスト、発色の安定性及び価格の観点から5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニドが特に好ましい。
<サルファターゼ活性検出試薬>
本発明に用いられるサルファターゼ活性検出試薬は、酵素反応後に水に難溶の色素化合物又は蛍光色素化合物を生じる酵素基質型のサルファターゼ活性検出試薬であって、サルファターゼ活性を視覚的に検出できるものであれば特に限定されない。また、尿臭気発生との関わりからアリールサルファターゼ活性検出試薬がより好ましい。
以下、本発明において用いられるアリールサルファターゼ活性検出試薬について詳述するが、本発明において用いられるアリールサルファターゼ活性検出試薬は上述のような性状を有するものであれば特に限定されない。
本発明において用いられるアリールサルファターゼ活性検出試薬としてはヒドロキシインドール類縁体の硫酸化化合物、ウンベリフェロン類縁体の硫酸化化合物を挙げることができる。
この中でも、ヒドロキシインドール類縁体の硫酸化化合物としては5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルサルフェイト、インドキシルサルフェイトを、ウンベリフェロン類縁体の硫酸化化合物としては4-メチルウンベリフェリルサルフェイトを、それぞれ好適に用いることができる。
また、これらのうち、酵素反応により生じる化合物が可視領域に吸収を持つ色素化合物であって、これが水に特に難溶でもある観点から、ヒドロキシインドール類縁体の硫酸化化合物、即ち、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルサルフェイト、インドキシルサルフェイトがより好ましく、色素化合物の尿色とのコントラスト、発色の安定性及び価格の観点から5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルサルフェイトが特に好ましい。
<酵素活性検出試薬の量、吸収性構造体及び吸収材への配合方法>
本発明において吸収性構造体中の酵素活性検出試薬の好ましい含有量は、当該吸収性構造体である吸収性物品、当該吸収性構造体が使用される吸収性物品の吸収容量によって異なる。
具体的には、吸収性物品の吸収容量に対し、対イオンを除いた換算重量として、0.0005w/v%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.00125w/v%以上、更に好ましくは0.0025w/v%以上であり、また、0.2w/v%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.05w/v%以下、更に好ましくは0.025w/v%以下であり、例えば、0005〜0.2w/v%とすることが好ましく、より好ましくは0.00125〜0.05w/v%であり、更に好ましくは0.0025〜0.025w/v%である。
例えば、吸収性物品が吸収容量400mLの尿取りパッドであれば、1製品当りの酵素活性検出試薬の配合量は対イオンを除いた換算重量として2mg〜800mgとするのが良く、より好ましくは5mg〜200mgであり、更に好ましくは10mg〜100mgである。
吸収性物品の吸収容量は、市販の吸収性物品の包装や説明に各メーカーが定めたものが記載されている場合等、その製品について定められている値がある場合には、その値を採用することが好ましい。吸収容量が定められていないものであれば、最大吸収量を吸収容量と規定することができる。なお、吸収性物品の最大吸収量は下記のようにして測定される。
吸収性物品を20℃の生理食塩水に30分間浸漬し、30分経過後吸収性物品を引き上げ、水切りをするのに充分な大きさの網目を有する金属製のふるい上で30分間水切りを行い、水切り後の重量(g)から浸漬前の重量(g)を差し引き、この値を生理食塩水の比重(1.006g/mL:20℃)で除した値を最大吸収量とする。
また、例えば吸水性ポリマーを主たる吸収材とする吸収性物品については、吸水性ポリマー質量の30倍を吸収容量と仮定して配合量等を決めてもよい。
また、本発明において吸収性構造体は、市販の製品に限らず、市販品を模した試作品、又は製品もしくは試作品の切片であっても良い。この場合、好適な酵素活性検出試薬の量は、元となる製品と対象となる試作品又は切片の吸収容量の比が、元となる製品と対象となる試作品又は切片の面積比と等しいものとして算出されたものであることが好ましい。
また、本発明において吸収材に保持させる酵素活性検出試薬の量は、吸収材の重量に対し、対イオンを除いた換算重量として0.06〜6w/w%とするのが良く、より好ましくは0.15〜1.5w/w%であり、更に好ましくは0.3〜0.75w/w%である。
また、本発明において吸収材に保持させる酵素活性検出試薬の量は、吸収材の吸収容量に対して0005〜0.2w/v%とすることが好ましく、より好ましくは0.00125〜0.05w/v%であり、更に好ましくは0.0025〜0.025w/v%である。
本発明において酵素活性検出試薬を、吸収性物品又はその吸収性コアに含有させる方法は、結果的に、吸収性物品又はその吸収性コア内に配合される方法であればどのような方法でも構わない。また、本発明において酵素活性検出試薬を、吸収材に保持させる方法は、結果的に、吸収材に保持される方法であればどのような方法でも構わない。
例えば、酵素活性検出試薬を、これを粉体のまま吸収性物品又はその吸収性コアに配合しても良いし、吸収性物品や吸収性コアの全体により均一に配合させる目的で、これを各種溶媒に溶解あるいは分散させた液剤を含浸させた後、乾燥工程により溶媒を揮散させて配合しても良い。
また、吸水性ポリマー等の吸収材にも、溶解あるいは分散させた液剤を接触させた後、乾燥することで、吸収材にも酵素活性検出試薬を効率よく保持させることができる。
溶媒に酵素活性検出試薬を溶解、分散させた液剤を含浸させた後、乾燥させて酵素活性検出試薬を配合する場合、その液剤は、吸収性物品や吸収性コア自体に含浸させても良いし、これを構成する個々の部材、即ち吸水性ポリマー、不織布、パルプ、台紙等それぞれに液剤を含浸させ、これら部材を用いて物品を作製しても良い。
また、上述のように乾燥工程を必要とする場合、使用する溶媒は、揮発性を有する有機溶剤又は水であることが好ましい。また、揮発性の有機溶剤の中でも水溶性を有するものが好ましく、たとえばメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、アセトニトリル等を挙げることができる。これらの有機溶剤および水は単独で用いても良いし、任意の割合で混合して用いても良い。
また、さらには必要に応じて種々の界面活性剤、酸化防止剤、pH調整剤、油剤、有機溶剤、金属塩、金属イオン類等を、本発明の効果を阻害しない範囲で含有し、酵素活性検出試薬と共に吸収性構造体又は吸収材に固定化しても良い。
<尿臭発生部の可視化及び特定方法>
本発明の吸収性構造体又は吸収材を用いて、吸収性構造体等における尿臭発生部を特定するには、吸収性構造体としての吸収性物品や吸収性コア、吸収材を含む尿臭発生部を特定したい対象物等に、例えば、下記の成分1〜4より選ばれる何れか一以上を含有する液剤を添加することが好ましい。また、本液剤は必要に応じて水、生理食塩水、各種pH調整剤を含む緩衝液等の水溶液あるいはこれらの混合液で希釈して用いても良い。
成分1:酵素活性検出試薬に作用し色素化合物又は蛍光色素化合物を生じる酵素
成分2:酵素活性検出試薬に作用し色素化合物又は蛍光色素化合物を生じる酵素を有する細菌その他の微生物
成分3:ヒト又は動物の尿
成分4:酵素あるいは微生物の賦活剤
成分4の酵素あるいは微生物の賦活剤は微生物の増殖を促し、あるいは酵素反応を円滑に進ませる目的で用いられるものである。本賦活剤はこの目的に適うものであればどのようなものでも良いが、具体的には肉エキス、酵母エキス、カゼイン分解物、アミノ酸、糖、多糖、ビタミン、無機塩類及びpH調整剤等より選ばれる成分、あるいはこれら成分を含むSCD培地、ミュラーヒントン培地、LB培地等の汎用の栄養培地が好ましい。
本発明の吸収性構造体又は吸収材に対し、成分1〜4より選ばれる何れか一以上を含有する液剤を添加し、上記の酵素が働く適宜の温度、好ましくはその酵素の最適温度付近の温度に所定時間維持することにより、酵素活性検出試薬から水に難溶の色素化合物又は蛍光色素化合物が生じて発色する。そのとき、発色した部位、特に発色が強い部位は、臭気成分前駆体を分解して臭気成分を生じる酵素の酵素活性が高い部位であるため、実際に使用した場合においても尿臭が発生し易い尿臭発生部である。
このように、本発明の吸収性構造体又は吸収材によれば、尿臭発生部を簡便且つ容易に視覚的に特定することができる。
本発明の吸収性構造体である吸収性物品やその吸収性コアは、尿臭生成抑制効果に優れた吸収性物品を開発する際、あるいは尿臭生成抑制効果に優れた吸収性物品であることを消費者等に視覚的にアピールする際に有用であり、また、一般消費者が使用する市販品や該市販品に組み込む吸収性コアとすることもできる。例えば、部位が特定された尿臭発生部に、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、酵素阻害剤を優先的に配合すれば、尿臭生成抑制効果に優れた吸収性物品とすることができ、また、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、酵素阻害剤の量や部位を変更しつつ、視覚的に特定された尿臭発生部の変化を観察すれば、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、酵素阻害剤の好ましい配合量や配合部位を容易に決定できる。また、本発明の吸収材も、吸収性物品やその吸収性コア等の尿臭発生部を特定したい対象物に分散配置することにより、当該対象物の尿臭発生部を簡便且つ客観的に特定することができる。
また、上述の用途に応じて、成分1〜4の好適な組合せは異なる。
本発明の吸収性構造体又は吸収材は尿の有無に関わらず試薬の呈色によって尿臭発生部を模擬的に示すことができる点にも特徴を有するものであり、たとえば微生物や尿を含むサンプルが好まれない場面においては、成分1を含んで成る液剤を適用することが好ましく、必要に応じてさらに成分4を含んでも良い。
また、製品の実使用調査等においてこれを用いる場合、使用者あるいはペット等の排尿行為によって成分3が適用される。また、このとき酵素反応は製品の使用時に使用者から移行した微生物あるいは環境に常在の微生物等に由来する酵素よって進行させることが可能である。
一方、より再現性良く酵素反応を行いたい場合や、対象が新品の製品、素材等、無菌あるいはほとんどの微生物が除去された状態となっている場合においては、成分1あるいは成分2を含んで成る液剤を適用することが好ましく、より好ましくはさらに成分3及び/あるいは成分4、特には成分3を含んで成る液剤を適用することが好ましい。また、このとき再現性の観点から、成分3は除菌されたものであることが好ましい。
参考例1 酵素活性検出試薬の選択
図3に示すように、吸水性ポリマー0.03gに表1に示す組成の酵素活性検出試薬又は臭気感色性指示薬を含有する各液剤300μLを吸収させ、これを更に、1.5mL容マイクロテストチューブ内において間にパルプ層を挟み3層に積層させた。この中央の層にのみ、臭気発生のイニシエーターとなる酵素、あるいは細菌を添加し、37℃恒温槽中で72時間臭気発生を行い、色の変化を観察した。この結果を表2及び図4に示す。表2には、発色性、尿色に対するコントラスト、尿臭発生部の特定の正確さについて、4名のパネルが以下の基準に基づき、協議によって判定した結果を示す。
<発色性>
a:強く発色する。
b:やや強く発色する。
c:発色が弱い。
d:発色しない。
<尿色に対するコントラスト>
a:尿と色素化合物の色のコントラストが強い。
b:尿と色素化合物の色のコントラストがやや強い。
c:尿と色素化合物の色のコントラストが弱い。
d:尿と色素化合物の色の区別がつかない。
−:発色不良(発色性:d)のため、評価不能。
<臭気発生部の特定の正確さ>
a:尿臭の発生した位置が明確にわかる。
b:尿臭が発生した位置がわかる。
c:尿臭が発生した位置がやや不明確である。
d:尿臭が発生した位置が不明確である。
−:発色不良(発色性:d)のため、評価不能。
この結果から明らかなように、本発明で用いる水に難溶の色素化合物を生じる酵素基質型の酵素活性検出試薬を含有する液剤を吸収させたサンプル(参考例1-1〜1-7)は酵素、細菌のどちらをイニシエーターとして用いた場合にも中央の層のみで明瞭な色の変化が観察され、臭気発生部の明確な特定に成功した。これに対し臭気感色性指示薬を含有した比較例1-3及び酵素反応後の色素化合物が水溶性(4-ニトロフェノール水溶解度 11.6g/L(20℃))である比較例1-1では色の変化は見られたが、発色部位が拡散してしまい臭気発生部の特定には至らなかった。また比較例1-2、1-4のように、いくつかの臭気感色性指示薬は吸水性ポリマー中では指示薬として機能しなかった。
実施例1 尿取りパッドにおける尿臭発生部の可視化
(1)吸収体切片の調製
市販の尿取りパッドの構成を模倣して尿取りパッドを作製し、その中央部に近い位置から5.5cm四方を切り出し、この吸収体切片を以下の評価に供した。なお、このとき参照した市販尿取りパッドの吸収容量に基づいて算出した吸収体切片の吸収容量はおよそ18mLである。
(2)吸収体切片への酵素活性検出試薬の配合
エタノールに対し、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニドを200ppm(w/v)溶解させることにより、酵素活性検出試薬を含有する液剤を調製した。得られた液剤12.5mLを前記(1)の吸収体切片に均一に含浸させ、電気乾燥機中で重量が変化しなくなるまで乾燥させた。
<尿臭発生部の可視化の検証試験>
(3)β-グルクロニダーゼ活性菌株の採取
使用済み(排尿のみ)の幼児用の使い捨ておむつから、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニドを添加したSCDLP寒天平板培地(日本製薬株式会社製)を用いて常法によりβ-グルクロニダーゼ活性菌株の採取、分離を行った。これら菌株を除菌尿中で培養したところ臭気の発生が確認され、この中でも特に強い臭気を発生させた菌株を本実施例におけるβ-グルクロニダーゼ活性菌株として用いた。また本菌株は16S rDNA部分塩基配列解析によって大腸菌に帰属されるものであることを確認した。
(4)菌添加尿の調製
(3)に記載のβ-グルクロニダーゼ活性菌株をSCD寒天平板培地上で一晩培養し、得られたコロニーから一部を滅菌ループによってかき取り、除菌済み生理食塩水中に希釈してCFU/mLで104オーダーとなるように菌液を調製した。採取後すぐにナルゲン社製フィルターユニットにより除菌を行ったヒト除菌尿に、調製した菌液を1v/v%添加混合し、菌添加尿を調製した。
(5)酵素反応及び尿臭発生部の可視化
前記(1)で調製した吸収体切片に上面(図5)から、前記(4)で調製した菌添加尿を12.5mL滴下し、30℃恒温槽中において24時間静置した。
(6)専門パネルによる官能評価
このサンプルについて、初期、及び24時間後の臭気強度評価を行った。臭気強度評価には臭気判定士の資格を有する2名の専門パネルが携わり、0〜5の評価スコアによる6段階臭気強度表示法に準じて行った。即ち評価スコアは、「0」無臭、「1」やっと感知できるニオイ、「2」尿臭であることわかるが弱いニオイ、「3」楽に尿臭であると感じられるニオイ、「4」強い尿臭、「5」強烈な尿臭を示す。臭気強度の判定は0.5刻みで行い、2名の評価の平均値について、小数点以下の数値が、0.25である場合は0.5とし、0.75である場合は整数に切り上げた。
図6には(5)で得られた初期及び24時間後のサンプルの画像及び画像下には(6)で行った臭気強度評価値を示した。この結果は臭気判定士2名が行った官能評価の結果と非常に良く一致した。
本結果により本発明の吸収性物品により尿臭発生部を簡便に可視化できることが示された。
実施例2 使い捨ておむつの調製
エタノールに対し、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニドを200ppm(w/v)溶解させることにより液剤を調製した。市販大人用使い捨ておむつ(リリーフ モレ安心・肌さらさらパンツ(尿吸収容量750mL))に本液剤450mLを均一に含浸させ、電気乾燥機中で重量が変化しなくなるまで乾燥させた。
実施例3 吸水性ポリマーの調製
メタノールに対し、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニドを2000ppm(w/v)溶解させることにより液剤を調製した。ナスフラスコ中で本液剤24mLと吸水性ポリマー8gを混合し、ロータリーエバポレーターによりメタノールを減圧留去した。
実施例4 軽失禁パッドの調製
実施例3で調製した吸水性ポリマー3gを他の部材(不織布、パルプ、台紙)と組み合わせて市販軽失禁パッド(中量用、尿吸収容量80mL)の構成を模倣した軽失禁パッドを作製した。
実施例2で調製した使い捨ておむつ及び実施例4で調製した軽失禁パッドのそれぞれについて、その中央部に近い位置から5.5cm四方を切り出した。これに対して、前記(4)で調製した菌添加尿を12.5mL滴下し、30℃恒温槽中において24時間静置した。
このサンプルについて図5に示した観察面を観察したところ、共に酵素反応に伴う臭気発生源の可視化に成功した。
実施例5
メタノールに対し、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルサルフェイトを200ppm(w/v)溶解させることにより、アリールサルファターゼ活性検出試薬を含有する液剤を調製した。得られた液剤12.5mLを実施例1の前記(1)と同様にして調製した吸収体切片に均一に含浸させ、ドラフトチャンバー内で重量が変化しなくなるまで乾燥させた。この切片に対して、アリールサルファターゼType VI(シグマ社より購入)を0.1M リン酸カリウム緩衝液(pH7.1)で希釈して0.04 units/mLとした酵素液12.5mLを滴下し、30℃恒温槽中において24時間静置した。
このサンプルについて図5に示した観察面を観察したところ、酵素反応に伴う青色の呈色反応が確認された。この結果から、アリールサルファターゼ活性検出試薬を用いた場合にも尿臭発生部を簡便に可視化できることが示された。
1 吸収性物品(吸収性構造体)
2 表面シート
3 防漏シート
4 吸収性コア
42 パルプ繊維(繊維材料)
43 吸水性ポリマー
44,45 コアラップシート

Claims (11)

  1. 臭気成分前駆体を分解して臭気成分を生じる酵素による酵素反応によって水に難溶の色素化合物又は蛍光色素化合物を生じる酵素基質型の酵素活性検出試薬を含有する吸収性構造体。
  2. 前記吸収性構造体が、吸収性物品又は該吸収性物品の吸収性コアである、請求項1記載の吸収性構造体。
  3. 前記吸収性物品が、軽失禁パッド、尿取りパッド、使い捨ておむつ、パンティーライナー、生理用ナプキン、タンポン、ペット用トイレ、又はペット用尿吸収シートである、請求項2記載の吸収性構造体。
  4. 前記吸収性構造体に含まれる前記酵素活性検出試薬の量が、前記吸収性物品の吸収容量に対して0.0005〜0.2w/v%である請求項2又は3記載の吸収性構造体。
  5. 酵素活性検出試薬が、グリコシダーゼ活性検出試薬及びサルファターゼ活性検出試薬より選ばれる1以上である請求項1〜5の何れか1項記載の吸収性構造体。
  6. 前記グリコシダーゼ活性検出試薬がβ-グルクロニダーゼ活性検出試薬であり、前記サルファターゼ活性検出試薬がアリールサルファターゼ活性検出試薬である請求項5記載の吸収性構造体。
  7. 前記β-グルクロニダーゼ活性検出試薬が、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニド、5-ブロモ-6-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニド、6-クロロ-3-インドリル-β-D-グルクロニド、インドキシル-β-D-グルクロニド、4-メチルウンベリフェリル-β-D-グルクロニドより選ばれるものであり、アリールサルファターゼ活性検出試薬が、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルサルフェイト、インドキシルサルフェイト、4-メチルウンベリフェリルサルフェイトより選ばれるものである請求項6記載の吸収性構造体。
  8. 前記酵素活性検出試薬が、吸収性物品の吸収性コアの全体に均一に分布している請求項2〜7のいずれか1項記載の吸収性構造体。
  9. 臭気成分前駆体を分解して臭気成分を生じる酵素による酵素反応によって水に難溶の色素化合物又は蛍光色素化合物を生じる酵素基質型の酵素活性検出試薬を保持する吸収材。
  10. 前記吸収材が保持する前記酵素活性検出試薬の量が、該吸収材の重量に対して0.06〜6w/w%である請求項9記載の吸収材。
  11. 前記吸収材が保持する前記酵素活性検出試薬の量が、該吸収材の吸収容量に対して0.0005〜0.2w/v%である請求項9記載の吸収材。
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