JP3891708B2 - 動物の排泄物用処理材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動物、特にペット等の小動物の排泄物用処理剤に関する。更に詳しくは、パルプ系の粒状物基材を用いる、猫や犬等のペットの排泄物を速やかに吸収固化して、簡便に効率よく処理でき、かつ軽くて持ち運びやすい、改良された小動物の排泄物用処理剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ペットの排泄物の処理は、通常砂、クレー、ゼオライト、ベントナイト等の鉱物質粉粒体に排泄物を吸収させることにより行われてきた。しかしながら、これらの処理材は、水分の吸収速度が遅いために処理材表面に残存する未吸収の尿がペットの毛や足に付着して部屋やその周囲を汚したり、濡れてべとべとの状態になった鉱物質粉粒体が、ペットの毛や足に付着し、ペットが歩きまわるとき足に付着した粉体又は粉粒体をまき散らして住居環境を汚す問題があった。その上、これらの鉱物質の処理材は、一般にその重量が重いため、運搬の取扱いが容易でない難点があった。
これらの問題や難点を解決するものとして、近年、パルプ粒状物の表面にアニオン系高吸水性ポリマーを付着させた動物の排泄物用処理材や、製紙カスとポリアクリル酸ソーダの高吸水性ポリマーとを混合したものの造粒物からなる動物の排泄物用処理材が知られている。また、古紙のスラッジの造粒成形品を排泄物用処理材の基材とするものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のパルプを用いた排泄物用処理材では、ペットの尿の吸収速度が遅く、また吸収後の処理材は全く固化しないため、使用後の処理が煩雑であった。パルプ粒状物の表面に高吸水性ポリマーを付着させたものは、尿などを吸収してその表面だけが吸収体になってしまい、尿はパルプの内部まで浸透と吸収が行われない。従って排泄物用処理材の吸収効率は悪かった。更にアニオン系高吸水性ポリマーを基材のパルプ粒状物に被覆して製造する場合、加熱乾燥工程中において吸水性ポリマーが脱落することがあった。
また、アニオン系高吸水性ポリマーは、蒸留水に対して1000倍程度の高い吸水性を示すものであるが、生理食塩水及び海水などのような塩濃度の水溶液に対してイオンの影響を受けて吸水性が30倍以下まで低下することが知られている。この塩濃度に関しては、最近猫などのペットが人間の食事と同じものを食することもあり、猫の尿中の塩濃度が高くなる傾向にあるからなおさら問題である。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、軽い材質の主材とすることからなり、かつ塩類の濃度にも影響されない吸水性ポリマーであって、ペットの尿を速やかに吸収することができ、固化して処理がしやすい動物の排泄物用処理材を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、吸収性が高い材料として各種吸水性ポリマーを調べ、かつその高い吸水性を保持する排泄後に処理材の塊が硬く固化されるものであり、かつ軽くて処理がしやすい基材との組合せを検討したところ、古紙のスラッジとクレー又はベントナイトを含む粒状物基材の表面に、ノニオン系吸水性ポリマーのポリN−ビニルアセトアミド(PNVA)の粉末を被覆したものが吸収性の高い材料として優れており、焼却処理が可能な軽量の優れた動物の排泄物用処理材を得ることができることを見いだし、それを基礎として本発明を完成するに到った。
【0005】
すなわち、本発明は、次の構成とすることにより前記課題を解決することができた。
(1)古紙のスラッジに成形助材のクレー又はベントナイトを添加して造粒した粒状物基材の表面にノニオン系吸水性ポリマーを被覆したものからなることを特徴とする動物の排泄物用処理材。
(2)前記粒状物基材が炭酸カルシウムを含有することを特徴とする前記(1)記載の動物の排泄物用処理材。
(3)前記ノニオン系吸水性ポリマーが、ポリN−ビニルアセトアミド系ポリマーであることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の動物の排泄物用処理材。
(4)嵩密度が0.4〜0.6g/cm3 であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項記載の動物の排泄物用処理材。
(5)前記ノニオン系吸水性ポリマーの添加量が、前記粒状物基材100重量%に対して1〜50重量%であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項記載の動物の排泄物用処理材。
(6)前記ノニオン系吸水性ポリマーの脱落防止用コーティング助剤として、セルロース短繊維状の粉末及びカルボキシメチルセルロースを添加混合されたものであることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項記載の動物の排泄物用処理材。
(7)前記ノニオン系吸水性ポリマーの脱落防止用コーティング助剤として、ポリエチレングリコールを添加混合されたものであることを特徴とする前記(6)記載の動物の排泄物用処理材。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において用いる粒状物基材とは、新聞、雑誌等の古紙のスラッジに成形助材としてクレー又はベントナイトを加えて、パン型造粒機などで球状などに造粒成形されたものである。この古紙のスラッジは、鉱物質であるクレー、ベントナイト及びゼオライトの造粒物と同様に粒径、嵩密度、着色、その他の物理性を調節することが可能である。
粒状物基材の組成としては、古紙のスラッジが55〜70重量%、クレー又はベントナイトが30〜45重量%が好ましく、成分に炭酸カルシウムを添加する場合には、古紙のスラッジが50〜60重量%、クレー又はベントナイトが30〜35重量%、炭酸カルシウムが10〜15重量%であることが好ましい。
【0007】
本発明においては、この粒状物基材としては、粒径が1〜20mm、好ましくは3〜10mmであり、嵩密度が0.5〜0.7g/cm3 、好ましくは0.6g/cm3 前後であって、古紙のスラッジを用いることによりこのように軽くすることができる。
粒状物基材単独から構成したペット用処理材は、ほこりが立たなく、住居環境と人の健康に優しい、焼却ができる環境保全型の処理材である。しかし、ペットの尿の吸収速度が遅く、排泄物吸収後の処理材は全く固化しないため掬い取って処理できない不便さと、使用後に新しいものと入れ換える必要があって、処理材の費用が嵩み不経済であるという問題点があった。
【0008】
本発明において、前記粒状物基材を被覆するために用いるノニオン系吸水性ポリマーとしては、塩水を吸収する場合、塩の濃度に影響されない50倍程度の安定した吸収性を示すものであれば、特に限定されることなく使用できる。ノニオン系吸水性ポリマーは、ポリビニルアルコール系(PVA)、ポリエチレンオキシド系、ポリN−ビニルアセトアミド系などを挙げることができるが、特にポリN−ビニルアセトアミド系は塩水の吸収性が安定して優れるのでより好ましい。このポリN−ビニルアセトアミド系吸水性ポリマー(PNVA)のなかでも、好適な具体例としては、昭和電工株式会社製、商品名NA−150F、NA−010を挙げることができる。
本発明において、ノニオン系吸水性ポリマーの添加量は、通常前記粒状物基材100重量%に対して1〜50重量%,好ましくは5〜30重量%である。この場合1重量%より少ないとペットの尿の吸収速度が遅くなって、尿を吸収した際、塊状物になり難い。一方、50重量%を越えると、ノニオン系吸水性ポリマーが粒状物基材の表面から脱落してしまうという問題がある。
これに対し、アニオン系高吸水性ポリマーでは、ノニオン系吸水性ポリマーより少ない添加量30重量%程度でも製造の際、乾燥工程中に造粒物の表面からアニオン系高吸水性ポリマーの脱落が増える。特に、100℃以上の加熱乾燥により脱落しやすい。
【0009】
好ましいノニオン系吸水性ポリマーのPNVAの粉末としては、平均粒径100〜200ミクロンの粉末を挙げることができるが、50ミクロン以上のものであれば支障なく使用できる。しかしながら、平均粒径が300ミクロンを越えると、ペットの尿の吸水速度が遅くなり、排泄物用処理材を通過してペットのトイレ容器の底を汚すという問題が生じる。
【0010】
粒状物基材の表面にPNVAの被覆あるいは添着を可能にし、また速やかに吸収させるために、短繊維状のセルロース粉末を助剤として用いるのが良い。
このセルロース粉末については、分子量が10万〜25万の水溶性セルロース系ポリマーのカルボキシメチルセルロース(CMC)で結着させて造粒成形する技術を開発した。CMCは、カルボキシメチル基置換度DS(以下「DS」という)が0.4〜1.4、重合度Nが50以上であるものが好ましい。DSが0.4以下では、粒状物基材の表面に被覆されたCMCの接着率が劣って脱落を生じやすい。またDSが1.4を超えると、吸湿性が増大することから空気中の水分を吸収して被覆物体同士がブロック化を起こしやすい。ブロック化は吸収能を低下させて猫砂の性状の安定性確保の他に取扱い上においても問題となる。この点から、特にDSは0.5〜1.0であることが好ましい。
【0011】
分子量が10万以上のCMCの水溶液は粘度が高く接着力も高いことから粒状物基材表面に吸水性ポリマーを添着させる重要な要素になっている。
CMCは水に接触しても直ちに溶けないが、吸水性ポリマーよりも速やかに水を吸収する。セルロース粉末が存在すると吸収速度はさらに加速される。排尿に接触し尿を吸収した粒状物はやがてCMCが溶けて本来の粘着力を増して粒状物がくっついた塊状を形成する。
従って、分子量は15万以上のものが好ましい。重合度Nは50より少ないと猫砂に成形したものに尿がかかった場合、吸収してブロック化が劣る。
粒状物基材表面にPNVAとセルロース粉末を結着させて吸水後に生ずる粘着性を高めるために、配合する高粘度のCMCの添加量は、基材の重量に対して1〜15重量%、好ましくは10重量%前後である。15重量%以上では基材表面に膜の形成が強くなり、それによって排泄物用処理材の尿の吸収率が低下する。
【0012】
粒状物基材の表面にPNVAを被覆する際に、ブロッキングの防止または尿の速やかな吸収の助剤として機能させる短繊維状のセルロース粉末の平均繊維長は、通常50〜2000ミクロン、好ましくは100〜1000ミクロン、さらに好ましくは200〜700ミクロンである。
平均繊維長が50ミクロンより小さいとPNVAが脱落したり、またセルロース粉末自体が脱落する場合がある。2000ミクロンを越えると、PNVAとセルロース粉末が不均一な混合状態になりそれぞれが分離したり、または粒状物基材表面への十分均一な添着が困難となる。
短繊維状のセルロース粉末添加量は、粒状物基材の重量に対して5〜15重量%が好ましく、15重量%を越えると尿を吸収したときの粘着性が低下してペットの尿を吸収した塊の強度が低下する。5重量%以下にするとブロッキングの防止が劣り、流動性が低下して作業性が低下する。ブロッキング防止剤は他にカオリン、炭酸カルシウム、タルクなどの鉱物質を挙げることができる。
【0013】
排泄物用処理材に被覆されたPNVAは、100℃以上の加熱乾燥で脱落しやすい欠点がある。
そこで、この基材にPNVAをより強固に付着させるためにポリエチレングリコール(PEG)を使用することが好ましい。PEGは、PNVA自身に対して全く吸収せず、造粒時の流動性を改善する親水性の物質であり、かつ室温で固体である物性のものあり、50℃以上の温度で液状になるPEGを添加することによりPNVAなどの脱落を防止する効果がある。室温で液状のPEGの平均分子量MW(以下「MW」という)200〜600のものを使用することも可能であるが、通常PEGのMWは、1000〜20000のものを使用することがよい。好ましくは、PEGのMWは3000〜8000である。添加量は、粒状物基材に対して1〜10重量%、好ましくは5重量%前後である。1重量%以下では脱落防止と流動性の改善はあまり期待できず、10重量%を越えると脱落防止と流動性は優れるが、排泄物用処理材の尿の吸収性を低下させることになる。
【0014】
PNVAなどを被覆する際のバインダーとしては、通常水を使用する。必要に応じてCMC、PVA、PEG、グリセリン、エチレングリコールなどをバインダー効果を得るために添加することができる。添加する方法としては、水溶液にしてスプレーする。添加する液の量は粒状物基材以外の組成物によっても異なるが、通常は全組成物に対して10〜50重量%、好ましくは30〜40重量%である。加液量が多すぎると造粒物の表面に添着されたPNVAが、膨潤してゲル状となるため造粒物同士がブロッキングし、全体は団子状の塊となるので後処理が困難となる。逆に加液量が少なすぎると十分に接着できず、被覆の造粒は十分に行えなくなる。
【0015】
本発明の排泄物用処理材には、必要に応じて、消臭剤、芳香剤、殺虫剤、昆虫幼若ホルモン、防かび剤、防腐剤、抗菌剤、着色剤、猫が好むマタタビのようなもの、嵩密度を調節するため鉱物質の増量剤などを各々0.01〜10重量%添加させることができる。これらは、本発明の排泄物用処理材中に存在していればよく、予め造粒の際に添加してもよい。
本発明の排泄物用処理材は、嵩密度が0.4〜0.6g/cm3 、好ましくは0.5g/cm3 前後であり、平均粒径は1〜20mm、好ましくは3〜10mmである。
本発明の排泄物用処理材は、全体の嵩密度が0.5g/cm3 前後に調整されているので、運搬などの取扱いが容易になるほか、それ自体は飛び散り難く、ペットの猫などの掻き出しにより周囲に飛び散ることを抑制できる。
【0016】
本発明の排泄物用処理材を製造するためには、粒状物基材をナウターミキサー、リボンミキサー、万能ミキサー、モルタルミキサーなどの混合装置に入れ、攪拌しながらバインダーとして少量の水を均一に加えて湿らす程度にする。バインダーの中に必要に応じてCMC、PVA、PEG、グリセリン、エチレングリコールなどを添加してもよい。
予めPNVA、セルロース粉末、CMC、PEGを前記の混合ミキサーで均一に混合して置いたものを、バインダーで湿らした基材に加えて前記の混合ミキサーまたはパン型コーティング機中で混合することによりPNVAを基材表面にむらなく強力に自己接着させることができる。
これらの成形された造粒物は、100〜110℃で30分加熱乾燥することにより、PNVAが脱落せず球形の硬い強度を持つ、所望とする嵩密度の排泄物用処理材が得られる。
【0017】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、排泄物用処理材の物理的性質についても検討を行った。
【0018】
実施例
実施例においては、下記の実験を行い、比較例及び市販品と比較した。
第1表は、この実験に使用した排泄物用処理材の試料の成分配合表である。なお、市販の代表品としてはA社製のものを使用し、これを市販品Aと表示する。市販品Aは、アニオン系高吸水性ポリマーとパルプを使用するものであるが、分析していないためその他の組成が不明であるので、第1表にはその組成を記載しなかった。第1表では、基材の粒状物基材の重量を100としたときの重量比で他の成分の重量を表している。また、以下の試験評価項目について、その結果を第2表において物理性状の度合いを肉眼観察による印象で示しているが、これらはいずれもトイレ用処理材の猫砂として使用されることを想定したものである。
【0019】
(試験方法)
(1)吸収率(%)
網状のものを底部に設けた目盛付き容積650mlのステンレス製円筒形容器(内径90×深さ100mm)中に排泄物用処理材を、350ml入れて平らにならした。人工尿50mlを、ビュウレットを用いて処理材の表面の中央部に約1cmの高さから滴下した。底部の網を通過した人工尿の量を測定し、次式により吸収率を求めた。
吸収率(%)=〔(50−W)/50〕×100
ただし、W:吸収されずに網を通過した人工尿の重量(g)
なお、人工尿は、生理用食塩水で代用した。。
【0020】
(2)吸収後塊の強度(kgf)
吸収率の測定の場合と同じ操作を行って、得られた試料の団塊状になったものが壊れるまでの強度をプッシュプルゲージで測定した。
(3)成形乾燥粒の強度(kgf)
プッシュプルゲージを用いて粒の形状が割れるまでの硬さを測定した。
(4)嵩密度(g/cm3 )
試料を体積100cm3 のスチール製容器に入れ、試料が密になるように底部を弾性のない硬いゴムシート上で10〜20回たたき、試料が100cm3 以上に加えられない時の重量を測定した。
各々の測定結果は第3表に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
注) 1:粒状物基材(4/8) は、粒状物基材4 〜8mesh の粒径を示す。
2:セルロース繊維50は、セルロース繊維の粉末度が50mesh通過の粒度を示す。
セルロース繊維100 は、セルロース繊維の粉末度が100mesh 通過の粒度を示す。
商品名、KC- フロック(日本製紙株式会社製)
3:PNVA-A( ノニオン系) は、商品名 NA-150F、粉末(昭和電工株式会社製)、
PNVA-B( ノニオン系) は、商品名 NA-010 、粉末(昭和電工株式会社製)
4:SAP(アニオン系) は、商品名、サンフレッシュST-100MPS 、粉末(三洋化成工業株式会社製)
5:CMC(高粘度)は、商品名、F30MC-U 、粉末(日本製紙株式会社製)
6:CMC(0.8%溶液) は、商品名、APP-84の水溶液(日本製紙株式会社製)
7:PEG400またはPEG6000 は、工業品グレード(日本油脂株式会社製)
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
本発明の動物の排泄物用処理材は、粒状物基材100重量%に対して、PNVAを30重量%以上添加したものは、加液量(CMCの0.8%水溶液)を多くすると、吸水性ポリマーの添加量が増えるにつれて吸水膨潤してゴム状の塊状物を形成し、混合による被覆造粒は困難となった。PNVAの添加量30重量%に対して、加液量の36重量%は適量であるが、PNVAの添加量30重量%以上では加液量も増える。
【0026】
しかし、PNVAを30重量%以上添加すると、排泄物用処理材の吸水性は著しく向上するが、反面乾燥した成形物からPNVAの脱落が認められる。本発明の粒状物基材表面に被覆されるPNVAは、一般に100℃以上で加熱乾燥した場合脱落することもある。その傾向は、吸水後膨潤してゲル状になるデンプンとポリアクリル酸塩のグラフト重合体のアニオン系ポリマーの方が顕著であった(第2表の比較例1及び2)。
液状のPEG400および固形状のPEG6000を各々配合成分中に5〜10重量%添加することにより、乾燥した成形物から吸水性ポリマーの脱落防止を著しく向上させるとともに、流動性が増して造粒成形時の作業性も向上することができた。
【0027】
炭酸カルシウムを短繊維状のセルロース粉末と併用することにより、造粒成形時のブロッキング防止作用が向上する。セルロース繊維や炭酸カルシウムは水に接触すると、炭酸カルシウム自体が膨張して濡れ易くなる。乾燥後の処理材に多量の尿の排泄物がかかると、PNVAが水分を吸収して膨潤することにより粘性を呈して尿の処理材の塊を形成する。ただし、空気中の水分だけでは、ブロッキング防止材が粒状物表面から脱落することがないので、ブロッキングは生じなくなる。
空気中の水分を吸収して粘性を呈しても、その表面にあるセルロースパウダーや炭酸カルシウムが水分を速やかに吸収して、処理材同士はブロックキングすることもなく、また固化することもない。一方、ペットの尿が処理材の表面にかかり吸収されると、PNVAが吸水して膨潤するのに伴い粘性を生じて、セルロース繊維や炭酸カルシウムに邪魔されずにCMCの添着により処理材同士が強固に結着し、尿を含んだままで塊を形成する。炭酸カルシウムの添加量は、粒状物基材の重量に対して重量%で10重量%までである。10重量%以上の場合、大量の尿により流されやすく、また嵩密度の重さに影響を及ぼしやすい。
【0028】
【発明の効果】
本発明の排泄物用処理材は、それ自体が消臭性を持つ粒状物基材を核にして、その表面にノニオン系吸水性ポリマーの粉末を被覆した構成になっているので、ペットの尿を速やかに吸収し、排泄後に処理材の塊が硬く固化され、軽いため処理がしやすい。また、燃えるゴミとして焼却が可能である。更に製造過程に際して、加熱乾燥時に吸水性ポリマーの基材からの脱落がない。
また、本発明の排泄物用処理材は、動物の排泄物が塩濃度の異なったものであっても、安定した吸収機能を有する。
Claims (7)
- 古紙のスラッジに成形助材のクレー又はベントナイトを添加して造粒した粒状物基材の表面にノニオン系吸水性ポリマーを被覆したものからなることを特徴とする動物の排泄物用処理材。
- 前記粒状物基材が炭酸カルシウムを含有することを特徴とする請求項1記載の動物の排泄物用処理材。
- 前記ノニオン系吸水性ポリマーが、ポリN−ビニルアセトアミド系ポリマーであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の動物の排泄物用処理材。
- 嵩密度が0.4〜0.6g/cm3 であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の動物の排泄物用処理材。
- 前記ノニオン系吸水性ポリマーの添加量が、前記粒状物基材100重量%に対して1〜50重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の動物の排泄物用処理材。
- 前記ノニオン系吸水性ポリマーの脱落防止用コーティング助剤として、セルロース短繊維状の粉末及びカルボキシメチルセルロースを添加混合されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の動物の排泄物用処理材。
- 前記ノニオン系吸水性ポリマーの脱落防止用コーティング助剤として、ポリエチレングリコールを添加混合されたものであることを特徴とする請求項6記載の動物の排泄物用処理材。
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