JP2002051554A - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

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JP2002051554A
JP2002051554A JP2000235263A JP2000235263A JP2002051554A JP 2002051554 A JP2002051554 A JP 2002051554A JP 2000235263 A JP2000235263 A JP 2000235263A JP 2000235263 A JP2000235263 A JP 2000235263A JP 2002051554 A JP2002051554 A JP 2002051554A
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JP
Japan
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voltage
winding
circuit
resonance
transformer
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JP2000235263A
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English (en)
Inventor
Masayuki Yasumura
昌之 安村
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇圧トランスから出力される直流高電圧の定
電圧化を図ること。 【解決手段】 複合共振形としてのスイッチング電源回
路を構成している絶縁コンバータトランスPITの二次
側から出力される負の共振電圧V2を、直列共振コンデ
ンサC3を介して昇圧トランスHVTの一次側に対して
入力したうえで、制御回路2によって、昇圧トランスH
VTの一次巻線N4に対して、その被制御巻線NRが直列
に接続されている直交形制御トランスPRT−2のイン
ダクタンスLRを可変制御することで、高圧発生回路4
から出力される直流高電圧EHVの定電圧化を図るように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば高解像度と
される大型のカラーテレビジョン受像機や、プロジェク
タ装置等に適用して好適なスイッチング電源回路に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】陰極線管(CRT:Cathode-ray Tube)
を備えた映像機器の内、例えば高解像度のテレビジョン
受像機や、高品位のテレビジョン放送(HDTV;High
Definition Television)に対応したテレビジョン受像
機(以下、「HDテレビ」という)、プロジェクタ装置
などにおいては、高解像度を実現するために、水平同期
周波数が通常のテレビジョン受像機の2倍の周波数(3
1.5KHz)とされる。また、例えば陰極線管(以
下、「CRT」という)のアノード電極に供給する高圧
は30KV以上、そのビーム電流は2mA以上とされ
る。
【0003】ところで、上記したような高解像度のテレ
ビジョン受像機においては、水平帰線期間に生成される
フライバックパルス電圧を利用して、CRTのアノード
電極に供給する高圧を生成すると、フライバックパルス
電圧のパルス幅が通常のテレビジョン受像機に比べて狭
くなるため、例えばCRTのビーム電流が零になると、
CRTのアノードに供給する高圧が変動するという不具
合が生じる。
【0004】そこで、上記したようなテレビジョン受像
機の電源回路としては、フライバックトランスの前段に
高圧レギュレータ回路を挿入するなどして、フライバッ
クトランスの一次側に入力する入力電圧レベルを、その
二次側から出力される高圧レベルに応じて可変制御する
ことで、高圧レベルの定電圧化を図るようにしたものが
ある。
【0005】図11は、上記したような高解像度のテレ
ビジョン受像機等に備えられているる従来の電源回路の
構成を示した図である。この図11において、スイッチ
ング電源10は、入力された直流電圧のスイッチングを
行い、所定の直流電圧レベルに変換して出力するDC−
DCコンバータであり、図示しないが例えば電流共振形
のスイッチング電源回路等によって構成される。
【0006】スイッチング電源10の前段には、全波整
流方式のブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサCi
から成る整流平滑回路が設けられ、この整流平滑回路に
より商用交流電源(交流入力電圧VAC)を整流平滑する
ことで直流電圧Eiを得て、この直流電圧Eiがスイッ
チング電源10に対して入力される。これにより、スイ
ッチング電源10からは、少なくとも、所定の電圧レベ
ルとされた直流出力電圧EO1が出力される。この直流出
力電圧EO1は、テレビジョン受像機の水平偏向回路を駆
動するための駆動電圧とされる。
【0007】スイッチング電源10の二次側には、平滑
コンデンサCO1と、破線で囲って示した高圧レギュレー
タ回路20が設けられている。平滑コンデンサCO1は、
スイッチング電源10の出力を平滑して直流出力電圧E
O1を得る。高圧レギュレータ回路20は、PWM(Puls
e Width Modulation)制御方式の降圧形のチョッパー回
路であり、例えばMOS−FETからなるスイッチング
素子Q11、フライホイールダイオードD11、チョークコ
イルCH、及び平滑コンデンサCO11によって構成され
る。この場合、スイッチング素子Q11のゲートは、後述
するスイッチング駆動部30のドライブ回路14に接続
され、そのドレインはスイッチング電源10の二次側出
力端子(直流出力電圧EO1)に接続される。また、その
ソースはチョークコイルCHを介して高圧発生回路40
に備えられているフライバックトランスFBTの一次巻
線N11の巻始端部に対して接続される。またフライホイ
ールダイオードD11は、図示するような向きでスイッチ
ング素子Q11のソースと二次側アース間に接続され、平
滑コンデンサCO11はチョークコイルCHとフライバッ
クトランスFBTの一次巻線N11との接続ラインに接続
される。このような構成とされる高圧レギュレータ回路
20は、スイッチング素子Q11のスイッチング動作に応
じて、入力される直流出力電圧EO1を所定レベルの直流
出力電圧EO11に降圧して出力する。
【0008】フライバックトランスFBTは、一次側の
入力を昇圧して二次側に伝送する。フライバックトラン
スFBTの一次側に設けられている一次側巻線N11は、
その巻始端部が上述した高圧レギュレータ回路20の平
滑コンデンサCO11の正極に接続され、その巻終端部が
スイッチング素子Q12のコレクタに接続される。スイッ
チング素子Q12は、例えばIGBT(Insulated Gate B
ipolar Transistor)等によって構成されており、その
ベースはスイッチング駆動部30のドライブ回路15と
接続されている。また、そのコレクタ−エミッタ間には
ダンパーダイオードD12と並列共振コンデンサCr11が
それぞれ並列に接続されている。
【0009】つまり、この図11に示す電源回路におい
ては、スイッチング電源10の二次側に、高圧レギュレ
ータ回路20を介して、フライバックトランスFBTの
一次巻線N11、スイッチング素子Q12、ダンパーダイオ
ードD12、並列共振コンデンサCr11からなる電圧共振
形コンバータが接続されている。
【0010】破線で囲って示したスイッチング駆動部3
0の同期回路11は、入力される水平同期信号fH(3
1.5KHz)に同期した同期信号を出力する。発振回
路12は、同期回路11からの同期信号に基づいて発振
動作を行い、発振動作により生成される発振信号をPW
M回路13及びドライブ回路15に出力する。PWM回
路13は、発振回路12からの発振信号、及び後述する
制御回路1からの制御信号に基づいて、パルス幅変調し
た変調信号をドライブ回路14に出力する。ドライブ回
路14は、PWM回路13からの変調信号をドライブ電
圧に変換してスイッチング素子Q11のゲートに対して出
力する。ドライブ回路15は、発振回路12から発振信
号が入力されており、この発振信号を変換したドライブ
電流をスイッチング素子Q12に出力する。
【0011】従って、スイッチング素子Q11は、PWM
回路13にて生成される変調信号に基づいたスイッチン
グ動作を行い、スイッチング素子Q12は、発振回路12
において生成された発振信号に基づいたスイッチング動
作を行っていることになる。
【0012】フライバックトランスFBTの二次側に
は、5組の昇圧巻線NHV11,NHV12,NHV13,NHV14,
NHV15が分割されて巻装されている。この場合、一次側
巻線N11に対する各昇圧巻線NHV11〜NHV15の極性(巻
方向)は逆極性となるように巻装されている。各昇圧巻
線NHV11〜NHV15の巻終端部には、高圧整流ダイオード
DHV11,DHV12,DHV13,DHV14,DHV15の各アノード
が接続されている。そして、高圧整流ダイオードDHV11
のカソードが、平滑コンデンサCOHVの正極端子に接続
され、高圧整流ダイオードDHV12〜DHV15の各カソード
が、それぞれ昇圧巻線NHV11〜NHV14の巻始端部が接続
されている。即ち、この図に示すフライバックトランス
FBTの二次側には、5組の半波整流回路を直列に接続
した、いわゆるマルチシングラー方式の半波整流回路が
形成されていることになる。
【0013】従って、フライバックトランスFBTの二
次側では、これら5組の半波整流回路が昇圧巻線NHV11
〜NHV15に誘起された電流を整流して平滑コンデンサC
HVに対して充電するという動作が行われ、平滑コンデン
サCOHVの両端には、各昇圧巻線NHV11〜NHV15に誘起
される誘起電圧の5倍に対応するレベルの直流電圧が得
られることになる。そして、この平滑コンデンサCOHV
の両端に得られた直流高電圧EHVがアノード電圧とし
て、例えばCRTのアノード電極に供給される。なお、
この場合、各昇圧巻線NHV11〜NHV15には6KVに昇圧
された誘起電圧が得られ、直流高電圧EHVとしては30
KVの高電圧が得られる。
【0014】また、高圧整流ダイオードDHV14のカソー
ドと二次側アースとの間には、平滑コンデンサCOFVが
挿入されており、この平滑コンデンサCOFVの両端に得
られる直流出力電圧EFVがフォーカス電圧として、CR
Tの例えば第4グリッド(フォーカス電極)に供給され
る。
【0015】さらに高圧整流ダイオードDHV11のカソー
ドと、昇圧巻線NHV15の巻始端部(二次側アース)との
間には、抵抗R1,R2を直列に接続した直列回路が設け
られており、この直列回路により分圧された電圧が直流
高電圧EHVの検出電圧として制御回路1に入力される。
【0016】制御回路1は、高圧発生回路40の二次側
から出力される直流高電圧EHVのレベル変化に応じた制
御電流若しくは制御電圧を制御信号としてPWM回路1
3に対して出力する。このように、スイッチング駆動部
30は、高圧発生回路40から出力される二次側直流高
電圧EHVの電圧レベルに応じて変化させたドライブ電圧
を高圧レギュレータ回路20のスイッチング素子Q11に
対して供給し、スイッチング素子Q11のオン/オフ期間
を制御することで、高圧レギュレータ回路20からは直
流高電圧EHVの電圧レベルに応じた直流出力電圧EO11
が出力される。そして、この直流出力電圧EO11をフラ
イバックトランスFBTの一次側に形成されている電圧
共振形コンバータの入力電圧とすることで、フライバッ
クトランスFBTの二次側から出力される直流高電圧E
HVの安定化を図るようにしている。
【0017】ここで、高圧発生回路40から例えば30
KVの直流高電圧EHVが得られるように、図11に示し
た電源回路を実際に構成する場合は、フライバックトラ
ンスFBTの一次巻線N11=70T(ターン)、各昇圧
巻線NHV11〜NHV15=462T、並列共振コンデンサC
r11=0.01μF、平滑コンデンサCOHV=2000
PF、平滑コンデンサCOFV=220PF、抵抗R1=1
GΩが選定される。
【0018】上記図11に示した電源回路の動作波形を
図12に示す。この図12(a)〜(d)には、例えば
交流入力電圧VACが100Vで、高圧発生回路40の高
圧負荷が最大負荷電力Pomax=60W(IHV=2m
A)とされる条件での動作波形が示され、図2(e)〜
図2(h)には、例えば高圧発生回路40の高圧負荷が
最小負荷電力Pomin=0W(IHV=0mA)とされ
る条件での動作波形が示されている。
【0019】高圧発生回路40の高圧負荷が最大負荷電
力とされる時は、スイッチング素子Q11のオン/オフ期
間TON1/TOFF1が28.5μs/3.3μsに制御さ
れ、スイッチング素子Q11のドレイン−ソース間電圧V
11は、図12(a)のように示される。また、スイッチ
ング素子Q11を流れるドレイン電流I11は、図12
(b)のように示される。この時、高圧レギュレータ回
路20の平滑コンデンサCO11に発生する直流出力電圧
EO11は、図12(c)に示すように、その電圧が例え
ば121Vとなっている。
【0020】一方、スイッチング素子Q12のオン/オフ
期間TON2/TOFF2は、26.25μs/5.5μsに
制御され、スイッチング素子Q12には、図12(d)に
示すような波形のコレクタ電流I12が流れる。そして、
スイッチング素子Q12がオフとされる期間TOFF2におい
て、並列共振コンデンサCr11の両端には、図12
(c)に示すようなフライバックパルス電圧(共振パル
ス電圧)が発生することになる。
【0021】これに対して、高圧発生回路40の高圧負
荷が最小負荷電力(無負荷)とされる時は、スイッチン
グ素子Q11のオン/オフ期間TON1/TOFF1が26μs
/5.8μsに制御され、スイッチング素子Q11のドレ
イン−ソース間電圧V11は、図12(e)のように示さ
れる。また、スイッチング素子Q11を流れるドレイン電
流I11は、図12(f)のように示される。この時、高
圧レギュレータ回路20の平滑コンデンサCO11に発生
する直流出力電圧EO11は、図12(g)に示すよう
に、その電圧レベルが例えば111Vとなり、図12
(c)に示した最大負荷電力時の直流出力電圧EO11
(121V)より低い電圧レベルとなる。即ち、これら
の図1から高圧レギュレータ回路20は、高圧発生回路
40の高圧負荷によって、スイッチング素子Q11のオン
/オフ期間が変化しており、これに伴って出力される直
流出力電圧EO11の電圧レベルが変化していることが分
かる。
【0022】一方、スイッチング素子Q12のオン/オフ
期間TON2/TOFF2は、26.25μs/5.5μsの
ままとされ、並列共振コンデンサCr11の両端に発生す
るフライバックパルス電圧は、図12(g)に示すよう
な波形となり、スイッチング素子Q12を流れるコレクタ
電流I12は、図12(h)に示すようになる。
【0023】上記図11に示した電源回路の高圧発生回
路40から出力されるビーム電流IHVの変化に対する直
流高電圧EHVと、直流出力電圧EO1、EO11の変動の様
子を図13(a)に示す。この図13(a)から、高圧
発生回路40から出力されるビーム電流IHVが0mA〜
2mAの範囲で変動した場合は、高圧レギュレータ回路
20の出力である直流出力電圧EO11の電圧レベルだけ
がビーム電流IHVの変化に応じて変動し、直流出力電圧
EO1の電圧レベルと直流高電圧EHVの電圧レベルはほぼ
一定のレベルに保たれることが分かる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図11に示
した電源回路においては、スイッチング電源10、高圧
レギュレータ回路20、及び高圧発生回路40におい
て、それぞれ電力変換を行っているため、総合的な電力
変換効率が低下するという欠点がある。例えばスイッチ
ング電源10のAC/DC変換効率(ηAC−DC)は、約
90%とされ、また高圧レギュレータ回路20の電圧変
換効率(ηDC−DC)は、約95%とされる。また、高圧
発生回路40では、直流高電圧EHVに対応した検出電圧
を得るための抵抗R1における電力損失やフォーカス電
圧EFVを得るためのフォーカス回路における電力損失、
高圧整流ダイオードDHV11〜DHV15における電力損失、
及びスイッチング素子Q12のスイッチング損失等によっ
て、その電力変換効率特性は、例えば図13(b)のよ
うに示され、高圧発生回路40の高圧有効負荷電力PHV
が60W(EHV=30KV,IHV=2mA)の時では電
力変換効率(ηDC−DC)が約82%とされる。従って、
上記図11に示した電源回路の60W時における総合的
な電力変換効率ηは、約70.1%とされ、例えば60
Wの高圧負荷電力PHVを得るには、約85.6Wの交流
入力電力Pinが必要になるため、図11に示した電源回
路では約25.6Wの電力損失が発生していることにな
る。
【0025】また、図11に示した電源回路は、高圧レ
ギュレータ回路20を設ける必要があるため、その分、
部品点数が増加し、回路構成が複雑になると共に、部品
をマウントする際の面積が増大するなどの欠点があっ
た。また、比較的高価なスイッチング素子とダイオード
素子が2組ずつ必要になるため、部品材料費が大幅に高
くなるという欠点もあった。
【0026】また、高圧レギュレータ回路20のスイッ
チング動作は図12(a),(d)に示されているよう
に矩形波形とされることから、スイッチング素子Q11に
おいてスイッチングノイズが発生し、図11に示した電
源回路を実際のテレビジョン受像機に備える場合はノイ
ズを抑制するために何らかの対策を施す必要があった。
【0027】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明のスイッ
チング電源回路は、上記した課題を考慮して以下のよう
に構成する。つまり、入力された直流入力電圧を断続し
て出力するためのスイッチング素子を備えて形成される
スイッチング手段と、スイッチング手段の動作を電圧共
振形とする一次側並列共振回路が形成されるようにして
備えられる一次側並列共振コンデンサと、一次側の出力
を二次側に伝送するために設けられ、一次側には一次側
巻線が巻回され、二次側には、少なくとも第1の二次側
巻線の部分と、この第1の二次側巻線に対して巻き上げ
るように形成した第2の二次側巻線の部分とを有する二
次側巻線が巻回されると共に、一次側巻線と二次側巻線
とについては疎結合とされる所要の結合度が得られるよ
うにされた絶縁コンバータトランスと、二次側巻線に対
して二次側並列共振コンデンサを並列に接続することで
形成される二次側並列共振回路とを備える。そして、二
次側並列共振回路を含んで形成され、二次側巻線から得
られる交番電圧の正期間の電圧について半波整流動作を
行うことで、直流出力電圧を得るように構成された直流
出力電圧生成手段と、直流出力電圧レベルに応じて、ス
イッチング素子のスイッチング周波数を可変制御すると
共に、スイッチング周期内のオフ期間を一定としたうえ
で、オン期間を可変するようにしてスイッチング素子を
スイッチング駆動することで、定電圧制御を行うように
される第1の定電圧制御手段とを備える。そしてさら
に、一次側に入力される共振電圧を二次側に伝送するこ
とで、二次側から共振電圧を昇圧した昇圧電圧を得るよ
うにされた昇圧トランスと、昇圧トランスの一次側動作
を共振動作とするために、少なくとも昇圧トランスの一
次側巻線に対して直列共振コンデンサを直列に接続して
形成され、二次側並列共振回路から得られる共振電圧
を、略正弦波状の共振電圧として昇圧トランスの一次側
に発生させる直列共振回路と、昇圧トランスの二次側に
得られる昇圧電圧について整流動作を行うことで、昇圧
電圧のほぼ2倍に対応する直流高電圧を得るように構成
された直流高電圧生成手段と、直流高電圧レベルに応じ
て、直流高電圧の定電圧制御を行うようにされる第2の
定電圧制御手段とを備えるようにした。
【0028】即ち、本発明は、複合共振形としてのスイ
ッチング電源回路を構成している絶縁コンバータトラン
スの二次側に設けられている二次側並列共振回路から得
られる共振電圧を、直列共振回路により略正弦波状の共
振電圧としてフライバックトランスの一次側に発生させ
たうえで、フライバックトランスの二次側から所定の昇
圧電圧を得るようにする。そして、第2の定電圧制御手
段により、直流高電圧生成手段から出力される直流高電
圧の定電圧化を図ることで、高圧負荷変動に伴う直流高
電圧の変動を抑制するようにしている。
【0029】
【発明の実施の形態】図1の回路図は、本発明の実施の
形態としてのスイッチング電源回路の構成を示した図で
ある。この図に示す電源回路は、一次側に電圧共振形コ
ンバータを備えると共に、二次側に並列共振回路を備え
る複合共振形スイッチングコンバータとしての構成を採
る。この図1に示す電源回路には、先ず、商用交流電源
(交流入力電圧VAC)を入力して直流入力電圧を得るた
めの整流平滑回路として、ブリッジ整流回路Di及び平
滑コンデンサCiから成る全波整流平滑回路が備えら
れ、交流入力電圧VACの1倍のレベルに対応する整流平
滑電圧(直流入力電圧)Eiを生成するようにされる。
【0030】上記直流入力電圧Eiを入力して断続する
スイッチングコンバータは、一石のスイッチング素子Q
1を備えて、いわゆるシングルエンド方式で自励式によ
りスイッチング動作を行う電圧共振形コンバータを備え
て構成される。この場合、スイッチング素子Q1には、
高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接合型トラ
ンジスタ)が用いられている。
【0031】スイッチング素子Q1のベースは、電流制
限抵抗RB、起動抵抗RSを介して平滑コンデンサCiの
正極側と接続され、そのエミッタは一次側アースに接地
される。また、スイッチング素子Q1のベースと一次側
アース間には、駆動巻線NB、共振コンデンサCB、ベー
ス電流制限抵抗RBの直列接続回路よりなる自励発振駆
動用の直列共振回路が接続される。また、スイッチング
素子Q1のベースと平滑コンデンサCiの負極(1次側
アース)間に挿入されるクランプダイオードDD1によ
り、スイッチング素子Q1のオフ時に流れるクランプ電
流の経路を形成するようにされる。スイッチング素子Q
1のコレクタは、絶縁コンバータトランスPITの一次
側に形成されている一次側巻線N1の一端と接続され、
そのエミッタは接地される。
【0032】上記スイッチング素子Q1のコレクタ−エ
ミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCr1が並列
に接続されている。この並列共振コンデンサCr1は、
自身のキャパシタンスと、一次側巻線N1側のリーケー
ジインダクタンスL1とにより電圧共振形コンバータの
一次側並列共振回路を形成する。そして、ここでは詳し
い説明を省略するが、スイッチング素子Q1のオフ時に
は、この一次側並列共振回路の作用によって共振コンデ
ンサCr1の両端に発生する両端電圧V1は、実際には正
弦波状のパルス波形となって電圧共振形の動作が得られ
るようにされる。
【0033】直交形制御トランスPRT−1は、共振電
流検出巻線ND、駆動巻線NB、及び制御巻線NC1が巻装
された可飽和リアクトルである。この直交形制御トラン
スPRT−1は、スイッチング素子Q1を駆動すると共
に、定電圧制御のために設けられる。この直交形制御ト
ランスPRT−1の構造としては、図示は省略するが、
4本の磁脚を有する2つのダブルコの字形コアの互いの
磁脚の端部を接合するようにして立体型コアを形成す
る。そして、この立体型コアの所定の2本の磁脚に対し
て、同じ巻回方向に共振電流検出巻線ND、駆動巻線NB
を巻装し、更に制御巻線NC1を、上記共振電流検出巻線
ND及び駆動巻線NBに対して直交する方向に巻装するよ
うにして構成される。
【0034】この場合、直交形制御トランスPRT−1
の共振電流検出巻線NDは、平滑コンデンサCiの正極
と一次側巻線N1との間に直列に挿入されることで、ス
イッチング素子Q1のスイッチング出力は、一次側巻線
N1を介して共振電流検出巻線NDに伝達される。直交形
制御トランスPRT−1においては、共振電流検出巻線
NDに得られたスイッチング出力がトランス結合を介し
て駆動巻線NBに誘起されることで、駆動巻線NBにはド
ライブ電圧としての交番電圧が発生する。このドライブ
電圧は、自励発振駆動回路を形成する直列共振回路(N
B,CB)からベース電流制限抵抗RBを介して、ドライ
ブ電流としてスイッチング素子Q1のベースに出力され
る。これにより、スイッチング素子Q1は、直列共振回
路の共振周波数により決定されるスイッチング周波数で
スイッチング動作を行うことになる。
【0035】絶縁コンバータトランス(Power Isolation
Transformer)PITは、スイッチング素子Q1のスイッ
チング出力を二次側に伝送する。絶縁コンバータトラン
スPITの構造としては、図9に示すように、例えばフ
ェライト材によるE型コアCR1、CR2を互いの磁脚
が対向するように組み合わせたEE型コアが備えられ、
このEE型コアの中央磁脚に対して、分割ボビンBを利
用して一次側巻線N1と、二次側巻線N2がそれぞれ分割
された状態で巻装される。そして、中央磁脚に対しては
図のようにギャップGを形成するようにしている。これ
によって、所要の結合係数による疎結合が得られる。ギ
ャップGは、E型コアCR1,CR2の中央磁脚を、2
本の外磁脚よりも短くすることで形成することが出来
る。また、結合係数kとしては、例えばk≒0.85と
いう疎結合の状態を得るようにしており、その分、飽和
状態が得られにくいようにしている。
【0036】ところで、絶縁コンバータトランスPIT
の二次側動作としては、一次側巻線N1、二次側巻線N2
の極性(巻方向)と整流ダイオードDOの接続関係、及
び二次側巻線に励起される交番電圧の極性変化によっ
て、一次側巻線N1のインダクタンスL1と二次側巻線N
2のインダクタンスL2との相互インダクタンスMについ
て、+Mの動作モード(加極性モード;フォワード動
作)となる場合と、−Mの動作モード(減極性モード;
フライバック動作)となる場合がある。例えば、図10
(a)に示す回路と等価となる場合に相互インダクタン
スは+Mとなり、図10(b)に示す回路と等価となる
場合に相互インダクタンスは−Mとなる。なお、図1に
示す電源回路においては、絶縁コンバータトランスPI
Tの一次側巻線N1と二次側巻線N2,N3の極性が+M
の動作モードとなる期間において、整流ダイオードDO
1、DO3を介して平滑コンデンサCO1、CO3の充電動作
が行われるものとされる。
【0037】絶縁コンバータトランスPITの一次側巻
線N1の巻始端部は、図1に示すようにスイッチング素
子Q1のコレクタに接続され、その巻終端部は共振電流
検出巻線NDの直列接続を介して平滑コンデンサCiの
正極に接続されている。また、その二次側には、第1の
二次側巻線とされる二次巻線N2と、この二次巻線N2の
巻終端部を巻き上げるようにして形成した第2の二次側
巻線とされる三次巻線N3が設けられている。そして、
この二次巻線N2と三次巻線N3とからなる二次側巻線
(N2+N3)に対して、二次側並列共振コンデンサC2
を並列に接続するようにしている。
【0038】この場合、二次巻線N2の巻始端部は二次
側アースに接続され、その巻終端部は整流ダイオードD
O1のアノードに接続される。そして、この整流ダイオー
ドDO1と平滑コンデンサCO1から成る半波整流平滑回路
によって、110V〜140Vの水平偏向用の直流出力
電圧EO1(例えば135V)を得るようにしている。
【0039】また、二次巻線N2の所要位置にはタップ
が設けられており、このタップには整流ダイオードDO2
のアノードを接続するようにしている。そして、この整
流ダイオードDO2と平滑コンデンサCO2から成る半波整
流平滑回路によって、信号系回路用の直流出力電圧EO2
(15V)を得るようにしている。
【0040】さらに、絶縁コンバータトランスPITの
二次側においては、二次巻線N2に巻き上げた三次巻線
N3の巻終端部を、整流ダイオードDO3のアノードと接
続することで、この整流ダイオードDO3と平滑コンデン
サCO3から成る半波整流回路によって、映像出力回路用
の直流出力電圧EO3(200V)を得るようにしている
が、図1に示す電源回路では、平滑コンデンサCO3の負
極側を平滑コンデンサCO1の正極側に接続することで、
平滑コンデンサCO1−CO3の直列接続回路の両端から映
像出力回路用の直流出力電圧EO3を得るようにしてい
る。即ち、図1に示す電源回路では、映像出力回路用の
直流出力電圧EO3を得るために、平滑コンデンサCO1の
両端に発生する直流出力電圧EO1に、平滑コンデンサC
O3の両端に発生する直流出力電圧を積み上げる、つまり
二次巻線N2から得られる直流出力電圧EO1と、三次巻
線N3から得られる直流出力電圧を重畳することで直流
出力電圧EO3を得るようにしている。このため、三次巻
線N3、整流ダイオードDO3及び平滑コンデンサCO3か
らなる整流平滑回路の構成としては、直流出力電圧EO3
(200V)から、直流出力電圧EO1(110V〜14
0V)を引いた90V〜60Vの直流出力電圧を得るこ
とができればよい構成とされる。なお、図示していない
が、垂直偏向回路用の直流出力電圧(±15V)やヒー
タ用の直流出力電圧(6.3V)等を絶縁コンバータト
ランスPITの二次側から得るように構成することも可
能とされる。
【0041】この場合、二次巻線N2と三次巻線N3とか
らなる二次側巻線(N2+N3)に対しては、二次側並列
共振コンデンサC2が並列に接続されることで、二次側
巻線(N2+N3)のリーケージインダクタンス(L2+
L3)と、二次側並列共振コンデンサC2のキャパシタン
スとによって二次側並列共振回路が形成され、二次巻線
N2及び三次巻線N3に誘起される交番電圧は共振電圧と
なり、絶縁コンバータトランスPITの二次側において
電圧共振動作が得られる。
【0042】即ち、図1に示す電源回路では、一次側に
はスイッチング動作を電圧共振形とするための並列共振
回路が備えられ、二次側には電圧共振動作を得るための
並列共振回路が備えられる。なお、本明細書では、この
ように一次側及び二次側に対して共振回路が備えられて
動作する構成のスイッチングコンバータについては、
「複合共振形スイッチングコンバータ」ともいうことに
する。なお、このような複合共振形スイッチングコンバ
ータとしての構成は、先に図9にて説明したように、絶
縁コンバータトランスPITに対してギャップGを形成
して所要の結合係数による疎結合としたことによって、
更に飽和状態となりにくい状態を得たことで実現される
ものである。例えば、絶縁コンバータトランスPITに
対してギャップGが設けられない場合には、フライバッ
ク動作時において絶縁コンバータトランスPITが飽和
状態となって動作が異常となる可能性が高く、二次側の
整流動作が適正に行われるのを望むのは難しい。
【0043】上記した直流出力電圧EO1は制御回路1に
対しても分岐して入力される。制御回路1は、例えば誤
差増幅器等によって構成されており、絶縁コンバータト
ランスPITの二次側から出力される直流出力電圧レベ
ルEO1の変化に応じて、直交型制御トランスPRT−1
の制御巻線NC1に流す制御電流(直流電流)レベルを可
変することで、直交形制御トランスPRT−1に巻装さ
れた駆動巻線NBのインダクタンスLBを可変制御する。
これにより、駆動巻線NBのインダクタンスLBを含んで
形成されるスイッチング素子Q1のための自励発振駆動
回路内の直列共振回路の共振条件が変化し、スイッチン
グ素子Q1のスイッチング周波数を可変する動作とな
る。この動作によって絶縁コンバータトランスPITの
二次側から出力される直流出力電圧の安定化が図られ
る。なお、制御回路1に対しては直流出力電圧EO3を分
岐入力して直流出力電圧の定電圧化を図るようにしても
良い。
【0044】図1に示した電源回路のように、駆動巻線
NBのインダクタンスLBを可変制御する直交形制御トラ
ンスPRT−1が設けられる場合、スイッチング周波数
を可変するのにあたり、スイッチング素子Q1がオフと
なる期間TOFFを一定としたうえで、オンとなる期間TO
Nを可変制御するようにされる。つまり、図1に示す電
源回路では、定電圧制御動作として、スイッチング周波
数を可変制御することで、スイッチング出力に対する共
振インピーダンス制御を行い、これと同時に、スイッチ
ング周期におけるスイッチング素子Q1の導通角制御
(PWM制御)も行っているものと見ることが出来る。
そして、この複合的な制御動作を1組の制御回路系によ
って実現している。なお、本明細書では、このような複
合的な制御を「複合制御方式」ともいう。
【0045】さらに、図1に示した電源回路において
は、二次側並列共振コンデンサC2と並列に、直列共振
コンデンサC3、昇圧トランスHVTの一次巻線N4、直
交形制御トランスPRT−2の被制御巻線(主巻線)N
Rの直列接続からなる直列共振回路が設けられている。
つまり、図1に示す電源回路は、二次側並列共振コンデ
ンサC2に対して、絶縁コンバータトランスPITの二
次側巻線(N2+N3)と、直列共振コンデンサC3−一
次側巻線N4−被制御巻線NRからなる直列共振回路が、
それぞれ並列に接続されていることになる。
【0046】このような構成とされる電源回路において
は、絶縁コンバータトランスPITが複合共振形スイッ
チングコンバータとして動作することによって、二次側
並列共振コンデンサC2の両端には共振パルス電圧が発
生する。そして、絶縁コンバータトランスPITがフォ
ワード動作となる正の期間に発生する正の共振パルス電
圧から直流出力電圧EO3を得ると共に、二次側並列共振
コンデンサC2に発生する共振パルス電圧を直列共振コ
ンデンサC3を介して昇圧トランスHVTの一次側巻線
N4に入力するようにしている。この場合、昇圧トラン
スHVTの一次側には、直列共振コンデンサC3−一次
側巻線N4−被制御巻線NRからなる直列共振回路が形成
されていることから、二次側並列共振コンデンサC2の
両端に発生する共振パルス電圧V2は、直流共振コンデ
ンサC3のキャパシタンスと、昇圧トランスHVTの一
次側巻線N4のインダクタンス、及び直交形制御トラン
スPRT−2の被制御巻線NRのインダクタンスLRによ
る直列共振動作によって、昇圧トランスHVTの一次巻
線N4を流れる電流I4及び一次巻線N4の両端電圧V4
が、共に略正弦波状の共振波形となる。
【0047】直交形制御トランスPRT−2は、被制御
巻線NR、及び制御巻線NC2が巻装された可飽和リアク
トルとされ、後述する高圧発生回路4から出力される直
流高電圧EHVの定電圧制御のために設けられる。直交形
制御トランスPRT−2の構造としては、図4(a)に
示すように、4本の磁脚を有する2つのダブルコの字形
コア50a,50bの互いの磁脚の端部を接合するよう
にして立体型コア(フェライトコア)50を形成する。
そして、この立体型コア50の所定の2本の磁脚に対し
て、被制御巻線NRを巻装し、更に制御巻線NC2を、上
記被制御巻線NRに対して直交する方向に巻装して構成
される。なお、この場合は、コの字形コア50a,50
bが対向する部分にはギャップGが設けられている。
【0048】このような直交形制御トランスPRT−2
は、図4(b)に示すように、制御巻線NC2を流れる制
御電流(直流電流)IC2のレベルに応じて、その被制御
巻線NRのインダクタンスLRが、例えば50μH〜10
μHの範囲で変化するものとなる。即ち、直交形制御ト
ランスPRT−2は、直流高電圧EHVの定電圧化を図る
ために、昇圧トランスHVTの一次側巻線N4との直列
に接続されている被制御巻線NRのインダクタンスを可
変制御することで、昇圧トランスHVTの一次側に形成
されている直列共振回路のインダクタンス制御を行うも
のとされる。
【0049】一点破線で囲って示した高圧発生回路4
は、昇圧トランスHVTと高圧整流回路によって構成さ
れており、昇圧トランスHVTの一次側巻線N4に発生
する共振電圧V4を昇圧して、例えばCRTのアノード
電圧レベルに対応した高電圧を生成する。
【0050】ここで、図3に昇圧トランスHVTの断面
図を示し、この図3を用いて昇圧トランスHVTの構造
を説明しておく。この図に示す昇圧トランスHVTは、
例えば2つのコの字形コアCR1,CR2の各磁脚を対
向するように組み合わせることで、角形コアCR30が
形成されている。そして、コの字形コアCR1の端部
と、コの字形コアCR2の端部とが対向する部分にはギ
ャップGが設けられている。さらに、図示するように、
角形コアCR30の一方の磁脚に対して、低圧巻線ボビ
ンLBと高圧巻線ボビンHBを取り付けることで、これ
ら低圧巻線ボビンLB及び高圧巻線ボビンHBに対し
て、それぞれ一次側巻線N4及び昇圧巻線NHVを分割し
て巻装するようにしている。この場合、低圧巻線ボビン
LBには一次側巻線N4が巻装され、高圧巻線ボビンH
Bには2組の昇圧巻線NHV1,NHV2が層間フィルムFを
挿入して巻き上げる層間巻きによって巻装されることに
なる。
【0051】なお、図1に示す電源回路では、昇圧トラ
ンスHVTの一次側巻線N4に入力される共振電圧V4
を、絶縁コンバータトランスPITの二次側から得るよ
うにしていることから、その周波数はスイッチング素子
Q1のスイッチング周波数に対応したものとされ、例え
ば数十kHz〜200kHz程度の範囲内とされる。こ
のため、本実施の形態では、昇圧トランスHVTの一次
側巻線N4にはリッツ線が用いられており、一次側巻線
N4にうず電流が発生するのを防止するようにしてい
る。
【0052】また、本実施の形態においては、昇圧トラ
ンスHVTの昇圧巻線NHVを層間巻きによって巻装した
場合が示されているが、昇圧巻線NHVの巻き方としては
層間巻きに限定されるものでなく、図示していないが例
えば高圧ボビンHBを複数の領域に分割して、各分割領
域に対して昇圧巻線NHVを巻装する、いわゆる分割巻き
によって巻装することも可能である。つまり、昇圧トラ
ンスHVTの構造としては、高圧ボビンHBに巻装され
る複数の昇圧巻線NHVが、それぞれ絶縁された状態で巻
装されれば良いものである。
【0053】図1に示す電源回路では、昇圧トランスH
VTの二次側には、例えば2組の昇圧巻線NHV1,NHV2
が分割された状態で巻装されている。この場合、一次側
巻線N4と昇圧巻線NHV1,NHV2は密結合とされ、その
極性(巻方向)が逆方向となるように巻装され、昇圧ト
ランスHVTの二次側には、各昇圧巻線NHVと一次側巻
線N4との巻線比(NHV/N4)によって昇圧した昇圧電
圧が得られることになる。そして、例えば昇圧巻線NHV
1の巻終端部が、フイルムコンデンサ或いはセラミック
コンデンサからなる高圧コンデンサCHV1の一端に接続
され、その巻始端部が高圧整流ダイオードDHV1のアノ
ードに接続されている。そして、高圧整流ダイオードD
HV1のカソードが高圧コンデンサCHV1の他端に接続され
ている。
【0054】このような接続形態では、結果的には[昇
圧巻線NHV1、高圧整流ダイオードDHV1、高圧コンデン
サCHV1]からなる倍電圧半波整流回路が形成されてい
ることになる。そして、このような倍電圧半波整流回路
の倍電圧整流動作としては次のようになる。先ず、高圧
整流ダイオードDHV3がオフとなる期間においては、高
圧整流ダイオードDHV1により整流した整流電流を高圧
コンデンサCHV1に対して充電する動作が得られる。そ
して、高圧整流ダイオードDHV3がオンとなる期間にお
いては、昇圧巻線NHV1に誘起された誘起電圧に高圧コ
ンデンサCHV1の両端電圧が加わるという動作が得られ
る。これにより、[昇圧巻線NHV1、高圧整流ダイオー
ドDHV1、高圧コンデンサCHV1]からなる倍電圧整流回
路では、昇圧巻線NHV1に誘起される誘起電圧のほぼ2
倍に対応する電圧が得られることになる。
【0055】そして、この図1に示す電源回路では、昇
圧トランスHVTの二次側に、上記[昇圧巻線NHV1、
高圧整流ダイオードDHV1、高圧コンデンサCHV1]から
なる倍電圧整流回路と、[昇圧巻線NHV2、高圧整流ダ
イオードDHV2、高圧コンデンサCHV2]とからなる2組
の倍電圧整流回路が高圧整流ダイオードDHV4を介して
直列に接続されており、これら2組の倍電圧整流回路が
整流動作を行うことにより、高圧整流ダイオードDHV
3,DHV4を介して平滑コンデンサCOHVには、各昇圧巻
線NHV1、NHV2に誘起される誘起電圧のほぼ4倍に対応
する電圧により充電されることになる。これにより、平
滑コンデンサCOHVの両端には、昇圧巻線NHV1,NHV2
の各々に得られる電圧レベルの4倍に対応する高レベル
の直流電圧(アノード電圧)EHVが得られることにな
る。
【0056】また、高圧整流ダイオードDHV4のカソー
ドと二次側アースとの間にはコンデンサCOFVが挿入さ
れており、このコンデンサCOFVの両端に得られる上記
アノード電圧EHVより低い電圧レベルの直流出力電圧
(フォーカス電圧)EFVが得られる。
【0057】さらに、高圧整流ダイオードDHV3のカソ
ードと二次側アースとの間には、抵抗R1,R2の直列接
続からなる直列回路が設けられており、この直列回路に
より分圧した電圧が制御回路2に入力される。制御回路
2もまた、例えば誤差増幅器等によって構成され、直流
高電圧EHVより得られる電圧のレベル変化に応じて、直
交形制御トランスPRT−2の制御巻線NC2に流す制御
電流(直流電流)レベルIC2を可変することで、被制御
巻線NRのインダクタンスLRを可変制御する。そして、
昇圧トランスHVTの一次側巻線N4に流れる電流I4を
可変することで、アノード電圧EHV及びフォーカス電圧
EFVの定電圧化を図るようにしている。
【0058】図1に示した電源回路を実際に構成する場
合は、絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2=
45T、三次巻線N3=22T、二次側並列共振コンデ
ンサC2=2700PF、直列共振コンデンサC3=39
00PF、昇圧トランスHVTの一次側巻線N4=28
T、昇圧巻線NHV1,NHV2=530T、平滑コンデンサ
COHV=2000PF、平滑コンデンサCOFV=220P
F、抵抗R1=1GΩが選定される。
【0059】上記図1に示した電源回路の動作波形を図
2に示す。この図2(a)〜(f)には、例えば交流入
力電圧VACが100Vで、高圧発生回路4の高圧負荷電
力が最大負荷電力Pomax=60W(IHV=2mA)
とされる条件での動作波形が示され、図2(g)〜図2
(l)には、例えば高圧発生回路4の高圧負荷電力が最
小負荷電力Pomin=0W(IHV=0mA)とされる
条件での動作波形が示されている。
【0060】高圧発生回路4の高圧負荷が最大負荷電力
とされる時は、スイッチング素子Q1のスイッチング周
波数が例えば104kHzとなるように制御され、実際
のスイッチング素子Q1のオン/オフ期間TON/TOFFと
しては6μs/3.6μsとなる。スイッチング素子Q
1のオン/オフ動作によって、並列共振コンデンサCr1
の両端に発生する共振電圧V1としては、図2(a)に
示すように、スイッチング素子Q1 がオフとなる期間T
OFFにおいて、正弦波状のパルスとなる波形が得られ、
スイッチングコンバータの動作が電圧共振形となってい
ることが分かる。またこの時、スイッチング素子Q1に
は、図2(b)に示すようなコレクタ電流ICが流れ
る。例えばスイッチング素子Q1のターンオン時には、
クランプダイオードDD1、スイッチング素子Q1のベー
ス−コレクタを介して一次側巻線N1にダンパー電流
(負方向)が流れ、このダンパー電流が流れるダンパー
期間が終了すると、コレクタ電流ICは負レベルから正
レベルの方向に急激にレベルが上昇していくことにな
る。
【0061】このような動作により、絶縁コンバータト
ランスPITの二次側巻線(N2+N3)には、図2
(d)に示すような共振電流I2が流れ、二次側並列共
振コンデンサC2に発生する電圧V2は、図2(c)に示
すように、スイッチング素子Q1がオンとなる期間は、
整流ダイオードDO1,DO3の動作によって、その電圧レ
ベルが200Vとされる正の電圧レベルとなり、スイッ
チング素子Q1がオフとなる期間TOFFにおいては、その
ピーク電圧レベルが500Vpとされる負の共振パルス
電圧となる。そして、この二次側共振コンデンサC2に
発生する共振パルス電圧が、昇圧トランスHVTの一次
側巻線N4、直交形制御トランスPRT−2の被制御巻
線NRと共に直列共振回路を形成している直列共振コン
デンサC3を介して一次側巻線N4に入力されることで、
一次側巻線N4の両端に発生する共振電圧V4は、図2
(e)に示すように、そのピーク電圧レベルが400V
pとされる共振電圧波形になると共に、一次側巻線N4
を流れる共振電流I4は、図2(f)に示すように、そ
のピーク値が2Apとされる共振電流波形となる。
【0062】一方、高圧発生回路4の高圧負荷が最小負
荷電力(無負荷)とされる時は、スイッチング素子Q1
のスイッチング周波数が例えば116kHzとなるよう
に制御され、実際のスイッチング素子Q1のオン/オフ
期間TON/TOFFとしては5μs/3.6μsとなる。
この場合、スイッチング素子Q1のオン/オフ動作によ
って、並列共振コンデンサCr1の両端に発生する共振
電圧V1としては、図2(g)に示すように、スイッチ
ング素子Q1 がオフとなる期間TOFFにおいて正弦波状
のパルスとなる波形が得られる。
【0063】このような動作により、絶縁コンバータト
ランスPITの二次側巻線(N2+N3)には、図2
(j)に示すような共振電流I2が流れ、二次側並列共
振コンデンサC2の両端に発生する電圧V2は、図2
(i)に示すようになる。そして、この二次側共振コン
デンサC2に発生する負の共振パルスが直列共振コンデ
ンサC3を介して昇圧トランスHVTの一次側巻線N4に
入力され、一次側巻線N4の両端電圧V4の波形は、図2
(k)に示すような共振波形となり、一次側巻線N4を
流れる電流I4の電流波形は、図2(l)に示すような
共振波形となる。
【0064】これら図2(a)〜(f)と、図2(g)
〜図2(l)に示した動作波形を比較すると、図1に示
した電源回路は、高圧発生回路4の高圧負荷電力が、最
大負荷電力Pomaxから最小負荷電力Pominまで
変動すると、スイッチング素子Q1のスイッチング周波
数が104kHz〜116kHzまで変化している。即
ち、図1に示す電源回路は、高圧負荷が変動した際に
は、高圧発生回路4の高圧負荷の変動に応じて、一次側
スイッチングコンバータのスイッチング周波数を可変制
御したうえで、制御回路2によって直交形制御トランス
PRT−2の被制御巻線NRのインダクタンスLRを可変
制御して、高圧発生回路4から出力されるアノード電圧
EHV及びフォーカス電圧の定電圧化を図るようにしてい
る。
【0065】このように構成される高圧発生回路4の電
力変換効率特性は、図5のように示され、例えば高圧有
効負荷電力PHVが60W(EHV=30KV,IHV=2m
A)時の電力変換効率(ηDC−DC)は約94%となる。
従って、図11に示した従来の電源回路と比較すると、
その電力変換効率(ηDC−DC)を約12%向上させるこ
とができる。またこれに伴って、総合的な電力変換効率
ηも約90.2%まで向上し、交流入力電力Pinは約6
5.5Wとなるため、図11に示した電源回路と比較す
ると、交流入力電力Pinを約20W低減することが可能
になる。
【0066】また、図11に示した従来の電源回路で
は、スイッチング電源10と高圧レギュレータ回路20
によって供給可能なピーク電力が制約を受けていたのに
対して、図1に示した本実施の形態の電源回路は、高圧
レギュレータ回路を設ける必要が無く、スイッチング電
源によってピーク電力が供給可能になるため、その供給
能力が大きいものとなる。よって、例えば図6に示すよ
うに、黒色画面を表示したCRT画面上に、白色ピーク
のウインドウ画面を表示させた場合、図11に示した従
来の電源回路では、破線で示すように白色のウインドウ
画面の画曲がりが発生するのに対して、図1に示した本
実施の形態の電源回路では、実線で示すように白色ピー
クのウインドウ画面の画曲がりを無くすことが可能にな
る。
【0067】さらに、図11に示した従来の電源回路に
設けられていた高圧レギュレータ回路20を設ける必要
がない分、部品点数の削減を図ることができる。よっ
て、回路の簡略化を図ることができると共に、部品のマ
ウント面積が縮小できるので、スイッチング電源の小型
化を図ることが可能になる。また、比較的高価なスイッ
チング素子とダイオード素子が1組でよいため、部品材
料費も低減することができる。
【0068】さらにまた、各部の動作波形は、何れも共
振波形となることから、スイッチング動作に伴って発生
するスイッチングノイズを抑制することができ、従来の
電源回路において必要であったスイッチングノイズを抑
制するための対策が不要になるという利点もある。
【0069】また、スイッチング電源回路に備えられる
昇圧トランスHVTの二次側には、2組の昇圧巻線を巻
装するだけで良いため、従来の電源回路に備えられてい
るフライバックトランスFBTに比べて、昇圧巻線の組
数を低減することができ、昇圧トランスの小型化を図る
ことが可能になる。
【0070】また、本発明の電源回路としては、図1に
示した回路構成に限定されるものでない。図7は、本発
明の第2の実施の形態とされる電源回路の構成を示した
図である。なお、図1に示す電源回路と同一部分には同
一符号を付して説明は省略する。この図7に示す電源回
路は、一次側に備えられる電圧共振形コンバータが他励
式の構成を採っており、例えば1石のMOS−FETに
よるスイッチング素子Q2が備えられる。スイッチング
素子Q2のドレインは、絶縁コンバータトランスPIT
の一次側巻線N1を介して平滑コンデンサCiの正極と
接続され、ソースは一次側アースに接続される。また、
ここでは、並列共振コンデンサCr2はドレイン−ソー
ス間に対して並列に接続される。更に、ドレイン−ソー
ス間に対しては、クランプダイオードDD2が並列に接続
されている。
【0071】上記スイッチング素子Q2は、発振・ドラ
イブ回路3によって、先に図1にて説明したスイッチン
グ動作が得られるようにスイッチング駆動される。つま
り、制御回路1では直流出力電圧EO1の変動に応じて変
動したレベルの電流又は電圧を発振・ドライブ回路3に
対して供給する。発振・ドライブ回路3では、絶縁コン
バータトランスPITの二次側から出力される直流出力
電圧の安定化が図られるように、制御回路1からの出力
レベルに応じて、その周期が可変されたスイッチング駆
動信号(電圧)をスイッチング素子Q2のゲートに対し
て出力する。これによって、スイッチング素子Q2のス
イッチング周波数が可変されるのであるが、この際にお
いては、図1においても述べたように、スイッチング素
子Q2がオフとなる期間は一定として、オンとなる期間
が可変されるべくして生成したスイッチング駆動信号を
出力するようにされる。なお、起動抵抗RSは、商用交
流電源投入時において、整流平滑ラインに得られる起動
電流を発振・ドライブ回路3に対して供給するために設
けられる。
【0072】上記ようにして形成される絶縁コンバータ
トランスPITの二次側では、二次巻線N3の巻終端部
に対して三次巻線N5(第3の二次側巻線)が巻き上げ
られており、この三次巻線N5の巻終端部が直列共振コ
ンデンサC3を介して昇圧トランスHVTの一次側巻線
N4の巻始端部に接続され、直列共振コンデンサC3、昇
圧トランスHVTの一次巻線N4、直交形制御トランス
PRT−2の被制御巻線NRからなる直列共振回路が形
成されている。
【0073】この場合も、先に説明した図1の電源回路
と同様の効果が得られると共に、さらに絶縁コンバータ
トランスPITの二次側から昇圧トランスHVTの一次
側巻線N4に入力される共振電圧V4の電圧レベルを高く
することが可能になるため、昇圧トランスHVTにおい
て昇圧する昇圧電圧レベルを、図1に示した電源回路よ
りは低く抑えることが可能になる。よって、図7に示し
た電源回路と図1に示した電源回路を比較すれば、図7
に示した電源回路のほうが、昇圧トランスHVTの各昇
圧巻線NHV1,NHV2の巻線数を低減することができ、昇
圧トランスHVTのさらなる小型化を図ることができ
る。
【0074】また、これまで説明した本実施の形態とさ
れる電源回路の二次側回路構成としては、他にも考えら
れるものである。図8はこれまで説明した本実施の形態
とされる電源回路の二次側回路の他の構成例を示した図
である。なお、この図8に示す電源回路の一次側回路構
成としては、図1に示した自励形の電圧共振コンバー
タ、或いは図7に示した他励式の電圧共振コンバータの
何れの回路構成でも良い。また、図1と同一部分には同
一符号を付して説明は省略する。
【0075】この図8に示す絶縁コンバータトランスP
ITの二次側もまた、三次巻線N3の巻終端部を巻き上
げるようにして三次巻線N5が形成されているが、この
場合、三次巻線N5の巻終端部が直接昇圧トランスHV
Tの一次巻線N4の巻始端部に接続されている。そし
て、この一次巻線N4の巻終端部に対して直列共振コン
デンサC3を直列に接続すると共に、この直列共振コン
デンサC3に対して並列にアクティブクランプ回路5を
接続するようにした点が異なっている。
【0076】この場合、アクティブクランプ回路5は、
補助スイッチング素子Q3、クランプコンデンサCCL、
クランプダイオードDD3を備えて形成される。なお、ク
ランプダイオードDD2には、例えばいわゆるボディダイ
オードが選定される。また、補助スイッチング素子Q3
を駆動するための駆動回路系として、駆動巻線Ng,コ
ンデンサCg,抵抗Rgを備えて成る。
【0077】この場合、補助スイッチング素子Q3のド
レイン−ソース間に対しては、クランプダイオードDD3
が並列に接続される。ここでは、クランプダイオードD
D3のアノードがソースに対して接続され、カソードがド
レインに対して接続される。また、補助スイッチング素
子Q3のドレインはクランプコンデンサCCLの一方の端
子と接続されて、その他方の端子は、昇圧トランスHV
Tの一次巻線N4の巻終端部と直列共振コンデンサC3と
の接続点に対して接続される。また、補助スイッチング
素子Q3のソースは二次側アースに対して接地される。
つまり、本実施の形態のアクティブクランプ回路5は、
上記補助スイッチング素子Q3//クランプダイオード
DD3の並列接続回路に対して、クランプコンデンサCCL
を直列に接続して成るものとされる。そして、このよう
にして形成される回路を直列共振コンデンサC3に対し
て並列に接続して構成されるものである。
【0078】また、補助スイッチング素子Q3の駆動回
路系としては、図示するように、補助スイッチング素子
Q3のゲートに対して、抵抗Rg−コンデンサCg−駆
動巻線Ngの直列接続回路が接続される。この直列接続
回路は補助スイッチング素子Q3のための自励発振駆動
回路を形成する。ここで駆動巻線Ngは、絶縁コンバー
タトランスPITにおいて、二次巻線N2の巻始端部側
を巻き上げるようにして形成されており、この場合の巻
数としては例えば1T(ターン)としている。これによ
り、駆動巻線Ngには、二次巻線N2に得られる交番電
圧により励起された電圧が発生する。なお、実際として
は駆動巻線Ngのターン数は1Tであればその動作は保
証されるが、これに限定されるものではない。さらに、
補助スイッチング素子Q3のゲートは制御回路2とも接
続されており、制御回路2から昇圧トランスHVTの二
次側から出力される直流高電圧EHVのレベル変化に対応
した制御電圧が入力される。
【0079】このように構成した場合は、制御回路2に
よって、アクティブクランプ回路5の補助スイッチング
素子Q3の導通角制御(PWM制御)を行うことで、直
列共振コンデンサC3のキャパシタンスを等価的に可変
することができるため、一次巻線N4と直列共振コンデ
ンサC3からなる直列共振回路の直列共振周波数を制御
することが可能になる。これにより、昇圧トランスHV
Tの一次側巻線N4に入力される共振電圧レベルを、昇
圧トランスHVTの二次側から出力される直流高電圧E
HVの電圧レベルに応じて制御することが可能になり、こ
の場合も高圧発生回路4から出力される直流高電圧EHV
の定電圧化を実現することが可能になる。
【0080】なお、この場合も三次巻線N3の巻終端部
に第3の二次側巻線とされる三次巻線N5を巻き上げ、
この三次巻線N5の巻終端部を昇圧トランスHVTの一
次側巻線N4に接続することで、一次側巻線N4に入力さ
れる共振電圧レベルを高くするようにしているため、昇
圧トランスHVTにおいて昇圧する昇圧レベルを図1に
示した電源回路に比べて低く抑えることができ、昇圧ト
ランスHVTの二次側に巻装されている昇圧巻線NHV
1,NHV2の巻線数を少なくすることができる。また、図
8に示す電源回路においては、三次巻線N3の巻終端部
に対して三次巻線N5を巻き上げるようにしているが、
もちろん三次巻線N5を巻き上げることなく、三次巻線
N3の巻終端部を昇圧トランスHVTの一次巻線N4に対
して接続するように構成することも可能である。
【0081】なお、本実施の形態においては、高圧発生
回路4において、昇圧トランスHVTの各昇圧巻線NHV
1,NHV2に誘起される誘起電圧の2倍に対応するレベル
の出力電圧を得るような倍電圧半波整流回路を直列に接
続して、所定レベルの直流高電圧を得る場合が示されて
いるが、本発明としては、高圧発生回路4を倍電圧全波
整流回路によって構成することも可能である。また、例
えば昇圧トランスHVTの昇圧巻線NHVに誘起される誘
起電圧のほぼ3倍や4倍、或いはそれ以上に対応するレ
ベルの出力電圧を得るような整流回路によって所定レベ
ルの直流高電圧を得るようにしても良い。
【0082】また、本実施の形態においては、一次側に
対して自励式による共振コンバータを備えた構成の下で
定電圧制御を行うための制御トランスとして直交形制御
トランスPRTが用いられているが、この直交形制御ト
ランスPRTの代わりに、先に本出願人により提案され
た斜交形制御トランスを採用することができる。上記斜
交形制御トランスの構造としては、ここでの図示は省略
するが、例えば直交形制御トランスの場合と同様に、4
本の磁脚を有する2組のダブルコの字形コアを組み合わ
せることで立体型コアを形成する。そして、この立体形
コアに対して制御巻線NCと駆動巻線NBを巻装するので
あるが、この際に、制御巻線と駆動巻線の巻方向の関係
が斜めに交差する関係となるようにされる。具体的に
は、制御巻線NCと駆動巻線NBの何れか一方の巻線を、
4本の磁脚のうちで互いに隣り合う位置関係にある2本
の磁脚に対して巻装し、他方の巻線を対角の位置関係に
あるとされる2本の磁脚に対して巻装するものである。
そして、このような斜交形制御トランスを備えた場合に
は、駆動巻線を流れる交流電流が負の電流レベルから正
の電流レベルとなった場合でも駆動巻線のインダクタン
スが増加するという動作傾向が得られる。これにより、
スイッチング素子をターンオフするための負方向の電流
レベルは増加して、スイッチング素子の蓄積時間が短縮
されることになるので、これに伴ってスイッチング素子
のターンオフ時の下降時間も短くなり、スイッチング素
子の電力損失をより低減することが可能になるものであ
る。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように本発明のスイッチン
グ電源回路は、複合共振形としてのスイッチング電源回
路を構成している絶縁コンバータトランスの二次側に設
けられている二次側並列共振回路から得られる共振電圧
を、直列共振回路により略正弦波状の共振電圧としてフ
ライバックトランスの一次側に発生させて、フライバッ
クトランスの二次側から所定の昇圧電圧を得ると共に、
第2の定電圧制御手段によって、直流高電圧生成手段か
ら出力される直流高電圧の定電圧化を図るようにしてい
る。
【0084】従って、本発明のスイッチング電源回路
を、例えば高解像度とされる大型のカラーテレビジョン
受像機やプロジェクタ装置等の映像機器に適用すれば、
直流高電圧発生手段における電力変換効率の向上を図る
ことができるため、結果的には、総合的な電力変換効率
の向上が図られ、スイッチング電源回路における電力損
失を大幅に低減することが可能になる。
【0085】また、本発明のスイッチング電源回路は、
従来の電源回路に比べて、ピーク電力の供給能力を大き
くできるため、例えばCRT画面に対して白色ピークの
ウインドウ画面を表示した際の画曲がり等を無くすこと
が可能になる。
【0086】また、従来の電源回路に比べて、回路構成
の簡略化を図ることができるため、部品コストの大幅な
低減が図られると共に、スイッチング電源回路の小型化
を実現することができる。さらにまた、各部の動作波形
は、何れも共振波形となることから、スイッチング動作
に伴って発生するノイズが抑制され、ノイズを抑制する
ための対策などが不要になるという利点もある。
【0087】また、絶縁コンバータトランスの第2の二
次側巻線に対して、第3二次側巻線を巻き上げるように
して形成し、この第3二次側巻線から直列共振回路を接
続すれば、絶縁コンバータトランスの二次側に得られる
共振電圧レベルを高くすることができるので、昇圧トラ
ンスの一次側に発生する共振電圧レベルを高くすること
ができる。これにより、昇圧トランスの巻線数を低減す
ることができ、昇圧トランスを小型化することができ
る。
【0088】さらに、本発明のスイッチング電源回路に
備えられる昇圧トランスは、その二次側に2組の昇圧巻
線を巻装するだけで良いため、従来の電源回路に備えら
れているフライバックトランスに比べて昇圧巻線を組数
を減らすことができるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態とされる電源回路の
構成を示した図である。
【図2】図1に示した電源回路の要部の動作を示す波形
図である。
【図3】図1に示した電源回路に備えられている昇圧ト
ランスの構成を示す断面図である。
【図4】図1に示した電源回路に備えられている直交形
制御トランスPRT−2の構成を示す断面図と、そのイ
ンダクタンス特性を示した図である。
【図5】本実施の形態とされる電圧共振コンバータの電
圧変換効率特性を示した図である。
【図6】CRT画面に白色ピークのウインドウ画面を表
示した際に発生する画曲がりの説明図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態とされる電源回路の
構成を示した図である。
【図8】本実施の形態とされる電源回路に適用可能な二
次側回路の他の回路構成を示した図である。
【図9】絶縁コンバータトランスの構造を示す断面図で
ある。
【図10】相互インダクタンスが+M/−Mの場合の各
動作を示す説明図である。
【図11】従来の高解像度のテレビジョン受像機に備え
られる電源回路の構成を示した図である。
【図12】図11に示した電源回路の要部の動作を示し
た波形図である。
【図13】図11に示した電源回路のビーム電流の変化
に対する各部の変動の様子を示した図と、高圧発生回路
の電圧変換効率特性を示した図である。
【符号の説明】
1 2 制御回路、3 発振・ドライブ回路、4 高圧
発生回路、5 アクティブクランプ回路、AC 商用交
流電源、Ci 平滑コンデンサ、Cr1 Cr2一次側並
列共振コンデンサ、C2 二次側並列共振コンデンサ、
C3 直列共振コンデンサ、CB 共振コンデンサ、CCL
クランプコンデンサ、COHV COFV平滑コンデンサ、
Di ブリッジ整流回路、DD1〜DD3 クランプダイオ
ード、DHV1〜DHV5 高圧整流ダイオード、DO1〜DO3
整流ダイオード、HVT昇圧トランス、NHV1,NHV2
昇圧巻線、N1 N4 一次側巻線、N2 二次巻線
(二次側巻線)、N3 N5 三次巻線(二次側巻線)、
NB Ng 駆動巻線、NC1 NC2 制御巻線、NR 被
制御巻線、PIT 絶縁コンバータトランス、PRT−
1 PRT−2 直交形制御トランス、Q1 Q2 スイ
ッチング素子、Q3 補助スイッチング素子、R1 R2
Rg RS RB 抵抗

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された直流入力電圧を断続して出力
    するためのスイッチング素子を備えて形成されるスイッ
    チング手段と、 上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とする一次側
    並列共振回路が形成されるようにして備えられる一次側
    並列共振コンデンサと、 一次側の出力を二次側に伝送するために設けられ、一次
    側には一次側巻線が巻回され、二次側には、少なくとも
    第1の二次側巻線の部分と、この第1の二次側巻線に対
    して巻き上げるように形成した第2の二次側巻線の部分
    とを有する二次側巻線が巻回されると共に、上記一次側
    巻線と上記二次側巻線とについては疎結合とされる所要
    の結合度が得られるようにされた絶縁コンバータトラン
    スと、 上記二次側巻線に対して二次側並列共振コンデンサを並
    列に接続することで形成される二次側並列共振回路と、 上記二次側並列共振回路を含んで形成され、上記二次側
    巻線から得られる交番電圧の正期間の電圧について半波
    整流動作を行うことで、直流出力電圧を得るように構成
    された直流出力電圧生成手段と、 上記直流出力電圧レベルに応じて、上記スイッチング素
    子のスイッチング周波数を可変制御すると共に、スイッ
    チング周期内のオフ期間を一定としたうえで、オン期間
    を可変するようにして上記スイッチング素子をスイッチ
    ング駆動することで、定電圧制御を行うようにされる第
    1の定電圧制御手段と、 一次側に入力される共振電圧を二次側に伝送すること
    で、二次側から上記共振電圧を昇圧した昇圧電圧を得る
    ようにされた昇圧トランスと、 上記昇圧トランスの一次側動作を共振動作とするため
    に、少なくとも上記昇圧トランスの一次側巻線に対して
    直列共振コンデンサを直列に接続して形成され、上記二
    次側並列共振回路から得られる共振電圧を、略正弦波状
    の共振電圧として上記昇圧トランスの一次側に発生させ
    る直列共振回路と、 上記昇圧トランスの二次側に得られる昇圧電圧について
    整流動作を行うことで、上記昇圧電圧のほぼ2倍に対応
    する直流高電圧を得るように構成された直流高電圧生成
    手段と、 上記直流高電圧レベルに応じて、上記直流高電圧の定電
    圧制御を行うようにされる第2の定電圧制御手段と、 を備えることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 【請求項2】 上記第2の定電圧制御手段は、 上記直列共振回路を形成する上記昇圧トランスの一次側
    巻線に対して直列に接続される被制御巻線と、該被制御
    巻線のインダクタンスを制御する制御巻線とからなる制
    御トランスを備え、 上記直流高電圧レベルに応じて、上記被制御巻線のイン
    ダクタンスを可変制御することで、上記直流高電圧の定
    電圧制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1に
    記載のスイッチング電源回路。
  3. 【請求項3】 上記第2の定電圧制御手段は、 少なくともクランプコンデンサと補助スイッチング素子
    との直列接続回路からなり、該直列接続回路を上記直列
    共振コンデンサに対して並列に接続されるアクティブク
    ランプ手段を備え、 上記直流高電圧レベルに応じて、上記補助スイッチング
    素子の導通角を制御することで、上記直流高電圧の定電
    圧制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記
    載のスイッチング電源回路。
  4. 【請求項4】 上記絶縁コンバータトランスの第2の二
    次側巻線に対して、第3の二次側巻線を巻き上げるよう
    にして形成すると共に、 上記第3の二次側巻線に対して上記直列共振回路を接続
    するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のスイ
    ッチング電源回路。
  5. 【請求項5】 上記直流高電圧生成手段は、 所定の高圧レベルとされる第1の直流高電圧と、該第1
    の直流高電圧より低い電圧レベルとされる第2の直流高
    電圧とを、出力可能に構成されていることを特徴とする
    請求項1に記載のスイッチング電源回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103534914A (zh) * 2012-05-18 2014-01-22 三菱电机株式会社 电源装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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