JP2002051486A - モータ鉄芯構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、歯部と絶縁部材との間に形成した
隙間内に樹脂等の封止剤を注入することにより、鉄芯の
強度を向上させることを目的とする。 【解決手段】 本発明によるモータ鉄芯構造は、多数の
鉄芯片(1)を転積する際に、歯部(2)と絶縁部材(12)との
間に形成された隙間(13)内に樹脂等の封止剤(14)を注入
して硬化させることにより、鉄芯(10)を強化し、絶縁部
材(12)と巻線(11)を鉄芯(10)に対して強固に固定する構
成である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、モータ鉄芯構造に
関し、特に、積層した鉄芯の歯部と絶縁部材との間に形
成された隙間に封止剤を流入して硬化することにより、
巻線と絶縁部材と鉄芯との相互結合強度を増加させるた
めの新規な改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、用いられていたこの種のモータ鉄
芯構造としては、一般に、積層して形成された鉄芯の歯
部に絶縁部材（ボビンの作用を有する）を介して巻線が
設けられ、この巻線の外周に樹脂からなる封止剤が塗布
又はポッティング等によって形成されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のモータ鉄芯構造
は、以上のように構成されていたため、次のような課題
が存在していた。すなわち、絶縁部材は鉄芯の歯部に嵌
合されているのみで、固着状態ではなく、巻線の外周の
みが封止剤で固定されているのみであるため、絶縁部材
と鉄芯とは一体に固着されておらず、鉄芯全体としての
機械的強度が十分ではなかった。

【０００４】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、特に、積層した鉄芯の歯部と絶縁
部材との間に形成された隙間に封止剤を流入して硬化す
ることにより、巻線と絶縁部材と鉄芯との相互結合強度
を増加させ剛性の高いモータ鉄芯構造を提供することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によるモータ鉄芯
構造は、複数の歯部を有する輪状の鉄芯片を転積しつつ
軸方向に積層させ、前記各歯部に絶縁部材を介して巻線
を設けた構成よりなるモータ鉄芯構造において、前記絶
縁部材と前記歯部との間に形成された隙間内に封止剤を
注入して硬化させた構成であり、また、前記歯部の側部
に形成された切欠部により前記隙間が形成されている構
成である。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明によるモ
ータ鉄芯構造の好適な実施の形態について説明する。図
１は、プレスで加工された輪状の鉄芯片１を示してお
り、この鉄芯片１は外方へ向けて複数の歯部２が形成さ
れている。前記鉄芯片１の歯部２の側部には、図２で示
されるように切欠部３が形成され、図３で示されるよう
に多数枚の鉄芯片１を１歯部２毎に回転させつつ軸方向
に積層させる（いわゆる転積構造）ことにより、図４の
ように積層型の所定厚さの鉄芯１０が形成される。

【０００７】前記鉄芯１０は、図４の状態では巻線１１
等が設けられていないが、実際には図２で示されるよう
に、歯部２の外周には絶縁ボビンとしての絶縁部材１２
を介して巻線１１が施されており、この絶縁部材１２と
歯部２との間には前記切欠部３によって形成された隙間
１３が形成されている。前記隙間１３内には、溶融樹脂
等からなる封止剤１４が注入され、この封止剤１４は前
記巻線１１の外面にも塗布又はポッティング等によって
形成されている。

【０００８】前記封止剤１４は、注入又は塗布等の処理
の後に、硬化し、歯部２と絶縁部材１２と巻線１１と
は、互いに強固に固着され、鉄芯１０全体が強固に固め
られてその剛性が増加している。

【０００９】なお、前記隙間１３は、切欠部３のみによ
って形成されるだけではなく、例えば凹部でも形成さ
れ、また、故意に形成されたガタ等によっても形成でき
る。また、この隙間１３は、各歯部２に対して形成する
こともでき、一部の歯部２のみに対して形成することも
できる。

【００１０】

【発明の効果】本発明によるモータ鉄芯構造は、以上の
ように構成されているため、次のような効果を得ること
ができる。すなわち、鉄芯の歯部と絶縁部材との間の隙
間内に樹脂等からなる封止剤を注入したため、各鉄芯片
同志及び絶縁部材と巻線とが一体状に固化し、従来より
も強度及び剛性の高い構造を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるモータ鉄芯構造の鉄芯片を示す平
面図である。

【図２】図１の要部に巻線を施す状態を示す拡大断面図
である。

【図３】図１の鉄芯片を転積して積層する状態を示す構
成図である。

【図４】図３による転積後に形成された積層型の鉄芯を
示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 鉄芯片 ２ 歯部 ３ 切欠部 １１ 巻線 １２ 絶縁部材 １３ 隙間 １４ 封止剤

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 5H002 AA08 AB01 AB06 AC04 AC07 5H604 AA05 AA08 BB01 BB08 BB14 CC01 CC05 CC16 DA13 DB02 DB18 PB03 5H615 AA01 BB01 BB07 BB14 PP01 PP06 PP08 PP13 QQ02 QQ09 RR07 SS05 SS18 SS41 SS44 TT31

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の歯部(2)を有する輪状の鉄芯片(1)
   を転積しつつ軸方向に積層させ、前記各歯部(2)に絶縁
   部材(12)を介して巻線(11)を設けた構成よりなるモータ
   鉄芯構造において、前記絶縁部材(12)と前記歯部(2)と
   の間に形成された隙間(13)内に封止剤(14)を注入して硬
   化させたことを特徴とするモータ鉄芯構造。
2. 【請求項２】 前記歯部(2)の側部に形成された切欠部
   (13)により前記隙間(13)が形成されていることを特徴と
   する請求項１記載のモータ鉄芯構造。