JP2002047286A - フッ化スルホラン類の製造方法 - Google Patents
フッ化スルホラン類の製造方法Info
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Abstract
で製造する方法の提供。 【解決手段】 スルホラン類をフッ素ガスと接触させて
反応させる。
Description
類の製造方法に関する。詳しくは、スルホラン類をフッ
素ガスと接触させて反応させることによりフッ化スルホ
ラン類を製造する方法に関する。本発明により製造され
た各種フッ化スルホラン類は、各種溶剤、特に、リチウ
ム電池、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ、
アルミ電解コンデンサ等のエネルギー貯蔵デバイス用電
解質の溶媒や添加剤として有用である。
キャパシタ等のエネルギー貯蔵デバイスは、携帯電話、
携帯情報端末、ノートパソコン等のデジタル携帯電子機
器の急激な普及により、需要が急増している。また、地
球環境問題や省エネルギーの点からこれらのエネルギー
貯蔵デバイスは電気自動車やハイブリッド車の動力源と
しても注目を浴びている。
構的には電気化学デバイスであるため、構成材料として
電解質が必要であり、広い作動電位範囲を利用するため
に、有機溶媒に溶質塩を溶解した有機電解液が使用され
ている。例えば、負極としてリチウム金属を使用してい
るリチウム一次電池では、正極が二酸化マンガンの際に
は、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタ
ン混合溶媒にLiClO4 或いはLiCF3 SO3 を溶
解した電解質溶液が、正極がフッ化炭素の際には、γ−
ブチロラクトンにLiBF4 を溶解した電解質溶液が主
として使用されている。また、リチウム−炭素化合物を
負極とするリチウムイオン二次電池では、エチレンカー
ボネート或いはプロピレンカーボネート等の環状炭酸エ
ステルとジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネ
ート或いはジエチルカーボネート等の鎖状炭酸エステル
との混合溶媒にLiPF6 を溶解した電解質溶液が専ら
使用されている(宇恵 誠ら、リチウムイオン電池材料
の開発と市場、シーエムシー、第6章(1997))。
ンカーボネート溶媒にEt4 NBF 4 塩等を溶解した電
解質溶液が使用されている(宇恵 誠、電気化学、66
巻、904頁(1998))。しかしながら、これらの
エネルギー貯蔵デバイスの普及や用途拡大に伴い、更な
る高エネルギー密度化、高パワー密度化等の高性能化が
要求が強まり、エネルギー貯蔵デバイスに使用される有
機電解液に対しても、その要求に対応できる材料が望ま
れており、新しい溶媒・添加剤が探索されている状況で
ある。
化スルホラン類がある。スルホラン化合物は高温特性に
優れ、高い誘電率特性を持ち、電解液の溶媒として非常
に好ましい特性を有するが、粘度が高く、電気化学的安
定性が不十分であるという欠点がある。一方、溶媒をフ
ッ素化すると一般に電気化学的安定性が向上することが
知られており、また粘度の低下も期待できる。
スルホラン類については適当な製造法がこれ迄知られて
おらず、近年、漸くスルホレンにフッ素ガスを付加した
3,4−ジフルオロスルホランの合成法が報告されたに
過ぎない(J.Fluorine Chem.,93,
1,27(1999))。従って、これを用いるに際し
ては、その入手が問題となる。
択率でフッ素化してフッ化スルホラン類を製造する方法
を提供しようとするものである。
情に鑑み、鋭意検討した結果、従来1,2−ジメトキシ
エタンのパーフルオロ化に用いられた方法(J.Or
g.Chem.,38,3617(1973))を、そ
の反応性から勘案すると適用が難しいと思われたスルホ
ラン化合物に適用したところ、意外にも高転化率、高選
択率で、フッ化スルホラン化合物が得られることを見出
し、更に、従来の製造法では得ることの出来なかったモ
ノフルオロスルホラン化合物を得ることに初めて成功
し、本発明を完成するに至った。
ッ素ガスと接触させて反応させることを特徴とするフッ
化スルホラン類の製造方法、にある。
本発明に原料として用いられるスルホラン類について
は、特に限定されるものではないが、式(I)で表され
る化合物が好ましい。
を表し、nは0〜8の整数を表す)式(I)において、
アルキル基の炭素数は通常1〜10、好ましくは1〜4
である。また、アルキル基が複数の場合、それぞれ同一
でも、異なっていてもよい。アルキル基の具体例として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、等が挙げ
られる。アルキル基の数nは0〜8であるが、化学的安
定性、反応性等の観点から0〜2が好ましい。
としては、例えばスルホラン、2−メチルスルホラン、
3−メチルスルホラン、2−エチルスルホラン、3−エ
チルスルホラン等のアルキル基モノ置換体、2,2−ジ
メチルスルホラン、3,3−ジメチルスルホラン、2−
エチル−2−メチルスルホラン、3−エチル−3−メチ
ルスルホラン等のアルキル基が同じ炭素に置換したジ置
換体、2,3−ジメチルスルホラン、2,3−ジエチル
スルホラン、2−エチル−3−メチルスルホラン、3−
エチル−2−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスル
ホラン、2,4−ジエチルスルホラン、2−エチル−4
−メチルスルホラン、4−エチル−2−メチルスルホラ
ン、2,5−ジメチルスルホラン、2,5−ジエチルス
ルホラン、2−エチル−5−メチルスルホラン、5−エ
チル−2−メチルスルホラン等のアルキル基が異なる炭
素に置換したジ置換体の立体異性体等が挙げられる。
ランが最も好ましい。本発明に用いられるフッ素ガスは
極めて反応性が高く、反応の暴走を防止するために、フ
ッ素ガスに対して不活性なガスで希釈したものを用いる
ことが好ましい。このような不活性ガスとしては、窒
素、ヘリウム、フッ化水素又は炭素数4以下のパーフル
オロアルカンが用いられる。
1〜50容量%、好ましくは5〜30容量%である。濃
度が低すぎると生産性が悪く、高過ぎると反応制御が困
難になる。スルホラン化合物に対するフッ素ガス
(F2 )の仕込みモル比は、通常0.01〜10が好ま
しいが、更に好ましくは、0.1〜2である。
液相のスルホラン化合物中に希釈されたフッ素ガスを導
入して行われるが、フッ素ガスに対し不活性な溶媒の存
在下で反応を行ってもよい。フッ素ガスに対して不活性
な溶媒としては、パーフルオロシクロブタン、パーフル
オロヘキサン、パーフルオロオクタン、パーフルオロデ
カン等のパーフルオロアルカンや潤滑誌32巻2号10
7頁に示されるようなパーフルオロポリエーテル油(例
えば、ダイキン工業社製デムナム、オウシモント社製フ
ォンブリン、デュポン社製クライトックス等)、クロロ
トリフルオロエチレンオリゴマー油(例えば、ダイキン
工業社製ダイフロイル等)等のクロロフルオロアルカン
を挙げることができる。不活性溶媒に対するラクトンの
割合は、10〜90%であるが、この割合が低過ぎると
釜効率が低下し、高過ぎると希釈の効果が薄くなる。
℃、好ましくは−30℃〜80℃の範囲である。反応圧
力については、通常常圧で行われるが、場合により減圧
又は加圧条件で行ってもよい。反応時間は、スルホラン
化合物の種類、溶媒の種類、反応温度等によって異なる
が、通常は1〜500時間である。また、この反応の
際、反応により生成するフッ化水素を吸収するために、
フッ化ナトリウムのような、フッ化物塩を反応系中に加
えてもよい。
ッ素ガスとの気相反応で実施することも可能である。こ
の場合も、反応の暴走を防止するため、不活性ガスで希
釈することが必須になる。反応温度としては、30〜2
50℃で行うことができるが、50〜150℃の範囲で
行うことが好ましい。反応方式は回分式、半回分式、流
通式いずれの方法でも可能であり、伝熱制御のし易いマ
イクロリアクターを使用することもできる。
化合物は、フッ素モノ置換体、ジ置換体からパーフルオ
ロ置換体まで、種々の置換体が考えられるが、反応条件
を調節することにより、従来製造法の知られていなかっ
たモノフルオロ体を高収率、高選択率で得ることができ
る。
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これ
らの実施例に限定されるものではない。 実施例1 液相へのガス仕込み口とガス排出口を設けた300ml
のテフロン(登録商標)容器に、スルホラン100gを
仕込み、フッ化ナトリウム50gを懸濁させた。この中
に、窒素ガスで20容量%に希釈したフッ素ガスを0.
5mmol/分の速度にて導入し、反応温度40℃、反
応圧、大気圧に保持し、約24時間反応させた。反応終
了後、フッ化ナトリウムを濾別分離し、液相を分析し
た。
フルオロ体が選択的に生成しており、スルホランの変換
率は30%、モノフルオロ置換体への選択率はほぼ10
0%で、ジフルオロ体以上のフッ素置換体と思われる化
合物は痕跡量、スルホラン骨格を有しない化合物は見つ
からなかった。生成物を更に、詳細に分析した結果、モ
ノフルオロ置換体は2,3−置換体の異性体混合物であ
り、各異性体の組成は2−置換体:3−置換体=1:5
であった。
た。GC/MS分析とNMR分析の結果、ジフルオロ置
換体が選択的に生成しており、スルホランの変換率は9
0%、ジフルオロ置換体への選択率は90%であった。
した。GC/MS分析とNMR分析の結果、ジフルオロ
置換体の他に、トリフルオロ置換体が生成しており、ス
ルホランの変換率はほぼ100%、トリフルオロ置換体
への選択率は60%であった。
ルスルホランを原料に用いて反応を行った。GC/MS
分析とNMR分析の結果、モノフルオロ置換体が生成し
ており、スルホランの変換率は30%、モノフルオロ置
換体への選択率はほぼ100%であった。
フッ素化して、フッ化スルホラン類を高転化率且つ高選
択率で製造することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 スルホラン類をフッ素ガスと接触させて
反応させることを特徴とするフッ化スルホラン類の製造
方法。 - 【請求項2】 スルホラン類が下記構造式(I)で表さ
れる化合物である請求項1に記載の製造方法。 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは
0〜8の整数を表す) - 【請求項3】 フッ素ガスが窒素、ヘリウム、フッ化水
素又は炭素数4以下のパーフルオロアルカンで希釈され
てなる請求項1又は2に記載の製造方法。 - 【請求項4】 スルホラン類がスルホランである請求項
1ないし3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】 主生成物がフッ素モノ置換スルホラン化
合物である請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
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---|---|---|---|
JP2000228820A JP4710110B2 (ja) | 2000-07-28 | 2000-07-28 | フッ化スルホラン類の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012053346A1 (ja) * | 2010-10-20 | 2012-04-26 | ダイキン工業株式会社 | 含フッ素スルホラン、及び、含フッ素スルホランの製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11219867A (ja) * | 1998-01-29 | 1999-08-10 | Asahi Glass Co Ltd | 電気二重層キャパシタ |
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2000
- 2000-07-28 JP JP2000228820A patent/JP4710110B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
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Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
JPN6010065600, Inorganic Chemistry, 1991, vol.30, 789−794 * |
JPN6010065601, Journal of Fluorine Chemistry, 1999, 93, 27−31 * |
JPN6010065603, Journal of Fluorine Chemistry, 1999, 99, 73−81 * |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012053346A1 (ja) * | 2010-10-20 | 2012-04-26 | ダイキン工業株式会社 | 含フッ素スルホラン、及び、含フッ素スルホランの製造方法 |
JP2012106987A (ja) * | 2010-10-20 | 2012-06-07 | Daikin Industries Ltd | 含フッ素スルホラン、及び、含フッ素スルホランの製造方法 |
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