JP2003146985A - フッ化チオラクトン類の製造方法 - Google Patents
フッ化チオラクトン類の製造方法Info
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- JP2003146985A JP2003146985A JP2001345637A JP2001345637A JP2003146985A JP 2003146985 A JP2003146985 A JP 2003146985A JP 2001345637 A JP2001345637 A JP 2001345637A JP 2001345637 A JP2001345637 A JP 2001345637A JP 2003146985 A JP2003146985 A JP 2003146985A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】チオラクトン類を高転化率かつ高選択率でフッ
素化してフッ化チオラクトン類を得る方法を提供する。 【解決手段】チオラクトン類をフッ素ガスと反応させる
フッ化チオラクトン類の製造方法。
素化してフッ化チオラクトン類を得る方法を提供する。 【解決手段】チオラクトン類をフッ素ガスと反応させる
フッ化チオラクトン類の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ化チオラクト
ン類の製造方法に関する。本発明により製造された各種
フッ化チオラクトン類は、各種溶剤、特にリチウム電
池、リチウムイオン電池、電気二重層コンデンサ等のエ
ネルギー貯蔵デバイス用電解質溶液の溶媒や添加剤とし
て有用である。
ン類の製造方法に関する。本発明により製造された各種
フッ化チオラクトン類は、各種溶剤、特にリチウム電
池、リチウムイオン電池、電気二重層コンデンサ等のエ
ネルギー貯蔵デバイス用電解質溶液の溶媒や添加剤とし
て有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、リチウムイオン電池や電気二重層
コンデンサ等のエネルギー貯蔵デバイスは、携帯電話、
携帯情報端末、ノートパソコン等のデジタル携帯電子機
器の急激な普及により、需要が急増している。また、地
球環境問題や省エネルギーの点から、これらのエネルギ
ー貯蔵デバイスは電気自動車やハイブリツド車の動力源
としても注目を浴びている。これらのエネルギー貯蔵デ
バイスは動作機構的には電気化学デバイスであるため、
構成材料として電解質が必要であり、広い作動電位範囲
を利用するために、有機溶媒に溶質塩を溶解した有機電
解液が使用されている。
コンデンサ等のエネルギー貯蔵デバイスは、携帯電話、
携帯情報端末、ノートパソコン等のデジタル携帯電子機
器の急激な普及により、需要が急増している。また、地
球環境問題や省エネルギーの点から、これらのエネルギ
ー貯蔵デバイスは電気自動車やハイブリツド車の動力源
としても注目を浴びている。これらのエネルギー貯蔵デ
バイスは動作機構的には電気化学デバイスであるため、
構成材料として電解質が必要であり、広い作動電位範囲
を利用するために、有機溶媒に溶質塩を溶解した有機電
解液が使用されている。
【0003】例えば、負極としてリチウム金属を使用し
ているリチウム一次電池では、正極が二酸化マンガンの
際には、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシ
エタンとの混合溶媒にLiClO4或いはLiCF3SO
3を溶解した電解質溶液が、また正極がフッ化炭素の際
には、γ−ブチロラクトンにLiBF4を溶解した電解
質溶液が主として使用されている。
ているリチウム一次電池では、正極が二酸化マンガンの
際には、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシ
エタンとの混合溶媒にLiClO4或いはLiCF3SO
3を溶解した電解質溶液が、また正極がフッ化炭素の際
には、γ−ブチロラクトンにLiBF4を溶解した電解
質溶液が主として使用されている。
【0004】また、リチウム−炭素化合物を負極とする
リチウムイオン二次電池では、エチレンカーボネート或
いはプロピレンカーボネート等の環状炭酸エステルとジ
メチルカーボネート、エチルメチルカーボネート或いは
ジエチルカーボネート等の鎖状炭酸エステルとの混合溶
媒にLiPF6を溶解した電解質溶液が専ら使用されて
いる(宇恵誠ら、リチウムイオン電池材料の開発と市
場、シーエムシー、第6章(1997))。また、電気
二重層コンデンサにはプロピレンカーボネート溶媒にE
t4NBF4塩等を溶解した電解質溶液が使用されている
(宇恵誠,電気化学、66巻、904頁(199
8))。しかしながら、これらのエネルギー貯蔵デバイ
スの普及や用途拡大に伴い、更なる高エネルギー密度
化、高パワー密度化等の高性能化の要求が強まり、エネ
ルギー貯蔵デバイスに使用される有機電解液に対して
も、その要求に対応できる材料が望まれており、新しい
溶媒が探索されている状況である。
リチウムイオン二次電池では、エチレンカーボネート或
いはプロピレンカーボネート等の環状炭酸エステルとジ
メチルカーボネート、エチルメチルカーボネート或いは
ジエチルカーボネート等の鎖状炭酸エステルとの混合溶
媒にLiPF6を溶解した電解質溶液が専ら使用されて
いる(宇恵誠ら、リチウムイオン電池材料の開発と市
場、シーエムシー、第6章(1997))。また、電気
二重層コンデンサにはプロピレンカーボネート溶媒にE
t4NBF4塩等を溶解した電解質溶液が使用されている
(宇恵誠,電気化学、66巻、904頁(199
8))。しかしながら、これらのエネルギー貯蔵デバイ
スの普及や用途拡大に伴い、更なる高エネルギー密度
化、高パワー密度化等の高性能化の要求が強まり、エネ
ルギー貯蔵デバイスに使用される有機電解液に対して
も、その要求に対応できる材料が望まれており、新しい
溶媒が探索されている状況である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】チオラクトン化合物は
低温から高温まで温度特性に優れ、高い誘電率特性を持
つという溶媒として非常に好ましい特性を有するが、電
気化学的耐酸化性能が低く、炭酸エステル溶媒に比較し
て使用が限定されているのが実情である。一般に、溶媒
のフッ素化を行うと電気化学的安定性が向上することが
知られており、さらには、部分フッ素化にとどめること
で、誘電率の向上や塩の溶解性向上、各種電極材料との
親和性向上も期待できる。従ってチオラクトン化合物を
フッ素化したフッ化チオラクトン化合物にも同様の効果
が期待できる。
低温から高温まで温度特性に優れ、高い誘電率特性を持
つという溶媒として非常に好ましい特性を有するが、電
気化学的耐酸化性能が低く、炭酸エステル溶媒に比較し
て使用が限定されているのが実情である。一般に、溶媒
のフッ素化を行うと電気化学的安定性が向上することが
知られており、さらには、部分フッ素化にとどめること
で、誘電率の向上や塩の溶解性向上、各種電極材料との
親和性向上も期待できる。従ってチオラクトン化合物を
フッ素化したフッ化チオラクトン化合物にも同様の効果
が期待できる。
【0006】しかしながら、上記のようなフッ化チオラ
クトン類については、工業的に有力な製造法がなく、こ
れを用いるに際してはその入手が問題となり、また、通
常の方法では、反応性の高いα位しかフッ素化されない
という問題点もある。本発明は、チオラクトン類を高転
化率、高選択率でフッ素化してフッ化チオラクトン類を
製造する方法を提供することを課題とする。
クトン類については、工業的に有力な製造法がなく、こ
れを用いるに際してはその入手が問題となり、また、通
常の方法では、反応性の高いα位しかフッ素化されない
という問題点もある。本発明は、チオラクトン類を高転
化率、高選択率でフッ素化してフッ化チオラクトン類を
製造する方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、従来、1,2−ジメ
トキシエタンのパーフルオロ化に用いられた方法(J.
Org.Chem.,38,20,3617(197
3))を、その反応性から勘案すると適用が難しいと思
われたチオラクトン類に適用したところ、意外にも高転
化率、高選択率でフッ化チオラクトン類が得られること
を見い出し、それに基づいて本発明を完成するに至っ
た。
情に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、従来、1,2−ジメ
トキシエタンのパーフルオロ化に用いられた方法(J.
Org.Chem.,38,20,3617(197
3))を、その反応性から勘案すると適用が難しいと思
われたチオラクトン類に適用したところ、意外にも高転
化率、高選択率でフッ化チオラクトン類が得られること
を見い出し、それに基づいて本発明を完成するに至っ
た。
【0008】即ち本発明の要旨は、チオラクトン類をフ
ッ素ガスと反応させることを特徴とするフッ化チオラク
トン類の製造方法、に存する。
ッ素ガスと反応させることを特徴とするフッ化チオラク
トン類の製造方法、に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき
詳細に説明する。本発明のフッ化チオラクトン類の製造
方法に用いられる原料のチオラクトン類は、好ましくは
下記一般式(I)で表される化合物である。
詳細に説明する。本発明のフッ化チオラクトン類の製造
方法に用いられる原料のチオラクトン類は、好ましくは
下記一般式(I)で表される化合物である。
【0010】
【化2】
【0011】(式中、Rはアルキレン基に結合している
炭素数1〜10のアルキル基を表す。nは2〜5の整数
であり、mは0〜2nの整数である。) 上記一般式(I)において、アルキレン基(CH2)n
のnは2〜5であり、好ましくは3である。その具体例
としては、例えばエチレン基、トリメチレン基、テトラ
メチレン基等が挙げられる。
炭素数1〜10のアルキル基を表す。nは2〜5の整数
であり、mは0〜2nの整数である。) 上記一般式(I)において、アルキレン基(CH2)n
のnは2〜5であり、好ましくは3である。その具体例
としては、例えばエチレン基、トリメチレン基、テトラ
メチレン基等が挙げられる。
【0012】また、アルキレン基には炭素数1〜10、
好ましくは1〜4のアルキル基が結合していてもよく、
アルキル基が複数の場合、それぞれ同一でも、異なって
いてもよい。アルキル基の具体例としては、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。アルキル
基の数は0ないし最大2n個であるが、化学的安定性、
反応性等の観点から、炭素数1〜4のアルキル基を1〜
2個有する全炭素数が8以下のチオラクトン類が好まし
い。
好ましくは1〜4のアルキル基が結合していてもよく、
アルキル基が複数の場合、それぞれ同一でも、異なって
いてもよい。アルキル基の具体例としては、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。アルキル
基の数は0ないし最大2n個であるが、化学的安定性、
反応性等の観点から、炭素数1〜4のアルキル基を1〜
2個有する全炭素数が8以下のチオラクトン類が好まし
い。
【0013】このようなチオラクトン類の具体例とし
て、先ず、アルキル基を有しないチオラクトン類として
は、β−プロピオチオラクトン、γ−ブチロチオラクト
ン、δ−バレロチオラクトン、ε−カプロチオラクトン
等が挙げられる。また、アルキル基を有するチオラクト
ン類としては、例えばα−メチル−β−プロピオチオラ
クトン、β−ブチロチオラクトン、α−メチル−γ−ブ
チロチオラクトン、β−メチル−γ−ブチロチオラクト
ン、γ−バレロチオラクトン、α−メチル−δ−バレロ
チオラクトン、β−メチル−δ−バレロチオラクトン、
γ−メチル−δ−バレロチオラクトン、δ−カプロチオ
ラクトン等のメチル基モノ置換体、γ−カプロチオラク
トン、γ−ヘプタノチオラクトン、γ−オクタノチオラ
クトン等のエチル基以上のアルキルモノγ−置換体やそ
れらのα−或いはβ−モノアルキル置換異性体、α,α
−ジメチル−γ−ブチロチオラクトン、α,β−ジメチ
ル−γ−ブチロチオラクトン、β,β−ジメチル−γ−
ブチロチオラクトン等のジアルキル置換体を挙げること
ができる。これらの中でも、5員環で化学的安定性の高
いγ−ブチロチオラクトンのアルキル誘導体が好まし
く、γ−ブチロチオラクトンが最も好ましい。
て、先ず、アルキル基を有しないチオラクトン類として
は、β−プロピオチオラクトン、γ−ブチロチオラクト
ン、δ−バレロチオラクトン、ε−カプロチオラクトン
等が挙げられる。また、アルキル基を有するチオラクト
ン類としては、例えばα−メチル−β−プロピオチオラ
クトン、β−ブチロチオラクトン、α−メチル−γ−ブ
チロチオラクトン、β−メチル−γ−ブチロチオラクト
ン、γ−バレロチオラクトン、α−メチル−δ−バレロ
チオラクトン、β−メチル−δ−バレロチオラクトン、
γ−メチル−δ−バレロチオラクトン、δ−カプロチオ
ラクトン等のメチル基モノ置換体、γ−カプロチオラク
トン、γ−ヘプタノチオラクトン、γ−オクタノチオラ
クトン等のエチル基以上のアルキルモノγ−置換体やそ
れらのα−或いはβ−モノアルキル置換異性体、α,α
−ジメチル−γ−ブチロチオラクトン、α,β−ジメチ
ル−γ−ブチロチオラクトン、β,β−ジメチル−γ−
ブチロチオラクトン等のジアルキル置換体を挙げること
ができる。これらの中でも、5員環で化学的安定性の高
いγ−ブチロチオラクトンのアルキル誘導体が好まし
く、γ−ブチロチオラクトンが最も好ましい。
【0014】本発明に用いられるフッ素ガスについて
は、反応性が極めて高いので、反応の暴走を防ぐため
に、フッ素化剤としては、フッ素ガスをフッ素ガスに対
して不活性なガスで希釈したものを用いるのが好まし
い。このような不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、
フッ化水素又は炭素数4以下のパーフルオロアルカンが
用いられる。不活性ガス中のフッ素ガスの濃度は、通常
1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。濃
度が低過ぎると生産性が悪く、高過ぎると反応制御が困
難となる。
は、反応性が極めて高いので、反応の暴走を防ぐため
に、フッ素化剤としては、フッ素ガスをフッ素ガスに対
して不活性なガスで希釈したものを用いるのが好まし
い。このような不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、
フッ化水素又は炭素数4以下のパーフルオロアルカンが
用いられる。不活性ガス中のフッ素ガスの濃度は、通常
1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。濃
度が低過ぎると生産性が悪く、高過ぎると反応制御が困
難となる。
【0015】チオラクトン類1モルに対するフッ素ガス
の仕込み量は、通常1〜10モル、好ましくは1〜3モ
ルである。チオラクトン類とフッ素ガスとの反応は、液
相のチオラクトン類中に好ましくは希釈されたフッ素ガ
スを導入して行われるが、フッ素ガスに対して不活性な
溶媒の存在下で反応を行ってもよい。フッ素ガスに対し
て不活性な溶媒としては、パーフルオロシクロブタン、
パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、パーフ
ルオロデカン等のパーフルオロアルカンや潤滑誌32巻
2号107頁に示されているようなパーフルオロポリエ
ーテル油(例えば、ダイキン工業社製「デムナム」、オ
ウシモント社製「フォンブリン」、デュポン社製「クラ
イトックス」等)、クロロトリフルオロエチレンオリゴ
マー油(例えば、ダイキン工業社製「ダイフロイル」
等)等のクロロフルオロアルカンを挙げることができ
る。不活性溶媒に対するチオラクトン類の割合は、通
常、10〜90%であるが、この割合が低過ぎると釜効
率が低下し、高過ぎると希釈の効果が薄くなる。
の仕込み量は、通常1〜10モル、好ましくは1〜3モ
ルである。チオラクトン類とフッ素ガスとの反応は、液
相のチオラクトン類中に好ましくは希釈されたフッ素ガ
スを導入して行われるが、フッ素ガスに対して不活性な
溶媒の存在下で反応を行ってもよい。フッ素ガスに対し
て不活性な溶媒としては、パーフルオロシクロブタン、
パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、パーフ
ルオロデカン等のパーフルオロアルカンや潤滑誌32巻
2号107頁に示されているようなパーフルオロポリエ
ーテル油(例えば、ダイキン工業社製「デムナム」、オ
ウシモント社製「フォンブリン」、デュポン社製「クラ
イトックス」等)、クロロトリフルオロエチレンオリゴ
マー油(例えば、ダイキン工業社製「ダイフロイル」
等)等のクロロフルオロアルカンを挙げることができ
る。不活性溶媒に対するチオラクトン類の割合は、通
常、10〜90%であるが、この割合が低過ぎると釜効
率が低下し、高過ぎると希釈の効果が薄くなる。
【0016】反応温度については、通常、−80〜10
0℃、好ましくは−30〜50℃の範囲である。反応圧
力については、通常、常圧で行われるが、場合により減
圧又は加圧下で行ってもよい。反応時間については、チ
オラクトン類の種類、溶媒の種類、反応温度等により異
なるが、通常、1〜500時間である。また、この反応
の際、反応により生成するフッ化水素を吸収するため
に、フッ化ナトリウムのようなフッ化物塩を反応系中に
加えてもよい。
0℃、好ましくは−30〜50℃の範囲である。反応圧
力については、通常、常圧で行われるが、場合により減
圧又は加圧下で行ってもよい。反応時間については、チ
オラクトン類の種類、溶媒の種類、反応温度等により異
なるが、通常、1〜500時間である。また、この反応
の際、反応により生成するフッ化水素を吸収するため
に、フッ化ナトリウムのようなフッ化物塩を反応系中に
加えてもよい。
【0017】また、チオラクトン類を希釈ガス中に気化
させて、フッ素ガスとの気相反応で実施することも可能
である。この場合も、反応の暴走を防止するため、不活
性ガスで希釈することが必要になる。反応温度として
は、通常、30〜250℃で行うことができるが、50
〜150℃の範囲で行うことが好ましい。反応方式は回
分式、半回分式、流通式いずれの方法でも可能であり、
伝熱制御のし易いマイクロリアクターを使用することも
できる。
させて、フッ素ガスとの気相反応で実施することも可能
である。この場合も、反応の暴走を防止するため、不活
性ガスで希釈することが必要になる。反応温度として
は、通常、30〜250℃で行うことができるが、50
〜150℃の範囲で行うことが好ましい。反応方式は回
分式、半回分式、流通式いずれの方法でも可能であり、
伝熱制御のし易いマイクロリアクターを使用することも
できる。
【0018】反応によって得られるフッ化チオラクトン
類は、フッ素モノ置換体、フッ素ジ置換体からパーフル
オロ置換体まで、種々の異性体が考えられるが、反応条
件を調節することにより、フッ素モノ置換体を高収率、
高選択率で得ることができる。特に、通常の有機合成法
では、α位の活性水素を置換する方法に基づくので、α
−置換体しか得られないが、本方法ではγ−置換体を優
先的に得ることができる。
類は、フッ素モノ置換体、フッ素ジ置換体からパーフル
オロ置換体まで、種々の異性体が考えられるが、反応条
件を調節することにより、フッ素モノ置換体を高収率、
高選択率で得ることができる。特に、通常の有機合成法
では、α位の活性水素を置換する方法に基づくので、α
−置換体しか得られないが、本方法ではγ−置換体を優
先的に得ることができる。
【0019】
【実施例】次に実施例により本発明の具体的態様を更に
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、これ
らの実施例によって限定されるものではない。 実施例1 液相へのガス仕込み口とガス排出口とを設けた300m
lのテフロン(登録商標)容器に、γ−ブチロチオラク
トン100gを仕込み、この中に、窒素ガスで20%に
希釈したフッ素ガスを0.03mol/minの速度に
て導入し、反応温度−20℃、反応圧は大気圧に保持
し、24時間反応させた。反応終了後、液相を分析し
た。
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、これ
らの実施例によって限定されるものではない。 実施例1 液相へのガス仕込み口とガス排出口とを設けた300m
lのテフロン(登録商標)容器に、γ−ブチロチオラク
トン100gを仕込み、この中に、窒素ガスで20%に
希釈したフッ素ガスを0.03mol/minの速度に
て導入し、反応温度−20℃、反応圧は大気圧に保持
し、24時間反応させた。反応終了後、液相を分析し
た。
【0020】GC/MS分析の結果、モノフルオロ置換
体が選択的に生成しており、γ−ブチロチオラクトンの
変換率は約5%、モノフルオロ置換体への選択率はほぼ
100%であった。生成物を更に1H−NMR分析した
結果からは、モノフルオロ置換体はγ−置換体であると
推定できる。 実施例2 液相へのガス仕込み口とガス排出口とを設けた300m
lのテフロン容器に、δ−バレロチオラクトン100g
を仕込み、実施例1と同様にして反応及び分析を実施し
た。
体が選択的に生成しており、γ−ブチロチオラクトンの
変換率は約5%、モノフルオロ置換体への選択率はほぼ
100%であった。生成物を更に1H−NMR分析した
結果からは、モノフルオロ置換体はγ−置換体であると
推定できる。 実施例2 液相へのガス仕込み口とガス排出口とを設けた300m
lのテフロン容器に、δ−バレロチオラクトン100g
を仕込み、実施例1と同様にして反応及び分析を実施し
た。
【0021】GC/MS分析の結果、モノフルオロ置換
体が選択的に生成しており、δ−バレロチオラクトンの
変換率は約5%、モノフルオロ置換体への選択率はほぼ
100%であった。生成物を更に1H−NMR分析した
結果からは、モノフルオロ置換体はγ−置換体であると
推定できる。
体が選択的に生成しており、δ−バレロチオラクトンの
変換率は約5%、モノフルオロ置換体への選択率はほぼ
100%であった。生成物を更に1H−NMR分析した
結果からは、モノフルオロ置換体はγ−置換体であると
推定できる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、チオラクトン類を高転
化率かつ高選択率でフッ素化してフッ化チオラクトン類
を得ることができる。
化率かつ高選択率でフッ素化してフッ化チオラクトン類
を得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 宇恵 誠
茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号
三菱化学株式会社内
Fターム(参考) 4C023 FA07
5H029 AJ14 AM02 CJ11 DJ09 HJ02
Claims (4)
- 【請求項1】 チオラクトン類をフッ素ガスと反応させ
ることを特徴とするフッ化チオラクトン類の製造方法。 - 【請求項2】 チオラクトン類が下記一般式(I)で表
される化合物である、請求項1に記載のフッ化チオラク
トン類の製造方法。 【化1】 (式中、Rはアルキレン基に結合している炭素数1〜1
0のアルキル基を表す。nは2〜5の整数であり、mは
0〜2nの整数である。) - 【請求項3】 フッ素ガスが窒素、ヘリウム、フッ化水
素又は炭素数4以下のパーフルオロアルカンで希釈され
てなる、請求項1又は2に記載のフッ化チオラクトン類
の製造方法。 - 【請求項4】 チオラクトン類がγ−ブチロチオラクト
ンであり、主生成物がモノフルオロ−γ−ブチロチオラ
クトンである、請求項1〜3のいずれかに記載のフッ化
チオラクトン類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001345637A JP2003146985A (ja) | 2001-11-12 | 2001-11-12 | フッ化チオラクトン類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001345637A JP2003146985A (ja) | 2001-11-12 | 2001-11-12 | フッ化チオラクトン類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003146985A true JP2003146985A (ja) | 2003-05-21 |
Family
ID=19158942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001345637A Pending JP2003146985A (ja) | 2001-11-12 | 2001-11-12 | フッ化チオラクトン類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2003146985A (ja) |
-
2001
- 2001-11-12 JP JP2001345637A patent/JP2003146985A/ja active Pending
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