JP2002046332A - 孔版印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的な製版処理を行うことを可能にす
る。 【解決手段】 印刷情報に基づいて製版処理した孔
版原紙を版胴に巻装し、版胴内のインクを製版処理され
た孔版原紙の孔から印刷用紙に転移させることにより印
刷処理する孔版印刷装置において、使用するインク色を
指定する印刷色指定部と、版胴内のインク色を記憶する
版胴色記憶部と、指定されたインク色と版胴内のインク
色とが一致するか否かを判別する判別部と、指定された
インク色と版胴内のインク色とが一致しない場合、指定
されたインク色では製版処理することができない旨を通
知するユーザ通知部とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、印刷情報に基づい
て製版処理した孔版原紙を版胴に巻装し、前記版胴内の
インクを前記製版処理された孔版原紙の孔から印刷用紙
に転移させることにより印刷処理する孔版印刷装置およ
び孔版印刷方法に関し、特に、指定された印刷色と版胴
のインク色とが一致するか否かを判別し、一致しない場
合にその旨をユーザに通知するようにすることにより、
希望する色とは違うインク色で誤って製版処理が行われ
ることを未然に防止し、効率的な製版処理を行うことを
可能にする技術に係る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、孔版印刷装置は、図４に示すよ
うに、製版された孔版原紙４１を版胴４０の外周面に巻
き付け、版胴４０と紙胴４３とを回転させた状態で版胴
４０と紙胴４３の間に印刷用紙４２を搬送、押圧するこ
とにより、版胴４０内のインクを孔版原紙４１の孔から
印刷用紙４２上に転移させ、所望の印刷情報を印刷用紙
４２上に印刷する機構となっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
孔版印刷装置においては、印刷用紙上に印刷されるイン
クの色は、一度試し刷り（ファーストプリント）を行っ
たり、装置内部を直接見てからでないとわからないの
で、自身が希望する色とは異なるインク色で製版処理を
行ってしまう等のトラブルが発生することがあり、孔版
印刷処理の効率が非常に悪い。

【０００４】特に、多色印刷処理に対する昨今の需要の
高まりを受けて広く使われるようになってきた、複数の
版胴を備えた複胴式の孔版印刷装置の場合には、版胴内
のインク色が赤、黒のときに青の色情報を備えた印刷情
報を送ってしまったり、また、第１、第２の版胴のイン
ク色がそれぞれ赤、黒の時に、第１版胴に黒、第二の版
胴に赤を送ってしまったり等、複数のインク色を扱うが
故に発生する多くのトラブルがあり、早急に解決すべき
課題の１つとなっている。

【０００５】本発明は、このような問題点を鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、効率的な製版処理を可能
にする孔版印刷装置および孔版印刷方法を提供すること
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、発明者は、「指定された印刷色と版胴のイン
ク色とが一致するか否かを判別し、一致しない場合にそ
の旨をユーザに通知するようにすることにより、希望す
る色とは違うインク色で誤って孔版印刷処理が行われる
ことを未然に防止し、効率的な孔版印刷処理を行うこと
を可能にすることができる」という考えに至り、以下の
特徴を備えた技術的思想を発案するに至った。

【０００７】本発明の特徴は、印刷情報に基づいて製版
処理した孔版原紙を版胴に巻装し、版胴内のインクを製
版処理された孔版原紙の孔から印刷用紙に転移させるこ
とにより印刷処理する孔版印刷装置において、使用する
インク色を指定する印刷色指定部と、版胴内のインク色
を記憶する版胴色記憶部と、指定されたインク色と版胴
内のインク色とが一致するか否かを判別する判別部と、
指定されたインク色と版胴内のインク色とが一致しない
場合、指定されたインク色では製版処理することができ
ない旨を通知するユーザ通知部とを具備する孔版印刷装
置であることにある。

【０００８】このような構成によれば、印刷色とは違う
インク色で誤って孔版印刷処理が行われることを未然に
防止し、効率的な孔版印刷処理を行うことができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の孔版印刷装置および孔版
印刷方法は、「指定された印刷色と版胴のインク色とが
一致するか否かを判別し、一致しない場合にその旨をユ
ーザに通知する」ことに特徴を有する。以下では、図１
〜図３を参照して、この特徴を具現化した本発明の一実
施形態に係る孔版印刷装置および孔版印刷方法の構成お
よび作用について詳しく説明する。

【００１０】《孔版印刷装置の構成》始めに、図１を参
照して、本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の構成に
ついて説明する。

【００１１】本発明の実施形態に係る孔版印刷装置は、
図１に示すように、主として、原稿読取部２、製版部
３、印刷部４、給紙部５、排紙部６および２箇所の排紙
部７とから構成されている。

【００１２】（原稿読取部）原稿読取部２は、装置本体
８の上部に設けられ、印刷に供される原稿を電気信号と
して読み取る。読み取った情報は、第１版胴色インク用
と第２版胴色インク用の各画像データとして生成する。
又、画像データは所定の指令（拡大、縮小等）に基づい
て加工可能である。

【００１３】（製版部）製版部３は、装置本体８に水平
移動自在に設けられた製版ユニット９を有し、この製版
ユニット９は製版ユニット移動手段１０によって孔版原
紙１１を第１版胴２５に供給する第１原紙供給位置と孔
版原紙１１を第２版胴２６に供給する第２原紙供給位置
との間で移動される。製版ユニット移動手段１０は、製
版ユニット９側に固定された製版ユニット移動モータ１
２と、この製版ユニット移動モータ１２の回転軸に固定
されたウオームギア１３と、ウオームギア１３に噛み合
っているウオームホイール（図示せず）、このウオーム
ホイールと同軸に固定されたピニオンギア１４と、装置
本体８側に固定されたラック１５とから構成されてい
る。

【００１４】製版ユニット９は、ロール状に巻き取られ
た長尺状の孔版原紙１１を収容する原紙収容部１６と、
原紙収容部１６に収容された孔版原紙１１の先端側を搬
送下流にガイドする複数の搬送ロール１７と、これら搬
送ロール１７の下流に配置されたサーマルヘッド１８
と、このサーマルヘッド１８の対向位置に配置され、ラ
イトパルスモータ（図示せず）の駆動力により回転する
プラテンロール１９と、プラテンロール１９およびサー
マルヘッド１８に対し孔版原紙１１の搬送方向の下流に
配置され、ライトパルスモータの駆動力により回転する
原紙送りロール２０と、この原紙送りロール２０が圧接
するガイド板２１と、原紙送りロール２０およびガイド
板２１とプラテンロール１９およびサーマルヘッド１８
との間に配置された原紙カッタ２２とを有する。

【００１５】（印刷部）印刷部４は、第１版胴２５、第
２版胴２６および印刷圧用回転部材である圧胴２７を有
し、第１版胴２５と第２版胴２６は圧胴２７の左右の斜
め上方位置にそれぞれ配置されている。詳しくは、第１
版胴２５および第２版胴２６は圧胴２７の中心角にして
約９０度離れた圧胴２７の外周面の位置にそれぞれ近接
されている。第１版胴２５、第２版胴２６および圧胴２
７はそれぞれ回転自在に設けられており、各外周面の近
接・圧接箇所で同一周速度になるよう版胴回転機構（図
示せず）によって回転される。版胴回転機構は、メイン
モータ（図示せず）を駆動源として駆動される。

【００１６】第１版胴２５および第２版胴２６は、回転
自在に支持された左右の環状枠体（特に、符号を付さ
ず）の間が版座部２８で連結され、この版座部２８は第
１版胴２５および第２版胴２６の外周面の一部を構成し
ている。版座部２８には、原紙クランプ部２９が設けら
れており、この原紙クランプ部２９で孔版原紙１１の先
端がクランプされる。また、各版座部２８にはスクリー
ン３０の先端側が固定され、このスクリーン３０が第１
版胴および第２版胴２６の外周面に巻き付けられてい
る。

【００１７】各スクリーン３０の後端側は羽１を介して
各版座部２８に張設されており、スクリーン３０はバネ
３１のバネ力に抗して外方に膨出可能に設けられてい
る。この各スクリーン３０は、例えばメッシュ構造体で
あり、下記する中押しロール３３で押圧されると、内面
側から外面側にインク３８が通過する。つまり、各スク
リーン３０は、インク３８が供給される第１版胴２５お
よび第２版胴２６の外周面部として構成されている。

【００１８】第１版胴２５および第２版胴２６の各スク
リーン３０のに内部には、インナープレス機構がそれぞ
れ収容されている。この各インナープレス機構３２は、
印刷圧をスクリーン３０の内周側から作用させる機能と
インク３８をスクリーン３０に供給するう機能とを兼用
する中押しロール３３を有する。

【００１９】中押しロール３３は、両側のロール支持部
材３４に回転自在に設けられており、図示しない駆動手
段によって第１版胴２５や第２版胴２６の回転に同期し
て回転駆動される。このロール支持部材３４は支持軸３
５を中心として回転自在に支持され、ロール支持部材３
４がａ矢印方向に回転移動して中押しロール３３がスク
リーン３０の内周面を押圧する押圧位置と、ロール支持
部材３４がｂ矢印方向に回転移動して中押しロール３３
がスクリーン３０の内周面から離間する待機位置との間
で変移可能に構成されている。中押しロール３３は、印
刷時には押圧位置とされ、印刷時以外では待機位置とさ
れる。

【００２０】また、このロール支持部材３４には第１ド
クターロール３６および第２ドクターロール３７がそれ
ぞれ取り付けられている。第１ドクターロール３６およ
び第２ドクターロール３７は円柱状を有し、共に中押し
ロール３３の近接位置に配置されている。中押しロール
３３の外周スペースであって、第１ドクターロール３６
および第２ドクターロール３７で囲まれる上方スペース
にはインク供給部（図示せず）よりインク３８が供給さ
れ、この位置にインク溜まり３９が構成される。第１版
胴２５側には第１色のインク３８が、第２版胴２６側に
は第２色インク３８がそれぞれ供給される。

【００２１】第１ドクターロール３６と中押しロール３
３とのキャップ（対向間距離）は、中押しロール３３に
付着するインク膜厚が所定となるように設定され、第２
ドクターロール３７と中押しロール３３とのギャップ
は、インク漏れが生じない程度に設定されている。つま
り、中押しロール３３が回転すると、中押しロール３３
の外周面には第１ドクターロール３６とのギャップによ
って所定膜厚のインクが連続的に付着され、中押しロー
ル３３によってスクリーン３０にインクが供給される。

【００２２】また、印刷圧用回転部材である圧胴２７の
外周面の所定箇所には用紙クランプ部４０が設けられ、
この用紙クランプ部４０で印刷媒体である印刷用紙４１
の先端をクランプできる。

【００２３】（給紙部）給紙部５は、印刷媒体である印
刷用紙４１が積層される給紙台４２と、この給紙台４２
から最上位置の印刷用紙４１に圧接する１次給紙ロール
４３と、この１次給紙ロール４３の搬送下流に配置され
た一対の２次給紙ロール４４と、この２次給紙ロール４
４と圧胴２７との間で印刷用紙４１の搬送ガイドを行う
ガイド板４５とを有する。１次給紙ロール４３の回転に
よって最上位置の印刷用紙４１のみが一対の２次給紙ロ
ール４４まで搬送され、この搬送された印刷用紙４１
は、一対の２次給紙ロール４４の回転によって圧胴２７
の回転に同期して印刷部５に供給される。

【００２４】（排紙部）排紙部６は、印刷が完了した印
刷用紙４１の先端をガイドする上方規制ガイド部４６
と、圧胴２７から剥離されない印刷用紙４１を剥ぎ取る
用紙剥ぎ取り積め７と、上方規制ガイド部４６でガイド
され、又は、用紙剥ぎ取り爪４７で剥ぎ取られた印刷用
紙４１を搬送する一対の排紙ロール４８と、この一対の
排紙ロール４８によって排紙される印刷用紙４１を積層
状態で載置する排紙台４９とを有する。

【００２５】（排版部）排版部７は、第１版胴２５およ
び第２版胴２６に対応してそれぞれ設けられている。各
排版部７は、第１版胴２５や第２版胴２６の外周面に少
し離間して配置された一対の排版ロール５０、５１と、
この一対の排版ロール５０、５１間に掛けられ、原紙ク
ランプ部２９により解除された孔版原紙１１の先端を導
く排版誘導ベルト５２と、この排版誘導ベルト５２より
導かれた孔版原紙１１を排版ロール５１と共働して第１
版胴２５や第２版胴２６より引き剥がしながら搬送する
排版ロール５３と、この排版ロール５１、５３によって
搬送されて来る孔版原紙１１を収納する排版ボックス５
４と、排版ボックス５４の奥側に孔版原紙１１を押圧す
る圧縮板５５とを有する。

【００２６】《製版処理の動作説明》次に、上記孔版印
刷装置の２色印刷動作を簡単に説明する。原稿読取部２
では、印刷の原稿を読取り、これより第１版胴色インク
用と第２版胴色インク用の各画像データを生成する。

【００２７】製版部３では、プラテンローラ１９と原稿
送りローラ２０の回転により長尺状の孔版原紙１１を搬
送し、原稿読取部２で読み取った画像データに基づきサ
ーマルヘッド１８により孔版原紙を加熱穿孔して第１版
胴色インク用と第２版胴色インク用とをそれぞれ孔版形
成し、この穿孔された孔版原紙１１の後方箇所を原紙カ
ッタ２２で切断して所定長さの第１版胴色インク用と第
２版胴色インク用の各孔版原紙１１を作る。そして、製
版ユニット９を第１原紙供給位置に移動させて、第１版
胴色インク用の孔版原紙１１を第１版胴２５側に供給
し、製版ユニット９を第２原紙供給位置に移動させて、
第２版胴色インク用の孔版原紙１１を第２版胴２６側に
供給する。

【００２８】印刷部４では、製版部３で製版された第１
版胴色インク用の孔版原紙１１の先端を第１版胴２５の
原紙クランプ部２９でそれぞれクランプし、このクラン
プした状態で第１版胴２５が回転された孔版原紙１１を
第１版胴２５のＳクリーン３０の外周面に巻き付け装着
する。また、製版部３で製版された第２版胴色インク用
の孔版原紙１１の先端を第２版胴２６の原紙クランプ部
２９でそれぞれクランプし、このクランプした状態で第
２版胴２６が回転されて孔版原紙１１を第２版胴２６の
スクリーン３０の外周面に巻き付け装着する。

【００２９】給紙部５では、下記する第１版胴２５、第
２版胴２６および圧胴２７の回転に同期して印刷用紙４
１を搬送し、圧胴２７の用紙クランプ部４０で印刷用紙
４１の先端をクランプした状態で印刷用紙４１を第１版
胴２５および圧胴２７の間に搬送する。

【００３０】《孔版印刷処理の動作説明》印刷部４で
は、印刷時以外は各中押しロール３３を待機位置とし、
中押しロール３３を待機位置とし、中押しロール３３を
スクリーン３０より離間する位置に位置させる。印刷時
は各中押しロール３３を押圧位置とし、第１版胴２５お
よび第２版胴２６を圧胴２７と共に回転させる。する
と、各中押しロール３３は、スクリーン３０の内周側を
押圧しながらスクリーン３０の内周面上を回転する。中
押しロール３３の外周面には連続的にインク３８が供給
されるため、この回転によってスクリーン３０にはイン
ク３８が転移される。

【００３１】また、中押しロール３３の押圧によってス
クリーン３０は外周側に膨出し圧胴２７に圧接状態とな
る。そして、上記したように第１版胴２５と圧胴２７と
の間に給紙部５より印刷用紙４１が搬送され、この搬送
されてきた印刷用紙４１が第１版胴２５の中押しロール
３３と圧胴２７との間でスクリーン３０および孔版原紙
１と共に押圧されながら搬送される。

【００３２】次に、印刷用紙４１が第２版胴２６と圧胴
２７との間に搬送され、この搬送されてきた印刷用紙４
１が第２版胴２６の中押しロール３３と圧胴２７との間
でスクリーン３０および孔版原紙と共に押圧されながら
搬送される。この各押圧搬送過程で印刷用紙４１に孔版
原紙１１の孔部分からインク３８が転写され、以上より
２色の画像が印刷される。印刷用紙４１の先端が第２版
胴２６側の中押しロール３３の位置を過ぎその下流まで
来ると、用紙クランプ部４０が解除される。

【００３３】排紙部６では、印刷用紙４１の先端側がを
上方規制ガイド部４６でガイドし、又は、印刷用紙４１
の先端側を用紙剥ぎ取り爪４７で圧胴２７より剥ぎ取
り、その後、１つの排紙ロール４８を介して排紙台４９
に搬送する。

【００３４】《制御系の構成》次に、図２を参照して、
本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の制御系について
説明する。

【００３５】本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の制
御系は、図２に示すように、ユーザが印刷色を指定する
印刷色指定部１０１、装置１００内に搭載されている版
胴内のインク色を格納する版胴色記憶部１０２、印刷色
指定部１１を介して指定された印刷色と版胴色記憶部１
０２内に格納されたインク色とが一致するか否かを判別
する判別部１０３、指定された印刷色では印刷すること
ができない旨を通知するユーザ通知部１０４を備え、操
作パネル等を介した制御系への入力情報にしたがって、
孔版印刷処理部１０５、製版処理部１０６を統括制御す
る。

【００３６】ここで、印刷色指定部１０１は、タッチパ
ネルやキーボタン等の形態を有し、ユーザはタッチパネ
ルやキーボタンを操作して、印刷色を指定するものとす
る。

【００３７】また、版胴色記憶部１０２内のインク色
は、版胴が装置１００に装着された際に、版胴に取り付
けられたメモリ等から版胴内のインク色情報を読み取り
記憶したり、ユーザが適当な入力部を介して直接記憶部
１０２内にインク色情報を入力することにより、格納す
ることが望ましい。

【００３８】さらに、ユーザ通知部１０４は、ディスプ
レイを介した画面出力方式、アラーム音等の警告音を用
いた音声通知方式、発光ダイオード等を用いた光通知方
式等、種々の方式によってユーザに希望する印刷色が装
置内にないことを通知する。また、電子ネットワークを
介した孔版印刷処理である場合、電子ネットワークを利
用してユーザ端末に通知するようにすることが望まし
い。これにより、ユーザが孔版印刷装置から離れた位置
にいる場合であっても、ユーザは指定されたインク色で
は印刷することができない旨を認識することができる。

【００３９】なお、図２に示すように、孔版印刷装置は
電子ネットワークを介してコンピュータシステムに接続
可能な構成となっているが、電子ネットワークを介して
コンピュータシステム内に格納された画像データを孔版
印刷装置で印刷するような場合には、印刷色指定部およ
びユーザ通知部はコンピュータ側に設けるようすること
が望ましい。これにより、コンピュータシステム上から
孔版印刷処理の実行を指定するような場合であっても、
希望する色とは違うインク色で誤って製版処理が行われ
ることを未然に防止し、効率的な製版処理を行うことが
できる。なお、ここでいう電子ネットワークとは、電気
通信技術を利用した通信網全般を意味し、例えば、ＴＣ
Ｐ（Transmission Control Protocol）／ＩＰ（Interne
t Protocol）をベースとしたインターネットシステム、
ＷＡＮ（Wide Area Network）、ＬＡＮ（Local Area Ne
twork）、光ファイバ通信、ケーブル通信、衛星通信、
移動体通信等の利用が考えられる。

【００４０】《制御系の動作説明》次に、図３を参照し
て、本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の制御方法に
ついて説明する。

【００４１】本発明の実施形態に係る孔版印刷方法によ
り製版処理を行う際は、上記の制御系が以下の処理ステ
ップを実行する。

【００４２】（１）版胴色記憶部１０２が、孔版印刷装
置１００内に搭載された各版胴内のインク色を記憶、格
納する（版胴色記憶ステップ、Ｓ３０１）。

【００４３】（２）印刷色指定部１０１を介して、製版
処理の印刷色を指定する（印刷色指定ステップ、Ｓ３０
２）。

【００４４】ここで、孔版印刷装置が複胴式のものであ
る場合、版胴毎に印刷色を指定することが望ましい。こ
れにより、版胴内のインク色が赤、黒のときに青の色情
報を備えた印刷情報を送ってしまったり、また、第１、
第２の版胴のインク色がそれぞれ赤、黒の時に、第１版
胴に黒、第二の版胴に赤を送ってしまったり等のトラブ
ルを防止することができる。

【００４５】（３）判別部１０３が、ユーザが指定した
印刷色と版胴色記憶部１２内に記憶されたインク色とが
一致するか否かを判別する（判別ステップ、Ｓ３０
３）。

【００４６】判別の結果、一致する場合には（製版処理
ステップ、Ｓ３０５）へ、一致しない場合には（ユーザ
通知ステップ、Ｓ３０４）へそれぞれ移行する。

【００４７】（４）ユーザ通知部１０４が、ユーザが指
定した印刷色と装置１００内に搭載されている版胴のイ
ンク色とが異なることをユーザに通知し（ユーザ通知ス
テップ、Ｓ３０４）、ユーザは通知された情報にしたが
って、版胴を交換したり、印刷色の変更等の作業を行
う。なお、この際、所望のインク色がないという通知と
共に、何色のインク色の版胴が装置内にあるかをユーザ
に同時に通知するようにしても良い。

【００４８】（５）製版処理部１０６が、ユーザが指定
した印刷色にしたがって製版処理を実行する（製版処理
ステップ、Ｓ３０５）。

【００４９】このように、本発明の孔版印刷装置は、指
定された印刷色と版胴のインク色とが一致するか否かを
判別し、一致しない場合にその旨をユーザに通知するこ
とに特徴を有し、これにより、希望する色とは違うイン
ク色で誤って製版処理が行われることを未然に防止し、
効率的な製版処理を行うことを可能にしているのであ
る。なお、本発明の孔版印刷装置は、単胴式の孔版印刷
装置に限られることなく、例えば図１に示すような複胴
式の孔版印刷装置についても適用することが可能であ
る。したがって、本発明はここでは記載していない様々
実施の形態等を包含するということは十分に理解すべき
である。すなわち、本発明はこの開示から妥当な特許請
求の範囲に係わる発明特定事項によってのみ限定される
ものでなければならない。

【００５０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の孔版印刷
装置および孔版印刷方法によれば、希望する色とは違う
インク色で誤って製版処理が行われることを防止し、効
率的な製版処理を行うことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の構成を
示す概略構成図である。

【図２】本発明の実施形態に係る孔版印刷方法の制御系
の構成を示す概略ブロック図である。

【図３】本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の制御方
法を示すフローチャート図である。

【図４】一般的な孔版印刷処理を説明するための模式図
である。

【符号の説明】

１００ 孔版印刷装置 １０１ 印刷色指定部 １０２、１１１ 版胴色記憶部 １０３、１１２ 判別部 １０４ ユーザ通知部 １０５ 孔版印刷処理部 １０６ 製版処理部 １１０ コンピュータシステム

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷情報に基づいて製版処理した孔版原
   紙を版胴に巻装し、前記版胴内のインクを前記製版処理
   された孔版原紙の孔から印刷用紙に転移させることによ
   り印刷処理する孔版印刷装置において、 使用するインク色を指定する印刷色指定部と、 前記版胴内のインク色を記憶する版胴色記憶部と、 指定されたインク色と前記版胴内のインク色とが一致す
   るか否かを判別する判別部と、 指定されたインク色と前記版胴内のインク色とが一致し
   ない場合、指定されたインク色では製版処理することが
   できない旨を通知するユーザ通知部とを具備することを
   特徴とする孔版印刷装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の孔版印刷装置であっ
   て、 前記孔版印刷装置はネットワークによってコンピュータ
   に接続され、前記印刷色指定部をコンピュータ側に設け
   たことを特徴とする孔版印刷装置。
3. 【請求項３】 請求項２に記載の孔版印刷装置であっ
   て、 前記孔版印刷装置はネットワークによってコンピュータ
   に接続され、前記ユーザ通知部をコンピュータ側に設け
   たことを特徴とする孔版印刷装置。