JP2002044921A - 交流発電機 - Google Patents

交流発電機

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JP2002044921A
JP2002044921A JP2000223896A JP2000223896A JP2002044921A JP 2002044921 A JP2002044921 A JP 2002044921A JP 2000223896 A JP2000223896 A JP 2000223896A JP 2000223896 A JP2000223896 A JP 2000223896A JP 2002044921 A JP2002044921 A JP 2002044921A
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
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    • H02K21/00Synchronous motors having permanent magnets; Synchronous generators having permanent magnets
    • H02K21/02Details
    • H02K21/04Windings on magnets for additional excitation ; Windings and magnets for additional excitation
    • H02K21/042Windings on magnets for additional excitation ; Windings and magnets for additional excitation with permanent magnets and field winding both rotating
    • H02K21/044Rotor of the claw pole type

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  • Synchronous Machinery (AREA)
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  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 交流発電機が高温運転されても交流発電機出
力の低下がなく、高速回転時の回転子強度が充分に大き
な、低価格の交流発電機を提供する。 【解決手段】 交流発電機のロータは、互いに噛み合う
ように配置された爪状磁極を有するポールコアと、爪状
磁極間に配設されて磁極間の磁束の漏洩を低減する永久
磁石とを有している。永久磁石は、組成にTiとBが添加
されている例えばSm8.2-Fe75.6-Ti2.3-B0.9-N13ボンド
磁石等のサマリウム−鉄系のプラスチック永久磁石であ
る。永久磁石は、耐食性の保持部材で囲われていて、少
なくとも一部が樹脂被覆されていると良い。また、回転
時の遠心力による磁極の外径方向の変位を規制する規制
手段備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は交流発電機に関
し、特にエンジンによって回転される車両用交流発電機
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は従来の車両用交流発電機の一例
を示す側断面図である。図12に示す如く、この発電機
は、アルミニウム製のフロントブラケット1及びリヤブ
ラケット2から構成されたケース3と、このケース3内
に設けられ、一端部にプーリ4が固定されたシャフト6
と、このシャフト6に固定されたランドル型のロータ7
と、ロータ7の両端面に固定されたファン5と、ケース
3内の内壁面に固定されたステータ8とを備えている。
【0003】発電機は更に、シャフト6の他端部に固定
され、ロータ7に電流を供給するスリップリング9と、
スリップリング9に摺動する一対のブラシ10と、この
ブラシ10を収納したブラシホルダ11と、ステータ8
に電気的に接続されステータ8で生じた交流を直流に整
流する整流器12と、ブラシホルダ11に嵌着されたヒ
ートシンク19と、このヒートシンク19に接着されス
テータ8で生じた交流電圧の大きさを調整するレギュレ
ータ20とを備えている。フロントブラケット1及びリ
ヤブラケット2には、冷却風の通風口となる排気窓17
が開けられている。
【0004】ロータ7は、電流を流して磁束を発生する
円筒状のロータコイル13と、このロータコイル13を
覆って設けられ、その磁束によって磁極が形成されるポ
ールコア14とを備えている。
【0005】ステータ8は、ステータコア15と、この
ステータコア15に巻回され、ロータ7の回転に伴って
ロータコイル13からの磁束の変化で交流が生じるステ
ータコイル16とを備えている。
【0006】ポールコア14は、一対の交互に噛み合っ
た第1のポールコア体21及び第2のポールコア体22
から構成されている。ポールコア体21及びポールコア
体22は通常鉄製であり、ロータコイル13が巻装され
る円筒部21e、22eと、この円筒部21e、22e
が突設された円盤状の基部21k、22kより成る。基
部21k、22kの外縁には、ロータコイル13の外周
とステータ8の内周との間の位置に、相互に噛み合う爪
状磁極23、24をそれぞれ複数有している。
【0007】上記爪状磁極23、24は、基部21k、
22k側の厚み及び幅が大きく、先端側にいくに従って
厚み及び幅が細くなる形状である。爪状磁極23、24
の内周面23a、24aは、先端にいくにつれ厚みが薄
くなり、外周面23b、24bは、ステータ8の内周面
に沿った弧状である。爪状磁極23、24は、ロータ7
の周方向に対して台形状の2つの側面23c、24cを
有する。各爪状磁極23、24は、その先端を向かい合
わせて交互に噛み合わせられるので、爪状磁極23、2
4の内周面23a、24aの傾斜が周方向に互い違いで
並ぶことになる。また、爪状磁極23、24の側面23
c、24cは、根元側から先端側にいくにつれて先端側
が細くなるように爪状磁極23、24の中心側に傾いて
いる。
【0008】隣り合う爪状磁極23、24の間には、そ
の対向する側面23c、24c同志で磁束の漏洩を減少
する向きに着磁されたほぼ直方体形状の永久磁石30A
が固着されている。
【0009】動作を以下に説明する。図ししてないバッ
テリからブラシ10、スリップリング9を通じてロータ
コイル13に電流が供給されて磁束が発生し、第1のポ
ールコア体21の爪状磁極23にはN極が着磁され、第
2のポールコア体22の爪状磁極24にはS極が着磁さ
れる。一方、エンジンの回転力によってプーリ4が回転
され、シャフト6によってロータ7が回転するためステ
ータコイル16には交流の起電力が生じる。この交流の
起電力は、整流器12を通って直流に整流されるととも
に、レギュレータ20によりその大きさが調整されて、
図ししてないバッテリに充電される。
【0010】爪状磁極23、24の側面23c、24c
間に固着され、磁束の漏洩を減少する向きに着磁された
直方体形状の磁石30Aは、プラスチックマグネットで
ある。磁石の材料としては、コスト的にはフェライト磁
石が有利であるが、強度的に脆く加工性が低いことや、
着磁できる残留磁束密度が低く、特性的に熱に弱いなど
の理由からあまり用いられない。従って、磁石材料とし
ては、磁石形状の自由度が高く、残留磁束密度が大きい
などの利点から、プラスチックマグネットが多く用いら
れる。プラスチックマグネットとしては、ネオジウム−
鉄−ボロン系(Nd-Fe-Co-Bボンド磁石)およびサマリウ
ム−鉄系(Sm-Fe-Nボンド磁石)のものが用いられてい
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】Nd-Fe-Co-Bボンド磁石
の残留磁束密度Brの温度係数は、-0.1 %/K(負の温度
係数)であり、Sm-Fe-Nボンド磁石の残留磁束密度Br
の温度係数は、-0.07 %/K(負の温度係数)であるた
め、交流発電機が高温状態になった時、磁石の効果が低
くなり発電機出力が低下してしまう。
【0012】また一般に磁石には、磁石を高温に曝した
後常温に戻しても磁束(磁力)が初期特性値にまで回復
しない不可逆減磁という現象があり、そのような変化の
割合を不可逆減磁率という。ここでは、磁石を373K
の高温度に於いて加熱した場合の不可逆減磁率であって
加熱時間が2時間の場合を2時間不可逆減磁率と呼び、
加熱時間が300時間の場合を300時間不可逆減磁率
と呼ぶことにすると、Nd-Fe-Co-Bボンド磁石の2時間不
可逆減磁率(373K×2hr)は−4.4%であり、
300時間不可逆減磁率(373K×300hr)は−
5.4%である。Sm-Fe-Nボンド磁石の2時間不可逆減
磁率(373K×2hr)は−4.0%であり、300
時間不可逆減磁率(373K×300hr)は−5.3
%である。従って、交流発電機が高温で連続的に使用さ
れた場合、磁石の磁気特性が劣化するため交流発電機の
出力は初期値に比べて低下することになる。
【0013】一方、Nd-Fe-Co-B磁粉の高温保持(373
K×300hr)後の酸素含有量は0.8wt%であ
り、Sm-Fe-N磁粉の高温保持(373K×300hr)
後の酸素含有量は、0.4wt%である。この酸素含有
量が大きいほど錆が発生しやすく、ブラケットに排気窓
を有している場合は、外部からの影響、例えば水の浸入
等によって磁粉や磁極に錆が発生する危険性が大きくな
る。錆が発生すると、磁石強度および磁極と磁石との接
着強度が低下し、高速回転時の回転子強度が著しく低下
する。特に、Nd-Fe-Co-Bボンド磁石は、酸素含有量がSm
-Fe-Nボンド磁石の酸素含有量の2倍もあり、耐酸化性
に劣るためエポキシ塗装やメッキなどの表面処理が必要
でコストがかかる。
【0014】従ってこの発明の目的は、交流発電機が高
温運転されても交流発電機出力の低下がなく、高速回転
時の回転子強度が充分に大きな、低価格の交流発電機を
提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、上述
の課題を解決するための手段は次の通りである。 (1)排気窓を有するブラケットに内含され、ロータの
回転磁界により三相交流を発生するステータと、磁束を
発生するロータコイル、このロータコイルを覆って設け
られ、交互に噛み合うように突出される爪状磁極をそれ
ぞれ有する第1のポールコア体及び第2のポールコア体
から構成されたポールコア、上記爪状磁極の両側面側に
配設され、隣り合う爪状磁極の側面同士の磁束の漏洩を
低減する永久磁石、発電機出力電流による発熱体を冷却
するロータ軸方向両端に取り付けられたファンを有して
いるロータと、を有する交流発電機であって、上記永久
磁石は、組成にTiとBが添加されているサマリウム−鉄
系の永久磁石(Sm-Fe-Ti-B-N磁石)であることを特徴と
する交流発電機。
【0016】(2)上記永久磁石は、磁石粉末を樹脂で
結合したプラスチックマグネットで作ることができる。
【0017】(3)上記永久磁石は、Sm8.2-Fe75.6-Ti
2.3-B0.9-N13ボンド磁石で良い。
【0018】(4)上記永久磁石は、耐食性部材で囲わ
れて保持されていても良い。
【0019】(5)上記永久磁石の爪状磁極側面に対向
する側の少なくとも一部が樹脂含浸されていても良い。
【0020】(6)上記永久磁石は、第1のポールコア
体の磁極及び第2のポールコア体の磁極の各々に分離、
取り付けられていても良い。
【0021】(7)上記第1および第2のポールコア体
の磁極の外周に、上記磁極の回転子回転時の遠心力によ
る外径方向の変位を規制する規制手段を有していても良
い。
【0022】(8)上記規制手段は、第1および第2の
ポールコア体の磁極の先端近傍に設けられ、上記先端の
変位を規制するものでよい。
【0023】(9)上記規制手段は、耐食性材料であっ
て、回転子の全外周に亘って周方向に延びたものでよ
い。
【0024】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1にはこの発明
の交流発電機の回転子を斜視図で示し、図2にはこの回
転子を部品単位で分解した側面図で示す。この発明の交
流発電機の全体構造は図12に示すような従来の交流発
電機と同様であるが、隣り合う爪状磁極23、24の間
に挿入され固着されて、その対向する側面23c、24
c同志で磁束の漏洩を減少する向きに着磁された直方体
形状の永久磁石30が異なっている。即ち、この発明に
よれば、爪状磁極23、24間に固着された永久磁石3
0は、組成にTiとBが添加されているサマリウム−鉄
系のプラスチックマグネット(Sm-Fe-Ti-B-Nボンド磁
石)である。このような永久磁石30の一例はSm8.2-Fe
75.6-Ti2.3-B0.9-N13ボンド磁石である。
【0025】図3の表には、本発明のボンド磁石につい
て、残留磁束密度の温度係数および磁石を高温に曝した
後常温に戻した時の磁束(磁力)の特性値が初期特性値
に対して変化した割合である不可逆減磁率を、磁石を3
73Kで2時間加熱した場合(2時間不可逆減磁率)
と、300時間加熱した場合(300時間不可逆減磁
率)とを、従来のボンド磁石と比較して示してある。図
3から、従来のNd-Fe-Co-Bボンド磁石(例えばNd12-Fe
76-Co5-B7)の残留磁束密度Brの温度係数は−0.1
0%/K(負の温度係数)であり、同じく従来のSm-Fe-
Nボンド磁石(例えばSm9.0-Fe78.0-N13)の残留磁束密
度Brの温度係数は−0.07%/K(負の温度係数)
であるため、交流発電機が高温状態になった時、磁石の
残留磁束密度が小さくなり、磁束の漏洩を低減する効果
が低くなるため発電機出力が低下してしまう。本発明の
Sm-Fe-Ti-B-Nボンド磁石(例えばSm8.2-Fe75.6-Ti2.3-B
0.9-N13)の残留磁束密度Brの温度係数は−0.06
%/Kであり、従来磁石と比べて負で大きい(0%/K
に近くなる。)ことから、交流発電機が高温状態になっ
た時の磁石の残留磁束密度の低下が小さく、発電機出力
の低下が軽減できる。
【0026】図5のグラフには本発明の交流発電機に於
ける発電機回転速度(r/min)に対する発電機出力
電流の変化の様子を、従来の交流発電機と比較して、冷
時出力特性(A)および熱時出力特性(B、C)につい
て示してある。図5のグラフから明らかなように、冷時
出力特性については、発電機出力特性は本発明の発電機
でも従来の発電機でも同じ曲線Aであらわされる。従来
の発電機の熱時出力特性は冷時出力特性の曲線Aよりも
出力電流値の低い曲線Cのようになるが、本発明の発電
機の熱時出力特性は曲線Cよりも出力電流値の大きい曲
線Bのようになる。これは、磁石の残留磁束密度の温度
係数が従来より負で大きいためで、温度上昇時の残留磁
束密度の減少量が小さくなったためである。
【0027】また、図3から、従来のNd-Fe-Co-Bボンド
磁石の2時間不可逆減磁率(373K×2hr)は−
4.4%であり、300時間不可逆減磁率(373K×
300hr)は−5.4%である。同じく従来のSm-Fe-
Nボンド磁石の2時間不可逆減磁率(373K×2h
r)は−4.0%であり、300時間不可逆減磁率(3
73K×300hr)は−5.3%である。これら従来
磁石に対し、本発明のSm-Fe-Ti-B-Nボンド磁石の2時間
不可逆減磁率(373K×2hr)は−2.1%であ
り、300時間不可逆減磁率(373K×300hr)
は−2.5%である。つまり、本発明のSm-Fe-Ti-B-Nボ
ンド磁石は、2時間不可逆減磁率、300時間不可逆減
磁率ともに従来の半分程度である。従って、交流発電機
が高温で連続的に使用された場合に、従来の磁石では磁
気特性の劣化が大きく、交流発電機の出力特性は初期に
比べて劣化するが、本発明のSm-Fe-Ti-B-Nボンド磁石を
用いた場合は、磁気特性の劣化が小さく、交流発電機の
出力特性の劣化も従来の半分程度に小さくでき、磁石の
効果が安定的に得られる。
【0028】図6のグラフには本発明の交流発電機に於
ける高温連続運転時間(hr)に対する交流発電機出力
電流の低下率(%)の変化を従来の交流発電機の変化と
比較して示してある。図6のグラフから明らかなよう
に、従来の発電機での低下率の曲線Dは高温連続運転開
始から約10時間程度までは急激に下がり、その後は時
間の経過と共に緩やかな低下を示しているが、本発明の
発電機の低下率は曲線Eで示すように始めの約1時間を
越える辺りまで従来のものの約50%の低下率であり、
その後は時間の経過と共に緩やかに次第に減少してい
て、本発明の発電機出力電流の低下率は全体として従来
のものの低下率の約50%であると言える。これは、本
発明の磁石の不可逆減磁率が、従来の磁石に比べて半分
程度であり、磁石の高温連続使用による特性劣化が半減
するためである。
【0029】図4のグラフは磁粉を373Kの高温下で
保持した時の磁粉の酸素含有量の時間的変化を示してあ
る。図4のグラフから明らかなように、従来のNd-Fe-Co
-B磁粉は高温保持373K×300時間後の酸素含有量
の増加量は0.8wt%であり、同じく従来のSm-Fe-N
磁粉の高温保持373K×300時間後の酸素含有量は
0.4wt%であるのに対し、本発明のSm-Fe-Ti-B-N磁
粉の高温保持373K×300時間後の酸素含有量は
0.3wt%であり、従来の磁石に比べ耐酸性に優れ
る。
【0030】従って、ブラケットの排気窓から水の浸入
が有った場合などでも、本発明の磁石は錆びにくく耐食
性・耐環境性に優れた交流発電機を得ることができる。
また、表面処理の必要なNd-Fe-Co-Bボンド磁石に対して
はコスト低減も可能である。
【0031】このように、この発明の交流発電機によれ
ば、従来よりも高温時の出力を向上でき、かつ、耐久性
・耐環境性に優れ、強度低下が防止された交流発電機を
提供できる。
【0032】実施の形態2.図7には本発明の交流発電
機の回転子のポールコア体21、22の爪状磁極23、
24間に配置された永久磁石30を斜視図で示し、図8
には爪状磁極23と永久磁石30との関係を断面図で示
してある。永久磁石30はSm-Fe-Ti-B-Nボンド磁石であ
り、磁性樹脂板材料あるいは磁性金属板等の耐食性材料
でできた保持部材41に固着されている。保持部材41
はほぼ台形の板部材の斜辺部分に断面ほぼコの字形の折
り曲げ部分42を設けたもので、このほぼコの字形部分
42の内側に永久磁石30を接着剤等によって固着した
ものであり、永久磁石30はその周囲を折り曲げ部分4
2によって囲まれている。このようにして永久磁石30
が斜辺に沿って固着された保持部材41は、その中央部
43で爪状磁極23、24の内周面に接着剤などにより
固着されている。
【0033】この構成によれば永久磁石30は耐食性の
保持部材41によって囲まれているので、外部環境の影
響を受けにくくなり、Sm-Fe-Ti-B-Nボンド磁石自身の持
つ耐食性と合わせて永久磁石30の防錆効果が向上し、
耐環境性が向上する。また、永久磁石30を保持する保
持部材41の材料として熱伝導率の低いモールド樹脂を
用いた場合でも、Sm-Fe-Ti-B-Nボンド磁石は熱安定性に
優れているので、従来磁石と比べて高温時の出力低下が
低減される。以上より、従来よりも高温時の出力低下を
防ぎ、かつ、耐久性・耐環境性に優れ、強度低下を防止
できる。
【0034】実施の形態3.図9に示す構造は、図8に
示す永久磁石30の磁極23への取付構造と同様である
が、爪状磁極23の側面と、それに対向する永久磁石3
0の磁極面との間にできる隙間44に磁性樹脂45を充
填してある。この磁性樹脂45により隙間44による空
隙を塞ぐとともに、永久磁石30の露出表面をも覆って
永久磁石30の露出部を減少させてある。この構造によ
れば、図7および図8の実施形態よりもさらに永久磁石
30への外部環境の影響を低減でき、更なる防錆効果が
得られる。なお、永久磁石30を囲む保持部材41およ
び隙間44に充填された樹脂により磁石が覆われるため
永久磁石30の放熱が悪化する可能性があるが、Sm-Fe-
Ti-B-Nボンド磁石は熱安定性に優れているので、従来の
磁石と比べて高温時の出力低下が低減される。また、耐
久性・耐環境性に優れ、強度低下を防止できる。
【0035】実施の形態4.図10および図11に示す
交流発電機の回転子に於いては、第1および第2のポー
ルコア体21、22の磁極23、24の先端部および根
本部の外周に環状で帯状の規制部材46が嵌められてい
る。この円環状の規制部材46は磁極23、24の先端
部が交流発電機の運転時に遠心力により径方向外側に広
がろうとするのを防ぐものである。このような構成によ
り磁極23、24の外径側への変位が抑制され、強度向
上となる。
【0036】実施の形態5.図11に示す交流発電機の
回転子48はまた、回転子48の外周全体でポールコア
体21、22と永久磁石30との上に巻き付けられて固
着された樹脂含浸カーボン繊維のテープ49を備えてい
る。このテープ49はポールコア体21、22と永久磁
石30とを外周部で強固に支持しているので、磁極2
3、24の外径側への変位抑制機能が更に向上するとと
もに、磁石の飛び出しも防ぐことができ、回転子全体が
外周側から耐食性のテープ49により覆われることにな
るので、外部環境の影響を更に受けにくくなり、耐環境
性が向上する。
【0037】
【発明の効果】以上の如く本発明の交流発電機による効
果は次の通りである。 (1)排気窓を有するブラケットに内含され、ロータの
回転磁界により三相交流を発生するステータと、磁束を
発生するロータコイル、このロータコイルを覆って設け
られ、交互に噛み合うように突出される爪状磁極をそれ
ぞれ有する第1のポールコア体及び第2のポールコア体
から構成されたポールコア、上記爪状磁極の両側面側に
配設され、隣り合う爪状磁極の側面同士の磁束の漏洩を
低減する永久磁石、発電機出力電流による発熱体を冷却
するロータ軸方向両端に取り付けられたファンを有して
いるロータと、を有する交流発電機であって、上記永久
磁石は、組成にTiとBが添加されているサマリウム−鉄
系の永久磁石(Sm-Fe-Ti-B-N磁石)である。従って、Sm
-Fe-Ti-B-N磁石は熱安定性に優れるので、交流発電機が
高温で運転される時の出力電流の低下が低減でき、ま
た、耐食性・耐環境性にも優れるため、水の浸入など外
的影響による錆の発生が起こりにくいという効果も得ら
れるため、従って、高温時の出力を向上でき、かつ、耐
久性・耐環境性に優れた交流発電機を供給できる。
【0038】(2)上記永久磁石は、磁石粉末を樹脂で
結合したプラスチックマグネットで作ることができるの
で、磁石粉末が樹脂で結合されていて、防錆効果が向上
するとともに、靱性が高く、強度に優れる。
【0039】(3)上記永久磁石は、Sm8.2-Fe75.6-Ti
2.3-B0.9-N13ボンド磁石で良いので、熱安定性に優れて
いる。
【0040】(4)上記永久磁石は、耐食性部材で囲わ
れて保持されていても良い。 磁石を保持部材で囲う事
により、さらに外的影響を受けにくく防錆効果を向上で
き、磁石の熱安定性が優れることから高温時の出力低下
を軽減できる。
【0041】(5)上記永久磁石の爪状磁極側面に対向
する側の少なくとも一部が樹脂充填されていても良いの
で、磁石と爪状磁極の側面との間の隙間を樹脂を充填し
て埋めることとなり、永久磁石への外部環境の影響、即
ち外的影響をさらに遮断して防錆効果を向上させること
ができ、磁石の放熱性が悪化しても磁石の熱安定性が優
れることから高温時の出力低下を低減できる。
【0042】(6)上記永久磁石は、第1のポールコア
体の磁極及び第2のポールコア体の磁極の各々に分離、
取り付けられていても良い。永久磁石は、各ポールコア
体の磁極各々に分離、取り付けられているので、各ポー
ルコア体の磁極の変位とともに磁石も可動することがで
き、過度の応力が発生せず、強度に優れる。また、可動
部を有することにより、この部位での錆の発生が生じて
も、回転時に可動することによって錆が剥離し進展しに
くくなる。
【0043】(7)上記第1および第2のポールコア体
の磁極の外周に、上記磁極の回転子回転時の遠心力によ
る外径方向の変位を規制する規制手段を有していても良
い。錆の発生により、磁石強度および磁極と磁石との接
着強度が低下するが、ポールコア体の磁極が回転子回転
時の遠心力による外径方向の変位を規制する規制手段を
有しているので、強度向上する。
【0044】(8)上記規制手段は、第1および第2の
ポールコア体の磁極の先端近傍に設けられ、上記先端の
変位を規制するものでよい。規制手段は、回転時の最も
変位の大きなポールコア体の磁極の先端で規制されてい
るので、変位抑制効果が大きい。
【0045】(9)上記規制手段は、耐食性材料であっ
て、回転子の全外周に亘って周方向に延びたものでよ
い。上記規制手段は、回転子の外周ぜ全体より規制され
ているので、磁極の変位抑制効果と、磁石の飛び出し防
止効果がある。また、外周側から耐食性部材で囲うこと
により、外的影響を受けにくくなりさらに耐環境性が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の交流発電機の回転子の斜視図である。
【図2】本発明の交流発電機の回転子のコイルとポール
コアと永久磁石との関係を分解側面図である。
【図3】 本発明の交流発電機に用いる永久磁石の熱安
定性を残留磁束密度の温度係数および不可逆減磁率によ
って示す表である。
【図4】磁粉の酸素量の時間変化を示すグラフである。
【図5】本発明の交流発電機の回転速度に対する出力電
流の変化を冷時および熱時について従来のものと比較し
て示すグラフである。
【図6】本発明の交流発電機の運転時間に対する出力電
流の低下率を従来のものと比較して冷時および熱時につ
いて示すグラフである。
【図7】本発明の一実施形態の交流発電機の回転子のポ
ールコアと永久磁石との関係を示す斜視図である。
【図8】本発明の交流発電機の回転子のポールコアと永
久磁石との関係を示す断面図である。
【図9】図8と同様の本発明の交流発電機の回転子のポ
ールコアと永久磁石との関係を示す断面図である。
【図10】本発明の交流発電機の回転子のポールコアと
規制部材との関係を示す断面図である。
【図11】本発明の交流発電機の回転子に巻かれたテー
プを示す斜視図である。
【図12】本発明を適用できる交流発電機を示す側面断
面図である。
【符号の説明】
1、2 ブラケット、5 ファン、7 ロータ、8 ス
テータ、13 ロータコイル、14 ポールコア、17
排気窓、21 第1のポールコア体、22第2のポー
ルコア体、23、24 爪状磁極、30 永久磁石、4
1 保持部材、45 樹脂被覆、46 規制手段、49
環状部材(テープ)。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月26日(2001.2.2
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 1/24 H02K 1/27 501Z 5H622 1/27 501 9/06 C 9/06 21/04 21/04 H01F 1/04 H Fターム(参考) 5E040 AA04 AA19 BB03 BC05 CA01 NN01 5H002 AA02 AC04 AC06 AC08 AE02 5H609 BB01 BB05 PP07 PP08 PP09 QQ02 QQ11 RR02 RR05 RR16 RR18 RR20 RR21 5H619 AA01 AA11 BB02 BB06 BB17 PP02 PP06 PP08 5H621 GA07 GA13 5H622 CA02 CA07 CA10 CB01 CB04 DD02 DD04 PP03 PP07 PP09 QA03 QA08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気窓を有するブラケットに内含され、
    ロータの回転磁界により三相交流を発生するステータ
    と、 磁束を発生するロータコイルと、このロータコイルを覆
    って設けられ、交互に噛み合うように突出される爪状磁
    極をそれぞれ有する第1のポールコア体及び第2のポー
    ルコア体から構成されたポールコアと、上記爪状磁極の
    両側面側に配設され、隣り合う爪状磁極の側面同士の磁
    束の漏洩を低減する永久磁石と、発電機出力電流による
    発熱体を冷却するロータ軸方向両端に取り付けられたフ
    ァンとを有しているロータとを有する交流発電機であっ
    て、 上記永久磁石は、組成にTiとBが添加されているサマリ
    ウム−鉄系の永久磁石であることを特徴とする交流発電
    機。
  2. 【請求項2】 上記永久磁石は、磁石粉末を樹脂で結合
    したプラスチックマグネットである請求項1記載の交流
    発電機。
  3. 【請求項3】 上記永久磁石は、Sm8.2-Fe75.6-Ti2.3-B
    0.9-N13ボンド磁石である請求項1記載の交流発電機。
  4. 【請求項4】 上記永久磁石は、耐食性の保持部材で囲
    われて保持されている請求項1乃至3のいずれか記載の
    交流発電機。
  5. 【請求項5】 上記永久磁石の爪状磁極側面に対向する
    側の少なくとも一部が樹脂被覆されてなる請求項1乃至
    4のいずれか記載の交流発電機。
  6. 【請求項6】 上記永久磁石は、第1のポールコア体の
    磁極及び第2のポールコア体の磁極の各々に分離、取り
    付けられている請求項1乃至5のいずれか記載の交流発
    電機。
  7. 【請求項7】 上記第1および第2のポールコア体の磁
    極の外周に、上記磁極の回転子回転時の遠心力による外
    径方向の変位を規制する規制手段を有している請求項1
    乃至6のいずれか記載の交流発電機。
  8. 【請求項8】 上記規制手段は、第1および第2のポー
    ルコア体の磁極の先端近傍に設けられ、上記先端の変位
    を規制する請求項7記載の交流発電機。
  9. 【請求項9】 上記規制手段は、耐食性材料の環状部材
    であって、回転子の全外周に亘って周方向に延びた請求
    項7あるいは8記載の交流発電機。
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