JP2002042583A - 酸化物透明導電性薄膜の製造方法 - Google Patents
酸化物透明導電性薄膜の製造方法Info
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Abstract
とすることなく組成制御が可能な酸化物透明導電性薄膜
の製造方法を提供する。 【解決手段】 高分子重合体配位子が金属に配位されて
なる高分子金属錯体の溶液を基板に塗布し、その塗膜を
焼成する金属酸化物薄膜の製造方法である。
Description
子を用いた酸化物透明導電性薄膜の製造方法に関する。
特に高分子重合体配位子を金属に配位した高分子金属錯
体の溶液を塗布し、焼成することを特徴とする製造方法
であり、アミノ基を有する高分子重合体とカルボニル基
を有する化合物との反応生成物または、β−ジケトン基
を有する高分子重合体を金属に配位した高分子金属錯体
を用いた酸化物透明導電性薄膜の製造方法に関する。
があり、「透明導電膜の技術」((株)オーム社、日本学
術振興会、透明酸化物光・電子材料第166委員会偏、
1999年3月第1版発行)に詳しくまとめられてい
る。代表的な薄膜の製造方法としては、スパッタリング
法(DC、DCマグネトロン、RF)、真空蒸着法(電
子ビーム加熱法、抵抗加熱法)、イオンプレーティング
法、スプレー法、ディップ法、CVD法などの方法があ
る。
では、真空設備などの大掛かりな設備が必要であり設備
投資が必要なものや、適当な蒸気圧を持つ物質がないた
めに酸化物透明導電性薄膜の作製法としては実用化には
問題がある。さらに、スパッタリング等の物理的作製法
で成膜した酸化物透明導電性薄膜の中でも、スパッタリ
ング法で成膜したものは膜性能がよいが、高性能を出す
ためにはスパッタリング中の酸素分圧、基板温度、放電
方式(DCまたはRF)によって膜性能が左右され、製
造条件に厳密な組成制御が必要となる。
厳密な製造条件の制御を必要とすることなく組成制御が
可能な酸化物透明導電性薄膜の作製方法を提供すること
にある。
決すべく種々検討した結果、高分子重合体配位子を金属
に配位した高分子金属錯体の溶液を塗布し、その塗膜を
焼成することを特徴とする酸化物透明導電性薄膜の製造
方法を見いだした。
法は、下記(1)〜(9)により達成することができ
る。 (1) 高分子重合体配位子が金属に配位されてなる高
分子金属錯体の溶液を基板に塗布し、その塗膜を焼成す
ることを特徴とする酸化物透明導電性薄膜の製造方法。 (2) 高分子重合体配位子と有機化合物配位子とが金
属に配位されてなる高分子金属錯体の溶液を基板に塗布
し、その塗膜を焼成することを特徴とする酸化物透明導
電性薄膜の製造方法。 (3) 前記高分子重合体配位子が、アミノ基を有する
高分子重合体とカルボニル基を有する化合物との反応生
成物であることを特徴とする(1)または(2)に記載
の酸化物透明導電性薄膜の製造方法。 (4) 前記高分子重合体配位子が、β−ジケトン基を
有する高分子重合体であることを特徴とする(1)また
は(2)に記載の酸化物透明導電性薄膜の製造方法。 (5) 前記酸化物透明導電性薄膜が感光性有機基を有
する高分子配位子及び/または有機配位子を有すること
を特徴とする(1)または(2)に記載の酸化物透明導
電性薄膜の製造方法。 (6) 前記酸化物透明導電性薄膜を構成する酸化物
が、酸化インジウム、酸化インジウム−酸化スズ固溶
体、酸化インジウム−酸化亜鉛固溶体のいずれかである
ことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の酸
化物透明導電性薄膜の製造方法。 (7) 前記酸化物透明導電性薄膜を構成する酸化物
が、酸化スズであることを特徴とする(1)〜(5)の
いずれかに記載の酸化物透明導電性薄膜の製造方法。 (8) 前記酸化物透明導電性薄膜を構成する酸化物
が、酸化亜鉛であることを特徴とする(1)〜(5)の
いずれかに記載の酸化物透明導電性薄膜の製造方法。 (9) 前記酸化物透明導電性薄膜の膜厚が10Å〜10μ
mの範囲であることを特徴とする(1)〜(8)のいず
れかに記載の酸化物透明導電性薄膜の製造方法。
来の真空蒸着法などで薄膜を製造する場合と比較すると
低い温度で焼成できるため作業性が良い。また、大面積
化や設備投資が容易であり、生産性が非常に良いことな
どの多くの利点がある。さらに、必要な組成が容易に制
御できることにある。これは複合金属の高分子金属錯体
を用いる利点である。各金属が原子の状態で、しかも添
加する量比のままに高分子錯体に取り込まれ、原子状態
で分散でき、その高分子金属錯体を塗布し、焼成するこ
とにより組成の明確な酸化物透明導電性の薄膜が容易に
得られるところにある。また種々の高分子金属錯体を製
造し、溶液状態にて均一に混合することにより分子オー
ダーで分散した高分子金属錯体の溶液を調整し、塗布、
焼成して酸化物透明導電性薄膜をさらに効率良く製造す
ることもできる。
本発明は、高分子重合体配位子が金属に配位されてなる
高分子金属錯体の溶液を基板に塗布し、その塗膜を焼成
する酸化物透明導電性薄膜の製造方法である。より具体
的にはアミノ基を有する高分子重合体とカルボニル基を
有する化合物との反応生成物(以下、「高分子配位子−
A」と略す)、またはβ−ジケトン基を有する高分子重
合体(以下、「高分子配位子−B」と略す)が金属に配
位されてなる高分子金属錯体の溶液を基板に塗布し、そ
の塗膜を焼成する酸化物透明導電性薄膜の製造方法であ
る。本発明で用いる高分子配位子−Aとしては、主鎖ま
たは側鎖にアミノ基を有する高分子重合体とカルボニル
基を有する化合物との反応生成物として容易に製造する
ことができる。さらに、感光性を有する基を導入するこ
とにより、容易に微細なパターンニング加工が行える。
または側鎖にアミノ基を有する高分子重合体としては、
下記の一般式(1)または(2)で表される繰り返し単位を10
%以上含む重合体が好ましく用いられる。
〜6の内の整数であり、n は100〜50万の内の整数であ
る。)
ロロプレンの塩素を少なくとも10%以上アミノ化した重
合体、ポリ-p-アミノスチレン、ポリ-p-アミノ-2-フェ
ニルブタジエン、ポリアリルアミンなどを挙げることが
できる。
リチルアルデヒド、ヒドロキシナフチルアルデヒド、ヒ
ドロキシアントラセニルアルデヒド、ヒドロキシフルオ
レニルアルデヒドなどのアルデヒド基と水酸基を有する
芳香族化合物、アセチルアセトン、1-フェニル-1,3-ブ
タンジオン、ジベンゾイルメタン、3-メチル-2,4-ペン
タンジオン、1,1,1-トリフルオル-2,4-ペンタンジオ
ン、4,4,4-トリフルオル-1-(2-チエニル)-1,3-ブタンジ
オン、2-メチル-1,3-ブタンジオンなどのβ−ジケトン
化合物が挙げられる。これらの化合物にさらに炭化水素
残基、ハロゲン原子、水酸基などの極性置換基がある化
合物も含まれる。
子重合体を水および/または有機溶媒に溶解し、カルボ
ニル基を有する化合物の有機溶媒溶液と接触することに
より容易に製造することができる。
分子配位子−Bとしては、主鎖または側鎖にハロゲン原
子を含有する炭化水素ポリマーとβ−ジケトンのNa体
との反応生成物として容易に製造できる。
リマーとしては下記の一般式(3)〜(8)で表される
繰り返し単位の化合物を10%以上含む重合体である。
数である。)
プレン、ポリ-p-クロルスチレン、ポリ-(p-クロル)-2-
フェニルブタジエン、ポリ-p-クロルメチルスチレンま
たはポリ-(p-クロルメチル)-2-フェニルブタジエンなど
のハロゲン含有ポリマーとβージケトンとの反応生成物
などを挙げることができる。
1-フェニル-1,3-ブタンジオン、ジベンゾイルメタン、3
-メチル-2,4ペンタンジオン、1,1,1-トリフルオル-2,4-
ペンタンジオン、4,4,4-トリフルオロ-1-(2-チエニル)-
1,3-ブタンジオン、2-メチル-1,3-ブタンジオンなどが
挙げられる。これらの化合物にさらにアルキル、フッ
素、塩素、シュウ素、有機残基などの置換基を持つ化合
物も含まれる。
ゲン原子を含有する炭化水素ポリマーを有機溶媒に溶解
し、β−ジケトンのNa体を接触することにより容易に
製造することができる。
Znの陰イオンの塩、酸化物などが用いられる。特に好
ましくは、これらの金属の陰イオンの塩を水溶液の状態
で使用する。陰イオンとしては、−Cl、−Br、−
I、−NO3、−SO4、−CO3、−OOCCH3などが
用いられる。これらの金属化合物は2種以上を混合して
使用することができる。本発明の高分子金属錯体の最大
のメリットは2種以上の金属を容易に配位させることが
できることである。各金属が原子の状態で、しかも添加
する量比のままに高分子錯体に取り込まれ原子状態で分
散できるところにある。これらの金属化合物の選択は使
用目的により異なる。
は複数個の配位子を使用することができる。配位子とし
ては、1座ないし4座配位子を用いることができる。1
座配位子としてはR−、RO−、RS−、RCOO−、
NH2−、RNH−、R2N−などの有機、無機残基を有
する化合物が挙げられる。ここにRは炭素数が1から1
2の炭化水素を表す。具体的には、メチル基、エトキシ
基、エチルメルカプト基、酢酸基、プロピルアミン基、
ジブチルアミン基などである。
合物、例えばビピリジル、1,8−ナフチリジン、1,1
0−フェナントロンなどがある。また、O,Nで配位す
る化合物としては、例えば8−キノリノール、2−(2
−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール、サリチル
アルデヒドとアニリンの縮合物、N,N−ジメチルアミ
ノエタノールがある。O,Oで配位する化合物には、例
えば、アセチルアセトン、1−フェニル−1,3−ブタ
ンジオン、ジベンゾイルメタン、3−メチル−2,4−
ペンタンジオン、1,1,1−トリフルオル−2,4−ペ
ンタンジオン、4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チ
エニル)−1,3−ブタンジオン、2−メチル−1,3−
ブタンジオンなどが挙げられる。
テルピリジルなどの化合物が挙げられる。
イルアセトン)エチレンジアミン、N,N’−ジサリチ
リデントリメチレンジアミンなどが挙げられる。その他
の配位子としてシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタ
ル酸、クエン酸、酒石酸、トリカルバリル酸などのジカ
ルボン酸化合物、トリカルボン酸化合物などが挙げられ
る。
類以上を組み合わせて使用することができる。さらに、
有機配位子に感光性を有する有機基を導入した化合物も
用いることができる。この感光性の有機基を導入した化
合物を溶媒に溶解し、スピンコート法などで成膜した
後、必要なパターンの開口部を有するマスクを通して、
光を当てゲル化して硬化させ有機溶媒に不溶化させる。
その後、硬化していない部分を溶媒で洗い流すことによ
り、非常に微細なパターニングが可能となる。感光させ
る光は可視光でも、紫外光でもよく、これらの光に感光
する感光性基としては不飽和炭化水素基、ケイ皮酸基、
アジド基、アゾ基、ニトリル基などがあげられる。具体
的には芳香族ビスジアジド、ジアゾナフトキノン等があ
げられる。また、これらの量はこの化合物の主構成物で
ある高分子配位子及び/または有機配位子の1%〜80
%が好ましい。この感光性基は主鎖となる高分子配位子
及び/または有機配位子に導入できる。
く種々の溶媒に溶解することができる。鉱酸、有機酸の
水溶液、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素、アセトン、メチルエチケトン、アセチルアセト
ンなどのケトン化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロ
ピオン酸エチルなどのエステル化合物、ジエチルエ−テ
ル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレン
グリコールジメチルエーテルなどのエーテル化合物、ホ
ルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミドなどのアミド化合物、N−メチルピロリ
ドンなどの窒素化合物などがあげられる。高分子金属錯
体の溶媒に対する溶解度は1)高分子重合体配位子の種
類、分子量、2)金属化合物の種類、3)有機配位子の
種類によって異なるため使用する高分子金属錯体毎に最
良の溶媒を選択する必要がある。具体的には好ましい例
を挙げるならば、金属としてSnを選び高分子配位子と
してポリアリルアミンとサリチルアルデヒドの反応生成
物を、配位子として1,1,1−トリフルオル−2,4−
ペンタンジオンを選び製造した高分子金属錯体の場合に
はN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミドに代表されるアミド化合物またはクロロホルム
などのハロゲン化炭化水素、または鉱酸、有機酸の水溶
液が挙げられる。
の目的により2種以上を溶液状態で混合して使用するこ
ともできる。
造方法において、高分子金属錯体溶液の基板への製膜方
法は限定されるものではなく、スピンコート法、バーコ
ート法、スクリーン印刷法など通常用いられる種々の方
法により製膜することができる。
配位子の種類、組成などにより異なるが、200℃〜2000
℃の範囲、好ましくは300℃〜1800℃の範囲で行われ
る。
属錯体の金属、配位子の種類、組成により異なるが、通
常は1〜50時間、好ましくは2〜30時間の範囲で焼成され
る。
窒素と酸素を追加し雰囲気を変えることもできる。すな
わち、焼成の初期には窒素の組成を高くして高分子金属
錯体を熱分解した後、高酸素雰囲気下で焼成し目的の金
属酸化物とする方法が好ましい。
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例の記載に限定されるものではない。
を入れた1000mlのフラスコにサリチルアルデヒド21gを
精秤し、メタノール500mlを加えた。これに、ポリアリ
ルアミン(日東紡製、PAA-HCl-3L、分子量約1万、50wt%
水溶液)32mlを純水100mlに希釈し、ゆっくりと添加した
ところ、添加開始と同時に黄色結晶が生成した。添加終
了後約1時間撹拌し、析出した結晶を濾過後、洗浄、乾
燥して28gの黄色結晶を得た。収量はほぼ100%であっ
た。以後この生成物をPAA・Salと略す。
を入れた1000mlのフラスコにアセチルアセトン17gを
精秤し、メタノール500mlを加えた。ポリアリルアミ
ン(日東紡製、PAA−HCl−3L、分子量約1万、
50wt%水溶液)の32mlを100mlの純水に希
釈し、ゆっくりと添加した。添加開始と同時に黄色結晶
が生成した。添加終了後約1時間撹拌した。濾過、乾燥
し22gの黄色結晶を得た。収量はほぼ100%であっ
た。以後この生成物をPAA・acacと略す。
を入れた500mlのフラスコにサリチルアルデヒド4.
1gを精秤し、メタノール100mlを加えた。2,2'-ア
ゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」と略
す)を開始剤に用いてp−アミノスチレンを重合して得
た分子量約3500のポリ−p−アミノスチレン4gを
水50mlに溶解しゆっくりと添加した。添加終了後1
時間撹拌を続けると黄色結晶が生成した。濾過し乾燥し
て7.3gの黄色結晶を得た。収量はほぼ100%であ
った。以後この生成物をPStA・Salと略す。
れた500mlのフラスコにp-クロルメチルスチレンの重合
体(p-クロルメチルスチレンをAIBNを開始剤に用い
て重合。ポリスチレン換算の分子量は約110,000であ
る。)を20g精秤し、乾燥したテトラヒドロフラン200ml
に溶解した。次に1.5mol/Lのブチルリチウムのヘキサン
溶液88ml(0.13mol)をゆっくりと滴下した。添加終了
後、室温にて2時間撹拌し反応を完結させた。次にアセ
チルアセトン13g(0.13mol)のテトラヒドロフラン
溶液を滴下した。続いて室温で2時間攪拌し反応を完結
させた。これを300mlのメタノール中に投入し、析出し
たポリマーを濾別、乾燥して18gの白色のポリマーを得
た。以後この生成物をPMSt-acacと略す。
e)薄膜の製造) 500mlのフラスコに上記で製造したPAA・Sal(17.5mmol,
2.8g)を純水200mlと濃塩酸1mlに加えて溶解し、この溶
液にInCl3・4H2O(17.5mmol,5.1g)を水100ml
に溶解して加え、更にアセチルアセトン(35mmol,3.5
g)を10%の塩酸水溶液100mlに溶解して加えた。その
後、均一で澄明な淡黄色の溶液が得られた。この系に25
%のアンモニア水をゆっくりと加えると、淡黄色の沈殿
が生成した。pH9までアンモニアを加えて、2時間撹拌
した後、生成した沈殿をろ過、水洗、乾燥して、8.1gの
黄色粉末を得た。収量はほぼ定量的であった。続いて、
得られた高分子金属錯体500mgを50%の酢酸水溶液5mlに
溶解し、この溶液を耐熱ガラス板上にスピンコーターに
て塗布した後、40℃にて真空乾燥した。乾燥後、電気炉
に入れ、空気中で300℃で30分、600℃で1時間焼成しI
TOの薄膜を得た。膜厚は68オングストロームであっ
た。また、可視光透過率は85%以上であり、比抵抗率
は7.8×10-4Ωcmであった。
2.8g)を純水200mlと濃塩酸1mlを加えて溶解し、(CH
3)2SnCl2(17.5mmol,3.8g)を水100mlに
溶解して加えた。1,1,1-トリフルオル−2,4−ペンタ
ンジオンの17.5mmol,2.7gを10%の塩酸
水溶液100mlに溶解して加えた。均一で澄明な淡黄
色の溶液が得られた。この系に25%のアンモニア水をゆ
っくりと加えると、淡黄色の沈殿が生成した。pH9まで
アンモニアを加えて、2時間撹拌した後、生成した沈殿
をろ過、水洗、乾燥して、7.9gの黄色粉末を得た。
収量はほぼ定量的であった。続いて、得られた高分子金
属錯体500mgを50%の酢酸水溶液5mlに溶解し、この溶液
を耐熱ガラス板上にバーコーターにて塗布した後、40℃
にて真空乾燥した。乾燥後、電気炉に入れ、空気中で30
0℃で30分、600℃で1時間焼成しSnO2:Fの薄膜を得
た。膜厚は48オングストロームであった。また、可視
光透過率は80%以上であり、比抵抗率は3.3×10
-3Ωcmであった。
2.8g)を純水200mlと濃塩酸1mlに溶解して加えた。この
溶液にZnCl2(15.75mmol,2.1g)とG
aCl3(1.75mmol,0.3g)を水100mlに溶解し
て加え、さらにアセチルアセトン(35mmol,3.5g)
を10%の塩酸水溶液100mlに溶解して加え、均一で澄明
な淡黄色の溶液が得られた。この系に25%のアンモニア
水をゆっくりと加えると、淡黄色の沈殿が生成した。p
H9までアンモニアを加えて、2時間撹拌した後、生成し
た沈殿をろ過、水洗、乾燥して、5.2gの黄色粉末を
得た。収量はほぼ定量的であった。続いて、得られた高
分子金属錯体500mgを50%の酢酸水溶液5mlに溶解し、こ
の溶液を耐熱ガラス板上にスピンコーターにて塗布した
後、40℃にて真空乾燥した。乾燥後、電気炉に入れ、空
気中で300℃で30分、600℃で1時間焼成しZnO:Ga
の薄膜を得た。膜厚は55オングストロームであった。
また、可視光透過率は80%以上であり、比抵抗率は
4.2×10-3Ωcmであった。
によれば、高分子重合体配位子と有機化合物配位子とを
金属に配位した高分子金属錯体の溶液を基板に塗布し、
その塗膜を焼成することにより酸化物透明導電性薄膜を
得ることができる。本発明の酸化物透明導電性薄膜を用
いる最大のメリットは、高分子金属錯体を使用すること
で2種以上の金属を容易に配位させることができる点に
ある。つまり、高分子金属錯体は、各金属が原子の状態
で、しかも添加する量比のままに取り込まれており、そ
の原子状態で分散したまま溶解させた溶液を基板に塗布
し、その塗膜を焼成するため、組成の明確且つ均一な酸
化物透明導電性薄膜を容易に製造することができる。
の大面積化など酸化物透明導電性薄膜の低抵抗化、簡便
な大面積膜作成法が求められており、本発明の酸化物透
明導電性薄膜の製造方法を提供できることの意義は大き
く、それを完成した技術的価値は非常に大きいものであ
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 高分子重合体配位子が金属に配位されて
なる高分子金属錯体の溶液を基板に塗布し、その塗膜を
焼成することを特徴とする酸化物透明導電性薄膜の製造
方法。 - 【請求項2】 高分子重合体配位子と有機化合物配位子
とが金属に配位されてなる高分子金属錯体の溶液を基板
に塗布し、その塗膜を焼成することを特徴とする酸化物
透明導電性薄膜の製造方法。 - 【請求項3】 前記高分子重合体配位子が、アミノ基を
有する高分子重合体とカルボニル基を有する化合物との
反応生成物であることを特徴とする請求項1または2に
記載の酸化物透明導電性薄膜の製造方法。 - 【請求項4】 前記高分子重合体配位子が、β−ジケト
ン基を有する高分子重合体であることを特徴とする請求
項1または2に記載の酸化物透明導電性薄膜の製造方
法。 - 【請求項5】 前記酸化物透明導電性薄膜が感光性有機
基を有する高分子配位子及び/または有機配位子を有す
ることを特徴とする請求項1または2に記載の酸化物透
明導電性薄膜の製造方法。 - 【請求項6】 前記酸化物透明導電性薄膜を構成する酸
化物が、酸化インジウム、酸化インジウム−酸化スズ固
溶体、酸化インジウム−酸化亜鉛固溶体のいずれかであ
ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の酸
化物透明導電性薄膜の製造方法。 - 【請求項7】 前記酸化物透明導電性薄膜を構成する酸
化物が、酸化スズであることを特徴とする請求項1〜5
のいずれかに記載の酸化物透明導電性薄膜の製造方法。 - 【請求項8】 前記酸化物透明導電性薄膜を構成する酸
化物が、酸化亜鉛であることを特徴とする請求項1〜5
のいずれかに記載の酸化物透明導電性薄膜の製造方法。 - 【請求項9】 前記酸化物透明導電性薄膜の膜厚が10Å
〜10μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜8の
いずれかに記載の酸化物透明導電性薄膜の製造方法。
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