JP2016169140A - Igzoの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な手法でIGZOが得られる、IGZOの製造方法を提供する。【解決手段】金属インジウム、金属ガリウムおよび金属亜鉛と、酸と、水とを混合して、水溶液Aを得る工程aと、水溶液Aと、式(1)で表される8−キノリノール類とを混合して、沈殿物Bを析出させ、析出した上記沈殿物Bを採取する工程bと、上記沈殿物Bを焼成し、IGZOを得る工程cと、を備えるIGZOの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、IGZOの製造方法に関する。
IGZOは、In23、Ga23およびZnOの3元系複合酸化物(酸化インジウムガリウム亜鉛)の略称であり、例えば、透明酸化物半導体の材料として知られている。
IGZOの製造方法としては、従来、固相法、液相法などの方法が知られている。
また、特許文献1には、IGZOの製造方法として、「(A)インジウム、ガリウムおよび亜鉛を含む原料を混合してインジウム、ガリウムおよび亜鉛を含む混合物を形成する工程と、(B)…前記混合物を乾燥する工程と、(C)…乾燥された前記混合物を仮焼して酸化インジウムガリウム亜鉛を作製する工程とを含む方法」が記載され([請求項1])、更に、「…前記原料が、純インジウム金属、純ガリウム金属または純亜鉛金属を含み、かつ工程(A)が、インジウム、ガリウムおよび亜鉛を含む前記原料を酸溶解し、そのpH値を6〜8の間になるように調整して…前記混合物を形成すること」も記載されている([請求項3])。
特開2014−005165号公報
特許文献1に記載の方法では、pH値の調整を要する。このとき、pH調整剤として、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)や水酸化カリウム(KOH)を使用する場合は、後処理として、NaやKの除去処理が必要となり、煩雑である。また、pH調整剤としてアンモニア(NH3)を使用する場合は、爆発性のNH4NO3が生成する危険が危惧されるため、より安全な製造装置が必要となるため、やはり煩雑である(なお、アンモニア(NH3)の使用は、Zn(OH)2として沈殿させたZnを、錯体Zn(NH34 2+の形成によって失うことになるという点からも、好ましくない場合がある)。
したがって、煩雑な作業を伴うことなく、従来よりも簡便な手法でIGZOを製造することが求められる。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、簡便な手法でIGZOが得られる、IGZOの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行なった結果、下記構成を採用することにより、上記目的が達成させることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[3]を提供する。
[1]金属インジウム、金属ガリウムおよび金属亜鉛と、酸と、水とを混合して、水溶液Aを得る工程aと、上記水溶液Aと、8−キノリノール類とを混合して、沈殿物Bを析出させ、析出した上記沈殿物Bを採取する工程bと、上記沈殿物Bを焼成して、IGZOを得る工程cと、を備えるIGZOの製造方法。
[2]上記酸が、無機酸である、上記[1]に記載のIGZOの製造方法。
[3]上記8−キノリノール類が、後述する式(1)で表される化合物である、上記[1]または[2]に記載のIGZOの製造方法。
本発明によれば、簡便な手法でIGZOが得られる、IGZOの製造方法を提供することができる。
実施例1〜3の白色粉末のXRDパターンである。 実施例3の白色粉末のSEM像である。
[IGZOの製造方法]
本発明のIGZOの製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」ともいう)は、金属インジウム、金属ガリウムおよび金属亜鉛と、酸と、水とを混合して、水溶液Aを得る工程aと、水溶液Aと、8−キノリノール類とを混合して、沈殿物Bを析出させ、析出した沈殿物Bを採取する工程bと、沈殿物Bを焼成して、IGZOを得る工程cと、を備えるIGZOの製造方法である。
すなわち、本発明の製造方法は、In、GaおよびZnを酸の水溶液に溶解させてイオン化し(工程a)、これに配位子である8−キノリノール類を配位させて、錯体である沈殿物Bを生成させ(工程b)、次いで、沈殿物Bを焼成することで、不要な成分を揮発させつつ酸化物であるIGZOを得る(工程c)というものである。
本発明の製造方法によれば、8−キノリノール類を用いてインジウムイオン、ガリウムイオンおよび亜鉛イオンを沈殿させて焼成するだけよく、例えばNaOHやKOHを使用した場合に必要なNaやKの除去処理は不要である。また、NH3も不使用であるから爆発性のNH4NO3が生成する危惧はなく安全な製造装置も不要である。したがって、本発明の製造方法によれば、煩雑な作業を伴うことなく、極めて簡便に、IGZOを製造することができる。
なお、8−キノリノール類(とりわけ、8−キノリノール)は、エタノール、アセトンおよび酢酸には可溶である一方で、水には難溶であることが知られている。このため、水溶液中のインジウムイオン、ガリウムイオンおよび亜鉛イオンを沈殿させる際に8−キノリノール類を使用することは、当業者が考え付かないことであり、容易に想到できないことである。
以下、本発明の製造方法が備える各工程について、詳細に説明する。
〔工程a〕
工程aは、金属インジウム、金属ガリウムおよび金属亜鉛と、酸と、水とを混合して、水溶液Aを得る工程である。
すなわち、工程aは、金属インジウム、金属ガリウムおよび金属亜鉛(以下、これらをまとめて単に「金属」ともいう)を、酸の水溶液(酸および水)に溶解させてイオン化し、インジウムイオン、ガリウムイオンおよび亜鉛イオンを含有する水溶液Aを得る工程である。
〈金属インジウム、金属ガリウムおよび金属亜鉛〉
工程aで使用する金属インジウム(In)、金属ガリウム(Ga)および金属亜鉛(Zn)としては、特に限定されないが、最終的に得られるIGZOへの不純物の混入を抑制するため、高純度のものが好ましい。
なお、これらの金属の態様は、特に限定されず、例えば、粒状、砂状、粉末状などが挙げられる。
これらの金属の使用量は、特に限定されないが、モル比で、In:Ga:Zn=0.5〜1.5:0.5〜1.5:0.5〜1.5となる量が好ましく、In:Ga:Zn=0.8〜1.2:0.8〜1.2:0.8〜1.2となる量がより好ましい。これは、例えば、最終的に得られるIGZOの構成比をInGaZnO4とすると、In23・Ga23・2ZnO=2(InGaZnO4)となり、モル比は、In:Ga:Zn=1:1:1となるからである。
〈酸〉
工程aで使用する酸としては、有機酸および無機酸(鉱酸)が挙げられるが、上述した金属を溶解させる観点からは、無機酸(鉱酸)が好ましい。
無機酸(鉱酸)としては、例えば、塩酸、フッ化水素酸などの二元酸(水素酸);硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸などのオキソ酸(酸素酸);等が挙げられる。
これらのうち、塩酸、硫酸、硝酸が好ましく、なかでも、焼成時に容易に消失し、かつ、後処理が不要であるという理由から、硝酸がより好ましい。
工程aで使用する酸の量は特に限定されず、使用する金属インジウム、金属ガリウムおよび金属亜鉛を完全に溶解できる量を適宜選択できる。
〈水〉
工程aで使用する水は、特に限定されないが、例えば、上述した酸として塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸を使用する場合、この無機酸の市販品(通常、水溶液)に含まれる溶媒(水)が挙げられる。
また、このような無機酸の市販品に含まれる溶媒のほか、金属を溶解させた後の水溶液Aに、別途、イオン交換水などの水を後添加してもよい。このような水の後添加は、後述するように工程bにおいて水溶液Aに8−キノリノール類を過剰に添加する場合には、特に好ましい。
なお、このような後添加する水の量は、特に限定されず、例えば、使用する無機酸の市販品(水溶液)に対して、体積比で、1〜10倍程度が挙げられる。
〈混合〉
工程aにおいて、上述した金属、酸および水を混合する際の条件は、特に限定されず、金属が完全に溶解するまで、必要に応じて加熱しつつ、公知の撹拌装置等を用いて混合を継続すればよく、例えば、35〜60℃で10〜40時間程度の混合を行うことが好適に挙げられる。このとき、溶液が透明になったことをもって金属が溶解したと判断することができる。
また、上述したようにイオン交換水などの水を水溶液Aに後添加する場合には、金属が溶解するまで撹拌した後に添加することが好ましい。
〔工程b〕
工程bは、工程aで得られた水溶液Aと、8−キノリノール類とを混合して、沈殿物Bを析出させ、析出した沈殿物Bを採取する工程である。
すなわち、工程bは、水溶液Aが含有するインジウムイオン、ガリウムイオンおよび亜鉛イオン(以下、これらをまとめて単に「金属イオン」ともいう)に、配位子である8−キノリノール類を配位させて、錯体である沈殿物Bを生成させ、その後、沈殿物Bを採取する工程である。
〈8−キノリノール類〉
工程bで使用する8−キノリノール類は、8−キノリノールおよび/または8−キノリノール誘導体を意味し、例えば、下記式(1)で表される化合物が好適に挙げられる。
ただし、式(1)中、R1〜R6は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R1およびR2、R2およびR3、R3およびR4、R4およびR5、ならびに、R5およびR6は、結合して環を形成していてもよい。
式(1)のR1〜R6が表す炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、および、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が挙げられる。
炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基などが挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げられ、なかでも、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基が更に好ましい。
炭素数3〜20のシクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、なかでも、炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、炭素数3〜6のシクロアルキル基がより好ましい。
炭素数2〜20のアルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基などが挙げられ、なかでも、炭素数2〜18のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜6のアルケニル基がより好ましい。
炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、例えば、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基などが挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基などが挙げられ、なかでも、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基がより好ましい。
炭素数7〜20のアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基などが挙げられ、炭素数7〜13のアラルキル基が好ましく、炭素数7〜11のアラルキル基がより好ましい。
なお、式(1)のR1〜R6が表す炭素数1〜20の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。この置換基の具体例としては、炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、カルボニル基、カーボネート基、ウレタン基(ウレタン結合)、スルホニル基、エステル基(エステル結合)、ハロゲン原子などが挙げられる。
また、式(1)中、R1およびR2、R2およびR3、R3およびR4、R4およびR5、ならびに、R5およびR6が結合して形成していてもよい環(環構造)としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環構造;シクロペンタン環、シクロヘキサン環などの脂環構造;等が挙げられる。
式(1)で表される8−キノリノール類としては、入手のしやすさ、コスト等の観点からは、式(1)中のR1〜R6がいずれも水素原子を表す化合物、すなわち、8−キノリノールが好ましい。
8−キノリノール類、とりわけ、8−キノリノール(以下、「Hhq」とも表記)は、In、GaおよびZnの各金属イオンに配位して、無電荷の難溶性の錯体を生成する。ここで、各錯体の溶解度積logKspおよび定量的なpH範囲は、以下のようになる。
In(hq)3:logKsp=−31.3(4≦pH≦12)
Ga(hq)3:logKsp=−32.1(3.1≦pH≦11.5)
Zn(hq)2・2H2O:logKsp=−24.3(4.6≦pH≦13.6)
このように、8−キノリノール(Hhq)を使用することにより、弱酸性からアルカリ性の広いpH範囲で、錯体(沈殿物B)が生成することが分かる。
このとき、Hhqを各錯体の化学量論組成よりも過剰に加えることで、各錯体における溶媒(水)分子の位置をHhq分子が単座配位で占めるようになる。すなわち、例えば、[In(hq)2(Hhq)2]や[Ga(hq)3(Hhq)2]等のより溶解度が小さい錯体を生成する。このため、より理想的な沈殿が期待できる。
したがって、工程bにおける8−キノリノール類の使用量は特に限定されないものの、上記理由からは、工程aで使用した金属(金属イオン)に対して、過剰に添加することが好ましい。
また、沈殿物Bは、In(hq)3、Ga(hq)3、および、Zn(hq)2の混合物である。このため、高純度IGZOを得る観点からは、In23、Ga23、ZnO等の不純物を生成しないように、水溶液Aと8−キノリノール類とを十分に混合(撹拌)することが好ましく、具体的には、例えば、20〜80℃で10〜40時間程度撹拌することが好ましい。
〈採取〉
工程bで、沈殿物Bを採取する手段は特に限定されず、例えば、ろ紙を用いたろ過、遠心分離などの公知の手段を適宜選択できる。なお、沈殿物Bの採取に際して、必要に応じて、沈殿物Bを乾燥させてもよい。
〔工程c〕
工程cは、工程bで採取した沈殿物Bを焼成して、IGZOを得る工程である。
すなわち、工程cは、錯体である沈殿物Bを焼成することで、不要な成分を揮発させつつ、酸化物であるIGZOを生成する工程である。このとき、以下のような反応式で反応が進行すると考えられる。
In(hq)3+Ga(hq)3+Zn(hq)2 → In23+Ga23+ZnO+x(NO2+CO2+H2O)↑ →In23・Ga23・ZnO → 2(InGaZnO4
〈焼成温度〉
沈殿物Bを焼成する際の焼成温度としては、特に限定されず、例えば、500℃以上が挙げられる。
なお、IGZOは、例えばX線回折などの手法により同定できるが、この場合、結晶性のIGZOを得ることが好ましい。結晶性のIGZOを得るためには、焼成温度はより高温であることが好ましく、具体的には、700℃以上が好ましく、900℃以上がより好ましく、1100℃以上が更に好ましい。
焼成温度の上限は、特に限定されず、使用する装置等に応じて適宜選択されるが、例えば、1500℃以下が挙げられる。
[IGZOの用途]
本発明の製造方法により得られるIGZOの用途は、特に限定されないが、例えば、ターゲット材等として好適に使用できる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〜3〕
〈材料〉
以下の実施例1〜3では、インジウム粉末(In、純度:99.99質量%、サイズ:75μm以下、高純度化学研究所社製)、ガリウム粉末(Ga、純度:99.99質量%、サイズ:850μm以下、高純度化学研究所社製)、亜鉛粉末(Zn、純度:99.9質量%、サイズ:75〜150μm、関東化学社製)、硝酸(HNO3、含有量:60質量%、和光純薬工業社製)、および、8−キノリノール粉末(C97NO、純度:99質量%、東京化成工業社製)を使用した。
〈製造〉
(工程a)
まず、100mLビーカーに、硝酸(10mL)を入れ、この硝酸中に、モル比がIn:Ga:Zn=1:1:1となるように、インジウム粉末(0.1023g)、ガリウム粉末(0.0620g)および亜鉛粉末(0.0565g)を投入し、マグネティックスターラーを用いて、40℃で24時間の加熱撹拌を行なった。その後、イオン交換水(50mL)を更に投入し、透明な水溶液Aを得た。
(工程b)
次いで、水溶液Aに、8−キノリノール粉末(47g)を15分間隔で5gずつ投入した後(最後の投入は2g)、25℃で24時間の撹拌を行なった。8−キノリノール粉末の投入時に、透明な水溶液Aは黄色の溶液に変化し、黄色のゲル(沈殿物B)が析出した。撹拌終了後、ろ紙を用いたろ過を行なうことによりゲルをろ別し、24時間の風乾を行なうことで、黄色の粉末(沈殿物B)を得た。
(工程c)
次いで、黄色の粉末(沈殿物B)を1時間焼成することで、白色粉末を得た。このとき、焼成温度を各実施例で異ならせた。具体的には、焼成温度は、800℃(実施例1)、1000℃(実施例2)、および、1200℃(実施例3)の3種とした。
〈評価(XRD)〉
得られた実施例1〜3の白色粉末について、卓上粉末X線回折装置(リガク社製、Miniflex II)を用いて、X線回折(X-ray diffraction,XRD)を行なった。結果を図1に示す。
図1は、実施例1〜3の白色粉末のXRDパターンである。図1のXRDパターンに示すように、焼成温度が800℃、1000℃、1200℃と高くなるに従って、明瞭なピークを示した。1200℃で焼成した粉末は、2θ=30.8°、31.7°、34.4°、36.0°、56.0°で鋭いピークを示した。その格子定数は、a=8.3349Å、b=8.3349Å、c=8.3349Å、α=90.00°、β=90.00°、γ=90.00°であった。
これら一連の結果から、実施例1〜3の白色粉末は、複合酸化物IGZO(InGaZnO4)と同定された。
〈評価(SEM)〉
実施例3(焼成温度:1200℃)の白色粉末(IGZO粉末)について、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope,SEM)による観察を行なった。なお、SEMとしては、日本電子社製の「JSM−6060」を用いた。
図2は、実施例3の白色粉末のSEM像である。図2のSEM像から、粒子径が約1μmの球状体(一次粒子)と、この球状体(一次粒子)が合体した長大なフレーク状体(二次粒子)とを確認することができた。

Claims (3)

  1. 金属インジウム、金属ガリウムおよび金属亜鉛と、酸と、水とを混合して、水溶液Aを得る工程aと、
    前記水溶液Aと、8−キノリノール類とを混合して、沈殿物Bを析出させ、析出した前記沈殿物Bを採取する工程bと、
    前記沈殿物Bを焼成して、IGZOを得る工程cと、
    を備えるIGZOの製造方法。
  2. 前記酸が、無機酸である、請求項1に記載のIGZOの製造方法。
  3. 前記8−キノリノール類が、下記式(1)で表される化合物である、請求項1または2に記載のIGZOの製造方法。

    ただし、式(1)中、R1〜R6は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R1およびR2、R2およびR3、R3およびR4、R4およびR5、ならびに、R5およびR6は、結合して環を形成していてもよい。
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