JP2015151358A - 金属錯体溶液及び薄膜の製造方法、並びに、金属錯体、薄膜、電子素子、薄膜トランジスタ、表示装置、イメージセンサ及びx線センサ - Google Patents

金属錯体溶液及び薄膜の製造方法、並びに、金属錯体、薄膜、電子素子、薄膜トランジスタ、表示装置、イメージセンサ及びx線センサ Download PDF

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亮 浜崎
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Abstract

【課題】金属酸化物及び金属硫化物の少なくとも一方を含む薄膜を、製造時の許容湿度範囲が広く、容易に作製できる金属錯体溶液及びその応用を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される金属錯体を含む金属錯体溶液及びその応用。


(MはIn又はGa;L11 は炭素アニオンを含み、炭素アニオンでMに結合する有機基;nは1又は2;X11 は一般式(2)で表される配位子、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオン;L11 又はX11 はルイス塩基性を示す官能基を有する)
【選択図】なし

Description

本発明は、金属錯体溶液及び薄膜の製造方法、並びに、金属錯体、薄膜、電子素子、薄膜トランジスタ、表示装置、イメージセンサ及びX線センサに関する。
半導体薄膜又は導電体薄膜としての金属酸化物薄膜は、真空成膜法による製造において実用化がなされ、現在注目を集めている。
近年では、上記金属酸化物薄膜をより簡便に形成する技術として、金属酸化物薄膜の前駆体を含む溶液を塗布することによって上記金属酸化物薄膜を形成する方法(以下、「塗布法」ともいう)が検討されている。
ジエチル亜鉛またはジエチル亜鉛等の有機亜鉛化合物の部分加水分解物をベースとした組成物であってIn−Ga−Zn−O等の酸化物半導体膜等に適用可能な複合酸化物薄膜を成膜することができる新たな組成物として、特定の有機亜鉛化合物または前記有機亜鉛化合物の水による部分加水分解物と3B族元素化合物または3B族元素化合物の水による部分加水分解物を、亜鉛に対する3B族元素のモル比が0.1を超え5以下の範囲で含有する複合酸化物薄膜製造用組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−106916号公報
しかしながら、インジウム錯体を含む溶液を用いた金属酸化物薄膜の製造では、製造過程で厳密な湿度管理が求められる。
また、金属酸化物及び金属硫化物の少なくとも一方を含む薄膜を塗布法によって作製する技術について、上記薄膜をより容易に作製することが求められている。
従って、本発明の目的は、金属酸化物及び金属硫化物の少なくとも一方を含む薄膜を、製造時の許容湿度範囲が広く、容易に作製できる、金属錯体溶液、金属錯体、及び薄膜の製造方法を提供することである。
また、本発明の目的は、上記薄膜の製造方法によって作製された薄膜、並びに、上記薄膜を備えた、電子素子、薄膜トランジスタ、表示装置、イメージセンサ、及びX線センサを提供することである。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
<1> 下記一般式(1)で表される金属錯体と、溶媒と、を含む金属錯体溶液。

一般式(1)中、Mは、インジウム又はガリウムを示し、L11 は、炭素アニオンを含み、炭素アニオンでMに結合する有機基を示し、nは、1又は2を示し、X11 は、下記一般式(2)で表される配位子、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンを示す。但し、L11 及びX11 の少なくとも一方は、ルイス塩基性を示す官能基を有する。

一般式(2)中、波線部は、Mとの結合位置を示し、Aは、O又はSを示し、Bは、以下の式(a)〜(e)のいずれか一つで表される基又は単結合を示し、R11は、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。

上記式(a)〜上記式(e)中、*は、Aとの結合位置を示し、**は、R11との結合位置を示す。
<2> 一般式(1)中、X11 は、アルキルカルボキシルイオン、不飽和結合を有するカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオン、アルキルチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するチオカルボキシルイオン、アルキルジチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンである<1>に記載の金属錯体溶液。
<3> 一般式(1)中、X11 は、アルキルカルボキシルイオン、不飽和結合を有するカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオン、アルキルジチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンである<1>に記載の金属錯体溶液。
<4> 一般式(2)中、Bは単結合であり、且つ、R11は下記一般式(4)で表される<1>に記載の金属錯体溶液。

一般式(4)中、*は、Aとの結合位置を示し、L41は、AとX41を連結する、アルキレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基から選ばれる少なくとも1つからなる二価の基を示し、X41は、ルイス塩基性を有する二価の基を示し、R41は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。
<5> 一般式(4)中、X41は、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−NH−及び−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)から選ばれる少なくとも1つからなる基を示す<4>に記載の金属錯体溶液。
<6> 一般式(4)中、R41は、水素原子、アルキル基又はアリール基である<4>又は<5>に記載の金属錯体溶液。
<7> 一般式(1)中、L11は、下記一般式(3)で表される有機基を示す<1>〜<6>のいずれかに記載の金属錯体溶液。

一般式(3)中、波線部は、Mとの結合位置を示し、L31は、MとX31を連結するアルキレン基を示し、X31は、ルイス塩基性を有する二価の基を示し、R31は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。
<8> 一般式(3)中、X31は、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−NH−及び−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)から選ばれる少なくとも1つからなる基である<7>に記載の金属錯体溶液。
<9> 一般式(3)中、R31は、アルキル基又はアリール基である<7>又は<8>に記載の金属錯体溶液。
<10> 一般式(1)中、L11は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基である<1>〜<6>のいずれかに記載の金属錯体溶液。
<11> 一般式(1)中、L11は、アルキル基又はアリール基である<10>に記載の金属錯体溶液。
<12> さらに酸化剤を含む<1>〜<11>のいずれかに記載の金属錯体溶液。
<13> 酸化剤が、有機系酸化剤を含む<12>に記載の金属錯体溶液。
<14> 酸化剤が、下記一般式(X)で表される化合物を含む<12>又は<13>に記載の金属錯体溶液。

一般式(X)中、R21は、一般式(X)中の窒素原子とともにヘテロ環を形成する2価の連結基を示し、X21は、ヒドロキシ基又はオキシル基を示す。
<15> 溶媒が、ルイス塩基性を有する溶媒及びハロゲン系溶媒の少なくとも一方を含む<1>〜<14>のいずれかに記載の金属錯体溶液。
<16> 金属酸化物及び金属硫化物の少なくとも一方を含む薄膜の作製に用いられる<1>〜<15>のいずれかに記載の金属錯体溶液。
<17> <1>〜<16>のいずれかに記載の金属錯体溶液を塗布し、乾燥させて塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
塗布膜を加熱処理することにより、金属酸化物及び金属硫化物の少なくとも一方を含む薄膜を得る加熱処理工程と、
を有する薄膜の製造方法。
<18> <17>に記載の薄膜の製造方法によって製造された薄膜。
<19> <18>に記載の薄膜を備えた電子素子。
<20> <18>に記載の薄膜を備えた薄膜トランジスタ。
<21> <20>に記載の薄膜トランジスタを備えた表示装置。
<22> <20>に記載の薄膜トランジスタを備えたイメージセンサ。
<23> <20>に記載の薄膜トランジスタを備えたX線センサ。
<24> 下記一般式(5)で表される金属錯体。

一般式(5)中、Mは、インジウム又はガリウムを示し、L11 は、ルイス塩基性を示す官能基を有し、且つ、炭素アニオンを含み、炭素アニオンでMに結合する有機基を示し、X11 は、下記一般式(6)で表される配位子、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンを示す。但し、L11 がカルボニル基を含み、且つ、X11 が塩化物イオンであることはない。

一般式(6)中、波線部は、Mとの結合位置を示し、Aは、O又はSを示し、R11はアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、Bは、以下の式(a)〜(e)のいずれか一つで表される基又は単結合を示す。

上記式(a)〜上記式(e)中、*は、Aとの結合位置を示し、**は、R11との結合位置を示す。
<25> 一般式(5)中、X11 は、アルキルカルボキシルイオン、不飽和結合を有するカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオン、アルキルチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するチオカルボキシルイオン、アルキルジチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンである<24>に記載の金属錯体。
<26> 一般式(5)中、X11 は、アルキルカルボキシルイオン、不飽和結合を有するカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオン、アルキルジチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンである<24>に記載の金属錯体。
<27> 一般式(5)中、L11は、下記一般式(7)で表される有機基を示す<24>〜<26>のいずれかに記載の金属錯体。

一般式(7)中、波線部は、Mとの結合位置を示し、L31は、MとX31を連結するアルキレン基を示し、X31は、ルイス塩基性を有する二価の基を示し、R31は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。
<28> 一般式(7)中、X31は、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−NH−及び−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)から選ばれる少なくとも1つからなる基を示す<27>に記載の金属錯体。
<29> 一般式(7)中、R31は、アルキル基又はアリール基を示す<27>又は<28>に記載の金属錯体。
本発明によれば、金属酸化物及び金属硫化物の少なくとも一方を含む薄膜を、製造時の許容湿度範囲が広く、容易に作製できる、金属錯体溶液、金属錯体、及び薄膜の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記薄膜の製造方法によって作製された薄膜、並びに、上記薄膜を備えた、電子素子、薄膜トランジスタ、表示装置、イメージセンサ、及びX線センサが提供される。
本発明により製造される薄膜トランジスタの一例(トップゲート−トップコンタクト型)の構成を示す概略図である。 本発明により製造される薄膜トランジスタの一例(トップゲート−ボトムコンタクト型)の構成を示す概略図である。 本発明により製造される薄膜トランジスタの一例(ボトムゲート−トップコンタクト型)の構成を示す概略図である。 本発明により製造される薄膜トランジスタの一例(ボトムゲート−ボトムコンタクト型)の構成を示す概略図である。 実施形態の液晶表示装置の一部分を示す概略断面図である。 図5の液晶表示装置の電気配線の概略構成図である。 実施形態の有機EL表示装置の一部分を示す概略断面図である。 図7の有機EL表示装置の電気配線の概略構成図である。 実施形態のX線センサアレイの一部分を示す概略断面図である。 図9のX線センサアレイの電気配線の概略構成図である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の金属錯体溶液、金属錯体、薄膜及びその製造方法、電子素子、薄膜トランジスタ、表示装置、イメージセンサ、並びにX線センサについて具体的に説明する。
なお、図中、同一又は対応する機能を有する部材(構成要素)には同じ符号を付して適宜説明を省略する。
また、本明細書において「〜」の記号により数値範囲を示す場合、下限値及び上限値が含まれる。
<金属錯体溶液>
本発明の金属錯体溶液は、下記一般式(1)で表される金属錯体と、溶媒と、を含む金属錯体溶液である。
(金属錯体)
一般式(1)中、Mは、インジウム又はガリウムを示す。
即ち、M3+は、In3+又はGa3+を示す。
11 は、炭素アニオンを含み、炭素アニオンでMに結合する有機基を示し、nは、1又は2を示し、X11 は、下記一般式(2)で表される配位子、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンを示す。但し、L11 及びX11 の少なくとも一方は、ルイス塩基性を示す官能基を有する。
一般式(2)中、波線部は、Mとの結合位置を示し、Aは、O又はSを示し、Bは、以下の式(a)〜(e)のいずれか一つで表される基又は単結合を示し、R11は、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。なお、R11で示されるアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。
上記式(a)〜上記式(e)中、*は、Aとの結合位置を示し、**は、R11との結合位置を示す。
以下、一般式(1)で表される金属錯体について具体的に説明する。
11 及びX11 の少なくとも一方は、ルイス塩基性を示す官能基を有する。ルイス塩基性を有する官能基とは、一般的に電子対を供与する、非共有電子対を有する官能基を示す。具体的には、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−NH−、−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)、アルケニレン基、アルキレン基、ピリジン環、フラン環、チオフェン環等のヘテロアリーレン基、キノリン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環等のベンゾ縮環ヘテロアリーレン基から選ばれる少なくとも1つからなる官能基である。
一般式(1)中、L11 がルイス塩基性を示す官能基を有する金属錯体の場合、以下のものが挙げられる。
一般式(1)中、X11 は、好ましくは、アルキルカルボキシルイオン、不飽和結合を有するカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオン、アルキルチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するチオカルボキシルイオン、アルキルジチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン、又は水酸化物イオンであり、より好ましくは、アルキルカルボキシルイオン、不飽和結合を有するカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオン、アルキルジチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン、又は水酸化物イオンである。
11 で示されるアルキルカルボキシルイオン基としては、直鎖、分岐、及び環状のアルキルカルボキシルイオン基が挙げられる。アルキルカルボキシルイオン基中のメチレン基は、二価の連結基で置換されてもよい。二価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−C≡C−、-NR−(Rは炭素数1〜6のアルキル基)等が挙げられる。当該二価の連結基を含むアルキルカルボキシルイオン基の炭素原子数は2〜14が好ましく、2〜8がより好ましい。
11 で示されるアルキルカルボキシルイオン基中の水素原子は、一価の置換基で置換されてもよい。一価の置換基としては、フッ素、塩素、直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−NH、−NHR、−NR、−COR、−COOH、−COOR、−OCOR、−OCOOR、−CONHR、−CONR、−OCONHR、−OCONR、−OH、−OR、−SH、−SR、−O(CHCHO)(ここで、R、Rは、それぞれ独立して、炭素数が20以下の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。nは1〜3の整数を示す。)等が挙げられる。当該一価の置換基の炭素数は1〜20が好ましく、4〜15がより好ましい。nは2が好ましい。
11 で示されるアルキルチオカルボキシルイオン及びアルキルジチオカルボキシルイオンもまた同様である。
11 で示される不飽和結合を有するカルボキシルイオンは、直鎖、分岐又は環状の不飽和結合を有するカルボキシルイオン基が挙げられ、−CH=CH−、−C≡C−、又はアリール基で置換されている。
11 で示される不飽和結合を有するカルボキシルイオン基がメチレン基を有する場合、そのメチレン基は、二価の連結基で置換されてもよい。二価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−C≡C−、-NR−(Rは炭素数1〜6のアルキル基)等が挙げられる。当該二価の連結基を含む不飽和結合を有するカルボキシルイオン基の炭素原子数は2〜14が好ましく、2〜8がより好ましい。
11 で示される不飽和結合を有するカルボキシルイオン基中の水素原子は、一価の置換基で置換されてもよい。一価の置換基としては、フッ素、塩素、直鎖、分岐又は環状のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−NH、−NHR、−NR、−COR、−COOH、−COOR、−OCOR、−OCOOR、−CONHR、−CONR、−OCONHR、−OCONR、−OH、−OR、−SH、−SR、−O(CHCHO)(R、Rはそれぞれ独立して、炭素数が20以下の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。nは1〜3の整数を示す。)等が挙げられる。当該一価の置換基の炭素数は1〜20が好ましく、4〜15がより好ましい。nは2が好ましい。
11 で示される不飽和結合を有するチオカルボキシルイオン及び不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオンもまた同様である。
11 で示されるヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオンは、直鎖、分岐、又は環状のヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオン基が挙げられ、ヘテロアリール基で置換されている。
11 で示されるヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオンがメチレン基を有する場合、そのメチレン基は、二価の連結基で置換されてもよい。二価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−C≡C−、-NR−(Rは炭素数1〜6のアルキル基)等が挙げられる。当該二価の連結基を含むヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオン基の炭素原子数は2〜14が好ましく、2〜8がより好ましい。
11 で示されるヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオン基中の水素原子は、一価の置換基で置換されてもよい。一価の置換基としては、フッ素、塩素、直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−NH、−NHR、−NR、−COR、−COOH、−COOR、−OCOR、−OCOOR、−CONHR、−CONR、−OCONHR、−OCONR、−OH、−OR、−SH、−SR、−O(CHCHO)(R、Rはそれぞれ独立して、炭素数が20以下の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。nは1〜3の整数を示す。)等が挙げられる。当該一価の置換基の炭素数は1〜20が好ましく、4〜15がより好ましい。nは2が好ましい。
11 で示されるヘテロ不飽和結合を有するチオカルボキシルイオン及びヘテロ不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオンもまた同様である。
一般式(1)中、L11 がルイス塩基性を示す官能基を有する場合、L11は好ましくは下記一般式(3)で表される有機基である。
一般式(3)中、波線部は、Mとの結合位置を示す。L31はMとX31を連結するアルキレン基を示し、好ましくはアルキレン基である。アルキレン基としては直鎖、分岐又は環状のアルキレン基が挙げられる。また、アルキレン基中のメチレン基は、二価の連結基で置換されてもよい。二価の連結基としては、−O−及び−S−が挙げられる。当該二価の連結基を含むアルキレン基の炭素原子数は1〜14が好ましく、1〜5がより好ましい。
一般式(3)中、X31はルイス塩基性を有する二価の基を示し、具体的には、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−NH−、−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)、アルケニレン基、アルキレン基、ピリジン環、フラン環、チオフェン環等のヘテロアリーレン基、キノリン環、ベンゾフラン環、及びベンゾチオフェン環等のベンゾ縮環ヘテロアリーレン基から選ばれる少なくとも1つからなる官能基である。好ましくは、−O−、−CO−、であり、更に好ましくは−CO−である。
一般式(3)中、R31は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示し、好ましくはアルキル基又はアリール基である。
31で示されるアルキル基としては直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。また、アルキル基中のメチレン基は、二価の連結基で置換されてもよい。二価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−C≡C−、-NR−(Rは炭素数が1〜6のアルキル基)等が挙げられる。当該二価の連結基を含むアルキル基の炭素数は1〜14が好ましく、1〜8がより好ましい。
31で示されるアルキル基中の水素原子は、一価の置換基で置換されてもよい。一価の置換基としては、フッ素、塩素、直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−NH、−NHR、−NR、−COR、−COOH、−COOR、−OCOR、−OCOOR、−CONHR、−CONR、−OCONHR、−OCONR、−OH、−OR、−SH、−SR、及び−O(CHCHO)(R、Rは、それぞれ独立して炭素数が20以下の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。nは1〜3の整数を示す。)等が挙げられる。当該一価の置換基の炭素数は1〜20が好ましく、4〜15が好ましい。nは2が好ましい。
31で示されるアルキニル基としては直鎖、分岐又は環状のアルキニル基が挙げられる。また、アルキニル基中のメチレン基は、二価の連結基で置換されてもよい。二価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−C≡C−、-NR−(Rは炭素数が1〜6のアルキル基)等が挙げられる。当該二価の連結基を含むアルキニル基の炭素数は2〜14が好ましく、2〜8がより好ましい。
31で示されるアルキニル基中の水素原子は、一価の置換基で置換されてもよい。一価の置換基としては、フッ素、塩素、直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−NH、−NHR、−NR、−COR、−COOH、−COOR、−OCOR、−OCOOR、−CONHR、−CONR、−OCONHR、−OCONR、−OH、−OR、−SH、−SR、−O(CHCHO)(R、Rは、それぞれ独立して炭素数が20以下の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。nは1〜3の整数を示す。)等が挙げられる。当該一価の置換基の炭素数は1〜20が好ましく、4〜15が好ましい。nは2が好ましい。
31で示されるアルケニル基としては直鎖、分岐又は環状のアルケニル基が挙げられる。また、アルケニル基中のメチレン基は、二価の連結基で置換されてもよい。二価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−C≡C−、-NR−(Rは炭素数1〜6のアルキル基)等が挙げられる。当該二価の連結基を含むアルケニル基の炭素原子数は2〜14が好ましく、2〜8がより好ましい。
31で示されるアルケニル基中の水素原子は、一価の置換基で置換されてもよい。一価の置換基としては、フッ素、塩素、直鎖、分岐又は環状のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−NH、−NHR、−NR、−COR、−COOH、−COOR、−OCOR、−OCOOR、−CONHR、−CONR、−OCONHR、−OCONR、−OH、−OR、−SH、−SR、−O(CHCHO)(R、Rはそれぞれ独立して炭素数が20以下の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。nは1〜3の整数を示す。)等が挙げられる。当該一価の置換基の炭素数は1〜20が好ましく、4〜15が好ましい。nは2が好ましい。
31で示されるアリール基又はヘテロアリール基としては、総炭素数が4〜50が好ましく、6〜40が特に好ましい。
31で示されるアリール基の好ましい例は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、インダセン環、フルオレン環等が挙げられる。
ヘテロアリール環としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサチアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジル環、ピリダジニル環、およびこれらのベンゾ縮環体(例えばベンゾチオフェン)およびジベンゾジ縮環体(例えばジベンゾチオフェン、カルバゾール)が挙げられる。
これらのアリール基又はヘテロアリール基における環構造の水素原子は、一価の置換基で置換されてもよい。一価の置換基としては、フッ素、塩素、直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−NH、−NHR、−NR、−COR、−COOH、−COOR、−OCOR、−OCOOR、−CONHR、−CONR、−OCONHR、−OCONR、−OH、−OR、−SH、−SR、−O(CHCHO)(R、Rは、それぞれ独立して炭素数が20以下の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。nは1〜3の整数を示す。)等が挙げられる。当該一価の置換基の炭素数は1〜20が好ましく、4〜15がより好ましい。これらの置換基は、さらに同様の置換基で置換されていてもよい。
当該置換基中のアルキル部位の炭素原子数は、1〜14が好ましく、4〜10がより好ましい。これらの置換基は、さらに同様の置換基で置換されていてもよい。
一般式(3)で表される有機基としては、例えば下記構造が挙げられる。
一般式(1)中、X11 がルイス塩基性を示す金属錯体の場合、以下のものが挙げられる。
一般式(1)中、L11はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示し、好ましくはアルキル基又はアリール基である。
11で示されるアルキル基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。また、アルキル基中のメチレン基は、二価の連結基で置換されてもよい。二価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−C≡C−、及び-NR−(Rは炭素数1〜6のアルキル基)が挙げられる。当該二価の連結基を含むアルキル基の炭素原子数は1〜14が好ましく、1〜8がより好ましい。
11で示されるアルキル基中の水素原子は、一価の置換基で置換されてもよい。一価の置換基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−NH、−NHR、−NR、−COR、−COOH、−COOR、−OCOR、−OCOOR、−CONHR、−CONR、−OCONHR、−OCONR、−OH、−OR、−SH、−SR、及び−O(CHCHO)(R、Rはそれぞれ独立して炭素数が20以下の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。nは1〜3の整数を示す。)等が挙げられる。当該一価の置換基の炭素数は1〜20が好ましく、4〜15が好ましい。nは2が好ましい。
11で示されるアルキニル基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキニル基が挙げられる。また、アルキニル基中のメチレン基は、二価の連結基で置換されてもよい。二価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−C≡C−、及び-NR−(Rは炭素数1〜6のアルキル基)等が挙げられる。当該二価の連結基を含むアルキニル基の炭素原子数は2〜14が好ましく、2〜8がより好ましい。
一般式(1)中、X11 が一般式(2)で表される場合、一般式(2)中、Bが単結合であり、R11が下記一般式(4)で表されるものが好ましい。
一般式(4)中、*は、Aとの結合位置を示す。
41は、AとX41を連結する、アルキレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基から選ばれる少なくとも1つからなる二価の基を示す。
41がアルキレン基の場合、直鎖、分岐又は環状のアルキレン基が挙げられる。また、アルキレン基中のメチレン基は、二価の連結基で置換されてもよい。二価の連結基としては、−O−及び−S−が挙げられる。当該二価の連結基を含むアルキレン基の炭素原子数は1〜14が好ましく、1〜5がより好ましい。
41がアリーレン基の場合、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、およびこれらベンゾ縮環体が挙げられる。好ましくは、1,4−フェニレン基である。
41がヘテロアリーレン基の場合、ピリジン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、及びこれらのベンゾ縮環体上の任意の2ヶ所に置換基導入可能な、ヘテロ原子を有する芳香族環構造が挙げられる。好ましくはピリジン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環及びこれらベンゾ縮環体の場合である。
41はルイス塩基性を有する二価の基を示し、具体的には、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−NH−、−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)、アルケニレン基、アルキレン基、ピリジン環、フラン環、チオフェン環等のヘテロアリーレン基、キノリン環、ベンゾフラン環、及びベンゾチオフェン環等のベンゾ縮環ヘテロアリーレン基から選ばれる少なくとも1つからなる官能基である。好ましくは、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−NH−、及び−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)から選ばれる少なくとも1つからなる基である。
41は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示し、好ましくは、水素原子、アルキル基、又はアリール基である。
41で示されるアルキル基としては、直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基が挙げられる。また、アルキル基中のメチレン基は、二価の連結基で置換されてもよい。二価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−C≡C−、-NR−(Rは炭素数が1〜6のアルキル基)等が挙げられる。当該二価の連結基を含むアルキル基の炭素数は1〜14が好ましく、1〜8がより好ましい。
41で示されるアルキル基中の水素原子は、一価の置換基で置換されてもよい。一価の置換基としては、フッ素、塩素、直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−NH、−NHR、−NR、−COR、−COOH、−COOR、−OCOR、−OCOOR、−CONHR、−CONR、−OCONHR、−OCONR、−OH、−OR、−SH、−SR、及び−O(CHCHO)(R、Rは、それぞれ独立して炭素数が20以下の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。nは1〜3の整数を示す。)が挙げられる。当該一価の置換基の炭素数は1〜20が好ましく、4〜15がより好ましい。nは2が好ましい。
41で示されるアルキニル基としては直鎖、分岐又は環状のアルキニル基が挙げられる。また、アルキニル基中のメチレン基は、二価の連結基で置換されてもよい。二価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−C≡C−、及び-NR−(Rは炭素数が1〜6のアルキル基)が挙げられる。当該二価の連結基を含むアルキニル基の炭素数は2〜14が好ましく、2〜8がより好ましい。
41で示されるアルキニル基中の水素原子は、一価の置換基で置換されてもよい。一価の置換基としては、フッ素、塩素、直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−NH、−NHR、−NR、−COR、−COOH、−COOR、−OCOR、−OCOOR、−CONHR、−CONR、−OCONHR、−OCONR、−OH、−OR、−SH、−SR、−O(CHCHO)(R、Rは、それぞれ独立して炭素数が20以下の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。nは1〜3の整数を示す。)当該一価の置換基の炭素数は1〜20が好ましく、4〜15が好ましい。nは2が好ましい。
41で示されるアルケニル基としては直鎖、分岐又は環状のアルケニル基が挙げられる。また、アルケニル基中のメチレン基は、二価の連結基で置換されてもよい。二価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−C≡C−、-NR−(Rは炭素数1〜6のアルキル基)等が挙げられる。当該二価の連結基を含むアルケニル基の炭素原子数は2〜14が好ましく、2〜8がより好ましい。
41で示されるアルケニル基中の水素原子は、一価の置換基で置換されてもよい。一価の置換基としては、フッ素、塩素、直鎖、分岐又は環状のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−NH、−NHR、−NR、−COR、−COOH、−COOR、−OCOR、−OCOOR、−CONHR、−CONR、−OCONHR、−OCONR、−OH、−OR、−SH、−SR、−O(CHCHO)(R、Rはそれぞれ独立して炭素数が20以下の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。nは1〜3の整数を示す。)等が挙げられる。当該一価の置換基の炭素数は1〜20が好ましく、4〜15が好ましい。nは2が好ましい。
41で示されるアリール基又はヘテロアリール基としては、総炭素数が4〜50が好ましく、6〜40が特に好ましい。
アリール基の好ましい例は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、インダセン環、フルオレン環が挙げられる。
ヘテロアリール環としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサチアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジル環、ピリダジニル環、並びにこれらのベンゾ縮環体(例えばベンゾチオフェン)およびジベンゾジ縮環体(例えばジベンゾチオフェン、カルバゾール)が挙げられる。
41で示されるアリール基又はヘテロアリール基において、環構造の水素原子は、一価の置換基で置換されてもよい。一価の置換基としては、フッ素、塩素、直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−NH、−NHR、−NR、−COR、−COOH、−COOR、−OCOR、−OCOOR、−CONHR、−CONR、−OCONHR、−OCONR、−OH、−OR、−SH、−SR、−O(CHCHO)(R、Rはそれぞれ独立して炭素数が20以下の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。nは1〜3の整数を示す。)が挙げられる。当該一価の置換基の炭素数は1〜20が好ましく、4〜15が好ましい。これらの置換基は、さらに同様の置換基で置換されていてもよい。当該置換基中のアルキル部位の炭素原子数は、1〜14が好ましく、4〜10がより好ましい。これらの置換基は、さらに同様の置換基で置換されていてもよい。
本発明の金属錯体溶液を用いた上記薄膜の形成では、金属酸化物及び金属硫化物の少なくとも一方を含む薄膜を、製造時の許容湿度範囲が広く、容易に作製できる。
本発明の金属錯体溶液に含まれる金属錯体は、有機配位子を有しているため、有機溶媒への溶解性に優れる。
また、本発明の金属錯体溶液に含まれる金属錯体は、ルイス塩基性配位子を有するため、金属錯体溶液としたときの安定性にも優れる。これは本来ルイス酸性を有するインジウム錯体又はガリウム錯体に、ルイス塩基性配位子が2座配位することで閉核構造をとり、また、配位子の解離も起こりにくくなるため安定化されると考えられる。
以下に、一般式(1)におけるX11の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって限定されることはない。なお下記具体例において、*はM(インジウム又はガリウム)との結合位置を示す。
11が一般式(2)で表され、式(2)中のBが式(a)〜(e)のいずれか一つで表される具体例、及び、硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンの具体例を以下に示すがこれらに限定されるものではない。
11が一般式(2)で表され、式(2)中のBが単結合である具体例を以下に示すがこれらに限定されるものではない。

以下に、一般式(1)におけるL11の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって限定されることはない。なお、下記具体例において、*はM(インジウム又はガリウム)との結合位置を表す。
なお、一般式(1)で表される金属錯体のうち、下記一般式(5)で表される金属錯体は新規な金属錯体である。
一般式(5)中、Mは、インジウム又はガリウムを示し、L11 は、ルイス塩基性を示す官能基を有し、且つ、炭素アニオンを含み、炭素アニオンでMに結合する有機基を示し、X11 は、下記一般式(6)で表される配位子、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンを示す。但し、L11 がカルボニル基を含み、且つ、X11 が塩化物イオンであることはない。
一般式(6)中、波線部は、Mとの結合位置を示し、Aは、O又はSを示し、Bは、以下の式(a)〜(e)のいずれか一つで表される基又は単結合を示し、R11はアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。なお、R11で示されるアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。
上記式(a)〜上記式(e)中、*は、Aとの結合位置を示し、**は、R11との結合位置を示す。
一般式(5)中、X11 は、アルキルカルボキシルイオン、不飽和結合を有するカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオン、アルキルチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するチオカルボキシルイオン、アルキルジチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンであることが好ましく、アルキルカルボキシルイオン、不飽和結合を有するカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオン、アルキルジチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンであることがより好ましい。
一般式(5)中、L11は、下記一般式(7)で表されることが好ましい。
一般式(7)中、波線部は、Mとの結合位置を示し、L31は、MとX31を連結するアルキレン基を示し、X31は、ルイス塩基性を有する二価の基を示し、R31は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。
一般式(7)中、X31は、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−NH−及び−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)から選ばれる少なくとも1つからなる基であることが好ましく、R31は、アルキル基又はアリール基であることが好ましい。
一般式(5)で表される金属錯体は、M(インジウム又はガリウム)を含む化合物(例えば、ハロゲン化物)と、(L11 、(X11 )を生じる化合物(例えば、酸又はその塩)と、を反応させることによって合成することができる。
本発明の金属錯体溶液によれば、金属酸化物及び金属硫化物の少なくとも一方を含む薄膜の塗布法による作製が、従来の金属錯体を用いた場合と比較してより容易となる。
本発明の金属錯体溶液は、上述した本発明の金属錯体を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
例えば、本発明の金属錯体溶液が、(L11 (X11 3−n中に酸素原子を含む金属錯体を含む場合には、本発明の金属錯体溶液により、M(インジウム又はガリウム)の酸化物を含む薄膜を作製できる。
また、本発明の金属錯体溶液が、(L11 (X11 3−n中に硫黄原子を含む金属錯体を含む場合には、本発明の金属錯体溶液により、Mの硫化物を含む薄膜を作製できる。
また、本発明の金属錯体溶液が、(L11 (X11 3−n中に硫黄原子及び酸素原子を含む金属錯体を含む場合、又は、(L11 (X11 3−n中に酸素原子を含む金属錯体と(L11 (X11 3−n中に硫黄原子を含む金属錯体との両方を含む場合には、本発明の金属錯体溶液により、Mの酸化物及びMの硫化物の両方を含む薄膜を作製できる。
また、本発明の金属錯体溶液が、Mがインジウムである金属錯体を含む場合には、本発明の金属錯体溶液により、酸化インジウム及び硫化インジウムの少なくとも一方を含む薄膜を作製できる。
本発明の金属錯体溶液が、Mがガリウムである金属錯体を含む場合には、本発明の金属錯体溶液により、酸化ガリウム及び硫化ガリウムの少なくとも一方を含む薄膜を作製できる。
本発明の金属錯体溶液が、Mがインジウムである金属錯体とMがガリウムである金属錯体との両方を含む場合には、本発明の金属錯体溶液により、酸化インジウム及び硫化インジウムの少なくとも一方と、酸化ガリウム及び硫化ガリウムの少なくとも一方と、を含む薄膜を作製できる。
(溶媒)
本発明の金属錯体溶液は、溶媒を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
上記溶媒としては特に限定はないが、ルイス塩基性を有する溶媒、ハロゲン系溶媒が好適である。
ルイス塩基性を有する溶媒としては、非共役電子対を有する原子(窒素原子、酸素原子、硫黄原子、等)を含む化合物を用いることができる。
ルイス塩基性を有する溶媒として、具体的には、水、アルコール溶媒(メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール等)、アミド溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド等)、ケトン溶媒(アセトン、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等)、エーテル溶媒(テトラヒドロフラン、メトキシエタノール等)、エステル溶媒(酢酸エチル等)、ニトリル溶媒(アセトニトリル等)、その他上記以外のヘテロ原子含有溶媒(トリエチルアミン等)、等が挙げられる。
ハロゲン系溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロフェノール等が挙げられる。
特に、本発明の金属錯体溶液中の溶媒が水を含む場合には、環境負荷を低減できる点で有利である。
本発明の金属錯体溶液中における上記金属錯体の濃度は、上記薄膜をより容易に作製できる点で、0.01〜0.5mol/Lが好ましい。
本発明の金属錯体溶液は、亜鉛、錫、及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属原子を含む化合物を含有してもよい。
これにより、In及びGaの少なくとも一方と、上記少なくとも1種の金属原子と、を含む複合酸化物を作製することができる。
かかる複合酸化物としては、In−Ga−Zn−O、In−Zn−O、In−Sn−O、In−Sn−Zn−O、等が挙げられる。
(酸化剤)
また、本発明の金属錯体溶液は、更に、酸化剤を含むことが好ましい。
本発明の金属錯体溶液は、更に、酸化剤を含むことにより、(L11 (X11 3−nの分解がより促進されるので、より良質な薄膜を形成できる。例えば、薄膜を備えた薄膜トランジスタ(TFT)の移動度をより向上させることができる。
酸化剤としては特に制限はなく、公知の有機系酸化剤や、公知の無機系酸化剤を用いることができる。
また、本発明の金属錯体溶液が酸化剤を含む場合、金属錯体溶液に含まれる酸化剤は、1種のみであっても2種以上であってもよい。
また、酸化剤は、有機系酸化剤を含むことが好ましく、下記一般式(X)で表される化合物を含むことがより好ましい。
酸化剤が有機系酸化剤(特に、下記一般式(X)で表される化合物)を含むと、薄膜の形成の際、有機系酸化剤自体が分解されることにより、薄膜中の不純物をより低減することができる。従って、より良質な薄膜を形成できる。例えば、薄膜を備えた薄膜トランジスタ(TFT)の移動度をより向上させることができる。
一般式(X)中、R21は、一般式(X)中の窒素原子とともにヘテロ環を形成する2価の連結基を示し、X21は、ヒドロキシ基又はオキシル基を示す。
ここで、オキシル基とは、−O基(酸素ラジカル基)を意味する。
21で表される2価の連結基は、置換基を有していてもよい。
上記置換基は、アルキル基、オキソ基(=O基)、又はカルボキシル基であることが好ましい。
また、アルキル基、オキソ基(=O基)、又はカルボキシル基である置換基は、少なくとも、一般式(X)中の窒素原子に隣接する炭素原子に結合していることが好ましい。
また、一般式(X)中の窒素原子及びR21によって形成されるヘテロ環は、単環であっても縮環(例えばベンゾ縮環)であってもよい。
上記ヘテロ環としては、ピペリジン環、フタルイミド環、マレイミド環、スクシンイミド環が挙げられ、ピペリジン環、フタルイミド環がより好ましい。
一般式(X)で表される化合物の具体例としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(TEMPO)、N−ヒドロキシフタルイミド(NHPI)、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシマレイミドが挙げられ、TEMPO、NHPIが好ましい。
また、酸化剤としては、一般式(X)で表される化合物以外のその他の酸化剤を用いることもできる。
その他の酸化剤としては、マンガン錯体、鉄錯体、コバルト錯体が挙げられる。
ここで、「錯体」は広義の錯体を意味し、例えば、塩化鉄などの無機塩(無機錯体)も、「錯体」の概念に含まれる。
マンガン錯体の具体例としては、二酸化マンガン、過マンガン酸カリウム、塩化マンガン、臭化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン等のマンガン無機錯体;マンガン−サレン錯体、マンガン−フタロシアニン錯体、マンガン−ポルフィリン錯体等のマンガン有機錯体;が挙げられ、好ましくはマンガン有機錯体であり、より好ましくはマンガン−サレン錯体である。
鉄錯体の具体例としては、酸化鉄、塩化鉄、臭化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄等の鉄無機錯体;鉄−サレン錯体、鉄−フタロシアニン錯体、鉄−ポルフィリン錯体等の鉄有機錯体;が挙げられ、好ましくは鉄無機錯体であり、より好ましくは塩化鉄である
コバルト錯体の具体例としては、酸化コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、硫酸コバルト、硝酸コバルト等のコバルト無機錯体;二酢酸コバルト、コバルト−サレン錯体、コバルト−フタロシアニン錯体、コバルト−ポルフィリン錯体等のコバルト有機錯体;が挙げられ、好ましくはコバルト有機錯体であり、より好ましくはコバルト−サレン錯体である。
本発明の金属錯体溶液が酸化剤を含む場合、金属錯体溶液中の酸化剤の濃度は、金属錯体に対する濃度として、0.1mol%〜50mol%が好ましく、1mol%〜20mol%がより好ましく、5mol%〜15mol%が更に好ましく、5mol%〜10mol%が特に好ましい。
また、本発明の金属錯体溶液が有機系酸化剤(例えば上記一般式(X)で表される化合物)を含む場合、金属錯体溶液中の有機系酸化剤の濃度は、金属錯体に対する濃度として、0.1mol%〜50mol%が好ましく、1mol%〜20mol%がより好ましく、5mol%〜15mol%が更に好ましく、5mol%〜10mol%が特に好ましい。
<薄膜及びその製造方法>
本発明の薄膜の製造方法は、上述した本発明の金属錯体溶液を塗布し、乾燥させて塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、塗布膜を加熱処理することにより、金属酸化物及び金属硫化物の少なくとも一方を含む薄膜を得る加熱処理工程と、を有する。
本発明の薄膜の製造方法では上述した本発明の金属錯体溶液を用いるため、本発明の薄膜の製造方法によれば、金属酸化物及び金属硫化物の少なくとも一方を含む薄膜の塗布法による作製が、従来の金属錯体を用いた場合と比較してより容易となる。従って、本発明の薄膜の製造方法によれば、例えば、紫外線照射やプラズマ照射といった特別な処理を行わなくても、上記薄膜を容易に製造することができる。但し、本発明の薄膜の製造方法において、補助的に、紫外線照射やプラズマ照射を行ってもよい。
(塗布膜形成工程)
塗布膜形成工程は、上述した本発明の金属錯体溶液を塗布し、乾燥させて塗布膜を形成する方法である。
本工程において、金属錯体溶液は、好ましくは基板上に塗布される。
基板の形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。基板の構造は単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
基板を構成する材料としては特に限定はなく、ガラス、YSZ(Yttria−Stabilized Zirconia;イットリウム安定化ジルコニウム)等の無機基板、樹脂基板、その複合材料等を用いることができる。中でも軽量である点、可撓性を有する点から樹脂基板又はその複合材料が好ましい。
具体的には、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル、マレイミド・オレフィン、セルロース、エピスルフィド化合物等の合成樹脂基板、酸化珪素粒子との複合プラスチック材料、金属ナノ粒子、無機酸化物ナノ粒子、無機窒化物ナノ粒子等との複合プラスチック材料、カーボン繊維、カーボンナノチューブとの複合プラスチック材料、ガラスフェレーク、ガラスファイバー、ガラスビーズとの複合プラスチック材料、粘土鉱物や雲母派生結晶構造を有する粒子との複合プラスチック材料、薄いガラスと上記単独有機材料との間に少なくとも1回の接合界面を有する積層プラスチック材料、無機層と有機層を交互に積層することで、少なくとも1回以上の接合界面を有するバリア性能を有する複合材料、ステンレス基板或いはステンレスと異種金属を積層した金属多層基板、アルミニウム基板或いは表面に酸化処理(例えば陽極酸化処理)を施すことで表面の絶縁性を向上させた酸化皮膜付きのアルミニウム基板等を用いることができる。また、樹脂基板は耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性、又は低吸湿性等に優れていることが好ましい。樹脂基板は、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層や、樹脂基板の平坦性や下部電極との密着性を向上するためのアンダーコート層等を備えていてもよい。
基板の厚みに特に制限はないが、50μm以上500μm以下であることが好ましい。基板の厚みが50μm以上であると、基板自体の平坦性がより向上する。また、基板の厚みが500μm以下であると、基板自体の可撓性がより向上し、フレキシブルデバイス用基板としての使用がより容易となる。
本工程における塗布方法は特に限定されず、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、ミスト法、インクジェット法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、及び凹版印刷法等が挙げられる。
本工程では、塗布された金属錯体溶液を乾燥し、塗布膜(金属錯体薄膜)を得る。
この乾燥は、自然乾燥であってもよいし、加熱乾燥であってもよい。
加熱乾燥とする場合に加熱温度には特に限定はないが、例えば、40℃〜250℃が挙げられ、60℃〜230℃が好ましく、80℃〜220℃がより好ましく、100℃〜210℃が特に好ましい。
加熱乾燥とする場合の加熱の方法には特に限定されず、ホットプレート加熱、電気炉加熱、赤外線加熱、マイクロ波加熱等から選択することができる。
加熱乾燥は膜の平坦性を均一に保つ観点から、塗布後、5分以内に開始することが好ましい。
乾燥を行う時間は特に制限はないが、膜の均一性、生産性の観点から15秒以上10分以下であることが好ましい。
また、乾燥における雰囲気に特に制限はないが、製造コスト等の観点から大気圧下、大気中で行うことが好ましい。
本工程では、塗布から乾燥までの操作を複数回行ってもよい。
これにより、最終的に得られる薄膜の膜質をより向上させることができる。
(加熱処理工程)
加熱処理工程は、上記塗布膜形成工程で形成された塗布膜を加熱処理することにより、金属酸化物及び金属硫化物の少なくとも一方を含む薄膜を得る工程である。
本工程における加熱処理により、上記金属錯体が、金属酸化物及び金属硫化物の少なくとも一方に転化され、上記薄膜が得られる。
加熱処理における最高到達温度は、より良質な薄膜を作製する観点から、200℃〜300℃が好ましく、220℃〜280℃がより好ましく、230℃〜270℃が特に好ましい。
また、最高到達温度での保持時間は、1分〜2時間が好ましく、10分〜1時間がより好ましく、30分〜1時間が特に好ましい。
加熱処理における最高到達温度への昇温速度には特に制限はないが、10℃/sec〜100℃/secが好ましく、20℃/sec〜80℃/secがより好ましく、30℃/sec〜70℃/secが特に好ましい。
昇温速度が100℃/sec以下であると、より良質な薄膜が得られる。
昇温速度が10℃/sec以上であると、薄膜の生産性に優れる。
加熱処理の雰囲気には特に制限はなく、大気雰囲気下であってもよいし、不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等)を含む雰囲気下であってもよい。
本発明の薄膜として、金属酸化物を含む薄膜(例えば、金属酸化物からなる薄膜)を作製する場合には、加熱処理を、大気雰囲気下、不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気下、又は、酸素100体積%の雰囲気下で行うことが好ましい。この場合の不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気における酸素濃度としては、例えば、1体積%〜50体積%以下が挙げられ、5体積%〜40体積%が好ましく、10体積%〜30体積%がより好ましい。
また、本発明の薄膜として、金属硫化物からなる薄膜を作製する場合には、加熱処理を、不活性ガス100体積%の雰囲気下で行うか、又は、酸素濃度が10体積%以下(より好ましくは5体積%以下、特に好ましくは1体積%以下)の不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
本発明の薄膜の製造方法は、上記以外のその他の工程を含んでもよい。
その他の工程としては、金属酸化物薄膜の製造工程として公知の工程を適宜採用することができる。
また、その他の工程として、薄膜に対し、補助的に紫外線照射やプラズマ照射を行う工程を採用することもできる。
<薄膜>
本発明の薄膜は、上記本発明の薄膜の製造方法によって製造された薄膜である。
即ち、本発明の薄膜は、金属酸化物及び金属硫化物の少なくとも一方を含む薄膜である。
ここで、金属酸化物には、上記Mを含む酸化物が含まれ、金属硫化物には、Mを含む硫化物が含まれる。
上記Mを含む酸化物としては、酸化インジウム、酸化ガリウム、In−Ga−O、In−Ga−Zn−O、In−Zn−O、In−Sn−O、In−Sn−Zn−O、等が挙げられる。
上記Mを含む硫化物としては、上記で例示されたMを含む酸化物中の酸素原子を、硫黄原子に置き換えた化合物が挙げられる。
本発明の薄膜中における、金属酸化物及び金属硫化物の総含有量(好ましくは、上記Mを含む酸化物及び上記Mを含む硫化物の総含有量)は、本発明の薄膜の全質量に対し、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
なお、「金属酸化物及び金属硫化物の総含有量」とは、本発明の薄膜が金属酸化物を含み金属硫化物を含まない場合には、金属酸化物の含有量を指し、本発明の薄膜が金属硫化物を含み金属酸化物を含まない場合には、金属硫化物の含有量を指す。
また、本発明の薄膜に含まれる全金属元素中に占める上記M(インジウム、ガリウム)の比率は、50atom%以上であることが好ましく、80atom%以上であることがより好ましい。
また、薄膜の膜厚には特に制限はないが、薄膜の平坦性及び生産性の観点から、5nm〜200nmが好ましく、5nm〜100nmがより好ましく、5nm〜50nmが特に好ましい。
また、本発明の薄膜は、パターニングされていない薄膜であってもよいし、パターニングされた薄膜であってもよい。パターニングの方法としては、エッチングやリフトオフ法等の公知の方法を用いることができる。
本発明の薄膜は、半導体薄膜又は導電体薄膜として好適に用いられるものである。
<電子素子>
本発明の電子素子は、上記本発明の薄膜を備える。
本発明の電子素子としては、薄膜トランジスタ、キャパシタ(コンデンサ)、ダイオード、撮像素子等のセンサー等、半導体特性を有する薄膜を備えた各種の素子が挙げられる。
<薄膜トランジスタ>
以下、活性層(半導体層)として、本発明の薄膜を備えた薄膜トランジスタ(TFT)の実施形態について説明する。
尚、実施形態としてはトップゲート型の薄膜トランジスタについて記述するが、本発明の薄膜トランジスタはトップゲート型に限定されることなく、ボトムゲート型の薄膜トランジスタであってもよい。
本発明におけるTFTの素子構造は特に限定されず、ゲート電極の位置に基づいた、いわゆる逆スタガ構造(ボトムゲート型とも呼ばれる)及びスタガ構造(トップゲート型とも呼ばれる)のいずれの態様であってもよい。また、活性層とソース電極及びドレイン電極(適宜、「ソース・ドレイン電極」という。)との接触部分に基づき、いわゆるトップコンタクト型、ボトムコンタクト型のいずれの態様であってもよい。
トップゲート型とは、TFTが形成されている基板を最下層としたときに、ゲート絶縁膜の上側にゲート電極が配置され、ゲート絶縁膜の下側に活性層が形成された形態である。ボトムゲート型とは、ゲート絶縁膜の下側にゲート電極が配置され、ゲート絶縁膜の上側に活性層が形成された形態である。また、ボトムコンタクト型とは、ソース・ドレイン電極が活性層よりも先に形成されて活性層の下面がソース・ドレイン電極に接触する形態である。トップコンタクト型とは、活性層がソース・ドレイン電極よりも先に形成されて活性層の上面がソース・ドレイン電極に接触する形態である。
図1は、トップゲート構造でトップコンタクト型の本発明に係るTFTの一例を示す模式図である。図1に示すTFT10では、基板12の一方の主面上に活性層14として上述の本発明の薄膜が積層されている。そして、活性層14上にソース電極16及びドレイン電極18が互いに離間して設置され、更にこれらの上にゲート絶縁膜20と、ゲート電極22とが順に積層されている。
図2は、トップゲート構造でボトムコンタクト型の本発明に係るTFTの一例を示す模式図である。図2に示すTFT30では、基板12の一方の主面上にソース電極16及びドレイン電極18が互いに離間して設置されている。そして、活性層14として上述の本発明の薄膜と、ゲート絶縁膜20と、ゲート電極22と、が順に積層されている。
図3は、ボトムゲート構造でトップコンタクト型の本発明に係るTFTの一例を示す模式図である。図3に示すTFT40では、基板12の一方の主面上にゲート電極22と、ゲート絶縁膜20と、活性層14として本発明の薄膜と、が順に積層されている。そして、活性層14の表面上にソース電極16及びドレイン電極18が互いに離間して設置されている。
図4は、ボトムゲート構造でボトムコンタクト型の本発明に係るTFTの一例を示す模式図である。図4に示すTFT50では、基板12の一方の主面上にゲート電極22と、ゲート絶縁膜20と、が順に積層されている。そして、ゲート絶縁膜20の表面上にソース電極16及びドレイン電極18が互いに離間して設置され、更にこれらの上に、活性層14として本発明の薄膜が積層されている。
以下の実施形態としては図1に示すトップゲート型の薄膜トランジスタ10ついて主に説明するが、本発明の薄膜トランジスタはトップゲート型に限定されることなく、ボトムゲート型の薄膜トランジスタであってもよい。
(活性層)
本実施形態の薄膜トランジスタ10を製造する場合、まず、本発明の薄膜の製造方法により、基板12上に薄膜を形成する。
薄膜のパターニングは前述したインクジェット法、ディスペンサー法、凸版印刷法、又は凹版印刷法によって行ってもよく、薄膜の形成後にフォトリソグラフィー及びエッチングによりパターニングを行ってもよい。
フォトリソグラフィー及びエッチングによりパターン形成を行うには、薄膜を形成した後、活性層14として残存させる部分にフォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成した後、塩酸、硝酸、希硫酸、又は燐酸、硝酸及び酢酸の混合液等の酸溶液によりエッチングすることにより活性層14のパターンを形成する。
(保護層)
活性層14上にはソース・ドレイン電極16,18のエッチング時に活性層14を保護するための保護層(不図示)を形成することが好ましい。保護層の成膜方法に特に限定はなく、本発明の薄膜を形成した後、パターニングする前に形成してもよいし、本発明の薄膜のパターニング後に形成してもよい。
また、保護層としては金属酸化物層であってもよく、樹脂のような有機材料であってもよい。なお、保護層はソース電極16及びドレイン電極18(適宜「ソース・ドレイン電極」と記す)の形成後に除去しても構わない。
(ソース・ドレイン電極)
本発明の薄膜で形成される活性層14上にソース・ドレイン電極16,18を形成する。ソース・ドレイン電極16,18はそれぞれ電極として機能するように高い導電性を有するものを用い、Al,Mo,Cr,Ta,Ti,Au,Au等の金属、Al−Nd、Ag合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)、In−Ga−Zn−O等の金属酸化物導電膜等を用いて形成することができる。
ソース・ドレイン電極16,18を形成する場合、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式等の中から使用する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って成膜すればよい。
ソース・ドレイン電極16,18の膜厚は、成膜性、エッチング又はリフトオフ法によるパターニング性、導電性等を考慮すると、10nm以上1000nm以下とすることが好ましく、50nm以上100nm以下とすることがより好ましい。
ソース・ドレイン電極16,18は、導電膜を形成した後、例えば、エッチング又はリフトオフ法により所定の形状にパターニングして形成してもよく、インクジェット法等により直接パターン形成してもよい。この際、ソース・ドレイン電極16,18及びこれらの電極に接続する配線(不図示)を同時にパターニングすることが好ましい。
(ゲート絶縁膜)
ソース・ドレイン電極16,18及び配線(不図示)を形成した後、ゲート絶縁膜20を形成する。ゲート絶縁膜20は高い絶縁性を有するものが好ましく、例えばSiO、SiN、SiON、Al、Y、Ta、HfO等の絶縁膜、又はこれらの化合物を2種以上含む絶縁膜としてもよい。
ゲート絶縁膜20は、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式等の中から使用する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って成膜すればよい。
尚、ゲート絶縁膜20はリーク電流の低下及び電圧耐性の向上のための厚みを有する必要がある一方、ゲート絶縁膜20の厚みが大きすぎると駆動電圧の上昇を招いてしまう。ゲート絶縁膜20は材質にもよるが、ゲート絶縁膜20の厚みは10nm以上10μm以下が好ましく、50nm以上1000nm以下がより好ましく、100nm以上400nm以下が特に好ましい。
(ゲート電極)
ゲート絶縁膜20を形成した後、ゲート電極22を形成する。ゲート電極22は高い導電性を有するものを用い、Al,Mo,Cr,Ta,Ti,Au,Au等の金属、Al−Nd、Ag合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)、IGZO等の金属酸化物導電膜等を用いて形成することができる。ゲート電極22としてはこれらの導電膜を単層構造又は2層以上の積層構造として用いることができる。
ゲート電極22は、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式等の中から使用する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って成膜する。
ゲート電極22を形成するための金属膜の膜厚は、成膜性、エッチングやリフトオフ法によるパターニング性、導電性等を考慮すると、10nm以上1000nm以下とすることが好ましく、50nm以上200nm以下とすることがより好ましい。
成膜後、エッチング又はリフトオフ法により所定の形状にパターニングすることにより、ゲート電極22を形成してもよく、インクジェット法等により直接パターン形成してもよい。この際、ゲート電極22及びゲート配線(不図示)を同時にパターニングすることが好ましい。
以上で説明した本実施形態の薄膜トランジスタ10の用途には特に限定はないが、高い輸送特性を示すことから、例えば電気光学装置、具体的には、液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)表示装置、無機EL表示装置等の表示装置における駆動素子、耐熱性の低い樹脂基板を用いたフレキシブルディスプレイの作製に好適である。
更に本発明により製造される薄膜トランジスタは、X線センサ、イメージセンサ等の各種センサ、MEMS(Micro Electro Mechanical System)等、種々の電子デバイスにおける駆動素子(駆動回路)として好適に用いられる。
<液晶表示装置>
本発明の一実施形態である液晶表示装置について、図5にその一部分の概略断面図を示し、図6に電気配線の概略構成図を示す。
図5に示すように、本実施形態の液晶表示装置100は、図1に示したトップゲート構造でトップコンタクト型のTFT10と、TFT10のパッシベーション層102で保護されたゲート電極22上に画素下部電極104およびその対向上部電極106で挟まれた液晶層108と、各画素に対応させて異なる色を発色させるためのR(赤)G(緑)B(青)のカラーフィルタ110とを備え、TFT10の基板12側およびRGBカラーフィルタ110上にそれぞれ偏光板112a、112bを備えた構成である。
また、図6に示すように、本実施形態の液晶表示装置100は、互いに平行な複数のゲート配線112と、該ゲート配線112と交差する、互いに平行なデータ配線114とを備えている。ここでゲート配線112とデータ配線114は電気的に絶縁されている。ゲート配線112とデータ配線114との交差部付近に、TFT10が備えられている。
TFT10のゲート電極22は、ゲート配線112に接続されており、TFT10のソース電極16はデータ配線114に接続されている。また、TFT10のドレイン電極18はゲート絶縁膜20に設けられたコンタクトホール116を介して(コンタクトホール116に導電体が埋め込まれて)画素下部電極104に接続されている。この画素下部電極104は、接地された対向上部電極106とともにキャパシタ118を構成している。
<有機EL表示装置>
本発明の一実施形態に係るアクティブマトリックス方式の有機EL表示装置について、図7に一部分の概略断面図を示し、図8に電気配線の概略構成図を示す。
本実施形態のアクティブマトリックス方式の有機EL表示装置200は、図1に示したトップゲート構造のTFT10が、パッシベーション層202を備えた基板12上に、駆動用TFT10aおよびスイッチング用TFT10bとして備えられ、TFT10a,10b上に下部電極208および上部電極210に挟まれた有機発光層212からなる有機EL発光素子214を備え、上面もパッシベーション層216により保護された構成となっている。
また、図8に示すように、本実施形態の有機EL表示装置200は、互いに平行な複数のゲート配線220と、該ゲート配線220と交差する、互いに平行なデータ配線222および駆動配線224とを備えている。ここで、ゲート配線220とデータ配線222、駆動配線224とは電気的に絶縁されている。スイッチング用TFT10bのゲート電極22は、ゲート配線220に接続されており、スイッチング用TFT10bのソース電極16はデータ配線222に接続されている。また、スイッチング用TFT10bのドレイン電極18は駆動用TFT10aのゲート電極22に接続されるとともに、キャパシタ226を用いることで駆動用TFT10aをオン状態に保つ。駆動用TFT10aのソース電極16は駆動配線224に接続され、ドレイン電極18は有機EL発光素子214に接続される。
なお、図7に示した有機EL表示装置において、上部電極210を透明電極としてトップエミッション型としてもよいし、下部電極208およびTFTの各電極を透明電極とすることによりボトムエミッション型としてもよい。
<X線センサ>
本発明の一実施形態であるX線センサについて、図9にその一部分の概略断面図を示し、図10にその電気配線の概略構成図を示す。
本実施形態のX線センサ300は基板12上に形成されたTFT10およびキャパシタ310と、キャパシタ310上に形成された電荷収集用電極302と、X線変換層304と、上部電極306とを備えて構成される。TFT10上にはパッシベーション膜308が設けられている。
キャパシタ310は、キャパシタ用下部電極312とキャパシタ用上部電極314とで絶縁膜316を挟んだ構造となっている。キャパシタ用上部電極314は絶縁膜316に設けられたコンタクトホール318を介し、TFT10のソース電極16およびドレイン電極18のいずれか一方(図9においてはドレイン電極18)と接続されている。
電荷収集用電極302は、キャパシタ310におけるキャパシタ用上部電極314上に設けられており、キャパシタ用上部電極314に接している。
X線変換層304はアモルファスセレンからなる層であり、TFT10およびキャパシタ310を覆うように設けられている。
上部電極306はX線変換層304上に設けられており、X線変換層304に接している。
図10に示すように、本実施形態のX線センサ300は、互いに平行な複数のゲート配線320と、ゲート配線320と交差する、互いに平行な複数のデータ配線322とを備えている。ここでゲート配線320とデータ配線322は電気的に絶縁されている。ゲート配線320とデータ配線322との交差部付近に、TFT10が備えられている。
TFT10のゲート電極22は、ゲート配線320に接続されており、TFT10のソース電極16はデータ配線322に接続されている。また、TFT10のドレイン電極18は電荷収集用電極302に接続されており、さらに電荷収集用電極302は、キャパシタ310に接続されている。
本実施形態のX線センサ300において、X線は図9中、上部電極306側から入射してX線変換層304で電子−正孔対を生成する。X線変換層304に上部電極306によって高電界を印加しておくことにより、生成した電荷はキャパシタ310に蓄積され、TFT10を順次走査することによって読み出される。
なお、上記実施形態の液晶表示装置100、有機EL表示装置200、及びX線センサ300においては、トップゲート構造のTFTを備えるものとしたが、TFTはこれに限定されず、図2〜図4に示す構造のTFTであってもよい。
以下に実施例を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
<インジウム錯体の合成>
インジウム錯体として、例示化合物1〜10の合成をそれぞれ行った。以下、詳細を説明する。
〔合成例1−1〕
−例示化合物1の合成−
J. Am. Chem. Soc. (Journal of the American Chemical Society) 2010, Vol.132, p.15852-15853に従い、下記構造の例示化合物1の合成を行った。
〔合成例1−2〕
−例示化合物2の合成−
例示化合物1(1.0g、3.1mmol)にアセトニトリル(20mL)とイオン交換水(10mL)を加え、室温にて溶解させた。酢酸ナトリウム(640mg、7.8mmol)をイオン交換水(10ml)に溶解させた溶液を、例示化合物1とアセトニトリルを含む上記溶液に室温で滴下し、2時間攪拌した。反応液を塩化メチレンにて抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤をろ別し、溶媒を留去した後、塩化メチレンとテトラヒドロフラン(THF)とメタノールを展開溶媒にしたカラムクロマトグラフィーにて精製し、下記構造の例示化合物2を400mg得た。
−例示化合物2のNMR測定結果−
1H−NMR(400MHz、CDCl)δ0.7(t、4H)、1.1(t、6H)、2.0(s、3H)、2.6(q、4H)、3.0(t、4H)
〔合成例1−3〕
−例示化合物3の合成−
例示化合物1(1.0g、3.1mmol)にアセトニトリル(20mL)とイオン交換水(10mL)を加え、室温にて溶解させた。硝酸銀(700mg、4.1mmol)をイオン交換水(10ml)に溶解させた溶液を、例示化合物1とアセトニトリルを含む上記溶液に室温で滴下し、1時間攪拌した。反応液を塩化メチレンにて抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤をろ別し、溶媒を留去した後、塩化メチレンとTHFとメタノールを展開溶媒にしたカラムクロマトグラフィーにて精製し、下記構造の例示化合物3を500mg得た。
−例示化合物3のNMR測定結果−
1H−NMR(400MHz、CDCl)δ0.8(t、4H)、1.1(t、6H)、2.6(q、4H)、3.0(t、4H)
〔合成例1−4〕
−例示化合物4の合成−
J. Am. Chem. Soc. (Journal of the American Chemical Society) 2010, Vol.132, p.15852-15853に従い、合成を行い、フェニルビニルケトン(2.6g、20mmol)、インジウム(1.8g、16mmol)、塩化インジウム(1.7g、8mmol)から下記構造の例示化合物4を1.5g得た。
−例示化合物4のNMR測定結果−
1H−NMR(400MHz、CDCl)δ1.0(t、4H)、3.7(t、4H)、7.1〜8.1(m、10H)
〔合成例1−5〕
−例示化合物5の合成−
J. Am. Chem. Soc. (Journal of the American Chemical Society) 2010, Vol.132, p.15852-15853に従い、合成を行い、2−チエニルビニルケトン(2.8g、20mmol)、インジウム(1.8g、16mmol)、塩化インジウム(1.7g、8mmol)から下記構造の例示化合物5を1.7g得た。
−例示化合物5のNMR測定結果−
1H−NMR(400MHz、CDCl)δ1.0(t、4H)、3.6(t、4H)、7.2〜7.9(m、6H)
〔合成例1−6〕
−例示化合物6の合成−
例示化合物2の合成の際に用いた例示化合物1の代わりに例示化合物5(1.3g、3.1mmol)を使用し、酢酸ナトリウム水溶液の代わりにチオ安息香酸(1.1g、7.8mmol)と1N NaOH水溶液(7.8mL)及びイオン交換水(5mL)からなる水溶液を用い、例示化合物2の合成と同様の操作を行うことで、下記構造の例示化合物6を得た。
−例示化合物6のNMR測定結果−
1H−NMR(400MHz、CDCl)δ1.0(t、4H)、3.6(t、4H)、7.2〜8.0(m、11H)
〔合成例1−7〕
−例示化合物7の合成−
まず初めに、以下の操作により2−チエニルジチオカルボン酸を合成した。
Tetrahedron Letters, 2006. Vol.47, p. 4771 - 4774に従い、2−ブロモチオフェン(16.3g、100mmol)、マグネシウム(4.9g、200mmol)、THF(100mL)、臭化第一銅(145mg、1mmol)、及び二硫化炭素(10.7g、140mmol)から合成した2−チエニルジチオカルボン酸のマグネシウム塩溶液を得た。これを氷冷下、1N HCl(500m)にゆっくり滴下し、1時間室温にて攪拌した。その後、反応液をジエチルエーテル(500mL)で抽出操作を行い、得られた油相を1N NaOH(300mL)にて逆抽出操作を行った。得られた水相を1N HCl(300mL)にて中和し、再びジエチルエーテル(500mL)で抽出操作を行い、無水硫酸ナトリウムにて乾燥することで2−チエニルジチオカルボン酸を5g得た。
例示化合物6の合成の際用いたチオ安息香酸の代わりに、2−チエニルジチオカルボン酸(1.2g、7.8mmol)を用い、例示化合物6の合成と同様の操作を行うことで、下記構造の例示化合物7を得た。
−例示化合物7のNMR測定結果−
1H−NMR(400MHz、CDCl)δ1.0(t、4H)、3.6(t、4H)、7.2〜8.0(m、9H)
〔合成例1−8〕
−例示化合物8の合成−
Synthesis 2003, No.2, p.302-306に従い、下記構造の例示化合物8を合成した。
〔合成例1−9〕
−例示化合物9の合成−
J. Organometal. Chem.(Journal of Organometallic Chemistry)1972, Vol.39, p.87-90に従い、下記構造の例示化合物9を合成した。
〔合成例1−10〕
−例示化合物10の合成−
J. Organometal. Chem. 1967, Vol.8, p.427に従い、下記構造の例示化合物10を合成した。
<酸化剤>
〔合成例1−11〕
−例示化合物11の合成−
Inorganic Chemistry, 1980、p.1170に従い、下記構造の例示化合物11を合成した。
〔合成例1−12〕
−例示化合物12の合成−
Organometallics, 1997、p.747に従い、下記構造の例示化合物12を合成した。
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(TEMPO)、N−ヒドロキシフタルイミド(NHPI)は市販ものを用いた。
<金属錯体溶液の作製>
上記で合成した、例示化合物1〜10をそれぞれ用い、露点温度0℃から15℃の条件下で金属錯体溶液を作製した。
以下、詳細を説明する。
〔実施例2−1〕
例示化合物1を用いて、金属錯体溶液を調製した。例示化合物1を320mg秤量し、常温(25℃、以下同じ)のメタノールを加え、10mLにし、振動攪拌することで、0.1mol/Lの透明溶液(金属錯体溶液2−1)を得た。
〔実施例2−2〜実施例2−12〕
同様にして、下記表1に示す溶質及び溶媒を用いて金属錯体溶液2−2〜金属錯体溶液2−12を調製した。
また、トリメチルインジウムとテトラヒドロフランを用いて金属錯体溶液の調製を試みたが、トリメチルインジウムの急激な分解のため、調製を断念した。大気中の水分が原因と考えられる。
また、インジウムトリイソプロポキシドと1,2−ジメトキシエタンを用いて金属錯体溶液の調製を試みたが、溶液中に多量の不溶物を生じたため、調液を断念した。大気中の水分が原因と考えられる。
<薄膜の作製>
上記で作製された金属錯体溶液を用いそれぞれ用いて、薄膜を作製した。
以下、詳細を説明する。
〔実施例3−1〕
−塗布膜形成工程−
金属錯体溶液2−1を、25mm四方の熱酸化膜付p型Si基板上に、3000rpmの回転速度で60秒間スピンコートした後、200℃に加熱したホットプレート上で5分間乾燥させる工程を5回繰り返した。これにより、塗布膜として、膜厚40nm程度の金属錯体薄膜(有機インジウム錯体薄膜)を得た。
−加熱処理工程−
上記で得られた金属錯体薄膜に下記条件の加熱処理(焼成)を施し、薄膜を得た。
加熱処理は、高速熱処理装置(Allwin21社製AW−410)を用いて、50℃/secの昇温速度で250℃の温度まで昇温し、次いで30分間保持し、その後、炉内で冷却することにより行った。
−−加熱処理の条件A−−
・加熱温度: 250℃
・加熱雰囲気: 酸素濃度20体積%の酸素及びアルゴン雰囲気(体積基準の流量比〔O/(Ar+O)〕が0.2である雰囲気)
・雰囲気ガスの総流量: 2L/min
−X線回折測定−
上記で得られた薄膜について、X線回折測定を行った。測定にはリガク社製RINT−UltimaIIIを用い、入射角を0.35°に固定した2θ測定にて評価を行ったところ、塩化酸化インジウムの存在を示す特徴的なピークが確認された。
以上の結果を、下記表2にまとめた。
〔実施例3−2〜実施例3−12〕
実施例3−1において、金属錯体溶液2−1を、下記表2に示す金属錯体溶液に変更したこと以外は実施例3−1と同様にして塗布膜(金属錯体薄膜)を形成した。
また、得られた金属錯体薄膜に対し、下記表2に示す加熱処理条件により加熱処理を施し薄膜を得て、X線回折測定を行った。
なお、表2において、加熱処理条件Bは、加熱処理雰囲気として100%アルゴン雰囲気としたこと以外は加熱処理条件Aと同様である。
実施例3−2等で作製した酸化インジウム薄膜においては酸化インジウムの存在を示す特徴的なピークが確認され、実施例3−8で作製した酸化ガリウム薄膜では酸化ガリウムの存在を示す特徴的なピークが確認された。
<薄膜トランジスタの作製>
簡易型TFTの作製法を記す。上記得られた薄膜上にソース・ドレイン電極を蒸着により成膜した。ソース・ドレイン電極の成膜はメタルマスクを用いたパターン成膜にて作製し、Tiを50nm成膜した。ソース・ドレイン電極のサイズは各々1mm□とし、電極間距離は0.2mmとした。
このようにして作製した簡易型TFTについて、半導体パラメータ・アナライザー4156C(アジレントテクノロジー社製)を用い、トランジスタ特性(V−I特性)の測定を行った。
−I特性の測定は、ドレイン電圧(V)を+1Vに固定し、ゲート電圧(V)を−15V〜+15Vの範囲内で変化させ、各ゲート電圧(V)におけるドレイン電流(I)を測定することにより行った。
いずれの薄膜においても、半導体特性を有することが確認できた。ただし、酸化インジウム薄膜の表面平滑性の点において、酸化インジウム薄膜3−12は他のものと比較して若干劣った。また実施例中、実施例3−2、3−3で、最も高いOn/Off比を示した。
<酸化剤を添加した金属錯体溶液の作製>
更なる半導体特性の向上を目指し、例示化合物2又は例示化合物3を含む金属錯体溶液に対して酸化剤を添加した。
〔実施例4−1〕
例示化合物2を用いて、金属錯体溶液を調製した。例示化合物2を344mg秤量し、NHPIを16mg秤量し、常温(25℃、以下同じ)のクロロホルムを加え、10mLにし、振動攪拌することで、0.1mol/Lの溶液(金属錯体溶液4−1)を得た。
〔実施例4−2〜実施例4−11〕
各成分を下記表3に示すように変更したこと以外は実施例4−1と同様にして金属錯体溶液4−2〜金属錯体溶液4−11を調製した。
−表3中の酸化剤の種類−
・NHPI … N−ヒドロキシフタルイミド
・TEMPO … 2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル
・NHPI/Co(OAc) … mol比〔N−ヒドロキシフタルイミド/二酢酸コバルト(II)〕=99/1の混合物
・FeCl … 塩化鉄(III)
・例示化合物11 … 前記合成例1−11で合成したMn系酸化剤
・例示化合物12 … 前記合成例1−12で合成したCo系酸化剤
<薄膜の作製>
〔実施例5−1〕
実施例4−1で作製した金属錯体溶液を用いて、金属錯体薄膜を作製した。
−金属錯体溶液塗布膜形成工程と乾燥工程−
金属錯体溶液4−1を、25mm四方の熱酸化膜付p型Si基板上に、3000rpmの回転速度で60秒スピンコートした後、200℃に加熱したホットプレート上で5分間乾燥させる工程を5回繰り返すことで、膜厚40nm程度の金属錯体薄膜5−1(有機インジウム錯体薄膜)を得た。
〔実施例5−2〜実施例5−11〕
金属錯体溶液4−1を下記表4に示すように変更したこと以外は実施例5−1と同様にして金属錯体薄膜5−2〜金属錯体薄膜5−11を作製した。
〔実施例6−1〕
実施例4−1で作製した金属錯体溶液を用いて、金属酸化物薄膜を作製した。
−加熱処理工程条件−
金属錯体溶液4−1を用いて作製した金属錯体薄膜5−1を、アニール温度が250℃、アニール雰囲気がO/(Ar+O)流量比(体積基準)で、0.2(酸素濃度20体積%)の条件にて、加熱処理を施し酸化インジウム薄膜6−1を得た。なお、加熱処理は、高速熱処理装置(Allwin21社製AW−410)を用いて、50℃/secで250℃の温度まで昇温し、30分間保持した後、炉内で冷却した。加熱処理時のガス総流量は2L/minとした。
得られた酸化インジウム薄膜6−1について薄膜X線回折測定を行った。測定にはリガク社製RINT−UltimaIIIを用い、入射角を0.35°に固定した2θ測定にて評価を行ったところ、酸化インジウムの存在を示す特徴的なピークが確認された。
簡易型TFT作製法を記す。上記得られた酸化物半導体薄膜上にソース・ドレイン電極を蒸着により成膜した。ソース・ドレイン電極成膜はメタルマスクを用いたパターン成膜にて作製し、Tiを50nm成膜した。ソース・ドレイン電極サイズは各々1mm□とし、電極間距離は0.2mmとした。
このようにして作製した簡易型TFTについて、半導体パラメータ・アナライザー4156C(アジレントテクノロジー社製)を用い、トランジスタ特性(V−I特性)の測定を行った。
−I特性の測定は、ドレイン電圧(V)を+1Vに固定し、ゲート電圧(V)を−15V〜+15Vの範囲内で変化させ、各ゲート電圧(V)におけるドレイン電流(I)を測定することにより行った。
〔実施例6−2〜実施例6−11〕
金属錯体溶液(金属錯体薄膜)を下記表5に示すように変更したこと以外は実施例6−1と同様にして、酸化インジウム薄膜6−2〜酸化インジウム薄膜6−11を作製し、TFT評価を行った。
酸化インジウム薄膜6−11の移動度の値を100とした場合の、それぞれの酸化インジウム薄膜の相対値を表5に示した。いずれの薄膜においても、半導体特性を有することが確認できた。
酸化インジウム薄膜6−11と比較して、酸化剤を添加した金属錯体溶液を用いて作製した酸化インジウム薄膜6−1〜6−10は、いずれにおいても移動度の相対値が高くなった。これは金属錯体薄膜中に酸化剤が存在することで、焼成時に金属錯体の分解が促進され、酸化インジウム薄膜中に金属錯体の未分解物が減少することで、移動度が向上したものと考えられる。
特に、有機系の酸化剤を添加して作製した酸化インジウム薄膜6−1〜6−3、6−7〜6−10は、無機系の酸化剤を添加して作製した酸化インジウム薄膜6−4〜6−6に比べて移動度の相対値が高くなった。これは無機系酸化剤では、酸化インジウム薄膜中に無機系酸化剤に含まれる金属の酸化物が不純物として残留するのに対し、有機系酸化剤では酸化剤に起因する不純物がほとんど残留しなかったためであると考えられる。
10,30,40,50 薄膜トランジスタ
12 基板
14 活性層
16 ソース電極
18 ドレイン電極
20 ゲート絶縁膜
22 ゲート電極
100 液晶表示装置
200 有機EL表示装置
300 X線センサ

Claims (29)

  1. 下記一般式(1)で表される金属錯体と、溶媒と、を含む金属錯体溶液。

    一般式(1)中、Mは、インジウム又はガリウムを示し、L11 は、炭素アニオンを含み、炭素アニオンでMに結合する有機基を示し、nは、1又は2を示し、X11 は、下記一般式(2)で表される配位子、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンを示す。但し、L11 及びX11 の少なくとも一方は、ルイス塩基性を示す官能基を有する。

    一般式(2)中、波線部は、Mとの結合位置を示し、Aは、O又はSを示し、Bは、以下の式(a)〜(e)のいずれか一つで表される基又は単結合を示し、R11は、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。

    上記式(a)〜上記式(e)中、*は、Aとの結合位置を示し、**は、R11との結合位置を示す。
  2. 前記一般式(1)中、X11 は、アルキルカルボキシルイオン、不飽和結合を有するカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオン、アルキルチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するチオカルボキシルイオン、アルキルジチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンである請求項1に記載の金属錯体溶液。
  3. 前記一般式(1)中、X11 は、アルキルカルボキシルイオン、不飽和結合を有するカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオン、アルキルジチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンである請求項1に記載の金属錯体溶液。
  4. 前記一般式(2)中、Bは単結合であり、且つ、R11は下記一般式(4)で表される請求項1に記載の金属錯体溶液。

    一般式(4)中、*は、Aとの結合位置を示し、L41は、AとX41を連結する、アルキレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基から選ばれる少なくとも1つからなる二価の基を示し、X41は、ルイス塩基性を有する二価の基を示し、R41は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。
  5. 前記一般式(4)中、X41は、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−NH−及び−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)から選ばれる少なくとも1つからなる基を示す請求項4に記載の金属錯体溶液。
  6. 前記一般式(4)中、R41は、水素原子、アルキル基又はアリール基である請求項4又は請求項5に記載の金属錯体溶液。
  7. 前記一般式(1)中、L11は、下記一般式(3)で表される有機基を示す請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の金属錯体溶液。

    一般式(3)中、波線部は、Mとの結合位置を示し、L31は、MとX31を連結するアルキレン基を示し、X31は、ルイス塩基性を有する二価の基を示し、R31は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。
  8. 前記一般式(3)中、X31は、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−NH−及び−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)から選ばれる少なくとも1つからなる基である請求項7に記載の金属錯体溶液。
  9. 前記一般式(3)中、R31は、アルキル基又はアリール基である請求項7又は請求項8に記載の金属錯体溶液。
  10. 前記一般式(1)中、L11は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の金属錯体溶液。
  11. 前記一般式(1)中、L11は、アルキル基又はアリール基である請求項10に記載の金属錯体溶液。
  12. さらに酸化剤を含む請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の金属錯体溶液。
  13. 前記酸化剤が、有機系酸化剤を含む請求項12に記載の金属錯体溶液。
  14. 前記酸化剤が、下記一般式(X)で表される化合物を含む請求項12又は請求項13に記載の金属錯体溶液。

    一般式(X)中、R21は、一般式(X)中の窒素原子とともにヘテロ環を形成する2価の連結基を示し、X21は、ヒドロキシ基又はオキシル基を示す。
  15. 前記溶媒が、ルイス塩基性を有する溶媒及びハロゲン系溶媒の少なくとも一方を含む請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の金属錯体溶液。
  16. 金属酸化物及び金属硫化物の少なくとも一方を含む薄膜の作製に用いられる請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の金属錯体溶液。
  17. 請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載の金属錯体溶液を塗布し、乾燥させて塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
    前記塗布膜を加熱処理することにより、金属酸化物及び金属硫化物の少なくとも一方を含む薄膜を得る加熱処理工程と、
    を有する薄膜の製造方法。
  18. 請求項17に記載の薄膜の製造方法によって製造された薄膜。
  19. 請求項18に記載の薄膜を備えた電子素子。
  20. 請求項18に記載の薄膜を備えた薄膜トランジスタ。
  21. 請求項20に記載の薄膜トランジスタを備えた表示装置。
  22. 請求項20に記載の薄膜トランジスタを備えたイメージセンサ。
  23. 請求項20に記載の薄膜トランジスタを備えたX線センサ。
  24. 下記一般式(5)で表される金属錯体。

    一般式(5)中、Mは、インジウム又はガリウムを示し、L11 は、ルイス塩基性を示す官能基を有し、且つ、炭素アニオンを含み、炭素アニオンでMに結合する有機基を示し、X11 は、下記一般式(6)で表される配位子、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンを示す。但し、L11 がカルボニル基を含み、且つ、X11 が塩化物イオンであることはない。

    一般式(6)中、波線部は、Mとの結合位置を示し、Aは、O又はSを示し、R11はアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、Bは、以下の式(a)〜(e)のいずれか一つで表される基又は単結合を示す。

    上記式(a)〜上記式(e)中、*は、Aとの結合位置を示し、**は、R11との結合位置を示す。
  25. 前記一般式(5)中、X11 は、アルキルカルボキシルイオン、不飽和結合を有するカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオン、アルキルチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するチオカルボキシルイオン、アルキルジチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンである請求項24に記載の金属錯体。
  26. 前記一般式(5)中、X11 は、アルキルカルボキシルイオン、不飽和結合を有するカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するカルボキシルイオン、アルキルジチオカルボキシルイオン、不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、ヘテロ不飽和結合を有するジチオカルボキシルイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、ハロゲン化物イオン又は水酸化物イオンである請求項24に記載の金属錯体。
  27. 前記一般式(5)中、L11は、下記一般式(7)で表される有機基を示す請求項24〜請求項26のいずれか1項に記載の金属錯体。

    一般式(7)中、波線部は、Mとの結合位置を示し、L31は、MとX31を連結するアルキレン基を示し、X31は、ルイス塩基性を有する二価の基を示し、R31は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。
  28. 前記一般式(7)中、X31は、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−NH−及び−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)から選ばれる少なくとも1つからなる基を示す請求項27に記載の金属錯体。
  29. 前記一般式(7)中、R31は、アルキル基又はアリール基を示す請求項27又は請求項28に記載の金属錯体。
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