JP2002042119A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP2002042119A JP2000227526A JP2000227526A JP2002042119A JP 2002042119 A JP2002042119 A JP 2002042119A JP 2000227526 A JP2000227526 A JP 2000227526A JP 2000227526 A JP2000227526 A JP 2000227526A JP 2002042119 A JP2002042119 A JP 2002042119A
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拓章 福田
Yasuyuki Nomizu
泰之 野水
Sugitaka Otegi
杉高 樗木
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秀人 宮崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一の制御手段により画像処理装置の全機能
を制御するとともに、メモリー・モジュールを複数の機
能で共有し、さらに原稿内の特定領域の抽出とその特定
領域の画像信号に対する画像処理とを分担しておこなう
こと。 【解決手段】 システム・コントローラー231により
装置全体の機能を制御するとともに、画像メモリー・ア
クセス制御部221によりメモリー・モジュール222
へのアクセスを集中管理してメモリー・モジュール22
2を複数の機能で共有する。また、メモリー格納画像に
対する加工範囲の指示をシステム・コントローラー23
1によりおこなう。その指示された加工範囲に対する加
工編集処理を画像処理プロセッサー204によりおこな
う。また、指示された加工範囲に対する加工編集処理を
画像処理プロセッサー204とシステム・コントローラ
ー231とで分担しておこなう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理装置に関
し、特にディジタル画像信号を転写紙に画像として再生
する装置、スキャナーから画像を読み込んで転写紙に画
像を再生する装置またはパーソナル・コンピューター等
の電子計算機からのコードデータを画像に再生する装置
において、ディジタル画像信号に対して加工編集作業を
おこなうことができる画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コピーやファクシミリやプリンタ
ーやスキャナー等の機能が複合化されたディジタル複合
機として、たとえば特開平8−274986号公開公報
に開示された画像処理装置がある。この画像処理装置
は、読み取り信号の画像処理、メモリーへの画像蓄積、
複数機能の並行動作、画像の加工編集処理およびそれぞ
れの画像処理を最適化し、各種画像処理機能の一部とし
て加工編集機能を有する。そして、この画像処理装置
は、処理の順序を制御することによって画像データに対
する各種編集機能を提供している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の画像処理装置では、メモリーの有効活用、およ
び拡張ユニットを含めた制御機構の共有化がなされてい
ないため、画像加工のための情報抽出や、編集機能の操
作性に制約が課せられている。また、画像処理の順序の
いれかえに十分な自由度がないため、機能実現にパフォ
ーマンスの低下を招く組み合わせが存在してしまう、と
いう問題点があった。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、単一の制御手段により画像
処理装置の全機能を制御し、記憶手段へのアクセスを集
中管理するとともに、その記憶手段を複数の機能で共有
し、さらに原稿内の特定領域の抽出とその特定領域の画
像信号に対する画像処理とを分担しておこなうことが可
能な画像処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するため、請求項1に記載の発明にかかる画
像処理装置は、原稿を読み取ってディジタル信号よりな
る画像信号を生成する原稿読み取り手段と、装置全体の
制御および原稿内の特定領域の抽出をおこなう第1の制
御手段と、前記特定領域または任意の領域の画像信号に
対して画像処理をおこなうプログラマブルな演算処理手
段と、前記演算処理手段による演算処理内容を制御する
第2の制御手段と、ディジタル信号よりなる画像信号を
記憶する記憶手段と、ディジタル信号の前記記憶手段へ
のアクセスを一括管理する第3の制御手段と、前記画像
信号を顕像として出力する出力手段と、を具備すること
を特徴とする。
【0006】この請求項1に記載の発明によれば、第1
の制御手段により画像処理装置の全機能を制御し、第2
の制御手段により演算処理手段を制御し、第3の制御手
段により集中管理されたメモリー群を複数の機能で共有
することができるとともに、原稿内の特定領域の抽出と
その特定領域に対する画像処理を第1の制御手段と演算
処理手段とで分担して処理することができるので、プロ
セッサーのパフォーマンスを有効に活用することができ
る。
【0007】また、請求項2に記載の発明にかかる画像
処理装置は、請求項1に記載の発明において、前記第1
の制御手段は、前記特定領域または任意の領域の画像信
号に対して画像処理をおこなうとともに、前記演算処理
手段との画像処理の負荷配分の制御をおこなうことを特
徴とする。
【0008】この請求項2に記載の発明によれば、一連
の加工編集処理を第1の制御手段と演算処理手段とで適
宜分担し、高速なデータ処理を実現することができる。
【0009】また、請求項3に記載の発明にかかる画像
処理装置は、請求項1または2に記載の発明において、
前記第1の制御手段は、前記記憶手段に記憶された画像
に関する特徴量を抽出し、抽出した特徴量に基づいて原
稿内の特定領域を抽出することを特徴とする。
【0010】この請求項3に記載の発明によれば、第1
の制御手段により原稿中の特徴量が記憶手段の格納画像
から抽出され、加工編集処理のための領域情報が第1の
制御手段により制御されるため、領域設定が簡便とな
る。
【0011】また、請求項4に記載の発明にかかる画像
処理装置は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明
において、前記記憶手段に記憶された画像を表示する画
像表示手段と、前記画像表示手段に表示された画像に基
づいて領域の指示をおこなうための領域指示手段と、を
さらに具備することを特徴とする。
【0012】この請求項4に記載の発明によれば、記憶
手段に格納された画像が画像表示手段に表示され、その
表示に基づいて領域指示手段により範囲指定をおこなう
ので、領域指示に対する自由度が高くなる。
【0013】また、請求項5に記載の発明にかかる画像
処理装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明
において、外部演算処理装置に接続するためのインター
フェースをさらに具備し、前記第3の制御手段は、前記
特定領域の画像データを、前記インターフェースに接続
された外部演算処理装置に送信し、かつ外部演算処理装
置から画像データを受信することを特徴とする。
【0014】この請求項5に記載の発明によれば、加工
編集のための対象画像を外部演算処理装置へ出力し、そ
こで加工編集処理をおこない、その処理結果を受信して
再生するというように、画像の加工編集処理を外部の画
像処理装置などでおこなわせることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照しながら、
本発明にかかる画像処理装置の好適な実施の形態を詳細
に説明する。
【0016】まず、本実施の形態にかかる画像処理装置
の原理について説明する。図1は、本発明の実施の形態
にかかる画像処理装置の構成を機能的に示すブロック図
である。
【0017】この画像処理装置は、画像データ制御ユニ
ット100、画像読取ユニット101、画像メモリー制
御ユニット102、画像処理ユニット103および画像
書込ユニット104を備えている。画像読取ユニット1
01、画像メモリー制御ユニット102、画像処理ユニ
ット103および画像書込ユニット104は、画像デー
タ制御ユニット100に接続されている。
【0018】画像読取ユニット101は、原稿を読み取
って画像データを得るためのユニットである。画像メモ
リー制御ユニット102は、画像データを蓄積するため
の画像メモリーに対して画像データの書き込みまたは読
み出しをおこなうためのユニットである。画像処理ユニ
ット103は、画像データに対して加工や編集等の画像
処理を施すためのユニットである。画像書込ユニット1
04は、画像データを転写紙等に書き込むためのユニッ
トである。
【0019】(画像データ制御ユニット100)画像デ
ータ制御ユニット100によりおこなわれる処理とし
て、たとえば、つぎの(1)〜(11)の処理がある。
【0020】 (1)データのバス転送効率を向上させるためのデータ
圧縮処理(一次圧縮)。 (2)一次圧縮データの画像データへの転送処理。 (3)画像合成処理(複数ユニットからの画像データを
合成することが可能であり、また、データバス上での合
成も含む)。 (4)画像シフト処理(主走査および副走査方向の画像
のシフト)。 (5)画像領域拡張処理(画像領域を周辺へ任意量だけ
拡大することが可能)。 (6)画像変倍処理(たとえば、50%または200%
の固定変倍)。 (7)パラレルバス・インターフェース処理。 (8)シリアルバス・インターフェース処理(プロセス
・コントローラーとのインターフェース)。 (9)パラレルデータとシリアルデータのフォーマット
変換処理。 (10)画像読取ユニット101とのインターフェース
処理。 (11)画像処理ユニット103とのインターフェース
処理。
【0021】(画像読取ユニット101)画像読取ユニ
ット101によりおこなわれる処理として、たとえば、
つぎの(1)〜(5)の処理がある。
【0022】 (1)光学系による原稿反射光の読み取り処理。 (2)受光素子での電気信号への変換処理。 (3)アナログ-ディジタル(A/D)変換器でのディ
ジタル化処理。 (4)シェーディング補正処理(光源の照度分布ムラを
補正する処理)。 (5)スキャナーγ補正処理(読み取り系の濃度特性を
補正する処理)。
【0023】(画像メモリー制御ユニット102)画像
メモリー制御ユニット102によりおこなわれる処理と
して、たとえば、つぎの(1)〜(10)の処理があ
る。
【0024】 (1)システム・コントローラーとのインターフェース
制御処理。 (2)パラレルバス制御処理(パラレルバスとのインタ
ーフェース制御処理)。 (3)ネットワーク制御処理。 (4)シリアルバス制御処理(複数の外部シリアルポー
トの制御処理)。 (5)内部バスインターフェース制御処理(操作部との
コマンド制御処理)。 (6)ローカルバス制御処理(システム・コントローラ
ーを起動させるためのROM、RAM、フォントデータ
のアクセス制御処理)。 (7)メモリー・モジュールの動作制御処理(メモリー
・モジュールの書き込み/読み出し制御処理等)。 (8)メモリー・モジュールへのアクセス制御処理(複
数のユニットからのメモリー・アクセス要求の調停をお
こなう処理)。 (9)データの圧縮/伸張処理(メモリー有効活用のた
めのデータ量を削減するための処理)。 (10)画像編集処理(メモリー領域のデータクリア、
画像データの回転処理、メモリー上での画像合成処理
等)。
【0025】(画像処理ユニット103)画像処理ユニ
ット103によりおこなわれる処理として、たとえば、
つぎの(1)〜(14)の処理がある。
【0026】 (1)シェーディング補正処理(光源の照度分布ムラを
補正する処理)。 (2)スキャナーγ補正処理(読み取り経の濃度特性を
補正する処理)。 (3)MTF補正処理。 (4)平滑処理。 (5)主走査方向の任意変倍処理。 (6)濃度変換(γ変換処理:濃度ノッチに対応)。 (7)単純多値化処理。 (8)単純二値化処理。 (9)誤差拡散処理。 (10)ディザ処理。 (11)ドット配置位相制御処理(右寄りドット、左寄
りドット)。 (12)孤立点除去処理。 (13)像域分離処理(色判定、属性判定、適応処
理)。 (14)密度変換処理。
【0027】(画像書込ユニット104)画像書込ユニ
ット104によりおこなわれる処理として、たとえば、
つぎの(1)〜(4)の処理がある。
【0028】 (1)エッジ平滑処理(ジャギー補正処理)。 (2)ドット再配置のための補正処理。 (3)画像信号のパルス制御処理。 (4)パラレルデータとシリアルデータのフォーマット
変換処理。
【0029】(ディジタル複合機のハードウエア構成)
つぎに、実施の形態にかかる画像処理装置がディジタル
複合機を構成する場合のハードウエア構成について説明
する。図2は、実施の形態にかかる画像処理装置のハー
ドウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0030】実施の形態にかかる画像処理装置は、読取
ユニット201、センサー・ボード・ユニット202、
圧縮/伸張およびデータインターフェース制御部(以
下、圧縮/伸張・データI/F制御部とする)203、
演算処理手段である画像処理プロセッサー204、ビデ
オ・データ制御部205および作像ユニット(エンジ
ン)206を備えている。また、画像処理装置は、シリ
アルバス210、第2の制御手段であるプロセス・コン
トローラー211、RAM212およびROM213を
備えている。
【0031】読取ユニット201、センサー・ボード・
ユニット202、圧縮/伸張・データI/F制御部20
3、ビデオ・データ制御部205、作像ユニット20
6、プロセス・コントローラー211、RAM212お
よびROM213は、シリアルバス210を介して相互
に接続されている。画像処理プロセッサー204は圧縮
/伸張・データI/F制御部203およびビデオ・デー
タ制御部205に接続されている。
【0032】また、画像処理装置は、パラレルバス22
0、第3の制御手段である画像メモリー・アクセス制御
部221、記憶手段であるメモリー・モジュール222
およびファクシミリ制御ユニット224を備えている。
画像メモリー・アクセス制御部221、ファクシミリ制
御ユニット224および圧縮/伸張・データI/F制御
部203は、パラレルバス220を介して相互に接続さ
れている。
【0033】メモリー・モジュール222は画像メモリ
ー・アクセス制御部221に接続されている。画像メモ
リー・アクセス制御部221は外部演算処理装置である
外部PC(パーソナル・コンピューター)223に接続
される。ファクシミリ制御ユニット224は公衆回線
(PN)225に接続される。
【0034】また、画像処理装置は、第1の制御手段で
あるシステム・コントローラー231、RAM232、
ROM233および操作部234を備えている。システ
ム・コントローラー231、RAM232、ROM23
3および操作部234は、ローカルシリアルバスを介し
て画像メモリー・アクセス制御部221に接続される。
【0035】ここで、図2に示す各構成部201〜20
6,221,222と、図1に示す各ユニット100〜
104との対応関係について説明する。読取ユニット2
01およびセンサー・ボード・ユニット202は、原稿
読み取り手段である画像読取ユニット101(図1参
照)としての機能を有している。また、圧縮/伸張・デ
ータI/F制御部203は画像データ制御ユニット10
0(図1参照)としての機能を有している。また、画像
処理プロセッサー204は画像処理ユニット103(図
1参照)としての機能を有している。
【0036】また、ビデオ・データ制御部205および
作像ユニット206は、出力手段である画像書込ユニッ
ト104(図1参照)としての機能を有している。ま
た、画像メモリー・アクセス制御部221およびメモリ
ー・モジュール222は画像メモリー制御ユニット10
2(図1参照)としての機能を有している。
【0037】つぎに、図2に示す画像処理装置の各構成
部の内容について説明する。原稿を光学的に読み取る読
取ユニット201は、特に図示しないが、たとえばラン
プ、ミラーおよびレンズを備えている。読取ユニット2
01は、原稿に対するランプ照射の反射光をミラーおよ
びレンズにより受光素子に集光させる構成となってい
る。
【0038】受光素子はたとえばCCD(Charge
Coupled Device:電荷結合素子)で構
成される。CCDは、センサー・ボード・ユニット20
2に搭載されている。CCDは、原稿で反射した光信号
を電気信号に変換する。センサー・ボード・ユニット2
02は、電気信号に変換された画像データをディジタル
信号に変換して圧縮/伸張・データI/F制御部203
に出力する。
【0039】圧縮/伸張・データI/F制御部203
は、機能デバイス(処理ユニット)およびデータバス間
における画像データの伝送のすべてを制御する。圧縮/
伸張・データI/F制御部203は、画像データに関
し、センサー・ボード・ユニット202、パラレルバス
220および画像処理プロセッサー204間のデータ転
送、画像データに対するプロセス・コントローラー21
1と画像処理装置の全体制御を司るシステム・コントロ
ーラー231との間の通信をおこなう。RAM212は
プロセス・コントローラー211のワークエリアとして
使用される。ROM213はプロセス・コントローラー
211のブートプログラム等を記憶している。
【0040】圧縮/伸張・データI/F制御部203
は、センサー・ボード・ユニット202から送られてき
た画像データを受信し、画像処理プロセッサー204に
転送する。画像処理プロセッサー204は、光学系およ
びディジタル信号への量子化にともなう信号劣化(スキ
ャナー系の信号劣化とする)の補正をおこなう。画像処
理プロセッサー204は、信号劣化を補正した後、再び
画像データを圧縮/伸張・データI/F制御部203に
転送する。
【0041】画像メモリー・アクセス制御部221は、
メモリー・モジュール222に対する画像データの書き
込みまたは読み出しを制御する。また、画像メモリー・
アクセス制御部221は、パラレルバス220に接続さ
れた各構成部の動作を制御する。RAM232はシステ
ム・コントローラー231のワークエリアとして使用さ
れる。ROM233はシステム・コントローラー231
のブートプログラム等を記憶している。
【0042】操作部234は、画像処理装置がおこなう
べき処理を入力するためのものである。たとえば、処理
の種類(複写、ファクシミリ送信、画像読込、プリント
等)および処理の枚数等が操作部234を介して入力さ
れる。これにより、画像データ制御情報の入力がおこな
われる。
【0043】ここで、画像処理装置がおこなうジョブに
は、読み取った画像データをメモリー・モジュール22
2に蓄積して再利用するジョブと、メモリー・モジュー
ル222に蓄積しないジョブがある。それぞれのジョブ
について説明する。
【0044】メモリー・モジュール222に蓄積するジ
ョブの例としては、1枚の原稿について複数枚を複写す
るジョブがある。この場合、読取ユニット201は1回
だけ動作し、原稿は1回だけ読み取られる。得られた画
像データはメモリー・モジュール222に蓄積される。
そして、蓄積された画像データは複数回読み出される。
【0045】一方、メモリー・モジュール222を使わ
ないジョブの例としては、1枚の原稿を1枚だけ複写す
るジョブがある。この場合、読取ユニット201により
読み取られた画像データはそのまま作像ユニット206
において再生される。したがって、画像メモリー・アク
セス制御部221はメモリー・モジュール222にアク
セスしない。
【0046】画像データをメモリー・モジュール222
に蓄積するジョブとメモリー・モジュール222を使わ
ないジョブのそれぞれについてデータの流れを説明す
る。まず、メモリー・モジュール222を使わないジョ
ブについて説明する。
【0047】画像処理プロセッサー204から圧縮/伸
張・データI/F制御部203へ転送されたデータは、
再度、圧縮/伸張・データI/F制御部203から画像
処理プロセッサー204へ転送される。画像処理プロセ
ッサー204は、センサー・ボード・ユニット202の
CCDによる輝度データを面積階調に変換するための画
質処理をおこなう。
【0048】その画質処理の終了後、画像データは画像
処理プロセッサー204からビデオ・データ制御部20
5へ転送される。ビデオ・データ制御部205は、面積
階調に変化された信号に対して、ドット配置に関する後
処理およびドットを再現するためのパルス制御をおこな
う。その後、作像ユニット206において転写紙上に再
生画像が形成される。
【0049】つぎに、メモリー・モジュール222に画
像データを蓄積し、それを読み出す時に付加的な処理、
たとえば画像方向の回転や画像の合成等をおこなう場合
の画像データの流れについて説明する。画像処理プロセ
ッサー204から圧縮/伸張・データI/F制御部20
3へ転送された画像データは、圧縮/伸張・データI/
F制御部203からパラレルバス220を経由して画像
メモリー・アクセス制御部221に送られる。
【0050】画像メモリー・アクセス制御部221は、
システム・コントローラー231の制御に基づいて、画
像データとメモリー・モジュール222のアクセス制
御、外部PC(パーソナル・コンピューター)223の
プリント用データの展開、およびメモリー・モジュール
222の有効活用のための画像データの圧縮/伸張をお
こなう。
【0051】画像メモリー・アクセス制御部221へ送
られた画像データは、データ圧縮後、メモリー・モジュ
ール222に蓄積される。蓄積された画像データは、必
要に応じて画像メモリー・アクセス制御部221に読み
出される。画像メモリー・アクセス制御部221は、読
み出した画像データを伸張し、本来の画像データに戻
す。そして、その画像データは、画像メモリー・アクセ
ス制御部221からパラレルバス220を経由して圧縮
/伸張・データI/F制御部203へ転送される。
【0052】圧縮/伸張・データI/F制御部203に
転送されたデータは画像処理プロセッサー204へ転送
される。画像処理プロセッサー204において画質処理
された画像データはビデオ・データ制御部205へ転送
される。ビデオ・データ制御部205は画像データに対
してパルス制御をおこなう。その後、作像ユニット20
6において転写紙上に再生画像が形成される。
【0053】画像データの流れにおいて、パラレルバス
220および圧縮/伸張・データI/F制御部203で
のバス制御により、ディジタル複合機の機能が実現され
る。ファクシミリ送信機能は、読み取られた画像データ
を画像処理プロセッサー204にて画像処理を実施し、
圧縮/伸張・データI/F制御部203およびパラレル
バス220を経由してファクシミリ制御ユニット224
へ転送する。ファクシミリ制御ユニット224は通信網
へのデータ変換をおこない、公衆回線(PN)225へ
ファクシミリデータとして送信する。
【0054】一方、ファクシミリデータの受信について
は、ファクシミリ制御ユニット224は、公衆回線(P
N)225からの回線データを画像データに変換する。
変換された画像データは、パラレルバス220および圧
縮/伸張・データI/F制御部203を経由して画像処
理プロセッサー204へ転送される。画像処理プロセッ
サー204は、特別な画質処理をおこなわずに画像デー
タをビデオ・データ制御部205に転送する。ビデオ・
データ制御部205は画像データに対してドット再配置
およびパルス制御をおこなう。その後、作像ユニット2
06において転写紙上に再生画像が形成される。
【0055】複数ジョブ、たとえば、コピー機能、ファ
クシミリ送受信機能およびプリンター出力機能が並行に
動作する状況において、読取ユニット201、作像ユニ
ット206およびパラレルバス220の使用権のジョブ
への割り振りは、システム・コントローラー231およ
びプロセス・コントローラー211により制御される。
【0056】プロセス・コントローラー211は画像デ
ータの流れを制御し、システム・コントローラー231
はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理す
る。また、ディジタル複合機の機能選択は操作部234
において選択入力され、コピー機能、ファクシミリ機能
等の処理内容が設定される。
【0057】システム・コントローラー231とプロセ
ス・コントローラー211は、パラレルバス220、圧
縮/伸張・データI/F制御部203およびシリアルバ
ス210を介して相互に通信をおこなう。具体的には、
圧縮/伸張・データI/F制御部203内においてパラ
レルバス220とシリアルバス210とのデータインタ
ーフェースのためのデータフォーマット変換をおこな
い、システム・コントローラー231とプロセス・コン
トローラー211間の通信をおこなう。
【0058】システム・コントローラー231はメモリ
ー・モジュール222に対して直接制御をおこなう。た
だし、メモリー・モジュール222に対して、プロセス
・コントローラー211のアクセス要求に基づき、メモ
リー内の任意アドレスをプロセス・コントローラー21
1の指示によってもアクセスすることができる。この場
合、プロセス・コントローラー211が、画像エリアと
画像処理のパラメータを連動させて制御する。
【0059】図3は、圧縮/伸張・データI/F制御部
203の構成の一例を示すブロック図である。圧縮/伸
張・データI/F制御部203は、画像データ入出力制
御部501、画像データ入力制御部502、画像データ
出力制御部503、コマンド制御部504、データ圧縮
部505、データ伸張部506、データ変換部507、
2系統のシリアルデータインターフェース508,50
9およびパラレルデータインターフェース510を有す
る。
【0060】画像データ入出力制御部501は、センサ
ー・ボード・ユニット202から送られてきた画像デー
タを受け取る。画像データ入出力制御部501は、画像
処理プロセッサー204に対してデータを出力する。画
像データ入力制御部502は、画像処理プロセッサー2
04からスキャナー画像補正されたデータを受け取る。
【0061】データ圧縮部505は、画像処理プロセッ
サー204から入力されたデータを圧縮し、パラレルバ
ス220での転送効率を高くしてパラレルデータインタ
ーフェース510を介してパラレルバス220へ送出す
る。一方、データ伸張部506は、パラレルデータイン
ターフェース510を介してパラレルバス220から受
け取った画像データ(バス転送のため圧縮されている)
を伸張する。伸張された画像データは、画像データ出力
制御部503から画像処理プロセッサー204へ転送さ
れる。
【0062】データ変換部507は、パラレルデータと
シリアルデータの変換機能を有する。システム・コント
ローラー231はパラレルバス220にデータを転送
し、一方、プロセス・コントローラー211はシリアル
バス210にデータを転送する。その際、データ変換部
507は、2つのコントローラー231,211の通信
のためにデータ変換をおこなう。
【0063】一方のシリアルデータインターフェース5
08はシリアルバス210とインターフェースし、もう
一方のシリアルデータインターフェース509は画像処
理プロセッサー204とインターフェースする。
【0064】本実施の形態の画像処理装置では、全体制
御においてはシステム・コントローラー231が中心で
ある。すなわち、圧縮/伸張・データI/F制御部20
3は、パラレルデータインターフェース510を介して
システム・コントローラー231からコマンド要求を受
信する。
【0065】そして、データ変換部507は、そのコマ
ンド要求がコマンドデータであることを認識すると、シ
リアルデータに変換する。シリアルデータに変換された
コマンドデータは、シリアルデータインターフェース5
08を介してシリアルバス210に送出され、プロセス
・コントローラー211に転送される。
【0066】このように、基本動作ではシステム・コン
トローラー231がマスターとして動作し、一方、プロ
セス・コントローラー211がスレーブとして動作す
る。しかし、画像処理プロセッサー204での適応処理
のため、演算パラメータに適する画像データをメモリー
・モジュール222内から読み出す場合には、プロセス
・コントローラー211がシステム・コントローラー2
31に対してメモリー・アクセスの要求を発行する。
【0067】この場合、プロセス・コントローラー21
1からの発行コマンドは、シリアルデータインターフェ
ース508により受信され、データ変換部507により
パラレルデータに変換される。パラレルデータに変換さ
れたコマンドデータは、コマンドデータである識別子を
付加された後、パラレルデータインターフェース510
を介してシステム・コントローラー231に転送され
る。
【0068】図4は、画像処理プロセッサー204の内
部構成の一例を示すブロック図である。 画像処理プロ
セッサー204は、入出力ポート群651、バス・スイ
ッチ/ローカルメモリー群652、メモリー制御部65
3、プロセッサーアレー部654、プログラムRAM6
55、データRAM656およびホストバッファー65
7を有する。
【0069】入出力ポート群651は、複数個の入出力
ポートを有し、それぞれのポートは入力、出力を任意に
設定することができる構成となっている。メモリー制御
部653は、バス・スイッチ/ローカルメモリー群65
2に対して、使用するメモリー領域およびデータパスの
経路を制御する。
【0070】入力されたデータまたは出力のためのデー
タは、バッファーメモリーとして割り当てられたバス・
スイッチ/ローカルメモリー群652に格納され、外部
とのインターフェースを制御される。プロセッサーアレ
ー部654は、バス・スイッチ/ローカルメモリー群6
52に格納された画像データに対して各種処理をおこな
い、その結果を再度ローカールメモリーに出力し、格納
する。
【0071】プロセッサーアレー部654における処理
手順、および処理のためのパラメータ等についてはプロ
グラムRAM655およびデータRAM656との間で
やり取りされる。プログラムRAM655およびデータ
RAM656の内容は、シリアルインターフェースを介
してプロセス・コントローラー211からダウンロード
される。
【0072】または、プロセス・コントローラー211
は、データRAM656の内容を読み出し、処理の経過
を監視する。処理の内容を変えたり、システムで要求さ
れる処理形態が変更になる場合には、プロセッサーアレ
ー部654が参照するプログラムRAM655およびデ
ータRAM656の内容が更新される。
【0073】超SIMD型演算プロセッサーの場合、複
数の演算プロセッサーが共通の命令を実行することによ
って、高速な演算をおこなうことができる。したがっ
て、ロードする画像データをラスターデータではなく、
エリアデータとした場合、画像の相関関係を利用して、
適応処理を高速でおこなうことができる。
【0074】図5は、画像処理プロセッサー204の画
像処理機能の概略を示すブロック図である。画像処理プ
ロセッサー204は、スキャナー画像処理部601、画
質処理部602、コマンド制御部603、スキャナー画
像処理部601に対する入力インターフェース604お
よび出力インターフェース605、ならびに画質処理部
602に対する入力インターフェース606および出力
インターフェース607を有する。
【0075】スキャナー画像処理部601は、読取ユニ
ット201からセンサー・ボード・ユニット202およ
び圧縮/伸張・データI/F制御部203を経由して送
られてきた読み取り画像データを、入力インターフェー
ス604により受け取る。そして、スキャナー画像処理
部601は、シェーディング補正、スキャナーγ補正お
よびMTF補正等をおこない、読み取り画像信号の劣化
を補正する。また、スキャナー画像処理部601は拡大
/縮小の変倍処理もおこなう。劣化補正後の画像データ
は、出力インターフェース605を介して圧縮/伸張・
データI/F制御部203に転送される。
【0076】転写紙へ出力する場合には、画質処理部6
02は、圧縮/伸張・データI/F制御部203から送
られてきた画像データを入力インターフェース606を
介して受け取り、その画像データに対して面積階調処理
をおこなう。画質処理後のデータは、出力インターフェ
ース607を介してビデオ・データ制御部205に送ら
れる。
【0077】面積階調処理には濃度変換、ディザ処理ま
たは誤差拡散処理等があり、階調情報の面積近似が主な
処理である。本実施の形態にかかる画像処理装置では、
いったんスキャナー画像処理部601にて処理された画
像データをメモリー・モジュール222に蓄積しておけ
ば、画質処理を変えることによって種々の再生画像の確
認をおこなうことができる。たとえば、再生画像の濃度
を変えてみたり、ディザマトリクスの線数を変更してみ
たりすることができ、それによって再生画像の雰囲気を
変更することができる。
【0078】その際、画質処理を変更するたびに読取ユ
ニット201により画像を読み込み直す必要はない。す
なわち、メモリー・モジュール222に格納された画像
データを読み出し、その画像データに対して種々の画質
処理をおこなうことによって、同一の画像データに対し
て何度でも異なる処理を実施することができるものであ
る。
【0079】また、単体スキャナーの場合、スキャナー
画像処理と面積階調処理は合せて実施され、処理された
画像データが圧縮/伸張・データI/F制御部203に
出力される。その際、処理内容はプログラマブルに変更
される。コマンド制御部603は、処理の切り替えおよ
び処理手順の変更等の管理をおこなう。
【0080】スキャナー画像処理部601は、読取ユニ
ット201により読み取られた画像データ以外に、いっ
たんメモリー・モジュール222に格納された原画像に
対して処理をおこなうこともある。スキャナー画像処理
部601および画質処理部602は、いずれも、メモリ
ー・モジュール222からの転送データに対して処理を
おこなう場合、データストリームを一方的に受け付ける
だけではなく、メモリー・モジュール222へ要求した
画像に対して、処理に適するような処理をおこなうこと
ができる。たとえば、エリア単位のアクセスの場合、近
傍画素の統計的な性質を利用して高品位な画像処理をお
こなうことができる。
【0081】図6は、システム制御およびメモリー制御
をおこなうコントローラーユニットの構成の一例を示す
図である。コントローラーユニットは、画像処理装置全
体の動きを制御するシステム・コントローラー231、
メモリー・モジュール222、画像メモリー・アクセス
制御部221および各種バスインターフェース(I/
F)を一つにまとめた構成となっている。
【0082】各種バスインターフェース、たとえばパラ
レルバスインターフェース301、シリアルバスインタ
ーフェース302、ローカルバスインターフェース30
3およびネットワークインターフェース304は、画像
メモリー・アクセス制御部221に接続されている。コ
ントローラーユニットは、画像処理装置全体の中での独
立性を保つために、複数種類のバス経由で関連ユニット
と接続する。
【0083】システム・コントローラー231は、パラ
レルバス220を介して他の機能ユニットの制御をおこ
なう。また、パラレルバス220は画像データの転送に
供される。システム・コントローラー231は、圧縮/
伸張・データI/F制御部203に対して、画像データ
をメモリー・モジュール222に蓄積させるための動作
制御指令を発する。この動作制御指令は、画像メモリー
・アクセス制御部221、パラレルバスインターフェー
ス301、パラレルバス220を経由して送られる。
【0084】この動作制御指令に応答して、画像データ
は圧縮/伸張・データI/F制御部203からパラレル
バス220およびパラレルバスインターフェース301
を介して画像メモリー・アクセス制御部221に送られ
る。そして、画像データは画像メモリー・アクセス制御
部221の制御によりメモリー・モジュール222に格
納される。
【0085】一方、図6に示すコントローラーユニット
は、外部PC223からのプリンター機能としての呼び
出しの場合、プリンターコントローラーとネットワーク
制御およびシリアルバス制御として機能する。ネットワ
ーク経由の場合、画像メモリー・アクセス制御部221
はネットワークインターフェース304を介してプリン
ト出力要求データを受け取る。
【0086】汎用的なシリアルバス接続の場合、画像メ
モリー・アクセス制御部221はシリアルバスインター
フェース302経由でプリント出力要求データを受け取
る。汎用のシリアルバスインターフェース302は複数
種類の規格に対応しており、たとえばUSB(Univ
ersal Serial Bus)、IEEE128
4またはIEEE1394等の規格のインターフェース
に対応する。
【0087】プリント出力要求データはシステム・コン
トローラー231により画像データに展開される。その
展開先はメモリー・モジュール222内のエリアであ
る。展開に必要はフォントデータは、ローカルバスイン
ターフェース303およびローカルバス経由で、フォン
トで示されるROM(図2において、ROM233に含
める)を参照することにより得られる。ローカルバス
は、このコントローラーユニットの制御に必要なROM
233およびRAM232とインターフェースする。フ
ォントデータもローカルバスに接続され、画像展開に用
いられる。
【0088】シリアルバスに関しては、外部PC223
との接続のための外部シリアルポート以外に、画像処理
装置の操作部234との転送のためのインターフェース
もある。これはプリント展開データではなく、画像メモ
リー・アクセス制御部221経由でシステム・コントロ
ーラー231と通信し、処理手順の受け付け、システム
状態の表示等をおこなう。
【0089】システム・コントローラー231とメモリ
ー・モジュール222および各種バスとのデータ送受信
は、画像メモリー・アクセス制御部221を経由してお
こなわれる。メモリー・モジュール222を使用するジ
ョブは画像処理装置全体の中で一元管理される。
【0090】本実施の形態にかかる画像処理装置は、図
6に示すコントローラーユニットを交換するだけでデー
タアクセスに関するパフォーマンスを変更することがで
きる構成となっている。また、本実施の形態にかかる画
像処理装置は、コントローラーユニットのパフォーマン
ス別の適応について、システム・コントローラー231
単体のパフォーマンス、メモリー・モジュール222の
メモリー容量およびメモリーのアクセス速度を適宜選択
することによって、画像処理装置で要求されるコストと
パフォーマンスの両面から最適なユニットを構成するこ
とができるようになっている。
【0091】このコントローラーユニットは、パラレル
バスインターフェース301を介して、プロセス・コン
トローラー211が発行したメモリー・アクセス要求コ
マンドを受け取る。その要求コマンドは、画像メモリー
・アクセス制御部221を経由してシステム・コントロ
ーラー231に転送される。
【0092】システム・コントローラー231は、受け
取った要求コマンドをデコードし、再度、画像メモリー
・アクセス制御部221を介してメモリー・モジュール
222内の指定アドレス空間をアクセスし、画像データ
を読み出す。読み出された画像データは、画像メモリー
・アクセス制御部221を経由してパラレルバス220
に送出され、圧縮/伸張・データI/F制御部203に
より画像処理プロセッサー204に転送される。
【0093】図7は、画像メモリー・アクセス制御部2
21の構成の一例を示すブロック図である。画像メモリ
ー・アクセス制御部221は、アクセス制御部401、
メモリー制御部402、圧縮/伸張モジュール403、
画像編集モジュール404、システムインターフェース
405、ローカルバス制御部406、パラレルバス制御
部407、シリアルポート制御部408、シリアルポー
ト409およびネットワーク制御部410を備えてい
る。
【0094】圧縮/伸張モジュール403、画像編集モ
ジュール404、パラレルバス制御部407、シリアル
ポート制御部408およびネットワーク制御部410
は、それぞれダイレクトメモリーアクセス制御部(DM
AC)411,412,413,414,415を介し
てアクセス制御部401に接続されている。
【0095】システムインターフェース405はシステ
ム・コントローラー231に対する命令またはデータの
送受信をおこなう。基本的に、システム・コントローラ
ー231は画像処理装置全体を制御する。また、システ
ム・コントローラー231はメモリーの資源配分を管理
する。他のユニットの制御はシステムインターフェース
405、パラレルバス制御部407を介してパラレルバ
ス220においておこなわれる。
【0096】画像処理装置の各ユニットは基本的にパラ
レルバス220に接続されている。したがって、パラレ
ルバス制御部407は、バス占有の制御をおこなうこと
によってシステム・コントローラー231およびメモリ
ー・モジュール222に対するデータの送受信を管理す
る。
【0097】ネットワーク制御部410は、LAN(ロ
ーカルエリア・ネットワーク)との接続を制御する。ネ
ットワーク制御部410は、ネットワークに接続された
外部拡張機器に対するデータの送受信を管理する。ここ
で、システム・コントローラー231は、ネットワーク
上の接続機器の動作管理には関与しないが、画像メモリ
ー・アクセス制御部221側のインターフェースについ
ては制御をおこなう。特に限定しないが、本実施の形態
では、100BASE−Tに対する制御が付加されてい
る。
【0098】シリアルバスに接続されるシリアルポート
409は複数のポートを備えている。シリアルポート制
御部408は、用意されているバスの種類に対応する数
のポート制御機構を備えている。特に限定しないが、本
実施の形態では、シリアルポート制御部408は、US
BおよびIEEE1284に対するポート制御をおこな
う。また、シリアルポート制御部408は、外部シリア
ルポートとは別に、操作部と234のコマンド受け付け
または表示に関するデータの送受信の制御をおこなう。
【0099】ローカルバス制御部406は、システム・
コントローラー231を起動させるために必要はRAM
232、ROM233およびプリンターコードデータを
展開するフォントROMが接続されたローカルシリアル
バスとのインターフェースをおこなう。メモリー制御部
402は、メモリー・モジュール222とインターフェ
ースする。
【0100】動作制御はシステムインターフェース40
5からシステム・コントローラー231によるコマンド
制御を実施する。データ制御はメモリー・モジュール2
22を中心に、外部ユニットからのメモリーアクセスを
管理する。画像データは圧縮/伸張・データI/F制御
部203(図2参照)からパラレルバス220を介して
画像メモリー・アクセス制御部221に転送される。そ
して、その画像データはパラレルバス制御部407にお
いて画像メモリー・アクセス制御部221内に取り込ま
れる。
【0101】取り込まれた画像データは、システム・コ
ントローラー231の管理から離れ、直接メモリー・モ
ジュール222にアクセスされる。すなわち、そのメモ
リー・アクセスは、システム制御から独立してダイレク
トメモリーアクセス制御によりおこなわれる。メモリー
・モジュール222へのアクセスについて、アクセス制
御部401は複数ユニットからのアクセス要求の調停を
おこなう。メモリー制御部402は、メモリー・モジュ
ール222のアクセス動作またはデータの読み出し/書
き込みを制御する。
【0102】ネットワークからメモリー・モジュール2
22へアクセスする場合、ネットワークからネットワー
ク制御部410を介して画像メモリー・アクセス制御部
221内に取り込まれたデータは、ダイレクトメモリー
アクセス制御によりメモリー・モジュール222へ転送
される。アクセス制御部401は、複数ジョブでのメモ
リー・モジュール222へのアクセスの調停をおこな
う。メモリー制御部402は、メモリー・モジュール2
22に対するデータの読み出し/書き込みをおこなう。
【0103】シリアルバスからメモリー・モジュール2
22へアクセスする場合、シリアルポート制御部408
によりシリアルポート409を介して画像メモリー・ア
クセス制御部221内に取り込まれたデータは、ダイレ
クトメモリーアクセス制御によりメモリー・モジュール
222へ転送される。アクセス制御部401は、複数ジ
ョブでのメモリー・モジュール222へのアクセスの調
停をおこなう。メモリー制御部402は、メモリー・モ
ジュール222に対するデータの読み出し/書き込みを
おこなう。
【0104】ネットワークまたはシリアルバスに接続さ
れた外部PC223からのプリント出力データは、シス
テム・コントローラー231により、ローカルバス上の
フォントデータを用いて、メモリー・モジュール222
内のメモリーエリアに展開される。
【0105】各外部ユニットとのインターフェースにつ
いては、システム・コントローラー231が管理する。
画像メモリー・アクセス制御部221内に取り込まれた
後のデータ転送については、それぞれのダイレクトメモ
リーアクセス制御部411,412,413,414,
415がメモリー・アクセスを管理する。この場合、各
ダイレクトメモリーアクセス制御部411,412,4
13,414,415は、お互いに独立してデータ転送
を実行するため、アクセス制御部401は、メモリー・
モジュール222へのアクセスに関するジョブの衝突、
または各アクセス要求に対する優先付けをおこなう。
【0106】ここで、メモリー・モジュール222への
アクセスには、各ダイレクトメモリーアクセス制御部4
11,412,413,414,415によるアクセス
の他に、格納データのビットマップ展開のためにシステ
ムインターフェース405を介してシステム・コントロ
ーラー231からのアクセスも含まれる。
【0107】アクセス制御部401でメモリー・モジュ
ール222へのアクセスが許可されたダイレクトメモリ
ーアクセス制御によるデータ、またはシステムインター
フェース405からのデータは、メモリー制御部402
によりメモリー・モジュール222に直接転送される。
【0108】画像メモリー・アクセス制御部221は、
その内部でのデータ加工に関して圧縮/伸張モジュール
403および画像編集モジュール404を有する。圧縮
/伸張モジュール403は、画像データまたはコードデ
ータをメモリー・モジュール222に有効に蓄積できる
ようにデータの圧縮および伸張をおこなう。圧縮/伸張
モジュール403はダイレクトメモリーアクセス制御部
411によりメモリー・モジュール222とのインター
フェースを制御する。
【0109】メモリー・モジュール222にいったん格
納された画像データは、ダイレクトメモリーアクセス制
御によりメモリー・モジュール222からメモリー制御
部402、アクセス制御部401を介して圧縮/伸張モ
ジュール403に呼び出される。そこでデータ変換され
た画像データは、ダイレクトメモリーアクセス制御によ
り、メモリー・モジュール222へ戻されるか、または
外部バスへ出力される。
【0110】画像編集モジュール404は、ダイレクト
メモリーアクセス制御部412によりメモリー・モジュ
ール222を制御し、メモリー・モジュール222内で
のデータ加工をおこなう。具体的には、画像編集モジュ
ール404は、メモリー領域のクリアの他に、データ加
工として画像データの回転処理、異なる画像同士の合成
などをおこなう。画像編集モジュール404は、メモリ
ー上のアドレス制御により処理対象のデータを変換する
編集をおこなう。
【0111】画像編集モジュール404は、メモリー・
モジュール222上に展開されたビットマップ画像に対
して処理をおこなう。画像編集モジュール404は、圧
縮後のコードデータやプリンターコードデータに対して
は編集をおこなうことができない。したがって、有効な
メモリー蓄積のための画像圧縮は、画像編集後のデータ
に対して実施される。
【0112】図8は、本発明を適用した画像処理装置に
おいて画像の加工編集処理の実施にかかわる要部を示す
ブロック図である。画像の加工編集処理をおこなうた
め、操作部234に、画像表示手段となる画像表示部2
51、および領域指示手段となる領域指示部252が接
続されている。
【0113】読取ユニット201で読み込まれた原稿画
像は、センサー・ボード・ユニット202、圧縮/伸張
・データI/F制御部203およびパラレルバス220
を経由して画像メモリー・アクセス制御部221に転送
される。そして、転送された原稿画像は、画像メモリー
・アクセス制御部221のメモリー・アクセス制御によ
ってメモリー・モジュール222に電子データとして格
納される。その格納後、画像表示部251は、メモリー
・モジュール222に格納された画像を表示する。
【0114】領域指示部252は、画像表示部251に
表示された画像に対して領域指定をおこなうためのもの
であり、領域情報の抽出をおこなう。領域指示部252
は、たとえば入力用のペンやマウス等のポインティング
デバイスにより構成される。この場合、ポインティング
デバイスにより、画像に対し直接領域が指示され、加工
編集処理の内容も領域指示後に付加される。
【0115】なお、画像表示部251には、読取ユニッ
ト201で読み込まれた原稿画像をそのまま表示する以
外にも、画像処理プロセッサー204での一次処理結果
や、あらかじめマーカーペンにより指定した領域(マー
カー指定領域)の読み取り画像を表示させるようにして
もよい。
【0116】また、画像表示部251に、あらかじめ拡
大や縮小をおこなった画像を表示したり、MTF補正や
平滑処理等の読み取り画像補正をおこなった画像を表示
してもよい。そして、それらの表示画像に対して、領域
指示部252により加工編集処理のための領域指示がお
こなわれる。
【0117】また、元の原稿に対してマーカーペンによ
り大まかに領域を指定しておき、原稿読み取り時にその
マーカーによる指定領域を抽出するようにしてもよい。
そして、不明確なマーカー設定による誤検出を回避する
ために、再度、画像表示部251にマーカー領域周辺の
一次検出画像を表示し、詳細を領域指示部252により
設定するようにしてもよい。このように、領域指定の前
処理をマーカー記入によりおこない、領域の詳細指定を
領域指示部252によりおこなうというように、作業を
分担させることができる。
【0118】図9〜図12は、画像加工機能の一部と、
原稿内の、読み取り対象となったマーカー記入による領
域指定の一例を説明するための図である。図9には、入
力原稿の状態が示されている。作業者は、原稿中に書か
れた文字画像に対し、加工したい文字列に対しブルーや
オレンジやピンクなどの薄い濃度の色彩ペン(マーカー
ペン)を用いて領域を指定する。
【0119】図示例では、[ABCD]、「Sep.1
999」および「株式会社」という文字列のうち「株式
会社」という文字列がマーカーにより囲まれている。つ
まり、「株式会社」という文字列がマーカー指定領域1
として指定されている。たとえば、元原稿では、文字画
像は白地に黒で書かれている。マーカー指定領域1は、
たとえば以下に説明するようにして信号処理的に検出さ
れる。
【0120】マーカー指定領域1の抽出方法の一例につ
いて説明する。図10には、印字部とマーカー部との濃
度レベルの違いが示されている。たとえばセンサー・ボ
ード・ユニット202に搭載されたCCDがカラーCC
Dであり、RGB出力を分解することができる構成の場
合、各信号の濃度を比較し、印字部濃度とマーカー濃度
を分離識別する。すなわち、マーカーは単色の淡い濃度
のため、印字部とは濃度レベルにピークの差異が存在す
る。そのピークの差異に基づいて、マーカー記入により
指定された画像領域、すなわちマーカー指定領域1を他
の領域から分離する。
【0121】一方、CCDが単色の場合には色情報がな
いので、濃度レベルにおいてのみ印字濃度部とマーカー
濃度部を識別する。この場合には、マーカーペンの濃度
分布と印字部分の濃度特性をあらかじめ知識として把握
し、マーカーペンと印字部分とを切り分ける閾値を設定
しておく。そして、その閾値に基づいて濃度領域を区分
する。ただし、この場合、濃度区分だけでは誤検出の可
能性が高い。つまり、同じ濃度の色文字や濃度原稿の場
合、単独の濃度区分ではマーカー指定領域1の抽出は困
難である。
【0122】そこで、たとえば図11に示すように、マ
ーカーによる閉ループ2を検出することによって、原稿
の領域指定をおこなうという制約条件を付加するように
してもよい。この場合、注目画素に対して8連結方向を
走査し、同一濃度群の画素の連結情報を抽出する。
【0123】その連結情報に基づいて、同一濃度群の画
素により閉ループ2が構成されていると判断される場合
には、その閉ループ2内の領域が、マーカーにより加工
編集を指示された領域(マーカー指定領域1)であると
判断される。なお、図11において、マトリクス状に配
列された複数の正方形は、それぞれ画素3を表す。上述
したマーカー指定領域1の抽出処理はシステム・コント
ローラー231により実行される。
【0124】マーカー指定領域1内の加工編集処理につ
いては、操作モードから入力された指示にしたがう。た
とえば、マーカー指定領域1を白黒反転し、その部分だ
けを取りだし、他の領域を消去するという画像加工機能
の場合、マーカーによる閉ループを検出し、その領域内
の画像データについて反転処理をおこない、その領域外
のデータについてはすべて白情報に変換することにな
る。それによって、図12に示すように、マーカー指定
領域1内が黒に塗りつぶされ、その中に「株式会社」と
いう文字列が白で書かれ、かつマーカー指定領域1の外
側は白になる。
【0125】上述した画像加工機能を含む種々の画像加
工機能は、画像処理プロセッサー204により実現され
る。また、画像処理プロセッサー204だけでなく、後
述するように画像処理プロセッサー204とシステム・
コントローラー231とが適宜分担して画像加工機能を
実現する構成となっていてもよい。
【0126】また、本実施の形態の画像処理装置では、
外部PC223などの外部演算処理装置において画像の
加工処理をおこなうことができる。この場合、画像メモ
リー・アクセス制御部221を介して外部PC223に
画像データが転送される。転送される画像データは、読
取ユニット201で読み取られた画像全体のデータ、あ
らかじめマーカー記入により領域が指定された原稿を読
み取り、マーカー指定領域内から抽出された画像のデー
タ、または画像表示部251に表示され、かつ領域指示
部252により指示された領域の画像のデータのいずれ
であってもよい。
【0127】外部PC223で必要な画像加工処理をお
こなった後、その処理データは外部PC223から画像
メモリー・アクセス制御部221に転送され、受信され
る。その受信データは、パラレルバス220、圧縮/伸
張・データI/F制御部203を経由してビデオ・デー
タ制御部205に転送され、作像ユニット206により
画像として出力される。
【0128】あるいは、画像メモリー・アクセス制御部
221により受信された処理データを、再度メモリー・
モジュール222へ格納し、画像処理プロセッサー20
4により追加処理をおこなうことも可能である。また、
外部PC223の処理データを画像メモリー・アクセス
制御部221を介してファクシミリ制御ユニット224
へ転送することも可能である。このような種々の派生処
理の展開が可能である。
【0129】さらには、読取ユニット201で読み取ら
れた画像全体のデータをそのまま外部PC223に転送
し、外部PC223がたとえばマーカー指定領域の抽出
と画像加工処理をおこなうというように処理を分担させ
てもよい。あるいは、本画像処理装置がマーカー指定領
域の抽出をおこない、外部PC223が、その抽出され
た領域に対する画像加工処理をおこなうというような処
理の分担も可能である。
【0130】その反対に、外部PC223がマーカー指
定領域の抽出をおこない、本画像処理装置が、その抽出
された領域に対する画像加工処理をおこなうようにして
もよい。つまり、一連の画像処理を、本画像処理装置と
外部PC223のような外部演算処理装置とで適宜分担
しておこなうことができる。
【0131】上述したように外部演算処理装置を利用す
る場合、外部PC223との入出力インターフェース、
およびメモリー・モジュール222に対するアクセスに
関し、システム・コントローラー231は、画像メモリ
ー・アクセス制御部221を制御することによってデー
タアクセスの制御をおこなう。また、システム・コント
ローラー231は、パラレルバス220へのデータ転送
の際にバス使用権を制御する。プロセス・コントローラ
ー211は、ビデオ・データ制御部205および作像ユ
ニット206に関する制御をおこなう。
【0132】図13および図14は、画像表示部251
に表示される画像データの表示形式およびデータアクセ
スの形式を説明するための模式図である。メモリー・モ
ジュール222に格納された画像の全領域を表示する場
合、図13に示すように、画像表示部251の範囲に収
まるように画像全体4が縮小されて表示される。これ
は、大まかな画像指定をおこなう場合には効率的である
が、細かな設定をおこなう場合には精度に問題がある。
【0133】画像全体が表示されている状態で指示され
た領域のみを抜き出して等倍表示する場合、図14に示
すように、画像全体5の表示においてアクセスされた領
域6に対して、システム・コントローラー231が等倍
アドレスを計算し、それに基づいて必要な画像7が再表
示される。
【0134】また、図14は、画像データの表示形式お
よびデータアクセスの形式の別の例でもある。すなわ
ち、原稿中の必要な領域が明白である場合、あらかじめ
マーカーペンを用いて元の原稿中の必要領域を指定し、
マーカー指定領域の画像データのみをメモリー・モジュ
ール222に格納するとともに、画像表示部251に表
示する。そして、その表示を利用して領域指示部252
により細かな設定をおこない、画素精度を上げる。これ
は、画像全体のデータの格納およびアクセスでは時間が
かかり過ぎる場合に有効である。
【0135】図15および図16は、加工編集処理にお
ける機能分担の一例を説明するための図である。たとえ
ば図15に示すように、原稿画像8の領域Aでは所望の
加工編集処理をおこない、かつ領域A以外では別の処理
をおこなう場合、処理アクセスはラスターデータでアク
セスされ、画像処理プロセッサー204にラインデータ
としてロードされ、処理が実行される。
【0136】システム・コントローラー231は、マー
カー指定領域や領域指示部252による指示領域に関す
る条件を管理し、プロセス・コントローラー211に、
画像処理プロセッサー204での処理条件として付加制
御を指示する。このように、システム・コントローラー
231が領域条件の抽出をおこない、一方、画像処理プ
ロセッサー204は画像データに関する加工編集処理を
おこなうように、それぞれのコントローラー231,2
11は機能分離をおこなう。
【0137】画像処理プロセッサー204は、たとえば
図16に示すように、システム・コントローラー231
からの設定条件に基づいて処理内容を切り替えながら加
工編集処理を実施する。たとえば図15に示す画像に対
して図中の矢印で示すように処理を実施する場合を例に
して説明すると、システム・コントローラー231は領
域Aの内外条件を抽出する(ステップS161)。
【0138】プロセス・コントローラー211はシステ
ム・コントローラー231から領域Aの内外条件を受け
取り、その条件に基づいて領域A内での処理と非領域A
での処理を切り替えて実施するように画像処理プロセッ
サー204を制御する(ステップS162)。
【0139】したがって、加工編集処理対象の画素が領
域A内にあるか否かを判定した結果(ステップS16
3)、領域A内にあれば画像処理プロセッサー204は
領域Aに対する処理をおこない(ステップS164)、
一方、領域A内になければ画像処理プロセッサー204
は非領域Aに対する処理をおこない(ステップS16
5)、画像データに関する加工編集処理を終了する(ス
テップS166)。
【0140】処理の設定は、画像処理プロセッサー20
4に対してプログラマブルに対応し、複数の加工編集処
理、およびそれらの組み合わせ処理を実施する。領域を
指定しない全面加工編集処理の場合には、システム・コ
ントローラー231からプロセス・コントローラー21
1への条件設定は全画像に対してアクティブとなり、そ
れによって全面処理が実施される。このような全面処理
として、たとえば全面白黒反転処理や全面グラデーショ
ン処理などがある。
【0141】図17および図18は、加工編集処理にお
けるプロセッサー間での負荷分担の一例を説明するため
の図である。図17に示すように、システム・コントロ
ーラー231および画像メモリー・アクセス制御部22
1を主要な構成要素とし、メモリー・モジュール222
に格納された画像に対する処理を実施する手段系を処理
系Aとする。また、プロセス・コントローラー211、
圧縮/伸張・データI/F制御部203および画像処理
プロセッサー204を主要な構成要素とし、ラスターデ
ータに対する処理を実施する手段系を処理系Bとする。
【0142】処理系Aおよび処理系Bのいずれも同一処
理を別な実現手段で実施することが可能であるが、効率
的なシステム構成を考慮すると、処理系Aと処理系Bの
それぞれに適する処理対象がある。そこで、高速処理を
実現するため、各処理系でそれぞれに適した処理の負荷
を分担する。
【0143】たとえば図18に示すように、システム・
コントローラー231は全体の処理配分の監視をおこな
い、要求される加工編集処理の内容に基づいて処理手順
を決定する(ステップS181)。負荷配分の結果、シ
ステム・コントローラー231は、プロセス・コントロ
ーラー211に対して必要処理に関する制御のみを割り
当て、該当する処理に関しプログラマブルな設定を圧縮
/伸張・データI/F制御部203および画像処理プロ
セッサー204に対し実施する(ステップS182)。
【0144】たとえば、ある領域内の加工編集処理を処
理系Aで実施し、全画素に共通なフィルター処理や変倍
処理を処理系Bで分担する場合に、加工編集処理対象の
画素に対して処理系Aによる処理を実施するか否かを判
断し(ステップS183)、実施しない場合にはそのま
ま、また実施する場合には処理系Aでの処理を実施した
後(ステップS184)、処理系Aでの処理を終了する
(ステップS185)。
【0145】つづいて、加工編集処理対象の画素に対し
て処理系Bによる処理を実施するか否かを判断し(ステ
ップS186)、実施しない場合にはそのまま、また実
施する場合には処理系Bでの処理を実施した後(ステッ
プS187)、処理系Bでの処理を終了する(ステップ
S188)。
【0146】また、負荷分担に実施により、マーカー指
定領域を検出するためのラプラシアン処理を、まず全画
面に対して処理系Bで実施し、領域判定を処理系Aでお
こない、加工編集領域を確定させる。また、全面加工編
集処理の場合や、単一処理または複数処理を組み合わせ
る場合に、負荷分担を実施する。
【0147】たとえば網掛け処理や網載せ処理のよう
に、ある特定パターンと入力原稿画像とのAND処理や
OR処理を実施する場合には、メモリー・アクセスを効
率的に実施することができる処理系Aにより処理をおこ
なう。一方、白黒反転処理やグラデーション処理のよう
に、入力画像データに対する直接的なデータ変換処理に
ついては、データストリームを効率的に制御することが
できる処理系Bに分担させる。
【0148】画像表示部251の表示に対する領域指示
部252による領域設定の場合、領域指示部252での
アクセス内容先が直接メモリー・モジュール222に反
映されるので、処理系Aにより領域内の加工編集処理を
実施する。その後、全面処理をおこなう場合には、その
前面処理を処理系Bにより実施する。または、あらかじ
め処理系Bにより必要な全面処理を実施した後、その処
理結果をメモリー・モジュール222に格納する。
【0149】そして、その格納画像を画像表示部251
に表示し、領域指示部252により指定した領域に対し
て、限定的な加工編集処理を処理系Aにより実施する。
その後、直接ビデオ・データ制御205により画像出力
処理を実施することが可能が画像処理装置が得られると
いう効果を奏する。
【0150】上述した実施の形態によれば、画像処理装
置は、装置全体の制御および原稿内の特定領域の抽出を
おこなうシステム・コントローラー231と、その特定
領域または任意の領域の画像信号に対して画像処理をお
こなうプログラマブルな画像処理プロセッサー204
と、その画像処理プロセッサー204による演算処理内
容を制御するプロセス・コントローラー211と、ディ
ジタル信号よりなる画像信号を記憶するメモリー・モジ
ュール222と、ディジタル信号のメモリー・モジュー
ル222へのアクセスを一括管理する画像メモリー・ア
クセス制御部221とを備えているため、システム・コ
ントローラー231により画像処理装置の全機能を制御
し、プロセス・コントローラー211により画像処理プ
ロセッサー204を制御し、画像メモリー・アクセス制
御部221により集中管理されたメモリー・モジュール
222を複数の機能で共有することができるとともに、
原稿内の特定領域の抽出とその特定領域に対する画像処
理をシステム・コントローラー231と画像処理プロセ
ッサー204とで分担して処理することができるので、
プロセッサーのパフォーマンスを有効に活用することが
できる。
【0151】また、上述した実施の形態によれば、シス
テム・コントローラー231が、特定領域または任意の
領域の画像信号に対して画像処理をおこなうとともに、
画像処理プロセッサー204との画像処理の負荷配分の
制御をおこなうため、一連の加工編集処理をシステム・
コントローラー231と画像処理プロセッサー204と
で適宜分担し、高速なデータ処理を実現することができ
る。
【0152】また、上述した実施の形態によれば、シス
テム・コントローラー231は、メモリー・モジュール
222に記憶された画像に関する特徴量を抽出し、その
抽出した特徴量に基づいて原稿内の特定領域を抽出する
ため、システム・コントローラー231により原稿中の
特徴量がメモリー・モジュール222の格納画像から抽
出され、加工編集処理のための領域情報がシステム・コ
ントローラー231により制御されるので、領域設定が
簡便となる。
【0153】また、上述した実施の形態によれば、画像
処理装置が、メモリー・モジュール222に記憶された
画像を表示する画像表示部251と、その画像表示部2
51に表示された画像に基づいて領域の指示をおこなう
ための領域指示部252と、をさらに具備するため、メ
モリー・モジュール222に格納された画像が画像表示
部251に表示され、その表示に基づいて領域指示部2
52により範囲指定をおこなうことができるので、領域
指示に対する自由度が高くなる。
【0154】また、上述した実施の形態によれば、画像
処理装置が、外部PC223に接続するためのシリアル
バスインターフェース302をさらに具備し、また画像
メモリー・アクセス制御部221は、特定領域の画像デ
ータを、シリアルバスインターフェース302に接続さ
れた外部PC223に送信し、かつ外部PC223から
画像データを受信するため、加工編集のための対象画像
を外部PC223へ出力し、そこで加工編集処理をおこ
ない、その処理結果を受信して再生するというように、
画像の加工編集処理を外部PC223でおこなわせるこ
とができる。
【0155】以上において本発明は、上述した実施の形
態に限らず、種々設計変更可能であることは勿論であ
る。
【0156】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、原稿を読み取ってディジタル信号よりな
る画像信号を生成する原稿読み取り手段と、装置全体の
制御および原稿内の特定領域の抽出をおこなう第1の制
御手段と、前記特定領域または任意の領域の画像信号に
対して画像処理をおこなうプログラマブルな演算処理手
段と、前記演算処理手段による演算処理内容を制御する
第2の制御手段と、ディジタル信号よりなる画像信号を
記憶する記憶手段と、ディジタル信号の前記記憶手段へ
のアクセスを一括管理する第3の制御手段と、前記画像
信号を顕像として出力する出力手段と、を具備するた
め、第1の制御手段により画像処理装置の全機能を制御
し、第2の制御手段により演算処理手段を制御し、第3
の制御手段により集中管理されたメモリー群を複数の機
能で共有することができるとともに、原稿内の特定領域
の抽出とその特定領域に対する画像処理を第1の制御手
段と演算処理手段とで分担して処理することができるの
で、プロセッサーのパフォーマンスを有効に活用するこ
とが可能が画像処理装置が得られるという効果を奏す
る。
【0157】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明において、前記第1の制御手段は、
前記特定領域または任意の領域の画像信号に対して画像
処理をおこなうとともに、前記演算処理手段との画像処
理の負荷配分の制御をおこなうため、一連の加工編集処
理を第1の制御手段と演算処理手段とで適宜分担し、高
速なデータ処理を実現することが可能が画像処理装置が
得られるという効果を奏する。
【0158】また、請求項3に記載の発明によれば、請
求項1または2に記載の発明において、前記第1の制御
手段は、前記記憶手段に記憶された画像に関する特徴量
を抽出し、抽出した特徴量に基づいて原稿内の特定領域
を抽出するため、第1の制御手段により原稿中の特徴量
が記憶手段の格納画像から抽出され、加工編集処理のた
めの領域情報が第1の制御手段により制御されるので、
領域設定が簡便となる画像処理装置が得られるという効
果を奏する。
【0159】また、請求項4に記載の発明によれば、請
求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記
記憶手段に記憶された画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段に表示された画像に基づいて領域の指
示をおこなうための領域指示手段と、をさらに具備する
ため、記憶手段に格納された画像が画像表示手段に表示
され、その表示に基づいて領域指示手段により範囲指定
をおこなうので、領域指示に対する自由度が高くなる画
像処理装置が得られるという効果を奏する。
【0160】また、請求項5に記載の発明によれば、請
求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、外部
演算処理装置に接続するためのインターフェースをさら
に具備し、前記第3の制御手段は、前記特定領域の画像
データを、前記インターフェースに接続された外部演算
処理装置に送信し、かつ外部演算処理装置から画像デー
タを受信するため、加工編集のための対象画像を外部演
算処理装置へ出力し、そこで加工編集処理をおこない、
その処理結果を受信して再生するというように、画像の
加工編集処理を外部の画像処理装置などでおこなわせる
ことが可能が画像処理装置が得られるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる画像処理装置の構
成を機能的に示すブロック図である。
【図2】実施の形態にかかる画像処理装置のハードウエ
ア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】実施の形態にかかる画像処理装置を構成する圧
縮/伸張・データI/F制御部の構成の一例を示すブロ
ック図である。
【図4】実施の形態にかかる画像処理装置を構成する画
像処理プロセッサーの構成の一例を示すブロック図であ
る。
【図5】実施の形態にかかる画像処理装置を構成する画
像処理プロセッサーの画像処理機能の概略を示すブロッ
ク図である。
【図6】実施の形態にかかる画像処理装置においてシス
テム制御およびメモリー制御をおこなうコントローラー
ユニットの構成の一例を示すブロック図である。
【図7】実施の形態にかかる画像処理装置を構成する画
像メモリー・アクセス制御部の構成の一例を示すブロッ
ク図である。
【図8】実施の形態にかかる画像処理装置において画像
の加工編集処理の実施にかかわる要部を示すブロック図
である。
【図9】実施の形態にかかる画像処理装置の画像加工機
能の一部と原稿内の、読み取り対象となったマーカー記
入による領域指定の一例を説明するための図である。
【図10】実施の形態にかかる画像処理装置の画像加工
機能の一部と原稿内の、読み取り対象となったマーカー
記入による領域指定の一例を説明するための図である。
【図11】実施の形態にかかる画像処理装置の画像加工
機能の一部と原稿内の、読み取り対象となったマーカー
記入による領域指定の一例を説明するための図である。
【図12】実施の形態にかかる画像処理装置の画像加工
機能の一部と原稿内の、読み取り対象となったマーカー
記入による領域指定の一例を説明するための図である。
【図13】実施の形態にかかる画像処理装置において画
像データの表示形式およびデータアクセスの形式を説明
するための模式図である。
【図14】実施の形態にかかる画像処理装置において画
像データの表示形式およびデータアクセスの形式を説明
するための模式図である。
【図15】実施の形態にかかる画像処理装置の加工編集
処理にける機能分担の一例を説明するための図である。
【図16】実施の形態にかかる画像処理装置の加工編集
処理にける機能分担の一例を説明するための図である。
【図17】実施の形態にかかる画像処理装置の加工編集
処理におけるプロセッサー間での負荷分担の一例を説明
するための図である。
【図18】実施の形態にかかる画像処理装置の加工編集
処理におけるプロセッサー間での負荷分担の一例を説明
するための図である。
【符号の説明】
201,202 原稿読み取り手段(読取ユニット、セ
ンサー・ボード・ユニット) 204 演算処理手段(画像処理プロセッサー) 205,206 出力手段(ビデオ・データ制御部、作
像ユニット) 211 第2の制御手段(プロセス・コントローラー) 221 第3の制御手段(画像メモリー・アクセス制御
部) 222 記憶手段(メモリー・モジュール) 223 外部演算処理装置(外部PC) 231 第1の制御手段(システム・コントローラー) 251 画像表示手段(画像表示部) 252 領域指示手段(領域指示部) 302 外部演算処理装置に接続するためのインターフ
ェース(シリアルバスI/F)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉澤 史男 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 福田 拓章 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 野水 泰之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 樗木 杉高 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 宮崎 慎也 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 宮崎 秀人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 刀根 剛治 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 川本 啓之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 高橋 祐二 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 5B047 AB02 EA01 EB01 EB17 5B057 AA11 BA02 CA01 CA02 CA08 CA12 CA16 CE11 CE20 CG01 CH01 CH11 CH14 DA08 DB02 DB05 DB06 DB09 DC22 5C062 AB02 AB23 AB43 AC22 AC24 AC49 AE03 AF16 BA02 BA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿を読み取ってディジタル信号よりな
    る画像信号を生成する原稿読み取り手段と、 装置全体の制御および原稿内の特定領域の抽出をおこな
    う第1の制御手段と、 前記特定領域または任意の領域の画像信号に対して画像
    処理をおこなうプログラマブルな演算処理手段と、 前記演算処理手段による演算処理内容を制御する第2の
    制御手段と、 ディジタル信号よりなる画像信号を記憶する記憶手段
    と、 ディジタル信号の前記記憶手段へのアクセスを一括管理
    する第3の制御手段と、 前記画像信号を顕像として出力する出力手段と、 を具備することを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の制御手段は、前記特定領域ま
    たは任意の領域の画像信号に対して画像処理をおこなう
    とともに、前記演算処理手段との画像処理の負荷配分の
    制御をおこなうことを特徴とする請求項1に記載の画像
    処理装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の制御手段は、前記記憶手段に
    記憶された画像に関する特徴量を抽出し、抽出した特徴
    量に基づいて原稿内の特定領域を抽出することを特徴と
    する請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記記憶手段に記憶された画像を表示す
    る画像表示手段と、 前記画像表示手段に表示された画像に基づいて領域の指
    示をおこなうための領域指示手段と、 をさらに具備することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか一つに記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 外部演算処理装置に接続するためのイン
    ターフェースをさらに具備し、 前記第3の制御手段は、前記特定領域の画像データを、
    前記インターフェースに接続された外部演算処理装置に
    送信し、かつ外部演算処理装置から画像データを受信す
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載
    の画像処理装置。
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