JP3785295B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置にかかり、特にシートスルー方式で原稿を読み取り、原稿に形成されている画像に基づく画像データを処理する画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、原稿を読み取って画像データを作成し、この画像データを電気的に変倍する処理が公知となっている。また、コピー機、ファクシミリ、プリンター、スキャナーといったそれぞれ異なる機能をあわせ持つ、いわゆるMFP(Multi Function Printer)として構成された画像処理装置がある。このような画像処理装置において、原稿の読み取りが終了した後に原稿のサイズを検出し、ドキュメントフィーダーから供給される混載原稿(サイズの異なる原稿が混在する原稿束)を指定されたサイズに変倍する用紙指定変倍装置が提案されている。
【0003】
さらに、シートスルー方式のドキュメントフィーダーを備えた画像処理装置において、原稿を給紙トレイから読取位置まで搬送する過程で原稿サイズ検出センサーで原稿のサイズを検出するものがある。このような画像処理装置では、原稿の読み取り中に原稿サイズが検出されるため、画像データに基づいて作成される画像を変倍する処理(画像変倍処理)にかかる時間を短縮することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年では、スキャナーがネットワーク上で不特定多数のプリンターと接続されるMFPとして構成された画像処理装置がある。このような画像処理装置では、スキャナーとプリンターとの解像度が異なる場合、スキャナーで読み取られた画像の解像度をプリンターにあわせて変換する処理(解像度変換処理)が必要になる。なお、近年では、スキャナーの解像度が600dpi、プリンターの解像度が1200dpiのものが主流になりつつある。このため、解像度変換処理の多くは、スキャナーから出力した画像データの解像度を2倍にする。
【0005】
解像度を主走査方向、副走査方向ともに2倍にする解像度変換処理によれば、画像データのデータ量が4倍になる。このようにデータ量が増加する解像度変換処理と画像拡大時にあってはデータ量を増加させることになる画像変倍処理とを一連の画像処理中に実行させる場合、解像度変換処理、画像変倍処理を画像処理のどの段階で実行するかということが画像処理装置の処理効率に比較的大きく影響することになる。
【0006】
すなわち、MFPとしての画像処理装置は、一連の画像処理を分割し、その各々を独立に構成されたユニットで実行するように構成されている。このような各ユニット間で画像データを転送する際には、画像データの転送量が多くなるとこの画像データの転送に時間がかかり、ひいては画像処理装置全体の画像処理速度を低下させることになりかねない。一方、画像データの転送時間を優先して画像データ量を落とした場合、画像データに含まれる画像の情報量が少なくなり、形成される画像の画質を低下させるおそれがある。
【0007】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、画像変倍処理および解像度変換処理を一連の画像処理の過程で画像処理時間および画像品質の観点から最適なタイミングで実行し、システム全体として最適な制御が可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる画像処理装置は、シートスルー・ドキュメントフィーダーで原稿を読み取って画像データを作成するとともに、前記画像データに基づいて作成された画像を出力する一連の処理である画像処理をそれぞれ独立に構成された複数の画像処理手段で実行する画像処理装置であって、画像データに基づいて作成される画像を変倍する画像変倍処理と、画像データの解像度を変換する解像度変換処理とを、それぞれ前記画像処理手段のいずれかに割り当てる画像処理割当手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、画像変倍処理、解像度変換処理を画像処理装置の構成のうちいずれかに割り当てることができる。このため、一連の画像処理のどこで画像変倍処理、解像度変換処理をおこなうかを設定できるようになる。
【0010】
また、この発明にかかる画像処理装置は、上記発明において、前記複数の画像処理手段が、前記画像データを顕像として出力するための演算処理をおこなうプログラマブルな演算処理手段と、前記演算処理手段に入出力する画像データのデータバスと演算処理手段とのインターフェースを一括して管理する画像データ管理手段と、を備え、前記画像処理割当手段は、前記演算処理手段、前記画像データ管理手段のうちの少なくとも一つに前記画像変倍処理と前記解像度変換処理との少なくとも一つを割り当てることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、画像変倍処理、解像度変換処理を画像処理装置の構成のうち画像データ管理手段、演算処理手段に割り当てることができる。このため、画像処理装置が備える既存の構成を用いて画像変倍処理、解像度変換処理を実行しやすくなる。
【0012】
また、この発明にかかる画像処理装置は、上記発明において、前記画像データ管理手段は、副走査方向の前記画像変倍処理を実行する副走査方向画像変倍処理手段を備え、かつ、前記演算処理手段は、主走査方向の前記画像変倍処理を実行する主走査方向画像変倍処理手段および解像度変換処理を実行する解像度変換処理手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、副走査方向の画像変倍処理を画像データ管理手段で実行し、かつ、主走査方向の画像変倍処理を演算処理手段で実行することができる。このため、画像変倍処理にかかる画像データ管理手段、演算処理手段の負荷をそれぞれ軽減することができる。また、画像データ管理手段、演算処理手段間の画像データ転送量をも抑えることができる。さらに、解像度変換処理を演算処理手段に割り当てることにより、既存の構成を用いて解像度を変換することができる。
【0014】
また、この発明にかかる画像処理装置は、上記発明において、前記画像データ管理手段が、前記画像変倍処理を実行する画像変倍処理手段を備え、かつ、前記演算処理手段が、前記解像度変換処理を実行する解像度変換処理手段を備えることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、画像変倍処理を画像データ管理手段で実行することにより、画像変倍処理にかかる演算処理手段の負荷を軽減することができる。さらに、解像度変換処理を演算処理手段に割り当てることにより、既存の構成を用いて解像度を変換することができる。
【0016】
また、この発明にかかる画像処理装置は、上記発明において、さらに画像データが保存されるメモリーへのアクセスを一括して管理するメモリー・アクセス手段を備え、前記画像データ管理手段が前記画像変倍処理を実行する画像変倍処理手段を備え、かつ、前記演算処理手段が前記解像度変換処理を実行する解像度変換処理手段を備えるとともに、前記メモリー・アクセス手段が画像データに基づいて作成される画像が回転するように処理する画像回転処理手段を備え、前記画像変倍処理手段は、前記回転処理手段による画像回転処理以前の画像データと画像回転処理後の画像データとに画像変倍処理を施すことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、画像変倍処理を画像データ管理手段で実行することにより、画像変倍処理にかかる演算処理手段の負荷を軽減することができる。さらに、メモリー・アクセス手段によって画像データに画像回転処理を施し、画像回転処理以前の画像データと画像回転処理後の画像データとに画像変倍処理することにより、画像データ管理手段においてなされる主走査方向の画像変倍処理と副走査方向の画像変倍処理とを同一の構成で実行できる。また、解像度変換処理を演算処理手段で実行することにより、既存の構成を用いて解像度を変換することができる。
【0018】
また、この発明にかかる画像処理装置は、上記発明において、さらに画像データが保存されるメモリーへのアクセスを一括して管理するメモリー・アクセス手段を備え、前記画像データ管理手段が前記解像度変換処理を実行する解像度変換処理手段を備え、かつ、前記演算処理手段が前記画像変倍処理を実行する画像変倍処理手段を備えるとともに、前記メモリー・アクセス手段が画像データに基づいて作成される画像が回転するように処理する画像回転処理手段を備え、前記画像変倍処理手段は、前記回転処理手段による画像回転処理以前の画像データと画像回転処理後の画像データとに画像変倍処理を施すことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、画像変倍処理を演算処理手段で実行することにより、画像変倍処理にかかる画像データ管理手段の負荷を軽減することができる。さらに、メモリー・アクセス手段によって画像データに画像回転処理を施し、画像回転処理以前の画像データと画像回転処理後の画像データとに画像変倍処理することにより、演算処理手段においてなされる主走査方向の画像変倍処理と副走査方向の画像変倍処理とを同一の構成で実行できる。また、解像度変換処理を演算処理手段で実行することにより、既存の構成を用いて解像度を変換することができる。
【0020】
また、この発明にかかる画像処理装置は、上記発明において、さらに画像データが保存されるメモリーへのアクセスを一括して管理するメモリー・アクセス手段を備え、前記メモリー・アクセス手段が画像データを平面領域内で再配置する再配置手段を備え、前記再配置手段によって前記画像データを画像変倍処理し、かつ、前記演算処理手段が前記解像度変換処理を実行する解像度変換処理手段を備えることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、メモリー・アクセス手段が備える再配置手段によって画像変倍処理を実行することにより、一つの構成で画像データを主走査方向、副走査方向に画像変倍処理することができる。
【0022】
また、この発明にかかる画像処理装置は、上記発明において、前記画像データ管理手段が副走査方向の前記画像変倍処理および前記解像度変換処理を実行する副走査方向変倍手段を備え、かつ、前記演算処理手段が主走査方向の前記画像変倍処理および前記解像度変換処理を実行する主走査方向変倍手段を備えることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、副走査方向の前記画像変倍処理および前記解像度変換処理を前記画像データ管理手段の副走査方向変倍手段で実行し、かつ、主走査方向の画像変倍処理および前記解像度変換処理を演算処理手段の主走査方向変倍手段で実行することができる。このため、画像データ管理手段、演算処理手段が既存の構成を用いて画像変倍の処理を実行することができる。また、画像の変倍と解像度の変換を変倍手段で実行できるため、解像度変換処理のための専用の構成を設ける必要がなくなる。
【0024】
また、この発明にかかる画像処理装置は、上記発明において、前記画像データ管理手段が、副走査方向の前記画像変倍処理を実行する副走査方向画像変倍手段と、主走査方向の前記解像度変換処理を実行する副走査方向解像度変換手段とを備え、かつ、前記演算処理手段が、主走査方向の前記画像変倍処理を実行する主走査方向画像変倍手段と、主走査方向の前記解像度変換処理を実行する主走査方向解像度変換手段とを備え、画像が縮小されるように画像データを画像変倍処理することを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、解像度を変換した後に画像変倍処理ができるため、解像度変換処理上の制限を受けることなく画像の品質に最適な変倍率で画像変倍処理が実行できる。また、画像を縮小するように画像変倍処理をおこなう場合には、解像度変換処理による画像データ転送量の増加を抑えることができる。
【0026】
また、この発明にかかる画像処理装置は、上記発明において、前記画像データ管理手段が、前記画像変倍処理の変倍率が50%未満である場合、前記変倍率の2倍の変倍率で副走査方向の前記画像変倍処理を実行する副走査方向2倍変倍を備え、かつ、前記演算処理手段は、前記画像変倍処理の変倍率が50%未満である場合、前記変倍率の2倍の変倍率で主走査方向に前記画像変倍処理を実行する主走査方向2倍変倍手段を備えることを特徴とする
【0027】
この発明によれば、画像データ管理手段、演算処理手段のいずれもが既存の構成によって画像変倍処理、解像度変換処理を実行することができる。また、画像変倍処理の変倍率が50%以下である場合、解像度変換のための構成が必要がなくなる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置の好適な実施の形態を実施の形態1〜8として詳細に説明する。なお、この発明の実施の形態では、まず、各実施の形態に共通の内容について説明し、後に実施の形態1〜8の各々について説明する。
【0029】
〔実施の形態1〜8に共通の構成〕
まず、この発明の実施の形態にかかる画像処理装置の原理について説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる画像処理装置の構成を機能的に示すブロック図である。図1において、画像処理装置は、以下に示す5つのユニットを含む構成である。
【0030】
上記5つのユニットとは、画像データ制御ユニット100と、画像データを読み取る画像読取ユニット101と、画像を蓄積する画像メモリーを制御して画像データの書き込み/読出しをおこなう画像メモリー制御ユニット102と、画像データに対し加工編集等の画像処理を施す画像処理ユニット103と、画像データを転写紙等に書き込む画像書込ユニット104と、である。
【0031】
上記各ユニットは、画像データ制御ユニット100を中心に構成されている。すなわち、画像読取ユニット101、画像メモリー制御ユニット102、画像処理ユニット103、画像書込ユニット104は、いずれも画像データ制御ユニット100に接続されている。以下、この各ユニットについて、それぞれ説明する。
【0032】
(画像データ制御ユニット100)
画像データ制御ユニット100によりおこなわれる処理としては以下のようなものがある。
【0033】
たとえば、
(1)データのバス転送効率を向上させるためのデータ圧縮処理(一次圧縮)、
(2)一次圧縮データの画像データへの転送処理、
(3)画像合成処理(複数ユニットからの画像データを合成することが可能である。また、データバス上での合成も含む。)、
(4)画像シフト処理(主走査および副走査方向の画像のシフト)、
(5)画像領域拡張処理(画像領域を周辺へ任意量だけ拡大することが可能)、
(6)画像変倍処理(50%または200%の固定変倍、主走査方向、副走査方向の任意変倍処理)、
(7)パラレルバス・インターフェース処理、
(8)シリアルバス・インターフェース処理(後述するプロセス・コントローラー211とのインターフェース)、
(9)パラレルデータとシリアルデータのフォーマット変換処理、
(10)画像読取ユニット101とのインターフェース処理、
(11)画像処理ユニット103とのインターフェース処理、
等である。
【0034】
(画像読取ユニット101)
画像読取ユニット101によりおこなわれる処理としては以下のようなものがある。
【0035】
たとえば、
(1)光学系による原稿反射光の読み取り処理、
(2)CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)での電気信号への変換処理、
(3)A/D変換器でのディジタル化処理、
(4)シェーディング補正処理(光源の照度分布ムラを補正する処理)、
(5)スキャナーγ補正処理(読み取り系の濃度特性を補正する処理)、
等である。
【0036】
(画像メモリー制御ユニット102)
画像メモリー制御ユニット102によりおこなわれる処理としては以下のようなものがある。
【0037】
たとえば、
(1)システム・コントローラーとのインターフェース制御処理、
(2)パラレルバス制御処理(パラレルバスとのインターフェース制御処理)、
(3)ネットワーク制御処理、
(4)シリアルバス制御処理(複数の外部シリアルポートの制御処理)、
(5)内部バスインターフェース制御処理(操作部とのコマンド制御処理)、
(6)ローカルバス制御処理(システム・コントローラーを起動させるためのROM、RAM、フォントデータのアクセス制御処理)、
(7)メモリー・モジュールの動作制御処理(メモリー・モジュールの書き込み/読み出し制御処理等)、
(8)メモリー・モジュールへのアクセス制御処理(複数のユニットからのメモリー・アクセス要求の調停をおこなう処理)、
(9)データの圧縮/伸張処理(メモリー有効活用のためのデータ量の削減するための処理)、
(10)画像編集処理(メモリー領域のデータクリア、画像データの回転処理、メモリー上での画像合成処理等)、
等である。
【0038】
(画像処理ユニット103)
画像処理ユニット103によりおこなわれる処理としては以下のようなものがある。
【0039】
たとえば、
(1)シェーディング補正処理(光源の照度分布ムラを補正する処理)、
(2)スキャナーγ補正処理(読み取り経の濃度特性を補正する処理)、
(3)MTF補正処理、
(4)平滑処理、
(5)主走査方向、副走査方向の任意変倍処理、
(6)濃度変換(γ変換処理:濃度ノッチに対応)、
(7)単純多値化処理、
(8)単純二値化処理、
(9)誤差拡散処理、
(10)ディザ処理、
(11)ドット配置位相制御処理(右寄りドット、左寄りドット)、
(12)孤立点除去処理、
(13)像域分離処理(色判定、属性判定、適応処理)、
(14)密度変換処理、
等である。
【0040】
(画像書込ユニット104)
画像書込ユニット104によりおこなわれる処理としては以下のようなものがある。
【0041】
たとえば、
(1)エッジ平滑処理(ジャギー補正処理)、
(2)ドット再配置のための補正処理、
(3)画像信号のパルス制御処理、
(4)パラレルデータとシリアルデータのフォーマット変換処理、
等である。
【0042】
この発明の実施の形態の画像処理装置は、以上のように、画像データに基づいて作成された画像を出力する一連の処理である画像処理を、それぞれ独立に構成された複数の画像処理ユニットで実行する画像処理装置である。
【0043】
(ディジタル複合機のハードウェア構成)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる画像処理装置がディジタル複合機を構成する場合のハードウェア構成について説明する。図2はこの発明の実施の形態にかかる画像処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0044】
図2のブロック図において、この発明の実施の形態にかかる画像処理装置は、読取ユニット201と、センサー・ボード・ユニット202と、画像データ制御部203と、画像処理プロセッサー204と、ビデオ・データ制御部205と、作像ユニット(エンジン)206とを備える。また、この発明の実施の形態にかかる画像処理装置は、シリアルバス210を介して、プロセス・コントローラー211と、RAM212と、ROM213とを備える。
【0045】
上記した構成のうち、画像処理プロセッサー204は、画像に基づいて作成されたディジタル信号である画像データを顕像として出力できるように処理し、複数の画像形成動作を実現できるプログラマブルな画像処理手段である。また、画像データ制御部203は、画像データを伝送するデータバスと画像処理プロセッサー204による画像処理に用いられる処理ユニットとの間の画像データの伝送を一括して管理する画像データ伝送管理手段である。
【0046】
また、この発明の実施の形態にかかる画像処理装置は、パラレルバス220を介して、画像メモリー・アクセス制御部221とファクシミリ制御ユニット224とを備え、さらに、画像メモリー・アクセス制御部221に接続されるメモリー・モジュール222と、システム・コントローラー231と、RAM232と、ROM233と、操作パネル234とを備える。このような構成のうち、画像メモリー・アクセス制御部221、メモリー・モジュール222が、RAM212、ROM213に対する画像データのアクセスを一括して管理するメモリー・アクセス手段である。
【0047】
ここで、上記各構成部と、図1に示した各ユニット100〜104との関係について説明する。すなわち、読取ユニット201およびセンサー・ボード・ユニット202により、図1に示した画像読取ユニット101の機能を実現する。また同様に、画像データ制御部203により、画像データ制御ユニット100の機能を実現する。また同様に、画像処理プロセッサー204により画像処理ユニット103の機能を実現する。
【0048】
また同様に、ビデオ・データ制御部205および作像ユニット(エンジン)206により画像書込ユニット104を実現する。また同様に、画像メモリー・アクセス制御部221およびメモリー・モジュール222により画像メモリー制御ユニット102を実現する。
【0049】
つぎに、各構成部の内容について説明する。原稿を光学的に読み取る読取ユニット201は、ランプとミラーとレンズから構成され、原稿に対するランプ照射の反射光をミラーおよびレンズにより受光素子に集光する。なお、この発明の実施の形態の読取ユニット201は、シートスルー方式のドキュメントフィーダーを備えている。そして、このドキュメントフィーダーで原稿を読み取って画像データを作成している。
【0050】
図3は、この発明の実施の形態の読取ユニット201を説明する図である。読み取りユニット201は、原稿Pをプラテンガラス303上に搬送するドキュメントフィード部(ドキュメントフィーダー)301と、プラテンガラス303上にある原稿Pに光を照射する光源302a、原稿Pで反射された反射光を反射して図示を省略する受光素子、たとえばCCDを一方向に配列したCCDラインセンサーに導くミラー302bを備える読取部302とを有している。
【0051】
読取ユニット201では、読取部302を固定しておき、原稿Pを矢線で示す搬送方向に移動して原稿Pを読み取っている。この際、原稿Pは、画像データに基づいて作成される画像が変倍されるように処理(画像変倍処理)する、あるいは等倍の画像として出力することによらず一定の速度で移動する。
【0052】
図示を省略するCCDラインセンサーは、原稿Pの一方向を一度に読み取ることができるようにCCD素子を配列している。この配列方向を主走査方向といい、原稿Pの移動方向を副走査方向という。オリジナル画像Oは、主走査方向に読み取られながら順次副走査方向に移動する。読み取られたオリジナル画像の情報は、CCDラインセンサーで電気信号に変換された後、ディジタル化されて画像データとなり、コピー画像Cを形成する。
【0053】
この原稿Pの読み取り時、原稿Pの移動方向の長さが検出される。この検出では、CCDラインセンサーで原稿押さえ部304の色を背景色として検出し、原稿の始端検出から終端検出までの時間を判定する。そして、この時間と原稿Pの移動速度とを掛け合わせて原稿Pの長さを求めている。
【0054】
CCDラインセンサーは、センサー・ボード・ユニット202に搭載され、CCDにおいて電気信号に変換された画像データはディジタル信号に変換された後、センサー・ボード・ユニット202から出力(送信)される。
【0055】
センサー・ボード・ユニット202から出力(送信)された画像データは、画像データ制御部203に入力(受信)され、順次メモリーに蓄積される。この結果、このメモリーには、コピー画像C(破線で示す)を表す画像データが蓄積される。なお、以上のような機能デバイス(処理ユニット)およびデータバス間における画像データの伝送は画像データ制御部203がすべて制御する。
【0056】
画像データ制御部203は、画像データに関し、センサー・ボード・ユニット202、パラレルバス220、画像処理プロセッサー204間のデータ転送、画像データに対するプロセス・コントローラー211と画像処理装置の全体制御を司るシステム・コントローラー231との間の通信をおこなう。また、RAM212はプロセス・コントローラー211のワークエリアとして使用され、ROM213はプロセス・コントローラー211のブートプログラム等を記憶している。
【0057】
センサー・ボード・ユニット202から出力(送信)された画像データは画像データ制御部203を経由して画像処理プロセッサー204に転送(送信)され、光学系およびディジタル信号への量子化にともなう信号劣化(スキャナー系の信号劣化とする)を補正し、再度、画像データ制御部203へ出力(送信)される。
【0058】
画像メモリー・アクセス制御部221は、メモリー・モジュール222に対する画像データの書き込み/読み出しを制御する。また、パラレルバス220に接続される各構成部の動作を制御する。また、RAM232はシステム・コントローラー231のワークエリアとして使用され、ROM233はシステム・コントローラー231のブートプログラム等を記憶している。
【0059】
操作パネル234は、画像処理装置がおこなうべき処理を入力する。たとえば、処理の種類(複写、ファクシミリ送信、画像読込、プリント等)および処理の枚数等を入力する。これにより、画像データ制御情報の入力をおこなうことができる。なお、ファクシミリ制御ユニット224の内容については後述する。
【0060】
つぎに、読み取った画像データには、メモリー・モジュール222に蓄積して再利用するジョブと、メモリー・モジュール222に蓄積しないジョブとがあり、それぞれの場合について説明する。メモリー・モジュール222に蓄積する例としては、1枚の原稿について複数枚を複写する場合に、読取ユニット201を1回だけ動作させ、読取ユニット201により読み取った画像データをメモリー・モジュール222に蓄積し、蓄積された画像データを複数回読み出すという方法がある。
【0061】
メモリー・モジュール222を使わない例としては、1枚の原稿を1枚だけ複写する場合に、読み取り画像データをそのまま再生すればよいので、画像メモリー・アクセス制御部221によるメモリー・モジュール222へのアクセスをおこなう必要はない。
【0062】
まず、メモリー・モジュール222を使わない場合、画像処理プロセッサー204から画像データ制御部203へ転送されたデータは、再度画像データ制御部203から画像処理プロセッサー204へ戻される。画像処理プロセッサー204においては、センサー・ボード・ユニット202におけるCCDによる輝度データを面積階調に変換するための画質処理をおこなう。
【0063】
画質処理後の画像データは画像処理プロセッサー204からビデオ・データ制御部205に転送される。面積階調に変化された信号に対し、ドット配置に関する後処理およびドットを再現するためのパルス制御をおこない、その後、作像ユニット206において転写紙上に再生画像を形成する。
【0064】
つぎに、メモリー・モジュール222に蓄積し画像読み出し時に付加的な処理、たとえば画像方向の回転、画像の合成等をおこなう場合の画像データの流れについて説明する。画像処理プロセッサー204から画像データ制御部203へ転送された画像データは、画像データ制御部203からパラレルバス220を経由して画像メモリー・アクセス制御部221に送られる。
【0065】
ここでは、システム・コントローラー231の制御に基づいて画像データとメモリー・モジュール222のアクセス制御、外部PC(パーソナル・コンピューター)223のプリント用データの展開、メモリー・モジュール222の有効活用のための画像データの圧縮/伸張をおこなう。
【0066】
画像メモリー・アクセス制御部221へ送られた画像データは、データ圧縮後メモリー・モジュール222へ蓄積され、蓄積された画像データは必要に応じて読み出される。読み出された画像データは伸張され、本来の画像データに戻し画像メモリー・アクセス制御部221からパラレルバス220を経由して画像データ制御部203へ戻される。
【0067】
画像データ制御部203から画像処理プロセッサー204への転送後は画質処理、およびビデオ・データ制御部205でのパルス制御をおこない、作像ユニット206において転写紙上に再生画像を形成する。
【0068】
画像データの流れにおいて、パラレルバス220および画像データ制御部203でのバス制御により、ディジタル複合機の機能を実現する。ファクシミリ送信機能は読み取られた画像データを画像処理プロセッサー204にて画像処理を実施し、画像データ制御部203およびパラレルバス220を経由してファクシミリ制御ユニット224へ転送する。ファクシミリ制御ユニット224にて通信網へのデータ変換をおこない、公衆回線(PN)225へファクシミリデータとして送信する。
【0069】
一方、受信されたファクシミリデータは、公衆回線(PN)225からの回線データをファクシミリ制御ユニット224にて画像データへ変換され、パラレルバス220および画像データ制御部203を経由して画像処理プロセッサー204へ転送される。この場合、特別な画質処理はおこなわず、ビデオ・データ制御部205においてドット再配置およびパルス制御をおこない、作像ユニット206において転写紙上に再生画像を形成する。
【0070】
複数ジョブ、たとえば、コピー機能、ファクシミリ送受信機能、プリンター出力機能が並行に動作する状況において、読取ユニット201、作像ユニット206およびパラレルバス220の使用権のジョブへの割り振りをシステム・コントローラー231およびプロセス・コントローラー211において制御する。
【0071】
プロセス・コントローラー211は画像データの流れを制御し、システム・コントローラー231はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。また、ディジタル複合機の機能選択は操作パネル(操作部)234において選択入力し、コピー機能、ファクシミリ機能等の処理内容を設定する。
【0072】
システム・コントローラー231とプロセス・コントローラー211は、パラレルバス220、画像データ制御部203およびシリアルバス210を介して相互に通信をおこなう。具体的には、画像データ制御部203内においてパラレルバス220とシリアルバス210とのデータ・インターフェースのためのデータフォーマット変換をおこなうことにより、システム・コントローラー231とプロセス・コントローラー211間の通信をおこなう。
【0073】
つぎに、以上述べた構成のうち、画像データ制御部203、画像処理プロセッサー204、メモリー・アクセス制御部221の各構成についてより詳細に説明する。
【0074】
(画像データ制御部203)
まず、画像データ制御ユニット100を構成する画像データ制御部203における処理の概要について説明する。図4はこの発明の実施の形態にかかる画像処理装置の画像データ制御部203の処理の概要を示すブロック図である。
【0075】
図4のブロック図において、画像データ入出力制御部401は、センサー・ボード・ユニット202からの画像データを入力(受信)し、画像処理プロセッサー204に対して画像データを出力(送信)する。すなわち、画像データ入出力制御部401は、画像読取ユニット101と画像処理ユニット103(画像処理プロセッサー204)接続するための構成部であり、画像読取ユニット101により読み取られた画像データを画像処理ユニット103へ送信するためだけの専用の入出力部であるといえる。
【0076】
また、画像データ入力制御部402は、画像処理プロセッサー204でスキャナー画像補正された画像データを入力(受信)する。入力された画像データはパラレルバス220における転送効率を高めるために、データ圧縮部403においてデータ圧縮処理をおこなう。その後、データ変換部404を経由し、パラレル・データI/F405を介してパラレルバス220へ送出される。
【0077】
パラレルバス220からパラレル・データI/F405を介して入力される画像データは、バス転送のために圧縮されているため、データ変換部404を経由してデータ伸張部406へ送られ、そこでデータ伸張処理をおこなう。伸張された画像データは画像データ出力制御部407において画像処理プロセッサー204へ転送される。
【0078】
また、画像データ制御部203は、パラレルデータとシリアルデータの変換機能も備えている。システム・コントローラー231はパラレルバス220にデータを転送し、プロセス・コントローラー211はシリアルバス210にデータを転送する。画像データ制御部203は2つのコントローラーの通信のためにデータ変換をおこなう。
【0079】
また、シリアルデータI/Fは、シリアルバス210を介してプロセス・コントローラーとのデータのやりとりをする第1シリアルデータI/F408と、画像処理プロセッサー204とのデータのやりとりに用いる第2シリアルデータI/F409を備える。画像処理プロセッサー204との間に独立に1系統持つことにより、画像処理プロセッサー204とのインターフェースを円滑化することができる。
【0080】
コマンド制御部410は、入力された命令にしたがって、上述した画像データ制御部203内の各構成部および各インターフェースの動作を制御する。
【0081】
(画像処理プロセッサー204)
つぎに、画像処理ユニット103を構成する画像処理プロセッサー204における処理の概要について説明する。図5はこの発明の実施の形態にかかる画像処理装置の画像処理プロセッサー204の処理の概要を示すブロック図である。
【0082】
図5のブロック図において、画像処理プロセッサー204は、第1入力I/F501と、スキャナー画像処理部502と、第1出力I/F503と、第2入力I/F504と、画質処理部505と、第2出力I/F506とを含む構成となっている。
【0083】
上記構成において、読み取られた画像データはセンサー・ボード・ユニット202、画像データ制御部203を介して画像処理プロセッサー204の第1入力インターフェース(I/F)501からスキャナー画像処理部502へ伝達される。
【0084】
スキャナー画像処理部502は読み取られた画像データの劣化を補正することを目的とし、具体的には、シェーディング補正、スキャナーγ補正、MTF補正等をおこなう。補正処理ではないが、拡大/縮小の変倍処理もおこなうことができる。読み取り画像データの補正処理が終了すると、第1出力インターフェース(I/F)503を介して画像データ制御部203へ画像データを転送する。
【0085】
転写紙への出力の際は、画像データ制御部203からの画像データを第2入力I/F504より受信し、画質処理部505において面積階調処理をおこなう。画質処理後の画像データは第2出力I/F506を介してビデオ・データ制御部205または画像データ制御部203へ出力される。
【0086】
画質処理部505における面積階調処理は、濃度変換処理、ディザ処理、誤差拡散処理等があり、階調情報の面積近似を主な処理とする。いったん、スキャナー画像処理部502により処理された画像データをメモリー・モジュール222に蓄積しておけば、画質処理部505により画質処理を変えることによって種々の再生画像を確認することができる。
【0087】
たとえば、再生画像の濃度を振って(変更して)みたり、ディザマトリックスの線数を変更してみたりすることにより、再生画像の雰囲気を容易に変更することができる。この際、処理を変更するごとに画像を読取ユニット201からの読み込みをやり直す必要はなく、メモリー・モジュール222から蓄積された画像データを読み出すことにより、同一画像データに対して、何度でも異なる処理を迅速に実施することができる。
【0088】
また、単体スキャナーの場合、スキャナー画像処理と階調処理を合せて実施し、画像データ制御部203へ出力する。処理内容はプログラマブルに変更することができる。処理の切り替え、処理手順の変更等はシリアルI/F508を介してコマンド制御部507において管理する。
【0089】
(画像メモリー・アクセス制御部221)
つぎに、画像メモリー制御ユニット102の一部を構成する画像メモリー・アクセス制御部221における処理の概要について説明する。図6はこの発明の実施の形態にかかる画像処理装置の画像メモリー・アクセス制御部221の処理の概要を示すブロック図である。
【0090】
図6のブロック図において、画像メモリー・アクセス制御部221は、パラレルバス220との画像データのインターフェースを管理し、また、メモリー・モジュール222への画像データのアクセス、すなわち格納(書込み)/読出しを制御し、また、主に外部のPC223から入力されるコードデータの画像データへの展開を制御する。
【0091】
そのために、画像メモリー・アクセス制御部221は、パラレルデータI/F601と、システム・コントローラーI/F602と、メモリー・アクセス制御部603と、ラインバッファー604と、ビデオ制御部605と、データ圧縮部606と、データ伸張部607と、データ変換部608と、を含む構成である。
【0092】
ここで、パラレルデータI/F601は、パラレルバス220との画像データのインターフェースを管理する。また、メモリー・アクセス制御部603は、メモリー・モジュール222への画像データのアクセス、すなわち格納(書込み)/読出しを制御する。
【0093】
また、入力されたコードデータは、ラインバッファー604において、ローカル領域でのデータの格納をおこなう。ラインバッファー604に格納されたコードデータは、システム・コントローラーI/F602を介して入力されたシステム・コントローラー231からの展開処理命令に基づき、ビデオ制御部605において画像データに展開される。
【0094】
展開された画像データもしくはパラレルデータI/F601を介してパラレルバス220から入力された画像データは、メモリー・モジュール222に格納される。この場合、データ変換部608において格納対象となる画像データを選択し、データ圧縮部606においてメモリー使用効率を上げるためにデータ圧縮をおこない、メモリー・アクセス制御部603にてメモリー・モジュール222のアドレスを管理しながらメモリー・モジュール222に画像データを格納(書込)する。
【0095】
メモリー・モジュール222に格納(蓄積)された画像データの読み出しは、メモリー・アクセス制御部603において読み出し先アドレスを制御し、読み出された画像データをデータ伸張部607において伸張する。伸張された画像データをパラレルバス220へ転送する場合、パラレルデータI/F601を介してデータ転送をおこなう。
【0096】
つぎに、この発明の実施の形態1、実施の形態2について説明する。実施の形態1にかかる画像処理装置は、画像データに基づいて作成される画像を変倍する画像変倍処理と読取時の解像度を変換する解像度変換処理とを、それぞれ図2に示したいずれかの構成に割り当てる画像処理割当手段を備えている。なお、この発明の実施の形態では、いずれも画像データ制御部203が画像処理割当手段として動作している。
【0097】
〔実施の形態1〕
実施の形態1では、画像処理プロセッサー204と、画像データ制御部203との少なくとも一つに画像変倍処理と解像度変換処理との少なくとも一つを割り当てている。
【0098】
図7は、実施の形態1の画像処理装置を説明するための模式的な図である。図示した構成は、画像データ制御部203と、画像処理プロセッサー204とを備えている。また、図7では、画像データ制御部203に画像データを入力する構成を入力手段701として示し、画像処理プロセッサー204から画像データが出力される構成を出力手段703として示す。また、図7では、説明の簡単のために画像メモリー・アクセス制御部221とメモリー・モジュール222とをあわせ、画像記憶部702として示すものとする。
【0099】
図7に示した画像データ制御部203は、副走査方向の画像変倍処理を実行する副走査任意変倍部704を備えている。また、画像処理プロセッサー204は、主走査方向の画像変倍処理を実行する主走査任意変倍部706および解像度が2倍になるように変換処理する解像度変換処理を含む画像処理部705を備えている。
【0100】
このような構成では、入力手段701から入力した画像データは、いったん画像記憶部702に保存される。そして、画像記憶部702から画像データ制御部203によって読み出され、副走査方向に任意の倍率で変倍(任意変倍)された後、画像処理プロセッサー204に入力して主走査方向に任意変倍される。また、画像処理部705で解像度が2倍になるように変換された後、再び画像データ制御部203を介して出力手段703に入力し、たとえば画像書込ユニット104に含まれる構成に出力される。
【0101】
ここで、画像変倍処理と解像度変換処理について説明する。
(画像変倍処理)
図8は、補間関数の概要を示した説明図であって、横軸には所定の位置0を基準にして定めた距離r、縦軸には各距離に該当するサンプリング関数h(r)のゲインを示したものである。実施の形態1では、アナログ信号の標本化(ディジタル化)を、サンプリング定理に基づいて連続信号に含まれる最大周波数の2倍以上の周波数で繰り返し実施する。このため、折り返し歪みが発生することがない。
【0102】
画像データに対する画像変倍処理は、標本化された信号(標本化信号)のリサンプリングによって必要なデータを補間していくことによっておこなわれる。図8に示したサンプリング関数h(r)を用いて標本化信号に畳み込み演算(周辺データとの積の総和をとる演算)をおこなうことにより、連続するアナログ信号が完全に復元することができる。この時、画像変倍処理が画像を縮小する場合にはリサンプリング点を多く設定してデータを再構成する。一方、画像を拡大する場合には、サンプリング間隔を広げることによってサンプリングデータを減じてデータを再構成する。
【0103】
ディジタル化されたデータに対して標本点rは離散値をとるが、この差違標本化点r’は整数である必要はない。ディジタル化された入力データをf(r)、リサンプリングデータをg(r)、*を畳み込み演算を表す演算記号とすると、入力データとリサンプリングデータとの関係は、以下のように表される。
g(r)=f*h(r)
【0104】
なお、図8では、サンプリング関数を1次元に示したが、二次元平面においても距離rに関するゲインは保存される。また、このようなサンプリング関数を図示した場合、三次元の立体図形となる。
【0105】
補間データの生成方法は、サンプリング関数に基づいて計算をおこなう他にも近似によるいくつかの方法がある。特にハードウェアの構成上制約がある場合には、近似式が用いられることが多い。このような近似式による画素補間方法には、最近接画素置換法、近接画素間距離線形配分法、サンプリングに関する三次元関数畳み込み演算法などがある。
【0106】
このような方法のうち、最近接画素置換法は、リサンプリング点に最も近い現入力点で処理データを置き換えるものである。また、近接画素距離線形配分法は、リサンプリング点と原画像データの隣接画素間の距離に応じて濃度レベルを配分する方法である。三次関数畳み込み方法は、三角関数を基にしたサンプリング関数を三次関数で近似し、リサンプリング位置に対する隣接画素の濃度配分の補間計算に用いるものである。このような方法はいずれも近似計算であり、画質と画像処理装置のハードウェアのトレードオフの関係に基づいて選択される。
【0107】
図9は、リサンプリングの位置と補間との関係を説明する図である。演算プロセッサーやコントローラーによる演算処理上では、ハードウェアの構成による制約がなくなる。また、計算時間に対する演算精度の補償範囲は制約されるものの、プログラマブルな画像処理プロセッサーにあっては計算精度が向上する。ただし、この発明の実施の形態では、画像データ制御部203内にある前処理回路がハードウェアによる処理を採用しているため、画像処理プロセッサー204の計算精度と画像処理装置の計算精度とが必ずしも一致するものではない。
【0108】
図9(a)は、原画像データの位置と濃度との関係を示した図であって、たとえば、位置jにおける濃度は、S[j]として表される。黒色の三角印がリサンプリング点kにおける補間データE[k]を示しており、補間データE[k]は、S[j]に対するkとの距離rに基づく重み係数h(r)を乗じ、画素相関がなくなる範囲でその総和を求めたものである。
【0109】
図9(b)は、(a)に示した関係を二次元平面に拡張して説明する図である。原画像S[i,j]が主走査方向、副走査方向に等間隔でサンプリングされていて、あるリサンプリング点の補間画素E[k,l]が黒色の三角印である場合、E[k,l]からS[i,j]までの距離rに基づき重み係数h(r)を乗じ、画素相関がなくなる平面範囲でその総和を求めたものである。
【0110】
距離rは、主走査方向と副走査方向とに分解され、主走査方向方向に関するサンプリング関数と副走査方向に関するサンプリング関数の積で表される。この積は、距離に関するベクトル情報を分割し、各軸方向に関するサンプリング関数に基づいて重み計算をおこない、その積を算出することによって求められる。画素相関が及ぶ範囲内で原画像に対する重み計算をおこない、その総和を求めれば、補間データが算出される。
【0111】
(解像度変換処理)
解像度の変換は、たとえば、まず、画像データの各画素濃度にあたる値(画素値)を求める。そして、解像度を主走査方向、副走査方向にそれぞれ2倍する場合には、この各画素を4つの画素で構成される画素マトリックスに対応させ、画素値を画素マトリックスに含まれる4つの画素の黒、または白で表現するように画素補間することで実現できる。
【0112】
以上のように実施の形態1の画像処理装置によれば、画像データ制御部203と画像処理プロセッサー204とに画像変倍処理を振り分け、それぞれにかかる負荷を軽減することができる。また、画像処理プロセッサー204には密度変換処理の機能が備わっていることから、解像度変換処理を画像処理プロセッサー204に割り当てることにより、新たに解像度変換処理のための構成を追加する必要がない。このため、この実施の形態1の画像処理装置によれば、解像度変換処理のために画像処理装置が大型化することを抑えることも可能である。
【0113】
〔実施の形態2〕
図10は、実施の形態2の画像処理装置を説明するための模式的な図である。なお、実施の形態2および以降に述べる実施の形態は、実施の形態1と同様の構成を含んでおり、実施の形態1で説明した構成と同様の構成については同様の符号を付し、説明を一部省略するものとする。
【0114】
図示した構成は、画像データ制御部203と、画像処理プロセッサー204とを備えている。そして、画像データ制御部203は、副走査任意変倍部704、主走査任意変倍部706を備え、かつ、画像処理プロセッサー204は、解像度変換処理を実行する画像処理部705を備えている。
【0115】
このような構成では、画像記憶部702に保存されている画像データが画像データ制御部203によって読み出され、主走査方向および副走査方向に任意変倍される。そして、画像処理プロセッサー204に入力して画像処理部705で解像度が2倍になるように変換された後、再び画像データ制御部203を介して出力手段703から出力される。
【0116】
以上のように実施の形態2の画像処理装置によれば、画像変倍処理がすべて画像データ制御部203で実行されるので、画像処理プロセッサー204には画像変倍処理の負荷がかかることがない。
【0117】
〔実施の形態3〕
図11は、実施の形態3の画像処理装置を説明するための模式的な図である。図示した構成は、画像データ制御部203と、画像処理プロセッサー204と、画像データが保存されるメモリーへのアクセスを一括して管理するメモリー・アクセス制御部221を含む画像記憶部702を備えている。
【0118】
画像データ制御部203は、画像変倍処理を実行する任意変倍部1102を備え、かつ、画像処理プロセッサー204が解像度変換処理を実行する画像処理部705を備えている。また、画像記憶部702が、画像データに基づいて作成される画像が回転するように処理する90゜回転部1101を備えている。なお、任意変倍部1102は、画像の一方向に画像変倍処理を施すように構成された変倍部である。
【0119】
このような構成では、画像記憶部702に保存されている画像データが画像データ制御部203によって読み出され、任意変倍部1102によって主走査方向、あるいは副走査方向に任意変倍される。そして、いったん画像記憶部702に戻されて90゜回転した後、再び画像データ制御部203の任意変倍部1102で先の変倍の方向とは異なる方向(先の任意変倍が主走査方向になされたのであれば副走査方向、先の任意変倍が副走査方向になされたのであれば主走査方向)に任意変倍される。
【0120】
そして、画像処理プロセッサー204に入力して画像処理部705で解像度が2倍になるように変換された後、再び画像データ制御部203を介して出力手段703から出力される。
【0121】
以上のように実施の形態3の画像処理装置によれば、90゜回転部1101による画像回転処理以前の画像データと画像回転処理後の画像データとに画像変倍処理し、主走査方向の画像変倍処理と副走査方向の画像変倍処理とを同一の任意変倍部1102で実行することができる。このため、画像データ制御部203に設ける変倍部を最小限にでき、画像データ制御部203の大型化を抑えることができる。
【0122】
〔実施の形態4〕
図12は、実施の形態4の画像処理装置を説明するための模式的な図である。図示した構成は、画像データ制御部203と、画像処理プロセッサー204と、画像データが保存されるメモリーへのアクセスを一括して管理するメモリー・アクセス制御部221を含む画像記憶部702を備えている。
【0123】
画像処理プロセッサー204は、画像変倍処理を実行する任意変倍部1102および解像度変換処理を実行する画像処理部705を備えている。また、画像記憶部702が、画像データに基づいて作成される画像が回転するように処理する90゜回転部1101を備えている。
【0124】
このような構成では、画像記憶部702に保存されている画像データが画像データ制御部203によって読み出され、画像処理プロセッサー204に出力される。出力された画像データは、画像処理プロセッサー204の任意変倍部1102によって主走査方向、あるいは副走査方向に任意変倍される。
【0125】
そして、いったん画像データ制御部203を介して画像記憶部702に戻され、90゜回転部1101で90゜回転した後、再び画像処理プロセッサー204の任意変倍部1102で先の変倍の方向とは異なる方向(先の任意変倍が主走査方向になされたのであれば副走査方向、先の任意変倍が副走査方向になされたのであれば主走査方向)に任意変倍される。そして、画像処理部705で解像度が2倍になるように変換された後、再び画像データ制御部203を介して出力手段703から出力される。
【0126】
以上のように実施の形態4の画像処理装置によれば、90゜回転部1101による画像回転処理以前の画像データと画像回転処理後の画像データとに画像変倍処理し、主走査方向の画像変倍処理と副走査方向の画像変倍処理とを同一の任意変倍部1102で実行することができる。このため、画像処理プロセッサー204に設ける変倍部を最小限にでき、画像処理プロセッサー204の大型化を抑えることができる。
【0127】
〔実施の形態5〕
図13は、実施の形態5の画像処理装置を説明するための模式的な図である。図示した構成は、画像データ制御部203と、画像処理プロセッサー204と、画像データが保存されるメモリーへのアクセスを一括して管理するメモリー・アクセス制御部221を含む画像記憶部702を備えている。
【0128】
ところで、画像記憶部702に含まれる画像メモリー・アクセス制御部221は、前述したように、画像編集処理をおこなうことができる。実施の形態5は、この画像編集処理で実施可能な平面領域内(メモリー上)における画像データの再配置機能を用い、画像データに画像変倍処理を施すものである。
【0129】
このような構成では、入力手段701から入力した画像データが画像記憶部702に保存される。そして、画像記憶部702において主走査副走査任意変倍部1301により主走査方向、副走査方向ともに変倍される。画像変倍処理された画像データは、画像処理プロセッサー204に入力し、画像処理部705で解像度が2倍になるように変換された後、再び画像データ制御部203を介して出力手段703から出力される。
【0130】
以上のように実施の形態5の画像処理装置によれば、画像編集処理において画像データに画像変倍処理を施すので、画像データを主走査方向、副走査方向ともに変倍することができる。このため、画像変倍処理によって画像データ制御部203、画像処理プロセッサー204に負荷がかかることをなくすことができる。
【0131】
〔実施の形態6〕
図14は、実施の形態6の画像処理装置を説明するための模式的な図である。なお、図示した構成は、画像データ制御部203と、画像処理プロセッサー204とを備えている。そして、画像データ制御部203は、副走査方向の画像変倍処理および解像度変換処理を実行する副走査任意変倍・2倍解像度変換部1401を備え、かつ、画像処理プロセッサー204が、主走査方向の画像変倍処理および解像度変換処理を実行する主走査任意変倍・2倍解像度変換部1402を備えている。また、画像処理プロセッサー204は、さらに、主走査方向、副走査方向の解像度変換処理を実行する機能を含まない画像処理部1403を備えている。
【0132】
このような構成では、画像記憶部702に保存されている画像データが画像データ制御部203によって読み出され、画像データ制御部203において副走査任意変倍・2倍解像度変換部1401によって副走査方向に画像変倍処理、解像度変換処理される。
【0133】
さらに、副走査方向に変倍、解像度変換された画像データは、画像処理プロセッサー204に入力し、主走査任意変倍・2倍解像度変換部1402において主走査方向に画像変倍処理、解像度変換処理される。以上の処理の後、副走査方向、主走査方向に画像変倍処理、解像度変換処理された画像データは、画像データ制御部203を介し、出力手段703から出力される。
【0134】
以上のように実施の形態6の画像処理装置によれば、画像変倍処理と解像度変換処理とをそれぞれ主走査方向、副走査方向ごとに同一の構成で実行できる。このため、解像度変換処理を実行するために専用の構成が不要になり、画像変倍処理、解像度変換処理のための構成を設けたことによる画像処理装置の大型化を抑えることができる。
【0135】
〔実施の形態7〕
図15は、実施の形態7の画像処理装置を説明するための模式的な図である。図示した構成は、画像データ制御部203と、画像処理プロセッサー204とを備えている。そして、画像データ制御部203は、副走査方向の画像変倍処理を実行する副走査任意変倍部704と、副走査方向の解像度変換処理を実行する副走査2倍解像度変換部1501とを備え、かつ、画像処理プロセッサー204が、主走査方向の画像変倍処理を実行する主走査任意変倍部706と、主走査方向の解像度変換処理を実行する主走査2倍解像度変換部1503、主走査方向、副走査方向の解像度変換処理を実行する機能を含まない画像処理部1403を備えている。
【0136】
このような構成では、画像記憶部702に保存されている画像データが画像データ制御部203によって読み出され、画像データ制御部203において、まず副走査2倍解像度変換部1501で解像度変換処理される。そして、この後、画像データ制御部203において副走査任意変倍部704により副走査方向に任意変倍されて画像処理プロセッサー204に出力される。
【0137】
画像処理プロセッサー204に出力された画像データは、ここで主走査2倍解像度変換部1503によって主走査方向に解像度変換処理され、さらに主走査任意変倍部706によって主走査方向に画像変倍処理される。そして、画像処理部1403で解像度変換以外の処理を施され、画像データ制御部203を介し、出力手段703から出力される。
【0138】
以上のように実施の形態7の画像処理装置によれば、解像度を2倍に変換した後に画像変倍処理をおこなうことができる。このため、解像度変換処理上の制約、たとえば、画像変倍時に画像データが大幅に増量するような変倍率を選択すると、後の解像度変換手段の処理時間が長くなるといったことを考慮することなく、最適な変倍率に画像を変倍することができる。また、画像変倍処理において拡大変倍される以前の画像データに対して解像度変換処理を実行でき、比較的少ないデータ量の処理で高品質の画像を得ることができる。
【0139】
また、このように実施の形態7は、画像が縮小されるように画像変倍処理をおこなう場合、特別な解像度変換のための構成が不要になり、ハードウェアの構成を小型化することができる。また、画像データ制御部203と画像処理プロセッサー204との間で転送される画像データ量を抑えることができるという効果を得ることができる。
【0140】
〔実施の形態8〕
図16は、実施の形態8の画像処理装置を説明するための模式的な図である。図示した構成は、画像データ制御部203と、画像処理プロセッサー204とを備えている。画像データ制御部203は、画像変倍処理の変倍率が50%未満である場合、この変倍率の2倍の変倍率で副走査方向に画像変倍処理を実行する副走査任意変倍部1601を備え、かつ、画像処理プロセッサー204は、画像変倍処理の変倍率が50%未満である場合、この変倍率の2倍の変倍率で主走査方向に画像変倍処理を実行する主走査任意変倍部1602を備えている。さらに、画像処理プロセッサー204は、主走査方向、副走査方向の解像度変換処理を実行する機能を含まない画像処理部1403を備えている。
【0141】
このような構成では、画像記憶部702に保存されている画像データが画像データ制御部203によって読み出され、画像データ制御部203において副走査任意変倍部1601により画像変倍処理される。この際、副走査任意変倍部1601は、たとえば変倍率が45%に設定されていた場合、入力した画像データを90%に変倍して画像処理プロセッサー204に出力する。
【0142】
画像処理プロセッサー204では、主走査任意変倍部1602が副走査方向任意変倍部1601と同様に、入力した画像データを90%に変倍して画像処理部1403に出力する。画像処理部1403は、この画像データに解像度変換以外の処理を施し、画像データ制御部203を介して出力手段703から出力する。
【0143】
以上のように実施の形態8の画像処理装置によれば、変倍率が50%以下の変倍にあたり、解像度変換処理をおこなうことなく解像度を2倍にする解像度変換処理を実行したのと同様の効果を得ることができる。このため、解像度変換処理にかかる画像データ制御部203、画像処理プロセッサー204にかかる負荷を軽減することができる。
【0144】
なお、この発明は、以上述べた実施の形態に限定されるものではない。すなわち、この発明では、以上述べた各実施の形態の構成を一つだけ備えるように画像処理装置を構成してもよいし、また、複数の実施の形態で述べた構成をあわせ持つように構成してもよい。
【0145】
また、この発明の画像処理装置では、設計の時点で画像処理時間および画像品質の観点から最適なタイミングで画像変倍処理、解像度変換処理が実行できるように以上述べた実施の形態のいずれかの構成を選択してもよい。また、複数の実施の形態で述べた構成をあわせ持つように画像処理を構成し、画像処理時間および画像品質の観点から最適なタイミングで画像変倍処理、解像度変換処理が実行できるように、たとえば画像データ制御部203による画像データ転送を制御するようにしてもよい。
【0146】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、画像変倍処理および解像度変換処理を一連の画像処理の過程で画像処理時間および画像品質の観点から最適なタイミングで実行し、システム全体として最適な制御が可能な画像処理装置が得られるという効果を奏する。
【0147】
また、この発明によれば、画像処理装置が備える既存の構成を用いて画像変倍処理、解像度変換処理を実行しやすくなり、画像処理装置のハードウェア追加量を抑えることができる。このため、画像変倍処理、解像度変換処理の機能を設けることによる画像処理装置の大型化、高コスト化を回避することが可能な画像処理装置が得られるという効果を奏する。
【0148】
また、この発明によれば、画像変倍処理にかかる画像データ管理手段、演算処理手段の負荷をそれぞれ軽減し、画像データ管理手段、演算処理手段の資源をより有効に活用することができる。また、画像データ管理手段、演算処理手段間の間の画像データ転送量をも抑え、画像処理装置の処理時間を短縮することができる。さらに、既存の構成を用いて解像度を変換することができ、解像度変換処理機能を備えたことによる画像処理装置の大型化、高コスト化を抑えることが可能な画像処理装置が得られるという効果を奏する。
【0149】
また、この発明によれば、画像変倍処理にかかる演算処理手段の負荷を軽減することができ、演算処理手段の資源をより有効に活用できる。さらに、既存の構成を用いて解像度を変換することができ、解像度変換処理機能を備えたことによる画像処理装置の大型化、高コスト化を抑えることが可能な画像処理装置が得られるという効果を奏する。
【0150】
また、この発明によれば、画像変倍処理にかかる演算処理手段の負荷を軽減することができ、演算処理手段の資源をより有効に活用できる。さらに、画像データ管理手段においてなされる主走査方向の画像変倍処理と副走査方向の画像変倍処理とを同一の構成で実行でき、画像変倍処理のための画像データ管理手段の大型化、高コスト化を抑えることが可能な画像処理装置が得られるという効果を奏する。
【0151】
また、この発明によれば、画像変倍処理にかかる画像データ制御手段の負荷を軽減することができ、画像データ制御手段の資源をより有効に活用できる。さらに、演算処理手段においてなされる主走査方向の画像変倍処理と副走査方向の画像変倍処理とを同一の構成で実行でき、画像変倍処理のための演算処理手段の大型化、高コスト化を抑えることが可能な画像処理装置が得られるという効果を奏する。
【0152】
また、この発明によれば、メモリー・アクセス手段における一つの構成で画像データを主走査方向、副走査方向に画像変倍処理することができる。このため、画像変倍処理にかかる画像データ制御手段、演算処理手段の負荷を軽減することができ、画像データ制御手段、演算処理手段の資源をより有効に活用できる。さらに、主走査方向の画像変倍処理と副走査方向の画像変倍処理とを同一の構成で実行でき、画像変倍処理のための画像処理装置の大型化、高コスト化を抑えることが可能な画像処理装置が得られるという効果を奏する。
【0153】
また、この発明によれば、画像データ管理手段、演算処理手段が既存の構成を用いて画像変倍の処理を実行することができる上、解像度変換処理のための専用の構成を設ける必要がなくなる。このため、画像変倍処理のための画像処理装置の大型化、高コスト化をいっそう効果的に抑えることが可能な画像処理装置が得られるという効果を奏する。
【0154】
また、この発明によれば、最適な変倍率で画像変倍処理が実行でき、形成される画像の品質を高めることができる。また、画像を縮小するように画像変倍処理をおこなう場合には、画像処理装置の処理時間を短縮することが可能な画像処理装置が得られるという効果を奏する。
【0155】
また、この発明によれば、画像データ管理手段、演算処理手段のいずれもが既存の構成によって画像変倍処理、解像度変換処理を実行することができる。さらに、解像度を変倍するために専用の構成を設ける必要がなく画像処理装置の大型化、高コスト化をいっそう効果的に抑えることが可能な画像処理装置が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態にかかる画像処理装置の構成を機能的に示すブロック図である。
【図2】 実施の形態に共通の画像処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】 実施の形態に共通の画像処理装置の読み取りユニットを説明するための図である。
【図4】 実施の形態に共通の画像処理装置の画像データ制御部の処理の概要を示すブロック図である。
【図5】 実施の形態に共通の画像処理装置の画像処理プロセッサーの処理の概要を示すブロック図である。
【図6】 実施の形態に共通の画像処理装置の画像メモリー・アクセス制御部の処理の概要を示すブロック図である。
【図7】 実施の形態1にかかる画像処理装置の構成を示した説明図である。
【図8】 一般的な画像変倍処理を説明する説明図である。
【図9】 一般的な画像変倍処理を説明する他の説明図である。
【図10】 実施の形態2にかかる画像処理装置の構成を示した説明図である。
【図11】 実施の形態3にかかる画像処理装置の構成を示した説明図である。
【図12】 実施の形態4にかかる画像処理装置の構成を示した説明図である。
【図13】 実施の形態5にかかる画像処理装置の構成を示した説明図である。
【図14】 実施の形態6にかかる画像処理装置の構成を示した説明図である。
【図15】 実施の形態7にかかる画像処理装置の構成を示した説明図である。
【図16】 実施の形態8にかかる画像処理装置の構成を示した説明図である。
【符号の説明】
100 画像データ制御ユニット
101 画像読取ユニット
102 画像メモリー制御ユニット
103 画像処理ユニット
104 画像書込ユニット
201 読取ユニット
202 センサー・ボード・ユニット
203 画像データ制御部
204 画像処理プロセッサー
205 ビデオ・データ制御部
206 作像ユニット
210 シリアルバス
211 プロセス・コントローラー
220 パラレルバス
221 画像メモリー・アクセス制御部
222 メモリー・モジュール
224 ファクシミリ制御ユニット
231 システム・コントローラー
234 操作パネル
301 ドキュメントフィード部(ドキュメントフィーダー)
302 読取部
302a 光源
302b ミラー
304 原稿押さえ部
401 画像データ入出力制御部
402 画像データ入力制御部
403 データ圧縮部
404 データ変換部
406 データ伸張部
407 画像データ出力制御部
410 コマンド制御部
502 スキャナー画像処理部
505 画質処理部
507 コマンド制御部
603 メモリー・アクセス制御部
604 ラインバッファー
605 ビデオ制御部
606 データ圧縮部
607 データ伸張部
608 データ変換部
701 入力手段
702 画像記憶部
703 出力手段
704,1601 副走査任意変倍部
705,1403 画像処理部
706,1602 主走査任意変倍部
1101 90゜回転部
1102 任意変倍部
1301 主走査副走査任意変倍部
1401 副走査任意変倍・2倍解像度変換部
1402 主走査任意変倍・2倍解像度変換部
1501 副走査2倍解像度変換部
1503 主走査2倍解像度変換部

Claims (9)

  1. シートスルー・ドキュメントフィーダーで原稿を読み取って画像データを作成するとともに、前記画像データに基づいて作成された画像を出力する一連の処理である画像処理をそれぞれ独立に構成された複数の画像処理手段で実行する画像処理装置であって、
    画像データに基づいて作成される画像を変倍する画像変倍処理と、画像データの解像度を変換する解像度変換処理とを、それぞれ前記画像処理手段のいずれかに割り当てる画像処理割当手段を備え
    前記複数の画像処理手段は、
    前記画像データを顕像として出力するための演算処理をおこなうプログラマブルな演算処理手段と、
    前記演算処理手段に入出力する画像データのデータバスと演算処理手段とのインターフェースを一括して管理する画像データ管理手段と、
    を備え、
    前記画像処理割当手段は、前記演算処理手段、前記画像データ管理手段のうちの少なくとも一つに前記画像変倍処理と前記解像度変換処理との少なくとも一つを割り当てることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記画像データ管理手段は、副走査方向の前記画像変倍処理を実行する副走査方向画像変倍処理手段を備え、かつ、前記演算処理手段は、主走査方向の前記画像変倍処理を実行する主走査方向画像変倍処理手段および解像度変換処理を実行する解像度変換処理手段とを備えることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  3. 前記画像データ管理手段は、前記画像変倍処理を実行する画像変倍処理手段を備え、かつ、前記演算処理手段は、前記解像度変換処理を実行する解像度変換処理手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. さらに画像データが保存されるメモリーへのアクセスを一括して管理するメモリー・アクセス手段を備え、
    前記画像データ管理手段が前記画像変倍処理を実行する画像変倍処理手段を備え、かつ、前記演算処理手段が前記解像度変換処理を実行する解像度変換処理手段を備えるとともに、前記メモリー・アクセス手段が画像データに基づいて作成される画像が回転するように処理する画像回転処理手段を備え、
    前記画像変倍処理手段は、前記回転処理手段による画像回転処理以前の画像データと画像回転処理後の画像データとに画像変倍処理を施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  5. さらに画像データが保存されるメモリーへのアクセスを一括して管理するメモリー・アクセス手段を備え、
    前記画像データ管理手段が前記解像度変換処理を実行する解像度変換処理手段を備え、かつ、前記演算処理手段が前記画像変倍処理を実行する画像変倍処理手段を備えるとともに、前記メモリー・アクセス手段が画像データに基づいて作成される画像が回転するように処理する画像回転処理手段を備え、
    前記画像変倍処理手段は、前記回転処理手段による画像回転処理以前の画像データと画像回転処理後の画像データとに画像変倍処理を施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  6. さらに画像データが保存されるメモリーへのアクセスを一括して管理するメモリー・アクセス手段を備え、
    前記メモリー・アクセス手段が画像データを平面領域内で再配置する再配置手段を備え、前記再配置手段によって前記画像データを画像変倍処理し、かつ、前記演算処理手段が前記解像度変換処理を実行する解像度変換処理手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  7. 前記画像データ管理手段が副走査方向の前記画像変倍処理および副走査方向の前記解像度変換処理を実行する副走査方向変倍手段を備え、かつ、前記演算処理手段が主走査方向の前記画像変倍処理および主走査方向の前記解像度変換処理を実行する主走査方向変倍手段を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  8. 前記画像データ管理手段が、副走査方向の前記画像変倍処理を実行する副走査方向画像変倍手段と、主走査方向の前記解像度変換処理を実行する副走査方向解像度変換手段とを備え、かつ、前記演算処理手段が、主走査方向の前記画像変倍処理を実行する主走査方向画像変倍手段と、主走査方向の前記解像度変換処理を実行する主走査方向解像度変換手段とを備え、画像が縮小されるように画像データを画像変倍処理することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  9. 前記画像データ管理手段は、前記画像変倍処理の変倍率が50%未満である場合、前記変倍率の2倍の変倍率で副走査方向の前記画像変倍処理を実行する副走査方向2倍変倍を備え、かつ、前記演算処理手段は、前記画像変倍処理の変倍率が50%未満である場合、前記変倍率の2倍の変倍率で主走査方向に前記画像変倍処理を実行する主走査方向2倍変倍手段を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の画像処理装置。
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