JP2004112692A - 画像処理装置 - Google Patents

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樗木 杉高
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Abstract

【課題】原稿画像の読み取り処理、およびこの読み取った原稿画像を利用した変倍等の複数の異なる転写出力処理を効率的に行えること。
【解決手段】読み取りユニット1で読み込まれた原稿の画像データは、センサーボードユニット2〜画像処理プロセッサー5〜画像データ制御部3〜パラレルバス4〜画像メモリーアクセス制御部8〜コントローラー側のメモリーモジュール9に格納される。転写出力時、メモリーモジュール9〜画像メモリーアクセス制御部8〜パラレルバス4〜画像データ制御部3に取り込みデータ伸張,変倍処理され、画像処理プロセッサー5で転写用の画像処理を施し再び画像データ制御部3に戻され、エンジン側のメモリーモジュール18に格納される。画像データ制御部3はビデオデータ制御部11〜作像ユニット12に画像データを送り転写画像を得る。
【選択図】   図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタル画像データに対する画像処理を行う、より詳しくは、複写機、ファクシミリ、プリンター、スキャナーなどの機能を複合したディジタル複合機において、ディジタル画像データに対する画像処理、特に、原稿の読み取りと複数サイズの転写出力の利便性を向上させた画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像処理装置としてディジタル画像データを転写紙に画像として再生する装置、特に、スキャナーから画像を読み込んで転写紙に画像を再生する装置に関するものとして、本出願人は先に下記特許文献1に記載の「画像処理装置」を出願している。この装置について説明する。
【0003】
図10は、従来の画像処理装置のシステム構成を示すブロック図である。図にはディジタル複合機(MFP)の構成が記載されている。原稿を光学的に読み取る読み取りユニット1は、原稿に対するランプ照射の反射光をミラーおよびレンズにより受光素子に集光する。受光素子(例えばCCD)は、センサーボードユニット2に搭載され、CCDにおいて電気信号に変換された画像データは、ディジタル信号に変換された後、センサーボードユニット2から出力される。
【0004】
センサーボードユニット2から出力される画像データは、画像データ制御部3に入力される。機能デバイスおよびデータバス間における画像データの伝送は、画像データ制御部3が全て制御する。画像データ制御部3は、画像データに関しセンサーボードユニット2,パラレルバス4,画像処理プロセッサー5間のデータ転送と、全体制御を司るシステムコントローラー6と、画像データに対するプロセスコントローラー7間の通信を行う。
【0005】
センサーボードユニット2からの画像データは、画像データ制御部3を経由して画像処理プロセッサー5に転送され、光学系およびディジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナー系の信号劣化)を補正し、再度画像データ制御部3へ出力される。
【0006】
画像処理プロセッサー5から画像データ制御部3へ転送されたデータは、画像データ制御部3からパラレルバス4を経由して画像メモリーアクセス制御部8に送られる。ここではシステムコントローラー6の制御に基づき、画像データとメモリーモジュール9のアクセス制御、外部PC(パソコン)10のプリント用データの展開、メモリー有効活用のための画像データの圧縮/伸張を行う。
【0007】
画像メモリーアクセス制御部8へ送られたデータは、データ圧縮後にメモリーモジュール9へ蓄積され、蓄積データを必要に応じて読み出す。読み出しデータは伸張して本来の画像データに戻され、画像メモリーアクセス制御部8からパラレルバス4経由で画像データ制御部3へ戻される。
【0008】
画像データ制御部3から画像処理プロセッサー5への転送後は、画質処理およびビデオデータ制御部11でのパルス制御を行い、作像ユニット12において転写紙上に再生画像を形成する。画像データの流れにおいて、パラレルバス4および画像データ制御部3でのバス制御により、MFPの機能を実現する。
【0009】
FAX送信機能は、読み取った画像データに対し画像処理プロセッサー5にて画像処理を実施し、画像データ制御部3およびパラレルバス4を経由してファクシミリ制御ユニット13へ転送する。ファクシミリ制御ユニット13にて通信網へのデータ変換を行い、公衆回線14へFAXデータとして送信する。
【0010】
FAX受信は、公衆回線14からの回線データをファクシミリ制御ユニット13にて画像データへ変換し、パラレルバス4および画像データ制御部3を経由して画像処理プロセッサー5へ転送される。この場合、特別な画質処理は行わず、ビデオデータ制御部11においてドット再配置およびパルス制御を行い、作像ユニット12において転写紙上に再生画像を形成する。
【0011】
そして、複数ジョブ、例えばコピー機能,FAX送受信機能,プリンター出力機能が並行に動作する状況において、読み取りユニット1,作像ユニット12およびパラレルバス4使用権のジョブへの割り振りをシステムコントローラー6およびプロセスコントローラー7にて制御する。プロセスコントローラー7は画像データの流れを制御し、システムコントローラー6はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。MFPの機能選択は、操作パネル15にて選択入力し、コピー機能、FAX機能等の処理内容を設定する。
【0012】
システムコントローラー6とプロセスコントローラー7は、パラレルバス4,画像データ制御部3およびシリアルバス16を介して相互に通信を行う。画像データ制御部3内においてパラレルバス4とシリアルバス16とのデータインターフェースのためのデータフォーマット変換を行う。
【0013】
図11は、画像処理プロセッサー5の構成を示すブロック図である。読み取り画像は、センサーボードユニット2,画像データ制御部3を介して画像処理プロセッサー5の入力I/F21からスキャナー画像処理部22へ伝達される。スキャナー画像処理部22は、読み取り画像データの劣化補正を目的として、シェーディング補正,スキャナーγ補正,MTF補正等を行う。補正処理ではないが、拡大/縮小の変倍処理も行う。読み取り画像データの補正処理終了後には、出力I/F23を介して画像データ制御部3へ画像データを転送する。
【0014】
転写紙への出力は、画像データ制御部3からの画像データを入力I/F24より受け、画質処理部25において面積階調処理を行う。画質処理後のデータは出力I/F26を介してビデオデータ制御部11へ出力される。面積階調処理は、濃度変換,ディザ処理,誤差拡散処理等があり、階調情報の面積近似を主な処理とする。一旦、スキャナー画像処理された画像データをメモリーに蓄積しておけば、画質処理を変えることによって種々の再生画像を確認することができる。
【0015】
例えば、再生画像の濃度を振ってみたり、ディザマトリクスの線数を変更してみることにより、再生画像の雰囲気を変更できる。この際、処理を変更するたびに画像を読み取りユニット1から読み込み直す必要はなく、メモリーモジュール9から格納画像を読み出せば同一データに対し、何度でも異なる処理を実施できる。
【0016】
また、単体スキャナーの場合、スキャナー画像処理と階調処理を合せて実施し、画像データ制御部3へ出力する。処理内容はプログラマブルに変更可能である。処理の切り替え、処理手順の変更等はコマンド制御部27において管理する。
【0017】
図12は、画像データ制御部3の構成を示すブロック図である。画像データ入出力制御部31は、センサーボードユニット2からの画像データを入力し、画像処理プロセッサー5に対してデータを出力する。画像データ入力制御部32には、画像処理プロセッサー5でスキャナー画像補正されたデータが入力される。入力データは、パラレルバス4での転送効率を高めるためにデータ圧縮部33においてデータ圧縮され、パラレルデータI/F34を介してパラレルバス4へ送出される。
【0018】
パラレルデータバスからパラレルデータI/F34を介して入力される画像データは、バス転送のために圧縮されており、データ伸張部35で伸張される。伸張された画像データは、画像データ出力制御部36において画像処理プロセッサー5へ転送される。
【0019】
また、シリアルデータI/F38を有し、パラレルデータとシリアルデータの変換機能を併せ持つ。システムコントローラー6はパラレルバス4にデータを転送し、プロセスコントローラー7はシリアルバス16にデータを転送する。2つのコントローラーの通信のためにデータ変換部37はデータ変換を行う。シリアルデータI/F39は、画像処理プロセッサー5用に備えた他の系統であり、画像処理プロセッサー5ともI/F可能である。処理の切り替え、処理手順の変更等はコマンド制御部40において管理する。
【0020】
図13は、ビデオデータ制御部11の構成を示すブロック図である。入力される画像データに対し作像ユニット12の特性に応じて追加の処理を行う。例えば、エッジ平滑処理部41でのエッジ平滑処理によるドットの再配置処理や、パルス制御部42でのドット形成のための画像データのパルス制御を行い、画像データは作像ユニット12を対象として出力される。画像データの変換とは別に、パラレルデータI/F43とシリアルデータI/F44およびデータ変換部45を有し、パラレルデータとシリアルデータのフォーマット変換機能を有し、ビデオデータ制御部11単体でもシステムコントローラー6とプロセスコントローラー7の通信に対応できる。
【0021】
図14は、画像メモリーアクセス制御部8の構成を示すブロック図である。パラレルデータI/F部51は、パラレルバス4との画像データのインターフェースを管理する。構成的にはメモリーモジュール9への画像データの格納/読み出しと、主に外部のPC10から入力されるコードデータの画像データへの展開を制御する。入力されたコードデータは、ラインバッファー52においてローカル領域でのデータの格納を行う。ラインバッファー52に格納されたコードデータは、システムコントローラーI/F53を介して入力されたシステムコントローラー6からの展開処理命令に基づき、ビデオ制御部54において画像データに展開される。
【0022】
展開された画像データ、もしくはパラレルデータI/F51を介してパラレルバス4から入力された画像データは、メモリーモジュール9に格納される。この場合、データ変換部55において格納対象となる画像データを選択し、データ圧縮部56においてメモリー使用効率を上げるためにデータ圧縮を行い、メモリーアクセス制御部57にてメモリーモジュール9のアドレスを管理しながらメモリーモジュール9に画像データを格納する。
【0023】
メモリーモジュール9に格納された画像データの読み出しは、メモリーアクセス制御部57にて読み出し先アドレスを制御し、読み出された画像データをデータ伸張部58にて伸張する。伸張された画像データをパラレルバス4へ転送する場合、パラレルデータI/F51を介してデータ転送を行う。
【0024】
図15は、ファクシミリ制御ユニット13の構成を示すブロック図である。ファクシミリ制御ユニット13は、画像データを通信形式に変換して外部の通信回線に送信し、また、外部からのデータを画像データに戻して外部I/F部61およびパラレルバス4を介して作像ユニット12から記録出力する。このファクシミリ制御ユニット13は、FAX画像処理部62,画像メモリー63,メモリー制御部64,ファクシミリ制御部65,画像圧縮伸張部66,モデム67および網制御装置68を有している。
【0025】
そして、FAX画像処理に関し、受信画像に対する二値スムージング処理は、ビデオデータ制御部11のエッジ平滑処理部41において行う。また、画像のメモリー機能、特に出力バッファー機能に関しては、画像メモリーアクセス制御部8およびメモリーモジュール9がその機能の一部を実行する。
【0026】
このように構成されたファクシミリ制御ユニット13では、画像情報の伝送を開始するとき、ファクシミリ制御部65がメモリー制御部64に指令し、画像メモリー63から蓄積している画像情報を順次読み出させる。読み出された画像情報は、FAX画像処理部62によって元の信号に復元されるとともに、密度変換処理および変倍処理がなされ、ファクシミリ制御部65に加えられる。ファクシミリ制御部65に加えられた画像データは、画像圧縮伸張部66によって符号圧縮化され、モデム67によって変調された後、網制御装置68から通信回線を介して宛先へ送出される。そして、送信が完了した画像情報は、画像メモリー63から削除される。
【0027】
受信時には、受信画像は一旦画像メモリー63に蓄積され、そのときに受信画像を記録出力可能であれば、1枚分の画像の受信を完了した時点で記録出力される。また、複写動作時に発呼されて受信を開始したときは、画像メモリー63の使用率が所定値、例えば80%に達するまでは画像メモリー63に蓄積し、画像メモリー63の使用率が80%に達した場合には、そのときに実行している書き込み動作を強制的に中断し、受信画像を画像メモリー63から読み出し記録出力させる。
【0028】
このとき、画像メモリー63から読み出した受信画像は、画像メモリー63から削除し、画像メモリー63の使用率が所定値、例えば10%まで低下した時点で中断していた書き込み動作を再開させ、その書き込み動作を全て終了した時点で、残りの受信画像を記録出力させている。また、書き込み動作を中断した後に、再開できるように中断時に於ける書き込み動作のための各種パラメータを内部的に退避させ、再開時に、パラメータを内部的に復帰させる。
【0029】
図16は、スキャナー原稿を拡大あるいは縮小して転写画像を得る場合の画像パス(流れ)を示す図である。装置構成は図10と同様である。コピー実行時には、前述したように、読み取りユニット1にて読み取られた画像データは、センサーボードユニット2,画像データ制御部3,画像処理プロセッサー5,画像データ制御部3と転送され、画像データ制御部3からパラレルバス4および画像メモリーアクセス制御部8を介してメモリーモジュール9に蓄積される。
【0030】
この後、画像データはメモリーモジュール9から画像メモリーアクセス制御部8およびパラレルバス4を介して画像データ制御部3に送られ、画像処理プロセッサー5,ビデオデータ制御部11,作像ユニット12に送られ転写画像を得る。
【0031】
この場合の拡大あるいは縮小の変倍処理は、画像処理プロセッサー5(図11参照)のスキャナー画像処理部22で行われる。図17は、原稿と転写画像(プロット)のサイズを示す図である。図17に示すように、原稿画像(a)がA4サイズ(210mm×297mm)であり、転写画像として(c)A4サイズ,(d)A5サイズ(148mm×210mm)、および(e)A3サイズ(297mm×420mm)の転写画像を得たい場合について説明する。
【0032】
図18は、上記画像パスをスキャンとプロットについて示した流れ図である。図18に示すデータ転送パスのスキャン▲1▼では変倍処理なし(100%)で原稿を読み取り、図17(c)に示す等倍(100%)の転写画像を得る。次に、スキャン▲2▼にて原稿画像を読み取り画像処理プロセッサー5にて71%の縮小変倍を行い、これを一旦メモリーモジュール9に格納後に読み出し、図17(d)に示すA5サイズの転写画像を得る。
【0033】
さらに、スキャン▲3▼で再び原稿画像を読み取り、画像処理プロセッサー5にて今度は141%の拡大変倍を行い、これを一旦コントローラー側のメモリーに格納後に読み出し、図17(e)に示すA3サイズの転写画像を得ることになる。
【0034】
次に、他の構成による画像処理装置について説明する。図19に示す画像処理装置は、図10の構成を一部変更したものであり、コントローラー側のメモリーモジュール9の他に、エンジン側のメモリーモジュール17を備えている。
【0035】
図には、原稿サイズがA4サイズのときに、転写画像としてA4サイズ,A5サイズ,A3サイズを得る場合の画像パスが示されている。図19において、読み取りユニット1にて読まれた原稿画像データは、センサーボードユニット2,画像データ制御部3へと渡り、ここで一旦エンジン側メモリーモジュール17に格納される。
【0036】
その後、メモリーモジュール17から原稿画像データが読み出され、画像データ制御部3,画像処理プロセッサー5,画像データ制御部3と転送され、パラレルバス4を介して画像メモリーアクセス制御部8に渡り、コントローラー側のメモリーモジュール9に格納される。
【0037】
このときの変倍処理は、画像処理プロセッサー5内で実行される。その後、画像メモリーアクセス制御部8は、コントローラー側のメモリーモジュール9から変倍処理後の画像データを読み出し、パラレルバス4,画像データ制御部3,画像処理プロセッサー5,ビデオデータ制御部11へと転送され、作像ユニット12にて転写画像が得られることになる。
【0038】
図20は、上記画像パスをスキャンとプロットについて示した流れ図である。原稿画像がA4サイズで転写画像として、A4サイズ,A5サイズ,A3サイズの転写画像を得る場合の様子が示されている。図19に示すシステム構成の場合、エンジン側にスキャナー画像を一旦格納するメモリーモジュール17が設けられているため、スキャンは1回のみでよく、その後、▲1▼エンジン側のメモリーモジュール17から画像を読み出し、最初は変倍なし(100%)でコントローラー側のメモリーモジュール9に格納し、その後、メモリーモジュール9から画像データを読み出し、A4サイズの転写画像を得る。
【0039】
次に、エンジン側のメモリーモジュール17から再度、▲2▼原稿画像データを読み出し、画像処理プロセッサー5にて71%の縮小処理を行い、A5サイズの画像データにしてからコントローラー側のメモリーモジュール9に格納した後に読み出し、プロットすることでA5サイズに縮小した転写画像を得る。
【0040】
さらに、エンジン側メモリーモジュール17から再度、▲3▼原稿画像データを読み出し、画像処理プロセッサー5にて今度は141%の拡大処理を行い、A3サイズの画像データにしてからコントローラー側のメモリーモジュール9に格納した後に読み出し、プロットすることで所望のA4サイズをA3サイズに拡大した転写画像を得ることになる。
【0041】
【特許文献1】
特開2000−316063号公報
【0042】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された画像処理装置においては、変倍率が異なるたびに原稿画像を読み出し、拡大あるいは縮小の変倍処理が必要となり、原稿読み込みの手間がかかり、煩雑となる問題が生じた。
【0043】
また、他の構成の画像処理装置の場合において、例えばA4からA3に拡大した転写画像が複数枚ほしい場合、常に読み取りユニット1(エンジン側)からコントローラー側のメモリーモジュール9に対する画像パスが使用されることになるため、この期間、次の新たな原稿画像データを読み取ることができず、生産性が低下することになる。
【0044】
ここで、上記問題を解決するために、コントローラー側から作像ユニット12に対する画像パス上で変倍を行うことが考えられる。例えば、画像データ制御部3内に変倍機能を持たせれる構成が考えられる。
【0045】
図21は、画像データ制御部3内で作像ユニット12への画像パス上に変倍機能を設けた構成例を示すブロック図である。図示の例は、図12に記載の構成におけるデータ伸張部35と画像データ出力制御部36の間に変倍ブロック部69を配置したものである。このような構成の場合には、以下の問題が生じる。
【0046】
図22は、原稿と転写画像(プロット)のサイズを示す図である。図22に示すように、転写紙サイズがA4サイズで、変倍前の原稿サイズがA4サイズ,A5サイズ,A3サイズ,A2サイズの場合を考える。図19において、コントローラー側のメモリーモジュール9から各サイズ(A4〜A2)の原稿データを画像メモリーアクセス制御部8,パラレルバス4を介して転送し、画像データ制御部3内で縮小あるいは拡大の変倍処理を行う。この際、転写紙サイズはA4であるが、パラレルバス4上で転送される画像サイズはA5〜A2サイズとなる。
【0047】
したがって、転写紙A4のプロット時間内にA5〜A2サイズの原稿をそれぞれパラレルバス4を介して転送する必要が生じ、当然、画像サイズが大きいとき、例えばA2サイズではA4サイズの面積の4倍の大きさとなり、これらの大きな画像サイズのデータを転送するために高速なパラレルバス4が必要となりコストがかかることになる。なお、この高速なパラレルバス4が実現できなければ図21に示した構成による変倍機能は構築できない。
【0048】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、原稿画像の読み取り処理、およびこの読み取った原稿画像を利用した変倍等の複数の異なる転写出力処理を効率的に行える画像処理装置を提供することを目的とする。
【0049】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる画像処理装置は、読み取った原稿の画像データをディジタル変換された画像データに変換して第1のメモリーに蓄積する画像パスと、転写出力時に前記第1のメモリーから画像データを読み出して転写画像の出力に必要な画像処理を施し作像手段に出力する画像パスとを備えた画像処理装置において、前記第1のメモリーから画像データを読み出し転写画像として出力可能な画像データに処理する画像処理手段と、前記画像処理手段が前記第1のメモリーから読み出した画像データを一時格納する第2のメモリーとを備えたことを特徴とする。
【0050】
この請求項1の発明によれば、転写出力時のプロット速度に間に合うように第2のメモリーモジュールからの読み出しスピードを変更できるため、プロット速度が間に合わず異常画像が発生することを防止できるようになる。また、第1のメモリーと第2のメモリーとの間のデータ転送速度はプロット速度に影響を受けず高速転送が不要で高価なバスの準備が不要となる。
【0051】
また、請求項2の発明にかかる画像処理装置は、請求項1に記載の発明において、前記画像処理手段は、前記第1のメモリーから読み出した画像データに対して拡大あるいは縮小の変倍処理、および前記転写画像として出力可能な画像処理を施した画像データを前記第2のメモリーに格納することを特徴とする。
【0052】
この請求項2の発明によれば、変倍、特に縮小を行う場合でも第1のメモリーから第2のメモリーに転送する際に高速なバスを不要にでき、かつ転写出力時のプロット速度に間に合うように第1のメモリーからの読み出しスピードを変更でき、プロット速度が間に合わず異常画像が発生することを防止できるようになる。また、異なる変倍率の転写画像を得たい場合、第2のメモリーに格納された画像データを作像手段に出力する画像パスだけで変倍が可能となるため、この間、原稿を読み取り第1のメモリーに格納する画像パスを空けることができるようになる。作像出力側の画像パスで様々な変倍率の転写画像を出力中に次の原稿の読み取りが可能であり、オペレータが大量の原稿を読み取らせる場合、オペレータを待たせることなく高速に原稿読み取りが可能になるため、生産性を著しく向上できるようになる。
【0053】
また、請求項3の発明にかかる画像処理装置は、請求項2に記載の発明において、前記画像処理手段は、前記第1のメモリーから圧縮状態の画像データを読み出して伸張を行い、伸張後の該画像データに対して前記変倍処理を行い前記第2のメモリーに格納することを特徴とする。
【0054】
この請求項3の発明によれば、変倍を行う、特に縮小を行う場合でも第1のメモリーから第2のメモリーに転送する画像パスに高速なバスを設けることが不要となり、かつ、転写出力時のプロット速度に間に合うように第1のメモリーからの読み出しスピードを変更でき、プロット速度が間に合わず異常画像が発生することを防止できるようになる。また、異なる変倍率の転写画像を得たい場合、転写出力側の画像パスのみで変倍が可能となるため、この間、原稿の読み取り側の画像パスを空けることができ、転写出力側の画像パスで様々な変倍率の転写画像を出力中に次の原稿の読み取りが可能になる。これにより、オペレータが大量の原稿を読み取らせる場合、オペレータを待たせることなく高速に原稿読み取りが可能となるため、生産性を著しく向上できるようになる。
【0055】
また、請求項4の発明にかかる画像処理装置は、請求項1に記載の発明において、前記画像処理手段は、前記第1のメモリーから読み出した画像データを前記第2のメモリーに格納した後、該第2のメモリーから画像データを読み出し転写画像として出力可能な画像処理を行い前記作像手段に出力することを特徴とする。
【0056】
この請求項4の発明によれば、転写出力時のプロット速度に間に合うように第2のメモリーからの読み出しスピードを変更でき、プロット速度が間に合わず異常画像が発生することを防止できるようになる。また、第1のメモリーと第2のメモリーの間の画像パス上でのデータ転送を行うバスをプロット速度に間に合うように高速化する必要がなく、高価なバスの準備を不要にできる。
【0057】
また、請求項5の発明にかかる画像処理装置は、請求項4に記載の発明において、前記画像処理手段は、前記第1のメモリーから圧縮状態の画像データを読み出して前記第2のメモリーに格納した後、該第2のメモリーから画像データを読み出し伸張した後に転写画像として出力可能な画像処理を行い前記作像手段に出力することを特徴とする。
【0058】
この請求項5の発明によれば、変倍を行う、特に縮小を行う場合でも第1のメモリーから第2のメモリーに転送する画像パスに高速なバスを設けることが不要となり、かつ、転写出力時のプロット速度に間に合うように第1のメモリーからの読み出しスピードを変更でき、プロット速度が間に合わず異常画像が発生することを防止できるようになる。また、異なる変倍率の転写画像を得たい場合、転写出力側の画像パスのみで変倍が可能となるため、この間、原稿の読み取り側の画像パスを空けることができ、転写出力側の画像パスで様々な変倍率の転写画像を出力中に次の原稿の読み取りが可能になる。これにより、オペレータが大量の原稿を読み取らせる場合、オペレータを待たせることなく高速に原稿読み取りが可能となるため、生産性を著しく向上できるようになる。
【0059】
また、請求項6の発明にかかる画像処理装置は、請求項4に記載の発明において、前記画像処理手段は、前記第1のメモリーから圧縮状態の画像データを読み出して前記第2のメモリーに格納した後、該第2のメモリーから画像データを読み出し伸張した後に画像データに対して拡大あるいは縮小の変倍処理、および転写画像として出力可能な画像処理を行い前記作像手段に出力することを特徴とする。
【0060】
この請求項6の発明によれば、変倍を行う、特に縮小を行う場合でも第1のメモリーから第2のメモリーに転送する画像パスに高速なバスを設けることが不要となり、かつ、転写出力時のプロット速度に間に合うように第1のメモリーからの読み出しスピードを変更でき、プロット速度が間に合わず異常画像が発生することを防止できるようになる。また、異なる変倍率の転写画像を得たい場合、転写出力側の画像パスのみで変倍が可能となるため、この間、原稿の読み取り側の画像パスを空けることができ、転写出力側の画像パスで様々な変倍率の転写画像を出力中に次の原稿の読み取りが可能になる。これにより、オペレータが大量の原稿を読み取らせる場合、オペレータを待たせることなく高速に原稿読み取りが可能となるため、生産性を著しく向上できるようになる。
【0061】
また、請求項7の発明にかかる画像処理装置は、請求項1または4に記載の発明において、前記画像処理手段は、前記第1のメモリーから画像データを読み出し、転写画像として出力可能な画像処理を行い前記第2のメモリーに格納させ、該第2のメモリーへの画像データの格納が予め設定したライン数に到達したときに該第2のメモリーからの画像データの読み出しを開始することを特徴とする。
【0062】
この請求項7の発明によれば、CPUに負担をかけることなく第2のメモリーのリード制御を実現できる。
【0063】
また、請求項8の発明にかかる画像処理装置は、請求項1または4に記載の発明において、前記画像処理手段は、前記第1のメモリーから画像データを読み出し、転写画像として出力可能な画像処理を行い前記第2のメモリーに格納させ、該第2のメモリーへの画像データの格納が予め設定したライン数に到達したときに、転写プロセスを制御するCPUに割り込みを発生し、該割り込みを受けたCPUから発行されるメモリーリードコマンドに基づき該第2のメモリーからの画像データの読み出しを開始することを特徴とする。
【0064】
この請求項8の発明によれば、CPUに対して最小限の負担で第2のメモリーモジュールのリード制御を実現できる。
【0065】
また、請求項9の発明にかかる画像処理装置は、請求項1または4に記載の発明において、前記画像処理手段は、前記第1のメモリーから画像データを読み出し、転写画像として出力可能な画像処理を行い前記第2のメモリーに格納させ、該第2のメモリーへの画像データの格納が予め設定したライン数に到達したときに所定のフラグをセットして転写プロセスを制御するCPUに前記格納を認識させ、該CPUから発行されるメモリーリードコマンドに基づき該第2のメモリーからの画像データの読み出しを開始することを特徴とする。
【0066】
この請求項9の発明によれば、CPUを用いて容易に第2のメモリーモジュールのリード制御を実現できる。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は、この発明の画像処理装置の構成を示すブロック図である。図において、前述した従来技術の構成(図10)と同一の構成部には同一の符号を附している。
【0068】
この構成において、パラレルバス4を中心として図面上部の配置(コントローラー)を構成する画像メモリーアクセス制御部8,ファクシミリ制御ユニット13等のユニット側にメモリーモジュール9が配置されている。
【0069】
そして、パラレルバス4を中心として図面下部の配置(エンジン)を構成する読み取りユニット1,センサーボードユニット2,画像データ制御部3,画像処理プロセッサー5,ビデオデータ制御部11,作像ユニット12のユニット側に他のメモリーモジュール18を配置している。
【0070】
また、画像処理プロセッサー5から直接、ビデオデータ制御部11に転写用画像データを転送する構成とせずに、一旦、画像データ制御部3に出力し、画像データ制御部3からエンジン側のメモリーモジュール18への格納および読み出しを行った後、画像データ制御部3からビデオデータ制御部11に転写用画像データを転送する構成となっている。
【0071】
図2は、画像データ制御部3の第1の構成を示すブロック図である。前述した図12と同一の構成部には同一の符号を附してある。異なる点は、データ伸張部35と画像データ出力制御部36との間に変倍ブロック部70を配置し、コントローラー側のメモリーモジュール9からエンジン側への画像パス上で画像データの拡大や縮小の変倍を可能に構成したものである。
【0072】
また、図示のように、画像処理プロセッサー5から画像データの入力を受ける画像データ入力制御部101と、画像データ入力制御部101に入力された画像データをエンジン側のメモリーモジュール18に出力するメモリー出力制御部102と、エンジン側のメモリーモジュール18からの入力を受けるメモリー入力制御部103と、メモリー入力制御部103から入力された画像データをビデオデータ制御部11に出力する転写データ出力制御部104を追加している。
【0073】
図3は、画像データ制御部3の第2の構成を示すブロック図である。この構成例では、データ変換部37とデータ伸張部35の間に、エンジン側のメモリーモジュール18に画像データを出力するメモリー出力制御部102と、エンジン側のメモリーモジュール18から入力された画像データを受けるメモリー入力制御部103を配置している。
【0074】
また、データ伸張部35と、画像データ出力制御部36との間に変倍ブロック部70を配置してメモリーモジュール18から入力された画像データに対する拡大や縮小の変倍を行い画像処理プロセッサー5に出力可能な構成である。さらに、画像処理プロセッサー5から画像データの入力を受ける画像データ入力制御部101と、転写データ出力制御部104が設けられている。
【0075】
図4は、画像データ制御部3のメモリー出力制御部102に設けられたリードタイミング制御部105を示すブロック図である。リードタイミング制御部105は、エンジン側のメモリーモジュール18のリードタイミングを制御する。
【0076】
ラインレジスタ(LINE)106にエンジン側のプロセスをコントロールするCPU(図示略)からのレジスタロード信号ld_lineがアクティブになるとメモリーリードを開始するときのライン数が設定される。ラインカウンタ(CNTL)107は、エンジン側のメモリーモジュール18に格納される画像データのライン数をカウントし、リセット信号res_cntlにてカウンタ値がクリアされ、ラインデータが格納されるごとにカウンタインクリメント信号inc_cntlがアクティブになり、カウンタ値がインクリメントされる。
【0077】
これらラインレジスタ(LINE)106の値と、ラインカウンタ(CNTL)107の値は、コンパレータ(CMP)108により比較され、ラインカウンタ(CNTL)107の値Bがラインレジスタ(LINE)106に設定されているライン数A以上になったときに(A≦B)、メモリーリードタイミングを示すREAD_READY信号がアクティブになる。
【0078】
このREAD_READY信号がアクティブになったときに自動でメモリーリードを開始する場合と、エンジン側のプロセスを制御するCPUに対して割り込みを発生する場合、あるいはエンジン側のメモリーモジュール18への格納ライン数が設定値に達したことを示すフラグをセットする場合がある。
【0079】
図5は、スキャナー原稿を拡大あるいは縮小して転写画像を得る場合の画像パス(流れ)を示す図である。装置構成は図1と同様であり、画像データ制御部3は図2に示す第1の構成時である。読み取りユニット1にて読み込まれた画像データは、センサーボードユニット2,画像処理プロセッサー5,画像データ制御部3と転送され、さらにパラレルバス4,画像メモリーアクセス制御部8を介してコントローラー側のメモリーモジュール9に格納される。
【0080】
そして転写時には、コントローラー側のメモリーモジュール9から画像データを読み出し、画像メモリーアクセス制御部8,パラレルバス4を介して画像データ制御部3内に取り込まれる。そして、画像データ制御部3内のデータ伸張部35にて伸張され、その後、変倍ブロック部70にて拡大あるいは縮小の変倍処理が行われ、変倍処理後のデータが画像処理プロセッサー5に送られる。
【0081】
画像処理プロセッサー5では転写のための画像処理が施され、再び画像データ制御部3に戻される。その後、画像データ制御部3内のメモリー出力制御部102により、一旦、エンジン側のメモリーモジュール18に格納される。そして、画像データ制御部3に設けられたリードタイミング制御部105は、エンジン側のメモリーモジュール18への格納ライン数が予め設定されたライン数に達したときに自動で、あるいはプロセスを制御するCPUからのメモリーリードスタート信号にてエンジン側のメモリーモジュール18から画像データのリードを開始し、画像データ制御部3からビデオデータ制御部11,作像ユニット12に送られ転写画像を得る。
【0082】
図6は、上記画像パスをスキャンとプロットについて示した流れ図である。A4サイズの原稿を読み取り、この原稿画像データからそれぞれ▲1▼A4サイズ,▲2▼A5サイズ,▲3▼A3サイズの転写画像を得る場合の流れが示されている。
【0083】
A4サイズの原稿データは、▲1▼読み取りのスキャンが1回のみ行われ、▲1▼A4サイズのプロット時には、この原稿画像データ(変倍なしのため変倍率100%)が読み取りユニット1,センサーボードユニット2,画像処理プロセッサー5,画像データ制御部3,画像メモリーアクセス制御部8と送られ、コントローラー側のメモリーモジュール9に格納される。
【0084】
その後、コントローラー側のメモリーモジュール9から画像メモリーアクセス制御部8,画像データ制御部3,画像処理プロセッサー5,画像データ制御部3と送られ、エンジン側のメモリーモジュール18を介して画像データ制御部3,ビデオデータ制御部11に送られ転写画像を得る。このとき、所望する転写画像はA4サイズで原稿と同じのため変倍は行われず100%(A4)のプロットが得られる。
【0085】
次に、▲2▼A5サイズのプロット時には、コントローラー側のメモリーモジュール9から同じ原稿画像データを読み出し、画像データ制御部3内にてA4サイズの画像データに対して71%の縮小処理を行い、所望のA5サイズの転写画像を得る。
【0086】
最後に、▲3▼A3サイズのプロット時には、コントローラー側のメモリーモジュール9から同じ原稿画像データを読み出し、画像データ制御部3内にてA4サイズの画像データに対して141%の拡大処理を行い、所望のA3サイズの転写画像を得る。
【0087】
上記の例では、原稿画像データが通常のA4サイズとしたが、広幅のコピー機では、A3サイズ以上のA2サイズ,A1サイズ,さらにA0サイズ等の大きな原稿を取り扱う場合もある。例えば、A2サイズの原稿データを縮小してA4サイズの転写画像を得る場合、大きなデータ量(図22参照)の原稿データをA4サイズのプロット速度に合わせてコントローラー側のメモリーモジュール9から受信する必要があり、エンジン側のメモリーモジュール18が配置されない構成時には相当高速なパラレルバス4が必要となる。
【0088】
高速なバス転送速度が実現できない場合において、例えば図22に示した原稿▲4▼のように、原稿A2サイズからA4サイズの転写画像を出力しようとしても転送速度が間に合わず、転写された画像は異常画像となり、正常な画像を得ることはできなくなる。しかしながら、この実施の形態によれば図5を用いて説明したようにエンジン側にメモリーモジュール18を配置し、一旦変倍後の画像データを格納し、プロット速度が必ず間に合うタイミングでメモリーから画像データを読み出し転写する処理を行うことにより、上述したような高速なパラレルバス4が実現できない場合であっても異常画像のない正常な転写画像を得ることができるようになる。なお、このプロット速度が必ず間に合うタイミングは、図4を用いて説明したエンジン側のメモリーモジュール18に格納された画像データのライン数を用いて管理すればよい。
【0089】
図6を用いて説明した例において、プロット▲1▼〜▲3▼を実行している最中は、読み取りユニット1からコントローラー側のメモリーモジュール9への画像パスは空くことになる。したがって、この期間中に次の原稿データの読み出しが可能となり生産性を向上させることができる。オペレータが大量原稿を読み取らせる場合には、オペレータに対し操作待ちの時間を生じさせないことが重要であり、この実施の形態によればこれが可能となる。
【0090】
図7は、スキャナー原稿を拡大あるいは縮小して転写画像を得る場合の画像パス(流れ)を示す図である。装置構成は図1と同様であり、画像データ制御部3は図3に示す第2の構成時である。図7において、読み取りユニット1にて読み込まれた画像データは、センサーボードユニット2,画像処理プロセッサー5,画像データ制御部3へと転送され、さらにパラレルバス4,画像メモリーアクセス制御部8を介してコントローラー側のメモリーモジュール9に格納される。
【0091】
そして、転写時には、コントローラー側のメモリーモジュール9から画像データを読み出し、画像メモリーアクセス制御部8,パラレルバス4を介して画像データ制御部3内に取り込まれる。画像データ制御部3では画像データを一旦エンジン側のメモリーモジュール18に格納する。この後、画像データ制御部3に設けられたリードタイミング制御部105は、前述した機能によりエンジン側のメモリーモジュール18に対する画像データの格納ライン数が予め設定されたライン数に達したときに自動で、あるいはプロセスを制御するCPUからのメモリーリードスタート信号にてエンジン側のメモリーモジュール18から画像データのリードを開始する。
【0092】
この画像データは、データ伸張部35にて伸張され、その後変倍ブロック部70にて拡大あるいは縮小の変倍処理が行われる。その後、変倍処理された画像データが、画像処理プロセッサー5に送られる。画像処理プロセッサー5では転写のための画像処理が施され、再び画像データ制御部3に戻される。その後、画像データ制御部3からビデオデータ制御部11,作像ユニット12に送られ転写画像を得る。
【0093】
図8は、上記画像パスをスキャンとプロットについて示した流れ図である。A4サイズの原稿を読み取り、この原稿画像データからそれぞれ▲1▼A4サイズ,▲2▼A5サイズ,▲3▼A3サイズの転写画像を得る場合の流れが示されている。
【0094】
A4サイズの原稿データは、▲1▼読み取りのスキャンが1回のみ行われ、▲1▼A4サイズのプロット時には、この原稿画像データ(変倍なしのため変倍率100%)が、読み取りユニット1,センサーボードユニット2,画像処理プロセッサー5,画像データ制御部3,画像メモリーアクセス制御部8と送られ、コントローラー側のメモリーモジュール9に格納される。
【0095】
その後、コントローラー側のメモリーモジュール9から画像メモリーアクセス制御部8,画像データ制御部3,エンジン側のメモリーモジュール18、画像データ制御部3,画像処理プロセッサー5,画像データ制御部3と送られ、さらにビデオデータ制御部11を経由して作像ユニット12に送られ転写画像を得る。このとき、所望する転写画像はA4サイズで原稿と同じのため変倍は行われず100%(A4)のプロットが得られる。
【0096】
次に、▲2▼A5サイズのプロット時には、コントローラー側のメモリーモジュール9から同じ原稿画像データを読み出し、画像データ制御部3内にてA4サイズの画像データに対して71%の縮小処理を行い、所望のA5サイズの転写画像を得る。
【0097】
最後に、▲3▼A3サイズのプロット時には、コントローラー側のメモリーモジュール9から同じ原稿画像データを読み出し、画像データ制御部3内にてA4サイズの画像データに対して141%の拡大処理を行い、所望のA3サイズの転写画像を得る。
【0098】
上記構成時においても、プロット▲1▼〜▲3▼を実行している最中は、読み取りユニット1からコントローラー側のメモリーモジュール9へのパスは空くことになる。したがって、この期間中に次の原稿データの読み出しが可能となり、生産性を向上させることができる。
【0099】
なお、図7に記載の構成時において前述した図5の構成と異なる点は、図5の場合は転写のための画像処理後のデータをエンジン側のメモリーモジュール18に格納する。これに対して、図7の構成時には伸張前、即ち圧縮状態の画像データをエンジン側のメモリーモジュール18に格納するようにしたことである。圧縮データと転写データのデータ量の小さい方をエンジン側のメモリーモジュール18に格納することにより、エンジン側のメモリーモジュール18に必要なメモリー量を抑えることができる。
【0100】
次に、図9は、エンジン側のメモリーモジュール18からのリード制御の状態を示すタイミングチャートである。図9(a)に示す状態は、図4に示したリードタイミング制御部105がREAD_READY信号をアクティブにすると、画像データ制御部3内のメモリー入力制御部103が自動でメモリーリードを開始する場合の状態である。READ_READYのセットにより、エンジン側のメモリーモジュール18からの読み出しをスタートする。
【0101】
図9(b)に示す状態は、CPUが上記割り込みCPU_IRQを検知した場合、エンジン側のメモリーモジュール18からのリードを開始するためのリードスタート信号READ_STARTを画像データ制御部3内のメモリー入力制御部103に出力し、メモリーリードを開始させる。
【0102】
図9(c)に示す状態は、CPUが上記フラグの監視(ポーリング)にてフラグがセットされていること、即ち、エンジン側のメモリーモジュール18への格納ライン数が設定値に達したことを検知すると、エンジン側のメモリーモジュール18からのリードを開始するためのリードスタート信号READ_STARTを画像データ制御部3内のメモリー入力制御部103に出力し、メモリーリードを開始する場合である。
【0103】
以上説明した実施の形態によれば、転写画像の出力時の画像パス上での変倍処理を問題なく実行できるとともに、プロットの最中であっても読み取りユニット1からコントローラー側のメモリーモジュール9に対する画像パスを空けることができるようになる。これにより、この空いている期間中に次の原稿データの読み込みが可能となり、生産性を向上させることができ、システム効率を上げることが可能となる。
【0104】
なお、本実施の形態で説明した画像処理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、第1のメモリーを用いて原稿を読み取った画像データを格納し、第2のメモリーを用いて第1のメモリーから転送した画像データに対する画像処理を行い転写出力する構成としたので、これら異なる画像パスを同時に並行動作できるようになる。即ち、原稿の読み取りと、読み取った後の画像データを変倍し転写出力する処理とを平行に行えるようになる。転写出力時のプロット速度に間に合うように第2のメモリーからの読み出しスピードを変更でき、プロット速度が間に合わないときの異常画像の発生を抑えることができる。また、第1のメモリーと第2のメモリーの間の画像パスに設けるバスを必ずプロット速度に間に合うように高速にする必要がなく、高価なバスを不要にできる。
【0106】
特に、転写出力時に様々な変倍率の転写画像を出力していても次の原稿の読み取りが可能となり、オペレータが大量の原稿を読み取らせる場合、オペレータを待たせることなく高速に原稿読み取りが可能となるため、生産性を向上できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】画像データ制御部の第1の構成を示すブロック図である。
【図3】画像データ制御部の第2の構成を示すブロック図である。
【図4】リードタイミング制御部を示すブロック図である。
【図5】スキャナー原稿を拡大あるいは縮小して転写画像を得る場合の画像パス(流れ)を示す図である。
【図6】上記画像パスをスキャンとプロットについて示した流れ図である。
【図7】スキャナー原稿を拡大あるいは縮小して転写画像を得る場合の画像パス(流れ)を示す図である。
【図8】上記画像パスをスキャンとプロットについて示した流れ図である。
【図9】エンジン側のメモリーモジュール18からのリード制御の状態を示すタイミングチャートである。
【図10】従来の画像処理装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図11】画像処理プロセッサーの構成を示すブロック図である。
【図12】画像データ制御部の構成を示すブロック図である。
【図13】ビデオデータ制御部の構成を示すブロック図である。
【図14】画像メモリーアクセス制御部の構成を示すブロック図である。
【図15】ファクシミリ制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図16】スキャナー原稿を拡大あるいは縮小して転写画像を得る場合の画像パス(流れ)を示す図である。
【図17】原稿と転写画像(プロット)のサイズを示す図である。
【図18】上記画像パスをスキャンとプロットについて示した流れ図である。
【図19】従来の他の画像処理装置を示すブロック図である。
【図20】上記画像パスをスキャンとプロットについて示した流れ図である。
【図21】画像データ制御部内で作像ユニットへの画像パス上に変倍機能を設けた構成例を示すブロック図である。
【図22】原稿と転写画像(プロット)のサイズを示す図である。
【符号の説明】
1 読み取りユニット
2 センサーボードユニット
3 画像データ制御部
4 パラレルバス
5 画像処理プロセッサー
6 システムコントローラー
7 プロセスコントローラー
8 画像メモリーアクセス制御部
9 メモリーモジュール(コントローラー側)
11 ビデオデータ制御部
12 作像ユニット
32 画像データ入力制御部
33 データ圧縮部
34 パラレルデータI/F
35 データ伸張部
36 画像データ出力制御部
37 データ変換部
38 シリアルデータI/F
40 コマンド制御部
101 画像データ入力制御部
102 メモリー出力制御部
103 メモリー入力制御部
104 転写データ出力制御部
105 リードタイミング制御部
106 ラインレジスタ(LINE)
107 ラインカウンタ(CNTL)
108 コンパレータ(CMP)

Claims (9)

  1. 読み取った原稿の画像データをディジタル変換された画像データに変換して第1のメモリーに蓄積する画像パスと、転写出力時に前記第1のメモリーから画像データを読み出して転写画像の出力に必要な画像処理を施し作像手段に出力する画像パスとを備えた画像処理装置において、
    前記第1のメモリーから画像データを読み出し転写画像として出力可能な画像データに処理する画像処理手段と、
    前記画像処理手段が前記第1のメモリーから読み出した画像データを一時格納する第2のメモリーと、
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記画像処理手段は、
    前記第1のメモリーから読み出した画像データに対して拡大あるいは縮小の変倍処理、および前記転写画像として出力可能な画像処理を施した画像データを前記第2のメモリーに格納することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記画像処理手段は、
    前記第1のメモリーから圧縮状態の画像データを読み出して伸張を行い、伸張後の該画像データに対して前記変倍処理を行い前記第2のメモリーに格納することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像処理手段は、
    前記第1のメモリーから読み出した画像データを前記第2のメモリーに格納した後、該第2のメモリーから画像データを読み出し転写画像として出力可能な画像処理を行い前記作像手段に出力することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記画像処理手段は、
    前記第1のメモリーから圧縮状態の画像データを読み出して前記第2のメモリーに格納した後、該第2のメモリーから画像データを読み出し伸張した後に転写画像として出力可能な画像処理を行い前記作像手段に出力することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記画像処理手段は、
    前記第1のメモリーから圧縮状態の画像データを読み出して前記第2のメモリーに格納した後、該第2のメモリーから画像データを読み出し伸張した後に画像データに対して拡大あるいは縮小の変倍処理、および転写画像として出力可能な画像処理を行い前記作像手段に出力することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  7. 前記画像処理手段は、
    前記第1のメモリーから画像データを読み出し、転写画像として出力可能な画像処理を行い前記第2のメモリーに格納させ、該第2のメモリーへの画像データの格納が予め設定したライン数に到達したときに該第2のメモリーからの画像データの読み出しを開始することを特徴とする請求項1または4に記載の画像処理装置。
  8. 前記画像処理手段は、
    前記第1のメモリーから画像データを読み出し、転写画像として出力可能な画像処理を行い前記第2のメモリーに格納させ、該第2のメモリーへの画像データの格納が予め設定したライン数に到達したときに、転写プロセスを制御するCPUに割り込みを発生し、該割り込みを受けたCPUから発行されるメモリーリードコマンドに基づき該第2のメモリーからの画像データの読み出しを開始することを特徴とする請求項1または請求項4に記載の画像処理装置。
  9. 前記画像処理手段は、
    前記第1のメモリーから画像データを読み出し、転写画像として出力可能な画像処理を行い前記第2のメモリーに格納させ、該第2のメモリーへの画像データの格納が予め設定したライン数に到達したときに所定のフラグをセットして転写プロセスを制御するCPUに前記格納を認識させ、該CPUから発行されるメモリーリードコマンドに基づき該第2のメモリーからの画像データの読み出しを開始することを特徴とする請求項1または請求項4に記載の画像処理装置。
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