JP3982982B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置であり、ディジタル画像信号を転写紙に画像として再生する装置に関し、特にスキャナーから画像を読み込んで転写紙に画像を再生する装置に適用される画像処理を行う画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来存在するMFP(コピー、FAX、プリンタ、スキャナ等の複合機)において、読み取り信号の画像処理、メモリーへの画像蓄積、複数機能の並行動作及びそれぞれの画像処理を最適化するために、特開平8−274986号公報が開示するところの『画像処理装置』等が発明されている。この画像処理装置は、各種の画像処理を1つの画像処理構成で実行できるようにするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に示す画像処理装置においては、スキャナデータ読み取り時の課題についての記述がなされていない。
【0004】
従って、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、スキャナデータ読み取り時における画像処理の最適化を行う画像処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
即ち、本発明は、以下に示すような幾つかの具体的な目的を達成するためのものである。
【0006】
先ず、本発明の第1の目的は、スキャナ読み取り時の原稿の副走査方向の範囲を示すフレームゲート信号FGATEBが読み取りと同時にアサートし、そして読み取りが終了する際にフレームゲート信号FGATEBが機械的な事情により若干早くネゲートしてしまう際に、スキャナデータとして送信される値が確定しないような不具合データの送信を防止し、問題のない白ラインデータを送信するようにする画像処理装置を提供することである。また、転写紙サイズよりも副走査方向の短い原稿を読み取る際に、原稿の副走査方向の終端から転写紙サイズまでのスキャナデータを値が確定しない不具合データとせず、問題のない白ラインデータを送信する画像処理装置を提供することである。
【0007】
また、第2の目的は、原稿の副走査方向のサイズが定形でない、例えばFAX送信時の原稿や長尺原稿をスキャナで読み取る際に、予め何らかの機械的なセンサー等により原稿長を検知し、そのライン長をライン数設定レジスタに格納しなくても、その副走査方向の読み取り範囲を示すフレームゲート信号FGATEBにより、スムーズに原稿読み取り終了シーケンスに移行できるようにした画像処理装置を提供することである。
【0008】
更に、第3の目的は、原稿の副走査方向のサイズが定形でない、例えばFAX送信時の原稿や長尺原稿をスキャナで読み取る際に、予め何らかの機械的なセンサー等により原稿長を検知し、そのライン長をライン数設定レジスタに格納しなくても、その副走査方向の読み取り範囲を示すフレームゲート信号FGATEBにより、スムーズに原稿読み取り終了シーケンスに移行できるようにした画像処理装置において、システム操作を管理するコントローラ側が容易に原稿サイズを認識できるようにし、これに合った転写紙サイズの選択等の処理を容易に実行できるようにした画像処理装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成するために、請求項1記載の発明は、読取手段から読み取られた原稿画像信号をデジタル画像信号に変換する変換手段と、前記デジタル画像信号を所定の画像信号へ処理する画像処理手段と、前記画像処理手段により処理された画像を格納する蓄積手段とを有する画像処理装置であって、前記読取手段からの読み取りの開始を示すフレーム信号のアサートにより前記画像処理手段で画像処理を実行し、前記画像処理の終わりを示すフレーム信号のネゲートを予め設定されたライン数よりも早いタイミングで受信した場合、前記フレーム信号のネゲートから前記設定したライン数までを白ラインデータとして前記蓄積手段に画像を送信するか、前記設定したライン数にかかわらず前記フレーム信号のネゲートで前記蓄積手段への画像データ送信を終了するかを選択する選択手段を有する画像処理装置であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像処理装置において、原稿領域を示すフレーム信号がネゲート後した際のラインカウンタの値を保持するネゲート時ライン値保持手段をさらに有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
画像処理装置に関するもので、ディジタル画像信号を転写紙に画像として再生する装置、特にスキャナから画像を読み込んで転写紙に画像を再生することを目的とする画像処理装置として、以下に示すような構成が考えられる。
【0013】
・全体構成:図1
図1は、上記のような目的を達成するための画像処理装置の構成を示すブロック図であり、特にMFPの構成に関するものである。
【0014】
図1を参照すると、本画像処理装置は、以下に示すような各ブロックにより構成されている。上記構成において、原稿を光学的に読み取る読み取りユニット1は、原稿に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子に集光する。受光素子(本実施例ではCCDを例とする)は、SBU(センサー・ボード・ユニット)2に搭載されるものである。このCCD(SBU2)に於いて電気信号に変換された画像信号はディジタル信号に変換された後、SBU2から出力される。
【0015】
また、SBU2から出力される画像信号は、CDIC(圧縮/ 伸張及びデータインターフェース制御部)3に入力される。機能デバイス及びデータバス間における画像データの伝送はこのCDIC3が全て制御する。更にCDIC3は画像データに関し、SBU2、パラレルバス100、IPP(画像処理プロッセサー)4間のデータ転送、また、本実施例の全体制御を司るシステムコントローラ15と画像データに対するプロセスコントローラ16間の通信を制御する。
【0016】
SBU2からの画像信号は、CDIC3を経由してIPP4に転送され、光学系及びディジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化とする)が補正され、再度CDIC3へ出力される。
【0017】
また、IPP4からCDIC3へ転送されたデータは、CDIC3からパラレルバス100を経由してIMAC10(画像メモリアクセス制御)に送られる。このIMAC10では、システムコントローラ15の制御に基づき画像データとMEM(メモリモジュール)9のアクセス制御、外部PC(パソコン)11のプリント用データの展開、メモリ有効活用のための画像データの圧縮/伸張が行われる。
【0018】
IMAC10へ送られたデータは、データ圧縮後、MEM9に蓄積される。この蓄積データは必要に応じて読み出される。
【0019】
このように読み出された読み出しデータは伸張され、本来の画像データに戻された後、IMAC10からパラレルバス100経由でCDIC3へ戻される。
【0020】
CDIC3からIPP4への転送後は、画質処理及びVDC5でのパルス制御が行われ、これにより作像ユニット6が転写紙上に再生画像を形成する。
【0021】
画像データの流れに於いて、パラレルバス100及びCDIC3でのバス制御により、MFPの機能が実現される。
【0022】
FAX送信機能は、読み取り画像データに対してIPP4にて画像処理を実施し、その後、CDIC3及びパラレルバス100を経由してFCU(FAX制御ユニット)8へ転送する。
【0023】
FCU8は通知された読み取り画像データを通信網に応じたデータ形式に変換し、その後、PN(公衆回線)7へFAXデータとして送信する。
【0024】
また、FAX受信における処理では、PN7から取り込んだ回線データがFCU8にて画像データへ変換され、パラレルバス100及びCDIC3を経由してIPP4へ転送される。この場合、特別な画質処理は行われず、VDC5においてドット再配置及びパルス制御が行われ、作像ユニット6に於いて転写紙上に再生画像が形成される。
【0025】
複数ジョブ、例えばコピー機能、FAX送受信機能、プリンタ出力機能が並行に動作する状況に於いて、読み取りユニット1、作像ユニット6及びパラレルバス100使用権のジョブへの割り振りは、システムコントローラ15及びプロセスコントローラ16にて制御される。プロセスコントローラ16は画像データの流れを制御し、システムコントローラ15はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。
【0026】
上記のようなMFPの機能は、Ope.Pane12(操作部)によりユーザが選択入力し、これによりコピー機能、FAX機能等の処理内容が設定される。
【0027】
システムコントローラ15とプロセスコントローラ16は、パラレルバス100、CDIC3及びシリアルバス200を介して相互に通信を行う。このとき、CDIC3内に於いてパラレルバス100とシリアルバス200とのデータインタフェースのためにデータフォーマットの変換を行う。
【0028】
・IPP4の構成:図2
図2にIPP4のブロック構成と共に、画像処理概略を示す。読み取り画像はSBU2、CDIC3を介してIPP4の入力I/F41からスキャナ画像処理部45へ伝達される。このスキャナ画像処理部45は、読み取り画像信号の劣化補正を目的として、シェーディング補正、スキャナγ補正、MTF補正等を行う。補正処理ではないが、拡大/縮小の変倍処理等も行う。読み取り画像データの補正処理終了後、出力I/F42を介してCDIC3へ画像データを転送する。
【0029】
また、転写紙への出力はCDIC3からの画像データを入力I/F43より受け、画質処理部46に於いて面積階調処理を行う。画質処理後のデータは出力I/F44を介してVDC5へ出力される。面積階調処理としては濃度変換、ディザ処理、誤差拡散処理等が有り、階調情報の面積近似を主な処理としている。
【0030】
一旦スキャナ画像処理された画像データをメモリに蓄積しておけば、画質処理を変えることによって種々の再生画像を確認することができる。例えば再生画像の濃度を振ってみたり、ディザマトリクスの線数を変更してみたりすることで、再生画像の雰囲気を変更できる。この時処理を変更する度に画像を読み取りユニット1から読み込み直す必要はなく、MEM9から格納画像を読み出せば同一データに対し、何度でも異なる処理を実施できる。
【0031】
また、単体スキャナの場合、スキャナ画像処理と階調処理を合せて実施し、CDIC3へ出力する。処理内容はプログラマブルに変更する。処理の切り替え、処理手順の変更等は、コマンド制御部47に於いて管理する。
【0032】
・CDIC3の構成:図3
図3にCDIC3のブロック構成の概略を示す。画像データ入出力制御部31は、SBU2からの画像データが入力され、IPP4に対してデータを出力する。
【0033】
画像データ入力制御部32では、IPP4でスキャナ画像補正されたデータが入力される。入力データはパラレルバス100での転送効率を高めるためにデータ圧縮部33に於いて、データ圧縮が行われる。その後、パラレルデータI/F37を介してパラレルバス100へ送出される。
【0034】
パラレルバス100からパラレルデータI/F37を介して入力される画像データは、バス転送のために圧縮されており、データ伸張部36で伸張される。伸張された画像データは画像データ出力制御部35に於いてIPP4へ転送される。
【0035】
このように、CDIC3は、パラレルデータとシリアルデータの変換機能を併せ持つ。
【0036】
システムコントローラ15はパラレルバス100にデータを転送し、プロセスコントローラ16はシリアルバス200にデータを転送するよう動作するため、CDIC3は、2つのコントローラの通信のためにデータ変換を行う。
【0037】
また、CDIC3は、自身用にもシリアルデータI/F39を1系統有し、IPP4に対してもI/Fの役割を持つ。
【0038】
・VDC5の構成:図4
図4にVDC5のブロック構成の概略を示す。VDC5は、入力される画像データに対し作像ユニット6の特性に応じて、追加の処理を行う。エッジ平滑処理部51は、エッジ平滑処理によるドットの再配置処理を実行し、パルス制御部52は、ドット形成のための画像信号のパルス制御を実行する。その後、上記のように処理が施された画像データは作像ユニット6を対象として出力される。
【0039】
VDC5は、画像データの変換とは別に、パラレルデータとシリアルデータのフォーマット変換機能を併せ持ち、VDC5単体でもシステムコントローラ15ーとプロセスコントローラ16との通信に対応できる。
【0040】
・IMAC10の構成:図5
図5にIMAC10のブロック構成の概略を示す。IMAC10は、パラレルデータI/F108に於いて、パラレルバス100との画像データのインタフェースを管理する。構成的にはMEM9への画像データの格納/読み出しと、主に外部のPC11から入力されるコードデータの画像データへの展開を制御する。入力されたコードデータはラインバッファ103において、ローカル領域でのデータの格納を行うためのものである。ラインバッファ103に格納されたコードデータは、システムコントローラI/F101を介して入力されたシステムコントローラ15からの展開処理命令に基づき、ビデオ制御部104に於いて画像データに展開される。
【0041】
展開された画像データもしくはパラレルデータI/F108を介してパラレルバス100から入力された画像データは、MEM9に格納される。この場合、データ変換部107に於いて格納対象となる画像データが選択され、データ圧縮部105においてメモリ使用効率を上げるためにデータ圧縮が行われ、メモリアクセス制御部102に於いてMEM9のアドレスが管理されながらMEM9に画像データが格納される。
【0042】
MEM9に格納された画像データの読み出しは、メモリアクセス制御部102に於いて読み出し先アドレスが制御され、読み出された画像データがデータ伸張部106にて伸張される。伸張された画像データをパラレルバス100へ転送する場合、パラレルデータI/F108を介してデータ転送が行われる。
【0043】
・FCU8の構成:図6
図6にFCU8の構成の一例を示す。FCU8(FAX送受信部)は、画像データを通信形式に変換して外部回線に送信し、又、外部からのデータを画像データに戻して外部I/F80及びパラレルバス100を介して作像ユニット6において記録出力する。
【0044】
FCU8(FAX送受信部)は、FAX画像処理部81、画像メモリ82、メモリ制御部83、ファクシミリ制御部84、画像圧縮伸張部85、モデム86及び網制御部87からなる。この内、FAX画像処理部81に関し、受信画像に対する二値スムージング処理はVDCのエッジ平滑処理部51において行われる。又、画像メモリ82に関しても、出力バッファ機能に関してはIMAC10及びMEM9にその機能の一部が移行される。
【0045】
このように構成されたFCU8(FAX送受信部)では、画像情報の伝送を開始するとき、ファクシミリ制御部84がメモリ制御部83に指令し、画像メモリ82から蓄積している画像情報を順次読み出させる。読み出された画像情報は、FAX画像処理部81によって元の信号に復元されるとともに、密度変換処理及び変倍処理がなされ、ファクシミリ制御部84に加えられる。
【0046】
ファクシミリ制御部84に加えられた画像信号は、画像圧縮伸張部85によって符号圧縮され、モデム86によって変調された後、網制御部87を介して宛先へと送出される。そして、送信が完了した画像情報は、画像メモリから削除される。
【0047】
また、FCU8は、画像データを受信すると、受信画像を一旦画像メモリに蓄積し、その時に受信画像を記録出力可能であれば、1枚分の画像の受信を完了した時点で記録出力する。又、複写動作時に発呼されて受信を開始したときは、画像メモリの使用率が所定値、例えば80%に達するまでは画像メモリに蓄積し、画像メモリの使用率が80%に達した場合には、その時に実行している書き込み動作を強制的に中断し、受信画像を画像メモリから読み出し記録出力させる。このとき画像メモリから読み出した受信画像は画像メモリから削除され、画像メモリの使用率が所定値、例えば10%まで低下した時点で中断していた書き込み動作を再開させ、その書き込み動作を全て終了した時点で、残りの受信画像を記録出力させている。また、書き込み動作を中断した後に、再開できるように中断時に於ける書き込み動作のための各種パラメターを内部的に退避させ、再開時に、パラメターを内部的に復帰させる。
【0048】
次に、上記のような構成の他に、スキャナデータ読み取り時における画像処理の最適化を行うための構成及び動作について、図面を用いて詳細に説明する。
【0049】
まず、前述のシステム例を参照しながら、スキャナデータ読み取り時における画像処理の最適化を行うための構成及び動作について説明する。
【0050】
図1の画像処理装置のブロック構成図において、コピー実行時には前述したように、読み取りユニット1にて画像を読み取る。この読み取られた画像信号は、SBU2、CDIC3、IPP4、CDIC3と転送され、CDIC3からパラレルバス100及びIMAC10を介してフレームメモリMEM9に蓄積される。そしてしかる後に、画像信号はフレームメモリMEM9からIMAC10及びパラレルバス100を介してCDIC3に送られ、IPP4、VDC5、作像ユニット6に送られ転写画像へ変換される。
【0051】
・SBU2からCDIC3への接続:図7
センサボードユニットSBU2からCDIC3への接続の様子を図7に示す。SBU2からは主に2つの制御信号のFGATEBとLGATEBとスキャナデータ送信用データ線SDがCDIC3内の画像データ入力制御ブロックに接続される。FGATEBとLGATEBの語尾の“B" はその制御信号が負論理であることを示す。すなわち、これらの信号は“L" のときアサート状態で、“H" のときネゲート状態を示す。
【0052】
・スキャナデータ送信時タイミングチャート:図8
これらの信号によってSBU2からCDIC3に対してスキャナデータ送信の様子を図8に示す。
【0053】
フレームゲート信号FGATEBは、原稿の読み取り範囲を示す信号でそのアサートで原稿の読み取り開始を示し、ネゲートで原稿の読み取り終了を示す。ラインゲート信号LGATEBは、ラインデータの有効範囲を示し、そのアサート状態のときにデータラインSDの値がスキャナデータとして有効であることを示す。
【0054】
・・スキャナデータ送信時の問題点:図11の(a),(b),(c)
ここで、SBU2からCDIC3にスキャナデータを送信する際の問題点について、これらの様子を図11に示す。
【0055】
図11の(a) は、読み取り原稿を示す。サイズの定義としては、横方向に主走査方向Xをとり、縦方向に副走査方向Yをとる。例えばA4縦サイズの原稿であれば主走査方向の横サイズは210mmで、副走査方向の縦サイズは297mmとなる。これらの原稿を現状で頻繁に使われている600dpi(dot/inch) 、すなわち1 インチ(25.4mm)中に600ドットの解像度で読み取ると、約4961画素 x
7016 ラインとなる。
【0056】
通常のフレームゲート信号FGATEBと送信されるスキャナデータとの関係を図11の(b)に示す。原稿読み取りの開始でFGATEBがアサートし、原稿読み取りの終了でFGATEBがネゲートする。
【0057】
このようにフレームゲート信号FGATEBとSBU2から入力されるスキャナデータの位置が合っていれば送信画像は正しく送信される。しかしながら、スキャナ装置の紙送り位置精度の不具合や、原稿終端の検知精度の不具合等で、原稿読み取り終了のFGATEBのネゲートのタイミングが若干ずれる場合がある。例えば、図11の(c)はFGATEBのネゲートが原稿サイズよりも長く出てしまっている場合である。しかしながらこの場合は予め設定したライン数をラインカウンタが超えた時点で原稿の読み取り終了と認識するため、スキャナ読み取り画像として不具合データが画像蓄積用のメモリに送信されることはない。
【0058】
・CDIC3内の画像データ入力制御ブロック構成:図9
これらの入力制御を行うCDIC3内の画像データ入力制御ブロックの様子を図9に示す。入力制御シーケンサ321は、ステートマシン等で構成され、カウンタ動作やデータ入出力制御を行う。
【0059】
原稿画像ライン数設定レジスタLREG323には、外部CPU(図示せず)から予め原稿の副走査方向のサイズであるライン数がセットされる。
【0060】
ラインカウンタLCNT322は、原稿読み取り前に一度リセット信号res _LCNTをアサートすることでカウンタをリセットしておく。そしてスキャナデータの1 ラインを取り込む毎にカウンタインクリメント信号inc _LCNTがアサートされ、受信したスキャナデータのライン数がカウントされる。
【0061】
コンパレータCMP325は、上記原稿画像ライン数設定レジスタLREG323の値とラインカウンタLCNT322の値を比較し、ラインカウンタLCNT322の値が原稿画像ライン数設定レジスタLREG323の値に到達した時点で、原稿画像読み取り終了信号FRAME _END をアサートし、原稿読み取りシーケンスに移行することで原稿読み取りを終了する。
【0062】
・・スキャナデータ入力とフレームゲート信号FGATEBとのタイミングずれ:図11の(d)
スキャナデータ入力とフレームゲート信号FGATEBのタイミングずれの例を図11の(d)に示す。図11の(d)は、原稿のサイズよりも早くフレームゲート信号FGATEBがネゲートしてしまう場合である。この場合は、フレームゲート信号FGATEBのネゲートでスキャナデータの入力は無効となるが、ラインカウンタLCNT322の値が、予め設定したライン数レジスタLREG323の値に到達していないため、スキャナデータが継続して画像データ蓄積用メモリに送信される。
【0063】
従って、図11の(d)に示すように、フレームゲート信号FGATEBがネゲートした後は、黒筋や汚れなどを含み、スキャナデータとして確定していないデータが送られてしまい、図11の(d)に示すような不具合画像を転写画像として出力してしまうという不具合が生じてしまう。
【0064】
また、原稿が定形サイズよりも短い場合、例えばA4縦サイズの場合、副走査方向のサイズは前述したように297mmであるが、原稿が250mmというように短い場合も前記と同様な理由により不具合画像を画像メモリ82に出力してしまう。
【0065】
・原稿サイズが短い場合の対策:図9及び図10
これらの不具合の対策について、図9と図10により説明する。図10は、前述の図9中の入力制御シーケンサ321であるステートマシンの状態遷移図の例である。ステートS0は、アイドルステートであり、このステートでラインカウンタLCNT322のリセット信号res _LCNTと原稿のフレームゲート信号FGATEBのネゲート時のラインカウンタの値を格納するレジスタNGCUT324のリセット信号res _NGCUT をアサートし、リセットをかけている。
【0066】
この状態で原稿の読み取りが開始され、フレームゲート信号FGATEBがアサートするとステートS1に遷移する。ステートS1では、原稿のスキャナデータが1ライン入力される毎にラインカウンタLCNT322のインクリメント信号inc _LCNTをアサートし、入力されるスキャナデータのライン数をカウントする。
【0067】
原稿の読み取りが終端にきたことをフレームゲート信号のネゲート(FGATEB='1')で知ると、ステートS1からステートS2(GCUT='0' の場合) か、ステートS3(GCUT='1' の場合) に遷移する。ここでゲートカットモードGCUTは、フレームゲート信号FGATEBがネゲート後、まだ設定ライン数だけスキャナデータが入力されていない場合に、残りのラインデータを白ラインデータとしてメモリに送信する(GCUT='0' の場合) か、元々FAX原稿や長尺原稿のように定形のサイズではない原稿で、フレームゲート信号FGATEBがネゲート後、まだ設定ライン数だけスキャナデータが入力されていない場合でも、スキャナデータ取込みを終了して良いか(GCUT='1' の場合) を示す。
【0068】
ステートS2では、フレームゲート信号FGATEBがネゲート後、まだ設定ライン数だけスキャナデータが入力されていない場合に、残りのラインデータを確定した白ラインデータとしてメモリに送信するため、その旨を示す白ライン出力信号out _0line をアサートする。この信号は、図9のマルチプレクサMUX326のセレクト信号となり、これが“0”のとき、SBU2より入力されるスキャナデータをメモリに送信し、また“1”の場合のとき、白データの“0" を送信画像データとしてメモリに送信する。
【0069】
この状態で予め設定したライン数分だけラインデータをメモリに送信すると、ラインカウンタLCNT322の値が予め設定したラインレジスタLREG323の値と一致し、FRAME _END 信号がアサートされることにより、ステートS2からステートS4に遷移し、スキャナデータのメモリへの送信終了を示すスキャナデータ送信終了信号TRANS _END をアサートする。この信号により、CDIC3は、メモリへの送信シーケンス終了処理を行う。
【0070】
一方、ステートS3では、読み取り原稿が元々FAX原稿や長尺原稿のように定形のサイズではないもので、フレームゲート信号FGATEBがネゲートした際のラインカウンタLCNT322の値をFGATEBネゲート時のライン数格納レジスタNGCUT324にロードするため、ld_NGCUT を出力し、ステートS4に遷移する。ステートS4の挙動は前述した通りである。
【0071】
・対策後の画像:図12
以上の対策により、図11の(d)に示した画像不具合は、図12に示すように改善される。図12の(a)は読み取り原稿を示し、図12の(b)は転写紙を示し、そして図12の(c)はスキャナデータとして画像メモリ82に送信される画像データを示す。
【0072】
図12の(c)に示すように、フレームゲート信号FGATEBがネゲートされた後は、白画像データが送られ、図11の(d)で示したような画像不具合は解消される。
【0073】
このようにスキャナ読み取り時の原稿の副走査方向の範囲を示すフレームゲート信号FGATEBが読み取りと同時にアサートし、そして読み取りが終了する際にフレームゲート信号FGATEBが精度的な不具合により若干早くネゲートしてしまう場合でも、スキャナデータとして送信される値が確定しないような不具合データの送信を防止し、問題のない画像データを送信することができる。
【0074】
また、転写紙サイズよりも副走査方向の短い原稿を読み取る際に、原稿の副走査方向の終端から転写紙サイズまでのスキャナデータとして、値が確定しない不具合データではなく、問題のない画像データを送信することができる。
【0075】
図13は、原稿がFAX原稿や長尺原稿のように定形のサイズではない原稿で、フレームゲート信号FGATEBがネゲート後、画像データのメモリへの送信を終了する場合の様子を示している。前述したようにこのような場合でも、スムーズに読み取り終了シーケンスを実行でき、またシステム操作を管理するコントローラ側が容易に原稿サイズを知ることができるようになり、これに合った転写紙サイズの選択等の処理を容易に実行できるようになる。
【0076】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1記載の画像処理装置によれば、スキャナー読み取り時の原稿の副走査方向の範囲を示すフレームゲート信号FGATEBが読み取りと同時にアサートし、そして読み取りが終了する際にフレームゲート信号FGATEBが機械的な事情により若干早くネゲートしてしまう際に、フレームゲート信号のネゲート時のラインカウンタ値と予めセットした原稿のライン数とを比較する手段を持ち、この結果によりスキャナーデータとして原稿データか白ラインデータかを選択して送信するような機能を持っているため、予めセットした原稿のライン数分だけまだ送信してない場合に、スキャナーデータとして送信される値が確定しないような不具合データの送信を防止し、問題のない白ラインデータを送信することができ、不具合画像を出さないような画像処理装置を実現することができる。
【0077】
また、転写紙サイズよりも副走査方向の短い原稿を読み取る際に、上記機能により、原稿の副走査方向の終端から転写紙サイズまでのスキャナーデータを値が確定しない不具合データとせず、問題のない白ラインデータを送信することができ、不具合画像を出さないような画像処理装置を実現することができる。
【0078】
更に、原稿の副走査方向のサイズが定形でない、例えばFAX送信時の原稿や長尺原稿をスキャナーで読み取る際に、予め何らかの機械的なセンサー等により原稿長を検知し、そのライン長をライン数設定レジスタに格納しなくても、その副走査方向の読み取り範囲を示すフレームゲート信号FGATEBにより、原稿読み取りの終了を検知できるようにし、スムーズに原稿読み取り終了シーケンスに移行できるような機構を有しているため、低コストで高性能な画像処理装置を実現することができる。
【0079】
また、請求項記載の画像処理装置によれば、原稿の副走査方向のサイズが定形でない、例えばFAX送信時の原稿や長尺原稿をスキャナーで読み取る際に、予め何らかの機械的なセンサー等により原稿長を検知し、そのライン長をライン数設定レジスタに格納しなくても、その副走査方向の読み取り範囲を示すフレームゲート信号FGATEBにより、スムーズに原稿読み取り終了シーケンスに移行できるようにした画像処理装置において、サイズが未知の原稿においても読み取り終了時のラインカウンタの値を保持あるいは格納できるような機構を有しているため、システム操作を管理するコントローラ側が容易に原稿サイズを認識でき、これに合った転写紙サイズの選択等の処理を容易に実行できるようにした高機能の画像処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像処理装置の構成を示すブロック図であり、特にMFPの構成に関するものである。
【図2】図1に示した画像処理装置に含まれるIPP4のブロック構成と共に、画像処理概略を示す図である。
【図3】図1に示した画像処理装置に含まれるCDIC3のブロック構成の概略を示すブロック図である。
【図4】図1に示した画像処理装置に含まれるVDC5のブロック構成の概略を示すブロック図である。
【図5】図1に示した画像処理装置に含まれるIMAC10のブロック構成の概略を示すブロック図である。
【図6】図1に示した画像処理装置に含まれるFCU8の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】図1に示した画像処理装置においてセンサボードユニットSBU2からCDIC3への接続の様子を示すブロック図である。
【図8】SBU2からCDIC3に対してスキャナデータ送信の様子を示すタイミングチャートである。
【図9】図1に示すCDIC3内の画像データ入力制御ブロックの様子を示すブロック図である。
【図10】図9中の入力制御シーケンサ321であるステートマシンの状態遷移図の例である。
【図11】SBU2からCDIC3にスキャナデータを送信する際の問題点について示す図である。(a) は読み取り原稿を示す。(b)は通常のフレームゲート信号FGATEBと送信されるスキャナデータとの関係を示す。(c)はFGATEBのネゲートが原稿サイズよりも長く出てしまっている場合の例を示す。(d)はスキャナデータ入力とフレームゲート信号FGATEBのタイミングずれの例を示す。
【図12】図11の(d)に示した画像不具合が改善された場合の例を示す図である。(a)は読み取り原稿を示す。(b)は転写紙を示す。(c)はスキャナデータとして画像メモリ82に送信される画像データを示す。
【図13】FAX原稿や長尺原稿のように定形のサイズではない原稿に対して、フレームゲート信号FGATEBがネゲート後、画像データのメモリへの送信を終了する場合の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 読み取りユニット
2 SBU
3 CDIC
4 IPP
5 VDC
6 作像ユニット
7 PN
8 FCU
9 MEM
10 IMAC
11 PC
12 Ope.Pane
13、18 ROM
14、17 RAM
15 システムコントローラ
16 プロセスコントローラ
30 コマンド制御部
31 画像データ入出力制御部
32 画像データ入力制御部
33 データ圧縮部
34 データ変換部
35 画像データ出力制御部
36 データ伸長部
37 パラレルデータI/F
38、39 シリアルデータI/F
41、43 入力I/F
42、44 出力I/F
45 スキャナ画像処理部
46 画質処理部
47 コマンド制御部
51 エッジ平滑処理部
52 パルス制御部
53 パラレルデータI/F
54 データ変換部
55 シリアルデータI/F
80 外部I/F
81 FAX画像処理部
82 画像メモリ
83 メモリ制御部
84 ファクシミリ制御部
85 画像圧縮伸長部
86 モデム
87 網制御部
101 システムコントローラI/F
102 メモリアクセス制御部
103 ラインバッファ
104 ビデオ制御部
105 データ圧縮部
106 データ伸長部
107 データ変換部
108 パラレルデータI/F
100 パラレルバス
200 シリアルバス
321 入力制御シーケンサ
322 LCNT(ラインカウンタ)
323 LREG(原稿画像ライン数設定レジスタ)
324 NGCUT
325 CMP(コンパレータ)
326 MUX

Claims (2)

  1. 読取手段から読み取られた原稿画像信号をデジタル画像信号に変換する変換手段と、
    前記デジタル画像信号を所定の画像信号へ処理する画像処理手段と、
    前記画像処理手段により処理された画像を格納する蓄積手段とを有する画像処理装置であって、
    前記読取手段からの読み取りの開始を示すフレーム信号のアサートにより前記画像処理手段で画像処理を実行し、
    前記画像処理の終わりを示すフレーム信号のネゲートを予め設定されたライン数よりも早いタイミングで受信した場合、前記フレーム信号のネゲートから前記設定したライン数までを白ラインデータとして前記蓄積手段に画像を送信するか、
    前記設定したライン数にかかわらず前記フレーム信号のネゲートで前記蓄積手段への画像データ送信を終了するかを選択する選択手段を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 原稿画像領域を示すフレーム信号がネゲートした際のラインカウンタの値を保持するネゲート時ライン値保持手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
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