JP2002039810A - 土木・建設構造物の状態検査方法及びそのシステム並びにそれに用いるセンサ一体型デバイス - Google Patents

土木・建設構造物の状態検査方法及びそのシステム並びにそれに用いるセンサ一体型デバイス

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JP2002039810A
JP2002039810A JP2000223057A JP2000223057A JP2002039810A JP 2002039810 A JP2002039810 A JP 2002039810A JP 2000223057 A JP2000223057 A JP 2000223057A JP 2000223057 A JP2000223057 A JP 2000223057A JP 2002039810 A JP2002039810 A JP 2002039810A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検査に際して足場を組む等の面倒な作業が不
要で、しかも、構造物表面だけでなく内部の状態も検査
することができ、更に目視確認できない微かな異変や化
学的状態変化も見逃すことなく確実に検出できる土木・
建設構造物の状態検査方法とそのシステムを提供せんと
するものである。 【解決手段】 土木・建設構造物Bに、当該土木・建設
構造物各部が有するアナログ的状態量を検出する機能セ
ンサを検査対象領域全域にわたって複数個埋め込み、当
該機能センサが検出した状態量に各センサを区別する識
別IDを付加してなる検査情報を移動体Mから照射する
電磁波を電力源にして移動体Mに向かって送信し、非接
触で移動体Mに収集した検査情報を解析することで土木
・建設構造物各部が有する状態を検査することを特徴と
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトンネルや橋梁、更
にはビルディングなどの土木・建設構造物の物理的・化
学的状態を非破壊検査する方法とそのシステムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】トンネルや橋梁等の土木構造物やビルデ
ィング等の建設構造物などのコンクリート構造物に発生
する亀裂やその他状態変化を検査して、構造物の劣化状
況や危険度合いを特定し、これらに対する対策を講ずる
ことは安全上、極めて重要な事柄である。従来、これら
検査は、そのほとんどが目視検査により行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら目視によ
る検査では、例えばトンネルや橋梁などの高所を対象と
した検査の場合、足場を組む必要があり、足場の組立及
び解体という面倒な作業が必要になるうえに、交通規制
が必要になる場合もある。また足場を組むなどの事前準
備が必要であるため、検査に日数を要し、必要に応じて
迅速に検査を実行できないという問題もある。また目視
による検査は構造物表面の検査にすぎず、しかもそれは
目視確認できるもののみを対象としたものにすぎないた
め、構造物深部で進行している劣化や目視確認できない
ような微かな変化、更には化学的な状態変化などは捉え
ることはできない。
【0004】本発明は、かかる現況に鑑みてなされたも
のであり、検査に際して足場を組む等の面倒な作業が不
要で、しかも、構造物表面だけでなく内部の状態も検査
することができ、更に目視確認できない微かな異変や化
学的状態変化も見逃すことなく確実に検出できる土木・
建設構造物の状態検査方法とそのシステムを提供せんと
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく鋭意検討した結果、土木・建設構造物に機能セ
ンサを複数個埋め込み、これら機能センサーによって捉
えられる構造物各部が内包するアナログ的状態量を検出
し、この検出結果を電磁波に乗せて非接触で移動体に収
集して解析することとすれば、土木・建設構造物内部の
状態を非破壊で検査できると考えた。そして、この機能
センサが検出した信号を移動体に送信するために必要と
なる電力の一部または全部を、移動体側から照射される
電磁波から得ることとすれば、構造物設置側装置の電池
交換を全く不要にでき、メンテナンス性に優れた検査シ
ステムを構築できると着想した。そして更に、機能セン
サから収集される信号のそれぞれに、その信号発生源で
ある機能センサのIDを付加することで、収集された検
査情報それぞれの取得箇所を特定できると考えた。
【0006】このような着想に基づいて完成された本発
明の土木・建設構造物の状態検査方法は、土木・建設構
造物に、当該土木・建設構造物各部が有するアナログ的
状態量を検出する機能センサを検査対象領域全域にわた
って複数個埋め込み、移動体から照射する電磁波を電力
源として移動体に非接触で電力を供給し、前記機能セン
サが検出した状態量に各センサを区別するIDを付加し
た検査情報を、非接触で移動体に収集し解析することで
土木・建設構造物各部が有する状態を検査することを特
徴としている。このような検査方法によれば、機能セン
サは構造物に埋め込まれ、しかも各センサから送られて
くる信号にはIDが付されているので、構造物深部の情
報を位置情報を伴って得ることができ、また情報の収集
は非接触で行われるので、端子等の接続は不要であり、
しかも検査情報送信側設備(構造物設置側設備)は移動
体から照射される電磁波から電力を得るため、電池交換
の必要もない。
【0007】このような考え方に基づき提案される土木
・建設構造物の状態検査システムは、大きく分けて次の
二種類に大別できる。これら二種類は、構造物側に設置
される検査情報送信側設備の形態の相違により区別され
る。
【0008】先ず第1は、複数の機能センサを検査対象
領域に埋め込んで、これらから導出される出力信号を土
木・建設構造物の特定箇所に集め、当該箇所に設けた集
合送信デバイスを通じてこれら信号を移動体に受け渡す
というものであり、第2は機能センサと信号処理回路や
送信回路を一体化したコンパクトなセンサ一体型デバイ
スを作製し、これを検査対象領域全域に複数個埋設し
て、移動体はこれらセンサ一体型デバイスとの間で情報
授受を直接行うというものである。
【0009】前記第1の検査システムは、土木・建設構
造物の検査対象領域全域にわたって複数個埋設され、当
該土木・建設構造物各部が有するアナログ的状態量を検
出する機能センサ群と、これら機能センサ群のそれぞれ
の出力信号を当該土木・建設構造物の特定箇所に集合さ
せる信号集合手段と、土木・建設構造物の特定箇所に設
置される装置であって、前記機能センサ群を構成するセ
ンサそれぞれの出力信号をデジタル信号化する手段を備
え、これら信号に信号発生源である機能センサを特定す
るIDを付加した検査情報を電磁波に乗せて送信する手
段と、これら手段の駆動電力の一部または全部を移動体
から照射される電磁波から得る手段とを備えさせた集合
送信デバイスと、前記集合送信デバイスに対して移動自
在であり、電磁波を照射して集合送信デバイスに非接触
で電力を供給する手段を備えるとともに、前記集合送信
デバイスが送信する土木・建設構造物各部に関する検査
情報を非接触で受け取る手段とを備えた移動体と、前記
移動体に収集された検査情報を解析する解析手段とより
なることを特徴としている。
【0010】また、前記第2の検査システムは、土木・
建設構造物が有するアナログ的状態量を検出する機能セ
ンサと、当該機能センサの出力信号をデジタル信号化す
る手段と、信号発生源である機能センサを特定するID
を付加する手段と、前記デジタル信号化された機能セン
サの出力信号と前記IDとを含む検査情報を電磁波に乗
せて送出する手段と、これら手段の駆動電力の一部また
は全部を移動体から照射される電磁波から得る手段とを
一体化したセンサ一体型デバイスを検査対象領域全域に
わたって複数個埋設したセンサ一体型デバイス群と、前
記センサ一体型デバイスのそれぞれに対して移動自在で
あり、電磁波を照射してこれらセンサ一体型デバイスの
それぞれに非接触で電力を供給する手段を備えるととも
に、センサ一体型デバイスのそれぞれが送信する土木・
建設構造物各部に関する検査情報を非接触で受け取る手
段とを備えた移動体と、前記移動体に収集された検査情
報を解析する解析手段とよりなることを特徴としてい
る。
【0011】構造物に埋め込むセンサ一体型デバイスは
構造物素材に対して異物として機能するものであっては
ならない。異物として機能すると、その存在自体が構造
物に亀裂を発生させる原因となる。したがってセンサ一
体型デバイスの外形状及び表面性状は土木・建設構造物
の構成素材に対して異物として機能しないものを選択す
る。例えば、センサ一体型デバイスをリング状に構成
し、その穴部に土木・建設構造物の構成素材が貫通する
ように構造物に埋設することにより構造物素材との一体
性を高めることが好ましい。
【0012】収集したデータをもとに構造物の検査領域
各部の状態を特定するために、移動体または解析手段に
機能センサを特定するIDとその埋設位置との関係を示
すマップ情報を保有させることが好ましい。
【0013】前述したのは、構造物の現時点での状態を
検査するものであったが、構造物がどのような状態を経
て現在に至っているかを検査することも重要である。こ
の目的を達成するために、センサの出力信号を常時監視
して状態量のピーク値の履歴情報を記録する手段を集合
送信デバイスやセンサ一体型デバイスに設けることが望
まれる。
【0014】本発明の適用例としては多くのものが挙げ
られるが、例えばトンネル内を走行する車両にデータ収
集機能を装備させ、これを移動体となしてトンネル壁体
の状態を検査する例などが典型例として挙げられる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に本発明の詳細を図示した実施
例に基づき説明する。図1は本発明の概念を示してい
る。本発明は土木・建設構造物が内包するアナログ状態
量を検査情報の形で取り出し、この検査情報を電磁波に
乗せて非接触で移動体に収集するものである。そして前
記アナログ状態量を検出するために、構造物の検査対象
領域全域にわたって機能センサを複数個埋め込み、また
これらセンサから移動体への信号伝達に必要となる電力
の一部または全部を移動体から照射される電磁波から受
け取るようにしたものである。
【0016】本発明の対象となる土木・建設構造物は、
トンネルや橋梁、更にはビルなどのコンクリート構造物
が主なものであるが、機能センサを埋め込むことができ
るものであればコンクリート構造物以外のものも除外す
るものではない。また収集するアナログ状態量は亀裂の
発生度合いや構造物の劣化の状態を知るために必要とな
る状態量であり、具体的には引張力や圧縮力、伸びや歪
み、硬さや表面性状などの機械的状態量、導電率、誘電
率、磁束密度などの物理的状態量、構成素材の酸性度や
塩分量などの化学的状態量、含水量、温度などである。
また状態量の概念には現在の状態量とともに状態量の変
化値も含むものとする。
【0017】また検査情報を受け取る移動体は、検査情
報送信側設備である集合送信デバイスやセンサ一体型デ
バイスに対して移動するものであって、移動体には検査
情報送信側設備に対して電磁波を照射して非接触で電力
を供給する手段と、前記送信元装置が送信する検査情報
を非接触で受け取る手段とを少なくとも備えさせてい
る。電磁波を照射して非接触で電力を供給する手段とは
具体的には、対設するコイル同士を磁気結合して電力を
授受するものなどが挙げられる。ここで移動可能に構成
している意味は、検査対象領域が広範囲に及ぶ場合、多
数の送信元装置間を次々と移動してこれら装置から検査
情報を収集する必要があるためである。このような移動
体は、様々な形態をとることができ、前記各手段を自動
車や列車などの車両に搭載した形態、ロボットの形態、
更には係員が携帯する端末装置の形態などをとることが
できる。
【0018】機能センサとしてはこれらアナログ状態量
を検出する機能を有するものが用いられ、例えば図2
(a)に示すように、時間経過に伴い変化する前記状態
量を電流値変化として検出するものなどが採用できる。
ここでa1,a2,a3として示すピークは一時的に状
態変化が生じたものの、その変化量が少なかったために
その後変化前の状態に復旧したことを示し、他方、bと
して示すピークは復旧不可能な状態変化、例えば亀裂が
生じたことを意味している。構造物の状態を検査するう
えでbの状態を検出することは絶対必要であるが、a
1,a2,a3の状態の検出は必要である場合とそうで
ない場合とがある。またbの状態は復旧することはない
から現時点での状態量からもbの状態にあることを知る
ことはできるが、a1,a2,a3の状態は復旧するこ
とから、構造物がこれら状態を経て現在に至っているこ
とを知るには履歴を残す必要がある。センサが検出した
アナログ量はデジタル量に変換したうえ取り扱うが、こ
のデジタル量への変換は(b)のように多値化する場合
と、(c)のように二値化する場合とが考えられる。復
旧不可能なbの状態のみを検出して移動体に伝えるだけ
でよいのであれば二値化すればよいし、a1,a2,a
3の状態も履歴情報として移動体に伝えるのであれば多
値化する必要がある。
【0019】機能センサとしては、前記状態量、あるい
は状態量の変化を電流変化や電圧変化として検出するも
のが好ましい。より具体的な1例をあげると、図3に示
すような炭素繊維を束ねたものなどが挙げられる。この
センサは複数本の炭素繊維11,11……を束ねたもの
で、当該センサに作用する引張力よって炭素繊維11,
11……の一部が破断したことを抵抗値変化として捉え
て検査箇所に生じた亀裂を検出せんとするものである。
尚、検査箇所における状態変化が炭素繊維11,11…
…の破断にまで至ることのない小さなものである場合、
その状態変化は炭素繊維11,11……の伸びによる抵
抗値増大として検出されることになる。
【0020】このようなセンサSは例えば図5に示すよ
うに、トンネル内壁に縦横に配列されて埋設される。隣
接するセンサS相互の間隔や埋設深さは検査目的に応じ
て適宜設定すればよい。センサSが検出した状態量の移
動体への伝達の仕方としては、大きく分けて次の2種類
がある。 検査対象部位に縦横に埋め込んだ複数のセンサそれぞ
れと、土木・建設構造物の特定箇所に配置された信号処
理デバイスとの間を電気配線によって結び、センサの出
力信号をこれらを処理する集合送信デバイスに集めたう
え、当該集合送信デバイスから移動体に状態量を送る方
法。 センサと信号処理回路並びに送信回路を一体化した小
型のセンサ一体型デバイスを作製し、このセンサ一体型
デバイスを検査対象領域全域にわたって縦横に複数個埋
め込み、それぞれのセンサ一体型デバイスから移動体に
状態量を直接送る方法。
【0021】図6はの方法の概念を示したもので、縦
横に埋設したセンサS,S……と集合送信デバイスDと
の間を電気配線Lで結び、このデバイスDから電磁波に
よって移動体Mに向かって状態量に関するデータを乗せ
た電磁波を送ることを表している。この場合、電気配線
Lを這わす手間が必要である代わりに、信号処理デバイ
スDは埋設する必要がないため大きさに対する制約がな
く、付加機能を付与するための追加回路を搭載する空間
的余裕を有するとともに、集合送信デバイスDに電池を
内蔵させて、この電池を、移動体から供給される電力の
補助電源として用いることなどができるなどの利点があ
る。
【0022】これに対しての方法の場合は、センサ一
体型デバイスの小型化及び低価格化を如何に実現するか
が課題となるが、電気配線を這わす必要がないという利
点を有する。またこの方法では、センサ一体型デバイス
が土木・建設構造物に対して異物として機能させないこ
とも重要である。この解決策としては、例えば、図7
(a)で示すような外観のセンサ一体型デバイスSDが
提案される。このセンサ一体型デバイスSDは合成樹脂
で覆われたリング体であり、表面に粗面加工が施されて
いたり、凹凸部が設けられたりしている。合成樹脂の素
材としては長期間耐久性を有する耐環境性樹脂を用いる
ことが好ましい。また発泡合成樹脂を用いることが構造
物構成素材と馴染ます観点からは好ましい。センサ一体
型デバイスの大きさがあまり大きいと、それ自身が異物
となって亀裂の原因となる。そこでセンサ一体型デバイ
スSDの大きさは概ねコンクリート素材に含まれる砕石
よりも小さくすることが望まれる。またリング形状とし
ているのは、穴部に土木・建設構造物の構成素材を貫通
充填することにより、構成素材との一体性を高めんがた
めである。リング体は図10(a)に示すように四角形
状の外形を有するリング体であってもよいが、角部のな
い図10(b)(c)に示すような円形状の方が亀裂の
発生抑止の点で好ましい。また表面に粗面加工を施した
り凹凸部を設けるのも周囲素材との一体性を高めんがた
めである。
【0023】このようなリング体の内部構造としては例
えば図7(b)に示すように、リング状に形成したセン
サSと送受信用のアンテナコイルCを半導体回路で構成
される信号処理部Pに接続した構成などが採用できる。
この場合、センサ一体型デバイスSDのリング状の外形
状を利用してセンサS及びアンテナコイルCを配置する
ことができるのでセンサ一体型デバイスSDの小型化に
貢献できる。センサSをリング状に形成するのではな
く、図10(c)に示すようにリング体に帯状となした
センサSを連設した構成であってもよい。そして図8に
示すように、当該センサ一体型デバイスSDの埋め込み
位置周辺に発生した亀裂CRを前記センサSを変形させ
る力として検出するものである。図例のものでは亀裂C
Rはセンサ一体型デバイスSDの穴部Hを通過している
ので、亀裂幅が拡大するほどセンサ一体型デバイスSD
のリング形状を楕円化する力が作用することになる。
尚、図中STは、コンクリート素材に含まれる砕石であ
り、センサ一体型デバイスSDはこの砂利石STとほぼ
同等の大きさか、あるいはそれ以下の大きさに設定す
る。
【0024】これらセンサ一体型デバイスSDから送信
される検査情報は、センサ一体型デバイスSD間を次々
と移動する移動体によって収集される。検査情報の取得
動作は対象となるセンサ一体型デバイスSDの至近距離
でいったん停止して行ってもよいし、また停止すること
なく連続移動しながら行ってもよい。またいったん停止
して情報取得する場合、一定区域内に存在する複数のセ
ンサ一体型デバイスSDからの検査情報の取得が完了す
るたびに次の区域へ移動するようにしてもよい。
【0025】これらセンサ一体型デバイスSDから収集
される検査情報には、これら検査情報のそれぞれを区別
するために、センサSのIDを含ませている。IDとし
ては、通常、番号で表現されるものを使用するが、互い
に区別できるものであれば他の表現形式であってもよ
い。検査情報がIDを伴っていることによって、その状
態量がどのセンサSから出力されたものであるかを特定
することができる。そして、このIDとセンサSの配置
位置との関係を示すマップ情報を記録したマップデータ
ベースDBを構築して、多数のマップ情報を予め格納し
ておき、各検査対象領域を検査する際に、該当するマッ
プ情報を取り出して参照することにより、検査対象領域
における状態量の分布をコンピューター上に再現できる
ようにしている。
【0026】図11はセンサ一体型デバイスSDを用い
た検査システムの代表的構成を示している。このシステ
ムは、土木・建設構造物に埋設された複数のセンサ一体
型デバイスSDと、これら複数のセンサ一体型デバイス
SD間を移動して検査情報を収集する移動体Mと、マッ
プデータベースDBとより構成されている。図では1つ
のセンサ一体型デバイスSDしか描いていないが、実際
は多数のセンサ一体型デバイスSDが土木・建設構造物
の検査対象領域全域にわたって縦横にマトリックス状に
存在しており、移動体Mはこれら多数のセンサ一体型デ
バイスSDに対して移動可能であり、隣接するセンサ一
体型デバイスSD間を移動して検査情報を収集する構成
となっている。
【0027】センサ一体型デバイスには少なくとも、セ
ンサが出力するアナログ信号をデジタル信号化するA/
D変換部1と制御回路3とが設けられている。制御回路
には、センサ一体型デバイスSDを作動させるうえで必
要となる種々の機能を集約させており、少なくとも、デ
ジタル化した状態量にIDを付与して検査情報となす機
能と、移動体Mとの非接触の通信機能を有している。こ
の通信機能は、前記検査情報を移動体Mに転送するとと
もに、他方、移動体M側からはタイミングクロック信号
と操作指令を受け取るという内容を有している。そして
更に大きな特徴は、前記転送のための電力を、移動体側
から照射される電磁波から得る機能を有していることで
ある。この電力確保は、移動体から送られてくるタイミ
ングクロック信号および操作指令が乗った電磁波をデー
タ送受信用コイル4にて受信し、移動体M側のデータ送
受信用コイル9との磁気結合によって当該コイル4に誘
起される電流を整流することで得ている。電力源となる
電磁波の強度は、センサ一体型デバイスSDと移動体M
との距離を考慮して設定される。データ送受信用コイル
4としては基板上にパターンを描いて作られるシートコ
イルを用いることが好ましい。シートコイルであればコ
イルの薄型化が可能になるとともに同一基板上に制御回
路と一緒に作り込むことができ、量産性を高めることが
できる。センサ一体型デバイスSDは大量に埋設する必
要があることから、量産性に優れ低コストであることは
極めて重要な要素である。
【0028】データの転送速度やデータの転送距離は検
査環境に応じて適宜設定すればよいが、本発明者が確認
したところによると、移動体Mとして時速15キロメート
ル(秒速4.2メートル)で走行するデータ収集車では、
データ転送距離を2m程度にすれば500ビット程度の情報
転送が可能になることを確認している。一方、移動体側
に組み込まれる制御回路10には、センサ一体型デバイ
スSDに電力を供給する機能、センサ一体型デバイスS
Dにタイミングクロック信号および操作指令を与える機
能、センサ一体型デバイスSDから検査情報を受け取る
機能を備えている。またこのシステムにはマップデータ
ベースが備えられている。このマップデータベースとは
図示するように機能センサのID番号(ID:0001
〜)とその埋設位置g(1,1)〜g(m,n)との関
係を示すマップ情報Gを記録したものであり、移動体M
に収集された検査情報に基づいて検査対象領域における
状態量の分布を再現するためのものである。ここではマ
ップデータベースは移動体Mの外部に設けられ、移動体
MからマップデータベースDBにアクセスするようにし
ているが、マップデータベースDBは移動体Mに内蔵さ
せたり、あるいは別途設けた解析装置に内蔵されるよう
にしてもよい。解析装置は専用の装置であってもよい
し、パソコン等の汎用機器であってもよい。
【0029】このような検査システムは、例えば次のよ
うにして用いられる。ここではトンネルを検査対象とし
た場合について述べる。まず土木・建設構造物Bとして
のトンネルには図12に示すようにセンサ一体型デバイ
スSDが縦横に埋設されている。この埋設はトンネル建
設時に行っておく。このようなトンネルの中を移動体M
としての車両を通過させ、移動させながらデータを収集
する。データの収集は、先ず移動体M側から電力及びタ
イミングクロック信号並びに操作指令を送り、センサ一
体型デバイスSDがこれに反応して返信するデータを取
得することで行う。デバイスSDからのデータの返信の
タイミングは、車両が近づくことによって車両から照射
される電磁波の強度が高まり、この電磁波によってシー
トコイルに誘起される電流が一定以上になったことで自
動的にそのデバイスSDを活動状態にすることによって
行うことが考えられる。そして活動状態になったデバイ
スSDは、そのデバイスSDに一体化されたセンサSが
出力するアナログ状態量をデジタル信号化し、これにそ
のセンサ固有のID番号を付与して作製される検査情報
を、シートコイルから送信される電磁波に乗せて非接触
で移動体Mに転送する。デバイス内での種々の処理の駆
動源は全て車両側から供給される。デバイス側から転送
された検査情報は車両側に受け取られて、当該車両内あ
るいは車両外において処理される。図では車両に収集し
た検査情報をICカードやフロッピーディスク、更には
リムーバブルハードディスクなどの記録媒体を伝達手段
として解析手段ANであるパソコンに伝達して解析する
場合を示している。パソコンのハードディスク上には前
記ID番号とセンサ配置位置との関係を示すマップデー
タが格納されており、このマップデータを参照してトン
ネル各部の状況を解析し、亀裂CRの発見や亀裂発生の
予兆等を検出するものである。例えばこの解析結果は、
パソコンのディスプレイ上にマップを映し出し、亀裂発
生ポイントにマーク等を付す等して、検査対象領域の状
態が一目瞭然となるようにすることが好ましい。また、
ここでは車両外部のパソコンで解析することとしたが、
パソコンやその他、専用の解析装置を車両に搭載してデ
ータ収集がなされると同時に即時解析してもよい。
【0030】以上述べた例は、土木・建設構造物の現在
の状態を解析するものであったが、土木・建設構造物各
部が過去どのような状態にあったかの履歴情報を解析す
ることも重要である。この場合、センサ一体型デバイス
SD内部には、外部電力の供給を受けることなくセンサ
を稼働させる機構や、センサが検出した状態量を外部電
力の供給を受けることなく記録する機構が必要になる。
図13は、このような動作態様を実現するセンサ一体型
デバイスSDの概略構成を示している。この構成におい
ては、前記図11で示した構成に加えて省電力型検出回
路5、極大値検出回路6、不揮発メモリ7及び電池8を
設けている。
【0031】省電力型検出回路5は、外部電源の供給を
受けることなくセンサSを稼働させるためのインターフ
ェイスである。この回路は常時微弱な電力で平衡を保つ
ようにし、値の変化を検知したときにのみ信号を検出し
て制御回路3に送り、CPUを起動するように設計され
ている。そしてセンサー出力値の経年変化をも考慮し、
無変化時に過大な電流が流れないように常に自動調整さ
れるようにしている。更に状態量変化全てを記録するの
ではなく状態量のピーク値のみを記録させるために極大
値検出回路6を設けている。そしてこの極大値検出回路
6によって検出されたピーク値を、その発生日時の情報
と共に不揮発メモリ7に記録している。不揮発メモリと
してはフラッシュメモリなどが対象となる。これら各回
路に対しての電力供給は内部電源である電池8から行わ
れる。電池8としては長期間電力供給を持続できるもの
が対象となり、リチウム電池などが候補として挙げられ
る。尚、移動体から電磁波の照射を受けた時に、この電
磁波を電力源として充電できる充電電池を用いること
や、前記電磁波によって生じる電力を蓄電するコンデン
サー(図示せず)を設けて、これを補完電源として用い
ることも考えられる。このようなセンサ一体型デバイス
SDは、外部からの電源供給を受けない状態でもセンサ
Sの出力を記録し続けることができ、移動体Mからアク
セスされたときに、その時点での状態量とともに過去の
履歴情報の中の重要情報(ピーク値)のみが受け渡され
ることになる。
【0032】以上述べたのは、センサ一体型デバイスを
用いる場合であったが、センサ一体型デバイスにおいて
適用した技術、即ち、省電力型検出回路5、極大値検出
回路6、不揮発メモリ7及び電池搭載技術などは、セン
サ一体型デバイスSDを用いない場合にも適用できる。
図14はこの場合の構成を示し、検査対象領域に埋設し
た複数のセンサSの出力信号を配線によって集合送信デ
バイスDに集合させる方式への適用を表している。この
例では、センサSの出力は土木・建設構造物表面あるい
は内部に這わした配線によって集合送信デバイスDにま
で導かれ、センサSの中でも集合送信デバイスDまでの
距離が遠いセンサは信号増幅用のアダプタAを介在させ
て集合送信デバイスDにまで導くようにしている。そし
て集合送信デバイスDから移動体Mに電磁波を介してデ
ータを転送し、移動体Mに集められたデータを、無線、
有線、あるいはICカード、フロッピーディスク、リム
ーバブルハードディスクなどの脱着可能な記録媒体など
に代表される伝達手段を用いて解析装置ANとしてのパ
ソコンにデータを集約したうえ解析することになる。集
合送信デバイスDは、例えば図12として示すように、
堅牢な筐体内に図13で開示した各回路に相当する機能
を担うICチップ20,21を設け、且つ筐体に対して
脱着可能な電池22を設けて、電池が消耗したときには
電池交換ができるように構成している。このような集合
送信デバイスDは土木・建設構造物表面における移動体
Mとの交信可能な位置に取り付けられ、図16に示すよ
うに、データ収集車から照射される電磁波を電力源とし
てデータ収集車にデータを転送したり、あるいは図17
に示すように、検査員が携帯する携帯端末機から照射さ
れる電磁波を電力源として携帯端末機にデータを転送し
たりする。集合送信デバイスDには時間管理機能をもた
せることも好ましく、フラッシュメモリーに記録される
履歴情報としての計測データに時間データを加えたり、
あるいは測定スケジュールに基づきセンサやCPUの稼
働を制御するようにしてもよい。
【0033】以上述べた本発明の土木・建設構造物の検
査システムは、さまざまな土木・建設構造物を対象とす
ることができ、図18(a)に示すようにトンネルや、
図18(b)に示すような橋梁、更には図18(c)に
示すようなビルなどの一般建築物などコンクリート構造
物に幅広く適用できる他、コンクリート構造物以外のも
のに対しても適用できる可能性を持っている。また、更
なる応用としてコンクリート打設後の養生過程における
温度変化の検出などへの適用も期待される。
【0034】
【発明の効果】請求項1記載の検査方法によれば、土木
・建設構造物各部の状態を非破壊且つ非接触で検査する
ことができるので、検査に際して足場を組んだり交通規
制するなどの必要がなく、事前作業を行うことなく必要
に応じていつでも検査をすることができる。しかも得ら
れる検査情報はIDを伴っているため、検査情報が得ら
れた各部を正確に特定することができ、検査対象領域全
域にわたる各部の状態をその位置関係とともに正確に知
ることができる。移動体側から電磁波を照射することで
センサ出力を処理する回路に電力を供給しているので、
検査情報送信側設備への電池搭載の必要をなくしたり、
あるいは電池の交換を全く不要又は長期間不要にするこ
とができ、メンテナンス性にも極めて優れている。
【0035】また請求項2のように複数の機能センサ群
からの出力を土木・建設構造物特定箇所に集合させ、集
合送信デバイスを通じて検査情報を移動体に送るシステ
ム構成を採用した場合、土木・建設構造物の検査箇所に
埋め込むものは小さなセンサだけとなるので、埋め込み
が容易となる。また集合送信デバイスは土木・建設構造
物に埋め込む必要はないから、集合送信デバイスに対し
てのメンテナンスは簡単となり、またその大きさにも制
約がないことから多様な処理回路を搭載させて検査シス
テムの高機能化をはかることができる。
【0036】請求項3記載のように機能センサと送信機
能を含む回路群等を一体化したセンサ一体型デバイスを
用いて、このセンサ一体型デバイスそれぞれと移動体と
の間で情報授受を直接行うようにした場合には、請求項
2記載の発明のようにセンサから配線を導出する必要を
なくすことができる。そしてセンサ一体型デバイスが必
要とする電力のすべてを移動体側から照射する電磁波に
よって与えることにより、検査情報送信側設備をフリー
メンテナンスにすることができる。
【0037】請求項4記載のように、リング状となした
センサ一体型デバイスを、その穴部に土木・建設構造物
の構成素材を貫通させた状態で構造物に埋設するように
したり、請求項5記載のように、センサ一体型デバイス
の外形状及び表面性状を土木・建設構造物の構成素材に
対して異物として機能しないように工夫した場合、セン
サ一体型デバイスは構成素材に馴染み、当該デバイスの
存在が新たな亀裂発生原因となることを完全に防ぐこと
ができる。
【0038】請求項6記載のように、移動体または解析
手段に機能センサの埋設位置とIDとの関係を示すマッ
プ情報を保有させた場合、得られた検査情報が検査対象
領域におけるどの位置での情報であるかを正確に特定す
ることができ、検査対象領域全域にわたる状態量の分布
を知ることができる。
【0039】請求項7記載のように、集合送信デバイス
に機能センサの出力信号を常時監視して状態変化のピー
ク値の履歴情報を記録する手段を設けたり、請求項8記
載のように同手段をセンサ一体型デバイスに設けた場
合、検査時の状態に加えて過去の状態も把握することが
できる。
【0040】請求項9記載のように、土木・建設構造物
がトンネルであり、データ収集装置がこのトンネル内を
走行する車両に搭載される場合、従来、足場を組むなど
の多大の手間を要していた検査作業を簡単に済ますこと
ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本的な考え方を示す説明図
【図2】 センサの検出信号を示し、(a)はアナログ
信号、(b)は多値化されたデジタル信号、(c)は二
値化されたデジタル信号
【図3】 炭素繊維を束ねて構成されるセンサの説明図
【図4】 図3で示したセンサにおいて炭素繊維が破断
した状態を示す説明図
【図5】 センサの埋設場所としてのトンネルを示す説
明図
【図6】 複数センサからの出力を集合送信デバイスに
集合させて処理する方法の概念を示す説明図
【図7】 (a)はセンサ一体型デバイスの一例を示す
外観説明図、(b)は同デバイスの内部構造を示す説明
【図8】 土木・建設構造物構成素材に埋設状態となっ
たセンサ一体型デバイスを示す説明図
【図9】 複数個のセンサ一体型デバイス間を移動体が
移動しながら情報授受を行う様子を示す説明図
【図10】 (a)(b)(c)はセンサ一体型デバイ
スの他の形状を示す説明図
【図11】 センサ一体型デバイスを用いた場合の本シ
ステムの構成を示す説明図
【図12】 本システムをトンネルの検査に適用した例
を示す説明図
【図13】 履歴情報の記録手段を設けたセンサ一体型
デバイスの構成を示す説明図
【図14】 複数センサからの出力を集合送信デバイス
に集合させて処理する実施例を示す説明図
【図15】 同実施例に用いられる集合送信デバイスの
具体例を示す説明図
【図16】 集合送信デバイスとの情報授受を車両との
間で行う例を示す説明図
【図17】 集合送信デバイスとの情報授受を携帯端末
との間で行う例を示す説明図
【図18】 本発明の適用対象となる土木・建設構造物
の例を示し、(a)はトンネル、(b)は橋梁、(c)
はビルを示す。
【符号の説明】
A アダプタ AN 解析手段 B 土木・建設構造物 M 移動体 S 機能センサ SD センサ一体型デバイス L 配線 D 集合送信デバイス C 送受信用コイル P 信号処理部 ST 砕石 CR 亀裂 H 穴部 DB マップデータベース G マップ情報 1 A/D変換部 3 制御回路 4 データ送受信用コイル 5 省電力型検出回路 6 極大値検出回路 7 不揮発メモリ 9 データ送受信用コイル 11 炭素繊維 20 ICチップ 21 ICチップ 22 電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉田 稔 千葉県千葉市中央区千葉寺町137−1 (72)発明者 白石 理人 千葉県市川市新田2丁目32番8号215室 Fターム(参考) 2F076 BB09 BC00 BD07 BD10 BD11 BD13 BD15 BD16 BD17 BE04 BE05 BE09 BE18 BE19 2G060 AA08 AE01 AF20 EA06 EA08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土木・建設構造物に、当該土木・建設構
    造物各部が有するアナログ的状態量を検出する機能セン
    サを検査対象領域全域にわたって複数個埋め込み、移動
    体から照射する電磁波を電力源として移動体に非接触で
    電力を供給し、前記機能センサが検出した状態量に各セ
    ンサを区別するIDを付加した検査情報を、非接触で移
    動体に収集し解析することで土木・建設構造物各部が有
    する状態を検査することを特徴とする土木・建設構造物
    の状態検査方法。
  2. 【請求項2】 土木・建設構造物の検査対象領域全域に
    わたって複数個埋設され、当該土木・建設構造物各部が
    有するアナログ的状態量を検出する機能センサ群と、 これら機能センサ群のそれぞれの出力信号を当該土木・
    建設構造物の特定箇所に集合させる信号集合手段と、 土木・建設構造物の特定箇所に設置される装置であっ
    て、前記機能センサ群を構成するセンサそれぞれの出力
    信号をデジタル信号化する手段を備え、これら信号に信
    号発生源である機能センサを特定するIDを付加した検
    査情報を電磁波に乗せて送信する手段と、これら手段の
    駆動電力の一部または全部を移動体から照射される電磁
    波から得る手段とを備えさせた集合送信デバイスと、 前記集合送信デバイスに対して移動自在であり、電磁波
    を照射して集合送信デバイスに非接触で電力を供給する
    手段を備えるとともに、前記集合送信デバイスが送信す
    る土木・建設構造物各部に関する検査情報を非接触で受
    け取る手段とを備えた移動体と、 前記移動体に収集された検査情報を解析する解析手段
    と、 よりなる土木・建設構造物の状態検査システム。
  3. 【請求項3】 土木・建設構造物が有するアナログ的状
    態量を検出する機能センサと、 当該機能センサの出力信号をデジタル信号化する手段
    と、信号発生源である機能センサを特定するIDを付加
    する手段と、前記デジタル信号化された機能センサの出
    力信号と前記IDとを含む検査情報を電磁波に乗せて送
    信する手段と、これら手段の駆動電力の一部または全部
    を移動体から照射される電磁波から得る手段とを一体化
    したセンサ一体型デバイスを検査対象領域全域にわたっ
    て複数個埋設してなるセンサ一体型デバイス群と、 前記センサ一体型デバイスのそれぞれに対して移動自在
    であり、電磁波を照射してこれらセンサ一体型デバイス
    のそれぞれに非接触で電力を供給する手段を備えるとと
    もに、センサ一体型デバイスのそれぞれが送信する土木
    ・建設構造物各部に関する検査情報を非接触で受け取る
    手段とを備えた移動体と、 前記移動体に収集された検査情報を解析する解析手段
    と、 よりなる土木・建設構造物の状態検査システム。
  4. 【請求項4】 センサ一体型デバイスはリング状であ
    り、その穴部に土木・建設構造物の構成素材を貫通させ
    た状態で構造物に埋設される請求項3記載の土木・建設
    構造物の状態検査システム。
  5. 【請求項5】 センサ一体型デバイスは、土木・建設構
    造物の構成素材に対して異物として機能しない外形状及
    び表面性状を有する請求項3又は4記載の土木・建設構
    造物の状態検査システム。
  6. 【請求項6】 移動体または解析手段に機能センサのI
    Dと埋設位置との関係を示すマップ情報を保有させた請
    求項2又は3記載の土木・建設構造物の状態検査システ
    ム。
  7. 【請求項7】 機能センサの出力信号を常時監視して状
    態量のピーク値の履歴情報を記録する手段を集合送信デ
    バイスに設けた請求項2記載の土木・建設構造物の状態
    検査システム。
  8. 【請求項8】 機能センサの出力信号を常時監視して状
    態量のピーク値の履歴情報を記録する手段をセンサ一体
    型デバイスに設けた請求項3記載の土木・建設構造物の
    状態検査システム。
  9. 【請求項9】 土木・建設構造物がトンネルであり、移
    動体がこのトンネル内を走行するデータ収集機能を有す
    る車両である請求項2〜8のいずれか1項に記載の土木
    ・建設構造物の状態検査システム。
  10. 【請求項10】 請求項3記載の土木・建設構造物の状
    態検査システムに用いるセンサ一体型デバイス。
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