JP2006184027A - 自走ロボットを用いた聴診点検装置 - Google Patents

自走ロボットを用いた聴診点検装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006184027A
JP2006184027A JP2004374921A JP2004374921A JP2006184027A JP 2006184027 A JP2006184027 A JP 2006184027A JP 2004374921 A JP2004374921 A JP 2004374921A JP 2004374921 A JP2004374921 A JP 2004374921A JP 2006184027 A JP2006184027 A JP 2006184027A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
auscultation
inspection
self
equipment
propelled robot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004374921A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuji Hiraoka
和司 平岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Electric Power Co Inc filed Critical Chugoku Electric Power Co Inc
Priority to JP2004374921A priority Critical patent/JP2006184027A/ja
Publication of JP2006184027A publication Critical patent/JP2006184027A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Examining Or Testing Airtightness (AREA)

Abstract

【課題】 機器類の稼動時における状況、流体が流れている配管等の状況を聴診により点検すると共に、その点検箇所を正確に検出することで、機器類は元より長尺な配管のように広範囲な監視範囲であってもその異常個所と異常状況を確実かつ容易に点検する。
【解決手段】 点検箇所2それぞれに取り付けた点検指標3と、点検指標3から発信する情報を読み取り、その点検箇所2を検出する読取装置4と、その点検箇所2を聴診する聴診装置5とを装着した自走ロボット6と、自走ロボット6の読取装置4と別の場所にある端末装置15に備えた判定装置7間の情報を授受する伝送装置8と、自走ロボット6の聴診装置5で測定した振動の周波数と振幅を信号に変換し、この信号を既知のデータと比較・分析して配管、機器類1の点検箇所2の異常等の状況を判定する判定装置7と、を備えた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、発電所・変電所又は工場などの配管、機器類の稼動時における状況、流体が流れている配管等の状況を聴診により継続的な管理を行うことで異常を点検する聴診点検装置に係り、特に長尺の配管のような監視範囲が広範囲かつ点検ポイントが膨大な数に及ぶものについて、その異常を自走ロボットで巡回点検する自走ロボットを用いた聴診点検装置に関するものである。
従来より、発電所・変電所又は工場などの機器類の稼動時における状況の監視、配管の状況の確認等の監視などは、人がパトロールしてその現場における人の状況判断、或いはそこで取得した情報を以前のデータと比較して行っていた。例えば、点検に熟練した作業者が、発電所・変電所又は工場へ赴き、配管や機器類の状況を点検していた。
また、コスト低減を図りながら巨大化する設備における配管を点検する技術が提案されている。例えば、特許文献1の特開平5−87669号「配管漏洩検査方法」に、化学プラント等において水、油等を輸送する配管からの漏洩の有無を判定する技術が種々提案されている。
この特許文献1に記載されている配管漏洩検査方法は、配管の2点における音圧を検出し、所定値以下の音圧の周波数成分を除去して得た音圧について、この音圧の波形と強度を基準値と比較して漏洩の有無を判定するとともに、前記2点における漏洩音の伝播時間差から漏洩地点を算出することを特徴とする方法である。この点検方法は、5kHz以下の低周波数帯域の音圧成分を除去することにより流動音、機械音等の外乱を大幅に除去できるから、配管内に水、油等を流動させた状態であっても漏洩点検をなし得るものである。
特開平5−87669号
しかし、上述したような熟練した作業者を監視作業に従事させることは、コスト低減を図りながら巨大化する設備における配管や機器類の状況について漏れの無い点検パトロールを行おうとする傾向に反するものであった。特に、発電所・変電所又は工場内における長尺な配管のような監視範囲が広範囲かつ点検ポイントが膨大なものについては、熟練した作業者といえども完璧にその状況を監視することが困難であるという問題を有していた。
配管類の管壁の減肉という事象は10年〜20年という長い年月をかけて進行するものである。このような配管類の長い年月にわたって変化する異常について、人が判断することは大変困難であった。また、作業者のローテーションや高齢化などは継続的・持続的なきめ細かい維持管理を困難なものとしているだけでなく、人による判定は時々の体調や個人差なども介在するため、トラブルや事故防止の観点からも、長い年月をかけて徐々に進行する機器や配管類の経年劣化の良否判定を自動的かつ正確に行うシステムが渇望されている。
そこで、本発明の発明者は、古くから使用されている「聴診点検」に着目した。機器類の発する振動や音は機器類の運転状態における状況を端的に表している。その振動や音は種々の集音装置や振動検知装置などで捉えることができる。機器のみならず、配管類の中を流れる流体の状況や経年による配管内面の損耗や亀裂などの状況を端的に捉えることができ、古くから「聴診棒」が使用されていることに着目した。
更に、本発明の発明者は、点検位置の検出にRFID(Radiod Frequency Identification)を用いることに着目した。このRFIDは、情報の保存は勿論のこと、搭載したアンテナを通じてリーダ(読取装置)やライタ(書込み装置)で情報を読み書きすることができるという特性がある。外部から電源を供給することなく、読取装置又は書込み装置が発する電波を受信し、自らの設置位置や必要な情報の送受信ができ、現在日進月歩で性能が向上しつつあることにも着目した。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、機器類の稼動時における状況、流体が流れている配管等の状況を聴診により点検すると共に、その点検箇所を正確に検出することで、機器類は元より長尺な配管のように広範囲な監視範囲であってもその点検ポイントと異常の有無および異常の状況を確実かつ容易に点検することができる自走ロボットを用いた聴診点検装置を提供することにある。
本発明によれば、配管、機器類(1)の損耗や亀裂などの状況について、複数の点検箇所(2)を聴診により点検する聴診点検装置であって、前記点検箇所(2)それぞれに取り付けた点検指標(3)から発信する情報を読み取り、その点検箇所(2)を位置検出する読取装置(4)と、その点検箇所(2)を聴診する聴診装置(5)とを搭載した自走ロボット(6)と、前記自走ロボット(6)の聴診装置(5)で測定した振動の周波数と振幅を信号に変換し、この信号を既知のデータと比較・分析して前記配管、機器類(1)の点検箇所(2)の異常等の状況を判定する判定装置(7)と、前記自走ロボット(6)の聴診装置(5)と、別の場所にある前記判定装置(7)間の情報を授受する伝送装置(8)と、を備えた、ことを特徴とする自走ロボットを用いた聴診点検装置が提供される。
前記点検指標(3)はRFIDである。
前記自走ロボット(6)に搭載した聴診装置(5)は、先端に聴診球(10)を具備する聴診棒(9)と信号変換器を備えたものである。
前記点検箇所(2)における点検指標(3)の近傍に、前記配管、機器類(1)の聴診音を伝達させる聴診受台(19)を取り付けることが好ましい。
前記聴診受台(19)は、前記聴診球(10)が常に一定の接触圧で当たりやすいように、略擂り鉢状の凹面部(19a)を有するものである。
前記聴診装置(5)は、前記点検箇所(2)に直接設置された無線式の骨伝導マイクロホン(25)で振動の周波数と振幅を授受するものである。
前記判定装置(7)は、前記配管、機器類(1)の点検箇所(2)を聴診したときの該配管、機器類(1)の損耗や亀裂などの状況との関係を、実際の経年配管、機器類(1)、損耗の状況等を模擬した実験装置による基礎データを同一負荷状態における配管、機器類の状況と周波数と振幅の相関として採取する基礎データ採取手段と、配管、機器類の点検箇所(2)について、前記聴診装置(5)を用いてその振動の周波数と振幅を測定する測定手段と、前記聴診装置(5)で測定した振動の周波数と振幅の測定値と、前記基礎データに基づく相関とを用いて、前記配管、機器類(1)の点検箇所(2)の損耗や亀裂などの状況を判定する判定手段と、を備えたものである。
前記伝送装置(8)は、マイクロ波方式のRFIDである。
また、前記伝送装置(8)は、無線方式の通信手段を備え、監視所などに設置された端末装置(15)と信号の授受を行う。
断熱材(20)が被覆されている場合は断熱材の一部を切除して聴診受け台を設置した配管、機器類(1)の点検箇所(2)における点検指標(3)の近傍に、該断熱材(20)の隙間を貫通する聴診補助具本体(22)と、該聴診補助具本体(22)の両端に、前記配管、機器類(1)の表面に直接接触させる音聴収部(23)と、前記聴診装置(5)で聴診する頭部(24)と、を具備して成る聴診補助具(21)を取り付けることも可能である。
本発明の聴診点検装置は、配管、機器類(1)の損耗や亀裂などの状況について、「聴診点検」という従来から行っている最も基本的で最も信頼のおける点検手段を自動化して行うことができる。特に、自走ロボット(6)を用いて配管、機器類(1)の点検箇所(2)それぞれに取り付けた各点検指標(3)から発信する情報を読み取り、点検箇所(2)を容易に位置検出し、その箇所を聴診方法で巡回点検することができる。RFIDのような点検指標(3)を用いたので、長尺な配管のように広範囲かつ膨大な点検ポイントが存在するような監視範囲であってもその異常個所と異常状況を確実かつ容易に点検することができ、より効率的な配管、機器類(1)の保守が可能となる。
しかも、配管、機器類(1)の劣化状態を、聴診装置(5)で採取したデータを変換した信号と、基礎データとを用いることで点検箇所(2)の余寿命を高精度に推定することも可能である。そこで、配管、機器類(1)の交換周期又は交換時期について余裕を持って確認できることから、より効率的かつ安全な機器の保守が可能となる。
また、前述のように配管(1)の周囲に断熱材(20)が被覆されているために、直接聴診できない点検箇所(2)についても、聴診補助具(21)を介在することにより、聴診棒(9)の聴診球(10)をこの聴診補助具(21)の頭部(24)に当てて測定することも可能である。
本発明の聴診点検装置は、配管、機器類の点検箇所に取り付けた点検指標(RFID)を位置検出する読取装置と、その点検箇所を聴診する聴診装置とを搭載した自走ロボットと、その点検箇所の異常等の状況を判定する判定装置と、聴診装置と別の場所にある判定装置間の情報を授受する伝送装置とを備えた装置である。この自走ロボットを複数の点検箇所に巡回移動させて広範囲な監視範囲における異常個所と異常状況を点検する装置である。なお、聴診装置は配管、機器類の振動を信号に変換してロボット内の装置に取り込むものであるが、聴診部をロボットに搭載した形態と配管、機器類に常時設置しておき、ロボットからの指令で振動の検出、信号への変換、ロボットへの送信を行う形態とを備える。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は実施例1の自走ロボットを用いた聴診点検装置を用いて配管の点検箇所を聴診する状態を示す説明図である。図2は聴診点検装置を示す装置構成図である。
本発明の実施例1の聴診点検装置は、配管、機器類1等の複数の点検箇所2それぞれに取り付けた点検指標3から発信する情報を読み取り、その点検箇所2を位置検出する読取装置4と、その点検箇所2を聴診する聴診装置5とを搭載した自走ロボット6と、自走ロボット6の聴診装置5で測定した振動の周波数と振幅を信号に変換し、この信号を既知のデータと比較・分析して配管、機器類1の点検箇所2の異常等の状況を判定する判定装置7と、自走ロボット6の聴診装置5と、別の場所にある判定装置7間の情報を授受する伝送装置8とを備えたものである。
本発明の実施例1の聴診点検装置を用いて配管、機器類1を聴診点検するときは、図1に示すように、先ず配管、機器類1の点検箇所2それぞれにRFIDのような点検指標3を取り付ける。この点検指標3として機能するRFIDは、点検箇所2を位置検出するものである。このRFIDは、情報を電子回路に記憶し、非接触の交信を行う自動認識技術に係り、例えばICタグなどがある。
本発明では、この点検指標3に点検機器名、点検箇所番号、運転初期値等の固有情報が収録されたRFIDを用いている。例えば、この点検指標3として機能するRFIDに搭載したアンテナを通じて読取装置4や書込み装置で情報を読み書きする。このRFIDは、外部から電源を供給することなく読取装置4又は書込み装置が発する電波を受信し、電磁誘導などの仕組みで電流を発生させることができる。勿論、RFIDにバッテリーを内蔵することは可能である。
なお、伝送装置8は監視所のコンピュータやパソコンなどの端末装置15と交信し、採取したデータをストックし、比較・分析を行うために自走ロボット6に組み込んでいる。しかし、この点検指標3となるRFIDに代えて、PHSや無線LANなどの無線方式の通信手段を用いることも可能である。
配管、機器類1の点検箇所2のRFIDに記憶させる情報は、例えば自走ロボット6側の情報や行動パターンなどがある。即ち、点検箇所2のRFID側から発する情報と自走ロボット6側から発する情報の組み合わせにより、最も効果的かつ効率的で目的に合致した点検パトロールを可能にする。例えば、点検箇所2はいろいろな場所のさまざまな位置に存在することから、自走ロボット6が点検箇所2に最も近い走行可能な場所まで移動し、聴診装置5の聴診棒9を伸ばして聴診球10で点検箇所2を聴診点検する。
この点検指標3(RFID)を取り付けた箇所は、そのまま聴診による点検箇所2になり、聴診装置5の聴診棒9の聴診球10で、その配管、機器類1から発する振動が、配管、機器類1の運転状態における状況を表している。そこで、この振動を自走ロボット6に備えた聴診棒4に隣接して設置した信号変換器11で信号に変換し、点検箇所2に関するデータを測定することができる。この捉えた振動の相違を解析することで、その点検した配管、機器類1の中を流れる流体の状況や経年による配管内面の損耗や亀裂などの状況を把握することができる。
点検箇所2のRFIDには設備番号、設備の初期情報、点検時期情報など、配管、機器類1等の設備の個体情報を予め記憶させておく。自走ロボット6はこれとの照合により、点検の要・不要を判断しながら走行させる。
自走ロボット6は、図2に示すように、点検指標3から発信する情報を読み取り、その点検箇所2を位置検出する読取装置4と、その点検箇所2を聴診する聴診装置5とを装着したものである。例えば、モータのような駆動装置12でタイヤ13を駆動して走行するようになっている。このときに制御装置14によりタイヤ13の速度の設定や制御ができるようになっている。なお、床に凹凸があるときには駆動装置12としてキャタピラ方式を用いることが望ましい。また、動力源としてはモータのバッテリーに限らず、ガソリンエンジンを用いることもできる。
次に、配管、機器類1における点検箇所2の位置を検出した自走ロボット6は、その点検箇所2について聴診装置5で聴診し、その測定結果を伝送装置8を利用して遠隔の監視所のコンピュータやパソコンなどの端末装置15に伝送する。この伝送された測定結果を既知のデータと比較・分析して配管、機器類1の点検箇所2の異常等の状況を把握する。例えば、聴診による異常の有無はその点検箇所2の初期情報、前回情報と現在測定中の情報の周波数や振幅の絶対値、波形などを比較することにより判断する。
自走ロボット6の形状は、上述した読取装置4、聴診装置5、伝送装置8と共にバッテリー等の駆動源を備えたものである。この自走ロボット6は、安定に走行させるためにバッテリー等の重い動力源を下方に配置して重心が低くなるように構成することが好ましい。
また、自走ロボット6には、赤外線センサー等を備えることができる。自走ロボット6の通常の走行時に一定の安全速度で床に埋め込んだ誘導線や床に描いた誘導表示バーなどを読み取りながら進むが、障害物から一定の距離を保つことができる機能を備えさせることができる。更に、点検現場や配管、機器類1の状況を捕らえることのできるカメラ、マイクロホン(図示していない)等を装着することができる。このようにカメラ、マイクロホン等を装着することで、聴診による点検以外にその点検箇所2周囲の状況も遠隔地から把握することも可能である。
このように、自走ロボット6は、聴診点検するために配管、機器類1の点検箇所2に設置した点検指標3のRFIDからの発信情報、自走ロボット6が有している位置測定機能または監視者による遠隔操作により必要な位置まで接近させる。なお、自走ロボット6が概ねの位置に到着すると、その底部から四角錘などの形状をした軸が床に設置された位置決め孔に嵌入され、正確な位置決めを行う。これにより、聴診装置5の聴診球10を正確に聴診受台19の中央に接触させることができる。
自走ロボット6に搭載した聴診装置5は、自走ロボット6の上部に揺動自在になる聴診棒9の先端に聴診球10を取り付けたものである。この聴診球10を点検しようとする配管、機器類1の点検箇所2に当てて聴診することができる。この聴診装置5は、聴診球10付きの聴診棒9の形状に限定されず、例えば聴診棒9を直接点検箇所2に当てて聴診する方式、又は聴診針を点検箇所2に当てて聴診する方式等の種々の形状にすることができる。
自走ロボット6に搭載した読取装置4から端末装置15との情報を授受するように構成することができる。自走ロボット6と併用または単独でPDAや携帯端末を使用して巡視者が交信し、さらにこの読取装置4から端末装置15との情報を授受するように構成することができる。
既存の「ブルートウース」などの新規構築の無線LAN用通信機器を使用し、点検指標3のRFIDとの間で情報の授受を行い、さらに端末装置15との情報授受するように構成することができる。
勿論、有線通信方式で聴診装置5およびRFIDとの情報の授受を行い、さらにこの読取装置4から端末装置15器との情報を授受するように構成することができる。
あるいは、自走ロボット6から伸ばした聴診装置5の先端に聴診球10と信号変換器11を設置し、リード線などにより自走ロボット本体16の記録媒体にデータを収納するように構成し、聴診受台19に聴診球10と信号変換器11を設置し変換信号を聴診装置5に無線方式で送信することもできる。または有線方式で信号授受をしやすい場所までインターフェイスを引き出しここで受信することもできる。
図3は聴診結果を判定するためのシステムを示すブロック図である。図4は聴診による配管、機器類の点検箇所の損耗や亀裂などの状況を判定する状態を示すフロー図である。
本発明の自走ロボットを用いた聴診点検装置は、図3と図4に示すようなシステムとフロー図のような方法で実施する。先ず、予め配管、機器類1の点検箇所2について、それを聴診したときの配管、機器類1の損耗や亀裂などの状況との関係を経年配管、機器類1、損耗の状況等を模擬した実験装置により基礎データとして採取しておく。例えば、配管、機器類1の種類、点検部位等を入力し、配管、機器類1の正常状態の聴診音のデータと、異常状態の聴診音のデータをデータベース17に蓄積しておく。
次に、実際の点検に際して配管、機器類1の点検箇所2について、聴診装置5で振動の周波数と振幅を測定する。この聴診装置5により測定した振動の周波数と振幅の測定値と、予めデータベース17に蓄積した基礎データとそれを元にした相関を用いて、演算処理部18で配管、機器類1の点検箇所2の損耗や亀裂などの状況を判定する。聴診により測定した振動音の周波数と振幅の測定信号について、配管、機器類1の損耗、亀裂の有無の判定を行う。その判定の結果として「点検すべき亀裂・損耗有り」又は、「急を要さない損耗などの程度」又は「異常なし」という結果を得る。「点検すべき亀裂・損耗有り」の判定結果のときは直ぐにその点検箇所2を保守、修理する。このような判定装置を用いて、記録・照合・異常の有無を判断した上で通報等に必要な対応ができる。
図5は実施例2の配管の点検箇所に点検指標のRFIDと共に聴診受台を取り付けた状態を示す正面図である。図6は実施例2の配管の点検箇所に点検指標のRFIDと共に聴診受台を取り付けた状態示す断面図である。図7は実施例2の聴診受台を示す拡大断面図である。
実施例2では、点検箇所2に点検指標3のRFIDと共に聴診受台19を取り付けた。点検箇所2に聴診棒9の先端(聴診球10)が常に所定の場所かつ同じ状態で接触するために、例えば聴診球10を電磁石にしておき一定の接触圧を確保するよう構成することができる。点検箇所2の接触面が必ずしも一定の接触状態となりにくい場合があるので、点検箇所2に聴診受台19を設けた。この聴診受台19は一面を配管1の表面に堅固に接着させ、聴診受台19の他面に聴診棒9の聴診球10を当てる凹面を形成したものである。例えば、この聴診受台17を、聴診球10が常に一定の接触圧で当たりやすいように、略擂り鉢状の凹面部19aを形成することが望ましい。
これにより、配管内部の状況を断熱材の表面まで正確に引き出すと共に聴診棒9の先端(聴診球10)が当たりやすくなるので、聴診棒9の聴診球10をこの聴診受台19の所定の位置に、かつ一定の接触圧で当てて測定することができる。これにより点検箇所2について正確な測定が可能になる。
本発明の点検指標3のRFIDを配管1の点検箇所2に装着するときは次のような部位に装着する。配管、機器類1の点検箇所2は、流れが一定の箇所では異常は発生しづらいが、流体の流れが変化するバルブの近傍や、管が曲折する箇所は流体の流が変化するために管内部に変化や損耗が生じやすい。そこで、図1に示すように、バルブの近傍や管の曲折箇所に点検指標3を取り付ける。
また、管径が変化する部位も、流体の流れが変化する場所であり、経年により配管内面の損耗や亀裂が生じる可能性が高い部位である。このような部位に点検指標3を取り付ける。なお、これらは単なる一例に過ぎず、本発明の点検指標3を取り付ける部位はこのような場所に限定されない。更に、回転機器類にあっては、損耗しやすい軸受けに点検指標3を取り付けて聴診により点検する。
図8は実施例3の聴診補助具を配管に取り付けた状態を示す断面図である。図9は実施例3の聴診補助具を示す拡大断面図である。
実施例3では、配管1に聴診補助具21を取り付けた。高温高圧水が流体である場合などに、配管の屈曲部やバルブ・オリフィス取り付け部などで配管の減肉や亀裂が発生しやすい。また、高温高圧水は保温や触れた場合の安全のため断熱材20を巻くケースが多く、その上からの正確な聴診は困難である。このため、点検箇所2に点検指標3のRFIDと共に断熱材20を一部除去し、配管1の表面を研磨した後、点溶接、鉄パテ又は取り付け用バンドなどにより聴診補助具21を取り付ける。
このように、聴診補助具本体22の音聴収部23を配管1の表面に接触させ、聴診補助具21の頭部24が断熱材20の隙間から露出するように配置したものである。この頭部24の近傍に点検指標3のRFIDを取り付ける。これにより、配管1の周囲に断熱材20を被覆している点検箇所2についても、聴診棒9の聴診球10をこの聴診補助具21の頭部24に、かつ一定の接触圧で当てて測定することができる。
図10は実施例4の骨伝導マイクロホンを配管に取り付けた状態を示す断面図である。
実施例4では、聴診受台19に伝導される振動を無線交信機能付き骨伝導マイクロホン25で収集し、無線や有線の通信手段で直接監視箇所にあるコンピュータに伝送・保存することもできる。
なお、本発明は、配管、機器類1の稼動時における状況、流体が流れている配管等の状況を聴診装置5により点検すると共に、その点検箇所2の位置を正確に検出することで、機器類は元より長尺な配管のように広範囲な監視範囲であってもその異常個所と異常状況を確実かつ容易に点検することができれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明の自走ロボットを用いた聴診点検装置は、主に広範囲な点検が必要な長尺な配管に利用できるが、回転機器や可動機構を有する機器類であって劣化、異常状態が生じると発する音が変化するものであればその点検に利用することができる。
実施例1の自走ロボットを用いた聴診点検装置を用いて配管の点検箇所を聴診する状態を示す説明図である。 聴診点検装置を示す装置構成図である。 聴診結果を判定するためのシステムを示すブロック図である。 聴診による配管、機器類の点検箇所の損耗や亀裂などの状況を判定する状態を示すフロー図である。 実施例2の配管の点検箇所に点検指標のRFIDと共に聴診受台を取り付けた状態を示す正面図である。 実施例2の配管の点検箇所に点検指標のRFIDと共に聴診受台を取り付けた状態示す断面図である。 実施例2の聴診受台を示す拡大断面図である。 実施例3の聴診補助具を配管に取り付けた状態を示す断面図である。 実施例3の聴診補助具を示す拡大断面図である。 実施例4の骨伝導マイクロホンを配管に取り付けた状態を示す断面図である。
符号の説明
1 配管、機器類
2 点検箇所
3 点検指標(RFID)
4 読取装置
5 聴診装置
6 自走ロボット
7 判定装置
8 伝送装置
9 聴診棒
10 聴診球
11 信号変換器
12 駆動装置
13 タイヤ
14 制御装置
15 端末装置
16 自走ロボット本体
17 データをデータベース
18 演算処理部
19 聴診受台
19a 聴診受台の凹面部
20 断熱材
21 聴診補助具
22 聴診補助具本体
23 音聴収部
24 頭部
25 骨伝導マイクロホン

Claims (9)

  1. 配管、機器類(1)の損耗や亀裂などの状況について、複数の点検箇所(2)を聴診により点検する聴診点検装置であって、
    前記点検箇所(2)それぞれに取り付けた点検指標(3)から発信する情報を読み取り、その点検箇所(2)を位置検出する読取装置(4)と、その点検箇所(2)を聴診する聴診装置(5)とを搭載した自走ロボット(6)と、
    前記自走ロボット(6)の聴診装置(5)で測定した振動の周波数と振幅を信号に変換し、この信号を既知のデータと比較・分析して前記配管、機器類(1)の点検箇所(2)の異常等の状況を判定する判定装置(7)と、
    前記自走ロボット(6)の聴診装置(5)と、別の場所にある前記判定装置(7)間の情報を授受する伝送装置(8)と、
    を備えた、ことを特徴とする自走ロボットを用いた聴診点検装置。
  2. 前記点検指標(3)はRFIDである、ことを特徴とする請求項1の自走ロボットを用いた聴診点検装置。
  3. 前記自走ロボット(6)に搭載した聴診装置(5)は、先端に聴診球(10)を具備する聴診棒(9)と信号変換器(11)を備えたものである、ことを特徴とする請求項1の自走ロボットを用いた聴診点検装置。
  4. 前記聴診装置(5)は、前記点検箇所(2)に直接設置された無線式の骨伝導マイクロホン(25)で振動の周波数と振幅を授受するものである、ことを特徴とする請求項1の自走ロボットを用いた聴診点検装置。
  5. 前記点検箇所(2)における点検指標(3)の近傍に、前記配管、機器類(1)の振動を伝達させる聴診受台(19)を取り付けた、ことを特徴とする請求項1の自走ロボットを用いた聴診点検装置。
  6. 前記聴診受台(19)は、前記聴診球(10)が常に一定の接触圧で当たりやすいように、略擂り鉢状の凹面部(19a)を有するものである、ことを特徴とする請求項3の自走ロボットを用いた聴診点検装置。
  7. 前記判定装置(7)は、
    前記配管、機器類(1)の点検箇所(2)を聴診したときの該配管、機器類(1)の損耗や亀裂などの状況との関係を、実際の経年配管、機器類(1)、損耗の状況等を模擬した実験装置による基礎データを同一負荷状態における配管、機器類の状況と周波数と振幅の相関として採取する基礎データ採取手段と、
    配管、機器類の点検箇所(2)について、前記聴診装置(5)を用いてその振動の周波数と振幅を測定する測定手段と、
    前記聴診装置(5)で測定した振動の周波数と振幅の測定値と、前記基礎データに基づく相関とを用いて、前記配管、機器類(1)の点検箇所(2)の損耗や亀裂などの状況を判定する判定手段と、を備えたものである、ことを特徴とする請求項1の自走ロボットを用いた聴診点検装置。
  8. 前記伝送装置(8)は、無線方式の通信手段を備え、監視所などに設置された端末装置(15)と信号の授受を行う、ことを特徴とする請求項1の自走ロボットを用いた聴診点検装置。
  9. 断熱材(20)を被覆した配管、機器類(1)の点検箇所(2)における点検指標(3)の近傍に、
    該断熱材(20)の隙間を貫通する聴診補助具本体(22)と、
    該聴診補助具本体(22)の両端に、前記配管、機器類(1)の表面に直接接触・固定させる音聴収部(23)と、
    前記聴診装置(5)で聴診する頭部(24)と、を具備して成る聴診補助具(21)を、取り付けた、ことを特徴とする請求項1の自走ロボットを用いた聴診点検装置。
JP2004374921A 2004-12-24 2004-12-24 自走ロボットを用いた聴診点検装置 Withdrawn JP2006184027A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004374921A JP2006184027A (ja) 2004-12-24 2004-12-24 自走ロボットを用いた聴診点検装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004374921A JP2006184027A (ja) 2004-12-24 2004-12-24 自走ロボットを用いた聴診点検装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006184027A true JP2006184027A (ja) 2006-07-13

Family

ID=36737264

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004374921A Withdrawn JP2006184027A (ja) 2004-12-24 2004-12-24 自走ロボットを用いた聴診点検装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006184027A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008102061A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Chugoku Electric Power Co Inc:The バルブの弁シートリーク早期発見方法
JP2010249710A (ja) * 2009-04-17 2010-11-04 Chugoku Electric Power Co Inc:The 聴診装置
JP2016031315A (ja) * 2014-07-29 2016-03-07 太平洋マテリアル株式会社 被覆構造物、被覆構造物の構築方法、及び健全性確認方法
JP2017072448A (ja) * 2015-10-06 2017-04-13 株式会社東芝 弁シートリーク検査装置および弁シートリーク検査方法
CN106595983A (zh) * 2016-12-07 2017-04-26 怀宁县鑫泰钢结构有限公司 铸铁管生产标记检测系统
CN114136378A (zh) * 2021-12-07 2022-03-04 东北大学 一种复杂工况管道在线全息外检测系统及方法
WO2023248501A1 (ja) * 2022-06-22 2023-12-28 横浜ゴム株式会社 マリンホースの監視システムおよび方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008102061A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Chugoku Electric Power Co Inc:The バルブの弁シートリーク早期発見方法
JP2010249710A (ja) * 2009-04-17 2010-11-04 Chugoku Electric Power Co Inc:The 聴診装置
JP2016031315A (ja) * 2014-07-29 2016-03-07 太平洋マテリアル株式会社 被覆構造物、被覆構造物の構築方法、及び健全性確認方法
JP2017072448A (ja) * 2015-10-06 2017-04-13 株式会社東芝 弁シートリーク検査装置および弁シートリーク検査方法
CN106595983A (zh) * 2016-12-07 2017-04-26 怀宁县鑫泰钢结构有限公司 铸铁管生产标记检测系统
CN114136378A (zh) * 2021-12-07 2022-03-04 东北大学 一种复杂工况管道在线全息外检测系统及方法
WO2023248501A1 (ja) * 2022-06-22 2023-12-28 横浜ゴム株式会社 マリンホースの監視システムおよび方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5113340B2 (ja) 超音波走査データを用いて物体を検査する方法およびシステム
CN109597344B (zh) 一种水电工程弧形钢闸门实时在线监测系统
CN207311477U (zh) 用于轨枕识别定位及扣件缺陷检测的探测系统
CN115854271B (zh) 城市地下管网损伤监测与修复系统及损伤识别修复方法
KR20190052735A (ko) 배관 검사 로봇의 배관 검사 방법
CN112727550B (zh) 一种基于声音拾取的综采工作面工况识别系统及方法
JP2002039810A (ja) 土木・建設構造物の状態検査方法及びそのシステム並びにそれに用いるセンサ一体型デバイス
CN103387171B (zh) 电梯牵引绳断丝检测的控制方法
CN112141175B (zh) 轨道交通运维系统及方法
WO2024078154A1 (zh) 用于管道焊缝缺陷的检测设备和方法
JP2006184027A (ja) 自走ロボットを用いた聴診点検装置
CN111486345B (zh) 一种粮库地下管网液体泄漏在线监测预警方法及装置
CN110163990A (zh) 一种移动机器人巡检方法及系统
KR101072968B1 (ko) 가스배관의 방식상태 진단용 전류/전위 감시장치
JP2006184028A (ja) 聴診点検に用いる自走ロボット
CN103711476A (zh) 检测井中活塞的位置
CN108827973B (zh) 裂纹检测方法和系统
JP2006184029A (ja) 自走ロボットによる聴診点検方法
CN111275936B (zh) 一种水下油田设施安全防护监测系统及其方法
CN213715072U (zh) 一种水冷壁现场无损检测平台
CN113154268A (zh) 一种无线无源损伤泄漏监测系统及其控制方法
JP2014115202A (ja) 構造物の壁面の点検装置および点検方法
KR20090085214A (ko) 레일 모니터링 시스템 및 방법
JP6113533B2 (ja) 水道管路監視装置
CN114183122A (zh) 一种固井压裂管汇内壁腐蚀凹坑深度检测装置及检测方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080304