JP2002039695A - 廃熱を利用した液化ガス気化システム及び廃熱供給方法 - Google Patents
廃熱を利用した液化ガス気化システム及び廃熱供給方法Info
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Abstract
温度は常に液化ガス気化手段10A側の第1の熱媒体の
最高温度よりも高く、第2の熱媒体で回収した廃熱量の
第1の熱媒体への伝達効率が悪く、廃熱の利用効率が悪
い。 【解決手段】 本発明の液化ガス気化システムSは、液
化ガス気化手段1と、液化ガス気化手段1で用いられる
ブラインへ廃熱を供給する廃熱供給手段2と、これら両
者間を往来するブラインを一時的に溜めるブラインタン
ク3と、このブラインタンク3と液化ガス気化手段1、
廃熱供給手段2それぞれとの間でブラインを循環させる
第1、第2の循環配管4、5及び第1、第2のポンプと
を備え、ブラインタンク3は、液化ガス気化手段1側か
らの低温ブラインを溜める第1室3Bと、廃熱供給手段
2側からの高温ブラインを溜める第2室3Cに分割さ
れ、第2室3C内の高温ブラインを液化ガス気化手段1
側へ供給し、第1室3B内の低温ブラインを廃熱供給手
段2側へ供給する。
Description
NG)、液化石油ガス(LPG)、液体窒素、液体酸素
等の液化ガスを主として廃熱を利用して気化する液化ガ
ス気化システム及び廃熱供給方法に関する。
えば空気を熱源とする空温式のものや温水を熱源とする
温水式のものが知られ、LNG、LPG、液体窒素、液
体酸素等の液化ガスのサテライト設備等に設置されてい
る。そこで、LNGサテライト設備に設置されている通
風型空温式液化ガス気化システム及び温水式液化ガス気
化システムを例に挙げて説明する。通風型空温式液化ガ
ス気化システムは、自然通風(空気の対流)またはファ
ンを用いた強制通風により空気の保有熱を熱源としてフ
ィン付き蒸発管内を流れるLNGを蒸発させる方式であ
る。また、温水式液化ガス気化システムは、例えばLN
Gの蒸発管が浸漬された温水槽内に温水を循環させ、循
環温水を熱源として蒸発管内を流れるLNGを気化する
方式である。この温水式液化ガス気化システムは、設備
費が比較的安価であるものの、温水を製造するため熱源
が必要となりランニングコストが高くなる。一方、通風
型空温式液化ガス気化システムは大気保有熱を利用する
ためランニングコストが安価であり、広く普及している
ものの、次の問題点を有している。
場合には、稼働中に空気中に含まれている水蒸気がフィ
ン付き蒸発管に着霜、氷結し、更にこれらが成長するた
め、フィン付き蒸発管の伝熱効率が漸減し、ひいてはフ
ィン付き蒸発管のフィン間の隙間が着氷で埋まって伝熱
面積が激減する。そこで、従来から予備の気化器を準備
しておき、蒸発管が着氷により伝熱効率が低下した時に
は、その時点でLNG供給ラインを予備器側に切り換
え、予備器を運転している間に着氷した蒸発管に散水し
て解氷し、次のLNG供給ラインの切り換え時点まで待
機させ、2基または複数の予備器を交互に切り換えて使
用している。このように従来の空温式液化ガス気化シス
テムの場合には、上述したように予備の気化器が必要で
あるばかりでなく、解氷設備(例えば、散水設備、排水
溝等)まで必要になり、結果的に設備費が高価なものに
なっていた。
94号公報において例えば図4に示す強制循環型空温式
液化ガス気化システム(以下、単に「液化ガス気化シス
テム」と称す。)を提案し、設備費の低減を図った。図
4に示す液化ガス気化システム10は例えば都市ガス製
造するためにLNGを気化するシステムとして用いら
れ、LNGの気化熱源としては主として大気の保有熱
(以下、「大気熱」と称す。)を利用している。例えば
LNGは蒸発管11を流れる間にハウジング12内で蒸
発管11の上流側と下流側を送風機13を介して循環す
る空気によって加熱されて気化する。ハウジング12内
を循環する空気は加熱手段14によって加熱され、常に
一定の温度の空気を蒸発管11の上流側へ供給する。加
熱手段14は、空気ヒータ14A、ヒーティングタワー
14B、ブラインタンク14C、ポンプ14D、予備ヒ
ータ14E及び循環配管14Fを備え、循環配管14F
をブラインが循環する。ヒーティングタワー14Bでは
空気ヒータ14Aから還流する低温化したブラインと大
気との間の熱交換で元の温度に戻し、ポンプ14Dを介
して空気ヒータ14Aへ戻す。ヒーティングタワー14
Bにおいてブラインが得た大気熱量が足りない時には予
備ヒータ14Eにおいて不足熱量を補充する。従って、
蒸発管11内のLNGを気化するためにハウジング12
内を循環する空気は多少の水分を含んでいてもそれ以上
増えることはなく従来のように蒸発管11表面で着氷が
成長することがなく、予備の気化器が不要である。しか
も、LNGの気化熱源は大気熱量を得たブラインからハ
ウジング12内の循環空気に付与される。
ネルギーの観点から、ブラインの加熱源として主として
ヒーティングタワー14Bを使用し、−160℃のLN
Gを気化し、気化したNGの温度を都市ガスの調製に必
要な温度(通常0℃以上)まで加熱している。
液化ガス気化システムは時として例えば代替天然ガス
(SNG)製造装置等の廃熱を発生する装置と併設され
ることがある。このような場合には液化ガス気化システ
ムの気化熱源として廃熱を有効利用することで、気化熱
源の一部あるいは全てを廃熱で賄うことができる。
ガス気化システムの概念を示す図で、廃熱の回収手段と
しては一般的に同図に示すように熱交換器が用いられ
る。この液化ガス気化システムは、図5の(a)に示す
ように、液化ガス気化手段10Aと、廃熱供給手段20
Aと、これら両者間に介在する熱交換器30Aと、熱交
換器30Aと液化ガス気化手段10A及び廃熱供給手段
20Aそれぞれとの間で第1、第2の熱媒体が循環する
第1、第2の循環配管11A、21Aと、これらの循環
配管11A、21Aに従って第1、第2の熱媒体を循環
させる第1、第2のポンプ12A、22Aとを備え、第
1の循環配管11Aを流れる第1の熱媒体は熱交換器3
0Aを介して廃熱供給手段20Aにおいて廃熱を得た第
2の熱媒体と熱交換し、気化熱源を得るようになってい
る。尚、図5の(a)において、13A、23Aは第
1、第2の熱媒体を溜めるタンクである。
(a)に示す液化ガス気化システムの場合には、熱交換
器30Aを介して廃熱を回収するようにしているために
は、熱交換器30Aの出口における第1の熱媒体と熱交
換器30Aの入口における第2の熱媒体との間に熱交換
器30Aの熱交換能力に即した温度差が必要である。こ
の温度差としては例えば通常5℃程度の温度差が必要で
あるため、熱交換器30Aの入口における第1の熱媒体
の温度が10℃、その出口の温度が15℃であると、第
2の熱媒体の熱交換器30Aの入口温度を少なくとも2
0℃に設定する必要がある。第2の熱媒体の流量が第1
の熱媒体の2倍の時、入口温度が20℃の場合にはその
出口温度が17.5℃程度になる。従って、第2の熱媒
体の最低温度は図5の(b)に示すように常に第1の熱
媒体の最高温度よりも高く、熱交換器30Aの熱伝達に
はどうしても限界があり、廃熱の利用効率が悪いという
課題があった。
に変動するため、廃熱量と気化熱源として必要とする熱
量が殆ど一致することはなく、廃熱量は液化ガスの気化
熱源として余る場合もあれば不足する場合もある。廃熱
量が不足する場合には前述したように不足熱量分を大気
熱で補充することができる。しかし大気熱を熱源として
利用するためには第2の熱媒体と大気温度との間に第
1、第2の熱媒体間の温度差と同程度の温度差が必要に
なる。ところが、上述したように第2の熱媒体は少なく
とも20℃の温度が必要で、大気熱を気化熱源として利
用するためには大気温度としては少なくとも25℃の温
度が要求されるが、大気温度が25℃を超える期間は年
間を通じて夏季の短い期間(2、3カ月程度)に限ら
れ、それ以外の期間では廃熱の状況にもよるが液化ガス
気化システムを稼働させることができないという課題が
あった。
れたもので、廃熱を液化ガスの気化熱源として最大限に
有効利用することができる液化ガス気化システムを提供
することを目的としている。また、熱媒体廃熱量が不足
しても大気熱を利用するなどして不足熱量を補充して年
間を通じて確実に稼働させることができる液化ガス気化
システムを併せて提供するものである。
の廃熱供給方法は、気密構造のハウジング内に設置され
た蒸発管内を流れる液化ガスをハウジング内を循環する
空気の保有熱により気化する液化ガス気化手段と、この
液化ガス気化手段の循環空気を加熱する空気加熱器に熱
媒体を介して廃熱を供給する廃熱供給手段とを備え、上
記廃熱供給手段から上記液化ガス気化手段へ廃熱を供給
する方法において、上記廃熱供給手段で廃熱を得た高温
熱媒体を上記空気加熱器の熱媒体として供給し、上記空
気加熱器から戻る低温熱媒体を上記廃熱供給手段の廃熱
回収用熱媒体として供給することを特徴とするものであ
る。
気化システムは、気密構造のハウジング内に設置された
蒸発管内を流れる液化ガスをハウジング内を循環する空
気の保有熱により気化する液化ガス気化手段と、この液
化ガス気化手段の循環空気を加熱する空気加熱器に熱媒
体を介して廃熱を供給する廃熱供給手段と、この廃熱供
給手段と上記空気加熱器との間で往来する上記熱媒体を
一時的に溜める熱媒体槽と、この熱媒体槽と上記空気加
熱器及び上記廃熱供給手段それぞれとの間で上記熱媒体
が循環する第1、第2の循環配管と、これらの循環配管
に従って上記熱媒体を循環させる第1、第2のポンプと
を備え、上記熱媒体槽は、第1の循環配管を介して上記
空気加熱器から戻る低温熱媒体を溜める第1室と、第2
の循環配管を介して上記廃熱供給手段から戻る高温熱媒
体を溜める第2室の二室に分割され、第2室内の高温熱
媒体を第1の循環配管を介して上記空気加熱器へ供給
し、第1室内の低温熱媒体を第2の循環配管を介して上
記廃熱供給手段へ供給することを特徴とするものであ
る。
気化システムは、請求項2に記載の発明において、上記
熱媒体槽の第1室と上記廃熱供給手段との間に位置する
第2の循環配管に上記熱媒体の温度を調節する温度調節
器を設けたことを特徴とするものである。
気化システムは、請求項2または請求項3に記載の発明
において、上記熱媒体槽の第2室と上記空気加熱器との
間に位置する第1の循環配管に上記熱媒体を加熱する熱
媒体加熱器を設けたことを特徴とするものである。
に基づいて本発明を説明する。尚、各図中、図1は本発
明の一実施形態の液化ガス気化システムの全体を示す構
成図、図2は図1に示す液化ガス気化システムの熱交換
量と温度との関係を示す説明図、図3は本発明の他の実
施形態の液化ガス気化手段を示す構成図である。本実施
形態の液化ガス気化システムSは、図1に示すように、
液化ガス(例えば、LNG)を気化する液化ガス気化手
段1と、この液化ガス気化手段1の気化熱源として廃熱
量を供給する廃熱供給手段2と、これら両者1、2のの
間で往来するブラインを一時的に溜めるブラインタンク
3と、このブラインタンク3と液化ガス気化手段1及び
廃熱供給手段2それぞれとの間でブラインが往来する第
1、第2の循環配管4、5と、これらの循環配管4、5
に従ってブラインを循環させる第1、第2のポンプ6、
7とを備え、ブラインは液化ガス気化手段1と廃熱供給
手段2間を往来するようになっている。
ば図1に示すように、気密構造のハウジング1Aと、こ
のハウジング1A内に設置されたフィン付き蒸発管1B
と、この蒸発管1B内を流れる液化ガスを気化するため
にハウジング1A内の空気を循環させる送風機1Cと、
この送風機1Cを介して循環する空気を加熱する空気ヒ
ータ1Dとを備えている。ハウジング1A内には間仕切
1Eが設けられ、この間仕切1Eを介して蒸発管1Bは
上流側と下流側に区画されている。送風機1Cは蒸発管
1Bの下流側の天井近傍に配置され、空気ヒータ1Dは
蒸発管1Bと送風機1Cの間に配置されている。また、
上記廃熱供給手段2は例えば熱交換器を備え、SNG製
造設備等の廃熱をブラインを介して回収し、後述のよう
に回収廃熱を液化ガス気化手段1側のブラインへ供給す
るようになっている。
を介して第1室3Bと第2室3Cの二室に分割されてい
る。第1の循環配管4は、ブラインタンク3の第2室3
Cの底面に接続された往路配管4Aと、ブラインタンク
3の第1室3Bへ下流端が挿入された復路配管4Bとを
備え、第2室3C内のブラインを往路配管4Aを介して
空気ヒータ1D側へ供給し、空気ヒータ1Dで冷却され
た低温ブラインを第1室3B内へ戻す。第2の循環配管
5は、ブラインタンク3の第1室3Bの底面に接続され
た往路配管5Aと、ブラインタンク3の第2室3Cへ下
流端が挿入された復路配管5Bとを備え、第1室3B内
のブラインを往路配管5Aを介して廃熱供給手段2側へ
供給し、廃熱供給手段2で廃熱を回収した高温ブライン
を第2室3C内へ戻す。液化ガス供給手段1側のブライ
ンの循環量と廃熱供給手段2側のブラインの循環量が異
なるため、廃熱供給手段側の方が循環量が多い場合に
は、ブラインタンク3内では第2室3C内の高温ブライ
ンが第1室3B内オーバーフローして低温ブラインと混
ざり、第1室3B内のブラインの温度を高められると共
に液レベルが保持されるようにしてある。また、図示し
てないが、ブラインタンク3の隔壁3Aに孔を設けるこ
とにより、同様の機能を有しながら第2室3Cのブライ
ンレベルを下げる(同レベルとなる)ことができる。こ
の場合にはブラインタンク3の丈を低くしてブラインタ
ンク3をコンパクト化することができる。
インヒータ8が配置され、廃熱供給手段2側からの熱量
が不足する時にブラインヒータ8が稼働し不足熱量を補
充する。往路配管4Aにはブラインヒータ8を迂回する
迂回往路配管4Cが形成され、廃熱供給手段2側からの
受熱量が不足する時以外には高温ブラインが迂回往路配
管4Cを流れる。尚、9Aはバルブで、ブラインヒータ
8が稼働する時にはバルブ9Aで迂回往路配管4Cを遮
断する。また、往路配管4Aはブラインヒータ8の下流
側で第1分岐往路配管4Dと第2分岐往路配管4Eに分
岐し、第1分岐往路配管4Dは空気ヒータ1Dに接続さ
れている。第2分岐往路配管4Eの途中には都市ガス用
の熱調器10が接続され、その下流端は復路配管4Bに
接続されている。熱調器10は配管11、12を介して
蒸発管1B及びLPG供給源(図示せず)と接続され、
蒸発管1BからのNGにLPG供給源からのLPGを添
加して都市ガス(13A規格)を製造する。
は温度調節器13が配置され、この温度調節器13はブ
ラインタンク3の第1室3Bからのブラインの温度に即
して冷却塔として稼働したりヒーティングタワーとして
稼働したりする。また、廃熱供給手段2には迂回配管5
Cが形成され、例えば廃熱供給手段2が停止している時
等には往路配管5Aのブラインが迂回配管5Cを経由し
て復路配管5Bを流れる。従って、廃熱供給手段2が稼
働している時にはバルブ9Bで迂回配管5Cを遮断す
る。
60℃のLNGが所定流量で液化ガス気化手段1のフィ
ン付き蒸発管1B内に流入する。ハウジング1A内では
空気ヒータ1Dによって所定温度まで加熱された空気が
図1において矢印で示すように送風機1Cを介して蒸発
管1Bの上流側を下降流で流れ、この間に蒸発管1B内
のLNGとの間で熱交換して温度が低下する。温度低下
した空気は下部空間を経由して蒸発管1Bの上流側を上
昇流で流れ、この間に蒸発管1B内のLNGとの間で熱
交換して温度が更に急激に低下する。この際、蒸発管1
Bの上流側半分を通過する空気は下流側で冷却されてい
るが、蒸発管1Bの上流側半分は極低温であるため、下
流側から来る冷却空気との温度差は依然として極めて大
きいため、蒸発管1Bの上流側半分を効果的に加熱し、
LNGの気化を促進することができ、蒸発管1B内のL
NGは所定温度のNGとなって蒸発管1Bから流出す
る。
ブラインは第1のポンプ6の働きで第1の循環配管4の
復路配管4Bを流れ、ブラインタンク3の第1室3B内
に流れ込む。一方、廃熱供給手段2では廃熱を得た高温
ブラインは第2のポンプ7の働きで第2の循環配管5の
復路配管5Bを介してブラインタンク3の第2室3C内
に流れ込む。ブラインタンク3内では第2の循環量が第
1の循環量より多い場合には第2室3C内の高温ブライ
ンが第1室3B内へオーバーフローして低温ブラインと
混ざり、第1室3B内のブラインの温度を高めると共に
液レベルを保持する。
2室3C内の最も保有エネルギーの高い高温ブラインが
第1の循環配管4の往路配管4Aを介して液化ガス気化
手段4の空気ヒータ1D及び熱調器10へ流れ込む。空
気ヒータ1Dでは上述のようにハウジング1A内の空気
を高温ブラインで加熱する。また、熱調器10内ではチ
ューブ側の都市ガスをシェル側の高温ブラインで所定の
温度まで加熱する。但し、熱調器10では都市ガスを所
定の温度まで高める僅かの熱量で足りるため、高温ブラ
インの殆どは空気ヒータ1Dへ流れ込む。空気ヒータ1
Dにおいて低温化したブラインは熱調器10からのブラ
インと合流して上述のように復路配管4Bを経由して低
温ブラインとしてブラインタンク3の第1室3B内へ流
れ込む。
のように空気ヒータ1Dから戻る最も保有エネルギーの
低い低温ブラインが第2室3Cからの高温ブラインと混
ざってブライン温度が高くなり、このブラインが第2の
循環配管5の往路配管5Aを流れ温度調節器13を経由
して廃熱供給手段2へ到達し、ここで廃熱を回収し、高
温ブラインとなってブラインタンク3の第2室3C内に
流れ込む。
化ガス気化手段1での気化熱量より多い場合には廃熱供
給手段2の前段階で温度調節器13が冷却塔として働い
てブラインの余剰熱量を大気へ放出し、これとは逆の場
合には温度調節器13がヒーティングタワーとして働い
て大気熱を有効利用して不足熱量を補充し、これでも熱
量が不足する場合にはブラインヒータ8が働いて不足熱
量を補充し、液化ガス気化システムSを確実に稼働させ
る。また、温度調節器13は、その出口のブライン温度
と大気温度との差に基づいて作動する制御器(図示せ
ず)を介して冷却塔とヒーティングタワーとの切替が行
われる。
図4に示す液化ガス気化システムの空気ヒータの出入口
のブラインと同一の温度に設定すると、本実施形態にお
けるブラインタンク3の第1室3B内に戻る低温ブライ
ンの温度は図1に示すように10℃になり、第2室3C
から空気ヒータ1D側へ供給する高温ブラインの温度は
15℃になる。即ち、本実施形態では保有エネルギーの
最も高い高温ブラインの温度が15℃になるため、図2
に示すように20℃の大気温度があれば廃熱が不足して
も温度調節器13を使用することで15℃の高温ブライ
ンを得ることができる。しかも、ブラインタンク3では
第2室3C内の高温ブラインを第1室3B内の低温ブラ
インに混合して廃熱供給手段2側へ供給するブラインの
温度を12.5℃まで高めることができるため、温度調
節器13の負荷を軽減することができる。
気密構造のハウジング1A内に設置された蒸発管1B内
を流れるLNGをハウジング1A内の循環空気を介して
気化する液化ガス気化手段1と、この液化ガス気化手段
1のハウジング1A内に設置され且つその内部を循環す
る空気を加熱する空気ヒータ1Dと、この空気ヒータ1
Dに用いられるブラインに対して廃熱を供給する廃熱供
給手段2と、この廃熱供給手段2と空気ヒータ1Dとの
間で往来するブラインを一時的に溜めるブラインタンク
3と、このブラインタンク3と空気ヒータ1D及び廃熱
供給手段2それぞれとの間でブラインが循環する第1、
第2の循環配管4、5と、これらの循環配管4、5に従
ってブラインを循環させる第1、第2のポンプ6、7と
を備え、ブラインタンク3は、第1の循環配管4の復路
配管4Bを介して空気ヒータ1Dから戻る低温ブライン
を溜める第1室3Bと、第2の循環配管5の復路配管5
Bを介して廃熱供給手段2から戻る高温ブラインを溜め
る第2室3Cの二室に分割され、第2室3C内の最も保
有エネルギーの高い高温ブラインを第1の循環配管4の
往路配管4Aを介して空気ヒータ1Dへ供給し、第1室
3B内の最も保有エネルギーの低い低温ブラインを第2
の循環配管5の往路配管5Aを介して廃熱供給手段2へ
供給するようにしたため、液化ガス気化手段1では廃熱
をLNGの気化熱源として最大限に有効利用することが
できると共に、廃熱供給手段2では廃熱を効率良く回収
し、液化ガス気化手段1側へ廃熱量を効率良く伝達する
ことができる。
の第1室3Bと廃熱供給手段2との間に位置する第2の
循環配管5の往路配管5Aにブラインの温度を調節する
温度調節器13を設けたため、廃熱供給手段2の廃熱量
に過不足が生じた場合には温度調節器13が冷却塔ある
いはヒーティングタワーとして働き、大気熱を有効利用
して液化ガス気化手段1側へ常に安定した熱量を付与す
ることができ、年間を通じて液化ガス気化システムSを
稼働させることができる。
気ヒータ1Dとの間に位置する第1の循環配管4の往路
配管4Aに高温ブラインを加熱するブラインヒータ8を
設けたため、特に厳寒期等の外気温度が低く廃熱と大気
熱だけでは気化熱源を確保できない時でもブラインヒー
タ8が働き、年間を通じて液化ガス気化システムSを確
実に稼働させることができる。
ガス気化手段1に代えて図3に示す液化ガス気化手段
1’を用いることができる。尚、以下では図1に示すも
のと同一または相当部分には同一符号を附して説明す
る。図3に示すように、ハウジング1Aの側面の上部と
下部にはダクト1Fの上下両端がそれぞれ気密に連結さ
れ、ダクト1Fとハウジング1Aは互いに連通してい
る。このダクト1F内の下部には送風機1Cが配置さ
れ、この送風機1Cを介してハウジング1A及びダクト
1F内の空気が図3の矢印で示すように循環する。ま
た、ハウジング1A内の上部空間には空気ヒータ1Dが
蒸発管1Bの上面全体を被って配置され、この空気ヒー
タ1Dを介してダクト1Fから戻る循環空気を加熱す
る。従って、循環空気は空気ヒータ1Dで加熱され後ハ
ウジング1A内を下降流で流れ、この間に蒸発管1B内
のLNGを気化させ、循環空気自体は冷却される。冷却
された循環空気はハウジング1Aの下部空間及びダクト
1Fを経由してハウジング1A内の上部空間に流入し、
再び空気ヒータ1Dを介して冷却前の元の温度まで加熱
される。
るものではなく、必要に応じて各構成要素を適宜設計変
更することができる。
発明によれば、廃熱を液化ガスの気化熱源として最大限
に有効利用することができる液化ガス気化システム及び
廃熱供給方法を提供することができる。
載の発明によれば、請求項2に記載の発明において、熱
媒体廃熱量が不足しても大気熱を利用するなどして不足
熱量を補充して年間を通じて確実に稼働させることがで
きる液化ガス気化システムを提供することができる。
全体を示す構成図である。
温度との関係を示す説明図である。
す構成図である。
図である。
の一例を示す概念図、(b)は(a)に示す液化ガス気
化システムの熱交換量と温度との関係を示す説明図であ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 気密構造のハウジング内に設置された蒸
発管内を流れる液化ガスをハウジング内を循環する空気
の保有熱により気化する液化ガス気化手段と、この液化
ガス気化手段の循環空気を加熱する空気加熱器に熱媒体
を介して廃熱を供給する廃熱供給手段とを備え、上記廃
熱供給手段から上記液化ガス気化手段へ廃熱を供給する
方法において、上記廃熱供給手段で廃熱を得た高温熱媒
体を上記空気加熱器の熱媒体として供給し、上記空気加
熱器から戻る低温熱媒体を上記廃熱供給手段の廃熱回収
用熱媒体として供給することを特徴とする廃熱供給方
法。 - 【請求項2】 気密構造のハウジング内に設置された蒸
発管内を流れる液化ガスをハウジング内を循環する空気
の保有熱により気化する液化ガス気化手段と、この液化
ガス気化手段の循環空気を加熱する空気加熱器に熱媒体
を介して廃熱を供給する廃熱供給手段と、この廃熱供給
手段と上記空気加熱器との間で往来する上記熱媒体を一
時的に溜める熱媒体槽と、この熱媒体槽と上記空気加熱
器及び上記廃熱供給手段それぞれとの間で上記熱媒体が
循環する第1、第2の循環配管と、これらの循環配管に
従って上記熱媒体を循環させる第1、第2のポンプとを
備え、上記熱媒体槽は、第1の循環配管を介して上記空
気加熱器から戻る低温熱媒体を溜める第1室と、第2の
循環配管を介して上記廃熱供給手段から戻る高温熱媒体
を溜める第2室の二室に分割され、第2室内の高温熱媒
体を第1の循環配管を介して上記空気加熱器へ供給し、
第1室内の低温熱媒体を第2の循環配管を介して上記廃
熱供給手段へ供給することを特徴とする液化ガス気化シ
ステム。 - 【請求項3】 上記熱媒体槽の第1室と上記廃熱供給手
段との間に位置する第2の循環配管に上記熱媒体の温度
を調節する温度調節器を設けたことを特徴とする請求項
2に記載の液化ガス気化システム。 - 【請求項4】 上記熱媒体槽の第2室と上記空気加熱器
との間に位置する第1の循環配管に上記熱媒体を加熱す
る熱媒体加熱器を設けたことを特徴とする請求項2また
は請求項3に記載の液化ガス気化システム。
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