JP2000055520A - 液化天然ガス冷熱利用気化装置 - Google Patents

液化天然ガス冷熱利用気化装置

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JP2000055520A
JP2000055520A JP10220840A JP22084098A JP2000055520A JP 2000055520 A JP2000055520 A JP 2000055520A JP 10220840 A JP10220840 A JP 10220840A JP 22084098 A JP22084098 A JP 22084098A JP 2000055520 A JP2000055520 A JP 2000055520A
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heat exchanger
cold
natural gas
temperature
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Yoshinori Hisakado
喜徳 久角
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大量のLNGを気化させる際に発生する冷熱
を有効に利用する。 【解決手段】 60wt%のアルコール水を熱媒体と
し、フィン付のU字管式熱交換器である冷熱回収熱交換
器1と、フィン無しのU字管式熱交換器である気化用熱
交換器2および昇温用熱交換器3とを3段に組込む。L
NGを常温まで気化し、冷凍食品事業または冷蔵倉庫3
1や冷蔵倉庫32、空調機33などの冷熱利用設備30
で冷熱をカスケード的に利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液化天然ガスを気
化させる際に、液化天然ガスの有する冷熱を有効に利用
するための液化天然ガス冷熱利用気化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、液化天然ガス(以下「LN
G」と略称することもある)を気化させて都市ガスなど
として供給する際には、大量の冷熱が発生する。LNG
気化の際に発生する冷熱の有効利用については、多くの
提案がなされている。本件発明者も、たとえば特願平8
−154779で、LNGの有する冷熱をアルコール水
冷媒として利用する冷熱システムについて提案を行って
いる。この冷熱システムでは、熱交換器と、蓄冷容器
と、気化器とを備えている。熱交換器は胴体を有し、こ
の胴体内に略U字状の伝熱管が配設され、LNGはこの
伝熱管を通して送給される。胴体内には、冷媒としての
アルコール水が充填され、伝熱管を通して流れるLNG
からの冷熱がアルコール水に移行するとともに、LNG
はアルコール水から昇温および気化に必要な熱を得る。
【0003】熱交換器は低温成層型蓄冷熱を介して冷熱
利用設備、たとえば冷凍倉庫に接続される。低温成層型
蓄冷熱貯槽は、高温層と低温層との2つの温度成層を上
下に形成し、その温度差を利用して蓄冷機能を発揮す
る。熱交換器からのアルコール水は低温成層型蓄冷熱貯
槽の下側の低温層を通して冷熱利用設備に送給され、こ
のアルコール水の冷熱を利用して、冷熱利用設備がたと
えば−35℃に冷却される。冷熱利用設備から戻るアル
コール水は、低温成層型蓄冷熱貯槽の上側の高温層を通
して熱交換器に戻される。アルコール水は、熱交換器で
再び冷却され、冷熱利用設備に送給される冷却サイクル
を繰返し遂行される。熱交換器で、アルコール水を冷却
して気化された天然ガスは、たとえば−60〜−35℃
程度であり、さらに気化器で0℃以上の常温に昇温され
て、都市ガスとして一般家庭等に供給される。
【0004】冷媒として用いるアルコール水は、たとえ
ばエタノールなどのアルコール60wt%以下と、残部
の水とから成る混合液であり、したがって消防法の適用
を受けず、比較的安全に取扱うことができる。アルコー
ル水には、オゾン層を破壊するフロンのような問題もな
く、低粘度で取扱やすい。しかしながら、60wt%の
アルコールを含むアルコール水の凝固温度は約−43.
5℃であり、凝固温度が高いので、約−160℃まで温
度が下がる可能性がある液化天然ガスと熱交換する際に
は、アルコール水が凝固しないように、あるいは凝固し
ても支障が生じないように対策を施す必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、アルコ
ール水を冷媒として用いるLNGの冷熱利用システムで
はLNGの気化過程で冷熱をアルコール水の冷媒と熱交
換して利用することができるけれども、気化した天然ガ
スを常温まで昇温させる際に加熱源が必要となる。ま
た、熱交換器ではアルコール水の凝固についての対策を
必要としているので、構造上の工夫を要し、処理可能な
LNGの流量に比較して装置が大形化しやすい。
【0006】本発明の目的は、LNGの有する冷熱を有
効に利用することができ、大量のLNGを気化させるこ
とができる液化天然ガス冷熱利用気化装置を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルコール水
を熱媒体として循環させながら、液化天然ガスを気化さ
せる際に発生する冷熱を利用する装置において、液化天
然ガスを、フィン付U字管内に流して該熱媒体との熱交
換を行い、沸点近くまで昇温させる第1の熱交換器と、
第1の熱交換器で昇温された液化天然ガスを、U字管内
に流して該熱媒体と熱交換を行い、気化させる第2の熱
交換器と、第2の熱交換器で気化された天然ガスを、U
字管内に流して該熱媒体と熱交換を行い、常温まで昇温
させる第3の熱交換器と、第1の熱交換器で液化天然ガ
スとの熱交換によって冷却された熱媒体を冷熱利用設備
に供給し、冷熱利用設備から戻る熱媒体を第3の熱交換
器から第2の熱交換器を経て第1の熱交換器に戻す循環
手段とを含むことを特徴とする液化天然ガス冷熱利用気
化装置である。
【0008】本発明に従えば、液化天然ガスを3段階の
熱交換器を通して、アルコール水の熱媒体と熱交換し、
常温までの昇温と気化とを行うことができる。第1の熱
交換器では、液化天然ガスをフィン付U字管内に流して
熱媒体との熱交換を行い、沸点近くまで昇温させる。第
1の熱交換器では熱媒体が低温に冷却されるので、凝固
するおそれがあり、フィン付のU字管を用いる。第2の
熱交換器では、昇温された液化天然ガスを熱媒体と熱交
換して気化させる。液化天然ガスは沸点近くまで昇温さ
れているので、アルコール水の熱媒体は凍結するおそれ
はなく、U字管を密つに配置して、効率よく気化を行う
ことができる。気化された液化天然ガスは、第3の熱交
換器で熱媒体と熱交換を行い、常温まで昇温される。熱
媒体が凍結するおそれはないので、U字管を密つに配置
し、大量の液化天然ガスを効率よく昇温させることがで
きる。第1の熱交換器から冷却された熱媒体を取出し
て、冷熱利用設備の冷却に使用することができ、冷熱利
用設備で昇温した熱媒体を第1の熱交換器に戻して、天
然ガスの常温までの加熱源として利用することができ
る。
【0009】また本発明で、前記循環手段は、前記第2
の熱交換器によって冷却された熱媒体を貯留して前記第
1の熱交換器に供給し、第1の熱交換器で冷却された熱
媒体も貯留可能な低温成層型蓄冷熱貯槽と、常温の熱媒
体を貯留可能な常温貯槽とを備えることを特徴とする。
【0010】本発明に従えば、第2の熱交換器によって
冷却された熱媒体を低温成層型蓄冷熱貯槽に貯留し、第
1の熱交換器に供給する。第1の熱交換器で冷却された
熱媒体は、低層型蓄冷熱貯槽に貯留可能である。したが
って、冷熱負荷の変動があっても、低温成層型蓄冷熱貯
槽から第1の熱交換器液化天然ガスの昇温用の熱媒体を
安定して供給することができる。常温貯槽には、常温の
熱媒体を貯留可能であるので、冷熱負荷の変動で常温の
熱媒体の戻りの量が変動しても、天然ガスの常温への昇
温を行う第3の熱交換器に安定した量の常温の熱媒体を
供給することができる。
【0011】また本発明で前記循環手段は、前記常温貯
槽内に貯留される熱媒体を加熱する加熱器と、加熱器で
加熱された熱媒体を、前記冷熱利用設備のデフロスト用
に供給するデフロスト手段とを含むことを特徴とする。
【0012】本発明に従えば、加熱器で常温貯槽内に貯
留される熱媒体を加熱するので、冷熱利用設備の負荷が
減って戻される常温の熱媒体の量が減少しても、第3の
熱交換器に充分な量の常温の熱媒体を供給して、天然ガ
スの昇温を確実に行うことができる。加熱器では、熱源
として外気あるいはコージェネレーションシステムの排
熱などを安定して利用することができる。また、加熱さ
れた熱媒体は、冷熱利用設備でデフロストを行うときに
熱源としても利用することができるので、冷熱利用設備
を効率的に動作させ、液化天然ガスの有する冷熱の一層
効率的な利用を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態に
よる液化天然ガス冷熱利用気化装置の概略的なシステム
プロセスの構成を示す。本実施形態では、LNGの気化
温度を下げ、第1の熱交換器である冷熱回収熱交換器
1、第2の熱交換器である気化用熱交換器2および第3
の熱交換器である昇温用熱交換器3の3段階の熱交換器
でLNGを常温まで昇温気化させ、LNGの有する冷熱
をカスケード的に利用することができる。3段階の熱交
換器に対しては、熱媒体として60wt%アルコール水
を循環させ、LNGの冷熱をカスケード的に利用するこ
とができる。低温の熱媒体は、低温成層型冷熱貯槽4に
貯留される。低温成層型冷熱貯槽4は、−35℃と−4
0℃との貯冷温度成層を有し、冷熱利用事業に常に−4
0℃の熱媒体を供給するための貯槽として機能させるこ
とができる。アルコールとしては、エタノールまたはメ
タノールを用いることができる。濃度は、60wt%未
満でもよい。低温成層型冷熱貯層4と冷熱回収熱交換器
1との間の熱媒体の送給は、冷水AWポンプ5によって
行う。常温の熱媒体に対しては、常温貯層6、温水AW
ポンプ7およびAW加熱器8が設けられる。なお「A
W」は、「アルコール水」を表す。
【0014】冷熱回収熱交換器1、気化用熱交換器2お
よび昇温用熱交換器3は、U字管を伝熱管として用い、
管内にLNGまたは気化した天然ガスを流し、管外にア
ルコール水の熱媒体を流す形式で熱交換を行う。これら
の熱交換器では、低温のLNGまたは天然ガスとアルコ
ール水の熱媒体とが熱交換を行うので、アルコール水が
凍結し、伝熱管に着氷しても流路抵抗の増加が僅かで、
安定して冷熱利用事業に低温の熱媒体を供給することが
できるように工夫されている。このような熱交換器は、
CRE(Cold energy Recovcry heat Exchanger)と呼
ばれる後述するような形式を有する。−135℃〜−1
50℃前後で、冷熱回収熱交換器1のU字管に入ったL
NGで、−35℃のアルコール水の熱媒体を−40℃ま
で冷却する。冷熱回収熱交換器1の出口でのLNGの温
度は、気化圧力によって大きく変わるけれども、たとえ
ば5MPaの場合は、−75℃となる。
【0015】図2は、冷熱回収熱交換器1、気化用熱交
換器2および昇温用熱交換器3に共通するCREとして
の概略的な構成を示す。軸線が鉛直な円筒状の胴体10
内には、複数のU字管11が伝熱管として配置される。
胴体10内には、さらに複数の邪魔板12が軸線方向に
間隔をあけて設けられ、切欠き13の部分が交互に配置
されて、熱媒体であるアルコール水の流通が可能とな
る。胴体10の上端は、蓋14で開閉可能である。蓋1
4には、各邪魔板12を間隔をあけて支持する支持部材
15の上端が固定される。各邪魔板12の外周部と胴体
10の内周面との間には、数mmの隙間が設けられ、熱
媒体の流通が可能である。
【0016】冷熱回収熱交換器1および気化用熱交換器
2では、図2に示すように、胴体10の上部に熱媒体入
口16が設けられ、下部に熱媒体出口17が設けられて
いると、熱媒体であるアルコール水は、交互に配置され
る邪魔板12の切欠き13を通るジグザグ状の通路を通
って流れる。蓋14には、外部からLNGを供給するた
めの天然ガス入口18と、外部にLNGまたは天然ガス
を排出するための天然ガス出口19とが固定される。天
然ガス入口18および天然ガス出口19は、ヘッダ18
a,19aを介して複数のU字管11の上端にそれぞれ
接続される。天然ガス入口18に供給されるLNGは、
ヘッダ18aで複数のU字管11の入口側の上端に分岐
して流れ込み、U字管11の入口側を下降し、下端部で
流れの方向が変ってU字管11の出口側を上昇し、U字
管11の出口側の上端からヘッダ19aに合流して、天
然ガス出口19から排出される。なお、昇温用熱交換器
3では、胴体内部に軸線方向に延びる形状の仕切も設
け、熱媒体出口も胴体の上部に設けて、熱媒体の流れ
も、胴体内で大略的にU字状となるようにしている。
【0017】図3は、図2のU字管11と邪魔板12と
の組合せ状態を示す。U字管11内を流れるLNGまた
は天然ガスは、周囲の熱媒体と熱交換して昇温あるいは
気化に必要な熱を受け、周囲の熱媒体を冷却する。気化
用熱交換器2および昇温用熱交換器3では、熱媒体が凍
結するおそれがないので、胴体10内にU字管11を密
に配置し、大量のLNGの気化または昇温が可能なよう
にしている。U字管11、邪魔板12および支持部材1
5などの材質は、耐食性および低温強度が良好なSUS
304系などのステンレス鋼を用いることが好ましい。
【0018】図4は、冷熱回収熱交換器1に用いるU字
管11に関連する構成を示す。冷熱回収熱交換器1で
は、U字管11の周囲にフィン20を設け、伝熱効果を
高めている。邪魔板12には、U字管11が挿通する貫
通孔61とともにフィン60が挿通するスリット22も
形成される。フィン60は、U字管11とともに、複数
の邪魔板12を貫通して配置される。U字管11および
フィン60と、貫通孔61およびスリット62との間に
は、1mm以下程度のわずかな隙間が設けられ、熱媒体
の流通が可能である。熱媒体が凍結し始めると、隙間は
氷で塞がれる。フィン60の材料としては、ステンレス
鋼や、さらに熱伝導率の高いアルミニウムなどを用いる
ことができる。
【0019】気化用熱交換器2では、冷熱回収熱交換器
1から供給されるLNGがたとえば5MPaで−75℃
まで昇温されている。気化用熱交換器2では熱媒体を温
度の上がったLNGで冷却するため、凍結したとして
も、着氷厚みは非常にわずかである。このため、図3に
示すようなフィン60を用いる必要はなく、フィン無し
仕切室形多管式熱交換器として、熱交換器の1基あたり
の熱交換量を増やすことができる。
【0020】図1を再び参照して、低温成層型冷熱貯槽
4には、−35℃および−40℃の熱媒体を貯留する。
熱媒体は温度によって密度が異なるので、相対的に高温
の−35℃の熱媒体は上層に、相対的に低温の−40℃
の熱媒体は下層に、それぞれ分れて貯留される。−35
℃の熱媒体は、冷水AWポンプ5を介して冷熱回収熱交
換器1に供給され、−135℃〜−150℃前後で供給
されるLNGと熱交換して−40℃まで冷却される。−
35℃の熱媒体は、気化用熱交換器2でLNGを気化さ
せる際に冷却されて得られる。−40℃の熱媒体は、冷
熱利用設備30に冷熱回収熱交換器1から供給される。
冷熱利用設備30で冷熱が利用され、温度が−30℃程
度に上昇した熱媒体が気化用熱交換器2に戻される。
【0021】冷熱利用設備30には、−35℃まで冷却
可能で冷凍食品などの加工を行う事業または冷蔵倉庫
(冷凍倉庫)31、−20℃までの冷却を行う冷蔵倉庫
32、室内の冷房を行う空調機33などが含まれる。温
度が−30℃程度に上昇した熱媒体は、分岐して空調機
33にも供給され、ファンコイル等で冷熱が利用されて
10℃程度まで昇温する。昇温した熱媒体は、常温貯層
6に貯留される。常温貯層6に貯留されている熱媒体
は、温水AWポンプ7で2.5kgf/cm2Gまで加
圧され、AW加熱器8で20℃まで加熱される。AW加
熱器8は、外気やコージェネレーションシステムの排熱
などの安定した熱源で熱媒体を加熱する。加熱された熱
媒体は、昇温用熱交換器3に供給され、気化用熱交換器
2から供給される−70℃程度で気化した天然ガスと熱
交換して、天然ガスを出口温度が設定値以上となるよう
に、加温させる。天然ガスの流量に応じて、熱媒体の供
給量も調整される。昇温用熱交換器3で熱媒体は冷却さ
れ、冷凍食品事業または冷蔵倉庫31や冷蔵倉庫32か
らの戻りの−30℃の熱媒体と合流して、気化用熱交換
器2に導入される。気化用熱交換器2で−35℃に冷却
された熱媒体は、低温成層型冷熱貯槽4の上層に導入さ
れる。AW加熱器8で加熱された熱媒体の残部は、常温
貯槽8に戻され、熱媒体の高温循環ラインが形成され
る。
【0022】本実施形態では、アルコール水の熱媒体の
流量をほぼ一定に保つ。LNG流量が減る場合は、冷熱
回収熱交換器1に供給する熱媒体に、低温成層型冷熱貯
槽4の下槽に貯留されている部分を多く加えるようにし
て、温度を下げる。低温成層型冷熱貯槽4には、上層と
下槽とにそれぞれ貯留されている熱媒体を混合して、温
度を調節するための調節弁も設けられている。冷熱利用
設備30でLNGから供給される冷熱が余る場合は、低
温成層型冷熱貯槽4の下層に、冷熱回収熱交換器1で−
40℃に冷却された熱媒体を導入して貯留する。
【0023】本実施形態によれば、冷熱利用設備30の
熱負荷が無くなっても、外気やコージェネレーションシ
ステム等の温熱源を利用して熱媒体の加熱を行うAW加
熱器8を設けた高温循環ラインからの熱源で、LNGを
常温まで安定して気化させることができる。従来のLN
G気化装置では、たとえば空温式で、外気を熱源として
LNGの気化昇温を行っているので、外気温度が下がっ
たり、着氷により性能が低下した場合は、別に設置して
おく温水式の加温装置などを運転する必要がある。本実
施形態の気化装置では、年間を通じてLNGの冷熱利用
が可能になるばかりではなく、LNGの気化に必要なシ
ステムを簡略化することができる。
【0024】また、LNG気化流量の変化や、冷熱利用
設備30の負荷変動に対しても、低温成層型冷熱貯槽4
によって調整を行い、LNG冷熱を100%有効に活用
することができる。
【0025】さらに、LNGを3段階で昇温するため、
各熱交換器の胴体内を流れるアルコール水熱媒体の流速
を高めることができ、伝熱特性を向上させることができ
る。そのため、熱交換器の1基当りのLNG気化能力を
高めることが可能となる。たとえば、冷熱回収熱交換器
1を2基並列に配置し、気化用熱交換器2および昇温用
熱交換器3をそれぞれ1基ずつ直列に配置して、約8t
/hのLNGを気化させることができる。このシステム
で、庫内温度−30℃レベルの冷凍食品事業または冷蔵
倉庫31の冷凍能力として、約300USRTを供給可
能である。
【0026】熱媒体は、危険物の適用外である60wt
%以下のアルコール水を、大気圧で常温貯槽8に貯め
る。このため、従来の冷凍装置で使用されるフロン冷媒
やアンモニア冷媒に比較して、維持管理が容易となる。
【0027】図5は、本発明の実施の他の形態による液
化天然ガス冷熱利用気化装置の概略的なシステムプロセ
スの構成を示す。本実施形態で、図1の実施形態に対応
する部分には同一の参照符を付し、重複する説明を省略
する。本実施形態では、AW加熱器8で加熱した熱媒体
を、デフロスト管路35,36,37,38を介して、
冷熱利用設備30の冷凍食品事業または冷蔵倉庫31や
冷蔵倉庫32の除霜用にも供給する。冷凍食品事業また
は冷蔵倉庫31や冷蔵倉庫32では除霜用の構成を簡略
化することができる。冷熱利用設備30の熱負荷が大き
いときには、常温貯槽6に、高温の熱媒体を充分に貯留
することができ、AW加熱器8で加熱を行わなくても、
デフロストに必要な熱源を確保することができる。
【0028】本実施形態では、図1の実施形態と同様の
効果を有するとともに、デフロストでも熱媒体を有効に
活用することができる。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、液化天然
ガスを3段階の熱交換器で昇温して気化させるので、熱
交換器のセル内を流れるアルコール水の熱媒体の流速を
高めることができ、伝熱特性を向上させることができ
る。そのために、熱交換器1基当たりの気化能力を高め
ることが可能となり、大量の液化天然ガスを効率よく気
化させることができる。
【0030】また本発明によれば、液化天然ガスの気化
流量の変化や、冷熱利用設備の付加変動があっても、低
温成層型蓄冷熱貯槽と常温貯槽とを設けて、変動を吸収
し、液化天然ガスの有する冷熱を有効に利用することが
できる。
【0031】また本発明によれば、常温貯槽内に貯留さ
れる熱媒体を加熱器で加熱するので、冷熱利用設備での
熱負荷がなくなり、寒冷な季節でも、液化天然ガスを常
温まで安定して気化させることができる。加熱器の熱源
としては、外気やコージェネレーション等の温熱源を利
用することができ、年間を通じて液化天然ガスの冷熱利
用を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の概略的なシステムプロ
セスの構成を示す配管系統図である。
【図2】図1の冷熱回収熱交換器1、気化用熱交換器2
および昇温用熱交換器3のU字管式熱交換器としての基
本的な構成を示す簡略化した側面断面図である。
【図3】図2のU字管11と邪魔板12とに関連する構
造を示す斜視図である。
【図4】図1の冷熱回収熱交換器1でU字管11に設け
られるフィン20の形状を示す簡略化した斜視図であ
る。
【図5】本発明の実施の他の形態の概略的なシステムプ
ロセスの構成を示す配管系統図である。
【符号の説明】
1 冷熱回収熱交換器 2 気化用熱交換器 3 昇温用熱交換器 4 低温成層型冷熱貯層 5 冷水AWポンプ 6 常温貯層 7 温水AWポンプ 8 AW加熱器 10 胴体 11 U字管 12 邪魔板 20 フィン 30 冷熱利用設備 31 冷凍食品事業または冷蔵倉庫 32 冷蔵倉庫 33 空調機 35,36,37,38 デフロスト管路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコール水を熱媒体として循環させな
    がら、液化天然ガスを気化させる際に発生する冷熱を利
    用する装置において、 液化天然ガスを、フィン付U字管内に流して該熱媒体と
    の熱交換を行い、沸点近くまで昇温させる第1の熱交換
    器と、 第1の熱交換器で昇温された液化天然ガスを、U字管内
    に流して該熱媒体と熱交換を行い、気化させる第2の熱
    交換器と、 第2の熱交換器で気化された天然ガスを、U字管内に流
    して該熱媒体と熱交換を行い、常温まで昇温させる第3
    の熱交換器と、 第1の熱交換器で液化天然ガスとの熱交換によって冷却
    された熱媒体を冷熱利用設備に供給し、冷熱利用設備か
    ら戻る熱媒体を第3の熱交換器から第2の熱交換器を経
    て第1の熱交換器に戻す循環手段とを含むことを特徴と
    する液化天然ガス冷熱利用気化装置。
  2. 【請求項2】 前記循環手段は、 前記第2の熱交換器によって冷却された熱媒体を貯留し
    て前記第1の熱交換器に供給し、第1の熱交換器で冷却
    された熱媒体も貯留可能な低温成層型蓄冷熱貯槽と、 常温の熱媒体を貯留可能な常温貯槽とを備えることを特
    徴とする請求項1記載の液化天然ガス冷熱利用気化装
    置。
  3. 【請求項3】 前記循環手段は、前記常温貯槽内に貯留
    される熱媒体を加熱する加熱器と、 加熱器で加熱された熱媒体を、前記冷熱利用設備のデフ
    ロスト用に供給するデフロスト手段とを含むことを特徴
    とする請求項1または2記載の液化天然ガス冷熱利用気
    化装置。
JP10220840A 1998-08-04 1998-08-04 液化天然ガス冷熱利用気化装置 Pending JP2000055520A (ja)

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