JPH0754668A - 蓄熱式ガスタービン空気冷却装置 - Google Patents

蓄熱式ガスタービン空気冷却装置

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JPH0754668A
JPH0754668A JP21916593A JP21916593A JPH0754668A JP H0754668 A JPH0754668 A JP H0754668A JP 21916593 A JP21916593 A JP 21916593A JP 21916593 A JP21916593 A JP 21916593A JP H0754668 A JPH0754668 A JP H0754668A
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JP
Japan
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water
gas turbine
heat
heat storage
lng
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JP21916593A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Kanda
哲郎 神田
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 設備が簡易でかつ運転容易な経済的蓄熱式ガ
スタービン空気冷却装置を提供する。 【構成】 蓄熱式ガスタービン空気冷却装置10は、蓄
熱されたLNGの冷熱を使用してガスタービンに送入す
る空気を冷却する装置であって、空気を水によって冷却
する冷却器12、蓄熱装置14及び循環系16を備えて
いる。蓄熱装置は、水を収容する水槽22と、水槽内に
設けたLNGを流す伝熱管24とを有し、LNGの冷熱
により伝熱管周りの水を結氷させて冷熱を蓄熱する。循
環系は、ポンプ36を有して、冷却器と蓄熱装置との間
で水を循環する。電力需要のオフ・ピーク時には蓄熱装
置内で製氷して冷熱の蓄熱を行い、電力需要のピーク時
には循環系を駆動して水を循環し、蓄熱装置の氷の解氷
を行いつつその冷熱で以て空気を冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蓄熱されたLNGの冷
熱を使用して、ガスタービンに送入する空気を冷却する
蓄熱式ガスタービン空気冷却装置に関し、更に詳細には
電力需要のオフ・ピーク時に蓄熱した冷熱を電力需要の
ピーク時に使用してガスタービンの軸出力を上げると共
に熱消費率を上げ、電力需要のピークに対処しようとす
るための蓄熱式ガスタービン空気冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電用ガスタービン、特に都市近郊
に立地した火力発電所で稼働する発電用ガスタービン
は、燃料としてその低公害性を理由に一般に液化天然ガ
スを使用している。液化天然ガスは、メタンを主成分と
する天然ガスを加圧、冷却して液化したものであって、
LNGと略称される。以下、本明細書でも、液化天然ガ
スをLNGと言い、再ガス化した天然ガスをNGと言う
ことにする。ところで、最近の電力の需要は、夏期日中
のピーク時と、他の時期のオフピーク時との差が大き
く、特に都市近傍でその傾向が著しい。しかも、電力需
要の最も大きいピーク時である真夏の12時から16時
まではガスタービンの燃焼空気の温度が上がるため、ガ
スタービンの出力が低下する。
【0003】ところで、ガスタービンの最大出力は、そ
の燃焼用空気の入口温度を低くするほど、増大する。例
えば、空気の入口温度が35°Cでのガスタービンの最
大出力を100%とすると、空気の入口温度を4°Cま
で冷却したと想定するならば、出力が約22%増加し
て、最大出力は、約122%となる。また、熱消費率
は、約91〜92%に向上する。
【0004】そこで、燃料としてガスタービンで使用す
るLNGを気化させる際に発生する冷熱を使って、ガス
タービンに送入する空気を冷却する試みがなされ、種々
の提案がなされている。例えば、実開昭57−1747
30号公報は、「液化石油ガスや液化天然ガス等を燃料
に用いるガスタービン発電設備において、燃料を気化装
置に送給する導管の途中に熱交換器を設け、該熱交換器
空気入口と空気吸入口を導管で接続すると共に、熱交換
器空気出口と圧縮機を導管で接続した」ガスタービン発
電設備を開示している。
【0005】また、実開昭58−86441号公報は、
直触式熱交換器を使用して、ガスタービンに送入する空
気を中間熱媒体に直接接触させて冷却するようにした、
ガスタービン空気冷却装置を開示し、また年間を通じて
ガスタービンの出力向上が図れるように大気条件に応じ
て使用する中間熱媒体の種別又は濃度を変更できるよう
にしたことを開示している。更に、特開平1−1422
19号公報は、「ガスタービンへの取り入れ空気を、液
化天然ガスを気化するために用いられる熱媒体を介し
て、冷却しながらガスタービンに供給するガスタービン
取り入れ空気の冷却方法」を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前掲公報の提
案も含めて、今までに開示された提案は、ガスタービン
に送入する空気を冷媒で単に冷却しているのみであっ
て、電力需要のオフ・ピーク時のLNGの冷熱を使用し
てピーク時にガスタービン出力を上げると言った冷熱の
有効利用を図っていなかった。また、LNGの冷熱を利
用した蓄熱式であっても、何らかの不凍液等の熱媒体を
使用しているため、設備が複雑かつ大型になり、設備コ
ストが嵩み、かつ運転が難しい欠点があった。更には、
ガスタービンに送入する空気を冷却する空気冷却器にお
いて、空気中の水分が凍結して空気の流路を閉塞し、更
には空気冷却器の伝熱係数を低下させてその冷却能力を
不足させる問題に対して、配慮が成されていなかった。
【0007】そこで、本発明の目的は、ガスタービンに
送入する空気を冷却する空気冷却器で空気中の水分が凍
結することなく、設備が簡易でかつ運転容易な経済的蓄
熱式ガスタービン空気冷却装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る蓄熱式ガスタービン空気冷却装置は、
蓄熱されたLNGの冷熱を使用して、ガスタービンに送
入する空気を冷却する蓄熱式ガスタービン空気冷却装置
において、空気を水によって冷却する冷却器と、水を収
容する水槽と、水槽内に設けたLNGを流す伝熱管とを
有し、LNGの冷熱により伝熱管周りの水を凍結させて
冷熱を蓄熱する蓄熱装置と、及びポンプを有して、冷却
器と蓄熱装置との間で水を循環する循環系とを備え、電
力需要のオフ・ピーク時には蓄熱装置内で製氷して冷熱
の蓄熱を行い、電力需要のピーク時には循環系を駆動し
て水を循環し、蓄熱装置の氷の解氷を行いつつその冷熱
で以て空気を冷却するようにしたことを特徴としてい
る。
【0009】本明細書で、電力需要のピーク時とオフ・
ピーク時とは、夏季と冬季と言うような需要の長期的な
変動よりは寧ろ日中の正午を挟むピーク時とそれ以外の
オフ・ピーク時と言うような比較的短い時間、特に24
時間のサイクルで生じるピーク時及びオフ・ピーク時を
意味する。本発明では、空気を冷却する冷媒として水を
使用している。その水は、一般的な市水であって、特に
不凍液を添加する必要はないが、必要に応じ防黴剤、防
腐剤、清浄剤等を添加しても良い。ピーク時になって直
ちに水を蓄熱装置から冷却器に送るためには、流動する
水が蓄熱装置に存在している必要がある。そこで、本発
明では、蓄熱装置の水槽は、十分な水量を収容できる大
きさを有し、予定のオフ・ピーク時間が経過した後で
も、水槽内の水の全部が凍結することなく、冷却器に送
る水が確保できているようになっている。また、水の流
路を確立しておくために、蓄熱装置の伝熱管は、伝熱管
周りに結氷した後も水が伝熱管の間を流動し得るような
間隔で水槽に配置されている。
【0010】本発明の望ましい実施態様では、空気を冷
却する冷却器は、フィンチューブ型熱交換器であること
を特徴とている。フィンチューブ型熱交換器は冷却効率
の高い冷却器であるから、冷却器を設置するために要す
る面積が小さくて済む利点がある。
【0011】また、本蓄熱式ガスタービン空気冷却装置
を運転する上において、氷の解氷開始時に水の流路が水
槽内、特に伝熱管周りに確保されていることが必要であ
り、一方水槽の大きさを最小に抑えることがコストの面
から重要である。そこで、本発明の更に望ましい実施態
様では、伝熱管は、相互に直列に接続され又は並列に接
続されて水槽内に配列された複数の内径3cmから10cm
の管部材からなり、管部材は、管部材同士の間隔がLN
G入口部では30cmから60cmの範囲にあって、かつN
G出口部に向かって小さくなるように配列されているこ
とを特徴としている。尚、本明細書において管部材同士
の間隔とは、隣合う管部材の管中心線同士の距離を言
う。また、NG出口部における管部材同士の間隔は、隣
合う管部材の外周面の間隔が氷層の成長等を見込んで少
なくとも2cmあるようにする。
【0012】また、本発明の別の望ましい実施態様で
は、伝熱管は、相互に直列に接続され又は並列に接続さ
れて水槽内に配列された複数の管部材からなり、管部材
は、その直径がLNG入口部で内径3cmから10cmであ
って、LNG入口部からNG出口部に向かうに従って大
きくなり、かつ管部材同士の間隔が30cmから60cmの
範囲にあるように配列されていることを特徴としてい
る。尚、NG出口部における管部材同士の間隔は、隣合
う管部材の外周面の間隔が氷層の成長等を見込んで少な
くとも2cmあるようにする。以上の本発明の別の望まし
い実施態様によって、解氷開始時において水の流路を確
保できるような経済的な管部材の配列を実現し、蓄熱装
置の水槽の大きさを最小限の寸法に抑えることができ
る。
【0013】ところで、冬季以外の季節では、ガスター
ビンに送入する空気を冷却するために必要な冷熱量は、
ガスタービンにおいて燃料として必要とする量のLNG
の気化熱量より多い。換言すれば、本発明に係る冷却装
置を使用し、冷却器で得た空気の熱により、ガスタービ
ンの運転に必要なLNGを蓄熱装置で気化させることが
できるので、本冷却装置を使用するならば、別にLNG
気化器を必要としない。しかし、冬季は、空気の温度が
低いので本冷却装置を使用して水で空気を冷却すること
は実際には難しく、またガスタービン出力の面からもガ
スタービンに送入する空気を冷却する必要がない。従っ
て、本冷却装置を使用して必要な量のLNGを気化する
ことが難しく、別にLNG気化器を必要とする。
【0014】そこで、本発明に係る冷却装置をLNGを
気化する気化装置として使用するために 本発明の更に
別の望ましい実施態様では、水槽内の水を加熱する加熱
器を前記蓄熱装置に接続して設けたことを特徴としてい
る。以上の構成により、所要量のLNGを気化させるに
必要な量の熱をガスタービンに送入する空気から得るこ
とができない冬季にも、蓄熱装置をLNGの気化器とし
て利用することができるので、別にLNG気化器を設け
る必要が無くなる。
【0015】
【作用】電力需要のオフ・ピーク時では、ガスタービン
に送入する空気を冷却してガスタービン出力を上げる必
要がなく、一方、電力需要のピーク時には、ガスタービ
ンに挿入する空気を冷却してガスタービン出力を上げる
必要がある。よって、請求項1の発明では、オフ・ピー
ク時には、LNGの冷熱を利用して蓄熱装置内で伝熱管
の周りに水槽内の水を凍結させることにより、LNG冷
熱を蓄熱する。ピーク時には、循環系を駆動して冷却器
と蓄熱装置との間で水を循環し、空気で温められた水で
蓄熱装置の氷の解氷を行いつつその冷熱で以て水を冷却
し、今度はその冷却された水で空気を冷却する。空気を
冷却する冷媒として水を直接使用し、0°C以下に温度
が下がることがないので、不凍液を使用した従来の蓄熱
式ガスタービン空気冷却装置のように、冷却器内で凍結
した空気中の水分が冷却器の伝熱チューブに結氷し、そ
の伝熱係数を低下させるようなことがなく、更に空気中
の水分を凍結させて冷熱を無駄に消費するようなことも
ない。
【0016】請求項3の発明では、管部材の周りに成長
する氷層の成長速度の高いLNG入口部では、管部材の
間隔が氷の成長に見合って広く設定され、LNGの温度
が上昇して氷層の成長速度が遅くなるLNG出口に向か
うに従い管部材の間隔が狭くなっている。更に、言えば
LNG入口部では、LNGの温度は−162°Cであ
り、水の温度は最高でも0°Cであるので、温度差が大
きく、オフ・ピーク時の製氷時には伝熱管の各管部材周
りには急速に氷が形成される。一の管部材周りの氷層が
隣の管部材周りに成長した氷層に接触する程成長するな
らば、氷の解凍時に水の流路が確保されていないことに
なる。従って、隣合う管部材周りの氷層同士の接触は、
避ける必要がある。
【0017】例えば、管部材の直径が3cmの場合には、
次に計算するように氷層の直径は1時間で12cm、10
時間で16cmになる。氷層の形成と共に氷層自体がLN
Gから水への伝熱に対する抵抗となるので、氷層の成長
速度は急速に遅くなり30時間で50cmになる。また、
管部材の直径が6cmの場合には、氷層の直径は1時間で
14cm、10時間で20cm、20時間で50cmになる。
以上のことから、隣合う管部材の間隔は、LNG入口部
では少なくとも30cm必要であるが、NG出口部に向か
うにつれて間隔を小さくして、氷層の割合を大きくする
ことができる。
【0018】また、請求項4の発明では、小さくなるL
NGと水の温度差と大きくなる氷層成長速度との関係か
ら来る氷層成長を考慮して、管部材の間隔を変える代わ
りにLNG入口部からNG出口部に向かうにつれて管部
材の直径を順次大きくすることにより、水の流路を確保
すると共に氷層の割合を大きくしている。
【0019】請求項3及び請求項4の発明において、規
定した条件の背景を図5を参照して説明する。氷を通し
てLNGから外側の水へ伝導する熱量dQは、
【数1】 ここで、 dQ;単位時間にLNGから外側の水へ伝熱される伝熱
量(伝熱管の抵抗は小さいので無視する) ki ;氷の熱伝導度(=5.3×10-4 kcal/ms
℃) L ;伝熱管の長さ(m) TO ;LNGの温度(LNG導入口近くでは−162
℃、以後上昇する) T ;氷の凍結温度(=0℃) r ;凍結した氷層の半径(図5(a)参照) rO ;伝熱管の半径(図5(a)参照) t ;時間
【0020】製氷に使用される熱量をdQとすると、
【数2】 ここで、 H;氷の融解熱(=80kcal/kg) ρ;氷の密度 (=920kg/m3 ) 〔数1〕及び〔数2〕の式から
【数3】 〔数3〕を積分すると
【数4】 極く初期の時期以外はr>>rO であるので、〔数4〕
の左辺は、
【数5】 と近似できる。よって、〔数4〕式は
【数6】
【数7】 となる。
【0021】水の流路を確保するためには、隣合う管部
材の間隔dは、図5(b)に示すように、氷層の外半径
rの2倍よりも大きくなければならない。よって、
【数8】 LNGの導入口近くでは TO −T=162℃ 管部材の直径及び最短製氷時間をそれぞれ3cm(これよ
り細いと強度不足で実用的ではない)及び5時間に設定
すると、 rO =0.015 m t =5Hr よって、〔数8〕より d>0.23(m) また、時間を24時間とし、管部材の直径を10cmとし
たときの値は、d>0.55(m)であるから、間隔の最大
値は60cmとなる。
【0022】以上のように、LNG入口部では、氷が接
触しないために必要な伝熱管の間隔は、実用的には30
cm以上必要となる。また、LNG入口部からNG出口部
に向かうに従ってLNGの温度が上昇し、TO −Tが小
さくなるので、〔数8〕式より請求項3で規定したよう
に、rO が不変であればdを小さくするか、又は請求項
4で規定したように、dが不変であればrO を大きくす
る。
【0023】
【実施例】以下、添付図面を参照し、実施例に基づいて
本発明をより詳細に説明する。実施例1 図1は本発明に係る蓄熱式ガスタービン空気冷却装置の
実施例1の構成図、及び図2は蓄熱装置の伝熱管の配列
を説明する説明図である。実施例1の蓄熱式ガスタービ
ン空気冷却装置10(以下、簡単に冷却装置と略称す
る)は、蓄熱されたLNGの冷熱を使用して、ガスター
ビンAに送入する空気を冷却する装置であって、図1に
示すように、フィンチューブ型熱交換器を使用した冷却
器12と、蓄熱装置14と、冷却器12と蓄熱装置14
との間で水を循環する循環系16とを備えている。ガス
タービンAに送入する空気は、空気入口管18より冷却
器12の空気側流路に入り、冷却器12で冷却されて空
気出口管20経由ガスタービンAに送入される。図1中
Bはガスタービンの負荷である発電機、Cは発電機Bを
ガスタービンAに連結する軸である。
【0024】蓄熱装置14は、水21を収容する水槽2
2と、水槽22内に配置された伝熱管24とから構成さ
れている。水槽22は、十分な水量を収容できる大きさ
を有し、予定のオフ・ピーク時間が経過した後でも、槽
内の水の全量が凍結することなく、流動状態の水が確保
できているようになっている。
【0025】伝熱管24は、多数の管部材からなり、相
互に直列又は並列に接続されていて、LNG流入管25
を経由LNG入口部26からLNGが流入し、伝熱管2
4内を流れて、LNGの冷熱により水を冷却して管部材
の外周に凍結させると共に自身は気化してNGとしてN
G出口部28からNG流出管29を経由流出する。蓄熱
装置14から流出するNGの温度が低すぎるときは、N
G流出管29の途中に熱交換器(図示せず)を設け、冷
却器12からの高温の戻り水を熱源として、それにより
NGを所望の温度に昇温することもできる。伝熱管24
は、多数の直管状の管部材を図1のように横方向又は図
2に示すように縦方向に配列することにより構成されて
おり、多数の管部材を図1及び図2に示すように直列に
接続してもよく、また両側にヘッダを設けてその間に管
部材を並列にして接続してもよい。
【0026】前述したように、氷層の成長速度の高いL
NG入口部26では、氷層の高い成長速度に見合って管
部材の間隔を広く設定し、LNGの温度が上昇して成長
速度が遅くなるNG出口部28に向かうに従い管部材の
間隔を狭くすることができる。よって本実施例では、図
2に示すように、伝熱管24の各管部材30は、LNG
入口部26では管部材30同士の間隔d(隣合う管部材
の長手方向中心線同士の間隔)が40cmに設定され、N
G出口部28に向かうに従い間隔dが小さくなるよう
に、水槽22内に設置されている。30cmに設定した理
由は、作用の欄で説明した通りである。間隔を小さくな
るようにする代わりに、LNG入口部26からNG出口
部28に向かって管部材30の内径を大きくしても良
い。このような構成により、製氷して冷熱を蓄積した後
も、水が水槽22内で管部材30の間を流動できるよう
になっている。
【0027】冷却器12と蓄熱装置14とは、循環系1
6によって接続され、それによって水が循環するように
なっている。循環系16は、送水管32と、戻し管34
と、送水管32に設けられた循環ポンプ36とから構成
されている。送水管32は蓄熱装置14の水槽22の水
出口38と冷却器12の冷却水入口40とを接続して循
環ポンプ36により水を水槽22から冷却器12に送水
する。戻し管34は冷却器12の冷却水出口42と水槽
22の水入口44とを接続して水を冷却器12から水槽
22に戻す。
【0028】冷却器12は、伝熱チューブとしてフィン
チューブ46を使用したフィンチューブ型熱交換器であ
って、フィン側に空気を流し、チューブ内に水を流すこ
とにより、総括伝熱係数を大きくするように構成されて
いる。また、オフ・ピーク時には必要に応じ冷却器12
を蓄熱装置14から分離できるように開閉弁等の分離手
段を水槽12の水出口38、水入口44及びその他必要
な箇所に設けるのが好ましい。
【0029】以上の構成により、ガスタービンに送入す
る空気を冷却してガスタービン出力を上げる必要のない
電力需要のオフ・ピーク時には、LNGの冷熱を利用し
て蓄熱装置14内で伝熱管24の周りに水槽12内の水
を凍結させることにより、LNG冷熱を蓄熱する。一
方、ガスタービンに挿入する空気を冷却してガスタービ
ン出力を上げる必要のある電力需要のピーク時には、循
環系16の循環ポンプ36を駆動して冷却器12と蓄熱
装置14との間で水を循環する。冷却器12において、
水は、ガスタービンAに送入する空気を冷却すると共に
自身温められ、次いで蓄熱装置14に送られる。冷却器
12において温められた水は、蓄熱装置14内で氷の解
氷を行いつつその冷熱で以て水自身を冷却され、次いで
冷却器12に送られて今度はその冷却された水が再び空
気を冷却する。冷却器12に供給される水は、解氷して
生じた水であって、その温度は最低でも0°Cであるか
ら、冷却器12において空気中の水分が凍結してフィン
チューブのフィンに結氷し、熱交換の効率を低下させる
ようなこともない。
【0030】蓄熱装置14の水槽22は、十分に大きく
かつ十分な量の水を収容しているので、オフ・ピーク期
間の経過後でも、水が全て凍結して流れる水が無いよう
なことにはならないようになっており、また伝熱管24
は、水が凍結した後も水の流路が確保できるように各管
部材30が相互に十分な間隔を持って配置されている。
従って、水槽22には冷却された水が流動できる状態で
存在しているので、ピーク時になると循環ポンプ36を
起動して直ちに水を冷却器12に送水することができ
る。また、氷の解凍を促進するために空気を水中に吹き
込んで水の流動を大きくすることもできる。更に、成長
した氷の厚さを測定できるセンサ(図示せず)、例えば
超音波又は電気伝導度による厚さセンサを適所に設け、
氷層が一定以上の厚さになると、それを検知し、LNG
の導入を停止したり或いはオフ・ピーク時でも循環ポン
プ36を起動して水を冷却器12に送水し空気を冷却す
るしても良い。これによって、オフ・ピーク時、ガスタ
ービンの熱効率を上昇させることができる。
【0031】実施例2 図3は、本発明に係る冷却装置の実施例2の構成を示す
図である。実施例2の冷却装置50は、図3に示すよう
に、冷却器において実施例1の冷却装置10のフィンチ
ューブ型熱交換器に代えて直接接触式熱交換器を使用し
ていることを除いて冷却装置10と同じ構成になってい
る。直接接触式熱交換器52は、上部に設けられた散水
ヘッダ54と、散水ヘッダ54の下方に設けられた直接
接触式伝熱媒体56とからなる。散水ヘッダ54は、下
方に向け水を散水する散水ノズル58を多数備えて、水
を伝熱媒体56にほぼ均一な分布で散水する。伝熱媒体
56は、空気が通過し易く、かつ単位体積当たりの伝熱
面積が大きい伝熱媒体で構成されていて、例えば金網、
メタルウール、エキスパンドメタル板等を積層したもの
である。
【0032】水は、散水ヘッダ54から散水されて伝熱
媒体56を濡らしながら流下する。一方、空気は空気入
口管18経由熱交換器52の下部に送入され、伝熱媒体
56を通過しつつ伝熱面を濡らした水と接触して冷却さ
れ、上部から空気出口管20経由ガスタービンAに送入
される。水は、熱交換器52の下部から戻しポンプ59
によって戻し管34経由水槽12に戻される。
【0033】実施例3 図4に示す実施例3は、本発明に係る冷却装置をLNG
の気化装置として使用するために発明された請求項5記
載の冷却装置の実施例である。実施例3の冷却装置60
は、図4に示すように、実施例1の冷却装置10の構成
に加えて、更に蓄熱装置14の水槽22の水を加熱でき
る加熱器62と、加熱器62と水槽22との間で水を循
環する循環系64を備える装置である。加熱器62は、
スチーム、熱油等の熱媒を使用して水を加熱する既知の
加熱器である。循環系64は、水槽22から水を加熱器
62に送入する送水管66と、送水管66に設けられた
温水ポンプ68と、加熱器62から水槽22に加熱され
た水を返す温水管70とからなる。
【0034】以上の構成により、冷却装置60は、空気
を冷却する必要のない冬季には、加熱器62で昇温した
温水を水槽22に送って伝熱管24を介してLNGを加
熱、気化させてLNG気化器の機能を果たし、冬季を除
く季節には蓄熱式ガスタービン空気冷却装置本来の機能
を果たしつつLNGを気化する。これによって、高価な
LNG気化器を別に設ける必要がなくなり、発電所の設
備費を大幅に節減できる。
【0035】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、電力需要のオ
フ・ピーク時には、LNGの冷熱を利用して蓄熱装置内
で伝熱管の周りに水槽内の水を凍結させることにより、
LNG冷熱を蓄熱し、電力需要のピーク時には、循環系
を駆動して冷却器と蓄熱装置との間で水を循環する。冷
却器で空気より温められた水は、蓄熱装置の氷の解氷を
行いつつその冷熱で以て冷却され、その冷却された水が
冷却器で再び空気を冷却する。これによって、ガスター
ビンの出力を上昇させてピーク時の電力需要に応えると
共にLNGの冷熱を有効利用することができる。本発明
では、空気を冷却する冷媒として水を直接使用している
ので、不凍液を使用した従来の蓄熱式ガスタービン空気
冷却装置のように、冷却器内で凍結した空気中の水分が
伝熱チューブに結氷し、その伝熱係数を低下させるよう
なことがなく、また空気中の水分を凍結させて冷熱を無
駄に使用するようなこともない。水を冷媒として使用し
た本発明に係る蓄熱式ガスタービン空気冷却装置は、中
間熱媒体を使用している装置に比べて装置が簡単で、そ
の分運転も容易であり、また経済的である。
【0036】請求項3及び4の発明によれば、LNG入
口部からNG出口部に向かって、伝熱管の管部材の間隔
を小さくし、又は管部材の直径を大きくすることによっ
て管部材の経済的配列を実現し、水槽の所要寸法を最小
限に抑えることができる。
【0037】請求項5の発明によれば、空気を冷却する
必要のない冬季には、加熱器で昇温した温水を水槽に送
って伝熱管を介してLNGを加熱、気化させてLNG気
化器の機能を果たし、冬季を除く季節には必要量のLN
Gを気化させると共に蓄熱式ガスタービン空気冷却装置
本来の機能を果たす。これによって、高価なLNG気化
器を別に設ける必要がなくなり、発電所の設備費を大幅
に節減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蓄熱式ガスタービン空気冷却装置
の実施例1の構成図である。
【図2】蓄熱装置の伝熱管の配列を説明する説明図であ
る。
【図3】本発明に係る蓄熱式ガスタービン空気冷却装置
の実施例2の構成を示す図である。
【図4】本発明に係る蓄熱式ガスタービン空気冷却装置
の実施例3の構成を示す図である。
【図5】図5(a)及び(b)は、それぞれ氷層成長を
説明する管部材周りの氷層の断面図である。
【符号の説明】
10 本発明に係る蓄熱式ガスタービン空気冷却装置の
実施例1 12 冷却器 14 蓄熱装置 16 循環系 18 空気入口管 20 空気出口管 21 水 22 水槽 24 伝熱管 25 LNG流入管 26 LNG入口部 28 NG出口部 29 NG流出管 30 管部材 32 送水管 34 戻し管 36 循環ポンプ 38 水出口 40 冷却水入口 42 冷却水出口 44 水入口 46 フィンチューブ 50 本発明に係る蓄熱式ガスタービン空気冷却装置の
実施例2 52 直接接触式熱交換器 54 散水ヘッダ 56 直接接触式伝熱媒体 58 散水ノズル 59 戻しポンプ 60 本発明に係る蓄熱式ガスタービン空気冷却装置の
実施例3 62 加熱器 64 循環系 66 送水管 68 温水ポンプ 70 温水管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱されたLNGの冷熱を使用して、ガ
    スタービンに送入する空気を冷却する蓄熱式ガスタービ
    ン空気冷却装置において、 前記空気を水によって冷却する冷却器と、 前記水を収容する水槽と、水槽内に設けたLNGを流す
    伝熱管とを有し、LNGの冷熱により伝熱管周りの水を
    凍結させて冷熱を蓄熱する蓄熱装置と、及びポンプを有
    して、前記冷却器と前記蓄熱装置との間で前記水を循環
    する循環系とを備え、 電力需要のオフ・ピーク時には前記蓄熱装置内で製氷し
    て冷熱の蓄熱を行い、電力需要のピーク時には前記循環
    系を駆動して水を循環し、前記蓄熱装置の氷の解氷を行
    いつつその冷熱で以て前記空気を冷却するようにしたこ
    とを特徴とする蓄熱式ガスタービン空気冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記冷却器が、フィンチューブ型熱交換
    器であることを特徴とする請求項1記載の蓄熱式ガスタ
    ービン空気冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記伝熱管は、相互に直列に接続され又
    は並列に接続されて前記水槽内に配列された複数の内径
    3cmから10cmの管部材からなり、管部材は、管部材同
    士の間隔がLNG入口部では30cmから60cmの範囲に
    あって、かつNG出口部に向かって小さくなるように配
    列されていることを特徴とする請求項1又は2記載の蓄
    熱式ガスタービン空気冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記伝熱管は、相互に直列に接続され又
    は並列に接続されて前記水槽内に配列された複数の管部
    材からなり、管部材は、その直径がLNG入口部で内径
    3cmから10cmであって、LNG入口部からNG出口部
    に向かうに従って大きくなり、かつ管部材同士の間隔が
    30cmから60cmの範囲にあるように配列されているこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の蓄熱式ガスタービ
    ン空気冷却装置。
  5. 【請求項5】 前記水槽内の水を加熱する加熱器を前記
    蓄熱装置に接続して設けたことを特徴とする請求項1記
    載の蓄熱式ガスタービン空気冷却装置。
JP21916593A 1993-08-11 1993-08-11 蓄熱式ガスタービン空気冷却装置 Pending JPH0754668A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001091019A (ja) * 1999-09-17 2001-04-06 Hitachi Ltd 蓄熱式空気調和機及び伝送媒体
WO2012045034A3 (en) * 2010-09-30 2012-07-05 General Electric Company Aircraft engine systems and methods for operating same
JP2021025497A (ja) * 2019-08-07 2021-02-22 中国電力株式会社 吸気冷却装置、ガスタービン・プラントおよび吸気冷却方法

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