JP3365371B2 - 氷蓄熱装置 - Google Patents

氷蓄熱装置

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JP3365371B2
JP3365371B2 JP27032899A JP27032899A JP3365371B2 JP 3365371 B2 JP3365371 B2 JP 3365371B2 JP 27032899 A JP27032899 A JP 27032899A JP 27032899 A JP27032899 A JP 27032899A JP 3365371 B2 JP3365371 B2 JP 3365371B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スタティック型の
氷蓄熱装置に関し、特に、冷熱の取り出し性能の向上策
に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、蓄熱槽に貯留した水等の蓄熱
媒体を冷却して凍らせ、蓄熱媒体の潜熱として冷熱を蓄
える氷蓄熱装置が知られている。近年、氷蓄熱装置は、
空調機と組み合わせて利用されている。つまり、夜間に
製氷を行って冷熱を蓄える一方、昼間には蓄えた冷熱を
利用して冷房運転を行う。このような運転により、安価
な深夜電力を利用することにより空調機の運転コストを
低減すると共に、夜間と昼間の電力需要の平準化を図っ
ている。
【0003】氷蓄熱装置としては、特開平7−3014
38号公報に開示されているような、いわゆるスタティ
ック型で内融方式を採用するものが知られている。この
種の蓄熱装置では、蓄熱槽内に水等の蓄熱媒体を貯留す
る一方、蓄熱槽内に伝熱管を配置している。そして、製
氷時には、冷凍機等で冷却した熱媒体を伝熱管に流し、
蓄熱槽の蓄熱媒体を凍らせる。一方、冷熱の利用時に
は、凍結した蓄熱媒体、即ち氷化物によって伝熱管の熱
媒体を冷却し、冷却した熱媒体を室内熱交換器等に搬送
して冷房等を行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示されているような氷蓄熱装置では、冷熱を取り
出す利用運転を継続すると、冷熱の取り出し性能が急激
に低下するという問題がある。以下、この問題について
説明する。
【0005】先ず、冷熱を蓄える蓄熱時には、冷却した
熱媒体を伝熱管に流して製氷を行うため、蓄熱媒体は伝
熱管の周囲から凍結してゆく。一方、冷熱の利用時に
は、熱媒体を伝熱管内に流して蓄熱媒体と熱交換させる
ため、蓄熱媒体は伝熱管の周囲から融解してゆく。従っ
て、利用運転の開始当初には氷化物と伝熱管とが接触状
態にあり、伝熱管内の熱媒体は該伝熱管のみを介して氷
化物と熱交換する。
【0006】これに対し、利用運転が進行すると、伝熱
管の周囲の氷化物が融けて伝熱管と氷化物の間に隙間が
生じ、伝熱管内の熱媒体は伝熱管と液相の蓄熱媒体の両
方を介して氷化物と熱交換しなければならない。また、
伝熱管と氷化物の間に隙間が生じた場合、伝熱管と氷化
物の間の伝熱は該隙間に存在する液相の蓄熱媒体の自然
対流により行われる。このため、伝熱管内の熱媒体と氷
化物との熱交換量が減少し、冷熱取り出し性能の低下を
招いていた。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、氷蓄熱装置におい
て、冷熱の利用時における冷熱取り出し性能の低下を防
止することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明が講じた第1の解
決手段は、蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽(31)と、該蓄熱
槽(31)の内部に配置された伝熱管(41)とを備え、伝
熱管(41)に熱媒体を流通させて製氷を行う氷蓄熱装置
を対象としている。そして、吹出孔(52)が開口する導
入通路(71)が形成され、空気を上記吹出孔(52)から
吹き出して伝熱管(41)の近傍へ供給すると共に、空気
の供給を停止した状態で上記導入通路(71)における吹
出孔(52)の開口より上方に空気溜まり(80)が形成さ
れるエア供給部材(50)を設けるものである。
【0009】本発明が講じた第2の解決手段は、上記第
1の解決手段において、エア供給部材(50)には、蓄熱
媒体の液面より上の位置から連続し、且つ導入通路(7
1)における吹出孔(52)の開口より下の位置で一端が
導入通路(71)と連通する給気通路(75)が形成される
ものである。
【0010】本発明が講じた第3の解決手段は、上記第
2の解決手段において、給気通路(75)は、蓄熱媒体の
液面より上の位置から導入通路(71)より下の位置まで
連続する第1通路(76)と、一端が第1通路(76)の下
端に接続され且つ他端が導入通路(71)に接続される第
2通路(77)とを備えるものである。
【0011】本発明が講じた第4の解決手段は、上記第
1,第2又は第3の解決手段において、エア供給部材
(50)は、略水平姿勢の管状に形成され且つ側面に吹出
孔(52)が開口して導入通路(71)を区画形成する導入
管路部(51)を備えるものである。
【0012】本発明が講じた第5の解決手段は、上記第
4の解決手段において、導入管路部(51)は、直管状に
形成されて先端が閉塞され、基端側から空気が送り込ま
れるように構成されるものである。
【0013】本発明が講じた第6の解決手段は、上記第
4の解決手段において、エア供給部材(50)は、先端が
閉塞された複数の導入管路部(51)と、各導入管路部
(51)の基端側に連通して各導入管路部(51)に空気を
分配するヘッダ部(56)とを備えるものである。
【0014】本発明が講じた第7の解決手段は、上記第
2又は第3の解決手段において、導入通路(71)は、略
水平姿勢の管状に形成されて側面に吹出孔(52)が開口
する複数の導入管路部(51)と、各導入管路部(51)の
一端に接続されて各導入管路部(51)に空気を分配する
ヘッダ部(56)とによって区画形成される一方、給気通
路(75)は、一端が上記ヘッダ部(56)の底部に接続さ
れた給気管路部(65)によって区画形成されるものであ
る。
【0015】本発明が講じた第8の解決手段は、上記第
4〜第7の何れか1の解決手段において、吹出孔(52)
が下方に向かって開口しているものである。
【0016】本発明が講じた第9の解決手段は、上記第
2〜第8の何れか1の解決手段において、エア供給部材
(50)は、導入通路(71)と給気通路(75)の間で常に
空気が流通可能に構成されるものである。
【0017】本発明が講じた第10の解決手段は、上記
第9の解決手段において、蓄熱槽(31)の内部には、蓄
熱媒体が常に液相に維持される非氷結領域(35)が形成
される一方、エア供給部材(50)は、少なくとも給気通
路(75)が上記非氷結領域(35)に位置するように構成
されるものである。
【0018】本発明が講じた第11の解決手段は、上記
第9の解決手段において、蓄熱槽(31)の内部には、蓄
熱媒体が常に液相に維持される非氷結領域(35)が形成
される一方、導入通路(71)には、上記非氷結領域(3
5)と連通する貫通孔(55)が開口し、エア供給部材(5
0)は、上記導入通路(71)に対する貫通孔(55)の開
口が非氷結領域(35)に位置するように構成されるもの
である。
【0019】本発明が講じた第12の解決手段は、上記
第5又は第6の解決手段において、エア供給部材(50)
は、導入通路(71)と給気通路(75)の間で常に空気が
流通可能に構成される一方、導入管路部(51)の先端部
(53)は、蓄熱槽(31)の内部において蓄熱媒体が常に
液相に維持される非氷結領域(35)に設けられ、導入管
路部(51)の先端面(54)には、貫通孔(55)が開口し
ているものである。
【0020】本発明が講じた第13の解決手段は、上記
第11又は第12の解決手段において、貫通孔(55)
は、吹出孔(52)と同じ高さに位置しているものであ
る。
【0021】本発明が講じた第14の解決手段は、上記
第4,第5,第6,第7又は第12の解決手段におい
て、伝熱管(41)は、上下に延びる複数の直管部(42)
と各直管部(42)を繋ぐ半円弧状の曲管部(43,44)と
を備えて蛇行する形状とされる一方、導入管路部(51)
は、伝熱管(41)の直管部(42)に隣接して設けられ、
導入管路部(51)には、複数の吹出孔(52)が上記伝熱
管(41)の各直管部(42)に対応して開口しているもの
である。
【0022】本発明が講じた第15の解決手段は、上記
第14の解決手段において、導入管路部(51)は、伝熱
管(41)の直管部(42)の下端部に隣接して設けられる
ものである。
【0023】−作用− 上記第1の解決手段では、冷凍機等の冷熱源で冷却した
熱媒体を伝熱管(41)へ送り込んで製氷を行う。即ち、
蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体が伝熱管(41)の熱媒体と熱
交換して冷却され、伝熱管(41)の周囲で蓄熱媒体が凍
結して氷化物が生成する。蓄熱媒体の冷却を継続すると
氷化物が成長し、冷熱源からの冷熱が蓄熱媒体の潜熱と
して蓄熱槽(31)内に蓄えられる。
【0024】一方、蓄えた冷熱を利用する場合、伝熱管
(41)に熱媒体を流通させ、蓄熱槽(31)内の氷化物で
熱媒体を冷却して冷熱を取り出す。その際、伝熱管(4
1)の周囲から氷化物が融解してゆく。このため、伝熱
管(41)と氷化物との間に融解した蓄熱媒体が介在する
状態となり、この液相の蓄熱媒体が氷化物(32)と熱媒
体との熱交換の妨げとなる。
【0025】これに対し、本解決手段では、エア供給部
材(50)によって伝熱管(41)の近傍へ空気が供給され
る。エア供給部材(50)は、導入通路(71)が区画形成
する。例えば、配管用のパイプ等によってエア供給部材
(50)を構成した場合、このパイプの内部空間として導
入通路(71)が形成される。導入通路(71)には、吹出
孔(52)が開口している。導入通路(71)に送り込まれ
た空気は、吹出孔(52)を通じて伝熱管(41)と氷化物
の間の液相中に供給される。該液相中では空気が流動す
ることによって強制対流が生じ、氷化物(32)と熱媒体
との間の伝熱が促進される。
【0026】エア供給部材(50)による空気の供給は、
常時行われるわけではない。例えば、製氷時には、空気
の供給が停止される。空気の供給を停止すると、蓄熱媒
体が逆流して吹出孔(52)から導入通路(71)に流入す
る。これに対し、本解決手段では、空気の供給を停止し
ても導入通路(71)内に空気溜まり(80)が形成され
る。即ち、導入通路(71)に空気が保持され、導入通路
(71)が蓄熱媒体で完全に満たされることはない。
【0027】上記第2の解決手段では、給気通路(75)
を通じて導入通路(71)に空気が送り込まれ、導入通路
(71)を流れた空気が吹出孔(52)から吹き出される。
一方、空気の供給を停止すると、蓄熱媒体が吹出孔(5
2)から導入通路(71)に流れ込み、更には給気通路(7
5)に流入する。この給気通路(75)は、蓄熱槽(31)
における蓄熱媒体の液面より上方から連続して形成され
ている。このため、給気通路(75)における液面の位置
と蓄熱槽(31)における液面の位置とが一致すると、圧
力が均衡して吹出孔(52)からの蓄熱媒体の流入が停止
する。
【0028】また、給気通路(75)は、導入通路(71)
における吹出孔(52)の開口より下の位置で該導入通路
(71)と連通している。従って、導入通路(71)に侵入
した蓄熱媒体は給気通路(75)へ流入するものの、導入
通路(71)の空気はそのまま保持される。即ち、導入通
路(71)の空気が蓄熱媒体によって給気通路(75)へ押
し出されず、導入通路(71)における吹出孔(52)の開
口より上に空気溜まり(80)が形成される。
【0029】上記第3の解決手段では、給気通路(75)
に第1通路(76)及び第2通路(77)が設けられる。第
1通路(76)は、蓄熱媒体の液面より上から導入通路
(71)より下まで連続する。一方、第2通路(77)は、
第1通路(76)の下端から連続して導入通路(71)に連
通する。従って、給気通路(75)は、蓄熱媒体の液面よ
り上から下方に向かって延び、一旦導入通路(71)より
下の位置まで至った後に上方へ延びて導入通路(71)に
接続する。
【0030】上記第4の解決手段では、導入通路(71)
が導入管路部(51)によって区画形成される。この導入
管路部(51)は、管状に形成されると共に、ほぼ水平姿
勢で設けられる。また、導入管路部(51)の側面には、
吹出孔(52)が形成されている。即ち、管状に形成され
た導入管路部(51)の内部空間が導入通路(71)に構成
され、導入管路部(51)の内部に形成された導入通路
(71)に吹出孔(52)が開口する。尚、導入管路部(5
1)は、導入通路(71)の全体を形成するものである必
要はなく、導入通路(71)の一部を形成するものであっ
てもよい。また、導入管路部(51)は、単一の部品によ
って構成されるものである必要はなく、複数の部品で構
成されるものや、単一の部品の一部分で構成されるもの
であってもよい。
【0031】上記第5の解決手段では、導入管路部(5
1)が直管状に形成される。この導入管路部(51)は、
先端が閉塞されると共に、基端側から空気が送り込まれ
る。そして、導入管路部(51)が形成する導入通路(7
1)に流入した空気は、導入管路部(51)の基端側から
先端側に向かって流れ、導入管路部(51)の側面に開口
する吹出孔(52)から吹き出される。
【0032】上記第6の解決手段では、エア供給部材
(50)に複数の導入管路部(51)が設けられ、各導入管
路部(51)の基端側とヘッダ部(56)とが連通する。各
導入管路部(51)には、ヘッダ部(56)を通じて空気が
送り込まれる。つまり、空気は、先ずヘッダ部(56)に
導入され、その後に各導入管路部(51)に分配される。
【0033】上記第7の解決手段では、導入通路(71)
が複数の導入管路部(51)と一つのヘッダ部(56)とに
よって区画形成される。導入管路部(51)は、管状に形
成されると共に、ほぼ水平姿勢で設けられる。また、導
入管路部(51)の側面には、吹出孔(52)が形成されて
いる。各導入管路部(51)の一端は、ヘッダ部(56)に
接続される。従って、導入管路部(51)の内部空間とヘ
ッダ部(56)の内部空間とが連通状態となり、両内部空
間によって導入通路(71)が形成される。尚、給気管路
部(65)は、給気通路(75)の全体を形成するものであ
る必要はなく、給気通路(75)の一部を形成するもので
あってもよい。
【0034】上記第8の解決手段では、ほぼ水平姿勢で
設けられた導入管路部(51)において、吹出孔(52)が
下方に向かって開口する。尚、吹出孔(52)は、真下に
向かって開口している必要はなく、斜め下方に向かって
開口するものであってもよい。
【0035】上記第9の解決手段では、導入通路(71)
と給気通路(75)の間において空気が常に流通できるよ
うにエア供給部材(50)が構成される。例えば、空気の
供給を停止して導入通路(71)に蓄熱媒体が流入し、流
入した蓄熱媒体が凍結した状態であっても、導入通路
(71)と給気通路(75)の間は、空気が流通できる状態
に維持される。
【0036】上記第10の解決手段では、少なくとも給
気通路(75)が非氷結領域(35)に設けられる。ここ
で、蓄熱槽(31)の内部には、非氷結領域(35)が形成
される。即ち、製氷終了時においても、蓄熱媒体の全て
が凍結するわけではない。例えば、伝熱管(41)からあ
る程度離れた位置では、蓄熱媒体は凍結しないで液相に
維持される。このように、蓄熱槽(31)において蓄熱媒
体が常に液相となるような領域が、非氷結領域(35)と
なる。
【0037】一方、空気の供給を停止すると、蓄熱媒体
が逆流して導入通路(71)に流入し、更には給気通路
(75)にまで侵入する。これに対し、給気通路(75)は
非氷結領域(35)に設けられているため、給気通路(7
5)に侵入した蓄熱媒体は、製氷時においても凍結せず
に液相に維持される。
【0038】上記第11の解決手段では、蓄熱槽(31)
の内部において非氷結領域(35)が形成される。この点
は、上記第10の解決手段と同様である。導入通路(7
1)は、その一部分が蓄熱槽(31)における非氷結領域
(35)に設けられる。また、この非氷結領域(35)に設
けられた導入通路(71)の一部分には、貫通孔(55)が
開口する。この貫通孔(55)を介して、導入通路(71)
が非氷結領域(35)と連通する。従って、空気の供給を
停止して導入通路(71)に蓄熱媒体が流入し、流入した
蓄熱媒体が凍結した状態であっても、導入通路(71)と
非氷結領域(35)の間は、貫通孔(55)を介して空気が
流通できる状態に維持される。
【0039】一方、導入通路(71)において蓄熱媒体が
凍結した状態であっても、導入通路(71)と給気通路
(75)の間は空気が流通可能に維持される。従って、導
入通路(71)で蓄熱媒体が凍結した状態においても、給
気通路(75)から導入通路(71)の空気溜まり(80)に
送り込んだ空気が貫通孔(55)から流出し、導入通路
(71)において空気が流動する。
【0040】上記第12の解決手段では、導入通路(7
1)と給気通路(75)の間において空気が常に流通でき
るようにエア供給部材(50)が構成される。この点は、
上記第9の解決手段と同様である。また、蓄熱槽(31)
の内部において非氷結領域(35)が形成される。この点
は、上記第10の解決手段と同様である。
【0041】管状に形成された導入管路部(51)の先端
部(53)は、蓄熱槽(31)における非氷結領域(35)に
配置される。この導入管路部(51)は、先端面(54)に
貫通孔(55)が形成されている。つまり、導入管路部
(51)の先端は閉塞されているが、導入管路部(51)の
内部に形成された導入通路(71)は、貫通孔(55)を介
して導入管路部(51)の外部と連通する。また、導入管
路部(51)の先端部(53)は非氷結領域(35)に設けら
れているため、導入通路(71)は貫通孔(55)を介して
非氷結領域(35)と連通する。従って、空気の供給を停
止して導入通路(71)に蓄熱媒体が流入し、流入した蓄
熱媒体が凍結した状態であっても、導入通路(71)と非
氷結領域(35)の間は、貫通孔(55)を介して空気が流
通できる状態に維持される。
【0042】一方、導入通路(71)において蓄熱媒体が
凍結した状態であっても、導入通路(71)と給気通路
(75)の間は空気が流通可能に維持される。従って、導
入通路(71)で蓄熱媒体が凍結した状態においても、給
気通路(75)から導入通路(71)の空気溜まり(80)に
送り込んだ空気が貫通孔(55)から流出し、導入通路
(71)において空気が流動する。
【0043】上記第13の解決手段では、貫通孔(55)
が吹出孔(52)と同じ高さに開口する。従って、吹出孔
(52)とは別に導入通路(71)に貫通孔(55)が開口す
る場合であっても、導入通路(71)における吹出孔(5
2)の開口より上には、確実に空気溜まり(80)が形成
される。
【0044】上記第14の解決手段では、伝熱管(41)
が所定の形状とされる。具体的に、伝熱管(41)は、直
管部(42)と曲管部(43,44)とが交互に繰り返し形成
され、直管部(42)がほぼ鉛直姿勢となって上下に蛇行
する形状とされる。管状に形成された導入管路部(51)
は、伝熱管(41)の直管部(42)に隣接して設置され
る。この導入管路部(51)は、ほぼ水平姿勢とされてい
る。従って、導入管路部(51)と伝熱管(41)の直管部
(42)とは、互いに直交する状態で設置されている。ま
た、導入管路の側面には、直管部(42)に対応する位置
に複数の吹出孔(52)が開口する。このため、吹出孔
(52)から吹き出された空気は、確実に伝熱管(41)の
近傍に供給される。
【0045】上記第15の解決手段では、伝熱管(41)
における直管部(42)の下端部に隣接して導入管路が設
けられる。吹出孔(52)から吹き出された空気は、直管
部(42)の下端部の近傍に送り込まれる。送り込まれた
空気は、直管部(42)に沿って上方へ流動する。従っ
て、直管部(42)と氷化物の間の液相は、直管部(42)
のほぼ全長に亘って撹拌される。
【0046】
【発明の効果】上記の解決手段では、エア供給部材(5
0)を通じて伝熱管(41)の近傍へ空気が供給される。
従って、伝熱管(41)の周囲で氷化物が融解した状態で
は、供給された空気の流動によって、伝熱管(41)と氷
化物の間に存在する液相の蓄熱媒体が撹拌され、強制対
流が生じる。このため、上述のような状態においても、
氷化物と伝熱管(41)内の熱媒体との熱交換量を十分に
確保することができ、冷熱取り出し性能を高く維持する
ことができる。更に、冷熱取り出し性能を高く維持でき
ることから、以下のような効果が得られる。
【0047】先ず、冷熱取り出し性能を高く維持できる
ため、蓄熱槽(31)内に残留する氷化物の量が少なくな
ったときにも充分に冷熱を取り出すことができる。この
ため、蓄熱槽(31)内に氷化物が残っているにもかかわ
らず冷熱の取り出しができなくなるという問題を回避す
ることができる。従って、蓄熱槽(31)に蓄えた冷熱を
余すことなく利用することができ、残氷によるエネルギ
のロスを低減することができる。
【0048】また、ピークシフト運転だけでなく、ピー
クカット運転にも対応することが可能となる。ここで、
ピークシフト運転は、冷凍機等の冷熱源を運転すると同
時に蓄熱槽(31)からの冷熱の取り出しも行い、冷凍機
等の負荷を軽減して運転に要するエネルギの削減する運
転である。従って、ピークシフト運転時には、長時間を
かけて少しずつ冷熱を取り出せばよく、上記従来の氷蓄
熱装置でも対応できる。一方、ピークカット運転は、冷
凍機等の冷熱源を停止して蓄えた冷熱のみを利用する運
転である。従って、ピークカット運転時には、短時間に
大量の冷熱を取り出す必要があり、上記従来のものでは
対応できなかった。
【0049】これに対し、本発明に係る氷蓄熱装置によ
れば、利用運転時における冷熱取り出し能力の低下を防
ぐことができる。このため、該氷蓄熱装置では単位時間
あたりの冷熱の取り出し量を十分に確保することがで
き、ピークカット運転をも行うことが可能となる。
【0050】更に、上記の解決手段によれば、空気の供
給が停止されても導入通路(71)内に空気を溜め込むこ
とができ、導入通路(71)が蓄熱媒体で満たされるのを
回避できる。従って、以下のような効果が得られる。
【0051】即ち、導入通路(71)に蓄熱媒体が存在す
る状態で製氷を行うと、導入通路(71)の蓄熱媒体も凍
結してしまうことがある。例えば、伝熱管(41)のすぐ
近くに導入通路(71)を設けた場合には、凍結の生じる
可能性が高い。上述のように、導入通路(71)で蓄熱媒
体が凍結すると、生成した氷化物によって吹出孔(52)
が塞がれてしまう。このため、冷熱の利用時に空気の供
給を開始しようとしても、導入通路(71)の氷化物が融
けるまでは吹出孔(52)から空気を吹き出すことができ
ない。このような事情から、空気供給の停止時に導入通
路(71)が蓄熱媒体で満たされてしまうと、多量の氷化
物が融けるまで空気の供給を開始できない。つまり、冷
熱の利用を開始してからかなりの時間が経過した後でな
ければ、伝熱管(41)の近傍に空気を供給できないとい
う点が問題となる。
【0052】これに対し、上記の解決手段では、導入通
路(71)に空気溜まり(80)を形成し、導入通路(71)
に流入する蓄熱媒体の量を削減するようにしている。従
って、上記の解決手段によれば、導入通路(71)におい
て蓄熱媒体が凍結した場合であっても、凍結によって生
じる氷化物の量を削減できる。このため、導入通路(7
1)における氷化物の融解に要する時間を短縮でき、冷
熱利用運転の開始から短時間で空気の供給を開始するこ
とが可能となり、冷熱の取り出し性能の向上を充分に図
ることができる。
【0053】また、上記第8の解決手段では、ほぼ水平
姿勢で設けられた導入管路部(51)に対して、下方に向
かって開口するように吹出孔(52)を形成している。こ
のため、空気の供給を停止した状態においても、導入通
路(71)の空気が吹出孔(52)から流出するのを防止で
き、導入通路(71)に空気溜まり(80)を確実に形成で
きる。
【0054】上記第9,第10の解決手段では、導入通
路(71)で蓄熱媒体が凍結した状態であっても、給気通
路(75)と導入通路(71)の間で空気が流通可能とされ
る。つまり、この状態で、給気通路(75)から導入通路
(71)の空気溜まり(80)に空気を送り込むことも可能
である。従って、導入通路(71)で蓄熱媒体が凍結した
場合、導入通路(71)に存在する氷化物が融解しさせす
れば、吹出孔(52)から空気を吹き出すことが可能とな
る。この結果、冷熱取り出しの開始から空気供給の開始
までに要する時間を短縮することができる。
【0055】上記第11〜第13の解決手段によれば、
導入通路(71)で蓄熱媒体が凍結した状態であっても、
導入通路(71)に連続的に空気を送り込んで流通させる
ことができる。つまり、外気等の比較的暖かい空気を導
入通路(71)に送り込んで流通させることが可能とな
る。従って、導入通路(71)で生成した氷化物を空気で
暖めることができ、この氷化物の融解に要する時間を更
に短縮することができる。この結果、冷熱取り出しの開
始から空気供給の開始までに要する時間を一層短縮する
ことができ、冷熱の取り出し性能を高く維持することが
できる。
【0056】特に、第12の解決手段では、管状の導入
管路部(51)の先端に貫通孔(55)を設けている。従っ
て、導入管路部(51)の基端側から送り込んだ空気を導
入管路部(51)のほぼ全長に亘って流通させることが可
能となる。このため、導入管路部(51)の内部の導入通
路(71)で生成した氷化物を確実に空気で暖めることが
でき、氷化物の融解に要する時間を確実に短縮できる。
【0057】上記第14,第15の解決手段では、伝熱
管(41)の直管部(42)がほぼ鉛直姿勢とされている。
このため、エア供給部材(50)によって伝熱管(41)の
近傍へ供給した空気を、浮力によって流動させることが
できる。従って、伝熱管(41)と氷化物の間の液相にお
いて空気を流動させるための駆動力を付与する必要がな
く、空気の供給に伴う消費動力を低減できる。
【0058】特に、第15の解決手段では、直管部(4
2)の下端部に隣接して導入管路部(51)を設置してい
る。このため、直管部(42)のほぼ全長に亘って空気を
流動させ、該直管部(42)と氷化物の間の液相を広い範
囲に亘って撹拌することができる。
【0059】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0060】《全体構成》図1に示すように、本実施形
態の氷蓄熱装置(30)は、循環回路(20)と、蓄熱槽
(31)と、エア供給部材であるエア供給回路(50)とを
備えている。この氷蓄熱装置(30)は、スタティック型
で且つ内融方式に構成され、蓄熱槽(31)の水を凍らせ
て冷熱を蓄える冷蓄熱運転を行う。また、氷蓄熱装置
(30)の循環回路(20)には、利用側回路(10)が接続
されており、蓄えた冷熱を利用して空調を行う空調機を
構成している。
【0061】循環回路(20)は、ブラインチラー(21)
と、蓄熱熱交換器(40)と、主熱交換器(22)と、循環
ポンプ(23)とを順にブライン配管(24)で接続して構
成されている。循環回路(20)には、熱媒体であるブラ
インが充填されている。循環ポンプ(23)を運転する
と、循環回路(20)でブラインが循環する。
【0062】上記循環回路(20)には、主熱交換器(2
2)をバイパスする第1バイパス管(25)と、蓄熱熱交
換器(40)をバイパスする第2バイパス管(26)とが設
けられている。第1バイパス管(25)の一端は、蓄熱熱
交換器(40)と主熱交換器(22)の間に接続されてい
る。また、第1バイパス管(25)の他端は、第1三方弁
(27)を介して、主熱交換器(22)と循環ポンプ(23)
の間に接続されている。第2バイパス管(26)の一端
は、ブラインチラー(21)と氷蓄熱装置(30)の間に接
続されている。また、第2バイパス管(26)の他端は、
第2三方弁(28)を介して、氷蓄熱装置(30)と主熱交
換器(22)の間に接続されている。
【0063】上記ブラインチラー(21)は、図示しない
が、冷媒回路を備えている。この冷媒回路では、冷媒が
循環して冷凍サイクル動作が切り換えて行われる。そし
て、ブラインチラー(21)は、冷媒回路での冷凍サイク
ル動作によって、ブラインの冷却を行うように構成され
ている。
【0064】上記利用側回路(10)は、主熱交換器(2
2)と、利用側熱交換器(11)と、利用側ポンプ(12)
とを順に配管接続して構成されている。利用側回路(1
0)には水が充填されており、利用側ポンプ(12)を運
転すると主熱交換器(22)と利用側熱交換器(11)の間
で水が循環する。利用側熱交換器(11)は、図示しない
が、いわゆるファンコイルユニットに設けられ、利用側
回路(10)を循環する水と室内空気とを熱交換させる。
また、上記主熱交換器(22)は、循環回路(20)を循環
するブラインと、利用側回路(10)を循環する水とを熱
交換させる。
【0065】《蓄熱熱交換器の構成》図2及び図3に示
すように、蓄熱熱交換器(40)は、蓄熱槽(31)の内部
に設置されている。蓄熱槽(31)は、直方体状に形成さ
れ、内部に蓄熱媒体である水が貯留されている。
【0066】上記蓄熱熱交換器(40)は、複数の伝熱管
(41)を備えている。各伝熱管(41)は、一端がそれぞ
れ入口ヘッダ(45)に接続され、他端がそれぞれ出口ヘ
ッダ(46)に接続されている。蓄熱熱交換器(40)の入
口ヘッダ(45)は、ブラインチラー(21)側と接続され
る一方、出口ヘッダ(46)は、主熱交換器(22)側と接
続されている(図1参照)。
【0067】蓄熱熱交換器(40)は、伝熱管(41)内の
ブラインと蓄熱槽(31)内の水とを熱交換させるように
構成されている。この熱交換によって蓄熱槽(31)内の
水が冷却され、伝熱管(41)の周囲で凍結して氷(32)
となる。また、蓄熱槽(31)の内部では、伝熱管(41)
の周囲で氷(32)が成長してゆくが、伝熱管(41)から
ある程度離れた領域では、水は凍結しない。このような
水が凍結せずに液相に維持される領域が、非氷結領域
(35)に構成される。一方、伝熱管(41)の近くで蓄熱
媒体が凍結しうる領域が、氷結領域に構成される。
【0068】上記伝熱管(41)は、直線状の直管部(4
2)と半円弧状の曲管部(43,44)とが交互に形成され、
直管部(42)がほぼ鉛直姿勢となって上下に蛇行する形
状とされている。即ち、伝熱管(41)の直管部(42)及
び曲管部(43,44)は、同一平面上に位置するように形
成され、伝熱管(41)は平面内で上下に蛇行する形状と
なっている。曲管部(43,44)のうち、直管部(42)の
上端側に位置するものが上曲管部(43)に構成され、下
端側に位置するものが下曲管部(44)に構成されてい
る。また、複数の伝熱管(41)は、その蛇行する平面が
互いに対向する姿勢で、一定間隔で配列されている。
【0069】上記伝熱管(41)は、架橋ポリエチレン管
(JIS K 6769)によって構成されている。こ
こでは、架橋層の外周に非架橋層が形成された二層構造
の架橋ポリエチレン管を用いている。尚、架橋層のみで
形成された単層構造の架橋ポリエチレン管を用いてもよ
い。
【0070】一定間隔で配列された伝熱管(41)の間に
は、一つおきに固定板(60)が設けられている(図6及
び図7参照)。この固定板(60)は、伝熱管(41)の直
管部(42)の長手方向(上下方向)に等間隔で三つずつ
設けられている。また、固定板(60)は、その両側に位
置する伝熱管(41)の直管部(42)を支持するように構
成されている。つまり、一つの固定板(60)によって、
二本の伝熱管(41)が固定される。
【0071】上記固定板(60)の両側部には、図6及び
図7に示すように、伝熱管(41)の直管部(42)に対応
するして複数の支持孔(61)が形成されている。この支
持孔(61)は、固定板(60)を円弧状に切り欠いて形成
されると共に、側面における開口幅が上記直管部(42)
の直径よりもやや狭くなるように形成されている。そし
て、固定板(60)の支持孔(61)には、固定板(60)の
側方から伝熱管(41)の直管部(42)がはまり込む。
【0072】上述のように配列された伝熱管(41)の両
側には、枠状に形成された一つのフレーム(47)が設け
られている(図2及び図3参照)。このフレーム(47)
には、上記固定板(60)の端部が取付固定されている。
【0073】上記蓄熱熱交換器(40)は、蓄熱槽(31)
の内部に載置されている。この状態で、蓄熱熱交換器
(40)の伝熱管(41)は、その直管部(42)の姿勢がほ
ぼ鉛直方向となる。また、蓄熱熱交換器(40)は、蓄熱
槽(31)の内部にほぼ水没する状態で設置されている
が、各伝熱管(41)の上曲管部(43)は水面(34)より
上に突出する状態とされている。この上曲管部(43)
は、蓄熱槽(31)における氷(32)の体積が最大となっ
て水面(34)が最も上昇した状態においても、水面(3
4)から突出した状態に維持される。
【0074】《エア供給回路の構成》上記エア供給回路
(50)は、複数の導入管(51)と、給気ヘッダ(56)
と、給気管(65)とによって構成されている。以下、エ
ア供給回路(50)の構成について、図2〜図7を適宜参
照しながら説明する。尚、図7は、伝熱管(41)の周囲
の氷(32)が融けて伝熱管(41)と氷(32)の間に隙間
(33)が生じた状態を示している。
【0075】上記導入管(51)は、導入管路部を構成す
るものであって、直管状に形成されて先端が閉塞されて
いる。導入管(51)は、伝熱管(41)の直管部(42)に
おける最も下段に設置された固定板(60)の上面に取り
付けられている(図3及び図6参照)。即ち、導入管
(51)は、伝熱管(41)における直管部(42)の下端部
に隣接して、該直管部(42)の長手方向と直交する姿勢
で、各伝熱管(41)の間に一つおきに設けられている
(図6及び図7参照)。また、導入管(51)は、固定板
(60)に隣接する二本の伝熱管(41)と接触するよう
に、所定の直径に形成されている(図7参照)。具体的
に、導入管(51)の直径は、各伝熱管(41)の配列ピッ
チから直管部(42)の直径を引いた値に設定されてい
る。
【0076】図5及び図6に示すように、導入管(51)
には、空気を吹き出す吹出孔(52)が形成されている。
この吹出孔(52)は、各伝熱管(41)の直管部(42)に
対応して一つずつ形成されている。つまり、吹出孔(5
2)は、図6における手前側だけでなく、奥側の伝熱管
(41)にも対応して形成されている。吹出孔(52)は、
導入管(51)の下半分における側面に形成され、導入管
(51)において下方に開口するように構成されている。
具体的に、吹出孔(52)は、図5(b)に示すように、
導入管(51)の断面における水平軸から下方に45°の
位置に開口している。尚、この角度の値は例示である。
【0077】また、導入管(51)の先端には、貫通孔
(55)が形成されている。貫通孔(55)は、導入管(5
1)の先端面(54)に開口し、導入管(51)の内部と外
部を連通させている。この貫通孔(55)は、導入管(5
1)において吹出孔(52)と同じ高さに形成されている
(図5(b)参照)。即ち、導入管(51)の底から貫通
孔(55)の中心までの高さは、導入管(51)の底から吹
出孔(52)の中心の高さと同じとに設定されている。
【0078】図4に示すように、上記給気ヘッダ(56)
は、ヘッダ部を構成するものであって、導入管(51)よ
りもやや太い管によって構成されている。給気ヘッダ
(56)は、両端が閉塞されると共に、導入管(51)と直
交する姿勢で配置されている。この給気ヘッダ(56)に
は、各導入管(51)の基端が接続されている。具体的
に、複数の導入管(51)がほぼ水平姿勢で等間隔に配列
され、各導入管(51)の基端が給気ヘッダ(56)の側部
に接続されている。
【0079】上記給気ヘッダ(56)及び複数の導入管
(51)によって、導入通路(71)が区画形成される。即
ち、給気ヘッダ(56)の内部空間と各導入管(51)の内
部空間とは、連通状態となっている。そして、給気ヘッ
ダ(56)及び各導入管(51)の内部空間が、導入通路
(71)に構成される。
【0080】図2〜図4に示すように、給気管路部であ
る給気管(65)は、一端側で外気中に開口する一方、他
端側で上記給気ヘッダ(56)に接続されている。給気管
(65)の一端側には、エアポンプ(69)が設けられてい
る。このエアポンプ(69)は、空気を給気管(65)に取
り込んで他端側へ送り出すように構成されている。
【0081】給気管(65)の他端側は、立ち下がり部
(66)と、水平部(67)と、立ち上がり部(68)とによ
って構成されている。立ち下がり部(66)は、蓄熱槽
(31)の水面(34)より上方の位置から下に向かって延
び、給気ヘッダ(56)よりも下方に至るように形成され
ている。この立ち下がり部(66)の上端は、エアポンプ
(69)の吐出側に接続されている。水平部(67)は、立
ち下がり部(66)の下端に連続して形成され、給気ヘッ
ダ(56)の下方で該給気ヘッダ(56)と平行に延びてい
る。立ち上がり部(68)は、水平部(67)の終端に連続
して形成され、上方に延びて上端が給気ヘッダ(56)の
底に接続されている。また、立ち上がり部(68)は、給
気ヘッダ(56)の長手方向のほぼ中央に接続されてい
る。
【0082】上記給気管(65)によって、給気通路(7
5)が区画形成される。即ち、給気管(65)の内部空間
が、給気通路(75)に構成される。また、立ち下がり部
(66)の内部空間が第1通路(76)に構成され、水平部
(67)及び立ち上がり部(68)の内部空間が第2通路
(77)に構成される。更に、立ち上がり部(68)の上端
が給気ヘッダ(56)の底に接続されている。従って、給
気通路(75)を構成する第2通路(77)は、給気ヘッダ
(56)内に形成された導入通路(71)に対して、吹出孔
(52)よりも下の位置で連通している。
【0083】また、上記導入管(51)の先端部(53)と
給気ヘッダ(56)とは、蓄熱槽(31)における非氷結領
域(35)に設けられている。更に、給気管(65)の立ち
下がり部(66)、水平部(67)及び立ち上がり部(68)
も、蓄熱槽(31)における非氷結領域(35)に設けられ
ている。
【0084】−運転動作− 《冷蓄熱運転》冷蓄熱運転時の動作について説明する。
この冷蓄熱運転は、室内の冷房が不要となる夜間に、安
価な深夜電力でブラインチラー(21)を運転して行われ
る。この冷蓄熱運転時には、利用側ポンプ(12)は停止
されて利用側回路(10)における水の循環は行われな
い。また、冷蓄熱運転時には、エアポンプ(69)は停止
されてエア供給回路(50)による空気の供給は行われな
い。
【0085】冷蓄熱運転時には、第1三方弁(27)が主
熱交換器(22)側を遮断して第1バイパス管(25)側を
連通させる状態となり、ブラインは主熱交換器(22)を
バイパスして第1バイパス管(25)を流れる。一方、第
2三方弁(28)が第2バイパス管(26)側を遮断して蓄
熱熱交換器(40)側を連通させる状態となり、ブライン
は蓄熱熱交換器(40)を流通する。つまり、循環回路
(20)では、ブラインチラー(21)と蓄熱熱交換器(4
0)との間でブラインが循環する。
【0086】ブラインチラー(21)では、冷媒回路の冷
凍サイクル動作によってブラインが冷却される。ブライ
ンチラー(21)で冷却されたブラインは、蓄熱熱交換器
(40)の入口ヘッダ(45)へ流入し、各伝熱管(41)に
分配される。分配されたブラインは伝熱管(41)内を流
れ、その間に蓄熱槽(31)内の水と熱交換する。蓄熱槽
(31)内の水は、低温のブラインによって冷却されて凍
結し、伝熱管(41)の周囲で氷(32)が生成して成長す
る。その後、ブラインはブラインチラー(21)に戻って
冷却され、再び蓄熱熱交換器(40)へ送られて、この循
環を繰り返す。
【0087】上述のように、冷蓄熱運転では、ブライン
チラー(21)で生成された冷熱によって製氷を行ってい
る。従って、ブラインチラー(21)の冷熱が、蓄熱媒体
である水の潜熱として蓄熱槽(31)内に蓄えられる。こ
の冷蓄熱運転は、蓄熱槽(31)内の氷(32)の量、即ち
製氷量が所定値となるまで継続される。尚、製氷量は、
蓄熱槽(31)内における水位の変化等に基づいて検知さ
れる。
【0088】冷蓄熱運転時には、エア供給回路(50)に
よる空気の供給は停止されている。このため、図8
(b)に示すように、導入管(51)の吹出孔(52)及び
貫通孔(55)から水が導入通路(71)に流入してくる。
導入通路(71)に流入した水は、更に給気管(65)内の
給気通路(75)に流れ込む。導入通路(71)への水の流
入は、立ち上がり部(68)内の第1通路(76)における
水位が蓄熱槽(31)における水面(34)の位置と一致す
るまで続く。尚、図8においては、蓄熱熱交換器(40)
の図示を省略している。
【0089】エア供給回路(50)においては、給気通路
(75)が導入通路(71)に対して吹出孔(52)よりも低
い位置で連通している。このため、導入管(51)及び給
気ヘッダ(56)の内部の導入通路(71)には、空気溜ま
り(80)が形成される(図8(b)参照)。つまり、図
8(a)に示すように給気ヘッダ(56)の上部に給気管
(65)が接続され、給気通路(75)が導入通路(71)に
対して吹出孔(52)よりも高い位置で連通している場合
には、導入通路(71)に空気溜まり(80)は形成されな
い。これは、導入通路(71)に流入した水によって空気
が押し出され、導入通路(71)が水で満たされてしまう
からである。これに対し、本実施形態の場合は、導入通
路(71)に流入した水は給気通路(75)へ流れ込むもの
の、導入通路(71)の空気は水によって押し出されるこ
となく導入通路(71)に保持される。
【0090】図9に示すように、導入通路(71)に水が
存在する状態で冷蓄熱動作を行うと、導入通路(71)の
水も冷却されてその一部が凍結する。具体的に、導入管
(51)のうち吹出孔(52)が形成されて伝熱管(41)の
近傍に設けられる部分では、導入通路(71)の水が凍結
する。従って、吹出孔(52)は、氷によって閉塞され
る。尚、図9においては、蓄熱熱交換器(40)の図示を
省略している。
【0091】導入管(51)の先端部(53)と給気ヘッダ
(56)とは、非氷結領域(35)に設けられている。従っ
て、導入管(51)の先端部(53)及び給気ヘッダ(56)
の内部の水は、冷蓄熱動作の完了時においても凍結せず
に液相に維持される。このため、導入管(51)の先端に
形成された貫通孔(55)は、常に空気が流通可能な状態
とされる。また、給気管(65)の立ち下がり部(66)、
水平部(67)及び立ち上がり部(68)も、非氷結領域
(35)に設けられている。従って、この立ち下がり部
(66)、水平部(67)及び立ち上がり部(68)で形成さ
れる第1通路(76)及び第2通路(77)に存在する水
も、常に液相に維持される。
【0092】《利用冷房運転》利用冷房運転時の動作に
ついて説明する。この利用冷房運転は、冷蓄熱運転によ
り蓄えた冷熱を利用し、主として昼間に室内を冷房する
ために行われる。また、利用冷房運転として、ピークシ
フト運転とピークカット運転との両方が行われる。
【0093】ピークシフト運転時は、冷蓄熱運転で蓄え
た冷熱を取り出すと同時に、ブラインチラー(21)も運
転して冷房を行う運転である。つまり、ピークシフト運
転では、ブラインチラー(21)で生成する冷熱と、蓄熱
槽(31)に蓄えた冷熱との両方を用いて冷房負荷に対応
する。従って、ピークシフト運転時にはブラインチラー
(21)に対する負荷が軽減され、解氷による利用分に対
応する消費電力を削減して昼間の電力需要の低減が図ら
れる。
【0094】ピークシフト運転時には、第1三方弁(2
7)が第1バイパス管(25)側を遮断して主熱交換器(2
2)側を連通させる状態となり、ブラインは主熱交換器
(22)へ流入する。一方、第2三方弁(28)が第2バイ
パス管(26)側を遮断して蓄熱熱交換器(40)側を連通
させる状態となり、ブラインは蓄熱熱交換器(40)を流
通する。つまり、循環回路(20)では、ブラインチラー
(21)、蓄熱熱交換器(40)、主熱交換器(22)の順で
ブラインが循環する。
【0095】ブラインチラー(21)では、冷媒回路の冷
凍サイクル動作によってブラインが冷却される。尚、ブ
ラインチラー(21)から流出する際のブラインの温度
は、上記冷蓄熱運転時よりも高く設定される。ブライン
チラー(21)で冷却されたブラインは、蓄熱熱交換器
(40)の入口ヘッダ(45)へ流入し、各伝熱管(41)に
分配される。分配されたブラインは伝熱管(41)内を流
れ、その間に蓄熱槽(31)内の氷(32)と熱交換して更
に冷却される。
【0096】蓄熱熱交換器(40)で冷却されたブライン
は、主熱交換器(22)へ流入する。主熱交換器(22)で
は、低温のブラインと利用側回路(10)の水とが熱交換
を行い、利用側回路(10)の水が冷却される。主熱交換
器(22)で吸熱したブラインは、循環ポンプ(23)を通
って再びブラインチラー(21)へ送られ、この循環を繰
り返す。
【0097】利用側回路(10)では、主熱交換器(22)
と利用側熱交換器(11)との間で水が循環する。主熱交
換器(22)で冷却された水は、利用側熱交換器(11)へ
流入して室内空気と熱交換を行い、室内空気が冷却され
る。室内空気から吸熱した水は、利用側ポンプ(12)に
よって主熱交換器(22)へ送られ、この循環を繰り返
す。
【0098】一方、ピークカット運転は、ブラインチラ
ー(21)を停止し、蓄熱槽(31)に蓄えられた冷熱のみ
を利用して冷房を行う運転である。従って、ピークカッ
ト運転時にはブラインチラー(21)の消費電力がゼロと
なり、昼間の電力需要の低減が図られる。
【0099】ピークカット運転時には、循環回路(20)
において、上記ピークシフト運転時と同様にブラインが
循環する。その際、ブラインチラー(21)は停止してお
り、ブラインは単にブラインチラー(21)を通過して蓄
熱熱交換器(40)へ流入する。ブラインは、蓄熱熱交換
器(40)を流れる間に蓄熱槽(31)の氷(32)と熱交換
して冷却される。つまり、ブラインの冷却は、蓄熱熱交
換器(40)のみにおいて行われる。この点のみが上記ピ
ークシフト運転と相違する。
【0100】上述のように、ピークシフト運転時及びピ
ークカット運転時には、主熱交換器(22)で吸熱したブ
ラインが蓄熱熱交換器(40)に送り込まれる。このブラ
インは、伝熱管(41)内を流れ、蓄熱槽(31)の氷(3
2)と熱交換する。従って、伝熱管(41)の周囲では氷
(32)が融解し、伝熱管(41)と氷(32)の間に隙間
(33)が生じる(図7参照)。この隙間(33)は、液相
の水によって満たされている。
【0101】利用冷房運転の開始時点では、図9に示す
ように、導入管(51)内の導入通路(71)において水が
凍結し、氷によって吹出孔(52)が閉塞されている。こ
れに対し、第1通路(76)及び第2通路(77)と、給気
ヘッダ(56)内の導入通路(71)とにおいては、水が液
相に維持されている。また、貫通孔(55)の開口近傍で
ある導入通路(71)の先端部においても、水が液相に維
持されている。
【0102】この状態でエアポンプ(69)を運転する
と、給気管(65)内の給気通路(75)に外気が取り込ま
れ、この外気がエアポンプ(69)によって第1通路(7
6)へ送り込まれる。エアポンプ(69)によってエア圧
を加えると、第1通路(76)及び第2通路(77)の水が
導入通路(71)に押し出され、給気通路(75)を通じて
外気が導入通路(71)に導入される。また、給気通路
(75)から導入通路(71)に押し出された水は貫通孔
(55)から排出され、更には導入通路(71)に送り込ま
れた外気が貫通孔(55)から流出する。
【0103】即ち、利用冷房運転の開始直後において
も、エアポンプ(69)の運転によって外気が導入通路
(71)に送り込まれ、この外気が貫通孔(55)から流出
することによって導入通路(71)に外気が継続的に送り
込まれる。ここで、外気の温度は、比較的高い(夏期で
あれば30〜35℃程度)。従って、導入通路(71)で
外気を流通させると、外気によって導入通路(71)の氷
が暖められて、この氷を融かすのに要する時間が短縮さ
れる。
【0104】導入通路(71)の氷が融解すると、吹出孔
(52)を空気が流通できる状態となる。吹出孔(52)か
ら吹き出された空気(外気)は、伝熱管(41)の直管部
(42)の近傍へ供給される。上述のように、伝熱管(4
1)の周囲では氷(32)が融解して隙間(33)が生じ
る。従って、吹出孔(52)から吹き出された空気は、伝
熱管(41)の周囲に形成された隙間(33)に送り込まれ
る。
【0105】伝熱管(41)の周囲の隙間(33)に供給さ
れた空気は、浮力によって伝熱管(41)の直管部(42)
に沿って上方へ流れる。この空気の流動により、上記隙
間(33)内の水が撹拌されて強制対流が生じる。ここ
で、蓄熱熱交換器(40)は、伝熱管(41)の上曲管部
(43)が水面(34)よりも上に突出する姿勢で配置され
ている。従って、直管部(42)に沿って形成される隙間
(33)の上端は水面(34)に開口しており、この隙間
(33)に供給された空気は、隙間(33)内を流れて水面
(34)から空気中に排出される。
【0106】−実施形態の効果− 本実施形態では、エア供給回路(50)によって伝熱管
(41)の近傍へ空気を供給するようにしている。従っ
て、利用冷房運転時には氷(32)の融解によって伝熱管
(41)の周囲に隙間(33)が生じるが、この隙間(33)
へ空気を送り込むことが可能となる。このため、上記隙
間(33)の液相中で強制対流を生じさせることができ、
氷(32)と伝熱管(41)との伝熱を促進させることがで
きる。この結果、氷(32)と伝熱管(41)内のブライン
との熱交換量を十分に確保することができ、利用運転中
の冷熱取り出し性能を高く維持することができる。
【0107】また、冷熱取り出し性能を高く維持できる
ため、蓄熱槽(31)内に残留する氷(32)の量が少なく
なったときにも充分に冷熱を取り出すことができる。従
って、蓄熱槽(31)内に残留する氷(32)の量が少なく
なった状態においても、冷熱の取り出しを充分に行うこ
とができる。このため、蓄熱槽(31)内に氷(32)が残
っているにもかかわらず冷熱の取り出しができなくなる
という問題を回避することができる。従って、蓄熱槽
(31)に蓄えた冷熱を余すことなく利用することがで
き、残氷によるエネルギのロスを低減することができ
る。
【0108】更に、短時間に大量の冷熱を取り出すこと
が可能となるため、ピークシフト運転だけでなく、従来
の内融方式の氷蓄熱装置(30)では対応できなかったピ
ークカット運転をも行うことができる。
【0109】また、本実施形態では、伝熱管(41)の直
管部(42)がほぼ鉛直姿勢となるように蓄熱熱交換器
(40)を構成している。このため、伝熱管(41)の近傍
へ供給した空気を、浮力によって流動させることができ
る。従って、伝熱管(41)と氷(32)の間の隙間(33)
で空気を流動させるための駆動力を付与する必要がな
く、エアポンプ(69)の消費電力を低減できる。
【0110】また、本実施形態では、導入管(51)を伝
熱管(41)と接触する状態に配置している。このため、
導入管(51)に吹出孔(52)を形成するのみによって伝
熱管(41)の近傍へ確実に空気を送り込むことができ、
エア供給回路(50)を簡素な構成としつつ、冷熱取り出
し性能の向上を図ることができる。
【0111】また、本実施形態のエア供給回路(50)で
は、エアポンプ(69)の運転を停止した状態であって
も、導入通路(71)に空気溜まり(80)を形成すること
ができる。従って、導入通路(71)に流入する水の量を
削減できる。即ち、冷蓄熱運転時に導入通路(71)で生
じる氷の量を削減することができる。このため、導入通
路(71)において吹出孔(52)を閉塞する氷を融かすの
に要する時間を短縮することができ、利用冷房運転の開
始から比較的短時間で伝熱管(41)近傍への空気の供給
を開始して冷熱取り出し性能の向上を図ることが可能と
なる。
【0112】また、本実施形態では、エア供給回路(5
0)の給気管(65)、給気ヘッダ(56)及び導入管(5
1)の先端部(53)を蓄熱槽(31)の非氷結領域(35)
に配置すると共に、導入管(51)の先端に貫通孔(55)
を形成している。従って、導入通路(71)に流入した水
が凍結している状態であっても、エアポンプ(69)によ
って導入通路(71)に空気を送り込み、更には空気を貫
通孔(55)から流出させて導入通路(71)に継続して空
気を導入できる。このため、導入通路(71)の氷を導入
した空気によって暖めることができ、この氷の融解に要
する時間を短縮することが可能となる。この結果、利用
冷房運転の開始後短時間で吹出孔(52)を空気が流通可
能な状態とすることができ、伝熱管(41)近傍への空気
の供給を開始できる。
【0113】また、冷蓄熱運転時の製氷量によっては導
入通路(71)に流入した水が凍結しない場合もあり得
る。この様な場合であっても、本実施形態のように導入
通路(71)に空気溜まり(80)を形成すると、導入通路
(71)が水で満たされてしまうものに比べて以下のよう
な効果が得られる。
【0114】先ず、図10(a1)に示すように、導入通
路(71)が水で満たされた状態を考える。この状態でエ
アポンプ(69)を運転して導入通路(71)に空気を送り
込む場合、図10(a2)に示すように、導入通路(71)
においては、導入管(51)の基端から先端に向かってエ
ア圧によって水を押し出すような状態となる。このた
め、吹出孔(52)からの水の排水抵抗とエア圧とが導入
通路(71)の途中でバランスしてしまい、各吹出孔(5
2)から空気を均一に吹き出すことができなくなる。
【0115】次に、図10(b1)に示すように、導入通
路(71)に空気溜まり(80)が形成された状態を考え
る。この状態で導入通路(71)に空気を送り込むと、図
10(b2)に示すように、導入通路(71)に溜まった水
の表面にエア圧が均等に作用する。このため、各吹出孔
(52)から水がスムーズに排出され、その後に空気を各
吹出孔(52)から均一に吹き出すことが可能となる。
【0116】−実施形態の変形例− 上記実施形態において、蓄熱槽(31)の水を加熱して温
熱を蓄える動作が可能な構成としてもよい。
【0117】この場合、ブラインチラー(21)は、冷媒
回路において冷凍サイクル動作とヒートポンプサイクル
動作とが切り換えて行うように構成される。即ち、ブラ
インチラー(21)は、冷媒回路での冷凍サイクル動作に
よるブラインの冷却と、ヒートポンプサイクル動作によ
るブラインの加熱とを切り換えて行うように構成され
る。
【0118】そして、温蓄熱運転時には、安価な深夜電
力でブラインチラー(21)を運転してブラインを加熱
し、加熱したブラインを蓄熱熱交換器(40)に送り込
む。蓄熱槽(31)の水は、蓄熱熱交換器(40)に送り込
まれたブラインによって加熱されて温水となる。一方、
利用暖房運転時には、蓄熱槽(31)の温水で加熱したブ
ラインを主熱交換器(22)に送り込む。主熱交換器(2
2)では、利用側回路(10)を循環する水がブラインに
よって加熱され、加熱された水が利用側熱交換器(11)
に送られて室内空気の加熱に利用される。
【0119】
【発明のその他の実施の形態】上記実施形態について、
以下のような構成としてもよい。下記の変形例の何れに
おいても、給気通路(75)は、導入通路(71)における
吹出孔(52)の開口より下の位置で導入通路(71)に連
通する。従って、エアポンプ(69)を停止した状態であ
っても、導入通路(71)に空気溜まり(80)が形成され
る。また、下記の変形例の何れにおいても、導入管(5
1)の先端部(53)、給気ヘッダ(56)及び給気管(6
5)は、蓄熱槽(31)における非氷結領域(35)に設け
られている。
【0120】−第1変形例− 図11に示すように、第1変形例は、給気ヘッダ(56)
及び給気管(65)の構成を変更するものである。本変形
例の給気ヘッダ(56)は、上下にやや長い矩形断面を有
する中空容器状に形成されている。導入管(51)は、上
記の実施形態と同様に形成され、給気ヘッダ(56)の上
部における側面に接続されている。一方、本変形例の給
気管(65)は、上記給気ヘッダ(56)の下部における側
面に接続されている。
【0121】−第2変形例− 図12に示すように、第2変形例は、導入管(51)及び
給気管(65)の構成を変更するものである。本変形例の
導入管(51)は、基端側で下方にほぼ直角に曲がった形
状とされている。給気ヘッダ(56)は、上記実施形態と
同様に、中空円筒状に形成されている。上記導入管(5
1)は、給気ヘッダ(56)の上方から接続されている。
また、本変形例の給気管(65)は、給気ヘッダ(56)の
側方から接続されている。
【0122】−第3変形例− 図13に示すように、第3変形例は、給気管(65)の構
成を変更するものである。導入管(51)及び給気ヘッダ
(56)は、上記実施形態と同様に構成される。一方、本
変形例の給気管(65)は、給気ヘッダ(56)の側方から
接続されている。その際、給気管(65)により形成され
る給気通路(75)と給気ヘッダ(56)により形成される
導入通路(71)との連通部は、その最上部の位置が導入
通路(71)における吹出孔(52)の開口と同じ高さとな
るようにされている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る氷蓄熱装置の配管系統
図である。
【図2】蓄熱槽及びこれに収納された蓄熱熱交換器を示
す概略構成図である。
【図3】蓄熱熱交換器の構成を示す概略斜視図である。
【図4】エア供給回路の構成を示す概略斜視図である。
【図5】図4におけるA矢視図及びA矢視図におけるB
-B断面図である。
【図6】蓄熱熱交換器の要部を示す拡大斜視図である。
【図7】蓄熱熱交換器の断面を示す要部断面図である。
【図8】導入通路に空気溜まりが形成されることを説明
するための概念図である。
【図9】導入通路において水が凍結しても空気が流通可
能であることを説明するための概念図である。
【図10】実施形態における効果を説明するための概念
図である。
【図11】その他の実施形態(第1変形例)における図
9相当図である。
【図12】その他の実施形態(第2変形例)における図
9相当図である。
【図13】その他の実施形態(第3変形例)における図
9相当図である。
【符号の説明】
(31) 蓄熱槽 (35) 非氷結領域 (41) 伝熱管 (42) 直管部 (43) 上曲管部 (44) 下曲管部 (50) エア供給回路(エア供給部材) (51) 導入管(導入管路部) (52) 吹出孔 (53) 先端部 (54) 先端面 (55) 貫通孔 (56) 給気ヘッダ(ヘッダ部) (65) 給気管(給気管路部) (71) 導入通路 (75) 給気通路 (76) 第1通路 (77) 第2通路 (80) 空気溜まり
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−230689(JP,A) 特開 平8−152162(JP,A) 特開 平6−313591(JP,A) 特開 平5−71773(JP,A) 特開 平10−205837(JP,A) 実開 昭61−185968(JP,U) 登録実用新案3027671(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 5/00 102 F25C 1/00

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽(31)と、該
    蓄熱槽(31)の内部に配置された伝熱管(41)とを備
    え、伝熱管(41)に熱媒体を流通させて製氷を行う氷蓄
    熱装置であって、 吹出孔(52)が開口する導入通路(71)が形成され、空
    気を上記吹出孔(52)から吹き出して伝熱管(41)の近
    傍へ供給すると共に、空気の供給を停止した状態で上記
    導入通路(71)における吹出孔(52)の開口より上方に
    空気溜まり(80)が形成されるエア供給部材(50)を備
    えている氷蓄熱装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の氷蓄熱装置において、 エア供給部材(50)には、蓄熱媒体の液面より上の位置
    から連続し、且つ導入通路(71)における吹出孔(52)
    の開口より下の位置で一端が導入通路(71)と連通する
    給気通路(75)が形成されている氷蓄熱装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の氷蓄熱装置において、 給気通路(75)は、蓄熱媒体の液面より上の位置から導
    入通路(71)より下の位置まで連続する第1通路(76)
    と、一端が第1通路(76)の下端に接続され且つ他端が
    導入通路(71)に接続される第2通路(77)とを備えて
    いる氷蓄熱装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の氷蓄熱装置に
    おいて、 エア供給部材(50)は、略水平姿勢の管状に形成され且
    つ側面に吹出孔(52)が開口して導入通路(71)を区画
    形成する導入管路部(51)を備えている氷蓄熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の氷蓄熱装置において、 導入管路部(51)は、直管状に形成されて先端が閉塞さ
    れ、基端側から空気が送り込まれるように構成されてい
    る氷蓄熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の氷蓄熱装置において、 エア供給部材(50)は、先端が閉塞された複数の導入管
    路部(51)と、各導入管路部(51)の基端側に連通して
    各導入管路部(51)に空気を分配するヘッダ部(56)と
    を備えている氷蓄熱装置。
  7. 【請求項7】 請求項2又は3記載の氷蓄熱装置におい
    て、 導入通路(71)は、略水平姿勢の管状に形成されて側面
    に吹出孔(52)が開口する複数の導入管路部(51)と、
    各導入管路部(51)の一端に接続されて各導入管路部
    (51)に空気を分配するヘッダ部(56)とによって区画
    形成され、 給気通路(75)は、一端が上記ヘッダ部(56)の底部に
    接続された給気管路部(65)によって区画形成されてい
    る氷蓄熱装置。
  8. 【請求項8】 請求項4乃至7の何れか1記載の氷蓄熱
    装置において、 吹出孔(52)が下方に向かって開口している氷蓄熱装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項2乃至8の何れか1記載の氷蓄熱
    装置において、 エア供給部材(50)は、導入通路(71)と給気通路(7
    5)の間で常に空気が流通可能に構成されている氷蓄熱
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の氷蓄熱装置において、 蓄熱槽(31)の内部には、蓄熱媒体が常に液相に維持さ
    れる非氷結領域(35)が形成される一方、 エア供給部材(50)は、少なくとも給気通路(75)が上
    記非氷結領域(35)に位置するように構成されている氷
    蓄熱装置。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の氷蓄熱装置において、 蓄熱槽(31)の内部には、蓄熱媒体が常に液相に維持さ
    れる非氷結領域(35)が形成される一方、 導入通路(71)には、上記非氷結領域(35)と連通する
    貫通孔(55)が開口し、 エア供給部材(50)は、上記導入通路(71)に対する貫
    通孔(55)の開口が非氷結領域(35)に位置するように
    構成されている氷蓄熱装置。
  12. 【請求項12】 請求項5又は6記載の氷蓄熱装置にお
    いて、 エア供給部材(50)は、導入通路(71)と給気通路(7
    5)の間で常に空気が流通可能に構成される一方、 導入管路部(51)の先端部(53)は、蓄熱槽(31)の内
    部において蓄熱媒体が常に液相に維持される非氷結領域
    (35)に設けられ、 導入管路部(51)の先端面(54)には、貫通孔(55)が
    開口している氷蓄熱装置。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12記載の氷蓄熱装置
    において、 貫通孔(55)は、吹出孔(52)と同じ高さに位置してい
    る氷蓄熱装置。
  14. 【請求項14】 請求項4,5,6,7又は12記載の
    氷蓄熱装置において、 伝熱管(41)は、上下に延びる複数の直管部(42)と各
    直管部(42)を繋ぐ半円弧状の曲管部(43,44)とを備
    えて蛇行する形状とされる一方、 導入管路部(51)は、伝熱管(41)の直管部(42)に隣
    接して設けられ、 導入管路部(51)には、複数の吹出孔(52)が上記伝熱
    管(41)の各直管部(42)に対応して開口している氷蓄
    熱装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の氷蓄熱装置におい
    て、 導入管路部(51)は、伝熱管(41)の直管部(42)の下
    端部に隣接して設けられている氷蓄熱装置。
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