JP3337017B2 - 蓄熱装置 - Google Patents

蓄熱装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱槽の蓄熱媒体
を凍結させていわゆるスタティック型の氷蓄熱を行う蓄
熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、蓄熱槽に貯留した水等の蓄熱
媒体を冷却して凍らせ、氷化物の潜熱として冷熱を蓄え
る蓄熱装置が知られている。この種の蓄熱装置は、蓄熱
式の空調機として利用される場合が多い。つまり、夜間
に製氷を行って冷熱を蓄える一方、昼間には蓄えた冷熱
を利用して冷房運転を行う。このような運転により、安
価な深夜電力を利用することにより空調に要するエネル
ギコストを低減すると共に、夜間と昼間の電力需要の平
準化を図っている。
【0003】製氷により冷熱を蓄える蓄熱装置として
は、特開平11−101523号公報に開示されている
ような、いわゆるスタティック型で外融方式を採用する
ものが知られている。この種の蓄熱装置では、蓄熱槽内
に水等の蓄熱媒体を貯留する一方、蓄熱槽内に蓄熱熱交
換器を配置している。そして、製氷時には、冷凍機等で
冷却した熱媒体を蓄熱熱交換器の伝熱管に流し、蓄熱槽
の蓄熱媒体を凍らせる。つまり、製氷を行うことによ
り、蓄熱槽内に氷化物の潜熱として冷熱を蓄える。
【0004】また、蓄熱槽には、取出し用熱交換器を備
える循環回路が接続されている。そして、蓄えた冷熱を
利用する際には、循環回路において蓄熱媒体を循環さ
せ、取出し用熱交換器における蓄熱媒体との熱交換によ
り熱媒体を冷却するようにしている。つまり、蓄熱槽か
ら循環回路に流入した低温の蓄熱媒体を用いて熱媒体を
冷却する一方、取出し用熱交換器で熱媒体から吸熱した
蓄熱媒体を蓄熱槽に戻し、吸熱後の蓄熱媒体を蓄熱槽内
の氷化物で冷却して、この循環を繰り返す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、外融方
式を採用する蓄熱装置では、蓄熱槽の蓄熱媒体を循環回
路で循環させて冷熱の取り出しを行っている。このた
め、循環回路からの吸熱後の蓄熱媒体が蓄熱槽の一部の
領域にしか供給されないこととなると、蓄熱槽内の氷化
物の一部しか利用することができず、蓄熱槽に氷化物が
残っているにも拘わらず冷熱を取り出せなくなるという
問題が生じる。つまり、蓄熱槽に蓄えた冷熱のうちの一
部しか利用できなくなり、エネルギのロスとなる。
【0006】例えば、図12(a)に示すように、循環回
路(41)の出口端(45)が製氷後における蓄熱媒体の液
面(60)よりも上に開口する場合、蓄熱媒体は出口端
(45)から空気中に噴出した後に液面(60)に向けて落
下する。この落下した蓄熱媒体には、下向きの勢いがつ
いているため、蓄熱槽(40)の下方に向かって流れよう
とする。従って、循環回路(41)からの蓄熱媒体は、蓄
熱槽(40)における循環回路(41)の開口と対向する側
にまで行き渡らない。
【0007】また、図12(b)に示すように、循環回路
(41)の出口端(45)が蛇行する伝熱管(51)の側方に
開口する場合、該出口端(45)の開口のすぐ正面に氷化
物(61)が壁状に形成されることとなる。このため、蓄
熱媒体は、出口端(45)から流出した後すぐに氷化物
(61)と衝突して下方へ流れていってしまう。従って、
この場合にも、循環回路(41)からの蓄熱媒体は、蓄熱
槽(40)における循環回路(41)の開口と対向する側に
まで行き渡らない。
【0008】一方、上述の問題に対しては、循環回路か
ら蓄熱媒体を戻す際に該蓄熱媒体を蓄熱槽内に散布する
手段等を設け、循環回路からの蓄熱媒体を蓄熱槽の全体
に行き渡らせるという対策も考えられる。しかしなが
ら、この対策をとるには散布等のための新たな部材等を
付加しなければならず、構成の複雑化を招くという問題
がある。
【0009】また、上記の蓄熱装置では、蓄熱槽の蓄熱
媒体を加熱し、蓄熱媒体の顕熱として温熱を蓄える運転
を行う場合がある。そして、この場合にも、循環回路か
らの蓄熱媒体を蓄熱槽内の全体に行き渡らせるようにし
なければ、蓄えた温熱を確実に取り出すことができない
という問題を招く。
【0010】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、新たな部材を付加す
ることなく構成を簡素に維持しつつ、循環回路からの蓄
熱媒体を蓄熱槽の全体に行き渡らせて冷熱や温熱の取り
出しを確実に行うことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明が講じた第1の解
決手段は、蓄熱槽(40)に収納された伝熱管(51)に熱
媒体を流通させて製氷を行うことにより冷熱を蓄える一
方、両端が蓄熱槽(40)内に開口する循環回路(41)に
おいて該蓄熱槽(40)の蓄熱媒体を循環させることによ
り冷熱を取り出す蓄熱装置を対象としている。そして、
上記蓄熱槽(40)内の蓄熱媒体が液相のみとなった状態
においては、上記伝熱管(51)に形成された蛇行部分
(52)の最上部まで蓄熱媒体に没するように構成され、
上記循環回路(41)の出口端(45)は、蓄熱槽(40)に
蓄えた冷熱を取り出す利用運転の開始時には蓄熱媒体の
液面よりも下となり、且つ上記利用運転による解氷の完
了時には蓄熱媒体の液面よりも上となる位置に開口して
いるものである。
【0012】本発明が講じた第2の解決手段は、上記第
1の解決手段において、蓄熱槽(40)内の蓄熱媒体が液
相のみとなった状態における蓄熱媒体の液面の位置を基
準液面位置とする一方、上記循環回路(41)の出口端
(45)は、該出口端(45)の開口の下端が上記基準液面
位置と一致するように、又は該基準液面位置よりも高い
位置となるように形成されるものである。
【0013】本発明が講じた第3の解決手段は、蓄熱槽
(40)に収納された伝熱管(51)に熱媒体を流通させて
製氷を行うことにより冷熱を蓄える一方、両端が蓄熱槽
(40)内に開口する循環回路(41)において該蓄熱槽
(40)の蓄熱媒体を循環させることにより冷熱を取り出
す蓄熱装置を対象としている。そして、上記伝熱管(5
1)に熱媒体を流通させることにより冷熱を取り出す第
1利用運転と、第1利用運転を行った後に上記循環回路
(41)で蓄熱媒体を循環させることにより冷熱を取り出
す第2利用運転とを行い、上記第1利用運転の終了時に
おいては、上記伝熱管(51)に形成された上下に蛇行す
る蛇行部分(52)の最上部が蓄熱媒体の液面より上方に
突出するように構成され、上記循環回路(41)の出口端
(45)は、上記第1利用運転の終了時における蓄熱槽
(40)の蓄熱媒体の液面位置に開口しているものであ
る。
【0014】本発明が講じた第4の解決手段は、蓄熱槽
(40)に複数の伝熱管(51)を有する蓄熱熱交換器(5
0)が収納され、上記伝熱管(51)に熱媒体を流通させ
て製氷を行うことにより冷熱を蓄える一方、両端が蓄熱
槽(40)内に開口する循環回路(41)において該蓄熱槽
(40)の蓄熱媒体を循環させることにより冷熱を取り出
す蓄熱装置を対象としている。そして、上記伝熱管(5
1)に熱媒体を流通させることにより冷熱を取り出す第
1利用運転と、第1利用運転を行った後に上記循環回路
(41)で蓄熱媒体を循環させることにより冷熱を取り出
す第2利用運転とを行い、上記循環回路(41)の出口端
(45)は、上記第1利用運転の終了時における蓄熱槽
(40)の蓄熱媒体の液面位置に開口し、上記蓄熱熱交換
器(50)の伝熱管(51)には、上下に蛇行する蛇行部分
(52)が形成される一方、上記蓄熱熱交換器(50)に
は、上記循環回路(41)の出口端(45)から噴出する蓄
熱媒体と上記伝熱管(51)とが直接に接触しないよう
に、上記第1利用運転の終了時に上記蛇行部分(52)に
おいて最上部が蓄熱媒体の液面より上方に突出する基準
高さ部(52a)と、所定箇所に位置する上記蛇行部分(5
2)の高さを基準高さ部(52a)よりも低く形成した低高
さ部(52b)とが設けられるものである。
【0015】本発明が講じた第5の解決手段は、上記第
4の解決手段において、蓄熱熱交換器(50)の低高さ部
(52b)は、常に蓄熱媒体に没するように構成されるも
のである。
【0016】本発明が講じた第6の解決手段は、上記第
5の解決手段において、蓄熱熱交換器(50)の低高さ部
(52b)は、循環回路(41)の出口端(45)から噴出し
た蓄熱媒体による伝熱管(51)の壊食を防ぐために、上
記低高さ部(52b)の最上部の位置が、蓄熱槽(40)内
の蓄熱媒体が液相のみとなった状態における蓄熱媒体の
液面の位置よりも所定距離だけ低くなるように構成され
るものである。
【0017】本発明が講じた第7の解決手段は、上記第
5の解決手段において、蓄熱熱交換器(50)には、循環
回路(41)の出口端(45)からの蓄熱媒体の噴出方向の
延長線に沿って低高さ部(52b)が設けられるものであ
る。
【0018】本発明が講じた第8の解決手段は、上記第
4〜第7の何れか1の解決手段において、蓄熱熱交換器
(50)の伝熱管(51)に熱媒体を流通させて蓄熱槽(4
0)の蓄熱媒体を加熱することにより温熱を蓄える運転
を行うように構成されるものである。
【0019】−作用− 上記第1の解決手段では、冷凍機等の冷熱源で冷却した
熱媒体を伝熱管(51)へ送り込んで製氷を行う。即ち、
蓄熱槽(40)内の蓄熱媒体が伝熱管(51)の熱媒体と熱
交換して冷却され、伝熱管(51)の周囲で蓄熱媒体が凍
結して氷化物が生成する。蓄熱媒体の冷却を継続すると
氷化物が成長し、冷熱源からの冷熱が氷化物の潜熱とし
て蓄熱槽(40)内に蓄えられる。一方、蓄熱槽(40)に
蓄えられた冷熱は、循環回路(41)で蓄熱媒体を循環さ
せることによって取り出される。つまり、蓄熱槽(40)
内で氷化物と共存状態にある低温の蓄熱媒体を循環回路
(41)に取り込み、この低温の蓄熱媒体を利用して対象
物の冷却等を行う。その後、蓄熱媒体は循環回路(41)
から蓄熱槽(40)に戻される。
【0020】上記伝熱管(51)には、蛇行する形状の蛇
行部分(52)が形成されている。蓄熱槽(40)内の蓄熱
媒体が全て液相となった状態、即ち、蓄熱槽(40)内に
氷化物が存在しない状態において、伝熱管(51)の蛇行
部分(52)は、その全体が蓄熱媒体に浸かった状態とさ
れる。
【0021】上記循環回路(41)の出口端(45)は、蓄
熱槽(40)における所定位置に開口している。この出口
端(45)の開口位置は、利用運転の開始時において蓄熱
媒体の液面よりも下となる。つまり、蓄熱槽(40)内の
氷化物の量が最大となって蓄熱媒体の液面が最も高くな
った状態では、循環回路(41)の出口端(45)が蓄熱媒
体に没した状態となる。循環回路(41)から蓄熱槽(4
0)に戻される蓄熱媒体は、蓄熱媒体に没した出口端(4
5)から蓄熱槽(40)内に送り出される。従って、循環
回路(41)からの蓄熱媒体は、上記出口端(45)の開口
が常に蓄熱媒体の液面よりも上に位置する場合(図12
(a)参照)のように下方へ落下せず、液面に沿ってほぼ
水平方向の流れを形成して該出口端(45)に対向する位
置にまで到達する。
【0022】一方、上記循環回路(41)の出口端(45)
の開口位置は、利用運転による解氷の完了時において蓄
熱媒体の液面よりも上となる。つまり、蓄熱槽(40)内
の蓄熱媒体が全て液相となって蓄熱媒体の液面が最も低
くなった状態では、循環回路(41)の出口端(45)が蓄
熱媒体の液面よりも上で開口する。従って、循環回路
(41)からの蓄熱媒体は、上記出口端(45)の開口が常
に蓄熱媒体に没するような低い位置にある場合(図12
(b)参照)のように流出直後に氷化物等と衝突してショ
ートサーキットすることなく、蓄熱槽(40)内に広く行
き渡る。
【0023】上記第2の解決手段では、具体的に、循環
回路(41)の出口端(45)の開口位置が所定の基準液面
位置との関係で規定される。
【0024】上記第3の解決手段では、製氷により冷熱
を蓄える動作を上記第1の解決手段と同様にして行う。
一方、蓄えた冷熱を取り出す際には、先ず第1利用運転
を行い、その後に第2利用運転を行うようにする。第1
利用運転では、蓄熱槽(40)内に設けられた伝熱管(5
1)に熱媒体を流す。そして、製氷時とは逆に、氷化物
によって伝熱管(51)内の熱媒体を冷却し、この冷却さ
れた熱媒体で対象物の冷却等を行う。第2利用運転で
は、循環回路(41)に蓄熱槽(40)の蓄熱媒体を循環さ
せ、上記第1の解決手段と同様にして冷熱を取り出す。
【0025】このように二つの利用運転を行う理由は、
次の通りである。上述のように製氷時には伝熱管(51)
の周囲に氷化物が形成されるが、伝熱管(51)を密集さ
せて配置したような場合には、各伝熱管(51)の周りの
氷化物が互いにくっつき、隙間なく氷化物が形成される
こととなる。この状態において、液相の蓄熱媒体は、一
体の大きな塊となった氷化物の外側表面でのみ該氷化物
と接触することとなる。このため、循環回路(41)で蓄
熱媒体を循環させても、循環回路(41)から戻った蓄熱
媒体と氷化物との接触面積を充分に確保できず、冷熱の
取り出し量が確保できなくなる。
【0026】これに対し、上記第1利用運転を行うと、
伝熱管(51)の周囲で氷化物が融解して伝熱管(51)の
周囲に隙間(62)が形成される。また、上記伝熱管(5
1)は、上下に蛇行する蛇行部分(52)の最上部が蓄熱
媒体の液面から突出するように設けられている。更に、
循環回路(41)の出口端(45)は、第1利用運転の終了
時における蓄熱媒体の液面位置に開口している。従っ
て、第2利用運転の際には、循環回路(41)から戻され
た蓄熱媒体が氷化物の上面に沿って送り出され、第1利
用運転により伝熱管(51)の周囲に形成された隙間(6
2)へも蓄熱媒体が流入する。このため、液相の蓄熱媒
体と氷化物との接触面積を充分に確保でき、冷熱の取り
出し量が確保される。
【0027】上述のように、循環回路(41)の出口端
(45)が所定位置に開口しているため、第2利用運転時
に循環回路(41)から蓄熱槽(40)に戻される蓄熱媒体
は、氷化物の上面に沿って送り出される。従って、循環
回路(41)からの蓄熱媒体は、ほぼ水平方向の流れを形
成して該出口端(45)に対向する位置にまで到達する。
また、第1利用運転時に伝熱管(51)の周りに形成され
た隙間(62)にも、循環回路(41)の蓄熱媒体が流入す
る。
【0028】上記第4の解決手段では、製氷により冷熱
を蓄える動作、及び蓄えた冷熱を取り出す動作を上記第
3の解決手段と同様にして行う。また、循環回路(41)
の出口端(45)も上記第3の解決手段と同様の位置に開
口しており、第2利用運転時に循環回路(41)から蓄熱
槽(40)に戻される蓄熱媒体は、蓄熱槽(40)の全体に
行き渡る。
【0029】ここで、本解決手段に係る蓄熱熱交換器
(50)には、基準高さ部(52a)と低高さ部(52b)とが
形成されている。即ち、蓄熱熱交換器(50)の伝熱管
(51)に形成された蛇行部分(52)について、この蛇行
部分(52)の全体で高さを一定とするのではなく、所定
箇所に位置する蛇行部分(52)の高さを低くして低高さ
部(52b)を形成している。
【0030】第2利用運転を継続して蓄熱槽(40)内の
氷化物の量が減少してくると、蓄熱媒体の液面が次第に
下がってくる。このため、伝熱管(51)の基準高さ部
(52a)は、蓄熱媒体の液面から突出した状態となって
いる。一方、循環回路(41)の出口端(45)から噴出す
る蓄熱媒体が到達しうる所定箇所に位置する蛇行部分
(52)は、その高さが基準高さ部(52a)よりも低く形
成されて低高さ部(52b)を形成している。従って、基
準高さ部(52a)の一部が液面上に突出する状態であっ
ても、低高さ部(52b)は液面下に位置することから、
循環回路(41)の出口端(45)から噴出する蓄熱媒体と
伝熱管(51)とが直接に接触する事態は回避される。
【0031】つまり、液面から突出して空気に晒された
状態の伝熱管(51)に蓄熱媒体が噴きつけられると、伝
熱管(51)が金属製の場合には、伝熱管(51)が腐蝕す
るおそれがある。これに対し、本解決手段によれば、循
環回路(41)からの蓄熱媒体と伝熱管(51)との直接の
接触が回避される。
【0032】上記第5の解決手段では、低高さ部(52
b)が常に蓄熱媒体に没するように形成される。蓄熱熱
交換器(50)の低高さ部(52b)は、蓄熱槽(40)内の
氷化物が全て融解して蓄熱媒体の液面が最も低くなった
状態においても、蓄熱媒体に没した状態となる。つま
り、蓄熱熱交換器(50)は、低高さ部(52b)を常に蓄
熱媒体の液面より下に位置させ、これによって、循環回
路(41)の出口端(45)から噴出する蓄熱媒体と伝熱管
(51)との直接の接触を回避するようにしている。
【0033】上記第6の解決手段では、蓄熱槽(40)内
の蓄熱媒体が液相のみとなった状態において、蓄熱媒体
の液面よりも所定距離だけ下がった位置に低高さ部(52
b)の最上部が位置する。即ち、蓄熱槽(40)内の蓄熱
媒体が液相のみとなった状態において、蓄熱熱交換器
(50)の低高さ部(52b)が液面よりも所定距離だけ沈
んだ状態となる。従って、循環回路(41)の出口端(4
5)から蓄熱媒体が噴出して液面に落下する際に伝熱管
(51)の低高さ部(52b)に加わる衝撃が緩和され、上
記出口端(45)からの蓄熱媒体の流速が上記低高さ部
(52b)に至るまでに減速される。このため、上記出口
端(45)からの蓄熱媒体による伝熱管(51)の壊食(潰
食)は、回避される。尚、壊食(潰食)とは、流体の衝
撃による機械的な破壊作用により固体表面に損傷が生じ
る現象をいう。
【0034】上記第7の解決手段では、常に蓄熱媒体に
没するように形成した低高さ部(52b)を、循環回路(4
1)の出口端(45)からの蓄熱媒体の噴出方向の延長線
に沿って配置して蓄熱熱交換器(50)を構成している。
従って、上記出口端(45)からの蓄熱媒体の噴出方向の
延長線上においては、蓄熱媒体の液面から突出する伝熱
管(51)の蛇行部分(52)が存在しない。このため、蓄
熱槽(40)内の氷化物の量が変化して蓄熱媒体の液面が
変動するにも拘わらず、循環回路(41)からの蓄熱媒体
は、伝熱管(51)によって流れを妨げられることなく液
面に沿ってほぼ水平方向の流れを形成し、該出口端(4
5)に対向する位置にまで行き渡る。
【0035】上記第8の解決手段では、ヒートポンプ等
の温熱源で加熱した熱媒体を伝熱管(51)へ送り込む。
蓄熱槽(40)の蓄熱媒体は、伝熱管(51)を流れる熱媒
体によって加熱され、温熱源からの温熱が蓄熱媒体の顕
熱として蓄えられる。一方、蓄熱槽(40)に蓄えられた
温熱は、循環回路(41)で蓄熱媒体を循環させることに
よって取り出される。つまり、蓄熱槽(40)内の高温の
蓄熱媒体を循環回路(41)に取り込み、この高温の蓄熱
媒体を利用して対象物の加熱等を行う。その後、蓄熱媒
体は循環回路(41)から蓄熱槽(40)に戻される。
【0036】
【発明の効果】上記の各解決手段によれば、循環回路
(41)の出口端(45)から蓄熱槽(40)内に戻される蓄
熱媒体を、蓄熱槽(40)の全体に行き渡らせることがで
きる。従って、製氷により蓄えた冷熱を取り出す際に
は、蓄熱槽(40)内の氷化物の解氷を確実に行い、氷化
物の潜熱として蓄えられた冷熱を充分に利用して循環回
路(41)に送られる蓄熱媒体の温度を低温に維持するこ
とができる。また、冷熱を取り出す際には、蓄熱槽(4
0)内の全ての氷化物を確実に融解させることができ
る。従って、蓄熱槽(40)に蓄えた冷熱の全てを確実に
取り出すことが可能となる。更に、上記の各解決手段に
よれば、循環回路(41)の出口端(45)を所定の位置に
形成することによって、何ら新たに部材を追加すること
なく上記の効果が奏される。この結果、構成を簡素に維
持しつつ蓄熱槽(40)に蓄えた冷熱の取り出しを充分に
行うことが可能となる。
【0037】また、上記第4から第8の解決手段によれ
ば、伝熱管(51)の一部分が蓄熱媒体の液面から突出す
るような構成を採用する場合であっても、この液面から
突出した伝熱管(51)の部分と循環回路(41)の出口端
(45)から噴出する蓄熱媒体とが直接に接触するのを回
避できる。つまり、液面から突出して空気に晒された状
態の伝熱管(51)に蓄熱媒体が噴きつけられるという事
態を回避できる。この結果、伝熱管(51)が金属製の場
合に問題となる腐蝕の発生を確実に防止でき、信頼性を
向上させることが可能となる。
【0038】上記第8の解決手段では、蓄熱媒体を加熱
して温熱を蓄える運転が行われ、蓄えた温熱を利用する
際にも循環回路(41)で蓄熱媒体を循環させる。ここ
で、温熱の取り出しを行う場合、循環回路(41)から蓄
熱槽(40)に戻される蓄熱媒体の温度は、冷熱の取り出
しを行う場合に比べて高温である。このように比較的高
温の蓄熱媒体が伝熱管(51)に噴きつけられることとな
ると、伝熱管(51)の腐蝕の問題が一層深刻となる。こ
れに対し、本解決手段では、循環回路(41)の出口端
(45)から噴出する蓄熱媒体と伝熱管(51)との直接の
接触を回避するようにしている。このため、温熱を蓄え
る運転を行うような構成とした場合であっても、伝熱管
(51)の腐食を防止して信頼性の向上を図ることができ
る。
【0039】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。尚、上記従来の蓄熱装置に
対応する部分には、同じ符号を付して説明する。
【0040】図1に示すように、本実施形態1に係る蓄
熱装置は、冷媒が循環する冷媒回路が接続されて蓄熱式
の空調機を構成している。この空調機は、1次側回路
(10)及び2次側回路(20)より構成されている。
【0041】上記1次側回路(10)は、圧縮機(11)
と、四路切換弁(12)と、主熱交換器(15)と、電動膨
張弁(14)と、室外熱交換器(13)とを順に配管接続し
て構成され、内部に1次側冷媒が充填されている。この
1次側回路(10)では、圧縮機(11)が四路切換弁(1
2)を介して主熱交換器(15)及び室外熱交換器(13)
と接続されている。そして、1次側回路(10)は、四路
切換弁(12)の切り換えによって冷媒の循環方向を反転
可能に構成され、蒸気圧縮式の冷凍サイクル動作とヒー
トポンプ動作とを切り換えて行う。
【0042】上記2次側回路(20)は、主回路(21)
と、これに接続される蓄熱配管(31)及び取出し配管
(33)とによって構成されている。この主回路(21)
は、主ポンプ(22)と、四路切換弁(23)と、第1電動
弁(24)と、室内熱交換器(25)と、主熱交換器(15)
と、第2電動弁(26)とを順に配管接続して構成され、
内部に2次側冷媒が充填されている。2次側回路(20)
では、主ポンプ(22)が四路切換弁(23)を介して第1
及び第2電動弁(26)と接続されている。そして、2次
側回路(20)は、四路切換弁(23)の切り換えによって
冷媒の循環方向を反転可能に構成されている。
【0043】上述のように、主熱交換器(15)は、1次
側回路(10)と2次側回路(20)の両方に接続されてい
る。この主熱交換器(15)は、1次側回路(10)の1次
側冷媒と、2次側回路(20)の2次側冷媒とを熱交換さ
せる。
【0044】上記蓄熱配管(31)には、蓄熱熱交換器
(50)と第3電動弁(32)とが順に接続されている。蓄
熱配管(31)は、蓄熱熱交換器(50)側の一端で上記主
回路(21)における室内熱交換器(25)と主熱交換器
(15)の間に接続され、第3電動弁(32)側の他端で上
記主回路(21)における四路切換弁(23)と第1電動弁
(24)の間に接続されている。
【0045】上記取出し配管(33)には、外融熱交換器
(43)と第4電動弁(34)とが順に接続されている。取
出し配管(33)は、外融熱交換器(43)側の一端で上記
主回路(21)における室内熱交換器(25)と主熱交換器
(15)の間に接続され、第4電動弁(34)側の他端で上
記主回路(21)における第2電動弁(26)と四路切換弁
(23)の間に接続されている。また、取出し配管(33)
の上記一端は、蓄熱配管(31)の一端よりも主熱交換器
(15)寄りの位置で主回路(21)に接続されている。
【0046】図2に示すように、上記蓄熱熱交換器(5
0)は、多数の伝熱管(51)によって構成されている。
この伝熱管(51)は、銅管等の金属管によって構成され
ている。伝熱管(51)には、蛇行する形状の蛇行部分
(52)が形成されている。各伝熱管(51)の蛇行部分
(52)は、同一平面内で上下に蛇行する形状に形成され
ている。各伝熱管(51)は、一端が分流器(図外)を介
して、また他端がガスヘッダ(図外)を介して、それぞ
れ上記蓄熱配管(31)と接続されている。この伝熱管
(51)には、蓄熱配管(31)を流れる2次側冷媒が流通
する。そして、蓄熱熱交換器(50)は、上記複数の伝熱
管(51)を一定間隔で配列して構成されている。
【0047】上記蓄熱熱交換器(50)は、蓄熱槽(40)
に収納されている。この蓄熱槽(40)は、直方体状に形
成されて内部に蓄熱媒体である水が貯留されている。ま
た、蓄熱槽(40)には、循環回路(41)が接続されてい
る。
【0048】上記循環回路(41)は、循環ポンプ(42)
と外融熱交換器(43)とを順に配管接続して構成されて
いる(図1参照)。この循環回路(41)は、その入口端
(44)及び出口端(45)が蓄熱槽(40)における短辺側
の側壁に接続されている。また、循環回路(41)の入口
端(44)は蓄熱槽(40)の底部に開口し、出口端(45)
は蓄熱槽(40)の上部に開口している。この出口端(4
5)の開口位置については、後述する。上記循環ポンプ
(42)を駆動すると、蓄熱槽(40)の底部から水が吸引
され、この水が外融熱交換器(43)を通過した後に蓄熱
槽(40)の上部へ送り出される。
【0049】上述のように、外融熱交換器(43)には、
取出し配管(33)と循環回路(41)とが接続されてい
る。この外融熱交換器(43)は、取出し配管(33)を流
れる2次側冷媒と、循環回路(41)を流れる蓄熱媒体と
しての水とを熱交換させるように構成されている。
【0050】図3に示すように、蓄熱槽(40)において
は、所定の基準水位(基準水面位置)が設定されてい
る。この基準水位は、蓄熱槽(40)内の水が全て液相で
ある状態において、伝熱管(51)の蛇行部分(52)の最
上部よりも上に水面(60)の位置が存在するように設定
されている(図3(a)参照)。即ち、基準水位は、伝熱
管(51)の蛇行部分(52)の全体が常に水没した状態と
なるように設定されている。尚、説明のため、図3にお
ける出口端(45)と伝熱管(51)の位置関係は実際とは
異なり、実際の両者の位置関係は図2に現れる。
【0051】上記循環回路(41)の出口端(45)は、該
出口端(45)における開口部分の下端が上記基準水位よ
りも僅かに上に位置するように、上記蓄熱槽(40)と接
続されている。一方、蓄熱槽(40)内の水を冷却して製
氷を行うと、凍結による体積膨張分だけ蓄熱槽(40)に
おける水面(60)の位置が上昇する。そして、上記循環
回路(41)の出口端(45)は、製氷が完了して水面(6
0)の位置が最も高くなった状態において、該出口端(4
5)における開口部分の上端が水面(60)よりも下とな
るように形成されている(図3(b)参照)。即ち、製氷
の完了時には、循環回路(41)の出口端(45)が完全に
水没する。
【0052】−運転動作− 蓄熱式の空調機を構成する上記蓄熱装置の運転動作につ
いて説明する。
【0053】《冷蓄熱運転》冷蓄熱運転では、蓄熱槽
(40)の水を冷却して製氷を行い、氷(61)の潜熱とし
て冷熱を蓄える。
【0054】1次側回路(10)では、四路切換弁(12)
が図1に実線で示すように切り換わり、電動膨張弁(1
4)が所定開度に設定される。この1次側回路(10)で
は、1次側冷媒が循環して冷凍サイクル動作を行う。圧
縮機(11)から吐出された1次側冷媒は、室外熱交換器
(13)で外気と熱交換して凝縮する。その後、1次側冷
媒は、電動膨張弁(14)で減圧された後に主熱交換器
(15)へ流入する。主熱交換器(15)では、1次側冷媒
が2次側冷媒から吸熱して蒸発する。蒸発した1次側冷
媒は、その後に圧縮機(11)に吸入され、この循環を繰
り返す。
【0055】2次側回路(20)では、四路切換弁(23)
が図1に実線で示すように切り換わり、第1電動弁(2
4)及び第4電動弁(34)が閉鎖され、第2電動弁(2
6)及び第3電動弁(32)が開放される。この状態で主
ポンプ(22)を駆動すると、主熱交換器(15)と蓄熱熱
交換器(50)との間で2次側冷媒が循環する。主熱交換
器(15)において放熱した2次側冷媒は、主ポンプ(2
2)で循環駆動力を付与された後に、蓄熱配管(31)を
通って蓄熱熱交換器(50)に流入する。蓄熱熱交換器
(50)では、2次側冷媒が伝熱管(51)内を流れる間に
蓄熱槽(40)内の水から吸熱して蒸発する。蒸発した2
次側冷媒は、再び主熱交換器(15)へ流れ、1次側冷媒
に放熱して凝縮し、この循環を繰り返す。
【0056】蓄熱槽(40)では、蓄熱媒体である水が冷
却され、伝熱管(51)の周囲に氷(61)が生成する。こ
の水の冷却を継続すると、伝熱管(51)の周囲で氷(6
1)が成長してゆく(図3(b)参照)。そして、1次側
回路(10)の冷凍サイクル動作により生成した冷熱が、
蓄熱槽(40)内に形成された氷(61)の潜熱として蓄え
られる。
【0057】《蓄熱利用冷房運転》蓄熱利用冷房運転で
は、上記冷蓄熱運転により蓄えた冷熱を利用して室内の
冷房を行う。この蓄熱利用冷房運転時には、1次側回路
(10)の運転は休止されている。
【0058】循環回路(41)では、循環ポンプ(42)が
運転される。そして、蓄熱槽(40)内で氷(61)と共存
状態にある低温の水が循環回路(41)に取り込まれ、循
環回路(41)内を流通する。従って、蓄熱槽(40)内の
低温の水が外融熱交換器(43)へ送り込まれる。
【0059】2次側回路(20)では、四路切換弁(23)
が図1に実線で示すように切り換わり、第2電動弁(2
6)及び第3電動弁(32)が閉鎖され、第1電動弁(2
4)及び第4電動弁(34)が開放される。この状態で主
ポンプ(22)を駆動すると、外融熱交換器(43)と室内
熱交換器(25)との間で2次側冷媒が循環する。外融熱
交換器(43)において放熱した2次側冷媒は、主ポンプ
(22)で循環駆動力を付与されて室内熱交換器(25)に
送られる。室内熱交換器(25)では、2次側冷媒が室内
空気と熱交換を行い、室内空気から吸熱して蒸発する。
蒸発した2次側冷媒は、再び外融熱交換器(43)へ流
れ、循環回路(41)を循環する水に放熱して凝縮し、こ
の循環を繰り返す。
【0060】上述のように、蓄熱槽(40)の水は循環回
路(41)内を循環し、外融熱交換器(43)において2次
側回路(20)の2次側冷媒と熱交換を行う。この動作に
よって、蓄えられた冷熱が蓄熱槽(40)から取り出され
る。即ち、蓄熱槽(40)内の氷(61)が次第に融解して
ゆく。以下、その際の動作について、図4を参照しなが
ら説明する。尚、説明のため、図4における出口端(4
5)と伝熱管(51)の位置関係は実際と異なり、実際の
位置関係は図2に現れる。
【0061】蓄熱利用冷房運転の開始時には、蓄熱槽
(40)内の氷(61)の量が最大となっている。従って、
蓄熱槽(40)における水面(60)が最も高い位置にあ
り、循環回路(41)の出口端(45)が水没した状態とな
っている(図4(a)参照)。この状態において、出口端
(45)から蓄熱槽(40)に送り出された水は、氷(61)
の上面に沿った流れを形成し、蓄熱槽(40)における出
口端(45)の開口部と対向する位置にまで到達する。
【0062】その後、蓄熱槽(40)内の氷(61)が融解
するにつれて、水面(60)の位置が次第に低下してくる
(図4(b)参照)。また、伝熱管(51)の周囲に形成さ
れた氷(61)の厚さが次第に薄くなってゆく。従って、
出口端(45)から蓄熱槽(40)に送り出された水は、氷
同士の間の空間にも流入し、蓄熱槽(40)の中央付近で
も氷(61)の融解が進行する。
【0063】氷(61)の融解が進行して蓄熱槽(40)内
の氷(61)が残り少なくなってくると、水面(60)の位
置が更に低下して出口端(45)の開口部分のほぼ全体が
水面(60)よりも上に位置する状態となる(図4(c)参
照)。従って、出口端(45)から蓄熱槽(40)に送り出
された水は、比較的下方に向かう流れとなり、出口端
(45)の開口位置付近においても氷(61)の融解が進行
する。
【0064】以上説明したように、蓄熱利用冷房運転時
には、循環回路(41)の出口端(45)から蓄熱槽(40)
に送り出される水が蓄熱槽(40)の全体に行き渡る。従
って、蓄熱利用冷房運転によって蓄熱槽(40)内の氷
(61)の全てが融解し、蓄えられた冷熱が全て取り出さ
れて冷房に利用される。
【0065】《通常冷房運転》通常冷房運転では、1次
側回路(10)で生成した冷熱を2次側冷媒によって室内
熱交換器(25)へ搬送し、室内の冷房を行う。
【0066】1次側回路(10)における動作は、上記冷
蓄熱運転時の動作と同様である。ただし、電動膨張弁
(14)の開度を変更することにより、主熱交換器(15)
における1次側冷媒の蒸発温度が冷蓄熱運転時よりも高
く設定される。
【0067】2次側回路(20)では、四路切換弁(23)
が図1に実線で示すように切り換わり、第3電動弁(3
2)及び第4電動弁(34)が閉鎖され、第1電動弁(2
4)及び第2電動弁(26)が開放される。この状態で主
ポンプ(22)を駆動すると、主熱交換器(15)と室内熱
交換器(25)との間で2次側冷媒が循環する。主熱交換
器(15)において放熱した2次側冷媒は、主ポンプ(2
2)で循環駆動力を付与されて室内熱交換器(25)に送
られる。室内熱交換器(25)では、2次側冷媒が室内空
気と熱交換を行い、室内空気から吸熱して蒸発する。蒸
発した2次側冷媒は、再び主熱交換器(15)へ流れ、1
次側冷媒に放熱して凝縮し、この循環を繰り返す。
【0068】《温蓄熱運転》冷蓄熱運転では、蓄熱槽
(40)の水を加熱して温水を生成し、蓄熱媒体である水
の顕熱として温熱を蓄える。
【0069】1次側回路(10)では、四路切換弁(12)
が図1に破線で示すように切り換わり、電動膨張弁(1
4)が所定開度に設定される。この1次側回路(10)で
は、1次側冷媒が循環してヒートポンプ動作を行う。圧
縮機(11)から吐出された1次側冷媒は、主熱交換器
(15)へ送られる。主熱交換器(15)では、1次側冷媒
が2次側冷媒に対して放熱し、凝縮する。凝縮した1次
側冷媒は、電動膨張弁(14)で減圧された後に室外熱交
換器(13)へ流入する。室外熱交換器(13)では、1次
側冷媒が外気と熱交換して蒸発する。蒸発した1次側冷
媒は、その後に圧縮機(11)に吸入され、この循環を繰
り返す。
【0070】2次側回路(20)では、四路切換弁(23)
が図1に破線で示すように切り換わり、第1電動弁(2
4)及び第4電動弁(34)が閉鎖され、第2電動弁(2
6)及び第3電動弁(32)が開放される。この状態で主
ポンプ(22)を駆動すると、主熱交換器(15)と蓄熱熱
交換器(50)との間で2次側冷媒が循環する。主ポンプ
(22)で循環駆動力を付与された2次側冷媒は、主熱交
換器(15)において吸熱して蒸発する。蒸発した2次側
冷媒は、蓄熱配管(31)を通って蓄熱熱交換器(50)へ
流入する。蓄熱熱交換器(50)では、2次側冷媒が蓄熱
槽(40)内の水に放熱して凝縮する。凝縮した2次側冷
媒は、再び主ポンプ(22)によって循環駆動力を付与さ
れ、この循環を繰り返す。
【0071】蓄熱槽(40)では、蓄熱媒体である水が加
熱される。この水の加熱を継続すると、蓄熱槽(40)内
の水が温水となる。そして、1次側回路(10)のヒート
ポンプ動作により生成した温熱が、蓄熱槽(40)内に水
の顕熱として蓄えられる。
【0072】《蓄熱利用暖房運転》蓄熱利用暖房運転で
は、上記温蓄熱運転により蓄えた温熱を利用して室内の
暖房を行う。この蓄熱利用暖房運転時には、1次側回路
(10)の運転は休止されている。
【0073】循環回路(41)では、循環ポンプ(42)が
運転される。そして、蓄熱槽(40)内の温水が循環回路
(41)に取り込まれ、循環回路(41)内を流通する。従
って、蓄熱槽(40)内の高温の水が外融熱交換器(43)
へ送り込まれる。
【0074】2次側回路(20)では、四路切換弁(23)
が図1に破線で示すように切り換わり、第2電動弁(2
6)及び第3電動弁(32)が閉鎖され、第1電動弁(2
4)及び第4電動弁(34)が開放される。この状態で主
ポンプ(22)を駆動すると、外融熱交換器(43)と室内
熱交換器(25)との間で2次側冷媒が循環する。主ポン
プ(22)で循環駆動力を付与された2次側冷媒は、外融
熱交換器(43)において吸熱して蒸発する。蒸発した2
次側冷媒は、室内熱交換器(25)へ流入して室内空気と
熱交換する。室内熱交換器(25)では、2次側冷媒が室
内空気に放熱して凝縮する。凝縮した2次側冷媒は、再
び主ポンプ(22)によって循環駆動力を付与され、この
循環を繰り返す。
【0075】《通常暖房運転》通常暖房運転では、1次
側回路(10)で生成した温熱を2次側冷媒によって室内
熱交換器(25)へ搬送し、室内の暖房を行う。
【0076】1次側回路(10)における動作は、上記温
蓄熱運転時の動作と同様である。即ち、1次側回路(1
0)では1次側冷媒が循環し、ヒートポンプ動作が行わ
れる。
【0077】2次側回路(20)では、四路切換弁(23)
が図1に破線で示すように切り換わり、第3電動弁(3
2)及び第4電動弁(34)が閉鎖され、第1電動弁(2
4)及び第2電動弁(26)が開放される。この状態で主
ポンプ(22)を駆動すると、主熱交換器(15)と室内熱
交換器(25)との間で2次側冷媒が循環する。主ポンプ
(22)で循環駆動力を付与された2次側冷媒は、主熱交
換器(15)において吸熱して蒸発する。蒸発した2次側
冷媒は、室内熱交換器(25)へ流入して室内空気と熱交
換する。室内熱交換器(25)では、2次側冷媒が室内空
気に放熱して凝縮する。凝縮した2次側冷媒は、再び主
ポンプ(22)によって循環駆動力を付与され、この循環
を繰り返す。
【0078】《その他の運転》本実施形態1では、蓄熱
利用冷房運転と通常冷房運転をそれぞれ独立して運転す
るようにしたが、蓄熱利用冷房運転と通常冷房運転を同
時に行う併用運転を行うようにしてもよい。つまり、室
内熱交換器(25)で蒸発した2次側冷媒が外融熱交換器
(43)と主熱交換器(15)とに別れて流れ、それぞれ凝
縮した後に合流して主ポンプ(22)に戻る循環を行うよ
うにしてもよい。
【0079】また、本実施形態1では、蓄熱利用暖房運
転と通常暖房運転をそれぞれ独立して運転するようにし
たが、蓄熱利用暖房運転と通常暖房運転を同時に行う併
用運転を行うようにしてもよい。つまり、主ポンプ(2
2)からの2次側冷媒が外融熱交換器(43)と主熱交換
器(15)とに別れて蒸発し、その後、2次側冷媒が合流
し、室内熱交換器(25)で凝縮して主ポンプ(22)に戻
る循環を行うようにしてもよい。
【0080】−実施形態1の効果− 本実施形態1によれば、循環回路(41)の出口端(45)
から蓄熱槽(40)内に戻される水を、蓄熱槽(40)の全
体に行き渡らせることができる。従って、冷蓄熱運転に
より蓄えた冷熱を取り出す蓄熱利用冷房運転において、
蓄熱槽(40)内に氷(61)の潜熱として蓄えられた冷熱
を充分に利用し、循環回路(41)に送られる水の温度を
低温に維持することができる。また、蓄熱利用冷房運転
時には、蓄熱槽(40)内の全ての氷(61)を確実に融解
させることができる。従って、蓄熱槽(40)に蓄えた冷
熱の全てを確実に取り出すことが可能となる。更に、本
実施形態1によれば、循環回路(41)の出口端(45)を
所定の位置に形成することによって、何ら新たに部材を
追加することなく上記の効果が奏される。この結果、蓄
熱装置の構成を簡素に維持しつつ、蓄熱槽(40)に蓄え
た冷熱の取り出しを充分に行うことが可能となる。
【0081】
【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、上記実
施形態1において、2次側回路(20)及び蓄熱熱交換器
(50)の構成を変更するものである。そして、本実施形
態2に係る蓄熱装置は、蓄熱利用冷房運転において先ず
第1利用運転を行い、その後に第2利用運転を行うよう
に構成されている。この第1及び第2利用運転について
は、後述する。以下、上記実施形態1と異なる構成につ
いて説明する。
【0082】図5に示すように、本実施形態2の2次側
回路(20)には、分岐配管(35)が設けられている。こ
の分岐配管(35)は、一端側で主回路(21)に接続さ
れ、他端側で蓄熱配管(31)に接続されている。具体的
に、分岐配管(35)の一端は、四路切換弁(12)と、取
出し配管(33)の第4電動弁(34)側の一端との間で主
回路(21)に接続されている。一方、分岐配管(35)の
他端は、蓄熱熱交換器(50)と第3電動弁(32)との間
で蓄熱配管(31)に接続されている。また、分岐配管
(35)の途中には、第5電動弁(36)が設けられてい
る。
【0083】図6、図7及び図8に示すように、本実施
形態2の蓄熱熱交換器(50)は、幅方向の中央部に位置
する中央管群(53)と、該中央管群(53)の両側に位置
する一対の側方管群(54)とによって構成されている。
また、蓄熱熱交換器(50)は、中央管群(53)の長手方
向が、循環回路(41)の出口端(45)からの水の流出方
向と一致するように、蓄熱槽(40)内に設置されている
(図7参照)。
【0084】上記側方管群(54)は、複数の第1伝熱管
(51a)により構成されている。第1伝熱管(51a)に
は、一定の振幅で上下に蛇行する形状の蛇行部分(52)
が形成されている。第1伝熱管(51a)の蛇行部分(5
2)は、同一平面内で蛇行する形状とされている。ま
た、第1伝熱管(51a)の蛇行部分(52)の全体が、基
準高さ部(52a)とされている。そして、側方管群(5
4)は、第1伝熱管(51a)を所定の間隔で千鳥状に配列
して構成されている。
【0085】上記中央管群(53)は、複数の第2伝熱管
(51b)により構成されている。第2伝熱管(51b)に
は、一定の振幅で上下に蛇行する形状の蛇行部分(52)
が形成されている。第2伝熱管(51b)の蛇行部分(5
2)は、更に、上方から見て左右に蛇行する形状とされ
ている(図7参照)。また、第2伝熱管(51b)の蛇行
部分(52)は、その高さが第1伝熱管(51a)の蛇行部
分(52)の高さよりも低くなるように形成され、その全
体が低高さ部(52b)とされている(図8参照)。そし
て、中央管群(53)は、第2伝熱管(51b)を一直線上
に配置して構成されている。
【0086】図8及び図9に示すように、蓄熱槽(40)
においては、所定の基準水位(基準水面位置)が設定さ
れている。尚、説明のため、図9における出口端(45)
と伝熱管(51a,51b)の位置関係は実際とは異なり、実
際の両者の位置関係は図6,7,8に現れる。
【0087】この基準水位は、以下に示す条件を満たす
ように設定されている。先ず、基準水位は、蓄熱槽(4
0)内の水が全て液相である状態において、第2伝熱管
(51b)の蛇行部分(52)の最上部よりも上に水面(6
0)の位置が存在するように設定されている。即ち、基
準水位は、第2伝熱管(51b)の蛇行部分(52)の全体
が常に水没した状態となるように設定されている。更
に、基準水位は、蓄熱利用冷房運転における第1利用運
転の終了時において、第1伝熱管(51a)の蛇行部分(5
2)の最上部よりも下に水面(60)が位置するように設
定されている。即ち、基準水位は、第1利用運転の終了
時において、第1伝熱管(51a)の蛇行部分(52)の最
上部が水面(60)よりも上に突出した状態となるように
設定されている。
【0088】上記循環回路(41)の出口端(45)は、第
1利用運転の終了時において水面(60)の位置で開口す
るように、上記蓄熱槽(40)と接続されている。即ち、
第1利用運転の後に行う第2利用運転において、出口端
(45)から流出する水が水面(60)よりも上から送り出
されるようにしている。
【0089】また、上記蓄熱熱交換器(50)の中央管群
(53)を構成する第2伝熱管(51b)は、その蛇行部分
(52)の最小部、即ち低高さ部(52b)の最上部が、上
記蓄熱槽(40)内の水が全て液相である状態の水面(6
0)の位置(基準水位)よりも所定距離h1だけ低い位
置となるように構成されている。この所定距離h1は、
基準水位と上記循環回路(41)の出口端(45)の開口部
における下端位置との距離h2と等しくなるように設定
されている(図8参照)。
【0090】−運転動作− 本実施形態2に係る蓄熱装置の運転動作について説明す
る。
【0091】《冷蓄熱運転、蓄熱利用冷房運転、通常冷
房運転》蓄熱式の空調機を構成する上記蓄熱装置は、上
記実施形態1と同様に動作して冷蓄熱運転及び通常冷房
運転を行う。尚、冷蓄熱運転及び通常冷房運転におい
て、2次側回路(20)の第5電動弁(36)は閉鎖されて
いる。
【0092】本実施形態2では、蓄熱利用冷房運転にお
いて、先ず第1利用運転を所定時間行った後に、第2利
用運転を行うようにしている。
【0093】第1利用運転では、四路切換弁(23)が図
5に実線で示すように切り換わり、第2電動弁(26)、
第3電動弁(32)及び第4電動弁(34)が閉鎖され、第
1電動弁(24)及び第5電動弁(36)が開放される。こ
の状態で主ポンプ(22)を駆動すると、蓄熱熱交換器
(50)と室内熱交換器(25)との間で2次側冷媒が循環
する。蓄熱熱交換器(50)の伝熱管(51a,51b)を流れ
る間に、2次側冷媒は蓄熱槽(40)内の氷(61)によっ
て冷却されて凝縮する。蓄熱熱交換器(50)において放
熱した2次側冷媒は、分岐配管(35)を通り、主ポンプ
(22)で循環駆動力を付与されて室内熱交換器(25)に
送られる。室内熱交換器(25)では、2次側冷媒が室内
空気と熱交換を行い、室内空気から吸熱して蒸発する。
蒸発した2次側冷媒は、再び蓄熱熱交換器(50)へ流
れ、この循環を繰り返す。
【0094】ここで、本実施形態2の蓄熱熱交換器(5
0)では、第1伝熱管(51a)及び第2伝熱管(51b)が
比較的密集して設けられている。このため、冷蓄熱運転
によって製氷を行うと、図10(a)に示すように、各伝
熱管(51a,51b)の周囲に形成された氷同士がくっつき
あって、大きな一塊りの氷(61)が形成される。そし
て、この状態で冷熱を取り出すために循環回路(41)で
水を循環させると、循環回路(41)から蓄熱槽(40)に
戻された水は一塊りの氷(61)の外表面にしか接触する
ことができない。従って、循環回路(41)からの水と氷
(61)との接触面積を確保できず、循環回路(41)に送
られる水の温度が上昇してしまって冷熱を充分に取り出
せなくなるおそれがある。
【0095】これに対し、第1利用運転では、蓄熱熱交
換器(50)の伝熱管(51a,51b)に2次側冷媒を流して
冷熱の取出しを行っている。このため、図10(b)に示
すように、第1利用運転によって伝熱管(51a,51b)の
周囲で氷(61)が融解し、伝熱管(51a,51b)と氷(6
1)の間に隙間(62)が形成される。そして、このよう
に伝熱管(51a,51b)と氷(61)の間に隙間(62)を形
成した後に、第2利用運転を行う。
【0096】第2利用運転では、上記実施形態1におけ
る蓄熱利用冷房運転と同様に動作を行う。つまり、循環
回路(41)において蓄熱槽(40)の水を循環させる一
方、2次側回路(20)において外融熱交換器(43)と室
内熱交換器(25)の間で2次側冷媒を循環させる。尚、
2次側回路(20)の第5電動弁(36)は、閉鎖されてい
る。
【0097】第2利用運転の開始時においては、第1利
用運転によって伝熱管(51a,51b)と氷(61)の間に隙
間(62)が形成された状態となっている。また、第1利
用運転の終了時には、第1伝熱管(51a)の蛇行部分(5
2)の最上部が水面(60)から上に突出するため、第1
伝熱管(51a)と氷(61)の間の隙間(62)は、その上
端が水面(60)に開口する状態となる(図10(b)参
照)。更に、水は4℃で密度が最大となり、蓄熱槽(4
0)の底部には4℃程度の水が滞留することから、第1
伝熱管(51a)の蛇行部分(52)の最下部付近の氷(6
1)の厚さは比較的薄くなっている。このため、第1伝
熱管(51a)における蛇行部分(52)の最下部の周囲に
形成された氷(61)は、第1利用運転により融解する。
つまり、第1伝熱管(51a)と氷(61)の間に形成され
た隙間(62)は、その下端で氷(61)の外部と連通状態
にある(図10(b)参照)。
【0098】従って、第2利用運転時に循環回路(41)
から蓄熱槽(40)に戻される水は、一塊りの氷(61)の
外表面と接触するだけでなく、第1伝熱管(51a)と氷
(61)の間の隙間(62)にも流入して氷(61)と接触す
る。このため、循環回路(41)からの水と氷(61)との
接触面積が飛躍的に増大し、冷熱の取出しが充分に行わ
れる。
【0099】また、上述のように、蓄熱熱交換器(50)
の中央管群(53)を構成する第2伝熱管(51b)は、そ
の蛇行部分(52)の全体が常に水没する状態とされてい
る。つまり、蓄熱槽(40)内の氷(61)が残り少なくな
って水面(60)が低くなった状態でも、中央管群(53)
に対応する位置では、第2伝熱管(51b)が水面(60)
上に突出することはない。従って、循環回路(41)の出
口端(45)から蓄熱槽(40)に送り出された水は、常に
伝熱管(51a,51b)によって妨げられることなく、該出
口端(45)の開口位置と対向する位置にまで到達し、蓄
熱槽(40)の全体に行き渡る。
【0100】《温蓄熱運転、蓄熱利用暖房運転、通常暖
房運転》蓄熱式の空調機を構成する上記蓄熱装置は、上
記実施形態1と同様に動作して温蓄熱運転、蓄熱利用暖
房運転及び通常暖房運転を行う。尚、この各運転時にお
いて、2次側回路(20)の第5電動弁(36)は閉鎖され
ている。
【0101】ここで、蓄熱利用暖房運転時では、蓄熱槽
(40)内の水が全て液相の状態となっており、水面(6
0)の位置は上記基準水位と一致している。一方、上述
のように、蓄熱熱交換器(50)の中央管群(53)を構成
する第2伝熱管(51b)は、その蛇行部分(52)の全体
が常に水没する状態とされている。つまり、蓄熱利用暖
房運転時においても、中央管群(53)に対応する位置で
は、第2伝熱管(51b)が水面(60)上に突出すること
はない。従って、循環回路(41)の出口端(45)から蓄
熱槽(40)に送り出された水は、常に伝熱管(51a,51
b)によって妨げられることなく流れを形成し、該出口
端(45)の開口位置と対向する位置にまで到達して蓄熱
槽(40)の全体に行き渡る。
【0102】また、蓄熱利用暖房運転時では、循環回路
(41)を循環する水は比較的高温である。従って、この
ような比較的高温の水が水面(60)上に突出する伝熱管
に噴きつけられると、伝熱管の腐蝕を招くおそれがあ
る。これに対し、本実施形態の蓄熱熱交換器(50)で
は、中央管群(53)を構成する第2伝熱管(51b)の蛇
行部分(52)の全体が常に水没する状態とされている。
このため、循環回路(41)の出口端(45)から吹き出さ
れる水が、水面(60)から突出する伝熱管に空気中で直
接に接触することはない。
【0103】また、本実施形態の蓄熱熱交換器(50)で
は、上記第2伝熱管(51b)の蛇行部分(52)が基準水
面よりも所定距離h1だけ沈んだ状態となるようにして
いる。従って、出口端(45)から吹き出される水が水面
(60)に落下する際の衝撃は、第2伝熱管(51b)の蛇
行部分(52)、即ち低高さ部(52b)へ到達するまでに
減衰する。また、出口端(45)から吹き出された水の流
速は、低高さ部(52b)に至るまでに減速される。
【0104】−実施形態2の効果− 本実施形態2によれば、上記実施形態1の効果に加え、
以下の効果が得られる。
【0105】つまり、本実施形態2では、第1伝熱管
(51a)の蛇行部分(52)が蓄熱槽(40)における水面
(60)から突出する構成を採用しているが、中央管群
(53)を第2伝熱管(51b)で構成することにより、循
環回路(41)の出口端(45)からの水の噴出方向におい
ては水面(60)より上に第2伝熱管(51b)が突出しな
いようにしている。このため、水面(60)から突出して
空気に晒された状態の伝熱管に蓄熱媒体が噴きつけられ
るという事態を回避できる。この結果、伝熱管(51a,51
b)の腐蝕の発生を防止でき、信頼性を向上させること
が可能となる。
【0106】また、本実施形態の蓄熱熱交換器(50)で
は、上記第2伝熱管(51b)の蛇行部分(52)が基準水
面よりも所定距離h1だけ沈んだ状態としている。この
ため、出口端(45)からの水の落下に起因する第2伝熱
管(51b)の壊食(潰食)が回避され、一層の信頼性の
向上を図ることができる。
【0107】
【発明のその他の実施の形態】上記の各実施形態では、
熱媒体として相変化する冷媒を用い、伝熱管(51)を銅
管等の金属管により構成している。これに対し、熱媒体
として相変化しないブラインを用い、伝熱管(51)を樹
脂管により構成してもよい。
【0108】また、上記実施形態2では、蛇行部分(5
2)の高さの異なる第1伝熱管(51a)と第2伝熱管(51
b)とを用いて蓄熱熱交換器(50)を構成している。こ
れに対し、図11に示すように、一本の伝熱管(51)に
形成された同一平面内で蛇行する蛇行部分(52)のう
ち、両端側を所定高さの基準高さ部(52a)とし、中央
部の高さをを両端部の高さよりも低くして低高さ部(52
b)とするようにしてもよい。この一種類の伝熱管(5
1)を所定間隔で配列して蓄熱熱交換器(50)を構成し
た場合であっても、低高さ部(52b)は常に水没する状
態となり、循環回路(41)の出口端(45)から噴出する
水と伝熱管(51)とが直接に接触することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る蓄熱装置の配管系統図であ
る。
【図2】実施形態1に係る蓄熱槽及び蓄熱熱交換器の概
略斜視図である。
【図3】実施形態1に係る蓄熱槽及び蓄熱熱交換器の概
略構成図である。
【図4】蓄熱槽における蓄熱利用冷房運転時の動作を示
す説明図である。
【図5】実施形態2に係る蓄熱装置の配管系統図であ
る。
【図6】実施形態2に係る蓄熱槽及び蓄熱熱交換器の概
略斜視図である。
【図7】実施形態2に係る蓄熱槽及び蓄熱熱交換器の概
略平面図である。
【図8】実施形態2に係る蓄熱槽及び蓄熱熱交換器の概
略正面図である。
【図9】実施形態2に係る蓄熱槽及び蓄熱熱交換器の概
略構成図である。
【図10】蓄熱槽における蓄熱利用冷房運転時の動作を
示す説明図である。
【図11】その他の実施形態に係る蓄熱槽及び蓄熱熱交
換器の概略正面図である。
【図12】従来技術に係る蓄熱槽及び蓄熱熱交換器の概
略構成図である。
【符号の説明】
(40) 蓄熱槽 (41) 循環回路 (45) 出口端 (50) 蓄熱熱交換器 (51) 伝熱管 (51a) 第1伝熱管 (51b) 第2伝熱管 (52) 蛇行部分 (52a) 基準高さ部 (52b) 低高さ部 (60) 水面(液面) (61) 氷
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−178374(JP,A) 特開 平10−238828(JP,A) 特開 平10−185250(JP,A) 特開 平6−11158(JP,A) 特開 平9−72583(JP,A) 特開 平11−230689(JP,A) 特開 平11−230584(JP,A) 特開 昭49−34049(JP,A) 実開 平7−12831(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 5/00 102 F25C 1/00 F25D 17/02 304

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱槽(40)に収納された伝熱管(51)
    に熱媒体を流通させて製氷を行うことにより冷熱を蓄え
    る一方、両端が蓄熱槽(40)内に開口する循環回路(4
    1)において該蓄熱槽(40)の蓄熱媒体を循環させるこ
    とにより冷熱を取り出す蓄熱装置であって、 上記蓄熱槽(40)内の蓄熱媒体が液相のみとなった状態
    においては、上記伝熱管(51)に形成された蛇行部分
    (52)の最上部まで蓄熱媒体に没するように構成され、 上記循環回路(41)の出口端(45)は、蓄熱槽(40)に
    蓄えた冷熱を取り出す利用運転の開始時には蓄熱媒体の
    液面よりも下となり、且つ上記利用運転による解氷の完
    了時には蓄熱媒体の液面よりも上となる位置に開口して
    いる蓄熱装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の蓄熱装置において、 蓄熱槽(40)内の蓄熱媒体が液相のみとなった状態にお
    ける蓄熱媒体の液面の位置を基準液面位置とする一方、 上記循環回路(41)の出口端(45)は、該出口端(45)
    の開口の下端が上記基準液面位置と一致するように、又
    は該基準液面位置よりも高い位置となるように形成され
    ている蓄熱装置。
  3. 【請求項3】 蓄熱槽(40)に収納された伝熱管(51)
    に熱媒体を流通させて製氷を行うことにより冷熱を蓄え
    る一方、両端が蓄熱槽(40)内に開口する循環回路(4
    1)において該蓄熱槽(40)の蓄熱媒体を循環させるこ
    とにより冷熱を取り出す蓄熱装置であって、 上記伝熱管(51)に熱媒体を流通させることにより冷熱
    を取り出す第1利用運転と、第1利用運転を行った後に
    上記循環回路(41)で蓄熱媒体を循環させることにより
    冷熱を取り出す第2利用運転とを行い、 上記第1利用運転の終了時においては、上記伝熱管(5
    1)に形成された上下に蛇行する蛇行部分(52)の最上
    部が蓄熱媒体の液面より上方に突出するように構成さ
    れ、 上記循環回路(41)の出口端(45)は、上記第1利用運
    転の終了時における蓄熱槽(40)の蓄熱媒体の液面位置
    に開口している蓄熱装置。
  4. 【請求項4】 蓄熱槽(40)に複数の伝熱管(51)を有
    する蓄熱熱交換器(50)が収納され、上記伝熱管(51)
    に熱媒体を流通させて製氷を行うことにより冷熱を蓄え
    る一方、両端が蓄熱槽(40)内に開口する循環回路(4
    1)において該蓄熱槽(40)の蓄熱媒体を循環させるこ
    とにより冷熱を取り出す蓄熱装置であって、 上記伝熱管(51)に熱媒体を流通させることにより冷熱
    を取り出す第1利用運転と、第1利用運転を行った後に
    上記循環回路(41)で蓄熱媒体を循環させることにより
    冷熱を取り出す第2利用運転とを行い、 上記循環回路(41)の出口端(45)は、上記第1利用運
    転の終了時における蓄熱槽(40)の蓄熱媒体の液面位置
    に開口し、 上記蓄熱熱交換器(50)の伝熱管(51)には、上下に蛇
    行する蛇行部分(52)が形成される一方、 上記蓄熱熱交換器(50)には、上記循環回路(41)の出
    口端(45)から噴出する蓄熱媒体と上記伝熱管(51)と
    が直接に接触しないように、上記第1利用運転の終了時
    に上記蛇行部分(52)において最上部が蓄熱媒体の液面
    より上方に突出する基準高さ部(52a)と、所定箇所に
    位置する上記蛇行部分(52)の高さを基準高さ部(52
    a)よりも低く形成した低高さ部(52b)とが設けられて
    いる蓄熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の蓄熱装置において、 蓄熱熱交換器(50)の低高さ部(52b)は、常に蓄熱媒
    体に没するように構成されている蓄熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の蓄熱装置において、 蓄熱熱交換器(50)の低高さ部(52b)は、循環回路(4
    1)の出口端(45)から噴出した蓄熱媒体による伝熱管
    (51)の壊食を防ぐために、上記低高さ部(52b)の最
    上部の位置が、蓄熱槽(40)内の蓄熱媒体が液相のみと
    なった状態における蓄熱媒体の液面の位置よりも所定距
    離だけ低くなるように構成されている蓄熱装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の蓄熱装置において、 蓄熱熱交換器(50)には、循環回路(41)の出口端(4
    5)からの蓄熱媒体の噴出方向の延長線に沿って低高さ
    部(52b)が設けられている蓄熱装置。
  8. 【請求項8】 請求項4乃至7の何れか1記載の蓄熱装
    置において、 蓄熱熱交換器(50)の伝熱管(51)に熱媒体を流通させ
    て蓄熱槽(40)の蓄熱媒体を加熱することにより温熱を
    蓄える運転を行うように構成されている蓄熱装置。
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