JPH06174195A - Lng気化器 - Google Patents

Lng気化器

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Publication number
JPH06174195A
JPH06174195A JP4352186A JP35218692A JPH06174195A JP H06174195 A JPH06174195 A JP H06174195A JP 4352186 A JP4352186 A JP 4352186A JP 35218692 A JP35218692 A JP 35218692A JP H06174195 A JPH06174195 A JP H06174195A
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JP
Japan
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heat transfer
air
lng
antifreeze liquid
transfer tube
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Application number
JP4352186A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Kanda
哲郎 神田
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 LNG気化量の調節が容易で、大量の海水を
必要としない低いコストのLNG気化器を提供する。 【構成】 LNG気化器10は、空気取り入れファン1
5と、空気加熱用バーナ12と、LNG気化部13とを
備えている。LNG気化部は、少なくとも1段の伝熱手
段19を備えている。伝熱手段は、伝熱管22と、その
下に設けられた空気通過自在な伝熱媒体24とからな
り、かつ複数段上下に積み重ね得るようにしたものであ
る。更に、伝熱手段の最上段上に配置されて、不凍液を
下方の伝熱管に散水する散水ノズル20と、伝熱手段と
散水ノズルとを収容し、かつ伝熱媒体を通過するように
空気を流す空気流路17と、散水された不凍液を空気流
路の底部から再び散水ノズルに循環する循環ポンプ34
とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液化天然ガスを再ガス
化するLNG気化器に関し、更に詳細には空気熱源のL
NG気化器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火力発電用ガスタービン、特に都市近郊
に立地した火力発電所で稼働する発電用ガスタービン
は、燃料としてその低公害性を理由に一般に液化天然ガ
スを使用している。液化天然ガスは、メタンを主成分と
する天然ガスを加圧、冷却して液化したものであって、
LNGと略称される。以下、本明細書でも、液化天然ガ
スをLNGと言い、再ガス化した天然ガスをNGと言う
ことにする。メタンは常圧下で113K(−160°
C)に冷却すれば液体となり、その体積は、常温、常圧
の気体に比べて約1/600に減少する。産地でこのよ
うに液化したものを冷凍タンカーで輸送する。発電所で
は、LNG気化器を利用してLNGを再びガス化し、発
電用ガスタービンの燃料として使用している。
【0003】一方、最近の電力の需要は、夏期日中のピ
ーク時と、他の時期のオフピーク時との差が大きく、特
に都市近傍でその傾向が著しい。従って、LNG気化器
はピーク時の所要LNG量を気化できる能力を備える必
要があるので、一般に大型のベースロード用気化器と、
小回りが効いて気化量の調節の容易なピークシェイブ用
気化器との2種類の気化器を設け、ベースロード時には
ベースロード用気化器のみ運転し、ピーク時には、ベー
スロード用気化器とピークシェイブ用気化器の双方を並
行運転することによって、所要量のLNGを気化してい
る。一般的に、ベースロード用気化器には、オープンラ
ック式気化器が、ピークシェイブ用気化器には、サブマ
ージド・コンバッション式気化器が使用されいる。
【0004】オープンラック式気化器は、海水を熱源と
してLNGと海水とを熱交換させて気化する方式の気化
器であり、直立した多数のフィン付き伝熱管よりなる熱
交換パネルと、パネルの外面に海水を流下液膜として流
す手段とを備え、熱交換パネルの内側下部からLNGを
導入し、その熱交換パネルの外側に大量の海水を流下さ
せ、その熱で内部のLNGを気化させる。サブマージド
・コンバッション式気化器は、燃料を水中で燃焼させて
水を加熱し、その熱でLNGを気化させる方式の気化器
であって、代表的なものは、多段曲げ成形した多数の管
からなるチューブバンドルを上下のヘッダーに取り付け
た熱交換器本体と、そのチューブバンドルを浸漬させる
コンクリート製の水槽と、チューブバンドルを浸漬して
いる水槽の水を加熱する水中燃焼用バーナとから構成さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】オープンラック式気化
器は、海水が伝熱面で凍結しないよう大量の海水を伝熱
面に流下させる方式を取っているので、装置自体が大き
く、かつLNGを気化させるに必要な大量の海水を取り
入れるため長大な海水配管が必要であり、しかも海水取
り入れ用ポンプを動かすため所要動力が大きい。従っ
て、設備費も運転費も嵩む。一方、サブマージド・コン
バッション式気化器は、装置自体はコンパクトである
が、燃料を必要するので、運転費が嵩むと言う問題があ
る。更に言えば、NGを燃料とする火力発電所が、LN
G気化器としてこれら2方式のLNG気化器を必要とし
ていることは、発電設備の経済的見地及び運転管理上か
ら望ましくなく、同種のLNG気化器のみの設備で賄う
のが望ましい。
【0006】以上の事情に鑑み、本発明は、LNG気化
量の調節が容易で、大量の海水を必要としない低いコス
トのLNG気化器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、海水に比べ
て取り入れが遙に容易な空気を熱源とすることに着目し
た。更に、本発明者は、研究の末、空気を熱源として熱
交換器でLNGを直接加熱する方法では、LNGの低い
温度のため、熱交換器の伝熱面の温度が0°C以下に下
がり、空気中の水が、その伝熱面で凍結し、更に成長し
て最終的には伝熱面の全面に厚く氷層を形成する。そし
て、氷層が形成した熱交換器は、氷層の低い熱伝導率の
ため及び氷層が空気の流路を閉塞するため、最早や熱交
換器の用を成さなくなることを見い出した。本発明者
は、不凍液を中間冷媒として使用し、かつ不凍液を装置
内で凍結させないようにすることが必要であると認識
し、本発明を発明するに到った。
【0008】上記目的を達成するために、かかる知見に
基づいて、本発明に係るLNG気化器は、空気取り入れ
ファンと、空気加熱用バーナと、LNG気化部とを備
え、LNG気化部が、伝熱管と、その下に設けられた空
気通過自在な伝熱媒体とからなると共に複数段上下に積
み重ね得るようにした伝熱手段の少なくとも1段と、伝
熱手段の最上段上に配置されて、不凍液を下方の伝熱管
に散水する散水ノズルと、伝熱手段と散水ノズルとを収
容し、かつ伝熱媒体を通過するように空気を流す空気流
路とを有し、散水ノズルより散水された不凍液が、伝熱
管に接触して該伝熱管内を流れる液化天然ガスを加熱し
て該液化天然ガスを気化させ、次いで伝熱媒体に流下
し、該伝熱媒体を通過する空気により加熱される過程を
伝熱手段の段数だけ繰り返すようにされたことを特徴と
している。
【0009】空気加熱用バーナは、例えば寒冷地で特に
冬季、取り入れる空気の温度が低い場合に空気を加熱し
て所要の熱量を得るため及びLNGとの間に所要の温度
差を取るために使用される。本発明で使用する空気取り
入れファン、空気加熱用バーナは、常用のものであり、
同じく伝熱管は、常用の金属管でよい。望ましくは、回
転数を変えて空気取り入れ量を調節するため、空気取り
入れファンの回転数を可変とし、回転数調節装置を設け
る。LNGと不凍液との間の総括伝熱係数は比較的高
く、不凍液と空気との間の総括伝熱係数は比較的低いこ
とから、伝熱媒体は、伝熱管の伝熱面積に比べて、比較
的広い伝熱面積を必要とする。そのため、伝熱媒体に
は、単位体積当たり高い伝熱面積を有し、かつ空気が通
過自在な充填物を使用する。例えば網状体又はエキスパ
ンドメタル板を縦方向に離隔して並べてなる集合体、球
面に多数の孔を有する球殻を集合した集合体、ラシヒリ
ングを充填してなる充填体等を挙げることができる。
【0010】散水ノズルは、下方に散水孔を多数備えた
パイプで形成されている。望ましくは、不凍液を伝熱管
群に均等に散水するように散水ノズルを配置する。散水
ノズルから散水する不凍液の流量は、伝熱媒体の表面が
不凍液によって濡れて表面が露出しないようにする流量
であって、好適には、その値は実験的又は経験的データ
から伝熱媒体の底面積当たり500 L/Min程度である好
適には、循環ポンプを備えて、散水された不凍液を空気
流路の底部から再び散水ノズルに循環する。
【0011】本発明で使用する不凍液は、市場で入手容
易な既知の不凍液を使用できる。好適には、少なくとも
−40°Cの温度で凍結しない不凍液を使用する。その
例には、エチレングリコールの含有率が約52から約8
4wt%のエチレングリコール水溶液、プロピレングリコ
ールの含有率が約56wt%以上のプロピレングリコール
水溶液、トリエチレングリコールの含有率が約62から
約77wt%のトリエチレングリコール水溶液等を挙げる
ことができる。
【0012】以下に、本発明に係るガスタービン用空気
冷却装置において、不凍液を凍結させないようにして空
気によりLNGを加熱する条件を説明する。LNGの温
度をTL (°C)、空気の入口温度をTAI(°C)、出
口温度をTAO(°C)、不凍液の冷却前温度、即ち伝熱
管に触れる前の温度をTFI(°C)、冷却後温度、即ち
伝熱管を離れる温度をTFO(°C)とする。不凍液から
LNGへの伝熱量Q1 は、伝熱管群の伝熱面積をA1
LNGから不凍液への熱伝達に対する伝熱管の総括伝熱
係数勢をh1 とすれば、近似的に Q1 =h1 ・A1 ( TFO−TL ) (1) 一方、空気から不凍液への伝熱量Q2 は、伝熱媒体の伝
熱面積をA2 、不凍液から空気への熱伝達に対する伝熱
媒体の総括伝熱係数勢をh2 とし、TA =(TAI
AO)/2とすれば、近似的に、 Q2 =h2 ・A2 ( TA −TFO) (2) 定常状態では、Q1 =Q2 であるから、 TFO=(h1 1 L +h2 2 A )/(h1 1 +h2 2 ) (3)
【0013】ところで、LNGから不凍液への熱伝達は
液体−液体の熱伝達であるから、総括伝熱係数h1
1,000〜2,000Kcal/m2h°C と大きく、一方、
不凍液から空気への熱伝達は、気体−液体の熱伝達であ
るから、総括伝熱係数h2 は10〜30Kcal/m2h°C と
極めて小さい。凍結温度が−40°Cの不凍液を使用す
る場合に、TL を−162°C、TAを15°Cとする
と、不凍液を凍結させないように例えばTFO=−30°
Cとするためには、式(3)と上述のh1 及びh2 の値
から伝熱媒体の伝熱面積A2 を伝熱管の伝熱面積A1
約170倍以上にする必要がある。空気が−30°Cの
不凍液に触れても、不凍液は水を溶解する溶解性が高い
ので、空気中の水分は、不凍液に吸収される。また、伝
熱媒体は、図4に示すようにその全面が不凍液で濡れて
いて低温の表面を露出していないので、空気が低温の伝
熱媒体表面に直接触れて、そこで空気中の水分が凍結す
るようなことはない。
【0014】別法として、h1 を強制的に低下させて不
凍液を凍結させないようなやり方もある。例えば、h1
を上述の値の10分の1位に低下させ、A2 をA1 の約
17倍以上にするやり方である。h1 を強制的に低下さ
せるために、上述の伝熱管の周りに合成樹脂等の熱伝導
率の低い材料で被覆する方法もあるが、好適には、スポ
ンジ状合成樹脂、メタルウール等で吸水性被覆層を形成
し、該吸水性被覆層に前記不凍液を吸収、凍結させて伝
熱管群の総括伝熱係数h1 の大きさを調節する。凍結層
の熱伝導度が小さいので、凍結層の厚さに応じて総括伝
熱係数h1 は顕著に低下する。従って、吸水性被覆層の
厚さを調節すれば、所望の総括伝熱係数h1 を得ること
が可能である。また、吸水性被覆層を予め伝熱管に形成
することにより、均一な厚さの凍結層を形成することが
できる。
【0015】本発明では、空気の取り入れ量を加減する
ことにより、又は空気を加熱して空気温度を昇降させる
ことにより、LNGの気化量を容易に調整することが可
能であり、更に例えば寒冷地で特に冬季、取り入れる空
気の温度が低い場合に、空気加熱用バーナで空気を加熱
することにより容易に所要の熱量を得ることができる。
本発明において、不凍液の使用により、空気中の水分の
凍結を防止できるのみならず、空気との間の温度差が水
に比べて遙に大きく取れるので、熱交換に必要な伝熱面
積を節減することができる。
【0016】
【実施例】以下、添付図面を参照し、実施例に基づいて
本発明をより詳細に説明する。図1は、本発明に係るL
NG気化器(以下、簡単のために気化器と略称する)の
一実施例の模式的断面図である。図2は図1に示す装置
の伝熱手段を示す斜視図であって、伝熱管と伝熱媒体と
から構成されている。図3(a)は伝熱管の配置図であ
り、図3(b)は管外面に吸水性被覆層を備える伝熱管
の断面図である。図4は伝熱媒体の例を模式的に示した
ものであり、図5は伝熱管から流下する不凍液が伝熱媒
体の表面を流下する状態を示す説明用の模式的断面図で
ある。
【0017】気化器10は、LNGを気化してNGを燃
料とするガスタービン(図示せず)に供給する気化器で
あって、空気取り入れ装置11と、空気加熱用バーナ1
2と、LNG気化部(以下、簡単のため気化器と略称す
る)13とを備えている。空気取り入れ装置11は、空
気フィルター14と、空気取り入れファン15とから構
成されており、基本的にはガスタービン用の常用の空気
取り入れ装置と同様のものである。本実施例では、更に
空気取り入れファン16は回転数可変式であって、回転
数調節装置16が取り付けてある。空気取り入れ装置1
1は、空気入口ダクト18の先端に取り付けれていて、
外部から空気を取り入れ空気入口ダクト18に導入す
る。空気加熱用バーナ12は、同じく常用の空気加熱用
バーナであって、空気入口ダクト18の適所に取り付け
られており、冬季、特に寒冷地での冬季、空気温度が低
い場合に必要に応じ所要熱量を確保するため及びLNG
との間に所要の温度差を得るために取り入れられた空気
を加熱して気化部13に送る。
【0018】気化部13は、容器17と、容器17内に
多段に積み重ねられた伝熱手段19と、最上段の伝熱手
段19の上に配設された不凍液の散水ノズル20とを備
えている。不凍液には、例えば凍結温度が−40°C以
下になる不揮発性のエチレングリコールの70wt%水溶
液を使用する。容器17は、伝熱手段19及び散水ノズ
ル20を収容すると共に伝熱手段19を通過する空気の
空気流路を兼ねて箱型に形成されており、空気は空気入
口ダクト18から容器17に流入し、内部でLNGを加
熱して気化させ、自己は冷却されて空気出口ダクト21
から流出する。
【0019】図2に示すように、伝熱手段19は、LN
Gが流れる多数の伝熱管22とその下に設けられた伝熱
媒体24とから構成されている。伝熱管22は、散水ノ
ズル20から散水された不凍液と管内を流れるLNGと
の間で熱交換させて不凍液の熱によりLNGを気化させ
るためのもので、図3(a)に示すように、相互に平行
にかつ上下2段に千鳥状に配置されている。本実施例で
は、上段及び下段のそれぞれの管間隔は伝熱管の外径2
rの2倍に等しく、上段の伝熱管群と下段の伝熱管群と
の段間隔は伝熱管の外径2rに等しい。
【0020】本実施例では、伝熱管22は、図3(a)
に示すように、ステンレス鋼管26とその上に形成され
た吸水性材料、例えばスポンジ状合成樹脂、メタルウ−
ル等の被覆層28とから形成されている。吸水性被覆層
28は、吸水性被覆層に不凍液中の水を吸水させて伝熱
管22の周りに吸水性被覆層とほぼ同じ厚さの均一な凍
結氷層を予め計画的に形成するためのものである。一般
には、直径10〜30mmの伝熱管の周りに10〜30mm
の厚さにスポンジ等の吸水性の材料を被覆する。凍結氷
層の熱伝導率は非常に低いので、既知の式から算出した
所定の厚さの凍結氷層を形成すれば、凍結氷層の外表面
の温度を不凍液の凍結温度より高くすることができる。
これにより、凍結氷層の外側で不凍液が凍結することを
防止することができる。
【0021】伝熱媒体24は、図4に示すように、伝熱
管群22の下にほぼ接するようにして配置されており、
伝熱媒体24を通過する空気によって伝熱管22で冷却
された不凍液Nを加熱する伝熱媒体である。伝熱管22
で冷却された不凍液Nは、伝熱媒体24の表面を流下
し、その間に空気と接触して、或いは不凍液Nによって
冷却された伝熱媒体24と空気とを接触させることによ
り、不凍液Nは、空気により加熱される。図4では、空
気は、紙面に直交する方向に流れているものとする。
【0022】伝熱媒体24は、空気が通過し易く、不凍
液を保持し易く、かつ単位体積当たりの伝熱面積が大き
いものが望ましい。本実施例では、伝熱媒体24は、長
さ30〜100cmで適当な幅のステンレス鋼製又は合成
樹脂製の網状体を約3〜20mmの間隔で離隔して相互に
平行に長さ方向に直立させたものである。伝熱媒体の例
としは、図5に例示するように、網状体、或いは所謂エ
キスパンドメタル板を離隔して相互に平行に直立させた
もの、或いは小型の籠体を多数集合させたもの等ある。
図5(a)に示す網状体24は格子状の網を有し、図5
(b)に示すエキスパンドメタル板24は、切れ目25
を拡げるように両縁部から引っ張った物であり、図5
(c)の小型籠体24は、複数の円形フレーム27から
なる球殻である。
【0023】伝熱管22と伝熱媒体24とからなる伝熱
手段19は、図1に示すように(但し、図1では簡単の
ため3段のみ図示)空気と不凍液との熱交換量に応じて
上下に例えば5〜20段重ねて配置される。伝熱管22
の各々は、上下の伝熱手段19の間で相互に接続されて
上から下まで連続した1本の管を形成する。LNGは、
流入管29を介して最下部の伝熱手段19の伝熱管22
に流入し、気化しながら順次上の伝熱手段19の伝熱管
22に向かって流れてゆき、最終的には最上段の伝熱管
22からNGとなって流出管31経由流出し、ガスター
ビン(図示せず)に入る。
【0024】散水ノズル20は、図1に示すように、小
さな散水用の孔を下向きに開けた散水パイプを最上段の
伝熱手段19の伝熱管22群の直ぐ上に多数相互に平行
に並べて配置したものであって、ヘッダー30を介して
不凍液が均等に各散水パイプに分散され、その孔から不
凍液が下方に散水される。散水ノズル20から散水され
た不凍液は、伝熱管22を流れるLNGを加熱して気化
させつつ冷却された後、伝熱媒体24を流下している間
に空気により加熱されて、不凍液の温度が上がる。次い
で、温度の上がった不凍液は、下の段の伝熱管22で再
びLNGを気化させる。以下、上述の過程と同様のこと
を行い、順次下段に流下し、最終的に容器17の底部の
不凍液溜まり32に滞留する。
【0025】気化器10は、循環ポンプ34を備えて、
不凍液溜まり32に滞留している不凍液を再び散水ノズ
ル20に循環させている。不凍液は、伝熱手段19を流
下して空気と接触している間に空気中の塵埃及び水分を
吸収して不凍液が汚れると共に濃度が低下する。そのた
め、本実施例では、不凍液を電気ヒータ、ガスバーナ、
或いはガスタービンの高温排ガス等により加熱して、そ
の水分を蒸発させると共に、またはLNG冷熱で不凍液
を積極的に凍結させて水として分離すると共に汚れ物質
を濾過して分離する不凍液濃縮兼清浄装置36を気化器
10に付帯して設け、濃縮ポンプ38により不凍液溜ま
り32から不凍液の一部を抜き出して不凍液濃縮兼清浄
装置36に送り、そこで処理した不凍液を再び不凍液溜
まり32に戻すようにしている。
【0026】設計例 100Ton/HrのLNGを気化させる気化器を例に取り、
設計例を説明する。LNGを気化させるに必要な−16
0°Cから−10°Cまでの気化熱と顕熱との和は、8
36KJ/Kg である。従って、所要NG量を気化させるた
めに必要な熱量は、836KJ/Kg ×100,000kg/H
r =21,000,000Kcal/Hrとなる。条件の悪い
冬季を想定して、空気入口温度TAIを5°C、出口温度
AOを−25°Cとすると、21,000,000Kcal
/Hr の熱を供給できる空気量は、空気の比熱CA を0.
24(Kcal/Kg°C)、即ち1.0 KJ/Kg°C とすれば、 21,000,000=FA ・(TAI−TAO)・CA =FA ・(5−(−25))・1.0 これより、所要空気流量は、623M3/Secとなる。使用
する不凍液は、エチレングリコールを70wt%溶解した
エチレングリコール水溶液であって、その凍結温度は、
−40°C以下である。
【0027】伝熱管22での総括伝熱係数を600 Kca
l/M2 H°C 、LNGと不凍液との平均温度差を70°C
とすると、伝熱管22の所要伝熱面積は、500m2であ
って、外径30mmのステンレス鋼管を伝熱管として使用
し、その上に厚さ14mmのスポンジ状材料の被覆層28
を有する長さ32mの伝熱管を約165本必要とする。
伝熱媒体24は、空気流れ方向に直交して配置されたス
テンレス鋼製のメッシュからなり、伝熱媒体を通過する
空気流速を4m/Sec とすると、伝熱媒体24の前面面積
は、156m2必要であり、高さ56cm、幅56cmの網状
体が間隔5mmで平行に離隔して配設される。伝熱媒体2
4は、全部で9段からなり、合計57,000枚の網状
体が設置され、その表裏両面を考慮して全伝熱面積が3
5,000m2 の集合体である。
【0028】散水ノズルから散水する不凍液の流量は、
伝熱媒体の表面が不凍液によって濡れて表面が露出して
いないようにする流量であって、その値は、経験値から
伝熱媒体の底面積当たり500 L/Minであるから、本具
体例では、32(長さ)×0.56(厚さ)×500=
9,000 L/Minである。
【0029】本実施例は、上述した具体例に示すよう
に、コンパクトな構造でかつ簡単な構成であって、空気
を熱源とすることによりLNGを低いコストで再ガス化
できる気化器を実現している。また、本実施例では、冷
却した空気をガスタービンに送入することもできるの
で、夏期の高温の空気を送入する場合に比べて、最大出
力を高くし、また熱消費率を軽減することが可能とな
る。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、上記構成により、簡単
なコンパクトな構造で、空気を熱源としてNGの需要に
容易に追随できるガスタービン用燃料LNGの気化器を
実現している。本発明に係るLNG気化器を使用するこ
とにより、低コストでLNGを再ガス化でき、かつピー
ク時でも、従来のようにベースロード用気化器とピーク
シェイブ用気化器の双方を並行運転するような装置運転
の複雑さが無くなる。更に、不凍液の使用により、空気
との間の温度差を水に比べて遙に大きく取れるので、熱
交換に必要な伝熱面積を節減することができる。ガスタ
ービン用燃焼空気を熱源として本発明に係る気化器を使
用することにより、燃焼空気が冷却されるので、ガスタ
ービンの最大出力を増大し、かつ熱消費率を低下させて
所要LNG量を軽減することもできる。冬季、特に寒冷
地の冬季で空気温度が低い場合には、空気加熱用バーナ
を使用して空気を加熱することにより所要の加熱用熱量
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るLNG気化器の一実施例の模式的
断面図である。
【図2】図1に示す装置の伝熱手段を構成する伝熱管と
伝熱媒体との構成を示す斜視図である。
【図3】図3(a)は伝熱管の配置図であり、図3
(b)は管外面に吸水性被覆層が形成された伝熱管の断
面図である。
【図4】伝熱管から流下する不凍液が伝熱媒体の表面を
流下する状態を示す説明用の模式的断面図である。
【図5】図5(a)、(b)及び(c)は、伝熱媒体の
例を模式的に示したものである。
【符号の説明】
10 本発明に係るLNG気化器の一実施例 11 空気取り入れ装置 12 空気加熱用バーナ 13 LNG気化部 14 空気フィルター 15 空気取り入れファン 16 回転数調節装置 17 容器 18 空気入口ダクト 19 伝熱手段 20 散水ノズル 21 空気出口ダクト 22 伝熱管 24 伝熱媒体 25 邪魔板 26 ステンレス鋼管 28 吸水性被覆層 30 ヘッダー 32 不凍液溜まり 34 循環ポンプ 36 不凍液濃縮兼清浄装置 38 濃縮ポンプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気取り入れファンと、空気加熱用バー
    ナと、LNG気化部とを備え、 前記LNG気化部が、伝熱管と、その下に設けられた空
    気通過自在な伝熱媒体とからなると共に複数段上下に積
    み重ね得るようにされた伝熱手段の少なくとも1段と、
    前記伝熱手段の最上段上に配置されて、不凍液を下方の
    前記伝熱管に散水する散水ノズルと、前記伝熱手段と前
    記散水ノズルとを収容し、かつ前記伝熱媒体を通過する
    ように空気を流す空気流路とを有し、 前記散水ノズルより散水された不凍液が、前記伝熱管に
    接触して該伝熱管内を流れる液化天然ガスを加熱して該
    液化天然ガスを気化させ、次いで前記伝熱媒体に流下
    し、該伝熱媒体を通過する空気により加熱される過程を
    前記伝熱手段の段数だけ繰り返すようにされたことを特
    徴とするLNG気化器。
  2. 【請求項2】 前記伝熱管の周りに吸水性被覆層を形成
    し、該吸水性被覆層に前記不凍液を吸収、凍結させて前
    記伝熱管の総括伝熱係数の大きさを調節するようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載のLNG気化器。
JP4352186A 1992-12-10 1992-12-10 Lng気化器 Pending JPH06174195A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001254895A (ja) * 2000-03-14 2001-09-21 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 液化ガス気化装置
JP2001324094A (ja) * 2000-05-12 2001-11-22 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 液化ガス気化装置
JP2002340296A (ja) * 2001-05-16 2002-11-27 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 液化ガス気化・加熱装置

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