JPH06147781A - ガスタービン用空気冷却装置(2) - Google Patents

ガスタービン用空気冷却装置(2)

Info

Publication number
JPH06147781A
JPH06147781A JP31923192A JP31923192A JPH06147781A JP H06147781 A JPH06147781 A JP H06147781A JP 31923192 A JP31923192 A JP 31923192A JP 31923192 A JP31923192 A JP 31923192A JP H06147781 A JPH06147781 A JP H06147781A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
air
gas turbine
heat
antifreeze liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31923192A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Kanda
哲郎 神田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chiyoda Corp, Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd filed Critical Chiyoda Corp
Priority to JP31923192A priority Critical patent/JPH06147781A/ja
Publication of JPH06147781A publication Critical patent/JPH06147781A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスタービンの燃料用LNGの冷熱を利用し
て、ガスタービン用燃焼空気を冷却する装置を提供す
る。 【構成】 ガスタービン用空気冷却装置10は、少なく
とも1段の伝熱手段14を備えている。伝熱手段は、伝
熱管22と、その下に設けられた空気通過自在な伝熱媒
体24とからなり、かつ複数段上下に積み重ね得るよう
にしたものである。更に、伝熱手段の最上段上に配置さ
れて、不凍液を下方の伝熱管に散水する散水ノズル16
と、伝熱手段と散水ノズルとを収容し、かつ伝熱媒体を
通過するように空気を流す空気流路12と、散水された
不凍液を空気流路の底部から再び散水ノズルに循環する
循環ポンプ34とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービン用空気冷
却装置に関し、特に詳細にはガスタービン用燃料として
消費される液化天然ガスの一部又は全部を利用してガス
タービン用燃焼空気を冷却し、それによりガスタービン
の最大出力を増大しかつ熱消費率(Heat Rate)を向上さ
せる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電用ガスタービン、特に都市近郊
に立地した火力発電所で稼働する発電用ガスタービン
は、燃料としてその低公害性を理由に一般に液化天然ガ
スを使用している。液化天然ガスは、メタンを主成分と
する天然ガスを加圧、冷却して液化したものであって、
LNGと略称される。以下、本明細書でも、液化天然ガ
スをLNGと言い、再ガス化した天然ガスをNGと言う
ことにする。メタンは常圧下で113K(−160°
C)に冷却すれば液体となり、その体積は、常温、常圧
の気体に比べて約1/600に減少する。産地でこのよ
うに液化したものを冷凍タンカーで輸送する。従来、発
電所では、主として海水の熱を利用してLNGを再びガ
ス化し、発電用ガスタービンの燃料として使用してい
る。
【0003】一方、最近の電力の需要は、夏期日中のピ
ーク時と、他の時期のオフピーク時との差が大きく、特
に都市近傍でその傾向が著しい。需要を賄うために発電
所を建設しようにも、発電所立地に適合する用地を手当
てするのは、現今極めて難しい状況にある上に、夏期の
ピーク時に合わせて発電能力を増強するのは、経済的に
も不合理である。そこで、既存の発電所の能力を最大限
発揮させて、夏期日中のピーク時の電力需要を賄うこと
が重要になっている。この見地から、既存の発電用ガス
タービンの最大出力を何らかの手段で増強することは、
極めて緊急を要する問題である。
【0004】ところで、ガスタービンの最大出力は、同
じフレームであっても、その燃焼用空気の入口温度が低
いほど増大する。例えば、空気の入口温度が35°Cで
のガスタービンの最大出力を100%とすると、空気の
入口温度を4°Cまで冷却したと想定するならば、出力
が約22%増加して、最大出力は、約122%となる。
また、同じフレームのガスタービンの熱消費率(単位仕
事出力当たりの熱入力)は、その燃焼用空気の入口温度
が低い程減少する。即ち、同一の出力値を出力するのに
必要な熱エネルギーの量が減少する。例えば、空気の入
口温度が35°Cでの熱消費率を100%とすると、空
気の入口温度を4°Cまで冷却したと想定するならば、
熱消費率は、約91乃至92%の値に減少する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、ガスタ
ービンの燃焼用空気を冷却することは、ガスタービンの
最大出力を増大させ、かつ熱消費率を向上させるので、
省エネルギーの点からも望ましいことである。そこで、
空気に水又は冷水を噴霧して冷却する試みがなされて来
たが、単に水を噴霧するだけでは、空気はそれ程冷却さ
れず、まは冷水を噴霧するためには冷凍装置等を設置す
る必要が生じて、多額な設備費の割に効果が小さかっ
た。また、冷水を噴霧してガスタービン用燃焼空気を冷
却する一つの方法として、氷蓄熱技術の利用が米国で試
みられている。これは、電力需要のオフピーク時に発電
された余剰の電力を利用して氷を製造し、電力需要のピ
ーク時にその氷に水を混ぜて冷水を作り、その冷熱を使
用して空気を冷却することにより、ガスタービンの最大
出力を上げようとするものである。しかし、いずれも、
その実用化は今後の課題であって、今までのところ、決
め手を模索中であると言うのが実情である。
【0006】一方、LNGをガス化するには、約836
KJ/Kg の大きな熱量を必要とする。この冷熱を使用して
ガスタービン用燃焼空気を冷却することは、以上の問題
を解決する上で望ましいことであるが、かかる冷却方法
は、従来実用化されていなかった。それは、LNGの気
化温度が−162°Cと言う極めて低い温度なので、冷
熱源として使用すると、その温度が低すぎて空気中の水
分が熱交換器の伝熱面で凍結する等の問題が生じ、その
取扱が難しかったことによる。
【0007】以上の事情に鑑み、本発明は、ガスタービ
ンの燃料用LNGの冷熱を利用して、ガスタービン用燃
焼空気を冷却する新規な装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、LNGの冷
熱を利用して空気を冷却する方法及び装置を研究した結
果、第1には不凍液を中間冷媒として使用することに着
眼した。それは、LNGを冷熱源とし、熱交換器で空気
をLNGにより直接冷却する方法では、LNGの低い温
度のため、熱交換器の伝熱面の温度が0°C以下に下が
り、空気中の水が、その伝熱面で凍結し、更に成長して
最終的には伝熱面の全面に厚く氷層を形成する。そし
て、氷層が形成した熱交換器は、氷層の低い熱伝導率の
ため、および成長した氷層が空気の流路を閉塞させて、
最早や熱交換器の用を成さなくなるからである。また、
本発明者は、第2には中間冷媒として使用する不凍液を
装置内で凍結させないようにすることが必要であると認
識した。
【0009】上記目的を達成するために、かかる知見に
基づいて、本発明に係るガスタービン用空気冷却装置
は、伝熱管と、その下に設けられた空気通過自在な伝熱
媒体とからなり、かつ複数段上下に積み重ね得るように
した伝熱手段の少なくとも1段と、伝熱手段の最上段上
に配置されて、不凍液を下方の伝熱管に散水する散水ノ
ズルと、伝熱手段と散水ノズルとを収容し、かつ伝熱媒
体を通過するように空気を流す空気流路とを備え、散水
ノズルより散水された不凍液が、伝熱管に接触して該伝
熱管内を流れる液化天然ガスにより冷却されると共に該
液化天然ガスを気化させ、次いで伝熱媒体に流下し、該
伝熱媒体を通過する空気を冷却する働きを伝熱手段の段
数だけ繰り返すようにされたことを特徴としている。
【0010】本発明で使用する伝熱管は、常用の金属管
でよい。LNGと不凍液との間の総括伝熱係数は比較的
高く、不凍液と空気との間の総括伝熱係数は比較的低い
ことから、伝熱媒体は、伝熱管の伝熱面積に比べて、比
較的広い伝熱面積を必要とする。そのため、伝熱媒体に
は、単位体積当たり高い伝熱面積を有し、かつ冷却され
る空気が通過自在な充填物を使用する。例えば網状体又
はエキスパンドメタル板を縦方向に離隔して並べてなる
集合体、球面に多数の孔を有する球殻を集合した集合
体、ラシヒリングを充填してなる充填体等を挙げること
ができる。散水ノズルは、下方に散水孔を多数備えたパ
イプで形成されている。望ましくは、不凍液を伝熱管群
に均等に散水するように散水ノズルを配置する。散水ノ
ズルから散水する不凍液の流量は、伝熱媒体の表面が不
凍液によって濡れて表面が露出しないようにする流量で
あって、好適には、その値は実験的又は経験的データか
ら伝熱媒体の底面積当たり500 L/Min程度である好適
には、循環ポンプを備えて、散水された不凍液を空気流
路の底部から再び散水ノズルに循環する。
【0011】本発明で使用する不凍液は、市場で入手容
易な既知の不凍液を使用できる。好適には、少なくとも
−40°Cの温度で凍結しない不凍液を使用する。その
例には、エチレングリコールの含有率が約52から約8
4wt%のエチレングリコール水溶液、プロピレングリコ
ールの含有率が約56wt%以上のプロピレングリコール
水溶液、トリエチレングリコールの含有率が約62から
約77wt%のトリエチレングリコール水溶液等を挙げる
ことができる。
【0012】以下に、本発明に係るガスタービン用空気
冷却装置において、不凍液を凍結させないようにしてL
NGにより空気を冷却する条件を説明する。LNGの温
度をTL (°C)、空気の入口温度をTAI(°C)、出
口温度をTAO(°C)、不凍液の冷却前温度、即ち伝熱
管に触れる前の温度をTFI(°C)、冷却後温度、即ち
伝熱管を離れる温度をTFO(°C)とする。LNGから
不凍液への伝熱量Q1 は、伝熱管群の伝熱面積をA1
LNGから不凍液への熱伝達に対する伝熱管の総括伝熱
係数勢をh1 とすれば、近似的に Q1 =h1 ・A1 ( TFO−TL ) (1)
【0013】一方、空気から不凍液への伝熱量Q2 は、
伝熱媒体の伝熱面積をA2 、不凍液から空気への熱伝達
に対する伝熱媒体の総括伝熱係数勢をh2 とし、TA
(TAI+TAO)/2とすれば、近似的に、 Q2 =h2 ・A2 ( TA −TFO) (2) 定常状態では、Q1 =Q2 であるから、 TFO=(h1 1 L +h2 2 A )/(h1 1 +h2 2 ) (3)
【0014】ところで、LNGから不凍液への熱伝達は
液体−液体の熱伝達であるから、総括伝熱係数h1
1,000〜2,000Kcal/m2h°C と大きく、一方、
不凍液から空気への熱伝達は、気体−液体の熱伝達であ
るから、総括伝熱係数h2 は10〜30Kcal/m2h°C と
極めて小さい。凍結温度が−40°Cの不凍液を使用す
る場合に、TL を−162°C、TAを15°Cとする
と、不凍液を凍結させないように例えばTFO=−30°
Cとするためには、式(3)と上述のh1 及びh2 の値
から伝熱媒体の伝熱面積A2 を伝熱管の伝熱面積A1
約170倍以上にする必要がある。空気が−30°Cの
不凍液に触れても、不凍液は水を溶解する溶解性が高い
ので、空気中の水分は、不凍液に吸収される。また、伝
熱媒体は、図4に示すようにその全面が不凍液で濡れて
いて低温の表面を露出していないので、空気が低温の伝
熱媒体表面に直接触れて、そこで空気中の水分が凍結す
るようなことはない。
【0015】別法として、h1 を強制的に低下させて不
凍液を凍結させないようなやり方もある。例えば、h1
を上述の値の10分の1位に低下させ、A2 をA1 の約
17倍以上にするやり方である。h1 を強制的に低下さ
せるために、上述の伝熱管の周りに合成樹脂等の熱伝導
率の低い材料で被覆する方法もあるが、好適には、スポ
ンジ状合成樹脂、メタルウール等で吸水性被覆層を形成
し、該吸水性被覆層に前記不凍液を吸収、凍結させて伝
熱管群の総括伝熱係数h1 の大きさを調節する。凍結層
の熱伝導度が小さいので、凍結層の厚さに応じて総括伝
熱係数h1 は顕著に低下する。従って、吸水性被覆層の
厚さを調節すれば、所望の総括伝熱係数h1 を得ること
が可能である。また、吸水性被覆層を予め伝熱管に形成
することにより、均一な厚さの凍結層を形成することが
できる。
【0016】
【実施例】以下、添付図面を参照し、実施例に基づいて
本発明をより詳細に説明する。図1は、本発明に係るガ
スタービン用空気冷却装置(以下、簡単のために装置と
略称する)の一実施例の模式的断面図である。図2は図
1に示す装置の伝熱手段を示す斜視図であって、伝熱管
と伝熱媒体とから構成されている。図3(a)は伝熱管
の配置図であり、図3(b)は管外面に吸水性被覆層を
備える伝熱管の断面図である。図4は伝熱媒体の例を模
式的に示したものであり、図5は伝熱管から流下する不
凍液が伝熱媒体の表面を流下する状態を示す説明用の模
式的断面図である。
【0017】装置10は、LNGを燃料とするガスター
ビン(図示せず)に供給する燃焼空気を冷却する装置で
あって、容器12と、容器12内に多段に積み重ねられ
た伝熱手段14と、最上段の伝熱手段14の上に配設さ
れた不凍液の散水ノズル16とを備えている。不凍液に
は、例えば凍結温度が−40°C以下になる不揮発性の
エチレングリコールの70wt%水溶液を使用する。容器
12は、伝熱手段14及び散水ノズル16を収容すると
共に伝熱手段14を通過する空気の空気流路を兼ねて箱
型に形成されており、空気は空気入口ダクト18から容
器12に流入し、内部で冷却された後空気出口ダクト2
0から流出してガスタービン(図示せず)に入る。
【0018】図2に示すように、伝熱手段14は、冷熱
を供給するLNGが流れる多数の伝熱管22とその下に
設けられた伝熱媒体24とから構成されている。伝熱管
22は、散水ノズル16から散水された不凍液と管内を
流れるLNGとの間で熱交換させてLNGの冷熱により
不凍液を冷却させるためのもので、図3(a)に示すよ
うに、相互に平行にかつ上下2段に千鳥状に配置され、
上段及び下段のそれぞれの管間隔は伝熱管の外径2rの
2倍に等しく、上段の伝熱管群と下段の伝熱管群との段
間隔は伝熱管の外径2rに等しい。
【0019】本実施例では、伝熱管22は、図3(a)
に示すように、ステンレス鋼管26とその上に形成され
た吸水性材料、例えばスポンジ状合成樹脂、メタルウ−
ル等の被覆層28とから形成されている。吸水性被覆層
28は、吸水性被覆層に不凍液中の水を吸水させて伝熱
管22の周りに吸水性被覆層とほぼ同じ厚さの均一な凍
結氷層を予め計画的に形成するためのものである。一般
には、直径10〜30mmの伝熱管の周りに10〜30mm
の厚さにスポンジ等の吸水性の材料を被覆する。凍結氷
層の熱伝導率は非常に低いので、既知の式から算出した
所定の厚さの凍結氷層を形成すれば、凍結氷層の外表面
の温度を不凍液の凍結温度より高くすることができる。
これにより、凍結氷層の外側で不凍液が凍結することを
防止することができる。
【0020】伝熱媒体24は、図4に示すように、伝熱
管群22の下にほぼ接するようにして配置されており、
伝熱管22で冷却された不凍液Nによって伝熱媒体24
を通過する空気を冷却する伝熱媒体である。伝熱管22
で冷却された不凍液Nは、伝熱媒体24の表面を流下
し、その間に空気と接触して、或いは不凍液Nによって
冷却された伝熱媒体24と空気とを接触させることによ
り、空気を冷却する。図4では、空気は、紙面に直交す
る方向に流れているものとする。
【0021】伝熱媒体24は、空気が通過し易く、不凍
液を保持し易く、かつ単位体積当たりの伝熱面積が大き
いものが望ましい。本実施例では、伝熱媒体24は、長
さ30〜100cmで適当な幅のステンレス鋼製又は合成
樹脂製の網状体を約3〜20mmの間隔で離隔して相互に
平行に長さ方向に直立させたものである。伝熱媒体の例
としは、図5に例示するように、網状体、或いは所謂エ
キスパンドメタル板を離隔して相互に平行に直立させた
もの、或いは小型の籠体を多数集合させたもの等ある。
図5(a)に示す網状体24は格子状の網を有し、図5
(b)に示すエキスパンドメタル板24は、切れ目25
を広げるように両縁部から引っ張った物であり、図5
(c)の小型籠体24は、複数の円形フレーム27から
なる球殻である。
【0022】伝熱管22と伝熱媒体24とからなる伝熱
手段14は、図1に示すように(但し、図1では簡単の
ため3段のみ図示)空気と不凍液との熱交換量に応じて
上下に例えば10〜20段重ねて配置される。伝熱管2
2の各々は、上下の伝熱手段14の間で相互に接続され
て上から下まで連続した1本の管を形成する。LNG
は、流入管29を介して最下部の伝熱手段14の伝熱管
22に流入し、気化しながら順次上の伝熱手段14の伝
熱管22に向かって流れてゆき、最終的には最上段の伝
熱管22からNGとなって流出管31経由流出し、ガス
タービン(図示せず)に入る。
【0023】散水ノズル16は、図1に示すように、小
さな散水用の孔を下向きに開けた散水パイプを最上段の
伝熱手段14の伝熱管22群の直ぐ上に多数相互に平行
に並べて配置したものであって、ヘッダー30を介して
不凍液が均等に各散水パイプに分散され、その孔から不
凍液が下方に散水される。散水ノズル16から散水され
た不凍液は、伝熱管22により冷却された後伝熱媒体2
4を流下して空気を冷却し、不凍液は温度が上がる。次
いで、温度の上がった不凍液は、下の段の伝熱管22で
再び冷却される。以下、上述の働きと同様のことを行
い、順次下段に流下し、最終的に容器12の底部の不凍
液溜まり32に滞留する。
【0024】装置10は、循環ポンプ34を備えて、不
凍液溜まり32に滞留している不凍液を再び散水ノズル
16に循環させている。不凍液は、伝熱手段14を流下
して空気と接触している間に空気中の塵埃及び水分を吸
収して不凍液が汚れると共に濃度が低下する。そのた
め、本実施例では、不凍液を電気ヒータ、ガスバーナ、
或いはガスタービンの高温排ガス等により加熱して、そ
の水分を蒸発させると共に、またはLNG冷熱で不凍液
を積極的に凍結させて水として分離すると共に汚れ物質
を濾過して分離する不凍液濃縮兼清浄装置36を装置1
0に付帯して設け、濃縮ポンプ38により不凍液溜まり
32から不凍液の一部を抜き出して不凍液濃縮兼清浄装
置36に送り、そこで処理した不凍液を再び不凍液溜ま
り32に戻すようにしている。
【0025】具体例 出力が100,000KWの典型的なガスタービンに使用
する空気冷却装置を例に取り、具体例を説明する。ガス
タービンの所要入力は、熱効率を29.8%とすると3
36,000Kw(KJ/Sec) である。従って、気化天然ガ
ス(以下、簡単のためNGと略称する)の発熱量を5
6,000KJ/Kg とすると、所要NG量は、336,0
00KJ/Sec/56,000KJ/Kg =6.0kg/Secとな
る。所要空気量FA ( kg/Sec) は、理論空気量を10.
52として87.5Nm3/Sec 、又は114kg/Secとな
る。
【0026】夏期のピークロード時の運転を想定して、
空気入口温度TAIを35°C、出口温度TAOを2°Cと
すると、空気を冷却するに要する所要冷却熱Qは、空気
の比熱CA を0.24(Kcal/Kg°C)、即ち1.0 KJ/Kg
°C とすれば、 Q=FA ・(TAI−TAO)・CA =114・(35−2)・1.0 =3,762KJ/Sec=3,200,000Kcal/Hr
【0027】一方、LNGの−160°Cから−10°
Cまでの気化熱と顕熱とを利用するとすれば、その冷熱
量は、836KJ/Kg である。従って、所要NG量を気化
させるために得られる冷熱量は、836KJ/Kg ×6.0
kg/Sec=5,016KJ/Secとなるので、空気を冷却する
冷熱量は、利用できる全冷熱量の約75%となる。従っ
て、LNGの25%は、他の方法、例えば従来の海水に
よる方法によって気化させることになる。使用する不凍
液は、エチレングリコールを70wt%溶解したエチレン
グリコール水溶液であって、その凍結温度は、−40°
C以下である。
【0028】前述の式(3)、即ち TFO=(h1 1 L +h2 2 A )/(h1 1 +h2 2 ) (3) において、LNGの温度TL を−160°C、空気の平
均温度TA を15°C(空気が35°Cから2°Cに冷
却される際の平均温度とする)の条件で、不凍液の冷却
後の温度TFOを−30°Cとするためには、 h2 2 /h1 1 =2.9 (4)
【0029】ここで、伝熱媒体24の総括伝熱係数h2
をh2 =20 Kcal/m2h °c とする。
【0030】次に伝熱手段14を構成する伝熱管22及
び伝熱媒体24の所要伝熱面積A1、及びA2 を求め
る。図6において、全伝熱手段14の奥行きWを5m、
伝熱手段14を通過する空気の速度Uを2m/Sec とする
と、通過空気量は87.5m3/Sec故、伝熱手段の高さH
は、 H=87.5/(2×5)=8.75m。 伝熱管22の吸水性被覆層の外側面積A1 は、図3
(a)から、 A1 =2πrWn (n:伝熱管22の上下2段の本
数) 2rn=L、n=L/2r ∴A1 =πLW
【0031】一方、A2 =2L′Wn′ (L′:伝熱
媒体の高さ、n′:枚数) ここで、伝熱媒体24の間隔を0.015mとすると、
L=0.015n′、n′=66.6L から A2 =133LL′W A2 /A1 =(133LL′W)/(πLW)=42.
4L′ L′=0.5mとすると、A2 /A1 =21.2
【0032】ここでA2 /A1 =20と設定すると、式
(4)からh2 2 /h1 1 =2.9である故、h2
/h1 =0.145 h2 =20 Kcal/m2 h°C である故、h1 =138 Kca
l/m2 h°C となる。次に、総括伝熱係数h1 が138 K
cal/m2 h°C であるような伝熱管22を算出する。凍結
層の伝熱が支配的であるから、近似的に h1 =λ/d (6) の関係が成立する。ここで、dは凍結層の厚さ、又は被
覆層の厚さ(d=r−ro )であり、h1 を138 Kca
l/m2 h°C 、氷の熱伝導度λを1.89 Kcal/m h °C
とすると、d=14mmとなる。よって、外径27mmのス
テンレス鋼管を伝熱管として使用し、その上に厚さ14
mmのスポンジ状材料の被覆層28を形成する。
【0033】LNGから不凍液への伝熱量Q1 は、 Q1 =Q=3,200,000=A1 1 (TFO
L ) TFO=−30°C、TL =−160°Cであるから、 所要伝熱面積A1 は、A1 =178m2 伝熱手段を15段重ねるとすると、 A1 =178=15πLW ∴L=0.76mとなる。 またn=L/2r=0.76/(2×0.0275)=
14 n′=66.6L=66.6×0.76=51 散水ノズルから散水する不凍液の流量は、伝熱媒体の表
面が不凍液によって濡れて表面が露出していないように
する流量であって、その値は、経験値から伝熱媒体の底
面積当たり500 L/Minであるから、本具体例では、L
×W×500=1,900 L/Minである。
【0034】以上説明した具体例を要約すれば、出力が
100,000KWの典型的なガスタービンに使用する空
気冷却装置10の伝熱手段14は、15段からなり、そ
の1段は、伝熱管22として厚さ14mmのスポンジ状材
料の吸水性被覆層28を有する外径27mm、長さ5mの
上下二段で総数14本のステンレス鋼管群と、伝熱媒体
として間隔15mmで平行に離隔して配設された高さ0.
5m奥行き5mの51枚の網状体とからなる。伝熱手段
14の全体寸法は、高さHが8.75m、幅Lが0.7
6m、奥行きWが5mである。本実施例は、上述した具
体例に示すように、コンパクトな構造でかつ簡単な構成
の冷却装置であって、これにより不凍液を介してLNG
で空気を容易に冷却することができる。また、本実施例
では、2°Cの空気をガスタービンに送入することによ
り、35°Cの空気を送入する場合に比べて、最大出力
を約24%大きくすることが可能であり、また熱消費率
を12%軽減することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、上記構成により、散水
ノズルより散水された不凍液が、伝熱管に接触して該伝
熱管内を流れる液化天然ガスを気化させつつ冷却され、
次いで伝熱媒体に流下し、該伝熱媒体を通過する空気を
冷却することにより、空気中の水分凍結により冷却機能
が低下したり、また空気流路が閉塞したりすることがな
いばかりでなく、簡単な構成でかつコンパクトな構造の
ガスタービン用空気冷却装置を実現している。本発明に
係るガスタービン用空気冷却装置を使用することによ
り、ガスタービンの最大出力を増大し、かつ熱消費率を
低下させて所要LNG量を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスタービン用空気冷却装置の一
実施例の模式的断面図である。
【図2】図1に示す装置の伝熱手段を構成する伝熱管と
伝熱媒体との構成を示す斜視図である。
【図3】図3(a)は伝熱管の配置図であり、図3
(b)は管外面に吸水性被覆層が形成された伝熱管の断
面図である。
【図4】伝熱管から流下する不凍液が伝熱媒体の表面を
流下する状態を示す説明用の模式的断面図である。
【図5】図5(a)、(b)及び(c)は、伝熱媒体の
例を模式的に示したものである。
【図6】図6(a)は本発明に係るガスタービン用空気
冷却装置の具体例で使用する伝熱手段の説明用斜視図で
あり、図6(b)は同じく伝熱管の説明用断面図であ
る。
【符号の説明】
10 本発明に係るガスタービン用空気冷却装置の一実
施例 12 容器 14 伝熱手段 16 散水ノズル 18 空気入口ダクト 20 空気出口ダクト 22 伝熱管 24 伝熱媒体 25 邪魔板 26 ステンレス鋼管 28 吸水性被覆層 30 ヘッダー 32 不凍液溜まり 34 循環ポンプ 36 不凍液濃縮兼清浄装置 38 濃縮ポンプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝熱管と、その下に設けられた空気通過
    自在な伝熱媒体とからなり、かつ複数段上下に積み重ね
    得るようにした伝熱手段の少なくとも1段と、 前記伝熱手段の最上段上に配置されて、不凍液を下方の
    前記伝熱管に散水する散水ノズルと、 前記伝熱手段と前記散水ノズルとを収容し、かつ前記伝
    熱媒体を通過するように空気を流す空気流路とを備え、 前記散水ノズルより散水された不凍液が、前記伝熱管に
    接触して該伝熱管内を流れる液化天然ガスにより冷却さ
    れると共に該液化天然ガスを気化させ、次いで前記伝熱
    媒体に流下し、該伝熱媒体を通過する空気を冷却する働
    きを前記伝熱手段の段数だけ繰り返すようにされたこと
    を特徴とするガスタービン用空気冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記伝熱管の周りに吸水性被覆層を形成
    し、該吸水性被覆層に前記不凍液を吸収、凍結させて前
    記伝熱管の総括伝熱係数の大きさを調節するようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載のガスタービン用空気
    冷却装置。
JP31923192A 1992-11-05 1992-11-05 ガスタービン用空気冷却装置(2) Pending JPH06147781A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31923192A JPH06147781A (ja) 1992-11-05 1992-11-05 ガスタービン用空気冷却装置(2)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31923192A JPH06147781A (ja) 1992-11-05 1992-11-05 ガスタービン用空気冷却装置(2)

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06147781A true JPH06147781A (ja) 1994-05-27

Family

ID=18107878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31923192A Pending JPH06147781A (ja) 1992-11-05 1992-11-05 ガスタービン用空気冷却装置(2)

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06147781A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002089791A (ja) * 2000-09-14 2002-03-27 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 液化ガス気化装置
US6668562B1 (en) 2000-09-26 2003-12-30 Robert A. Shatten System and method for cryogenic cooling using liquefied natural gas
JP2009174844A (ja) * 2007-10-19 2009-08-06 Air Products & Chemicals Inc 空気流圧縮方法及び空気流圧縮装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002089791A (ja) * 2000-09-14 2002-03-27 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 液化ガス気化装置
US6668562B1 (en) 2000-09-26 2003-12-30 Robert A. Shatten System and method for cryogenic cooling using liquefied natural gas
JP2009174844A (ja) * 2007-10-19 2009-08-06 Air Products & Chemicals Inc 空気流圧縮方法及び空気流圧縮装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5655373A (en) Gas turbine intake air cooling apparatus
JP2017516061A (ja) 組み合わせ式コンベクタ
JPH0213214B2 (ja)
CN204693025U (zh) 一种采用梯级汽化技术的lng汽化器
CN215048825U (zh) 一种高温污水自脱盐多效蒸馏设备
JPH06147781A (ja) ガスタービン用空気冷却装置(2)
RU2617040C1 (ru) Холодоаккумуляционная градирня
JP2020514666A (ja) 水域の表面に配置される天然ガス液化装置、及び関連する冷却方法
CN110145946B (zh) 一种节水型切换式自然通风冷却塔
RU2472086C1 (ru) Тепловая электростанция
JPH06174195A (ja) Lng気化器
CN106017169B (zh) 一种采用自循环中间介质的lng汽化器及实现方法
CN211977670U (zh) Lng气化换热塔和lng气化系统
CA1084481A (en) Heat rejection system
CN210486571U (zh) 一种节水型切换式自然通风冷却塔
CN208075634U (zh) 一种水冷复合散热器
CN106839169A (zh) 地下蓄水箱与闭式冷水机组联合的蒸发冷却通风空调
JP3358845B2 (ja) 蓄冷熱利用の液化天然ガス気化装置
RU2472948C1 (ru) Тепловая электростанция кочетова
CN205843449U (zh) 一种利用相变换热技术的lng汽化器
JP3996239B2 (ja) 氷スラリー製造設備
JP3464267B2 (ja) ガスタービン吸気冷却装置
CN109443065A (zh) 一种基于主动结晶技术的大浓差吸收式蓄能装置
CN205481956U (zh) 一种淋水增效风冷式冷凝器
JPH06147563A (ja) 氷蓄熱設備