JP2002038366A - 耐久性のある糊付加工が施された天然セルロース繊維編織物の製造方法 - Google Patents

耐久性のある糊付加工が施された天然セルロース繊維編織物の製造方法

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JP2002038366A JP2000222652A JP2000222652A JP2002038366A JP 2002038366 A JP2002038366 A JP 2002038366A JP 2000222652 A JP2000222652 A JP 2000222652A JP 2000222652 A JP2000222652 A JP 2000222652A JP 2002038366 A JP2002038366 A JP 2002038366A
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Takaaki Shibata
高明 柴田
Kenji Sakurai
健治 桜井
Minoru Yamada
稔 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性のある糊付加工が施された天然セルロ
ース繊維編織物の製造方法を提供する。 【解決手段】 天然セルロース繊維を含む編織物生地を
準備する。この編織物生地を、モノハロゲン化酢酸又は
その塩と水酸化アルカリ金属との混合溶液に浸漬した
後、圧搾する。この後、不活性雰囲気中で加熱処理す
る。この加熱処理によって、天然セルロース繊維の少な
くとも表面をアルカリ金属カルボキシメチル化させる。
これにより、天然セルロース繊維表面のセルロース分子
が、アルカリ金属カルボキシメチルセルロースに改質さ
れ、糊剤が付着していると同様の状態となる。また、こ
の後、アルカリ金属カルボキシメチルセルロースのアル
カリ金属の少なくとも一部を、カルシウムや亜鉛等の多
価金属に置換しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然セルロース繊
維を含む編織物生地に、アルカリ金属カルボキシメチル
化処理して、耐久性のある糊付加工が施された編織物を
製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、天然セルロース繊維を含む編
織物には、硬さ,張り,腰及び平滑性を与えると共に、
繊維自体に汚れを付着しにくくし、洗濯によって汚れを
落としやすくするため、糊付加工が行われている。具体
的には、編織物に、デンプン類,加工デンプン類,カル
ボキシメチルセルロース,ポリビニルアルコール等の各
種糊剤を付与することが行われている。しかし、これら
の糊剤を編織物に付与しても、洗濯によって糊剤が洗い
落とされてしまうため、洗濯後に再び糊剤の付与を行わ
なければならないということがあった。
【0003】このため、耐久性のある糊付加工方法とし
て、糊剤として尿素系樹脂やメラミン系樹脂の熱硬化型
樹脂を用いることも知られている。確かに、この方法は
耐久性のあるものであるが、編織物が硬くなりすぎてし
まうという欠点があった。また、この熱硬化型樹脂表面
に付着した汚れは、洗濯によって落ちにくいという欠点
もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本件出願人
は、再生セルロース繊維をアルカリ金属カルボキシメチ
ル化すれば、この再生セルロース繊維が水溶性になると
いう現象を利用した発明を既に開示している(特許第
2,836,695号公報)。そして、この発明を完成
する際、天然セルロース繊維は、再生セルロース繊維と
同様にアルカリ金属カルボキシメチル化しても、水溶性
になりにくいという知見も得ている。本発明は、このよ
うな天然セルロース繊維の性質が、耐久性のある糊付加
工に利用しうるとの発見に基づいてなされたものであ
る。即ち、天然セルロース繊維の少なくとも表面をアル
カリ金属カルボキシメチル化しておけば、そこには糊剤
としてよく使用されているアルカリ金属カルボキシメチ
ルセルロースが付着しているのと同様の状態になり、し
かも、それは天然セルロース繊維自体の改質であり洗濯
によって容易に洗い落とされないから、耐久性のある糊
付加工になるとの発見に基づいてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、天然セ
ルロース繊維を含む編織物生地を、モノハロゲン化酢酸
又はその塩と水酸化アルカリ金属との混合溶液に浸漬し
た後、圧搾し、次いで不活性雰囲気中で加熱処理し、該
天然セルロース繊維表面をアルカリ金属カルボキシメチ
ル化すること、及び、その後所望により、アルカリ金属
カルボキシメチル基のアルカリ金属を多価金属に置換す
ることを特徴とする天然セルロース繊維編織物の耐久糊
付加工方法に関するものである。
【0006】まず、本発明においては、天然セルロース
繊維を含む編織物生地を準備する。天然セルロース繊維
としては、綿や麻等が用いられる。編織物生地は、天然
セルロース繊維100%からなる紡績糸及び/又は天然
セルロース繊維とポリエステル繊維やポリアミド繊維等
の合成繊維との混紡糸を用いて製編織したものが用いら
れる。また、上記した紡績糸或いは混紡糸と、合成繊維
100%の合繊糸とを併用して製編織したものも用いら
れる。従って、編織物生地は、天然セルロース繊維10
0%のものであっても良いし、天然セルロース繊維と合
成繊維等の他の繊維が任意の割合で含まれていても良
い。一般的に、天然セルロース繊維は、編織物生地中に
少なくとも30%以上含まれているのが好ましい。天然
セルロース繊維の含有割合(混率)が30%未満である
と、アルカリ金属カルボキシメチル化又は多価金属カル
ボキシメチル化される繊維の割合が少なくなり、糊付加
工の効果が低下する傾向が生じる。なお、繊維の含有割
合を示す%は、質量%である。
【0007】この編織物生地を、モノハロゲン化酢酸又
はその塩と水酸化アルカリ金属との混合溶液に浸漬す
る。一般的に、浸漬は、混合溶液を入れた浴に編織物生
地を漬けることによって行う。モノハロゲン化酢酸又は
その塩としては、一般的にモノクロル酢酸又はモノクロ
ル酢酸ソーダ塩が用いられ、水酸化アルカリ金属として
は、一般的に水酸化ナトリウムが用いられる。モノハロ
ゲン化酢酸又はその塩と水酸化アルカリ金属との混合溶
液を調整するために、溶媒として水,アルコール,又は
水とアルコールとの混合溶媒が用いられる。また、モノ
ハロゲン化酢酸及び水酸化アルカリ金属の濃度は、所望
の置換度(アルカリ金属カルボキシメチル基の置換度)
にするため任意に決定しうる事項であるが、一般的には
モノハロゲン化酢酸又はその塩の濃度は、50〜450
g/l程度が好ましく、特に100〜450g/l程度
がより好ましい。水酸化アルカリ金属の濃度は、10〜
250g/lが好ましく、特に30〜150g/lがよ
り好ましい。
【0008】この後、混合溶液が含浸された編織物生地
を圧搾する。一般的に、圧搾は、編織物生地を加圧ロー
ル間に通すことによって行う。この圧搾によって、編織
物生地は絞られ、余剰に含浸された混合溶液は除去され
る。圧搾の程度、即ち、絞り率は50〜200%程度が
好ましい。絞り率は、〔(圧搾後の編織物生地の質量−
混合溶液に浸漬する前の編織物生地の質量)/混合溶液
に浸漬する前の編織物生地の質量〕×100で表される
ものである。
【0009】このようにして、混合溶液が編織物生地に
付与された後、不活性雰囲気中で加熱処理する。ここ
で、不活性雰囲気中とは、編織物生地に付与した以外の
混合溶液とは接触させない状態ということである。従っ
て、一般的には空気中で加熱処理することになる。この
加熱処理によって、天然セルロース繊維中のセルロース
分子がモノハロゲン化酢酸又はその塩及び水酸化アルカ
リ金属と反応し、セルロース分子の水酸基の水素原子が
アルカリ金属カルボキシメチル基と置換されるのであ
る。このように、混合溶液が付与された編織物生地を不
活性雰囲気中で加熱処理するため、編織物生地を構成し
ている天然セルロース繊維の存在箇所に拘わらず、しか
も天然セルロース繊維の少なくとも表面でアルカリ金属
カルボキシメチル化され、天然セルロース繊維の少なく
とも表面にアルカリ金属カルボキシメチル化セルロース
が付着している状態となるのである。例えば、浸漬法の
如く、混合溶液中でアルカリ金属カルボキシメチル化す
る場合には、編織物生地の表面に存在する天然セルロー
ス繊維から、アルカリ金属カルボキシメチル化されて天
然セルロース繊維が膨潤する。従って、編織物生地表面
に存在する天然セルロース繊維の表面は、十分にアルカ
リ金属カルボキシメチル化されるが、編織物生地内部に
存在する天然セルロース繊維の表面は、上記膨潤によっ
て、モノハロゲン化酢酸又はその塩及び水酸化アルカリ
金属が浸透しにくくなる。依って、天然セルロース繊維
の存在箇所によって、アルカリ金属カルボキシメチル化
が不十分になる恐れがある。
【0010】加熱処理の温度条件は、60〜200℃が
好ましく、100〜180℃がより好ましい。加熱処理
の条件が60℃未満であると、天然セルロース繊維のア
ルカリ金属カルボキシメチル化が低下する、即ち、アル
カリ金属カルボキシメチル基の置換度が低下する傾向が
生じる。また、加熱処理の時間は15秒乃至30分間程
度が好ましく、特に30秒乃至10分間程度がより好ま
しい。
【0011】アルカリ金属カルボキシメチル基による置
換は、セルロース分子中のすべての水酸基に対してでは
なく、一部の水酸基に対してなされる。本発明において
は、置換度が0.1〜0.4であることが好ましい。置
換度が0.1未満であると、天然セルロースのアルカリ
金属カルボキシメチル化が不十分となり、満足のゆく糊
付加工にならない傾向が生じる。また、置換度が0.4
を超えると、洗濯時において、天然セルロース繊維が膨
潤するだけでなく、溶解してしまう恐れが生じる。な
お、天然セルロース繊維の場合、その結晶化度が80%
程度であるので、上記の範囲の置換度であれば、洗濯時
に溶解する恐れは少ない。これに対して、再生セルロー
ス繊維の場合は、結晶化度が40〜50%程度であるた
め、上記の範囲の置換度でも、洗濯時に溶解する恐れが
ある。
【0012】ここで言う置換度とは、以下の方法で、測
定及び算出されるものである。 (i)アルカリ金属カルボキシメチル化された試料1g
(但し、天然セルロース繊維の混率をY%とする。従っ
て、現実にアルカリ金属カルボキシメチル化されている
のは、概ね、1×(Y/100)gの天然セルロース繊
維である。)に、アルコール80質量部と水20質量部
の混合溶媒中で洗浄及び中和を施した後、80%メタノ
ール溶液中で塩酸によって、酸型に変換する。ここで、
酸型に変形するとは、アルカリ金属カルボキシメチル基
〔−CH2COOM〕をカルボキシメチル基〔−CH2
OOH〕に変換することである。 (ii)80%メタノール溶液で十分洗浄後、絶乾して、
秤量を測定し、その秤量がXgとする。 (iii )絶乾後の天然セルロース繊維を一定量のN/1
0水酸化ナトリウム水溶液で溶解する。 (iv)フェノールフタレイン指示薬を入れ、過剰の水酸
化ナトリウムをN/10塩酸で中和滴定して、その使用
量をSmlとする。 (v)同時に空試験を行い、N/10塩酸の使用量をB
mlとする。 (vi)置換度を次式により計算する。
【0013】この加熱処理後、得られた天然セルロース
繊維編織物中には、一般的に未反応のモノハロゲン化酢
酸又はその塩,又は水酸化アルカリ金属が残留している
ので、これらを除去するために洗浄を行う。そして、こ
の洗浄後、乾燥して目的とする耐久糊付加工の施された
天然セルロース繊維編織物を得ることができる。
【0014】また、本発明においては、アルカリ金属カ
ルボキシメチル化された天然セルロース繊維のアルカリ
金属カルボキシメチル基のアルカリ金属を、多価金属で
置換することも好ましいことである。アルカリ金属カル
ボキシメチル化された天然セルロース繊維表面は、水に
濡れたとき、ヌル味が出る傾向がある。そこで、アルカ
リ金属カルボキシメチル基のアルカリ金属の少なくとも
一部を多価金属で置換すると、多価金属によって、セル
ロース分子間が架橋され、上記したヌル味が緩和される
のである。多価金属としては、2価又は3価以上の金属
であればどのようなものでも使用しうるが、特に、カル
シウム,亜鉛,銀又は銅を使用するのが好ましい。更
に、天然セルロース繊維に抗菌効果を与えるには、亜
鉛,銀又は銅を使用するのが最も好ましい。アルカリ金
属カルボキシメチル基のアルカリ金属を多価金属に置換
する方法としては、上記した方法で得られた天然セルロ
ース繊維編織物に、多価金属塩の水溶液を、浸漬や噴霧
等の手段で付与すれば良い。なお、多価金属塩の水溶液
としては、塩化カルシウム水溶液,塩化亜鉛水溶液,硝
酸銀水溶液,硫酸銅水溶液等が用いられる。
【0015】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する
が、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明
は、天然セルロース繊維表面をアルカリ金属カルボキシ
メチルメチル化又は多価金属カルボキシメチル化する
と、糊付加工したのと同様の状態となり、しかもこの糊
付加工は耐久性があるとの発見に基づくものとして解釈
されるべきである。
【0016】実施例1 綿繊維100%で構成される20番手の紡績糸を準備し
た。この紡績糸を経糸及び緯糸に用いて、経糸密度60
本/吋で緯糸密度60本/吋の織物生地(サイフ地:目
付166g/m2)を得た。この織物生地を、モノクロ
ル酢酸ソーダ塩300g/l及び水酸化ナトリウム60
g/lよりなる混合溶液(溶媒は水)に浸漬した後、圧
搾して、絞り率100%とした。その後、空気中で15
0℃,3分間加熱処理した。そして、加熱処理後、エタ
ノール80%及び水20%の混合溶剤と酢酸とを用い
て、中和洗浄し、プレス乾燥して、綿繊維がアルカリ金
属カルボキシメチル化された織物を得た。この耐久糊付
加工が施された織物中の綿繊維に対するアルカリ金属カ
ルボキシメチル基の置換度は、0.14であった。
【0017】得られた織物の糊付加工の程度を評価する
ため、その剛軟度(硬さ)を測定した。剛軟度は、JI
S L 1096記載の45°カンチレバー法に準拠し
て測定した。実施例1に係る方法で得られた織物の剛軟
度は、経67mmで緯74mmであった。また、この織
物に30回の家庭洗濯を施した後の剛軟度を測定したと
ころ、経65mmで緯70mmであった。更に、比較の
ため、糊付加工前の織物生地の剛軟度を測定したとこ
ろ、経50mmで緯31mmであった。また、この織物
生地に、30回の家庭洗濯を施した後の剛軟度を測定し
たところ、経55mmで緯35mmであった。なお、剛
軟度は、その値が大きいほど硬いことを示している。こ
れらの結果から明らかなように、実施例1に係る方法で
得られた織物は、糊付加工が施されていない織物生地に
比べて、当初から洗濯後に至るまで、所定の硬さを維持
しており、耐久性のある糊付加工が施されていることが
分かる。
【0018】実施例2 水酸化ナトリウムの濃度を120g/lとする他は、実
施例1と同様の方法により、耐久糊付加工が施された織
物を得た。この織物中の綿繊維に対するアルカリ金属カ
ルボキシメチル基の置換度は、0.16であった。この
織物の剛軟度を、実施例1と同様の方法で測定したとこ
ろ、経122mmで緯119mmであった。また、30
回の家庭洗濯を施した後の剛軟度は、経125mmで緯
115mmであった。従って、実施例2に係る方法で得
られた織物も、糊付加工が施されていない織物生地に比
べて、当初から洗濯後に至るまで、所定の硬さを維持し
ており、耐久性のある糊付加工が施されていることが分
かる。更に、実施例1に係る織物に比べて、アルカリ金
属カルボキシメチル基の置換度が大きいため、その硬さ
の程度も硬いことが分かる。
【0019】実施例3 綿繊維35%とポリエステル繊維65%で構成される4
5番手の混紡糸を準備した。この混紡糸を双糸として、
経糸及び緯糸に用いて、経糸密度100本/吋で緯糸密
度55本/吋の織物生地(ウェザー地:目付163g/
2)を得た。この織物生地を、モノクロル酢酸ソーダ
塩300g/l及び水酸化ナトリウム120g/lより
なる混合溶液(溶媒は水)に浸漬し、その後は、実施例
1と同様の方法で、耐久糊付加工が施された織物を得
た。織物中の綿繊維に対するアルカリ金属カルボキシメ
チル基の置換度は、0.20であった。
【0020】得られた織物の剛軟度を、実施例1と同一
の方法で測定したところ、経98mmで緯110mmで
あった。また、この織物に30回の家庭洗濯を施した後
の剛軟度を測定したところ、経95mmで緯115mm
であった。比較のため、糊付加工前の織物生地の剛軟度
を測定したところ、経76mmで緯60mmであった。
また、この織物生地に、30回の家庭洗濯を施した後の
剛軟度を測定したところ、経79mmで緯62mmであ
った。これらの結果から明らかなように、実施例3に係
る方法で得られた織物は、糊付加工が施されていない織
物生地に比べて、当初から洗濯後に至るまで、所定の硬
さを維持しており、耐久性のある糊付加工が施されてい
ることが分かる。
【0021】実施例4 実施例1に係る方法で得られた耐久糊付加工が施された
織物に、その表面のヌル味をとるため、以下の処理を追
加した。即ち、濃度20質量%の塩化カルシウム水溶液
に、この織物を浸漬し、その後、洗浄及びプレス乾燥を
行って、ヌル味のない耐久糊付加工が施された織物を得
た。実施例4に係る方法で得られた織物の剛軟度は、経
60mmで緯67mmであった。また、この織物に30
回の家庭洗濯を施した後の剛軟度を測定したところ、経
59mmで緯63mmであった。更に、ヌル味感を評価
したところ、実施例1に係る方法で得られた織物に比べ
て、ヌル味の無いものであった。なお、ヌル味感は、織
物を濡らして脱水した後、手で触ってヌル味が有るか無
いかで評価した。
【0022】実施例5 実施例2に係る方法で得られた耐久糊付加工が施された
織物に、その表面のヌル味をとるため、以下の処理を追
加した。即ち、濃度20質量%の塩化カルシウム水溶液
に、この織物を浸漬し、その後、洗浄及びプレス乾燥を
行って、ヌル味のない耐久糊付加工が施された織物を得
た。実施例5に係る方法で得られた織物の剛軟度は、経
103mmで緯101mmであった。また、この織物に
30回の家庭洗濯を施した後の剛軟度を測定したとこ
ろ、経106mmで緯98mmであった。更に、ヌル味
感を評価したところ、実施例2に係る方法で得られた織
物に比べて、ヌル味の無いものであった。
【0023】実施例6 実施例3に係る方法で得られた耐久糊付加工が施された
織物に、その表面のヌル味をとるため、以下の処理を追
加した。即ち、濃度20質量%の塩化カルシウム水溶液
に、この織物を浸漬し、その後、洗浄及びプレス乾燥を
行って、ヌル味のない耐久糊付加工が施された織物を得
た。実施例6に係る方法で得られた織物の剛軟度は、経
83mmで緯93mmであった。また、この織物に30
回の家庭洗濯を施した後の剛軟度を測定したところ、経
81mmで緯98mmであった。更に、ヌル味感を評価
したところ、実施例3に係る方法で得られた織物に比べ
て、ヌル味の無いものであった。
【0024】
【作用及び発明の効果】本発明に係る方法で得られた天
然セルロース繊維編織物は、編織物中の天然セルロース
繊維の少なくとも表面がアルカリ金属カルボキシメチル
化又は多価金属カルボキシメチル化されているので、洗
濯時等の水に濡れたとき、天然セルロース繊維表面は膨
潤して、糊の如き状態になる。従って、これをこのまま
乾燥し、アイロン等でセットすると、糊付加工されたの
と同様の状態となる。即ち、本発明に係る方法で得られ
た天然セルロース繊維編織物は、洗濯後において糊剤を
付与しなくとも、糊付加工されたのと同様の状態に仕上
がる。上記した作用により、本発明は、従来行っていた
糊剤による糊付加工が不要になるという効果を奏する。
また、洗濯時に、天然セルロース繊維表面が膨潤するの
で、天然セルロース繊維表面に付着した汚れも、落ちや
すいという効果を奏する。従って、本発明によれば、耐
久性のある糊付加工が施された天然セルロース繊維編織
物が得られ、産業上有益なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 稔 愛知県西春日井郡西枇杷島町子新田1番地 の2 東海染工株式会社内 Fターム(参考) 3B154 AA02 AB20 AB21 BA05 BA60 BB03 BB12 BB32 BD17 BE01 BE05 BF30 DA15 DA18 DA21 4L031 AA02 AA18 AB32 AB33 BA07 BA11 CA01 4L033 AA02 AA07 AB05 AB06 AC12 BA17 DA02 DA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然セルロース繊維を含む編織物生地
    を、モノハロゲン化酢酸又はその塩と水酸化アルカリ金
    属との混合溶液に浸漬した後、圧搾し、次いで不活性雰
    囲気中で加熱処理し、該天然セルロース繊維表面をアル
    カリ金属カルボキシメチル化することを特徴とする耐久
    性のある糊付加工が施された天然セルロース繊維編織物
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 天然セルロース繊維を含む編織物生地
    を、モノハロゲン化酢酸又はその塩と水酸化アルカリ金
    属との混合溶液に浸漬した後、圧搾し、次いで不活性雰
    囲気中で加熱処理し、該天然セルロース繊維表面をアル
    カリ金属カルボキシメチル化した後、多価金属塩水溶液
    を付与することによって、アルカリ金属カルボキシメチ
    ル基のアルカリ金属の少なくとも一部を多価金属に置換
    することを特徴とする耐久性のある糊付加工が施された
    天然セルロース繊維編織物の製造方法。
  3. 【請求項3】 多価金属が、カルシウム,亜鉛,銀又は
    銅である請求項2記載の耐久性のある糊付加工が施され
    た天然セルロース繊維編織物の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属カルボキシメチル化された
    天然セルロース繊維のアルカリ金属カルボキシメチル基
    による置換度が、0.1〜0.4である請求項1乃至3
    のいずれか一項に記載の耐久性のある糊付加工が施され
    た天然セルロース繊維編織物の製造方法。
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