JP3023888B2 - 易崩壊性不織布の製造方法 - Google Patents

易崩壊性不織布の製造方法

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【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、水中で容易に崩壊する不織布の製造方法に
関するものである。
【従来の技術】
不織布は種々の用途に用いられており、例えば、外用
薬用基布やガーゼの代替品等として用いられている。こ
れらの用途に用いられた場合、衛生上の観点より、速や
かに廃棄する必要があった。 このため、従来より、水洗トイレ等で水と共に流して
廃棄しうるように、水溶性繊維で構成された易崩壊性の
不織布が種々開発されている。例えば、ポリビニルアル
コール繊維等の本来的に水溶性の繊維で不織布を構成
し、易崩壊性不織布を得るという方法等が知られてい
る。 一方、本来的には非水溶性繊維であるセルロース繊維
を用いて、易崩壊性不織布を得る方法が種々提案されて
いる。例えば、再生セルロース連続フィラメントよりな
る不織布を、溶媒にモノハロゲン化酢酸又はその塩と水
酸化アルカリ金属とを溶解させた混合溶液(以下、単に
「混合溶液」と言うこともある。)中に浸漬し、長時間
加熱処理する方法が提案されている(特開昭56−15458
号公報や特開昭61−75864号公報を参照の事。)。この
方法により、セルロースフィラメントとモノハロゲン化
酢酸等が反応し、セルロースフィラメントはアルカリ金
属カルボキシメチル化されて水溶性となり、得られた不
織布は水中で容易に崩壊するのである。なお、混合溶液
を調整する際に用いる溶媒としては、一般的にアルコー
ルと水との混合溶媒が用いられる。これは、水を溶媒と
すると反応中にセルロースフィラメントが溶解し始め、
不織布が崩壊するからがである。 ところで、不織布の繊維組織は不均一であって、繊維
密度の粗な部分と密な部分とが存在する。繊維組織の粗
な部分は混合溶液が流入しやすく、繊維密度の密な部分
は混合溶液が流入しにくい。このような粗密部分を共に
均一に反応させるためには、浸漬処理中に混合溶液と不
織布との混合攪拌を十分に行わなければならない。しか
し、混合攪拌を行うと不織布が崩壊してしまうという危
険があった。 このため、前記特開昭56−15458号公報等には、不織
布をロール状に巻回し、且つ不織布の巻回層間にプラス
チックネットや波板を挟み、そしてロール軸方向から混
合溶液を流入させる方法が記載されている。 しかしながら、この場合にも、不織布の粗密部分にお
いて混合溶液の流入の難易があり、均一な反応は困難で
あった。更に、反応が進行すると、セルロースフィラメ
ントの親水化が進み、混合溶媒の一つである水を吸収
し、セルロースフィラメントが膨潤する。従って、繊維
密度の密な部分では、更に混合溶液の流入が困難にな
り、結局密な部分では表面のみの反応が進行し、内部に
亙って反応が進行しないという欠点があった。 また、上記の技術においては、未反応の混合溶液を不
織布中に流入させながら反応を進行させなければなら
ず、混合溶液を多量に使用しなければならないという欠
点があった。更に、不織布を巻回しロールにして処理す
る方法は、、バッチ式で行わなければならず、生産性が
向上しないという欠点があった。これらの欠点は、結局
製造コストが高価になり、得られる易崩壊性不織布も高
価になるという欠点を惹起する。
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者等は下記(1)〜(3)の点につき
種々検討した結果、これらの検討項目をすべて満足させ
る方法を見出し、本発明に到達したのである。 (1)繊維組織の不均一な不織布であっても、構成繊維
であるセルロース繊維を均一にアルカリ金属カルボキシ
メチル化する方法。また、均一に反応させることによっ
て、得られる易崩壊性不織布の振動崩壊度を5〜50回の
範囲とする方法。 (2)製造コスト低減のため、混合溶液の使用量を減少
させる方法。 (3)生産性の向上のため、バッチ式で処理するのに代
えて、連続式で処理する方法。
【課題を解決するための手段及び作用】
即ち、本発明は、モノハロゲン化酢酸又はその塩と水
酸化アルカリ金属との混合溶液(但し、混合溶液中に架
橋剤は含まない。)に、セルロース繊維を主体として構
成された不織布を浸漬した後、圧搾し、次いで不活性雰
囲気中で加熱処理し、該加熱処理によってセルロース繊
維をアルカリ金属カルボキシメチル化することを特徴と
する、振動崩壊度が5〜50回である易崩壊性不織布の製
造方法に関するものである。 まず、本発明においては、セルロース繊維を主体とす
る不織布を準備する。セルロース繊維は、セルロース分
子の水酸基の水素原子が未だアルカリ金属カルボキシメ
チル基で置換されていないものである。具体的には、綿
等の天然セルロース繊維,ビスコースレーヨン繊維や銅
アンモニアレーヨン繊維等の再生セルロース繊維を用い
ることができる。セルロース繊維の繊維長は、任意に決
定しうる事項であるが、実用的には5〜150mm、特に好
ましくは15〜150mm程度が良い。セルロース繊維の繊維
長が5mm未満になると、繊維相互間の絡まりが少なく、
機械的強度に優れた実用性のある易崩壊性不織布を得ら
れにくくなるという傾向が生じる。また、セルロース繊
維の繊維長が150mmを超えると、セルロース繊維をアル
カリ金属カルボキシメチル化しても、繊維相互間の絡ま
りが解けにくくなり、不織布が崩壊しにくくなるという
傾向が生じる。 この不織布は、セルロース繊維を主体とし、所望に応
じて他のポリオレフィン系繊維,ポリエステル繊維,ポ
リアミド繊維等を混合することもできる。不織布中にお
けるセルロース繊維の量は、一般的に言って50重量%以
上が好ましい。セルロース繊維の量が50重量%未満にな
ると、セルロース繊維をアルカリ金属カルボキシメチル
化しても、他の繊維の存在のため、水中で崩壊しにくい
傾向が生じる。 本発明において採用される不織布の種類としては、ニ
ードルパンチ不織布,水流絡合不織布,バインダーボン
ド不織布(プリントボンド不織布を含む),ファイバー
ボンド不織布等の従来公知のものが用いられる。なお、
バインダーボンド不織布を用いる際には、バインダーが
部分的に付与された不織布、例えばプリントボンド不織
布を採用するのが好ましい。全面的にバインダーが付与
された不織布は、バインダーが網目状の連続した皮膜を
形成している場合が多く、水中においてこの皮膜が残
り、不織布の崩壊能が低下するからである。 本発明で用いる不織布の目付は、15〜250g/m2である
ことが好ましい。不織布の目付が15g/m2未満であると、
実用性のある製品が得られない傾向となる。また、逆に
不織布の目付が250g/m2を超えると、構成繊維の量が多
くなりすぎて、セルロース繊維をアルカリ金属カルボキ
シメチル化しても、水中で容易に崩壊しない傾向が生じ
る。 次に、この不織布を、モノハロゲン化酢酸又はその塩
と水酸化アルカリ金属との混合溶液に浸漬する。一般的
には、浸漬は、混合溶液を入れた浴に不織布を漬けるこ
とによって行う。モノハロゲン化酢酸又はその塩として
は、一般的にモノクロル酢酸が用いられ、水酸化アルカ
リ金属としては、水酸化ナトリウムが用いられる。モノ
ハロゲン化酢酸又はその塩と水酸化アルカリ金属との混
合溶液を調整するために、溶媒として水,アルコール,
又は水とアルコールとの混合溶媒が用いられる。また、
モノハロゲン化酢酸等の濃度は、所望の置換度にするた
め任意に決定しうる事項であるが、一般的にはモノハロ
ゲン化酢酸又はその塩の濃度は、50〜450g/程度が好
ましく、水酸化アルカリ金属の濃度は、10〜250g/が
好ましい。なお、この混合溶液中には、架橋剤は含まれ
ていない。架橋剤が含まれていると、セルロース分子間
が架橋され、水中で容易に崩壊する不織布が得られな
い。 この後、混合溶液が含浸された不織布を圧搾する。一
般的に、圧搾は、不織布を加圧ロール間に通すことによ
って行う。この圧搾によって、不織布は絞られ、余剰に
含浸された混合溶液が除去されるわけである。 この圧搾は、本発明において以下の如き二つの特別な
意味を持つものである。第一は、混合溶液を圧搾するこ
とにより、繊維重量当たりに使用する混合溶液の量が著
しく低減できるということである。前記した従来技術に
係る方法においては、繊維重量に対して、20〜50倍もの
混合溶液が必要であったが、圧搾によりこれの0.5〜2
倍の混合溶液で十分となる。従って、従来技術における
混合溶液使用量に対して、1/10〜1/100程度の使用量と
なる。 第二は、繊維組織が粗密な不織布であっても、均一に
反応が進行するこということである。即ち、不織布を混
合溶液に浸漬すると、余剰の混合溶液が不織布に付与さ
れた状態となっている。そして、これを圧搾すると、不
織布の繊維密度に応じて混合溶液の量が調節されるので
ある。つまり、繊維密度の密な部分には多量の混合溶液
が付与され、繊維密度の粗な部分には少量の混合溶液が
付与された状態となるのである。これは、混合溶液が微
細な繊維間隙に保持されるためであり、繊維密度の密な
部分は微細な繊維間隙が多く存在し、繊維密度の粗な部
分は微細な繊維間隙が少ないためである。以上説明した
ように、この圧搾によって、不織布の繊維密度が密な部
分も粗な部分も繊維重量当たりほぼ同量の混合溶液が付
与されることになるのである。 本発明において、圧搾の程度即ち絞り率は50〜200%
程度が好ましい。絞り率は、〔(圧搾後の不織布の重量
−混合溶液に浸漬する前の不織布の重量)/混合溶液に
浸漬する前の不織布の重量〕×100で表されるものであ
る。 このようにして、混合溶液が不織布の繊維密度に応じ
て付与された後、不活性雰囲気中で加熱処理される。こ
こで、不活性雰囲気中とは、不織布に付与した以外の混
合溶液とは接触させない状態ということである。従っ
て、一般的には空気中で加熱処理されることになる。 加熱処理の条件は、100〜200℃で、15秒乃至30分間程
度が好ましい。この加熱処理によって、セルロース繊維
中のセルロース分子がモノハロゲン化酢酸又はその塩及
び水酸化アルカリ金属と反応し、セルロース分子の水酸
基の水素原子がアルカリ金属カルボキシメチル基と置換
されるのである。このようにして、セルロース繊維はア
ルカリ金属カルボキシメチル化され、不織布に水に対す
る崩壊能が与えられるのである。 本発明においては、加熱処理を不活性雰囲気中で行う
ので、混合溶液を調整する際の溶媒として水のみを用い
ることもできる。即ち、従来技術に係る方法で加熱処理
すると、反応の進行と共にセルロース繊維が混合溶液中
に溶解してしまうため、混合溶液中の溶媒として水を使
用できなかった。しかるに、本発明においては、混合溶
液が付与された時点ではセルロース繊維は未だ反応して
おらず、水に不溶である。これを不活性雰囲気中で加熱
処理することにより、反応は進行するが、溶媒である水
は加熱処理時に蒸発してしまう。従って、反応後のセル
ロース繊維上には水分が残留しておらず、依って反応後
のセルロース繊維が溶解したり、不織布が崩壊したりす
ることがない。従って、本発明に係る方法では高価なア
ルコール溶媒を使用しなくとも、安価な水で混合溶液を
調整することができる。勿論、本発明においても、アル
コールを溶媒として用いて、或いは水とアルコールとの
混合溶媒を用いて、混合溶液を調整しても何ら差し支え
ない。また、前記したように本発明においては、加熱処
理を短時間で行うこともでき、非常に生産性の高い連続
式製造法を採用することも可能となる。 アルカリ金属カルボキシメチル基による置換は、セル
ロース分子中のすべての水酸基に対してではなく、一部
の水酸基に対してなされる。本発明においては、実施例
中で後述する測定方法による置換度が、0.05〜0.5であ
ることが好ましい。置換度が0.05未満であると、得られ
た不織布が水中で崩壊しにくくなる傾向が生じる。ま
た、置換度が0.5を超えると、得られた不織布の機械的
強度が低下する傾向が生じる。 この加熱処理後、得られた不織布中には、一般的に未
反応のモノハロゲン化酢酸又はその塩,又は水酸化アル
カリ金属が残留しているので、これらを除去するために
洗浄を行う。洗浄は、中性水又は塩基性水で行うと、ア
ルカリ金属カルボキシメチル化されたセルロース繊維が
溶解し、不織布が崩壊する恐れがあるため、酸性水,ア
ルコール又はアルコールと水との混合溶剤で行うのが好
ましい。現実には、中和の目的で弱酸性としたアルコー
ルと水との混合溶剤がより好ましい。アルコールと水と
を混合する理由は、アルコールのみでは中和及び洗浄が
不充分となる傾向が生じ、また水のみでは不織布が崩壊
する傾向が生じるからである。また、アルコールと水と
の混合割合は、アルコール95〜59%程度,水5〜50%程
度が好ましい。なお、アルコールとしては、メタノー
ル,エタノール,イソプロパノール等を用いるのが好ま
しい。そして、この洗浄後、乾燥して目的とする易崩壊
性不織布を得ることができる。 なお、本発明で言う水中で容易に崩壊する不織布と
は、実施例中で後述する測定方法による振動崩壊度が、
5〜50回の範囲の不織布を言う。振動崩壊度が5回未満
であると、易崩壊性不織布の使用のされ方により(例え
ば、水を浸して使用するような場合)、使用中に崩壊す
る恐れが生じる。また、振動崩壊度が50回を超えると、
水中で崩壊しにくくなる。
【実施例】
実施例1〜3及び比較例1 繊維長40mmのビスコースレーヨン繊維100重量%から
なる目付30g/m2の水流ジェット法による水流絡合不織布
を準備した。この不織布を、第1表に示すモノクロル酢
酸と水酸化ナトリウムの混合溶液(溶媒は水)に浸漬し
た後、圧搾して絞り率100%とした。その後、空気中で1
20℃,15分間加熱処理した。 加熱処理後、エタノール80%及び水20%の混合溶剤と
酢酸とを用いて、中和洗浄し、乾燥して易崩壊性不織布
を得た。この易崩壊性不織布中のアルカリ金属カルボキ
シメチル化されたセルロース繊維の置換度及びこの易崩
壊性不織布の振動崩壊度を測定したところ、第1表に示
す結果を得た。 また、この実施例で用いた不織布に何らの処理も施さ
ずに、置換度及び振動崩壊度を測定したものを、比較例
1として第1表に示した。 この結果、実施例1〜3に係る不織布は、一定の振動
崩壊度を示し、水中で容易に崩壊することが実証され
た。 (注) 1)置換度は以下〜の手順の測定方法によって測定
する。 得られた易崩壊性不織布1gを、80%メタノール溶液中
でHClによって、酸型に変化する。ここで、酸型に変換
するとは、アルカリ金属カルボキシメチル基〔−CH2COO
M〕をカルボキシメチル基〔−CH2COOH〕に変換すること
である。 80%メタノール溶液で十分洗浄後、絶乾して、秤量
し、Xgとする。 絶乾後の不織布を一定量のN/10水酸化ナトリウム水溶
液で溶解する。 フェノールフタレイン指示薬を入れ、過剰の水酸化ナ
トリウムをN/10塩酸で中和滴定して、その使用量をSml
とする。 同時に空試験を行い、N/10塩酸の使用量をBmlとす
る。 置換度を次式により計算する。 (注) 2)振動崩壊度は以下〜の手順の測定方法によって
測定する。 容量600ml,内径50mmの円筒形のガラス製シリンダー容
器に、水300mlと測定されるべき不織布(60mm×60mm)
一枚を投入し、密栓する。 シリンダーを水平にして、水平振動器に設置する。 シリンダーの軸方向に振幅100mm,1サイクル1.0秒の振
動を与える。 測定されるべき不織布が完全崩壊するまで、の振動
を与える 測定されるべき不織布が完全崩壊したときのの振動
回数を振動崩壊度とする。 なお、完全崩壊とは、測定されるべき不織布の構成繊
維が一本づつバラバラになった状態を言い、現実的には
ピンセットで不織布を把持して持ち上げた場合、ピンセ
ットで把持した部分しか持ち上がらないことを言う。 実施例4〜6及び比較例2 繊維長35mmのビスコースレーヨン繊維100重量%から
なる目付60g/m2の不織布を準備した。この不織布は、平
行細線状にバインダーがプリントされた、いわゆるプリ
ントボンドタイプのものであった。この不織布を、第2
表に示すモノクロル酢酸のナトリウム塩と水酸化ナトリ
ウムの混合溶液(溶媒は水)に浸漬した後、圧搾して絞
り率100%とした。その後、空気中で160℃,5分間加熱処
理した。 加熱処理後、実施例1〜3と同一の方法で洗浄し、且
つ同一の方法で置換度及び振動崩壊度を測定し、第2表
に示す結果を得た。 また、この実施例で用いた不織布に何らの処理も施さ
ずに、置換度及び及び振動崩壊度を測定したものを、比
較例2として第2表に示した。 この結果、実施例4〜6に係る易崩壊性不織布は、一
定の振動崩壊度を示し、水中で容易に崩壊することが実
証された。 (注)1),2)は実施例1(第1表)と同じ。 実施例7〜9及び比較例3 繊維長約25mmの綿100重量%からなる目付30g/m2の不
織布を準備した。この不織布は、湿式法で作成されたも
のであった。この不織布を、第3表に示すモノクロル酢
酸と水酸化ナトリウムの混合溶液(溶媒は水)に浸漬し
た後、圧搾して絞り率100%とした。その後、空気中で1
50℃,20分間加熱処理した。 加熱処理後、実施例1〜3と同一の方法で洗浄し、且
つ同一の方法で置換度及び振動崩壊度を測定し、第3表
に示す結果を得た。 また、この実施例で用いた不織布に何らの処理も施さ
ずに、置換度及び振動崩壊度を測定したものを、比較例
3として第3表に示した。 この結果、実施例7〜9に係る易崩壊性不織布は、一
定の振動崩壊度を示し、水中に容易に崩壊することが実
証された。 (注)1),2)は実施例1(第1表)と同じ。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る製造方法は、所定
の不織布を混合溶液に浸漬した後、圧搾するので、不織
布の繊維密度の密な部分には多量の混合溶液が付与され
ており、繊維密度の粗な部分には少量の混合溶液が付与
されている。そして、このような状態で加熱処理するの
で、繊維密度の密な部分に存在するセルロース繊維も粗
な部分に存在するセルロース繊維も同等にアルカリ金属
カルボキシメチル化される。従って、本発明に係る製造
方法で得られた易崩壊性不織布は、粗な部分のセルロー
ス繊維がアルカリ金属カルボキシメチル化されすぎて、
機械的強度が極端に低かったり、又は密な部分のセルロ
ース繊維が十分にアルカリ金属カルボキシメチル化され
ずに、水中で崩壊されにくいというようなことがない。
即ち、本発明は、ある程度の機械的強度を備え、且つ水
中で容易に崩壊する易崩壊性不織布、換言すれば、振動
崩壊度が5〜50回である易崩壊性不織布が得られるとい
う効果を奏するものである。 また、本発明に係る製造方法は、従来の方法の如く混
合溶液を流入させながら反応を進行させるのではなく、
不織布を混合溶液に浸漬し圧搾した後、反応を進行させ
るので、反応に不要な混合溶液は既に絞り出されてい
る。従って、従来の方法の如く混合溶液を多量に使用し
なくてもよく、製造コストを低下しうるという効果を奏
する。 また、本発明に係る製造方法においては、不織布を巻
回してロールにする必要がないので、不織布の混合溶液
への浸漬、圧搾、加熱処理を連続工程で行うことができ
る。従って、従来の方法に比べて、易崩壊性不織布の生
産性を向上しうるという効果をも奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/00 - 13/535

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モノハロゲン化酢酸又はその塩と水酸化ア
    ルカリ金属との混合溶液(但し、混合溶液中に架橋剤は
    含まない。)に、セルロース繊維を主体として構成され
    た不織布を浸漬した後、圧搾し、次いで不活性雰囲気中
    で加熱処理し、該加熱処理によってセルロース繊維をア
    ルカリ金属カルボキシメチル化することを特徴とする、
    振動崩壊度が5〜50回である易崩壊性不織布の製造方
    法。
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