JP2898623B1 - 吸湿発熱性セルロース繊維およびその製造方法 - Google Patents

吸湿発熱性セルロース繊維およびその製造方法

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Abstract

【要約】 【課題】 優れた吸湿発熱性を有し、その洗濯耐久性も
高く、しかも未加工と同等のセルロース繊維の風合を有
しているセルロース繊維およびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 セルロース100重量部に対してN-メ
チロール(メタ)アクリルアミド(N-MAM)が0.3
〜2.5重量部、−COOX(X:H,NH4またはアル
カリ金属)で示されるカルボキシル基またはアミノ基を
有する少なくとも1種の水溶性ビニル重合性化合物が5
〜45重量部化学結合した吸湿発熱性セルロース繊維。
N-MAMをセルロースの水酸基に結合させてセルロー
ス中にビニル基を導入する第1工程、得られたセルロー
ス誘導体を、少なくとも1種の上記水溶性ビニル重合性
化合物を上記ビニル基を開始点として重合付加する第2
工程、および重合付加したセルロース繊維を高湿度条件
下に保つ第3工程からなる上記吸湿発熱性セルロース繊
維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸湿発熱性セルロー
ス繊維およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冬季の運動着や外衣用の素材として、吸
湿発熱性の繊維が開発され、市販されている。汗をかい
て屋外へ出たり、屋外で汗をかいた場合などにその湿気
が冷されて肌寒さを感じる状況であっても、これらの繊
維素材を用いた衣料を着用することにより、汗を吸収し
た衣料は発熱するため、体を保温し、快適な状態を保持
することができる。
【0003】特公平7−59762号公報には吸放湿吸
水発熱性繊維として、親水基を高密度で強架橋してなる
化学変成体を有するアクリル系繊維、具体例として親水
基がカルボン酸ソーダであるアクリル酸系吸放湿吸水発
熱性繊維の存在、および各種繊維材料にシリカゲルやモ
レキュラーシーブのような吸湿時や吸水時に吸湿熱を発
生する乾燥剤の粉末を混合した吸放湿吸水発熱性繊維の
存在について言及している。しかし吸湿発熱性セルロー
ス繊維については記載がない。
【0004】また特開平8−311767号公報は、合
成繊維やセルロース繊維にアミノ基、カルボキシル基ま
たはヒドロキシル基を導入した湿潤発熱性繊維について
記載しており、セルロースにアンモニアおよびその誘導
体と反応する化合物を付加し、これにアンモニアおよび
その誘導体を付加することによりアミノ基を導入した湿
潤発熱性のセルロース繊維を開示している。しかしこの
発明にはセルロースにN-メチロール(メタ)アクリル
アミド(以下、N-MAMとも略称する)を付加するこ
とについても、そのビニル基を開始点として重合性ビニ
ル化合物を重合することについても記載されていない。
【0005】セルロース繊維の防しわ性、防縮性、強伸
度、染色性、風合等の性質を改良する技術として、セル
ロースにN-MAMを反応させることが知られている。
そのひとつは木綿繊維内でN-MAMの重合と縮合を起
こさせて防しわ性を改良するというものである。またセ
ルロース繊維の6位OH基にN-MAMを付加してエー
テル化セルロースを形成し、これに第2段としてこのエ
ーテル化セルロースをKOH水溶液の存在で処理するこ
とにより2位のOHと反応させてセルロースを架橋する
か、アルカリと反応させる代わりに過硫酸アンモニウム
(以下、APSと略称する)水溶液に浸漬してからキュ
アリングしてフリーラジカル重合により架橋することに
より、セルロース繊維のしわ回復性を改良するものであ
る。また第2段の改良法としてメタクリルアミド、エチ
ルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート
等を共重合することも知られている。しかし、吸湿発熱
性の付与については知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た吸湿発熱性を有し、その洗濯耐久性も高く、しかも未
加工と同等のセルロース繊維の風合を有しているセルロ
ース繊維およびこのセルロース繊維を少なくとも1成分
とするセルロース繊維製品、ならびにその製造方法を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、セルロース1
00重量部に対してN-メチロール(メタ)アクリルア
ミド(N-MAM)が0.3〜2.5重量部、−COOX
(X:H,NH4またはアルカリ金属)で示されるカル
ボキシル基またはアミノ基を有する少なくとも1種の水
溶性ビニル重合性化合物が5〜45重量部化学結合した
吸湿発熱性セルロース繊維に関する。詳しくは、本発明
は、セルロースに結合したN-MAMに上記ビニル重合
性化合物が付加重合した上記の吸湿発熱性セルロース繊
維に関する。また、本発明は、上記の吸湿発熱性セルロ
ース繊維を少なくとも1成分として含む吸湿発熱性セル
ロース繊維製品に関する。
【0008】更にまた、本発明は、N-メチロール(メ
タ)アクリルアミドを含む水溶液を含浸したセルロース
繊維またはセルロース繊維を少なくとも1成分とするセ
ルロース繊維製品中にてN-メチロール(メタ)アクリ
ルアミドをセルロースの水酸基に結合させてセルロース
中にビニル基を導入する第1工程、水溶性重合開始剤お
よび−COOX(X:H,NH4またはアルカリ金属)
で示されるカルボキシル基またはアミノ基を有する少な
くとも1種の水溶性ビニル重合性化合物を含む水溶液中
に第1工程で得られた繊維または繊維製品を浸漬し、次
いで脱水、加熱することによりセルロース中に導入され
た上記ビニル基を開始点として上記水溶性ビニル重合性
化合物を重合する第2工程、および上記水溶性ビニル重
合性化合物重合体を付加したセルロース繊維またはセル
ロース繊維を少なくとも1成分とするセルロース繊維製
品を高湿度条件下または湿潤状態下に保持したのち水洗
および乾燥を行う第3工程からなる上記の吸湿発熱性セ
ルロース繊維またはセルロース繊維製品の製造方法に関
する。
【0009】本発明の吸湿発熱性セルロース繊維は、製
造の第3工程で高湿度条件下に保たれ、特にスチーミン
グ処理が行われているため、水溶性ビニル重合性化合物
がN-MAMのビニル基開始点として付加重合して強固
にセルロースに結合している。このため、これまで得ら
れた吸湿発熱性セルロース繊維に比べてより優れた吸湿
性とより優れた発熱性を有しており、加えて洗濯等によ
り容易にその性能が低下しない耐久性を有している。ま
た一般に従来の樹脂加工によればセルロース繊維の風合
の低下が不可避であったが、本発明の吸湿発熱性セルロ
ース繊維は未加工のセルロース繊維の風合を保持してい
るという特徴がある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の吸湿発熱性セルロース繊
維は、セルロース繊維にN-MAMおよび−COOX
(X:H,NH4またはアルカリ金属)で示されるカル
ボキシル基またはアミノ基を有する少なくとも1種の水
溶性ビニル重合性化合物が化学結合したものである。本
発明においては、まずセルロースの水酸基にN-MAM
がエーテル結合で導入される。これによりセルロースに
ビニル基が導入され、このビニル基を開始点として、次
に−COOX(X:H,NH4またはアルカリ金属)で
示されるカルボキシル基またはアミノ基を有する少なく
とも1種の水溶性ビニル重合性化合物が5〜45重量部
が付加重合される。こうして導入された−COOX
(X:H,NH4またはアルカリ金属)で示されるカル
ボキシル基および/またはアミノ基によってセルロース
に優れた吸湿発熱性が付与されたものである。
【0011】N-MAMはセルロース繊維100重量部
に対して0.3〜2.5重量部、好ましくは0.5〜2.0
重量部、より好ましくは0.5〜1.5重量部の割合で導
入される。
【0012】N-MAMをセルロース繊維の水酸基にエ
ーテル結合(縮合反応)により導入する反応(第1工
程)は1〜5重量%濃度のN-MAMと0.3〜2重量%
のエーテル化触媒類、例えばNH4Clを含む室温(冬
季には10℃程度、夏季には30℃程度)の水溶液中に
セルロース繊維を1〜60秒間浸漬(Pad)し、つぎ
にセルロース繊維を水相から取り出し、含水率50〜1
10重量%まで絞った後、110〜130℃で50〜1
20秒間乾燥する(Dry)。次いでこれを140〜1
60℃で60〜180秒間熱処理する(Cure)。こ
のような処理は、以降本明細書中ではPad(室温、1
〜60秒)−Dry(110〜130℃、50〜120
秒)−Cure(140〜160℃、60〜180秒)
のように表すこともある。セルロース繊維はシルケット
処理(苛性ソーダまたは液体アンモニア)をしたものを
使用するのが好ましい。
【0013】次に、N-MAMを付加したN-MAMセル
ロースには、第2工程として水溶性ビニル重合性化合物
がN-MAMのビニル基を開始点としてグラフト重合さ
れる。水溶性ビニル重合性化合物は−COOX(X:
H,NH4またはアルカリ金属)で示されるカルボキシ
ル基またはアミノ基を有するものであり、これらの水溶
性ビニル重合性化合物は1種類であってもよいし、2種
以上が混合されていてもよい。好ましい水溶性ビニル重
合性化合物は(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリルアミドである。特に好ま
しいものは(メタ)アクリル酸ナトリウムである。水溶
性ビニル重合性化合物はセルロース繊維100重量部に
対して5〜45重量部、好ましくは7〜45重量部、よ
り好ましくは10〜45重量部である。
【0014】水溶性ビニル重合性化合物をN-MAMセ
ルロースにグラフトする第2工程の反応は、次の条件で
行われる。水溶性ビニル重合化合物を5〜30重量%、
苛性アルカリを0〜14重量%および水溶性ラジカル重
合開始剤を0.1〜1重量%の濃度で溶解した水溶液中
に、第1工程で得られたN-MAMセルロースを浴比
1:10〜1:50で上記水溶液に浸漬し、Pad(室
温、1〜60秒)−Dry(110〜130℃、50〜
120秒)の条件で処理を行う。Padした後の絞り率
は50〜110%が好ましい。加熱によりN-MAMセ
ルロース中のN-MAMのビニル基から重合性化合物の
重合が開始され、セルロースに−COOX(X:H,N
4またはアルカリ金属)で示されるカルボキシル基ま
たはアミノ基をもった重合体がグラフトされる。セルロ
ース間に部分的に架橋が形成されても問題ではない。第
2工程の反応に於ける、苛性アルカリとしては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等を利用できる。また水溶
液ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素等を利
用できる。
【0015】第2工程の加熱反応で得られたグラフト化
セルロースは、第3工程として高湿度条件下に保持する
ことにより、セルロースへのグラフトがセットされる。
高湿度条件下とは、60〜100%RHの範囲の湿度条
件を意味し、必ずしも高温であることを意味しない。こ
れは更にキスロール方式により湿った状態におくことを
含む。しかし湿度70〜100%RHで室温(冬季には
10℃程度、夏季には30℃程度)〜110℃の温度に
保持するのがより好ましく、特に湿度90〜100%R
Hで100〜110℃の過熱スチーマー中に保持するこ
とが好ましい。保持時間は、湿度および温度条件により
異なるが、1分〜12時間で十分である。高湿度条件下
に保持するこのような処理により、得られたセルロース
繊維は、洗濯を含む長期の使用にわたって高い樹脂付加
率を、したがって高い湿潤発熱性を保持することができ
る。これが本発明の大きな特徴となっている。高湿度条
件下に保持する工程が終わった後、グラフト化セルロー
スは水洗して乾燥される。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。実施例 1 苛性シルケット上がりの木綿セルロース繊維100%の
ブロードを、N-メチロールアクリルアミドを3重量%
と塩化アンモニウムを1重量%溶解した室温(10℃)
の水溶液(加工液)に、浴比1:50で10秒間浸漬し
た。セルロースを加工液から取り出し、絞り率60%で
加工液を絞りとった後、130℃で1分間乾燥し、次い
で150℃で2分間熱処理した。〔以上第1工程〕 次に、メタクリル酸を15重量%、水酸化ナトリウムを
7重量%および過硫酸アンモニウムを0.5重量%溶解
した室温の水溶液(加工液)に、第1工程で得られたブ
ロードを浴比1:50で浸漬した。10秒後ブロードを
加工液から取り出し、絞り率60%で加工液を絞り取っ
た後、130℃の乾燥機中で2分間加熱した。〔以上第
2工程〕 加熱処理したブロードは、100℃の過熱スチーマーで
3分間スチーミングを行った。次いで水洗、乾燥を行っ
て吸湿発熱性セルロース繊維製品を得た。〔以上第3工
程〕 得られた吸湿発熱性セルロース繊維製品の樹脂付加率は
10.1%であった。ここで、樹脂付加率は次式によっ
て与えられる数値である:
【数1】
【0017】実施例 2 綿100%のブロードの代わりに、T(ポリエステル)
/C(綿)(45/55)のブロードを用いた以外は実
施例1と同様にして吸湿発熱性セルロース繊維製品を得
た。 樹脂付加率:9.7%。
【0018】実施例 3 綿100%のブロードの代わりに、綿100%ニットを
用い絞り率を80%にした以外は実施例1と同様にして
吸湿発熱性セルロース繊維製品を得た。 樹脂付加率:17.8%。
【0019】実施例 4 綿100%のブロードの代わりに、レーヨン主体スパン
レース(レーヨン/ポリエステル=70/30)を用い
絞り率を110%にした以外は実施例1と同様にして吸
湿発熱性セルロース繊維製品を得た。 樹脂付加率:19.3%。
【0020】比較例 1 実施例1において、第3工程のスチーミングを行わず、
第2工程終了後、水洗、乾燥しセルロース繊維製品を得
た。 樹脂付加率:3.7%。
【0021】比較例 2 実施例2において、第3工程のスチーミングを行わず、
第2工程終了後、水洗、乾燥し、セルロース繊維製品を
得た。 樹脂付加率:3.5%。
【0022】比較例 3 実施例3において、第3工程のスチーミングを行わず、
第2工程終了後、水洗、乾燥しセルロース繊維製品を得
た。 樹脂付加率:4.2%。
【0023】比較例 4 実施例4において、第3工程のスチーミングを行わず、
第2工程終了後、水洗、乾燥しセルロース繊維製品を得
た。 樹脂付加率:4.9%。
【0024】吸湿発熱性およびその洗濯耐久性の評価 実施例1〜実施例4で得られた加工生地およびこれを下
記の条件で洗濯10回行ったものについて、下記のよう
にして吸湿発熱性およびその洗濯耐久性を評価した。ま
た比較として、未処理のセルロース繊維製品および第3
工程を行わなかったもの(比較例1〜比較例4)を同時
に評価した。結果を図1〜図4および表1〜表4に示し
た。
【0025】〔吸湿発熱性試験法〕絶乾処理し30℃に
保持した試料生地を30℃×90%RHの環境下に移
し、直後から10分間にわたって試料表面温度の変化を
「サーモビュア」(NEC三栄(株)製)を用いて経時
的に測定した。測定は試料を木枠に固定して通気性を確
保した状態で行い、更に試料表面温度は、中心部分の平
均値をとった。 サーモビュアの使用条件:検出波長 8〜13μm、放
射率 1で測定。 〔洗濯方法〕下記の条件で一定回数(10回)洗濯を行
い、吸湿発熱性、吸湿性、樹脂付着量の洗濯耐久性試験
に供した。 洗濯条件:家庭洗濯に準じたJIS L0217 103
法によった。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】樹脂付加率と吸湿率、最大温度差およびそ
れらの洗濯耐久性との関係 実施例1〜実施例4において、第2工程のメタクリル酸
および水酸化ナトリウムの濃度を変化させることにより
セルロース繊維への樹脂付加率の種々異なるものを作製
した。樹脂付加率の異なるそれぞれの試料について、下
記のようにして吸湿率および最大温度差を測定した。ま
た洗濯を10回行ったものについても同様の測定を行
い、これら特性の洗濯耐久性を評価した。得られた結果
を表5〜表8に示した。
【0031】〔吸湿率測定〕絶乾処理した試料生地を2
0℃×65%RHまたは30℃×90%RHの環境下に
移し、その重量変化から次式により求めた。
【数2】 1:20℃、65%RHまたは30℃、90%RHの環
境下24時間後の生地重量、 W0:絶乾重量。 〔最大温度差〕最大温度差とは未加工生地と加工生地と
の吸湿発熱の生地表面温度の経時変化において、ある時
間における温度差が最大となる温度差をいう。
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】
【0036】
【発明の効果】羊毛並の吸湿発熱性を有する綿等のセル
ロース繊維およびセルロース繊維製品であり、しかも従
来のセルロース繊維と同等の風合を備えている。また本
発明の吸湿発熱性繊維は、通常の繊維メーカーであれば
通常どこでも所有している加工設備である樹脂加工設備
(Pad-Dry-Cure)およびスチーマーを用いて製造できる
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】は実施例1で吸湿発熱性処理した綿ブロード、
および相当する未加工ブロード、比較例1のブロードの
吸湿による生地表面温度変化を示すグラフ。 a)加工上がり、b)洗濯10回後。
【図2】は実施例2の吸湿発熱性処理したT/Cブロー
ド、および相当する未加工T/C、比較例1のT/Cの
吸湿による生地表面温度変化を示すグラフ。 a)加工上がり、b)洗濯10回後。
【図3】は実施例3の吸湿発熱性処理した綿100%ニ
ット、および相当する未加工綿ニット、比較例1の綿ニ
ットの吸湿による生地表面温度変化を示すグラフ。a)
加工上がり、b)洗濯10回後。
【図4】は実施例4の吸湿発熱性処理したレーヨン/ポ
リエステルスパンレース、および相当する未加工スパン
レース、比較例1のスパンレースの吸湿による生地表面
温度変化を示すグラフ。a)加工上がり、b)洗濯10
回後。
【符号の説明】
1:本発明の吸湿発熱性処理した試料、 2:第3工程を実施していない樹脂加工試料、 3:未処理試料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金谷 薫 大阪府大阪市中央区久太郎町2丁目4番 31号 倉敷紡績株式会社大阪本社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 13/00 - 15/715

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース100重量部に対してN-メ
    チロール(メタ)アクリルアミドが0.3〜2.5重量
    部、−COOX(X:H,NH4またはアルカリ金属)
    で示されるカルボキシル基またはアミノ基を有する少な
    くとも1種の水溶性ビニル重合性化合物が5〜45重量
    部化学結合した吸湿発熱性セルロース繊維。
  2. 【請求項2】 セルロースに結合したN-メチロール
    (メタ)アクリルアミドに上記ビニル重合性化合物が付
    加重合した請求項1記載の吸湿発熱性セルロース繊維。
  3. 【請求項3】 ビニル重合性化合物がアクリル酸のアル
    カリ金属塩またはメタクリル酸のアルカリ金属塩である
    請求項1または2に記載の吸湿発熱性セルロース繊維。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3のいずれかに記載
    の吸湿発熱性セルロース繊維を少なくとも1成分として
    含む吸湿発熱性セルロース繊維製品。
  5. 【請求項5】 N-メチロール(メタ)アクリルアミド
    を含む水溶液を含浸したセルロース繊維中にてN-メチ
    ロール(メタ)アクリルアミドをセルロースの水酸基に
    結合させてセルロース中にビニル基を導入する第1工
    程、水溶性重合開始剤および−COOX(X:H,NH
    4またはアルカリ金属)で示されるカルボキシル基また
    はアミノ基を有する少なくとも1種の水溶性ビニル重合
    性化合物を含む水溶液中に第1工程で得られた繊維を浸
    漬し、次いで脱水、加熱することによりセルロース中に
    導入された上記ビニル基を開始点として上記水溶性ビニ
    ル重合性化合物を重合する第2工程、および上記水溶性
    ビニル重合性化合物重合体を付加したセルロース繊維を
    高湿度条件下または湿潤状態下に保持したのち水洗およ
    び乾燥を行う第3工程からなる請求項1、2または3の
    いずれかに記載の吸湿発熱性セルロース繊維の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 N-メチロール(メタ)アクリルアミド
    を含む水溶液を含浸した、セルロース繊維を少なくとも
    1成分として含むセルロース繊維製品中にてN-メチロ
    ール(メタ)アクリルアミドをセルロースの水酸基に結
    合させてセルロース中にビニル基を導入する第1工程、
    水溶性重合開始剤および−COOX(X:H,NH4
    たはアルカリ金属)で示されるカルボキシル基またはア
    ミノ基を有する少なくとも1種の水溶性ビニル重合性化
    合物を含む水溶液中に第1工程で得られた繊維製品を浸
    漬し、次いで脱水、加熱することによりセルロース中に
    導入された上記ビニル基を開始点として上記水溶性ビニ
    ル重合性化合物を重合する第2工程、および上記水溶性
    ビニル重合性化合物重合体を付加した繊維製品を高湿度
    条件下または湿潤状態下に保持したのち水洗および乾燥
    を行う第3工程からなる請求項4に記載の吸湿発熱性セ
    ルロース繊維製品の製造方法。
  7. 【請求項7】 第1工程の反応を110〜130℃の乾
    燥とそれに続く140〜160℃での熱処理、第2工程
    の反応を110〜130℃での加熱により行い、第3工
    程の高湿度条件または湿潤状態が100〜110℃の高
    温水蒸気中での蒸気処理である請求項5または6記載の
    吸湿発熱性セルロース繊維または吸湿発熱性セルロース
    繊維製品の製造方法。
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