JP6150526B2 - 吸放湿性セルロース繊維及びその製造方法 - Google Patents

吸放湿性セルロース繊維及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、親水性成分の化学結合とマーセル加工をした吸放湿性セルロース繊維及びその製造方法に関する。
吸放湿性繊維は吸湿時に発熱を伴うことから、温かい繊維として知られている。吸湿発熱性は、乾燥した繊維が湿気(水分)を吸収する際に発熱する性質であり、例えば昼間天日に当てた布団を室内に取り込んで、数時間経過し室温と同じ温度になっていても、人体の皮膚を当てると暖かく感ずる現象として知られている。
従来、吸湿発熱性繊維の製造方法として、下記特許文献1〜2には、アクリル系繊維のヒドラジン架橋処理、加水分解処理及びカルボキシル基の塩型への転換からなる高吸放湿性繊維及びその製造方法が提案されている。しかし、これらの提案はアクリル系繊維そのものの改質であり、他の繊維に応用することは困難であった。本出願人は、下記特許文献3において、セルロース繊維に、カルボン酸塩等を化学結合させた吸湿発熱性セルロース繊維を提案している。
一方、天然セルロース繊維のマーセル加工(シルケット加工とも言う)は、接触冷感を高めるもの(特許文献4)、ストレッチ性、ドレープ性、軽量感を付与するもの(特許文献5)、嵩高性を維持するもの(特許文献6)等が提案されているが、吸放湿性の改良はなされていない。
特開平5-132858号公報 特開2003-089971号公報 特開2012-149360号公報 特開2010-281002号公報 特開2001-348755号公報 特開平11-100738号公報
近年、さらに高い吸放湿性セルロース繊維の要求があるが、従来技術ではこのような要求に応ずることはできなかった。
本発明は、前記従来の技術を解決するため、吸放湿性のさらに高いセルロース繊維及びその製造方法を提供する。
本発明の吸放湿性セルロース繊維は、天然セルロース繊維に、カルボン酸塩を化学結合させたセルロースII型のセルロース繊維であって、前記セルロースII型のセルロース繊維は、X線回折図の18〜25deg(2Θ)において双耳ピークを示すセルロースII型を含み、前記セルロースII型のセルロース繊維は吸放湿性を有し、前記吸放湿性は、絶乾状態から温度30℃、湿度90%RHの状態にしたときの吸湿時の最高水分率までの差は25%以上50%以下であることを特徴とする。
本発明の吸放湿性セルロース繊維の製造方法は、セルロースI型の天然セルロース繊維に電子線照射する工程と、前記電子線照射した前記セルロースI型の天然セルロース繊維にカルボン酸基を含む化合物を接触させて化学結合させる工程と、前記カルボン酸基を含む化合物を化学結合させた前記セルロースI型の天然セルロース繊維を無緊張下で水酸化ナトリウム水溶液に浸漬又は接触させるマーセル加工により前記セルロースI型のセルロース繊維をセルロースII型に変換させる工程を含むことを特徴とする。
本発明は、天然セルロース繊維に、カルボン酸塩を化学結合させ、かつX線回折図の18〜25deg(2Θ)において双耳ピークを示すセルロースII型を含むことにより、従来にはない高い吸放湿性セルロース繊維及びその製造方法を提供できる。ここでX線回折図の18〜25deg(2Θ)において双耳ピークを示すセルロースII型のセルロース繊維は、マーセル加工することにより得られる。本発明は前記化学結合と前記マーセル加工を組み合わせることにより、相乗的に吸放湿性を向上したセルロース繊維を提供できる。
図1は本発明の実施例と比較例の吸放湿性試験のグラフである。 図2はセルロース繊維の一般的なX線回折図であり、(a)は天然セルロース(I型)、(b)はマーセル化セルロース(II型)、(c)はレーヨンなどの人工セルロース(II型)を示す。 図3は本発明の実施例1で得られた繊維のX線回折図である。 図4は本発明の実施例2で得られた繊維のX線回折図である。 図5は比較例1の繊維のX線回折図である。 図6は比較例2で得られた繊維のX線回折図である。 図7は比較例3で得られた繊維のX線回折図である。 図8は比較例4で得られた繊維のX線回折図である。 図9は本発明の実施例と比較例の乾燥試験のグラフである。
本発明者は、天然セルロース繊維にカルボン酸塩を化学結合させ、アルカリ水溶液によるマーセル加工をすると、驚くべきことに吸放湿性が相乗的に向上することを見出した。
本発明のセルロース繊維は、木綿、麻(亜麻、ラミー、ジュート、ケナフ、大麻、マニラ麻、サイザル麻、ニージーランド麻を含む)、カポック、バナナ、ヤシなどの天然繊維である。繊維は、糸、綿(ワタ)、スライバー、不織布、生地、その他のシート類等のいずれでも良く、また、生地の形態としては、織物、編物等いかなるものであっても良い。
本発明のセルロース繊維は、X線回折図の18〜25deg(2Θ)において双耳(2山)ピークを示すセルロースII型を含む。図2はセルロース繊維の一般的なX線回折図であり(セルロース学会編「セルロースの事典」,2000年11月10日,朝倉書店,214頁)、(a)は天然セルロース(I型)、(b)はマーセル化セルロース(II型)、(c)はレーヨンなどの人工セルロース(II型)を示す。本発明のセルロース繊維は(b)線グラフである。マーセル化セルロース(II型)は人工セルロース(II型)に比べて、高い位置で2山ピークを示す。したがって双耳峰ピークということができる。
前記セルロースII型はマーセル加工により発現する。マーセル加工とは、一例として木綿糸又は木綿布を、無緊張下で水酸化ナトリウム水溶液に浸漬又は接触させ、水洗し、中和処理する加工である。水酸化ナトリウムの濃度は15〜25重量%が好ましく、浸透剤を併用しても良い。浸透剤を併用しない場合の処理時間は10〜30時間程度が好ましく、浸透剤を併用する場合は10〜60分が好ましい。処理温度は0〜25℃の範囲が好ましい。浸透剤はINVADINE650(ハンツマン・ジャパン株式会社製)等がある。浸透剤の添加量は0.1〜1%ows(on the weight of solution)が好ましい。
本発明においては、繊維にカルボン酸塩を化学結合により固定する。カルボン酸塩としてはアクリル酸塩が好ましい。化学結合による重量増加率は、0.1〜50重量%であるのが好ましい。この範囲であると親水性は高く保持できる。
本発明においては、繊維に電子線照射する工程と、前記繊維にカルボン酸を含む有機基含有化合物を接触させて化学結合、好ましくはグラフト結合させる工程を含む。電子線照射工程は、カルボン酸を含む有機基含有化合物を接触させる工程の前及び/又は後であっても良い。いずれの順序としてもグラフト結合させることができる。
カルボン酸を含む有機基物質として、例えばアクリル酸を使用した場合、セルロース繊維に電子線を照射すると、下記(化1)は下記(化2)及び/又は(化3)のようにセルロースにアクリル酸がグラフト結合し、次いで中和処理により下記(化4)及び/又は(化5)に示すようにカルボン酸塩となると推測される。下記化学式において、Cellはセルロースを示す。
Figure 0006150526
Figure 0006150526
Figure 0006150526
Figure 0006150526
Figure 0006150526
電子線を照射する場合、通常は1〜200kGy、好ましくは5〜100kGy、より好ましくは10〜50kGyの照射量が達成されればよい。雰囲気条件は、窒素雰囲気下で照射を行うことが好ましく、また、素材の片面に照射するだけでもよい。電子線照射装置としては市販のものが使用可能であり、例えば、エレクトロカーテン又はエリアビーム型電子線照射装置としてEC250/15/180L(アイ・エレクトロンビーム社製)、EC300/165/800(アイ・エレクトロンビーム社製)、EPS300(NHVコーポレーション社製)などが使用される。
電子線を照射した後、加工剤を付与する場合は加工剤を付与後、水洗により未反応成分を除去し、乾燥が行われる。また、電子線照射前又は電子線照射と同時に加工剤を付与する場合は、そのまま水洗により未反応成分を除去し、乾燥が行われる。乾燥は例えば、素材を20〜85℃で0.5〜24時間保持することによって達成される。
本発明においては、予め繊維素材に対して放射線を照射した後、上記のように加工剤を付与することが好ましく、さらに加工剤を付与後に再度放射線を照射することが特に好ましい。これによって、ラジカル重合性化合物の繊維素材へのグラフト結合による化学的結合が促進され、吸湿発熱性がより有効に発現する。グラフト結合による化学的結合は、蛍光X線分析法を採用する装置、例えば走査型蛍光X線分析装置ZSX 100e((株)リガク製)によって、吸湿剤に含有される特定元素の存在を確認することによって検知できる。特定元素は例えばナトリウムである。
本発明で得られるセルロース繊維のグラフト化物の割合(グラフト率)は下記の式によって算出できる。
グラフト率(owf%)=[(EB加工後の生地重量−EB加工前の生地重量)/(EB加工前の生地重量)]×100
但し、EB加工とは、電子線照射をして(メタ)アクリル酸塩をセルロース繊維に共有結合させる加工のことである。また、owfはon the weight of fiberの略である。
以下実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜2、比較例1〜4)
<アクリル酸グラフト綿の作製>
原綿15gをエレクトロカーテン型電子線照射装置EC250/15/180L((株)アイ・エレクトロンビーム製)にて加速電圧250kVで、窒素雰囲気下、40kGy照射した。電子線照射した綿をアクリル酸(ナカライテスク株式会社製)8重量%、INVADINE650(浸透剤)(ハンツマン・ジャパン株式会社製)0.5重量%、HT−150D(大阪ケミカル工業株式会社製)(消泡剤)0.1重量%の水溶液200mLを付与し、2分間静置した。その後、マングルでスライバー質量に対して約100重量%のピックアップ率となるように絞った。その後、未反応のアクリル酸を除去するため、水洗し、乾燥することによりアクリル酸グラフト率30重量%の綿を得た。なお、グラフト率は、加工前後の質量差より算出した。
また、アクリル酸グラフト率40重量%品の綿は、電子線照射後、アクリル酸薬液を付与した後の静置時間を2分から5分にすること以外は、上記と同様の処理を行うことにより得た。
<アクリル酸グラフト綿を使用した編地の作製>
上記のように作製したアクリル酸グラフト綿(グラフト率30重量%及び40重量%)、未処理綿を一般財団法人 ボーケン品質評価機構にてクイックスピンによる糸の作製及びその糸を用いて13Gで編地を編み立てた。
<アクリル酸グラフト綿を使用した編地のマーセル化>
ボーケン品質評価機構にて作製した各種編地(未加工、アクリル酸グラフト率30重量%、アクリル酸グラフト率40重量%)に対して、水酸化ナトリウム(ナカライテスク株式会社製)20重量%、INVADINE650(浸透剤)(ハンツマン・ジャパン株式会社製)0.5重量%を浴比1:10で常温にて付与し、十分に編地に浸透させた。浸透後、十分水洗し、乾燥することにより、未処理、アクリル酸グラフト率30重量%及び40重量%の綿を使用した編地のマーセル化品 (未処理マーセル化品、グラフト率30重量%マーセル化品及びグラフト率40重量%マーセル化品) を得た。
<編地の晒し処理>
水酸化ナトリウム(ナカライテスク株式会社製)水溶液、30重量%過酸化水素水(ナカライテスク株式会社製)およびスタビライザーWC(安定化剤)(クラリアント株式会社製)の水中混合液中で前記試料(未処理、アクリル酸グラフト率30重量%、アクリル酸グラフト率40重量%、未処理マーセル化品、アクリル酸グラフト率30重量%マーセル化品及びアクリル酸グラフト率40重量%マーセル化品)を98℃で30分処理後、湯洗、水洗を行った(浴比は1:15)。前記混合液中、水酸化ナトリウムの濃度は、3g/L、30%過酸化水素水の濃度は5mL/L、スタビライザーの濃度は1g/Lであった。次に、前記試料を酢酸(ナカライテスク株式会社製)およびチオ硫酸ナトリウム・五水和物(ナカライテスク株式会社製)の水中混合液で、60℃で10分処理後、湯洗、水洗を行い(浴比は1:15)、各試料の晒し上り品とした。前記混合液中、酢酸の濃度は1mL/L、チオ硫酸ナトリウム・五水和物の濃度は3g/Lであった。以上をまとめると次のようになる。
(1)実施例1:アクリル酸グラフト率30重量%マーセル化品
(2)実施例2:アクリル酸グラフト率40重量%マーセル化品
(3)比較例1:未加工品
(4)比較例2:アクリル酸グラフトなし、マーセル化品
(5)比較例3:アクリル酸グラフト率30重量%品
(6)比較例4:アクリル酸グラフト率40重量%品
<吸放湿性試験>
吸湿条件:30℃、90%RH
放湿条件:20℃、65%RH
測定方法
(1)所定の大きさの試料を秤量瓶に採取した。
(2)試料を秤量瓶に入れたまま、110℃で2時間以上乾燥後の重量を絶乾重量(W0)とした。
(3)30℃、90%RHに調整した恒温恒湿槽内に試料を吊り下げ、15〜1380分経過時に試料を取り出し、秤量瓶に入れ、その重量を測定した。試料重量をW1とする。
(4)引き続き20℃、65%RHに調整した恒温恒湿槽内に試料を吊り下げ、15〜240分経過時に試料を取り出し、秤量瓶に入れ、その重量を測定した。試料重量をW1とする。
水分率は次の式によって求めた。
水分率(%)=[(W1−W0)/W0]×100
以上の条件と結果をまとめて表1〜2に示す。また、図1に吸放湿性データをグラフで示す。
Figure 0006150526
Figure 0006150526
表1〜2及び図1から次のことがわかる。
(1)比較例1:天然セルロース繊維の一例である綿(コットン)は、絶乾状態から吸湿時の最高水分率までの差は11.2%であり、放湿時に平衡状態になるまでの水分率の差は2.6%である。
(2) 比較例2:木綿(コットン)のマーセル化処理物は、絶乾状態から吸湿時の最高水分率までの差は14.9%であり、放湿時に平衡状態になるまでの水分率の差は3.8%である。
(3) 比較例3:木綿(コットン)にアクリル酸ナトリウムを30重量%結合させたものは、絶乾状態から吸湿時の最高水分率までの差は22.7%であり、放湿時に平衡状態になるまでの水分率の差は10.2%である。
(4) 比較例4:木綿(コットン)にアクリル酸ナトリウムを40重量%結合させたものは、絶乾状態から吸湿時の最高水分率までの差は23.2%であり、放湿時に平衡状態になるまでの水分率の差は9.7%である。
(5) 実施例1:木綿(コットン)にアクリル酸ナトリウムを30重量%結合させ、その後にマーセル加工したものは、絶乾状態から吸湿時の最高水分率までの差は37.5%であり、放湿時に平衡状態になるまでの水分率の差は17.1%である。
(6) 実施例2:木綿(コットン)にアクリル酸ナトリウムを40重量%結合させ、その後にマーセル加工したものは、絶乾状態から吸湿時の最高水分率までの差は44.0%であり、放湿時に平衡状態になるまでの水分率の差は20.9%である。
以上をまとめると表3のとおりとなる。
Figure 0006150526
表3から実施例品は、比較例品に比較して、吸放湿性が高いことが確認できた。これは親水性成分の化学結合とマーセル加工との相乗的効果によるものと考えられる。なお、絶乾状態から吸湿時の最高水分率までの差は、好ましくは25%以上、特に好ましくは30%以上である。上限は特に定められるものではないが50%程度である。また、放湿時に平衡状態になるまでの水分率の差は、好ましくは12%以上、特に好ましくは15%以上である。上限は特に定められるものではないが30%程度である。
各実施例及び比較例で得られた繊維のX線回折測定結果を下記に示す。なおX線回折測定方法はスペクトリス社製、X線回折装置、X‘Pert MRDを使用し、管電圧:45kV,管電流:40mA,測定範囲:4〜40°,X線管:Cuの条件で測定した。
(1)実施例1で得られた繊維:図3
(2)実施例2で得られた繊維:図4
(3)比較例1の繊維:図5
(4)比較例2で得られた繊維:図6
(5)比較例3で得られた繊維:図7
(6)比較例4で得られた繊維:図8
図3〜4に示すように本発明の実施例1及び実施例2のセルロース繊維は、X線回折図の18〜25deg(2Θ)において双耳(2山)ピークを示し、図2 (b)のマーセル化セルロース(II型)を含むものであった。これに対して比較例1,3〜4(図5,7〜8)はI型であった。比較例2(図6)はアクリル酸グラフトなし、マーセル化品であったので、マーセル化セルロース(II型)であった。
<洗濯乾燥性試験>
実施例1〜2及び比較例1〜4の各試料を水を用いて全自動洗濯機で洗濯後、室温にて吊り干しし、経時的に水分率を測定した。
水分率(%)=(所定時間後重量−乾燥時重量)/(乾燥時重量)X100
結果を図9に示す。洗濯乾燥性試験の結果から、実施例1及び2では脱水直後の水分率が非常に高い。また、乾燥速度も非常に遅い。したがって、保水性が高いことがわかる。
<吸湿発熱性試験>
比較例1:未処理(5cmX5.5cm編地の重量:0.448g、0.422g)
比較例2:グラフト30重量%(5cmX5.5cm編地の重量:0.282g、0.303g)
比較例3:グラフト40重量%(5cmX5.5cm編地の重量:0.250g、0.263g)
比較例4:未処理マーセル化(5cmX5.5cm編地の重量:0.538g、0.579g)
実施例1:グラフト30重量%マーセル化(5cmX5.5cm編地の重量:0.526g、0.533g)
実施例2:グラフト40重量%マーセル化(5cmX5.5cm編地の重量:0.422g、0.422g)
(1)試料生地を縦5cm、横5.5cmに切り、生地が温湿度センサーを完全に覆う程度の袋を作った。
(2)上記生地を70℃で乾燥させた。
(3)発泡スチロール製の箱にお湯(約40℃)を入れ、30℃以上90%RH以上の雰囲気を作った。
(4)生地(比較生地(未処理)と対象生地)を温度センサーに被せて、チャック付きビニール袋内にシリカゲルシート上で湿度が10%RH以下に調湿すると共に比較生地と対象生地の温度がほぼ同じになるまで待った。
(5)(3)の雰囲気中に(4)の試料を素早く移し、10秒ごとに10分間の温度の経時変化を記録した。
試験結果を表4に示す。
Figure 0006150526
表4に示すように、本発明の実施例1及び2のグラフト化+マーセル化のセルロース繊維は最大温度差が高かった。
本発明の吸放湿性セルロース繊維は、衣料、カーペット、壁紙、椅子張り、寝具類などに適用できる。

Claims (7)

  1. 天然セルロース繊維に、カルボン酸塩を化学結合させたセルロースII型のセルロース繊維であって、
    前記セルロースII型のセルロース繊維は、X線回折図の18〜25deg(2Θ)において双耳ピークを示すセルロースII型を含み、
    前記セルロースII型のセルロース繊維は吸放湿性を有し、前記吸放湿性は、絶乾状態から温度30℃、湿度90%RHの状態にしたときの吸湿時の最高水分率までの差は25%以上50%以下であることを特徴とする吸放湿性セルロース繊維。
  2. 前記セルロースII型は、セルロースI型の天然セルロース繊維を無緊張下で水酸化ナトリウム水溶液に浸漬又は接触させるマーセル加工により発現する請求項1に記載の吸放湿性セルロース繊維。
  3. 前記カルボン酸塩は(メタ)アクリル酸塩である請求項1に記載の吸放湿性セルロース繊維。
  4. 前記化学結合による重量増加率は、0.1〜50重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸放湿性セルロース繊維。
  5. 前記吸放湿性セルロース繊維は、わた、不織布、糸又は生地の状態である請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸放湿性セルロース繊維。
  6. セルロースI型の天然セルロース繊維に電子線照射する工程と、
    前記電子線照射した前記セルロースI型の天然セルロース繊維にカルボン酸基を含む化合物を接触させて化学結合させる工程と、
    前記カルボン酸基を含む化合物を化学結合させた前記セルロースI型の天然セルロース繊維を無緊張下で水酸化ナトリウム水溶液に浸漬又は接触させるマーセル加工により前記セルロースI型のセルロース繊維をセルロースII型に変換させる工程を含むことを特徴とする吸放湿性セルロース繊維の製造方法。
  7. 前記マーセル加工はわた、不織布、糸又は生地の状態で処理する請求項6に記載の吸放湿性セルロース繊維の製造方法。
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