JP2001348755A - 新規風合いを有する綿混複合織物及びその製造方法 - Google Patents

新規風合いを有する綿混複合織物及びその製造方法

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JP2001348755A
JP2001348755A JP2000164627A JP2000164627A JP2001348755A JP 2001348755 A JP2001348755 A JP 2001348755A JP 2000164627 A JP2000164627 A JP 2000164627A JP 2000164627 A JP2000164627 A JP 2000164627A JP 2001348755 A JP2001348755 A JP 2001348755A
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cotton
fiber
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blend composite
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Sukehiro Nishida
右広 西田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ブラウス等婦人用薄地織物のみならずコート、
ジャケット、パンツ、スカート等外衣用途にも好適な風
合いがソフトであり適度な嵩高性、ストレッチ性、ドレ
ープ性を有し更には軽量感を具備する全く新規な風合い
を有する綿混複合織物を提供すること。 【解決手段】ポリエステル異収縮混繊糸等の熱可塑性合
成繊維とJIS L−1095.9.32方法にて測定
されるバリウム活性数が120以上の実質的にマーセル
化された綿繊維が混用されてなることを特徴とする新規
風合いを有する綿混複合織物で、熱可塑性合成繊維と綿
繊維の混用織物を水酸化ナトリウム濃厚溶液で処理した
後、低温で無緊張状態でマーセル化処理を施すことによ
り製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は風合いがソフトで、
適度な嵩高性、ストレッチ性を有し更には軽量感を兼備
する新規風合いを有するブラウス等婦人用薄地織物ある
いはコート、ジャケット等外衣用途に好適な綿混複合織
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から熱可塑性合成繊維と綿紡績糸或
いは綿混紡糸との組み合わせによるタウンユース、アウ
トドアユースのカジュアルウェア分野に於いては綿又は
セルロース系繊維による織物が主流を占めていた。昨今
では綿混ナイロン織物やそれにポリウレタン弾性糸を組
み合わせてストレッチ性を付与した織物が市場に広く受
け入れられており、その地位を認められつつある。それ
らの商品は適度なはり腰感、弾撥性を有するが、風合い
が粗硬であり、膨らみ感に欠ける為に手持ち感として重
く感じられ、なおかつドレープ性に欠ける、触感が冷た
いという問題を抱えていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来か
らの問題を解決し、ソフトなタッチ、軽い手持ち感、適
度なドレープ性、暖かみのある触感を有する綿混複合織
物を提供することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に
本発明は基本的に以下の構成を有する。即ち本発明の織
物に係る発明は、熱可塑性合成繊維とJIS L−10
95.9.32方法にて測定されるバリウム活性数が1
20以上の綿繊維が混率40〜70重量%:30〜60
重量%の割合で混用されてなることを特徴とする新規風
合いを有する綿混複合織物である。そして具体的には、
熱可塑性合成繊維が異収縮混繊糸からなるからなること
を特徴とする上記記載の新規風合いを有する綿混複合織
物、綿繊維が実質的にマーセル化されてなることを特徴
とする上記記載の新規風合いを有する綿混複合織物、経
糸及び/又は緯糸の一部、或いは経糸又は緯糸の何れか
一方に綿繊維が配されてなることを特徴とする上記記載
の新規風合いを有する綿混複合織物、綿繊維が綿紡績糸
又は綿混紡糸であることを特徴とする上記記載の新規風
合いを有する綿混複合織物、熱可塑性合成繊維が主とし
て経糸に、綿繊維が主として緯糸に配されてなることを
特徴とする上記記載の新規風合いを有する綿混複合織
物、熱可塑性合成繊維が10重量%未満のアルカリ減量
を施されてなるポリエステル系繊維からなることを特徴
とする上記記載の新規風合いを有する綿混複合織物、及
びポリエステル異収縮混繊糸が少なくとも一部に自発伸
長能を有するポリエステルマルチフィラメント糸を含ん
でなることを特徴とする上記記載の新規風合いを有する
綿混複合織物である。
【0005】また本発明の織物の製造方法に係る発明
は、熱可塑性合成繊維と綿繊維の混用織物を5〜40重
量%の水酸化ナトリウム濃厚溶液で処理した後、0〜3
0℃の低温条件下で綿繊維の収縮、膨潤が阻害されない
ような条件でマーセル化処理を施すことを特徴とする新
規風合いを有する綿混複合織物の製造方法である。そし
て具体的には、水酸化ナトリウム濃厚溶液処理がパデイ
ングであることを特徴とする上記記載の新規風合いを有
する綿混複合織物の製造方法、マーセル化処理を実質的
に無緊張状態で施すことを特徴とする上記記載の新規風
合いを有する綿混複合織物の製造方法、マーセル化処理
をテンションレスネットコンベア方式のドライヤー若し
くはリラクサーを用いて施すことを特徴とする上記記載
の新規風合いを有する綿混複合織物の製造方法、綿繊維
のマーセル化処理を施す際に熱可塑性合成繊維に10重
量%未満のアルカリ減量処理を施すことを特徴とする上
記記載の新規風合いを有する綿混複合織物の製造方法、
毛焼きされた綿繊維を使用することを特徴とする上記記
載の新規風合いを有する綿混複合織物の製造方法、及び
熱可塑性合成繊維と綿繊維の混用織物を水酸化ナトリウ
ム濃厚溶液で処理する前に、精練・漂白、巾出し乾燥を
行うことを特徴とする上記記載の新規風合いを有する綿
混複合織物の製造方法である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係る複合織物に使用される綿繊維はマーセル化されてい
ることが特徴である。綿繊維のマーセル化は一般に綿糸
或いは綿布に対して水酸化ナトリウム濃厚水溶液を処方
し緊張下で処理することにより絹様光沢を付与する加工
をいう。特に綿布のマーセル化は通常、緊張下で20〜
25%程度の水酸化ナトリウム水溶液を使用し室温程度
で処理し、セルロースの結晶構造がセルロースIからセ
ルロースIIに変化することによって綿繊維の断面が円形
に近づくと共にルーメンの捩れがなくなる。その効果に
よって絹様光沢が与えられ、且つ結晶化度低下による吸
湿性、染色性、強度が増加するという特徴を有する。
【0007】本発明では、綿繊維が殆ど無緊張の状態に
て水酸化ナトリウム濃厚水溶液をパディング等による処
理を施し、十分に綿繊維に吸水・膨潤させ、織物の巾方
向・長さ方向に収縮を妨げられない条件で、比較的低温
にてフリー収縮させる。熱処理によって適度な膨らみ
感、軽量感、ソフトな風合いを付与することができる。
更には綿繊維以外の繊維を熱可塑性合成繊維、とりわけ
ポリエステル異収縮混繊糸、更には自発伸長成分を少な
くとも一部に含むポリエステル異収縮混繊糸を使用する
ことにより、染色工程における湿熱処理にて糸長差が発
現し、これにより布帛に適度な嵩高感を付与できる。更
に水酸化ナトリウム濃厚水溶液によるポリエステル側の
アルカリ減量がより促進され、且つ繊維間空隙が大きく
なる効果から更なる風合いの向上を図ることが出来るこ
とを見出した。
【0008】綿繊維以外の熱可塑性合成繊維の異収縮混
繊糸としては上記ポリエステル系繊維の他にポリアミ
ド、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル等も例示さ
れるが、上記のような効果を鑑みると水酸化ナトリウム
水溶液にて加水分解され繊維間空隙を与え尚且つ比較的
簡単に収縮率差を付与し得るポリエステル系繊維が最も
好適に使用される。但し、ここでいうポリエステル繊維
とは主な繰り返し単位がエチレンテレフタレートである
ポリエチレンテレフタレートの他、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリテトラ
メチレンテレフタレート等々、エステル結合を有するポ
リマーのホモポリマー或いはコポリマー、ブレンドポリ
マーを原料としてなる繊維を指す。セルロースジアセテ
ート、セルローストリアセテート等の酢化セルロースは
水酸化ナトリウムによって鹸化され、ピラノース環の酢
酸基が水酸基に置換しセルロースに戻る為、事実上セル
ロースリッチな織物となり従来のシルケット綿織物同様
の風合いを呈してしまい使用には適さない。
【0009】本発明の織物を構成する綿繊維は1999
年度版JIS L−1095.9.32にて示されるバ
リウム活性数が120以上の数値を示していることが必
要である。該バリウム活性数については115以上の数
値をもつことによって綿繊維がマーセル化されているこ
とを示すものである。バリウム活性数が高い程、マーセ
ル化が促進されていることを意味し、120未満の領域
では風合い変化が小さく本発明の意図するソフトな触
感、軽量感を満足させるものにはならない。該バリウム
活性値は120以上、好ましくは135以上、さらに好
ましくは150以上とすることによってソフトで暖かみ
のある触感、軽い手持ち感、適度なドレープ性を有する
綿混複合織物とすることが可能となる。
【0010】綿混比率については織物を構成する全繊維
重量に対して30〜60重量%が綿繊維で占められてい
ることが望ましい。綿混比率が30重量%未満の範囲で
は綿繊維が少なすぎ、膨らみ感、嵩高感に乏しいものに
なってしまう。また、該綿混比率が60重量%を超過す
る範囲ではマーセル化綿の風合いが色濃く出てしまい、
シルケット綿100%使い織物同様の風合いを呈するも
のとなり、適度な膨らみ、嵩高感を有するものとなる
が、合成繊維特有のドレープ性が欠乏しており、何等新
規性を感じさせるものにはならない。
【0011】本発明の新規風合いを有する綿混複合織物
は経糸及び/又は緯糸の一部、或いは経糸又は緯糸の何
れか一方に綿紡績糸又は綿混紡糸を使用し、その他の部
分は熱可塑性合成繊維の異収縮混繊糸を使用、若しくは
熱可塑性合成繊維の異収縮混繊糸が主に経糸、綿紡績糸
又は綿混紡糸が主に緯糸で構成されていることが好まし
く、特に熱可塑性合成繊維の異収縮混繊糸がポリエステ
ル系繊維であり主に経糸、綿紡績糸又は綿混紡糸が主に
緯糸で構成されていることが織物の外観品位、風合い及
び製法の面からより好ましいと言える。
【0012】綿のマーセル化は織物生機を得た後に、綿
毛焼き・精練漂白・乾燥巾出し後に水酸化ナトリウム濃
厚水溶液を使用して適度のオーバーフィード条件下で張
力が極力かからない状態にて反応促進される。当然、綿
繊維以外に合成繊維、特にポリエステル系繊維を使用し
ている場合は水酸化ナトリウムによる加水分解が生じ、
減量されるが該減量率としては全ポリエステル系繊維重
量に対し10重量%未満であることが望ましい。減量率
が10%を超過する範囲、即ち通常のポリエステル系繊
維のみから構成されるアルカリ減量率の範囲となると水
酸化ナトリウム水溶液による加水分解を高温で実施する
必要がありマーセル化は促進されず、本発明の目的とす
る新規風合いを織物に付与することが出来ず、従来のポ
リエステル綿混織物と何等変わらない風合いのものにし
か仕上らない。
【0013】本発明では綿繊維のマーセル化を主目的と
して水酸化ナトリウム濃厚水溶液を用いているために、
従来のポリエステル系繊維のアルカリ減量条件からすれ
ば反応温度は低く抑えている為に、元々ポリエステルサ
イドの減量は促進されない。故に、ポリエステル系繊維
側は染色加工工程中の湿熱処理にて糸長差、繊維間空隙
が生じる異収縮混繊糸或いは、自発伸長成分を一部に含
む異収縮混繊糸を用いることによって低率減量にても適
度な膨らみ感、嵩高感、ドレープ性を与えることが出来
る。異収縮混繊糸を構成するポリエステル系繊維を例え
ば5ナトリウムスルフォイソフタル酸やイソフタル酸等
の共重合成分を有するポリエステルを使用した原糸とす
れば従来のポリエチレンテレフタレート対比で低温条件
にても減量がより促進され好ましい。ポリエステル繊維
への自発伸長能付与方法については特に限定を加えるも
のではないが、例えば特許第1805111号公報、特
許第2700022号公報、等に記載の方法を用いて製
造することが出来る。
【0014】本発明の新規風合いを有する綿混複合織物
の製造方法としては上記の如く作成した生機を綿毛焼き
・精練漂白・巾出し乾燥した後、水酸化ナトリウム濃度
として5〜40重量%の水酸化ナトリウム濃厚溶液をパ
ディングし0〜30℃の低温条件下で、事実上綿繊維の
収縮、膨潤が阻害されないようなオーバーフィード条件
で処理し綿繊維のマーセル化を促進させる。綿のマーセ
ル化については上述の如く低温、テンションレス条件が
効果大であり、連続的に加工・処理する為には経糸方向
にどうしても張力がかかり易く、綿繊維を経糸として用
いた生機よりは綿繊維を緯糸に用いた方が加工工程を考
慮するとより好ましく、特に経糸としてポリエステル異
収縮混繊糸、ひいては自発伸長成分を一部に含むポリエ
ステル異収縮混繊糸を使用すると綿繊維のみでは実現出
来なかった適度な膨らみ感、ドレープ性、上品な光沢を
織物に付与することが出来る。
【0015】水酸化ナトリウム水溶液濃度が40重量%
を超過する高濃度溶液は低温となると水酸化ナトリウム
が偏析し易くなり、配管や処理槽に付着し生産工程に支
障を来すばかりでなく困難な濃度コントロール、高い薬
剤コストを余儀なくされ好ましくない。一方、5重量%
未満の濃度となると綿繊維を完全マーセル化させる為に
は超低温での処理が必要となる。溶媒が水である為、水
酸化ナトリウムを溶解した際の氷点降下を加味しても0
℃未満の温度領域では工程通過性、工程管理面で問題が
生じ、好ましい条件ではなく、水酸化ナトリウム濃度と
して5〜40重量%の水溶液を使用することが望まし
い。
【0016】処理温度に関しては0〜30℃条件で実施
することが望ましく、0℃未満の範囲であれば、上述の
如く水酸化ナトリウム水溶液の氷点近傍となり工程通過
性、工程管理面で好ましい条件ではない。また30℃を
超過する範囲に於いて綿繊維を完全マーセル化せしめる
には水酸化ナトリウム水溶液濃度を高濃度とする必要が
あり水酸化ナトリウムの偏析による諸問題を引き起こし
好ましい条件ではなく、15〜25℃程度の室温条件で
処理することが望ましい。
【0017】本発明の複合織物の織組織、織物密度に関
しては特に限定を加えるものではなく、平織、綾織、朱
子織、またはそれらを応用してなる変化組織にて製織さ
れ、密度についても風合いや用途、物性等に応じて適宜
選択してよい。使用する織機に関しても限定を加えるも
のではないが、綿混織物故に緯糸挿入に水性液体を使用
するウォータージェットルームの使用では製織後に生機
乾燥させることが重要であり公定水分率が高い綿繊維を
含んだ織物の乾燥は工程条件的に困難であるばかりか、
綿紡績糸、綿混紡糸を緯糸挿入する際は綿カス等による
ノズル詰まりを誘発易く、使用に適さない。上記を考慮
するとレピアルーム、エアージェットルーム、プロジェ
クタイルルームの使用が好適であり、とりわけ生産性の
観点からエアージェットルームの使用が適していると言
える。
【0018】本発明の複合織物を生産する加工工程とし
ては綿繊維の毛焼き、精練・漂白、巾出し乾燥後に低温
アルカリパディング処理し、次工程である染色、仕上げ
セットを実施するが、濃厚水酸化ナトリウム水溶液を使
用している為に綿繊維マーセル化反反応後の湯洗い洗
浄、酸中和、水洗は十分に実施する必要があり、生地の
アルカリ残存は染め斑等の要因となり注意を要する。低
温アルカリパディング処理では拡布状態で水酸化ナトリ
ウム濃厚水溶液を付与するが、該処理に使用する処理装
置について通常綿繊維のマーセル化に使用されている連
続シルケット加工装置、マーセライジング装置、パッド
スチーマー等の機種では特に経糸方向に過度の張力が掛
かってしまい、綿のマーセル化が促進されにくい他、生
地風合いが偏平化してしまう為、本発明の意図するソフ
トな触感、適度な嵩高性、軽量感を織物に付与すること
が出来ず使用には適さない。テンションレスネットコン
ベア方式のドライヤー若しくはリラクサーを使用し、出
来うる限り無緊張状態にて綿繊維のマーセル化を促進さ
せることが織物の風合い、品位、性能を考慮すると必要
となる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。尚、本発明は下記実施例に何等限定されるもので
はない。本文中及び実施例中の物性値、測定値は以下の
測定方法によるものである。
【0020】(バリウム活性数)1999年度版 JI
S L−1095.9.32に示される測定方法に従
い、綿繊維のバリウム活性数を求めた。
【0021】(沸水収縮率)試料(糸条)を枠周1.1
25mの検尺機を使用し初荷重0.09g/dtexを
掛けて120回/分の速度で巻返し、巻き回数20回の
小カセを作成し、初荷重の40倍の荷重を掛けてカセ長
L0(mm)を測定する。次いで荷重を外し、収縮が妨
げられない条件下で98℃±2℃の沸騰水中に30分間
浸漬した後、水平状態に保ち風乾する。風乾後に再度
0.09g/dtexの荷重を掛けてカセ長L1(m
m)を測定し、下記式に基づき沸水収縮率SHWを算出
する。尚、実験回数5回の平均値を以ってその測定値と
する。 SHW(%)=(L0−L1)/L0×100
【0022】(ポリエステル繊維のアルカリ減量率)綿
混複合織物におけるポリエステル系繊維のアルカリ減量
率としては綿繊維分が含まれているので通常の減量率測
定では測定出来ない為、使用するポリエステル系繊維の
みで該綿混織物と同規格の織物を作成し同条件の精練、
巾出しセットを実施した後、低温アルカリパディング処
理の際に該綿混織物と連結して処理し、投入繊維重量に
対する処理後の繊維重量減を評価し、ポリエステル繊維
のアルカリ減量率を求めた。減量率の算出方法は下記の
通りである。 減量率(%)=(減量前の生地重量−減量後の生地重
量)÷減量前の生地重量×100
【0023】〈実施例1〉ポリエステルマルチフィラメ
ントセミダルの通常延伸糸(商標名:東洋紡エステル)
33デシテックス18フィラメント(沸水収縮率SHW
=15%)と特許第1805111号公報記載の方法で
得たポリエステルマルチフィラメント自発伸長糸33デ
シテックス18フィラメント(沸水収縮率SHW=−3
%)を引き揃え、空気交絡処理を施し66デシテックス
36フィラメントのポリエステル異収縮混繊糸を得た。
【0024】得られたポリエステル異収縮混繊糸にS撚
方向に450回の甘撚りを施して経糸とし、緯糸として
綿コーマ糸50番単糸を用い、エアージェットルームに
て織上密度として経166本/in、緯80本/inの平織
りの生機を得た。綿繊維混率は重量比として織物全体の
43.5%であった。当該生機にガス毛焼きを施して表
面に露出する長い綿繊維の毛羽を除去し、次いで精練、
綿繊維漂白を常法に従って実施し、ヒートセッターを使
用して190℃条件で巾出しセットを実施した。
【0025】次いでパディングマングルとテンションレ
スネットドライヤーがセットになった装置を使用し、水
酸化ナトリウム濃度として30重量%の水酸化ナトリウ
ム濃厚溶液をパディングし、25℃条件で限りなく無緊
張状態に近い条件で綿のマーセル化を促進させた。次い
で湯洗い、酢酸による酸中和を実施した後水洗を繰り返
し、液流染色機にて高圧130℃で分散染料によるポリ
エステルサイドのみの染色を実施、仕上げ樹脂を付与し
た後に乾燥しヒートセッターにて160℃条件で仕上げ
セットし織物を得た。該織物の仕上げ密度は経207本
/in、緯100本/inであり、綿繊維のバリウム活性数
は152であり実質的にマーセル化されており、ポリエ
ステル系繊維のアルカリ減量率は2重量%であった。風
合いは膨らみ感に富むソフトなタッチ、適度なドレープ
性、軽い手持ち感と暖かみを感じさせる、全く新規な風
合いを有するブラウスやスプリングコート等の婦人衣料
用途に好適な織物に仕上った。
【0026】〈実施例2〉イソフタル酸成分を10モル
%共重合させたポリエチレンテレフタレートを用いポリ
エステルマルチフィラメントセミダルの高収縮延伸糸4
2デシテックス24フィラメント(沸水収縮率SHW=
60%)とポリエステルマルチフィラメントセミダルの
通常延伸糸(商標名:東洋紡エステル)42デシテック
ス36フィラメント(沸水収縮率SHW=6%)を引き
揃え空気交絡処理を施してポリエステル異収縮混繊糸8
4デシテックス60フィラメントを得た。
【0027】得られたポリエステル異収縮混繊糸にS撚
方向に400回の甘撚りを施して経糸とし、緯糸として
綿コーマ糸50番単糸を用い、エアージェットルームに
て織上密度として経220本/in、緯80本/inの5枚
朱子織の生機を得た。綿繊維混率は重量比として織物全
体重量の34.0%であった。当該生機を実施例1同様
の方法で染色加工を施し織物を仕上げた。該織物の仕上
げ密度は経265本/in、緯113本/inであり、綿繊
維のバリウム活性数は148で実質的にマーセル化され
ており、ポリエステル系繊維のアルカリ減量率は3.5
重量%であった。風合いは膨らみ感に富むソフトなタッ
チ、適度なドレープ性、軽い手持ち感と暖かみを感じさ
せ上品な光沢感を有する、新規な風合いを有するブラウ
スやスプリングコート等の婦人衣料用途に好適な織物に
仕上った。
【0028】〈比較例1〉実施例1で作成した生機を使
用し綿繊維の毛焼き、精練・漂白、巾出し迄は実施例1
同様の方法で加工を実施し、通常のポリエステルアルカ
リ減量をパッドスチーマーを使用し水酸化ナトリウム濃
度として25重量%の水酸化ナトリウム濃厚溶液を付与
し110℃条件で実施した。次いで液流染色機にて高圧
130℃で分散染料によるポリエステルサイドのみの染
色を実施、仕上げ樹脂を付与した後に乾燥しヒートセッ
ターにて160℃条件で仕上げセットし織物を得た。該
織物の仕上げ密度は経171本/in、緯101本/inで
あり、綿繊維のバリウム活性数は65でありマーセル化
されておらず、ポリエステル系繊維のアルカリ減量率は
20重量%であった。風合いは膨らみ感に富むソフトな
タッチ、適度なドレープ性を示すものとなったが何等新
規性を感じさせない織物にしか仕上らなかった。
【0029】〈比較例2〉実施例1で作成した生機を使
用し綿繊維の毛焼き、精練・漂白、巾出し迄実施例1同
様の方法で加工を進め、水酸化ナトリウム水溶液による
処理を実施せずに液流染色機にて高圧130℃で分散染
料によるポリエステルサイドのみの染色を実施、仕上げ
樹脂を付与した後に乾燥しヒートセッターにて160℃
条件で仕上げセットし織物を得た。該織物の仕上げ密度
は経167本/in、緯99本/inであった。当然、綿繊
維のマーセル化、ポリエステル系繊維の減量は何等なさ
れていない為に粗硬な風合い、重い手持ち感を示す重衣
料用途には好適であるが本発明の意図する風合いには仕
上らなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明によると、ブラウス等婦人用薄地
織物のみならずコート、ジャケット、パンツ、スカート
等外衣用途にも好適な風合いがソフトであり適度な嵩高
性、ストレッチ性、ドレープ性を有し更には軽量感を具
備する全く新規な風合いを有する綿混複合織物を得るこ
とが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06B 1/12 D06B 1/12 D06C 3/00 D06C 3/00 D06M 11/40 D06M 101:06 // D06M 101:06 101:32 101:32 9/14 Fターム(参考) 3B154 AA02 AA07 AA17 AA18 AB20 BA11 BA12 BA41 BB09 BB38 BC16 BD17 BE05 BF01 BF10 BF12 BF30 DA06 DA09 4L031 AA02 AA18 AB22 AB32 BA11 CA01 CA04 DA01 DA06 4L036 MA05 MA33 PA33 PA42 PA46 RA03 UA01 4L048 AA08 AA20 AA42 AA50 AB01 AB08 AB09 AB12 AC11 BA01 BA02 CA00 CA04 CA12 CA13 CA15 DA01 EA01 EB00 EB04 EB05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性合成繊維とJIS L−109
    5.9.32方法にて測定されるバリウム活性数が12
    0以上の綿繊維が混率40〜70重量%:30〜60重
    量%の割合で混用されてなることを特徴とする新規風合
    いを有する綿混複合織物。
  2. 【請求項2】熱可塑性合成繊維が異収縮混繊糸からなる
    からなることを特徴とする請求項1記載の新規風合いを
    有する綿混複合織物。
  3. 【請求項3】綿繊維が実質的にマーセル化されてなるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の新規風合いを有す
    る綿混複合織物。
  4. 【請求項4】経糸及び/又は緯糸の一部、或いは経糸又
    は緯糸の何れか一方に綿繊維が配されてなることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の新規風合いを有
    する綿混複合織物。
  5. 【請求項5】綿繊維が綿紡績糸又は綿混紡糸であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の新規風合
    いを有する綿混複合織物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性合成繊維が主として経糸に、綿
    繊維が主として緯糸に配されてなることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の新規風合いを有する綿混
    複合織物。
  7. 【請求項7】熱可塑性合成繊維が10重量%未満のアル
    カリ減量を施されてなるポリエステル系繊維からなるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の新規風
    合いを有する綿混複合織物。
  8. 【請求項8】 ポリエステル異収縮混繊糸が少なくとも
    一部に自発伸長能を有するポリエステルマルチフィラメ
    ント糸を含んでなることを特徴とする請求項2記載の新
    規風合いを有する綿混複合織物。
  9. 【請求項9】熱可塑性合成繊維と綿繊維の混用織物を5
    〜40重量%の水酸化ナトリウム濃厚溶液で処理した
    後、0〜30℃の低温条件下で綿繊維の収縮、膨潤が阻
    害されないような条件でマーセル化処理を施すことを特
    徴とする新規風合いを有する綿混複合織物の製造方法。
  10. 【請求項10】水酸化ナトリウム濃厚溶液処理がパデイ
    ングであることを特徴とする請求項9記載の新規風合い
    を有する綿混複合織物の製造方法。
  11. 【請求項11】マーセル化処理を実質的に無緊張状態で
    施すことを特徴とする請求項9記載の新規風合いを有す
    る綿混複合織物の製造方法。
  12. 【請求項12】マーセル化処理をテンションレスネット
    コンベア方式のドライヤー若しくはリラクサーを用いて
    施すことを特徴とする請求項11記載の新規風合いを有
    する綿混複合織物の製造方法。
  13. 【請求項13】綿繊維のマーセル化処理を施す際に熱可
    塑性合成繊維に10重量%未満のアルカリ減量処理を施
    すことを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の
    新規風合いを有する綿混複合織物の製造方法。
  14. 【請求項14】毛焼きされた綿繊維を使用することを特
    徴とする請求項9記載の新規風合いを有する綿混複合織
    物の製造方法。
  15. 【請求項15】熱可塑性合成繊維と綿繊維の混用織物を
    水酸化ナトリウム濃厚溶液で処理する前に、精練・漂
    白、巾出し乾燥を行うことを特徴とする請求項9記載の
    新規風合いを有する綿混複合織物の製造方法。
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