JP5700316B1 - 吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別な装置を使用することなく吸湿発熱性短繊維と羽毛とを均一に混合でき、且つ吸湿発熱性短繊維の性能が混合によりほとんど低下することのない吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法を提供する。【解決手段】洗浄処理した羽毛と、金属塩型カルボキシル基を4.0〜10.0meq/g含有する吸湿発熱性短繊維とを処理水中で混合し、混合して得られた吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタを脱水・乾燥する工程を含む吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法であって、混合で使用する処理水がアメリカ式硬度(CaCO3換算値)で1リットル当たり10mg以下であること、特にイオン交換水であることを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、特別なほぐし装置や混合装置を使用することなく、吸湿発熱性短繊維と羽毛とを均一に混合する吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法、及びそれから得られる吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタに関するものである。
羽毛は、軽くかつ保温性に優れているため、布団、枕、ダウンウェアー、寝具等の製品に使用されている。これらの製品に用いる羽毛にするためには、専用洗剤を含む洗浄水を使用して、汚れや羽毛以外の異物や臭気などの不要な成分を除去する洗浄工程が必要である。通常、羽毛の洗浄工程は、洗剤を含む洗浄水で攪拌下で洗浄し、その後に水ですすぎを行うものである。そして、洗浄工程の後に、脱水、乾燥し、これらの製品に用いる羽毛が得られる。
短繊維と羽毛との混合方法としては、短繊維と羽毛とを乾燥状態で混合する方法が検討されている。例えば、特許文献1では、乾燥した吸湿発熱性短繊維と羽毛とを乾燥状態で混合して得られる中地が記載され、混合方法として、乾燥雰囲気下で均一となるように混合分散する方法が提案されている。この方法では、乾燥した吸湿発熱性短繊維を用いるために短繊維にカットする際に絡み合う吸湿発熱性短繊維をほぐす工程が必須となる問題があった。また、乾燥状態で混合する方法では、乾燥雰囲気下で均一に混合するためには、羽毛を洗浄した後に乾燥し、乾燥状態で吸湿発熱性短繊維と羽毛とを均一に混合するための専用装置が必要となる問題があった。
一方、水を使った湿式の混合方法として、特許文献2では、羽毛の洗浄工程において洗浄水に吸湿発熱性短繊維を均一分散して混合する方法が提案されている。この方法は、洗浄工程と混合工程を一度に行うことで効率的な混合が可能であるが、洗浄工程で混合するために羽毛より汚れとして抽出された不要な成分が吸湿発熱性短繊維に付着したり、金属等の不要な成分によって吸湿発熱性短繊維の分散性が低下したりする問題が発生していた。
本発明は、上記の従来技術の問題を解決するためになされたものであり、特別な装置を使用することなく吸湿発熱性短繊維と羽毛とを混合でき、且つ吸湿発熱性短繊維の性能が低下することのない吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法、及びそれから得られる吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、かかる目的を解決するために鋭意検討した結果、洗浄処理した羽毛と吸湿発熱性短繊維を混合する処理水として、低硬度水、好ましくはイオン交換水、特にノニオン系界面活性剤を含有するイオン交換水を用いること、さらには羽毛の洗浄処理に使用する処理水として、低硬度水、好ましくはイオン交換水を用いることによって、上記目的を効果的に達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(5)の構成を有するものである。
(1)洗浄処理した羽毛と、金属塩型カルボキシル基を4.0〜10.0meq/g含有する吸湿発熱性短繊維とを処理水中で混合し、混合して得られた吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタを脱水・乾燥する工程を含む吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法であって、混合で使用する処理水がアメリカ式硬度(CaCO3換算値)で1リットル当たり10mg以下であることを特徴とする吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法。
(2)吸湿発熱性短繊維がナトリウム及び/又はカリウム塩型カルボキシル基を含有することを特徴とする(1)に記載の吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタ。
(3)混合で使用する処理水がイオン交換水であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法。
(4)洗浄処理した羽毛が、イオン交換水を用いて洗浄・すすぎを行なったものであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法。
(5)混合で使用する処理水が、イオン交換水に分散剤としてノニオン系界面活性剤を1リットル当たり0.1g〜2.0gを含有させたものであることを特徴とする(3)または(4)に記載の吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法。
(1)洗浄処理した羽毛と、金属塩型カルボキシル基を4.0〜10.0meq/g含有する吸湿発熱性短繊維とを処理水中で混合し、混合して得られた吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタを脱水・乾燥する工程を含む吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法であって、混合で使用する処理水がアメリカ式硬度(CaCO3換算値)で1リットル当たり10mg以下であることを特徴とする吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法。
(2)吸湿発熱性短繊維がナトリウム及び/又はカリウム塩型カルボキシル基を含有することを特徴とする(1)に記載の吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタ。
(3)混合で使用する処理水がイオン交換水であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法。
(4)洗浄処理した羽毛が、イオン交換水を用いて洗浄・すすぎを行なったものであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法。
(5)混合で使用する処理水が、イオン交換水に分散剤としてノニオン系界面活性剤を1リットル当たり0.1g〜2.0gを含有させたものであることを特徴とする(3)または(4)に記載の吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法。
本発明の吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法によれば、特別な装置を使用することなく吸湿発熱性短繊維と羽毛とを均一に混合することができ、且つ混合した吸湿発熱性短繊維の性能が混合前と比較してほとんど低下することがない。
本発明の吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法は、洗浄処理した羽毛と特定の吸湿発熱性短繊維とを特定の低硬度の処理水中で混合し、混合して得られた短繊維混入羽毛ワタを脱水・乾燥する工程を含み、これにより吸湿発熱性短繊維の性能低下を防止しながら羽毛と吸湿発熱性短繊維の均一な混合を達成するものである。
本発明に用いる羽毛は、水鳥の胸から腹部に密生しているダウンだけでなく、鳥の羽根であるフェザーも対象とし、ダウンとフェザーの任意重量割合の混合物を意味する。これらの羽毛は、羽毛布団やダウンジャケットなどの中に入れる詰め物として用いられるものである。
一般的に羽毛は、汚れが付着しているために除塵機で土等の余分な不純物を取り除き、その後に洗剤を含む洗浄液で汚れや油脂成分を洗浄除去し、脱水・乾燥したものが用いられている。
本発明に用いる吸湿発熱性短繊維は、吸湿発熱性を発揮するために金属塩型カルボキシル基を4.0〜10.0meq/g含有することが必要である。金属塩型カルボキシル基の金属としては、Li,Na,K等のアルカリ金属、Be,Mg,Ca,Ba等のアルカリ土類金属、Cu,Zn,Al,Mn,Ag,Fe,Co,Ni等の他の金属を挙げることができる。吸湿発熱性短繊維としては、吸湿発熱速度の速いナトリウム及び/又はカリウム塩型カルボキシル基を含有し、分子内に架橋構造を有するものであることが好ましい。
金属塩型カルボキシル基を含有する架橋吸湿発熱性短繊維を製造する方法としては、まず出発繊維としてアクリロニトリルを40重量%以上、好ましくは50重量%以上含有するアクリロニトリル系重合体により形成された繊維を製造する。次に得られた繊維は、ヒドラジン系化合物による架橋導入処理工程を経た後に、或いはさらに酸処理を経た後に、続いてアルカリ性金属塩水溶液により加水分解される。この処理によってカルボキシル基を形成するが、使用している薬剤がアルカリ性金属塩であるので、結局、金属塩型カルボキシル基を生成している。ここで使用するアルカリ性金属塩としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩等が挙げられる。得られた吸湿発熱性短繊維は、後工程でカットする工程が必要であるため、トウとして製造することが好ましい。
吸湿発熱性短繊維の架橋構造は、得られたアクリル系繊維に対して架橋剤としてヒドラジン系化合物を使用することによって導入することができる。この方法では、例えば窒素含有量の増加を1.0〜10.0重量%に調整し、ヒドラジン系化合物の濃度を5〜60重量%に調整し、温度50〜120℃で5時間以内で処理することによって架橋基を導入することができる。
吸湿発熱性短繊維は、カット長を1〜10mmにカットした短繊維であり、好ましいカット長は2〜6mmである。カット長が上記範囲を外れた場合には、羽毛との絡み合いがうまくいかなかったり、混合がうまくいかなくなるおそれがある。
吸湿発熱性短繊維は、太さが1〜15デニールである架橋アクリレート繊維であることが好ましく、さらに好ましくは太さが3〜10デニールである。中綿として用いた場合に、太さが上記下限未満では嵩高性が低くなりすぎたり、上記上限を超えると手触りの硬いワタとなるおそれがある。
羽毛と吸湿発熱性短繊維との混合比率は、羽毛が好ましくは20〜80重量%であり、より好ましくは30〜70重量%である。羽毛の重量割合が上記範囲を外れた場合には、羽毛と吸湿発熱性短繊維が分離して均一に混合されないおそれがある。
吸湿発熱性短繊維と羽毛とを混合する方法としては、攪拌装置付きの混合装置を用いて、その装置内の処理水中で両者を攪拌しながら混合することができる。本発明では、特定の低硬度の処理水中で吸湿発熱性短繊維と羽毛とを混合しているので、吸湿発熱性の低下が混合によってほとんど生じずに両者を均一に混合することができる。
吸湿発熱性短繊維と混合する羽毛は、洗浄処理されていることが必要である。本発明で使用する洗浄処理した羽毛は、専用洗剤を用いて洗浄・すすぎを行ない、例えば遠心脱水式で脱水を行なった後の羽毛、又はさらにその後に乾燥処理した羽毛であることが好ましい。この混合前の羽毛の洗浄処理に使用する処理水は、アメリカ式硬度(CaCO3換算値)で1リットル当たり10mg以下の低硬度水であることが好ましく、特にイオン交換水が好ましい。これらの処理水は、少なくともすすぎ工程で用いることが好ましく、さらに洗浄から混合前までの全工程に使用することが好ましい。羽毛の処理水を上記のようにすることにより、羽毛を後で吸湿発熱性短繊維と混合したときに吸湿発熱性の性能低下の影響を少なくすることができる。
洗浄処理した吸湿発熱性短繊維と羽毛の混合で使用する処理水は、アメリカ式硬度(CaCO3換算値)で1リットル当たり10mg以下の低硬度水であることが必要である。特に、イオン交換水を用いることが好ましい。また、イオン交換水以外の純水を用いることもできる。これは、処理水中の硬度成分が混合時に吸湿発熱性短繊維の性能に影響することを避けるためである。
洗浄処理した羽毛と吸湿発熱性短繊維を上述のような処理水中で混合することにより、金属イオンがほとんど存在しない状態で羽毛と吸湿発熱性短繊維を混合することができる。従って、吸湿発熱性短繊維中の金属イオンがイオン交換されることがなく、吸湿発熱性短繊維の性能低下がほとんど生じない。一方、羽毛を洗浄した水を用いた場合には、羽毛に付着した土中に含まれる金属イオンの影響を直接受けるので好ましくない。硬度が高い水を混合に用いた場合も同様の影響を受けるので好ましくない。
さらに、羽毛と吸湿発熱性短繊維との混合を容易にするために、混合に使用する処理水に対して、分散剤としてノニオン系界面活性剤を1リットル当たり0.1〜2.0g含有させることが好ましい。この方法は、混合物の量が多い場合や少ない処理水で混合させる場合に効果が大きい。ノニオン系界面活性剤としては、エステル型、エーテル型、エステルエーテル型、アルカノールアミド型、アルキルグリコシドなどの従来公知のものが使用可能である。
羽毛と吸湿発熱性短繊維の混合物の脱水方法、特に羽毛に含有する水を除去する脱水方法としては、遠心脱水方式、真空脱水方式や加圧脱水方式などが考えられるが、脱水効率とコストの面から遠心脱水方式が好ましい。遠心脱水方式は、遠心力を利用して水分を分離するもので、高速回転のドラム内に羽毛を供給し、遠心力により水を除去することができる。
本発明の製造方法による効果を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の特性値の評価は以下の方法に依った。
<金属塩型カルボキシル基量(meq/g)>
十分乾燥した加水分解後の繊維約1gを精秤し(Xg)、これに200mlの水を加えた後、50℃に加温しながら1mol/l塩酸水溶液を添加してpH2にし、次いで0.1mol/l苛性ソーダ水溶液で常法に従って滴定曲線を求めた。該滴定曲線からカルボキシル基に消費された苛性ソーダ水溶液消費量(Yml)を求め、次式によってカルボキシル基量(meq/g)を算出した。
(カルボキシル基量)=0.1Y/X
別途、上述のカルボキシル基量の測定操作中の1mol/l塩酸水溶液の添加によるpH2への調整をすることなく同様に滴定曲線を求めH型カルボキシル基量(meq/g)を求めた。これらの結果から次式により金属塩型カルボキシル基量を算出した。
(金属塩型カルボキシル基量)=(カルボキシル基量)−(H型カルボキシル基量)
十分乾燥した加水分解後の繊維約1gを精秤し(Xg)、これに200mlの水を加えた後、50℃に加温しながら1mol/l塩酸水溶液を添加してpH2にし、次いで0.1mol/l苛性ソーダ水溶液で常法に従って滴定曲線を求めた。該滴定曲線からカルボキシル基に消費された苛性ソーダ水溶液消費量(Yml)を求め、次式によってカルボキシル基量(meq/g)を算出した。
(カルボキシル基量)=0.1Y/X
別途、上述のカルボキシル基量の測定操作中の1mol/l塩酸水溶液の添加によるpH2への調整をすることなく同様に滴定曲線を求めH型カルボキシル基量(meq/g)を求めた。これらの結果から次式により金属塩型カルボキシル基量を算出した。
(金属塩型カルボキシル基量)=(カルボキシル基量)−(H型カルボキシル基量)
<金属塩型カルボキシル基量の保持率(%)>
以下の計算式で混合前後での金属塩型カルボキシル基量の保持率(%)を計算した。
金属塩型カルボキシル基量の保持率(%)=〔混合後の金属塩型カルボキシル基量÷混合前の金属塩型カルボキシル基量〕×100
以下の計算式で混合前後での金属塩型カルボキシル基量の保持率(%)を計算した。
金属塩型カルボキシル基量の保持率(%)=〔混合後の金属塩型カルボキシル基量÷混合前の金属塩型カルボキシル基量〕×100
<羽毛と吸湿発熱性短繊維との混合状態>
羽毛と吸湿発熱性短繊維との混合状態は、両者の混合後、脱水・乾燥処理を終了した吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタを以下の目視判断基準で評価した。
均一 :羽毛と吸湿発熱性短繊維との分離することなく均一に混合した状態
一部分離:羽毛又は吸湿発熱性短繊維の一部が分離した状態
分離 :羽毛と吸湿発熱性短繊維とが50%以上分離した状態
羽毛と吸湿発熱性短繊維との混合状態は、両者の混合後、脱水・乾燥処理を終了した吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタを以下の目視判断基準で評価した。
均一 :羽毛と吸湿発熱性短繊維との分離することなく均一に混合した状態
一部分離:羽毛又は吸湿発熱性短繊維の一部が分離した状態
分離 :羽毛と吸湿発熱性短繊維とが50%以上分離した状態
<水の硬度測定方法>
ハンナ社製のHI96735ポータブル全硬度測定器を用いて水中の全硬度(アメリカ式硬度CaCO3換算値)を測定した。
ハンナ社製のHI96735ポータブル全硬度測定器を用いて水中の全硬度(アメリカ式硬度CaCO3換算値)を測定した。
実施例で使用した処理水の硬度を測定した結果は以下の通りであった。
・イオン交換水:硬度0(水道水Aを市販のイオン交換樹脂を用いて処理したもの)
・低硬度調整水:硬度8(水道水Aとイオン交換水を混合して、硬度8に調整した水)
・水道水A :硬度39(岡山県岡山市水道水)
・水道水B :硬度81(岡山県倉敷市水道水)
・天然水 :硬度133(岡山県高梁市 天然水「成羽の水」)
・イオン交換水:硬度0(水道水Aを市販のイオン交換樹脂を用いて処理したもの)
・低硬度調整水:硬度8(水道水Aとイオン交換水を混合して、硬度8に調整した水)
・水道水A :硬度39(岡山県岡山市水道水)
・水道水B :硬度81(岡山県倉敷市水道水)
・天然水 :硬度133(岡山県高梁市 天然水「成羽の水」)
<吸湿発熱性短繊維Aの製造方法>
アクリロニトリル85重量%及びアクリル酸メチル15重量%からなるアクリロニトリル系重合体(30℃ジメチルホルムアミド中での極限粘度〔η〕:1.2)を48重量%のロダンソ−ダ水溶液に溶解した紡糸原液を、常法に従って紡糸、延伸した後、乾燥して原料繊維を得た。原料繊維を、ヒドラジン処理(6.4重量%、103℃で6時間)及びNaOH水溶液(5重量%、90℃で2時間)で処理した後に脱水し、水洗、乾燥を行い、4mmの長さにカットし、ナトリウム塩型カルボキシル基を4.2meq/g含有する吸湿発熱性短繊維Aを得た。得られた吸湿発熱性短繊維Aの単繊維繊度は4デニールであった。
<吸湿発熱性短繊維Bの製造方法>
吸湿発熱性短繊維Aで得られた原料繊維をNaOH水溶液の代わりにKOH水溶液(5重量%、90℃で2時間)で処理した以外は、吸湿発熱性短繊維Aと同様にしてカリウム塩型カルボキシル基を4.2meq/g含有する吸湿発熱性短繊維Bを得た。得られた吸湿発熱性短繊維Bの単繊維繊度は4デニールであった。
アクリロニトリル85重量%及びアクリル酸メチル15重量%からなるアクリロニトリル系重合体(30℃ジメチルホルムアミド中での極限粘度〔η〕:1.2)を48重量%のロダンソ−ダ水溶液に溶解した紡糸原液を、常法に従って紡糸、延伸した後、乾燥して原料繊維を得た。原料繊維を、ヒドラジン処理(6.4重量%、103℃で6時間)及びNaOH水溶液(5重量%、90℃で2時間)で処理した後に脱水し、水洗、乾燥を行い、4mmの長さにカットし、ナトリウム塩型カルボキシル基を4.2meq/g含有する吸湿発熱性短繊維Aを得た。得られた吸湿発熱性短繊維Aの単繊維繊度は4デニールであった。
<吸湿発熱性短繊維Bの製造方法>
吸湿発熱性短繊維Aで得られた原料繊維をNaOH水溶液の代わりにKOH水溶液(5重量%、90℃で2時間)で処理した以外は、吸湿発熱性短繊維Aと同様にしてカリウム塩型カルボキシル基を4.2meq/g含有する吸湿発熱性短繊維Bを得た。得られた吸湿発熱性短繊維Bの単繊維繊度は4デニールであった。
実施例1
〔羽毛洗浄工程〕
アメリカ式硬度(CaCO3換算値)が1リットル当たり0mgのイオン交換水を使用した。500リットルの脱水機能付攪拌槽に40℃に加温したイオン交換水250リットルを入れて、洗浄処理水として用いた。次に、攪拌槽に羽毛3kgを投入し、投入後10分間攪拌し、洗浄水を排水して洗浄を終了した。
〔羽毛洗浄工程〕
アメリカ式硬度(CaCO3換算値)が1リットル当たり0mgのイオン交換水を使用した。500リットルの脱水機能付攪拌槽に40℃に加温したイオン交換水250リットルを入れて、洗浄処理水として用いた。次に、攪拌槽に羽毛3kgを投入し、投入後10分間攪拌し、洗浄水を排水して洗浄を終了した。
〔羽毛すすぎ・脱水工程〕
洗浄工程後にすすぎを行った。すすぎ工程は、洗浄工程と同様にイオン交換水を用いた。イオン交換水250リットルを投入して10分間攪拌し、その後に排水する方法で行った。さらにこのすすぎと排水を2回繰り返し、その後に遠心分離方式で脱水を行い、洗浄処理した羽毛を得た。
洗浄工程後にすすぎを行った。すすぎ工程は、洗浄工程と同様にイオン交換水を用いた。イオン交換水250リットルを投入して10分間攪拌し、その後に排水する方法で行った。さらにこのすすぎと排水を2回繰り返し、その後に遠心分離方式で脱水を行い、洗浄処理した羽毛を得た。
〔羽毛と吸湿発熱性短繊維との混合工程〕
次に、同じ脱水機能付攪拌槽を使って洗浄処理した羽毛と吸湿発熱性短繊維Aの混合を処理水中で行った。具体的には、攪拌槽に洗浄処理した羽毛が残っている状態でイオン交換水250リットルを攪拌槽に入れて攪拌し、さらに吸湿発熱性短繊維Aを2kg追加投入した。投入後20分間混合し、羽毛と吸湿発熱性短繊維とを処理水中で十分に混合した。
次に、同じ脱水機能付攪拌槽を使って洗浄処理した羽毛と吸湿発熱性短繊維Aの混合を処理水中で行った。具体的には、攪拌槽に洗浄処理した羽毛が残っている状態でイオン交換水250リットルを攪拌槽に入れて攪拌し、さらに吸湿発熱性短繊維Aを2kg追加投入した。投入後20分間混合し、羽毛と吸湿発熱性短繊維とを処理水中で十分に混合した。
〔乾燥工程〕
処理水中で混合された羽毛と吸湿発熱性短繊維との混合物を遠心分離方式の脱水機能を用いて10分間脱水した。脱水処理した後に110℃の熱風乾燥機で60分間乾燥し、吸湿発熱短繊維混入羽毛ワタを得た。
処理水中で混合された羽毛と吸湿発熱性短繊維との混合物を遠心分離方式の脱水機能を用いて10分間脱水した。脱水処理した後に110℃の熱風乾燥機で60分間乾燥し、吸湿発熱短繊維混入羽毛ワタを得た。
〔評価〕
得られた吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタを前述の評価方法に従って、混合前後の吸湿発熱性短繊維中の金属塩型カルボキシル基量の保持率、及び羽毛と吸湿発熱性短繊維との混合状態の評価を行なった。その結果を製造方法の詳細とともに表1に示す。
得られた吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタを前述の評価方法に従って、混合前後の吸湿発熱性短繊維中の金属塩型カルボキシル基量の保持率、及び羽毛と吸湿発熱性短繊維との混合状態の評価を行なった。その結果を製造方法の詳細とともに表1に示す。
実施例2〜8、比較例1〜5
表1に記載の製造条件にそれぞれ変更して、実施例1と同様に吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタを製造し、評価した。その結果を製造方法の詳細とともに表1に示す。
表1に記載の製造条件にそれぞれ変更して、実施例1と同様に吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタを製造し、評価した。その結果を製造方法の詳細とともに表1に示す。
実施例9
羽毛を1.5倍の4.5kgに増加した以外には変更せずに実施例1と同様にして洗浄処理を行った羽毛を得た。次に、同じ脱水機能付攪拌槽を使って洗浄処理した羽毛と吸湿発熱性短繊維の混合を処理水中で行った。具体的には、攪拌槽に洗浄処理した羽毛が残っている状態でイオン交換水250リットルを攪拌槽に入れて攪拌し、さらにノニオン系界面活性剤処理を1リットル当たり0.5g添加し、さらに吸湿発熱性短繊維Aを3kg追加投入した。投入後20分間混合し、羽毛と吸湿発熱性短繊維とを処理水中で十分に混合した。実施例1と同様に乾燥工程を行ない、吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタを得て、評価を行なった。その結果を製造方法の詳細とともに表1に示す。
羽毛を1.5倍の4.5kgに増加した以外には変更せずに実施例1と同様にして洗浄処理を行った羽毛を得た。次に、同じ脱水機能付攪拌槽を使って洗浄処理した羽毛と吸湿発熱性短繊維の混合を処理水中で行った。具体的には、攪拌槽に洗浄処理した羽毛が残っている状態でイオン交換水250リットルを攪拌槽に入れて攪拌し、さらにノニオン系界面活性剤処理を1リットル当たり0.5g添加し、さらに吸湿発熱性短繊維Aを3kg追加投入した。投入後20分間混合し、羽毛と吸湿発熱性短繊維とを処理水中で十分に混合した。実施例1と同様に乾燥工程を行ない、吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタを得て、評価を行なった。その結果を製造方法の詳細とともに表1に示す。
表1から明らかなように、洗浄処理した羽毛と吸湿発熱性短繊維との混合に使用した処理水は、硬度が低いほど、吸湿発熱性短繊維中の金属塩型カルボキシル基量の保持率が高い。また、羽毛の洗浄処理に使用する処理水の硬度についても低いほど、前記保持率が高い。さらに、混合に使用した処理水にノニオン系界面活性剤を添加した場合は、混合物の重量を1.5倍に増加しても同様の効果が得られることがわかる。
本発明の吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法によれば、特別な装置を使用することなく吸湿発熱性短繊維と羽毛とを混合でき、且つ混合した吸湿発熱性短繊維の性能が混合前と比較してほとんど低下しないので、極めて有用である。
Claims (5)
- 洗浄処理した羽毛と、金属塩型カルボキシル基を4.0〜10.0meq/g含有する吸湿発熱性短繊維とを処理水中で混合し、混合して得られた吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタを脱水・乾燥する工程を含む吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法であって、混合で使用する処理水がアメリカ式硬度(CaCO3換算値)で1リットル当たり10mg以下であることを特徴とする吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法。
- 吸湿発熱性短繊維がナトリウム及び/又はカリウム塩型カルボキシル基を含有することを特徴とする請求項1に記載の吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタ。
- 混合で使用する処理水がイオン交換水であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法。
- 洗浄処理した羽毛が、イオン交換水を用いて洗浄・すすぎを行なったものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法。
- 混合で使用する処理水が、イオン交換水に分散剤としてノニオン系界面活性剤を1リットル当たり0.1g〜2.0gを含有させたものであることを特徴とする請求項3または4に記載の吸湿発熱性短繊維混入羽毛ワタの製造方法。
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