JP2002038179A - 回転ガス圧縮機用潤滑油組成物 - Google Patents
回転ガス圧縮機用潤滑油組成物Info
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Abstract
に規制される回転ガス圧縮機にしてストレーミスト分離
フィルタを目詰まりさせることがなく、しかも酸化安定
性に優れた潤滑油組成物の提供。 【解決手段】 RBOT値50分以上、硫黄分含有量
0.09質量%未満の基油に、リン酸エステル、亜リン
酸エステル及びチオリン酸亜鉛から選ばれるリン系化合
物の1種又は2種以上を配合する。
Description
用される潤滑油組成物に関し、詳しくはミスト分離能力
がストレーミスト量0.02g/Nm3未満であるミス
ト分離フィルタを装備した回転ガス圧縮機に使用される
潤滑油組成物に関する。
ガス、炭酸ガス、炭化水素ガス、燃焼排ガス、燃焼ガス
等のガス状物質の圧縮を目的とするベーン型、スクリュ
ー型、スクロール型等の回転圧縮機に使用される潤滑油
(圧縮機油とも称される)は、従来より、 酸化安定
性の向上、 スラッジ発生の低減、 に力点を置い
た開発が進められてきた。従来の回転ガス圧縮機用潤滑
油は、RBOT値約25分、硫黄分含有量1質量ppm
程度の高度精製鉱油などの基油に、ヒンダートフェノー
ル系酸化防止剤又は芳香族アミン系酸化防止剤を配合し
たものが多く、基油の性状を勘案した酸化防止剤の選択
により、潤滑油内に発生するスラッジ量は極限まで低減
されてきた。従って、回転ガス圧縮機のミスト分離機構
に課する条件が比較的緩慢で、ストレーミスト量が0.
02g/Nm3以上であり、しかもオイル交換のインタ
ーバルが3000〜6000時間程度と比較的短い場合
は、上記した従来の潤滑油でも、充分その役割を全うす
ることができた。
縮機用潤滑油の寿命は、その酸化安定性に比例するの
で、潤滑油の寿命を延ばすためには、潤滑油の酸化安定
性を向上させる必要がある。従来の潤滑油は、これに使
用する基油の酸化安定性に限界があるため、その酸化安
定性を向上させるためには、基油に配合する酸化安定剤
の増量に頼らざるを得ない。しかし、酸化安定剤の増量
は、必然的にスラッジを増加させる結果を招き、これに
原因して回転ガス圧縮機に設置された各種フィルターが
目詰まりを起す虞がある。特に、近年は圧縮ガス中のミ
ストを嫌うクリーン指向が強まり、圧縮ガス中のストレ
ーミスト量が0.02g/Nm3未満に規制されること
も珍しくないが、この種の回転ガス圧縮機では、スラッ
ジの増加によってミスト分離機構のフィルターが閉塞さ
れてしまう頻度は著しく増大する。従って、ストレーミ
スト量0.02g/Nm3未満の条件を満たすミスト分
離機構を備えた回転ガス圧縮機用の潤滑油として、ある
いはオイル交換インターバルを従来の3000〜600
0時間から6000〜12000時間に延長できる潤滑
油として、従来の回転ガス圧縮機用潤滑油を使用するこ
とは事実上不可能であった。本発明の目的は、オイル交
換インターバルを6000〜12000時間程度に延長
できる酸化安定性を付与することが可能であり、しか
も、ストレーミスト量を0.02g/Nm3未満に抑え
ることができるミスト分離機構を備えた回転ガス圧縮機
に使用しても、ミスト分離フィルタを目詰まりさせるこ
とのない回転ガス圧縮機用潤滑油を提供することにあ
る。
物は、ストレーミスト量を0.02g/Nm3未満に維
持できるミスト分離フィルタを備えた回転ガス圧縮機に
使用される潤滑油組成物であって、(A)当該潤滑油組
成物の基油のRBOT値が50分以上であり、しかも、
硫黄分含有量が0.09質量%未満であり、(B)当該
潤滑油組成物がリン系化合物を含有していることを特徴
とする。本発明の潤滑油組成物に配合するリン系化合物
としては、亜リン酸エステル、リン酸エステル及びチオ
リン酸亜鉛の1種又は2種以上が使用できる。
その基油としては、RBOT値が50分以上、好ましく
は60分以上であり、硫黄分含有量が0.09質量%未
満、好ましくは0.05質量%未満、より好ましくは
0.01質量%未満である鉱油及び/又は合成油が使用
される。基油のRBOT値及び硫黄分含有量は、酸化安
定性に優れ、しかもスラッジ生成の少ない潤滑油組成物
を得るための重要な条件である。ちなみに、RBOT値
50分未満又は硫黄分含有量0.09質量%以上の基油
を使用した場合には、圧縮機油に必要な酸化安定性を確
保するために、これに比較的多量の酸化防止剤を配合し
なければならないことから、スラッジの発生が増加する
虞がある。なお、ここでいうRBOT値とは、JIS
K2514−1993「潤滑油−酸化安定度試験方法」
の「6.回転ボンベ式酸化安定度試験方法」に準拠して
測定される値を意味し、また、硫黄分含有量とは、JI
S K2541−1996「原油及び石油製品−硫黄分
試験方法」の「4.微量電量滴定式酸化法」に準拠して
測定される値を意味する。硫黄分含有量はともかく、R
BOT値が50分以上である鉱油は、事実上、これを取
得することが困難であるので、本発明の潤滑油組成物の
基油は、通常、合成油のみか、あるいは合成油と鉱油の
混合物からなる。しかし、基油に使用する鉱油は単種で
ある必要はなく、同様にして合成油も単種である必要な
ない。そして、基油に使用する個々の鉱油及び/又は合
成油は、個々に上記したRBOT値及び硫黄分含有量の
関する上記の規定を満たしている必要はなく、混合後の
油のRBOT値が50分以上で、硫黄分含有量が0.0
9質量%以下あればよい。基油に使用可能な鉱油として
は、例えば、原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られ
た潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、
溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土
処理等の精製処理などを適宜組み合わせて精製したパラ
フィン系、ナフテン系などの油を挙げることができる。
また、基油に使用可能な合成油としては、例えば、プロ
ピレンオリゴマー、ポリブテン、ポリイソブチレン、1
−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレ
ンとプロピレンのコオリゴマー、エチレンと1−オクテ
ンのコオリゴマー、エチレンと1−デセンのコオリゴマ
ー等のポリα−オレフィン又はそれらの水素化物;イソ
パラフィン;モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼ
ン、ポリアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン、モノ
アルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアル
キルナフタレン等のアルキルナフタレン;ジオクチルア
ジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソ
デシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−
エチルヘキシルセバケート、ジトリデシルグルタレート
等の二塩基酸エステル;トリメリット酸エステル等の三
塩基酸エステル;トリメチロールプロパンカプリレー
ト、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエ
リスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリス
リトールペラルゴネート等のポリオールエステル;ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
オキシエチレンオキシプロピレングリコール、ポリエチ
レングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコー
ルモノエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレン
グリコールモノエーテル、ポリエチレングリコールジエ
ーテル、ポリプロピレングリコールジエーテル、ポリオ
キシエチレンオキシプロピレングリコールジエーテル等
のポリグリコール;モノアルキルジフェニルエーテル、
ジアルキルジフェニルエーテル、モノアルキルトリフェ
ニルエーテル、ジアルキルトリフェニルエーテル、テト
ラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエー
テル、ジアルキルテトラフェニルエーテル、ペンタフェ
ニルエーテル等のフェニルエーテル;シリコーン油;パ
ーフルオロエーテル等のフルオロエーテル;等を例示す
ることができる。
通常含まず、基油自体の酸化安定性が優れている点で、
(A−1)アルキル基を少なくとも1個以上有するアル
キルナフタレン、(A−2)アルキル基を少なくとも1
個以上有するアルキルフェニルエーテル、(A−3)シ
リコーン油(A−4)フルオロエーテルの群から選ばれ
る合成油の1種又は2種以上を使用することが好まし
い。 (A−1)に属する合成油としては、炭素数1〜24、
好ましくは炭素数1〜20のアルキル基を1〜7個、好
ましくは1〜4個有するアルキルナフタレンが挙げられ
る。アルキルナフタレンのアルキル基は直鎖状でも分枝
状でも良く、具体的には、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖状又
は分枝状ペンチル基、直鎖状又は分枝状ヘキシル基、直
鎖状又は分枝状ヘプチル基、直鎖状又は分枝状オクチル
基、直鎖状又は分枝状ノニル基、直鎖状又は分枝状デシ
ル基、直鎖状又は分枝状ウンデシル、直鎖状又は分枝状
ドデシル基、直鎖状又は分枝状トリデシル基、直鎖状又
は分枝状テトラデシル基、直鎖状又は分枝状ペンタデシ
ル基、直鎖状又は分枝状ヘキサデシル基、直鎖状又は分
枝状ヘプタデシル基、直鎖状又は分枝状オクタデシル
基、直鎖状又は分枝状ノナデシル基、直鎖状又は分枝状
イコシル基、直鎖状又は分枝状ヘンイコシル基、直鎖状
又は分枝状ドコシル基、直鎖状又は分枝状トリコシル
基、直鎖状又は分枝状テトラコシル基などが挙げられ
る。アルキルナフタレンのなかでも、潤滑性および冷却
性に優れる点から、炭素数8〜20の直鎖状又は分枝状
長鎖アルキル基を少なくとも1個以上有するものが好ま
しく、特に炭素数8〜20の直鎖状又は分枝状長鎖アル
キル基を1個有するモノ長鎖アルキルナフタレン、モノ
長鎖アルキルメチルナフタレン、モノ長鎖アルキルジメ
チルナフタレン;炭素数8〜20の直鎖状又は分枝状長
鎖アルキル基を2個有するジ長鎖アルキルナフタレン、
ジ長鎖アルキルメチルナフタレン、炭素数8〜20の直
鎖状又は分枝状長鎖アルキル基を3個有するトリ長鎖ア
ルキルナフタレン、トリ長鎖アルキルメチルナフタレ
ン、炭素数8〜20の直鎖状又は分枝状長鎖アルキル基
を4個有するテトラ長鎖アルキルナフタレン、テトラ長
鎖アルキルメチルナフタレンなどが好ましい。
1〜24、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基を1
〜7個、好ましくは1〜4個有するアルキルフェニルエ
ーテルが挙げられ、当該フェニルエーテル骨格として
は、ジフェニルエーテル、トリフェニルエーテルおよび
テトラフェニルエーテルが好ましく用いられる。アルキ
ルフェニルエーテルのアルキル基は、直鎖状でも分枝状
でも良く、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖状又
は分枝状ペンチル基、直鎖状又は分枝状ヘキシル基、直
鎖状又は分枝状ヘプチル基、直鎖状又は分枝状オクチル
基、直鎖状又は分枝状ノニル基、直鎖状又は分枝状デシ
ル基、直鎖状又は分枝状ウンデシル、直鎖状又は分枝状
ドデシル基、直鎖状又は分枝状トリデシル基、直鎖状又
は分枝状テトラデシル基、直鎖状又は分枝状ペンタデシ
ル基、直鎖状又は分枝状ヘキサデシル基、直鎖状又は分
枝状ヘプタデシル基、直鎖状又は分枝状オクタデシル
基、直鎖状又は分枝状ノナデシル基、直鎖状又は分枝状
イコシル基、直鎖状又は分枝状ヘンイコシル基、直鎖状
又は分枝状ドコシル基、直鎖状又は分枝状トリコシル
基、直鎖状又は分枝状テトラコシル基などが挙げられ
る。アルキルフェニルエーテルのなかでも、潤滑性およ
び冷却性に優れる点から、炭素数8〜20の直鎖状又は
分枝状長鎖アルキル基を少なくとも1個以上有するもの
が好ましく、特に炭素数8〜20の直鎖状又は分枝状長
鎖アルキル基を1個有するモノ長鎖アルキルジフェニル
エーテル、モノ長鎖アルキルトリフェニルエーテル、モ
ノ長鎖アルキルテトラフェニルエーテル;炭素数8〜2
0の直鎖状又は分枝状長鎖アルキル基を2個有するジ長
鎖アルキルジフェニルエーテル、ジ長鎖アルキルトリフ
ェニルエーテル、ジ長鎖アルキルテトラフェニルエーテ
ル;炭素数8〜20の直鎖状又は分枝状長鎖アルキル基
を3個有するトリ長鎖アルキルジフェニルエーテル、ト
リ長鎖アルキルトリフェニルエーテル、トリ長鎖アルキ
ルテトラフェニルエーテル;炭素数8〜20の直鎖状又
は分枝状長鎖アルキル基を4個有するテトラ長鎖アルキ
ルジフェニルエーテル、テトラ長鎖アルキルトリフェニ
ルエーテル、テトラ長鎖アルキルテトラフェニルエーテ
ルなどが好ましい。
のものが使用可能であるが、好ましくは下記の一般式
(1)で表されるジアルキルポリシロキサンの1種又は
2種以上が用いられる。
〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基を示し、aは2以
上、好ましくは2〜200の整数を示している。R1〜
R4としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が例示で
き、これらの中でもメチル基又はエチル基が好ましく、
メチル基がより好ましい。(A−4)のフルオロエーテル
にも、各種構造のものが使用可能であるが、好ましくは
下記の一般式(2)で表されるパーフルオロエーテルの
1種又は2種以上が用いられる。
原子又は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のパーフ
ルオロアルキル基を示し、R7は炭素数1〜4の直鎖状
若しくは分枝状のパーフルオロアルキレン基を示し、b
は2以上の整数を示す。パーフルオロアルキル基として
は、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、n
−パーフルオロプロピル基、イソパーフルオロプロピル
基、n−パーフルオロブチル基、イソパーフルオロブチ
ル基、sec−パーフルオロブチル基、tert−パー
フルオロブチル基が例示でき、パーフルオロアルキレン
基としては、パーフルオロメチレン基、パーフルオロエ
チレン基、パーフルオロトリメチレン基、パーフルオロ
プロピレン基、パーフルオロテトラメチレン基、パーフ
ルオロブチレン基、パーフルオロ−1,2−ジメチルエ
チレン基、パーフルオロ−1−メチルトリメチレン基、
パーフルオロ−2−メチルトリメチレン基等が例示でき
る。R5及びR6はそれぞれ個別に、フッ素原子、パーフ
ルオロメチル基又はパーフルオロエチル基であることが
好ましく、フッ素原子又はパーフルオロメチル基である
ことがより好ましい。一般式(2)で示すパーフルオロ
エーテルは、1分子中に異なった構造のオキシパーフル
オロアルキレン基、例えば、オキシパーフルオロメチレ
ン基とオキシパーフルオロプロピレン基が共存して差し
支えない。その場合、異なった構造のオキシパーフルオ
ロアルキレン基は、ランダム共重合していても、交互共
重合していても、またブロック共重合していても良い。
に特に条件はない。しかし、潤滑性、冷却性(熱除去
性)、熱安定性に優れ、かつ攪拌抵抗による摩擦ロスが
少ない等の点から、通常、基油の40℃における動粘度
は、好ましくは5〜150mm 2/s、より好ましくは1
0〜110mm2/sの範囲にあることが望ましい。
は、必須の添加剤としてリン系化合物を化合物(以下、
これを(B)成分と呼ぶ)を含有する。組成物に含まれ
る(B)成分の下限値は、組成物全量基準で0.000
1質量%、好ましくは0.01質量%であり、一方、そ
の上限値は、組成物全量基準で10質量%、好ましくは
6質量%である。(B)成分の含有量が組成物全量基準
で0.0001質量%に満たない場合は、潤滑性向上効
果に乏しく、一方、含有量が組成物全量基準で10質量
%を越える場合は、圧縮機内部の腐食磨耗の虞がある。
本発明で使用可能な(B)成分は、下記の一般式(3)
で表される亜リン酸エステル及びその誘導体、一般式
(4)で表されるリン酸エステル及びその誘導体並びに
後記の一般式(5)で表されるチオリン酸亜鉛から選ば
れる。
は、炭素数1〜30の炭化水素基を示し、残りはそれぞ
れ個別に、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を
示す。また、X1、X2、X3及びX4は、それぞれ個別
に、酸素原子又は硫黄原子を示す。
つは、炭素数1〜30の炭化水素基を示し、残りはそれ
ぞれ個別に、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基
を示し、X5、X6及びX7は、それぞれ個別に、酸素原
子又は硫黄原子を示す。上述したとおり、一般式(3)
におけるR8、R9及びR10の少なくとも一つは、炭素数
1〜30の炭化水素基であるが、炭素数1〜18の炭化
水素基であることが好ましく、炭素数4〜18の炭化水
素基であることがより好ましく、炭素数6〜18の炭化
水素基であることが最も好ましい。そして、R8、R9及
びR10のいずれか一つ又は二つは、水素原子又は炭素数
1〜30の炭化水素基であって差し支えないが、水素原
子又は炭素数1〜18の炭化水素基が好ましく、水素原
子又は炭素数4〜18の炭化水素基がより好ましく、水
素原子又は炭素数6〜18の炭化水素基が最も好まし
い。同様にして、一般式(4)におけるR11、R12及び
R13の少なくとも一つは、炭素数1〜30の炭化水素基
であるが、炭素数1〜18の炭化水素基であることが好
ましく、炭素数4〜18の炭化水素基であることがより
好ましく、炭素数6〜18の炭化水素基であることが最
も好ましい。そして、R8、R9及びR10のいずれか一つ
又は二つは、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基
であって差し支えないが、水素原子又は炭素数1〜18
の炭化水素基が好ましく、水素原子又は炭素数4〜18
の炭化水素基がより好ましく、水素原子又は炭素数6〜
18の炭化水素基が最も好ましい。一般式(3)及び
(4)におけるR8〜R12のいずれかの炭化水素基の炭
素数が30を超える場合は、潤滑油組成物の潤滑性を悪
化させるので好ましくない。
に例示すれば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデ
シル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、ト
リコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサ
コシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシ
ル基、トリアコンチル基等のアルキル基(これらアルキ
ル基は直鎖状でも分枝状でも良い);ブテニル基、ペン
テニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル
基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセ
ニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデ
セニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オク
タデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイ
コセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコ
セニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプ
タコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、ト
リアコンテニル基等のアルケニル基(これらアルケニル
基は直鎖状でも分枝状でも良く、また二重結合の位置も
任意である);シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
シクロヘプチル基等の炭素数5〜7のシクロアルキル
基;メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル
基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペ
ンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘ
キシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシ
クロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシ
クロヘプチル基、メチルエチルシクロヘプチル基、ジエ
チルシクロヘプチル基等の炭素数6〜11のアルキルシ
クロアルキル基(アルキル基の置換位置は任意であ
る);フェニル基、ナフチル基等のアリール基:トリル
基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル
基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシル
フェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル
基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシル
フェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18の
各アルキルアリール基(アルキル基は直鎖状でも分枝状
でも良く、また二重結合の位置も任意である);ベンジ
ル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニ
ルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基
等の炭素数7〜12の各アリールアルキル基(アルキル
基は直鎖状でも分枝状でも良く,またアリール基の置換
位置も任意である)等が挙げられるが、これらの中でも
アルキル基、アルケニル基、アリール基又はアルキルア
リール基であるのが好ましい。一般式(3)で表される
リン酸エステル及び一般式(4)で表される亜リン酸エ
ステルは、いずれもその1種又は2種以上を(B)成分
として使用可能である。
誘導体並びに一般式(4)で表される亜リン酸エステル
の誘導体の1種又は2種以上も、また、本発明の(B)
成分として使用することができる。ここでいう誘導体と
は、一般式(3)のR8〜R1 0のいずれか一つ又は二つ
が水素である酸性リン酸エステル若しくは一般式(4)
のR11〜R13のいずれか一つ又は二つが水素である酸性
亜リン酸エステルに、アンモニア若しくは下記に例示す
る炭素数1〜16のアミン化合物を作用させて、残存す
る酸性水素の一部又は全部を中和した塩を言う。この中
和反応には、アンモニアが使用できるほか、モノメチル
アミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノ
ブチルアミン、モノペンチルアミン、モノヘキシルアミ
ン、モノヘプチルアミン、モノオクチルアミン、ジメチ
ルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチ
ルプロピルアミン、エチルプロピルアミン、ジプロピル
アミン、メチルブチルアミン、エチルブチルアミン、プ
ロピルブチルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミ
ン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチル
アミン等のアルキルアミン(アルキル基は直鎖状でも分
枝状でも良い);モノメタノールアミン、モノエタノー
ルアミン、モノプロパノールアミン、モノブタノールア
ミン、モノペンタノールアミン、モノヘキサノールアミ
ン、モノヘプタノールアミン、モノオクタノールアミ
ン、モノノナノールアミン、ジメタノールアミン、メタ
ノールエタノールアミン、ジエタノールアミン、メタノ
ールプロパノールアミン、エタノールプロパノールアミ
ン、ジプロパノールアミン、メタノールブタノールアミ
ン、エタノールブタノールアミン、プロパノールブタノ
ールアミン、ジブタノールアミン、ジペンタノールアミ
ン、ジヘキサノールアミン、ジヘプタノールアミン、ジ
オクタノールアミン等のアルカノールアミン(アルカノ
ール基は直鎖状でも分枝状でも良い)などの1種又は2
種以上が使用できる。
ステルの具体例を摘記すると、モノブチルホスフェー
ト、モノペンチルホスフェート、モノヘキシルホスフェ
ート、モノペプチルホスフェート、モノオクチルホスフ
ェート、モノノニルホスフェート、モノデシルホスフェ
ート、モノウンデシルホスフェート、モノドデシルホス
フェート、モノトリデシルホスフェート、モノテトラデ
シルホスフェート、モノペンタデシルホスフェート、モ
ノヘキサデシルホスフェート、モノヘプタデシルホスフ
ェート、モノオクタデシルホスフェート、モノノナデシ
ルホスフェート、モノイコシルホスフェート、モノヘン
イコシルホスフェート、モノドコシルホスフェート、モ
ノトリコシルホスフェート、モノテトラコシルホスフェ
ート等のモノアルキルホスフェート(アルキル基は直鎖
状でも分枝状でも良く、またチオホスフェートであって
も良い);モノオクタデセニルホスフェート等のモノア
ルケニルホスフェート(アルケニル基は直鎖状でも分枝
状でも良く、二重結合の位置も任意であり、またチオホ
スフェートであっても良い);モノフェニルホスフェー
ト、モノクレジルホスフェート等のモノ(アルキル)ア
リールホスフェート(アルキル基の置換位置は任意であ
り、またチオホスフェートであっても良い);ジブチル
ホスフェート、ジペンチルホスフェート、ジヘキシルホ
スフェート、ジペプチルホスフェート、ジオクチルホス
フェート、ジノニルホスフェート、ジデシルホスフェー
ト、ジンウンデシルホスフェート、ジドデシルホスフェ
ート、ジトリデシルホスフェート、ジテトラデシルホス
フェート、ジペンタデシルホスフェート、ジヘキサデシ
ルホスフェート、ジヘプタデシルホスフェート、ジオク
タデシルホスフェート、ジノナデシルホスフェート、ジ
イコシルホスフェート、ジヘンイコシルホスフェート、
ジドコシルホスフェート、ジトリコシルホスフェート、
ジテトラコシルホスフェート等のジアルキルホスフェー
ト(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良く、またチオ
ホスフェートであっても良い);ジオクタデセニルホス
フェート等のジアルケニルホスフェート(アルケニル基
は直鎖状でも分枝状でも良く、二重結合の位置も任意で
あり、またチオホスフェートであっても良い);ジフェ
ニルホスフェート、ジクレジルホスフェート等のジ(ア
ルキル)アリールホスフェート(アルキル基の置換位置
は任意であり、またチオホスフェートであっても良
い);トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェ
ート、トリヘキシルホスフェート、トリペプチルホスフ
ェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフ
ェート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホス
フェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシル
ホスフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペ
ンタデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェー
ト、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシル
ホスフェート、トリノナデシルホスフェート、トリイコ
シルホスフェート、トリヘンイコシルホスフェート、ト
リドコシルホスフェート、トリトリコシルホスフェー
ト、トリテトラコシルホスフェート等のトリアルキルホ
スフェート(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良く、
またチオホスフェートであっても良い);トリオクタデ
セニルホスフェート等のトリアルケニルホスフェート
(アルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、二重結合
の位置も任意であり、またチオホスフェートであっても
良い);トリフェニルホスフェート、トリクレジルホス
フェート等のトリ(アルキル)アリールホスフェート
(アルキル基の置換位置は任意であり、またチオホスフ
ェートであっても良い)などを挙げることができる。こ
れらの各ホスフェート又はチオホスフェートのうち、酸
性リン酸塩に該当するものは、これとアンモニア又は上
記したアミン化合物との塩も、(B)成分として好適に
使用できる。
リン酸エステルの具体例を摘記すると、モノブチルホス
ファイト、モノペンチルホスファイト、モノヘキシルホ
スファイト、モノペプチルホスファイト、モノオクチル
ホスファイト、モノノニルホスファイト、モノデシルホ
スファイト、モノウンデシルホスファイト、モノドデシ
ルホスファイト、モノトリデシルホスファイト、モノテ
トラデシルホスファイト、モノペンタデシルホスファイ
ト、モノヘキサデシルホスファイト、モノヘプタデシル
ホスファイト、モノオクタデシルホスファイト、モノノ
ナデシルホスファイト、モノイコシルホスファイト、モ
ノヘンイコシルホスファイト、モノドコシルホスファイ
ト、モノトリコシルホスファイト、モノテトラコシルホ
スファイト等のモノアルキルホスファイト(アルキル基
は直鎖状でも分枝状でも良い、またチオホスファイトで
あっても良い);モノオクタデセニルホスファイト等の
モノアルケニルホスファイト(アルケニル基は直鎖状で
も分枝状でも良く、二重結合の位置も任意であり、また
チオホスファイトであっても良い);モノフェニルホス
ファイト、モノクレジルホスファイト等のモノ(アルキ
ル)アリールホスファイト(アルキル基の置換位置は任
意であり、またチオホスファイトであっても良い);ジ
ブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキ
シルホスファイト、ジペプチルホスファイト、ジオクチ
ルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホス
ファイト、ジンウンデシルホスファイト、ジドデシルホ
スファイト、ジトリデシルホスファイト、ジテトラデシ
ルホスファイト、ジペンタデシルホスファイト、ジヘキ
サデシルホスファイト、ジヘプタデシルホスファイト、
ジオクタデシルホスファイト、ジノナデシルホスファイ
ト、ジイコシルホスファイト、ジヘンイコシルホスファ
イト、ジドコシルホスファイト、ジトリコシルホスファ
イト、ジテトラコシルホスファイト等のジアルキルホス
ファイト(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良く、ま
たチオホスファイトであっても良い);ジオクタデセニ
ルホスファイト等のジアルケニルホスファイト(アルケ
ニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、二重結合の位置も
任意であり、またチオホスファイトであっても良い);
ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト等の
ジ(アルキル)アリールホスファイト(アルキル基の置
換位置は任意であり、またチオホスファイトであっても
良い);トリブチルホスファイト、トリペンチルホスフ
ァイト、トリヘキシルホスファイト、トリペプチルホス
ファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホス
ファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホ
スファイト、トリドデシルホスファイト、トリトリデシ
ルホスファイト、トリテトラデシルホスファイト、トリ
ペンタデシルホスファイト、トリヘキサデシルホスファ
イト、トリヘプタデシルホスファイト、トリオクタデシ
ルホスファイト、トリノナデシルホスファイト、トリイ
コシルホスファイト、トリヘンイコシルホスファイト、
トリドコシルホスファイト、トリトリコシルホスファイ
ト、トリテトラコシルホスファイト等のトリアルキルホ
スファイト(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い、
またチオホスファイトであっても良い);トリオクタデ
セニルホスファイト等のトリアルケニルホスファイト
(アルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、二重結合
の位置も任意であり、またチオホスファイトであっても
良い);トリフェニルホスファイト、トリクレジルホス
ファイト等のトリ(アルキル)アリールホスファイト
(アルキル基の置換位置は任意であり、またチオホスフ
ァイトであっても良い)などを挙げることができる。こ
れらの各ホスファイト又はチオホスファイトのうち、酸
性亜リン酸塩に該当するものは、これとアンモニア又は
上記したアミン化合物との塩も、(B)成分として好適
に使用できる。
亜鉛も使用可能であって、このチオリン酸亜鉛の代表例
は、下記の一般式(5)で表されるジチオリン酸亜鉛で
ある。
れ個別に、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜1
8のアリール基又は炭素数7〜18のアルキルアリール
基を示す。上記のアルキル基の具体例には、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、
ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシ
ル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
基、オクタデシル基等が挙げられ、特に炭素数3〜8の
アルキル基が好ましい。これらアルキル基は直鎖状でも
分枝状でも良い。上記アリール基の具体例としては、フ
ェニル基、ナフチル基等が挙げられ、アルキルアリール
基の具体例としては、トリル基、キシリル基、エチルフ
ェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペ
ンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェ
ニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシ
ルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニ
ル基等(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良
く、また全ての置換異性体を含む)が挙げられる。上記
のジチオリン酸亜鉛の合成原料として、α−オレフィン
の混合物を使用した場合には、得られるジチオリン酸亜
鉛は、一般式(5)のR14、R15、R16及びR17のアル
キル基の種類が異なった複数種のジアルキルジチオリン
酸亜鉛の混合物となる。
酸エステル、その誘導体、リン酸エステル、その誘導体
及びチオリン酸亜鉛が任意に使用可能であるが、スラッ
ジ防止に優れる点から亜リン酸エステル及びリン酸エス
テルがより好ましく、リン酸エステルがさらに好まし
い。
は、その各種性能をさらに高める目的で、公知の潤滑油
添加剤、例えば、酸化防止剤、さび止め剤、金属系清浄
剤、腐食防止剤、無灰分散剤、摩耗防止剤、流動点降下
剤、消泡剤などを単独で、又は数種類組み合わせて配合
することができる。酸化防止剤としては、フェノール系
化合物やアミン系化合物など、潤滑油に一般的に使用さ
れているものであれば使用可能である。具体的には、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
などのアルキルフェノール類、メチレン−4,4−ビス
(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノー
ル)などのビスフェノール類、フェニル−α−ナフチル
アミンなどのナフチルアミン類、ジアルキルジフェニル
アミン類などが挙げられる。さび止め剤としては、脂肪
族アミン類、有機スルフォン酸金属塩、有機リン酸金属
塩、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエス
テルなどが挙げられる。金属系清浄剤としては、中性、
塩基性又は過塩基性のアルカリ金属スルフォネート、ア
ルカリ金属フェネート、アルカリ金属サリシレート、ア
ルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フェ
ネート、アルカリ土類金属サリシレート等が例示でき、
アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム等が、アル
カリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム等が例
示できる。無灰分散剤としては、アルケニルコハク酸イ
ミド、ポリアルケニルポリアミン、ベンジルアミン等
の、いわゆる潤滑油用の無灰分散剤だけでなく。ポリメ
タクリレートやポリアクリレート等のポリマーに窒素を
含有する極性モノマーを導入して、いわゆる分散型粘度
指数向上剤等も使用可能である。腐食防止剤としては、
ベンゾトリアゾール系、チアジアゾール系、イミダゾー
ル系の化合物などが挙げられる。摩耗防止剤としては、
例えば、硫黄系化合物が使用できる。硫黄系化合物とし
ては、例えば、ジスルフィド類、硫化オレフィン類、硫
化油脂類が挙げられる。流動点降下剤としては、潤滑油
基油に適合するポリメタクリレート系のポリマーなどが
挙げられ、消泡剤としては、例えば、ジメチルシリコー
ンなどのシリコーン類が挙げられる。これら公知の添加
剤の配合量は任意に選ぶことができるが、潤滑油組成物
全量基準での各添加剤の含有量は、通常、酸化防止剤で
0.01〜5.0質量%、さび止め剤及び腐食防止剤で
それぞれ0.01〜3.0質量%、摩耗防止剤では0.
1〜5.0質量%、流動点降下剤で0.05〜5.0質
量%、消泡剤で0.0001〜0.05質量%となるよ
うに配合するのが望ましい。
の回転ガス圧縮機の圧縮機油として使用可能であるが、
特にミスト分離能力がストレーミスト量0.02g/N
m3未満であるミスト分離フィルタを備えた回転ガス圧
縮機の圧縮機油として使用した場合に、際立って優れた
効果を発揮する。上記のミスト分離フィルタを備えた回
転ガス圧縮機は、ベーン式、スクリュー式、スクロール
式など、任意の回転圧縮方式を採用した圧縮機であって
差し支えない。また、圧縮対象となるガスについても制
限はなく、空気、窒素ガス、酸素ガス、アンモニアガ
ス、炭酸ガス、炭化水素ガス、燃焼排ガス、燃焼ガス等
の任意のガスを圧縮する回転圧縮機に、本発明の潤滑油
組成物は適用可能である。
02g/Nm3未満のミスト分離フィルタを備えた回転
ガス圧縮機とは、圧縮機のミスト分離フィルタを通過し
た吐出ガス中に含まれるストレーミスト量が、0.02
g/Nm3未満である回転ガス圧縮機を意味し、そのス
トレーミスト量は、例えば、次のようして測定すること
ができる。 1.図1の如く、回転ガス圧縮機1の出口(圧縮機が有
するミスト分離フィルタ通過後のガスの吐出口)に、符
号2,3で示す2連のストレーミスト捕集用フィルタ
(共にCKD社製の油分除去用フィルタであるマイクロ
エレッサ・マイクロノート型フィルタ1144−2・3
C−EYを使用)を装備したストレーミスト量測定装置
を連結する。なお、この連結に先立って、各ストレーミ
スト捕集用フィルタを50℃の乾燥デシケータに24時
間入れて予め乾燥し、その乾燥重量(g)を秤量してお
く。 2.ストレーミスト量測定装置のバルブ4,5を閉じ、
バルブ6,7を開いて回転ガス圧縮機の吐出口ガスがバ
イパスライン8を通るようする。 3.回転ガス圧縮機の吐出ガスを2時間以上連続してバ
イパスライン8に通し、ガス流量計(図示略)での吐出
ガス温度が一定温度(定常温度状態)になったことを確
認する。 4.吐出ガスが定常温度状態であることを確認した後、
ストレーミスト量測定装置のバルブ4,5を開き、バル
ブ6,7を閉じて吐出ガスを2連のストレーミスト捕集
用フィルタに24時間連続して通過させる。この際、ガ
ス流量計で計測される総通過ガス量(m3)と吐出ガス
温度(℃)を記録し、標準状態での総通過ガス量(Nm
3)を求めておく。 5.吐出ガスを24時間通過させたストレーミスト捕集
用フィルタを、50℃の乾燥デシケータに24時間入れ
て乾燥し、その重量(g)を秤量する。 6.次式によって回転ガス圧縮機吐出ガス中のストレー
ミスト量(g/Nm3)を求める。式中、回収油分量
(g)は2個のストレーミスト捕集用フィルタの試験後
の合計重量(g)と試験前の合計重量(g)との差であ
る。 ストレーミスト量(g/Nm3)=[回収油分量
(g)]/[ 標準状態での総通過ガス量(Nm3)]
れの潤滑油組成物を用いて、回転ガス圧縮機を連続運転
し、平均運転油温80℃、平均運転圧力0.7MPa、
連続全負荷無補給運転において、各潤滑油組成物のRB
OT値が30分未満になるまでの時間(実機寿命)を測
定した。また、回転ガス圧縮機を連続運転し、6000
時間経過した時点及び9000時間した時点で、回転ガ
ス圧縮機が備えるストレーミスト分離フィルタの上流側
並びに下流側の吐出ガス圧を計測して差圧を求めた。い
ずれの場合とも、回転ガス圧縮機には神戸製鋼所社製回
転ガス圧縮機 KST6Pを使用した。この回転ガス圧
縮機の吐出ガスに含まれるストレーミスト量を、図1を
用いて先に説明したストレーミスト量測定法で測定した
ところ、その量は0.01g/Nm3であった。但し、
潤滑油には市販の圧縮機油「フェアコールRA32」(日
石三菱株式会社製)を使用した。試験結果を表1〜表3
に示す。
試験結果との対比から明らかなとおり、本発明の潤滑油
組成物は、比較例のそれに比べて実機寿命が長く、スト
レーミスト分離フィルタで生ずる吐出ガスの圧力降下が
小さい。実機寿命が長いことは、その潤滑油組成物が酸
化安定性に優れていることを意味し、吐出ガスの圧力降
下が小さいことは、その潤滑油組成物にスラッジが生じ
難いことを意味している。
系化合物は、酸化安定剤ほどではないものの、酸化安定
性の向上に寄与し、しかも、スラッジを生じさせること
がないので、基油の優れた酸化安定性と相俟って、本発
明の潤滑油組成物はその寿命が長い。また、スラッジの
増加を懸念しなければならないほど酸化安定剤の配合量
を増加させなくても、本発明の潤滑油組成物は酸化安定
性に優れているので、ストレーミスト量が0.02g/
Nm3未満に規制される回転ガス圧縮機にこれを使用し
ても、ミスト分離フィルタを目詰まりさせることがな
い。
装置の概念図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ストレーミスト量が0.02g/Nm3
未満であるミスト分離フィルタを備えた回転ガス圧縮機
に使用される潤滑油組成物において、(A)当該潤滑油
組成物に使用されている基油のRBOT値が50分以上
であり、且つ、硫黄分含有量が0.09質量%未満であ
り、(B)当該潤滑油組成物がリン系化合物を含有して
いることを特徴とする前記の回転ガス圧縮機用潤滑油組
成物。 - 【請求項2】 前記のリン系化合物が、リン酸エステ
ル、亜リン酸エステル及びチオリン酸亜鉛から選ばれる
1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求
項1に記載の回転ガス圧縮機用潤滑油組成物。
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