JPH1053787A - 合成潤滑油の組成物 - Google Patents

合成潤滑油の組成物

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JPH1053787A
JPH1053787A JP9944297A JP9944297A JPH1053787A JP H1053787 A JPH1053787 A JP H1053787A JP 9944297 A JP9944297 A JP 9944297A JP 9944297 A JP9944297 A JP 9944297A JP H1053787 A JPH1053787 A JP H1053787A
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JP
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alkyl
carbon atoms
compound
naphthalene
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JP9944297A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Yatani
哲男 八谷
Mitsutatsu Yasuhara
充樹 安原
Teruo Yamamoto
輝男 山本
Joji Imafuku
▲丈▼二 今福
Shu Mizuta
周 水田
Takamasa Takahashi
隆昌 高橋
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ADO KEMUKO KK
MATSUMURA OIL
JFE Engineering Corp
Matsumura Oil Co Ltd
Original Assignee
ADO KEMUKO KK
MATSUMURA OIL
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Matsumura Oil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化安定性に極めて優れた合成潤滑油組成物
を提供する。 【解決手段】 必須成分は炭素数1〜24のアルキル基
が1個乃至3個結合したナフタレンの基油、有機アミン
系酸化防止剤、及び一般式(1)乃至(5)で表される
有機リン化合物であり、基油100重量部に対して有機
リン化合物0.001〜1.0重量部が配合されている
合成潤滑油組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成潤滑油組成物
に関し、さらに詳しくは、特定のアルキルナフタレン化
合物を基油とし、有機アミン系酸化防止剤と特定の有機
リン化合物とを必須成分とする、耐酸化性に優れた合成
潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】潤滑油は、産業上の各種の分野で様々な
用途に用いられており、例えば、自動車用潤滑油、熱媒
体油、油圧作動油、圧縮機油、金属加工油、グリース基
油、電気絶縁油、真空ポンプ油、その他の工業用潤滑油
として用いられている。潤滑油には、その用途に応じて
各種の物性或いは性能を同時に兼ね備えることが求めら
れるが、最近では、従来にも増して厳しい条件下での性
能が要求されるようになってきている。特に、耐酸化性
は、潤滑油の寿命に大きく影響する重要な性能である。
通常は、高精製鉱物基油に適当な酸化防止剤を配合した
潤滑油が使用されているが、添加剤による酸化防止効果
だけでは充分な効果を期待しにくい。
【0003】そこで、酸化安定性に優れコスト的にも見
合う合成潤滑基油を得ることを目的として、エステル系
合成潤滑油やポリαオレフィン系合成潤滑油が開発され
てきた。しかしながら、これらの基油の耐酸化性は、高
精製鉱物基油の2〜3倍程度であって充分に満足できる
ものではなく、しかも種々の欠点を有していた。
【0004】また、古くよりナフタレン誘導体の酸化安
定度が高いこと、及び、その酸素吸収挙動が緩やかであ
ることが知られており、かかる知見を背景として、高精
製鉱物基油の10倍程度の耐酸化性を有するアルキルナ
フタレン合成潤滑基油が開発されてきた。そして、さら
に耐酸化性の向上が図られ、2−メチルナフタレンを原
料として合成される2−メチルナフタレンアルキル化合
物が開発された。この2−メチルナフタレンアルキル化
合物は、アルキルナフタレン合成潤滑基油の中でも特に
耐酸化性に優れており、高精製鉱物基油の60倍以上の
耐酸化性を有している。
【0005】アルキルナフタレン基油は、その耐酸化性
が従来の合成潤滑基油と比較して極端に優れているが、
その性能をより向上させるために添加剤を配合する必要
がある。古くから公知の添加剤の中で、酸化防止剤とし
ては各種のフェノール化合物、アミン化合物、含リン化
合物、含硫黄化合物、含窒素化合物等が使用されてい
る。アルキルナフタレン基油の添加剤としては、特公平
2−22798号公報に特定のフェノール化合物及び特
定の芳香族アミン化合物が記載されており、特公平2−
22799号に特定のフェノール化合物と特定の含窒素
化合物の組合せが記載されている。しかしながら、未だ
充分な耐酸化性を満足しているとは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、アルキ
ルナフタレン基油の耐酸化性をより向上させるために鋭
意研究を重ねた結果、特定のアルキルナフタレンを基油
として使用し、そこに有機アミン系酸化防止剤と特定の
有機リン化合物とを添加する場合には、従来公知の潤滑
油組成物では到達し得なかった高い酸化安定性が得られ
ることを見出した。さらに、このような優れた耐酸化性
は、有機アミン系酸化防止剤と特定の有機リン化合物と
の併用によってのみ得られる特異的な効果であって、フ
ェノール系酸化防止剤に上記特定の有機リン化合物を併
用した場合には、耐酸化性の向上が全く見られないこと
も確認した。本発明は、かかる知見に基づいて完成され
たものである。
【0007】本発明の目的は、潤滑油に要求される好ま
しい物性及び性能を有し、且つ、特に酸化安定性の点で
優れた合成潤滑油組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明においては上記目
的を達成するために、ナフタレン環上に炭素数1〜24
のアルキル基が1〜3個置換した構造を有するアルキル
ナフタレン化合物の基油に対して、必須成分として有機
アミン系酸化防止剤と、次の一般式(1)乃至一般式
(5)
【0009】
【化7】
【0010】[上式中、R1 乃至R3 は互いに同種でも
異種でもよく、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基、アラルキル基、又はアルキルアリール基を
示す。]
【0011】
【化8】
【0012】[上式中、R4 乃至R7 は互いに同種でも
異種でもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜20のア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルキルア
リール基を示し、R8 は炭素数1〜6のアルキレン基、
アルキリデン基、又は次の一般式(6)
【0013】
【化9】
【0014】で表される基を示す。但し、一般式(6)
においてR9a乃至R9hは互いに同種でも異種でもよく、
それぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基、又はアルキルアリール基を示
し、R15は炭素数1〜6で且つ三価の炭化水素基を示
す。]
【0015】
【化10】
【0016】[上式中、R16及びR17は互いに同種でも
異種でもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜30のア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルキルア
リール基を示す。]
【0017】
【化11】
【0018】[上式中、R18乃至R22は互いに同種でも
異種でもよく、それぞれ水素原子、又は炭素数1〜20
のアルキル基を示す。]
【0019】
【化12】
【0020】[上式中、R23は水素原子、炭素数1〜2
0のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキル
アリール基、ヒドロキシフェニル基、アルキル−ヒドロ
キシフェニル基、又はアルコキシ基を示す。]のいずれ
かで表される化合物群の中から選ばれる少なくとも1種
の有機リン化合物とが配合されており、前記基油100
重量部に対する前記有機リン化合物の配合割合が0.0
01〜1.0重量部であることを特徴とする合成潤滑油
組成物を提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるアルキルナフ
タレン化合物の基油とは、ナフタレン環上に炭素数1〜
24のアルキル基が1〜3個置換した構造を有するアル
キルナフタレン化合物の単品、又は、そのようなアルキ
ルナフタレン化合物を2種以上含有する混合物を言う。
このようなアルキルナフタレン化合物は、例えば、ナフ
タレン、メチルナフタレン、モノ(炭素数1〜24のア
ルキル)ナフタレン、あるいは、ジ(炭素数1〜24の
アルキル)ナフタレン等を、直鎖αオレフィンを用いて
アルキル化し、目的の化合物を分留により回収するなど
の方法によって得られる。
【0022】アルキル基の炭素数は1〜24の範囲にあ
ることが必要であり、好適にはメチル基または炭素数6
〜22のアルキル基である。この炭素数1〜24のアル
キル基は、直鎖アルキル又は分岐アルキルの何れであっ
ても差し支えなく、具体的には、メチル基、エチル基、
ブチル基、ヘキシル基、ノニル基、デシル基、ヘキサデ
シル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、
テトラエイコシル基のような直鎖アルキル基や、1−メ
チル−ノニル基、1−ブチル−テトラデシル基、1,
5,9−トリメチル−ドデシル基、1,1−ジメチル−
ヘキサデシル基のような分岐アルキル基を例示できる。
【0023】基油として好適なアルキルナフタレン化合
物としては、例えば、デシルナフタレン、ドデシルナフ
タレン、テトラデシルナフタレン、ヘキサデシルナフタ
レン、オクタデシルナフタレン、エイコシルナフタレ
ン、ドコシルナフタレン等のアルキルナフタレン化合
物、ジデシルナフタレン、ジドデシルナフタレン、ジテ
トラデシルナフタレン、ジヘキサデシルナフタレン、ジ
オクタデシルナフタレン、ジエイコシルナフタレン、ジ
ドコシルナフタレン、デシルドデシルナフタレン、ドデ
シルテトラデシルナフタレン、テトラデシルヘキサデシ
ルナフタレン、ヘキサデシルオクタデシルナフタレン、
オクタデシルエイコシルナフタレン、エイコシルドコシ
ルナフタレン等のジアルキルナフタレン化合物、メチル
デシルナフタレン、メチルドデシルナフタレン、メチル
テトラデシルナフタレン、メチルヘキサデシルナフタレ
ン、メチルオクタデシルナフタレン、メチルエイコシル
ナフタレン、メチルドコシルナフタレン等のアルキルメ
チルナフタレン化合物、メチルジデシルナフタレン、メ
チルジドデシルナフタレン、メチルジテトラデシルナフ
タレン、メチルジヘキサデシルナフタレン、メチルジオ
クタデシルナフタレン、メチルジエイコシルナフタレ
ン、メチルジドコシルナフタレン、メチルデシルドデシ
ルナフタレン、メチルドデシルテトラデシルナフタレ
ン、メチルテトラデシルヘキサデシルナフタレン、メチ
ルヘキサデシルオクタデシルナフタレン、メチルオクタ
デシルエイコシルナフタレン、メチルエイコシルドコシ
ルナフタレン等のジアルキルメチルナフタレン化合物、
あるいはこれらの異性体、さらにはそれらの混合物等を
例示できる。
【0024】本発明において使用される有機アミン系酸
化防止剤としては、酸化防止作用を有する有機アミン化
合物全般を使用できるが、好適なものとしては、例え
ば、次の一般式(7)又は(8)で表される有機アミン
化合物の単品、又は、そのような有機アミン化合物を2
種以上含有する混合物がある。
【0025】
【化13】
【0026】[上式中、Xは下記の一般式(9)乃至
(13)の中から選ばれる芳香族基、アルキル基、又は
シクロアルキル基を示し、
【0027】
【化14】
【0028】R24乃至R36は互いに同種でも異種でもよ
く、それぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はア
ルキルアリール基を示し、R37及びR38は互いに同種で
も異種でもよく、それぞれ炭素数1〜6のアルキレン基
又はアルキリデン基を示す。] このような有機アミン系酸化防止剤は市販品として入手
でき、市販品としては、例えば、大内新興化学社製ノク
ラックPA(商品名)や、バイエル社製Additin 7001
(商品名)等を例示できる。
【0029】R24乃至R36として選ばれるアルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はア
ルキルアリール基などの置換基は、いずれも炭素数が1
〜20の範囲にあることが必要であり、好適には炭素数
の上限を18以下とする。また、R37及びR38として選
ばれるアルキレン基又はアルキリデン基の炭素数は、1
〜6の範囲にあることが必要であり、好適には炭素数の
上限を3以下とする。これらの置換基、アルキレン基、
アルキリデン基は、分岐或いは側鎖を有していても差し
支えない。
【0030】ここで、炭素数が1〜20のアルキル基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル
基、デシル基、ヘキサデシル基、エイコシル基、1−ブ
チル−ノニル基、1,3,5−トリメチル−ヘキシル
基、t−ブチル基等を例示できる。
【0031】炭素数が1〜20のシクロアルキル基とし
ては、シクロヘキシル基、デカリニル基、ビシクロヘキ
シリル基等を例示でき、これらはアルキル基の側鎖を有
していてもよい。
【0032】炭素数が1〜20のアリール基としては、
フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基等を例示でき
る。炭素数が1〜20のアラルキル基としては、フェニ
ルアルキル基、デカリニルアルキル基、(ビシクロヘキ
シリル)アルキル基等を例示できる。
【0033】炭素数が1〜20のアルキルアリール基と
しては、アルキルフェニル基、アルキルナフチル基、ア
ルキルビフェニリル基等を例示できる。炭素数が1〜6
のアルキレン基又はアルキリデン基としては、メチレン
基、エチレン基、1,3−ジメチルテトラメチレン基、
1,1−ジメチルエチレン基、エチリデン基、イソプロ
ピリデン基等を例示できる。
【0034】そして、一般式(7)又は(8)で表され
る有機アミン化合物の中でも特に好適なものとしては、
例えば、N−フェニルナフチルアミン、N−エチルナフ
チルアミン、N−イソプロピルナフチルアミン、N−シ
クロヘキシルナフチルアミン、N−フェニルベンジルア
ミン、トリオクチルジフェニルアミン等を例示すること
ができる。これらは、基油に対する溶解性が良好で、入
手も容易である。
【0035】有機アミン系酸化防止剤の添加量は、いか
なる有機アミン系酸化防止剤を使用するかに応じて適宜
決定される。例えば、前述した一般式(7)又は(8)
で表される有機アミン化合物の場合には、アルキルナフ
タレンの基油100重量部に対して通常0.01〜3.
0重量部の範囲とする。また、好適にはその下限を0.
1重量部以上とし、上限を1.0重量部以下とする。こ
の配合割合が0.01重量部未満の場合には添加効果が
低く、充分な耐酸化性が得られない。一方、この配合割
合が3.0重量部を超える場合には添加量に見合う効果
が発揮せず、経済的に不利である。
【0036】本発明において使用される有機リン化合物
とは、上記の一般式(1)乃至一般式(5)の何れかで
表される化合物の単品、又は、そのような化合物を2種
以上含有する混合物を言う。
【0037】[一般式(1)の化合物について]一般式
(1)において、R1 乃至R3 として選ばれるアルキル
基、アリール基、アラルキル基、又はアルキルアリール
基などの置換基は、いずれも炭素数が1〜20の範囲に
あることが必要であり、好適には炭素数の上限を16以
下とする。これらの置換基は、分岐或いは側鎖を有して
いても差し支えない。
【0038】[一般式(2)の化合物について]一般式
(2)及び一般式(2)の中に含まれることがある一般
式(6)において、R4 乃至R7 、R9a乃至R9hとして
選ばれるアルキル基、アリール基、アラルキル基、又は
アルキルアリール基などの置換基は、いずれも炭素数が
1〜20の範囲にあることが必要であり、好適には炭素
数の下限を6以上とし、上限を18以下とする。また、
8 として選ばれるアルキレン基又はアルキリデン基の
炭素数は、1〜6の範囲にあることが必要であり、好適
には炭素数の上限を5以下とする。さらに、R15として
選ばれる三価の炭化水素基の炭素数は、1〜6の範囲に
あることが必要であり、好適には炭素数の上限を5以下
とする。これらの置換基、アルキレン基、及びアルキリ
デン基は、分岐或いは側鎖を有していても差し支えな
い。
【0039】[一般式(3)の化合物について]一般式
(3)において、R16又はR17として選ばれるアルキル
基、アリール基、アラルキル基、又はアルキルアリール
基などの置換基は、いずれも炭素数が1〜30の範囲に
あることが必要であり、好適には炭素数の上限を24以
下とする。これらの置換基は、分岐或いは側鎖を有して
いても差し支えない。
【0040】[一般式(4)の化合物について]一般式
(4)において、R18乃至R22として選ばれるアルキル
基は、炭素数が1〜20の範囲にあることが必要であ
り、好適には炭素数の上限を6以下とする。これらの置
換基は、分岐或いは側鎖を有していても差し支えない。
【0041】[一般式(5)の化合物について]一般式
(5)において、R23としては、水素原子の他に、アル
キル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール
基、アルキル−ヒドロキシフェニル基、又はアルコキシ
基などの置換基が選ばれるが、これらの基は、いずれも
炭素数が1〜20の範囲にあることが必要であり、好適
には炭素数の上限を10以下とする。これらの置換基
は、分岐或いは側鎖を有していても差し支えない。
【0042】上記各置換基の具体例としては、次のよう
なものを例示することができる。 (1) アルキル基の具体例:メチル基、エチル基、ブ
チル基、ヘキシル基、ノニル基、デシル基、ヘキサデシ
ル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、テ
トラエイコシル基のような直鎖アルキル基や、1−メチ
ル−ノニル基、1−ブチル−テトラデシル基、1,5,
9−トリメチル−ドデシル基、1,1−ジメチル−ヘキ
サデシル基のような分岐アルキル基。 (2) アリール基の具体例:フェニル基、ナフチル
基、ビフェニリル基等。 (3) アラルキル基の具体例:フェニルアルキル基、
デカリニルアルキル基、(ビシクロヘキシリル)アルキ
ル基等。 (4) アルキルアリール基の具体例:アルキルフェニ
ル基、アルキルナフチル基、アルキルビフェニリル基
等。 (5) アルキル−ヒドロキシフェニル基の具体例:炭
素数1〜6のアルキル基が1又は2個置換したヒドロキ
シフェニル基等。 (6) アルコキシ基の具体例:メトキシ基、エトキシ
基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、
デシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、オクタデシル
オキシ基、エイコシルオキシ基のような直鎖状アルコキ
シ基や、イソプロポキシ基、1−メチル−ノニル基、1
−ブチル−テトラデシル基、1,5,9−トリメチル−
ドデシルオキシ基、t−ブトキシ基、1,1−ジメチル
−ヘキサデシルオキシ基のような分岐状アルコキシ基、
フェノキシ基、アルキルフェノキシ基等。 (7) アルキル基又はアルキリデン基の具体例:メチ
レン基、エチレン基、1,3−ジメチルテトラメチレン
基、1,1−ジメチルエチレン基、エチリデン基、イソ
プロピリデン基等。 (8) 三価の炭化水素基の具体例:1,2,3−プロ
パントリイル基等。
【0043】上記の有機リン化合物の中で好適なものと
しては、次のようなものがあり、これらは基油に対して
安定であり、入手が容易である。先ず、一般式(1)で
表される有機リン化合物の中で好適なものとしては、ジ
フェニルモノトリデシルホスファイト、及びトリデシル
ホスファイトを例示することができる。
【0044】以下、順次例示すると、一般式(2)の化
合物に該当するものとしては、下記一般式(14)又は
(15)で表される化合物を例示できる。
【0045】
【化15】
【0046】[上式中、R39乃至R42は、互いに同種で
も異種でもよく、それぞれ炭素数12〜16のアルキル
基を示す。] 一般式(3)の化合物に該当するものとしては、下記一
般式(16)又は(17)で表される化合物を例示でき
る。
【0047】
【化16】
【0048】一般式(4)の化合物に該当するものとし
ては、下記一般式(18)で表される化合物を例示でき
る。
【0049】
【化17】
【0050】一般式(5)の化合物に該当するものとし
ては、下記一般式(19)で表される化合物を例示でき
る。
【0051】
【化18】
【0052】一般式(1)乃至(5)の有機リン化合物
は市販品として入手でき、市販品としては、例えば、旭
電化社製のアデスカタブ1500、アデスカタブ313
0、アデスカタブ522A、アデスカタブPEP−3
6、アデスカタブHP−10(いずれも商品名)、城北
化学社製のJPM−313、JPP−31(いずれも商
品名)、三光化学社製のHCA(商品名)等を例示でき
る。
【0053】一般式(1)乃至(5)で表される有機リ
ン化合物の配合割合は、前記のアルキルナフタレンの基
油100重量部に対して通常0.001〜1.0重量部
の範囲とする。また、好適にはその下限を0.01重量
部以上とし、上限を0.5重量部以下とする。この配合
割合が0.001重量部未満の場合には有機リン化合物
の添加による相乗効果が低く、充分な耐酸化性が得られ
ない。一方、この配合割合が1.0重量部を超える場合
には添加量に見合うだけの相乗効果が発揮せず、経済的
に不利である。
【0054】本発明の合成潤滑油組成物には、必要に応
じてさらに各種の添加剤、例えば、他の酸化防止剤、清
浄分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、油性剤、耐
摩耗剤、極圧剤、腐食防止剤、金属不活性化剤、錆止め
剤、消泡剤、乳化剤、抗乳化剤、殺菌剤、着色剤などを
添加してもよい。
【0055】本発明の合成潤滑油組成物は、酸化安定性
を要求される各種の産業油、例えば、電気絶縁油、ガソ
リンエンジン油、ディーゼルエンジン油、タービン油、
ギヤー油、油圧作動油、滑り案内面油、軸受油、熱媒体
油、グリース基油、金属加工油、圧縮機油、真空ポンプ
油、その他の工業用潤滑油として利用することができ
る。
【0056】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明をより
具体的に説明する。実施例116アルキルナフタレン;100重量部に、第1酸化防
止剤(有機アミン系酸化防止剤)としてN−フェニル−
1−ナフチルアミン(略称A−1);0.5重量部、及
び第2酸化防止剤としてジフェニルモノトリデシルホス
ファイト(一般式(1)に属する、略称Pho−1);
0.05重量部を添加して充分に溶解し、合成潤滑油組
成物を得た。得られた潤滑油組成物について、後述の回
転ボンベ式酸化安定度試験(RBOT試験)と耐圧ボン
ベによる酸化安定度試験を行い、その酸化安定性を評価
した。潤滑油の組成と試験結果をまとめたものを第1表
に示す。
【0057】実施例2〜25、比較例1〜32 第1表に示したように、基油と酸化防止剤の種類と添加
量を適宜変更した以外は実施例1と同様に操作して合成
潤滑油組成物を得た後、RBOT試験と耐圧ボンベによ
る酸化安定度試験を行った。各潤滑油の組成及び試験結
果を第1表に示す。
【0058】(1)RBOT試験の手順:JIS K
2514に規定されているRBOT試験に準拠し、以下
の条件で実施した。 [試験条件] 温 度:150℃ 酸素圧力:620kPa(6.3kgf/cm2 ) 触 媒:銅線、1.6mm径×3m そして、最高圧力から175kPa(1.8kgf/c
2 )の圧力降下を示した時間を酸化終点とし、試験開
始から終点までの時間(分)を試験値として採用し、こ
の値により耐酸化性を評価した。
【0059】(2)耐圧ボンベによる酸化安定度試験の
手順:耐圧ボンベに評価試料10gと6mm×25mm
の銅板触媒とを入れ、酸素6kg/cm2 を封入して1
60℃の恒温槽中で24時間保持して試験を実施し、試
験後の試料の全酸価を測定した。全酸価の測定は、JI
S K 2501に規定されている中和試験法の指示薬
滴定法に準拠して行い、試料1g中に含まれる全酸価成
分を中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)を
測定した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】[表中の略称の説明] C10AN:C10アルキルナフタレン C16AN:C16アルキルナフタレン C20AN:C20アルキルナフタレン C10AMN:2−メチル−C10アルキルナフタレン C16AMN:2−メチル−C16アルキルナフタレン C20AMN:2−メチル−C20アルキルナフタレン C16DAN:ジC16アルキルナフタレン C16DAMN:2−メチル−ジC16アルキルナフタレン A−1(アミン系酸化防止剤):N−フェニル−1−ナ
フチルアミン A−2(アミン系酸化防止剤):N−フェニルベンジル
アミン A−3(アミン系酸化防止剤):トリオクチルジフェニ
ルアミン A−4(アミン系酸化防止剤):N−エチル−1−ナフ
チルアミン A−5(アミン系酸化防止剤):N−シクロヘキシル−
1−ナフチルアミン
【0063】
【化19】
【0064】Pho−1(一般式(1)の有機リン化合
物):ジフェニルモノトリデシルホスファイト Pho−2(一般式(2)の有機リン化合物):4,
4’−プロピリデン−ビス(フェニルジC12−C15アル
キル)ホスファイト Pho−3(一般式(3)の有機リン化合物):サイク
リックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイト Pho−4(一般式(4)の有機リン化合物):2,
2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
ル)オクチルホスファイト Pho−5(一般式(5)の有機リン化合物):3,
4,5,6−ジベンゾ−1,2−オキサフォスファン−
2−オキサイド
【0065】
【化20】
【0066】Phe−1(フェノール系酸化防止剤):
ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]
【0067】
【化21】
【0068】第1表に示された比較例と実施例の結果を
比較すると、炭素数10、16又は20のアルキル基を
1個又は2個有するアルキルナフタレンまたはアルキル
メチルナフタレンの基油に対して、第1酸化防止剤とし
て有機アミン系酸化防止剤を配合し、第2酸化防止剤と
して一般式(1)乃至(5)のいずれかで表される有機
リン化合物を配合した合成潤滑油組成物には、両酸化防
止剤の併用による相乗効果が見られる。また、比較例1
と比較例21〜25、比較例2と比較例26〜30、比
較例3と比較例31、及び、比較例4と比較例32の間
で比較すると、代表的な酸化防止剤である各種のフェノ
ール化合物と有機リン化合物とを併用しても、あまり酸
化安定性は向上しない。
【0069】
【発明の効果】本発明の合成潤滑油組成物は、特定のア
ルキルナフタレンの基油と、有機アミン系酸化防止剤
と、特定の有機リン化合物とを組合せて相乗的に耐酸化
性を向上させたものであり、従来公知の潤滑油組成物で
は到達し得なかった高い酸化安定性を有している。この
優れた酸化安定性は、公知のフェノール系酸化防止剤と
有機リン化合物の併用によっては得られず、上記特定の
組合せによって初めて得られたものであり、予測不能な
優れた効果である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 133:04 137:04 137:12) C10N 30:10 (72)発明者 安原 充樹 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山本 輝男 大阪府大阪市北区西天満2丁目8番5号 松村石油株式会社内 (72)発明者 今福 ▲丈▼二 大阪府大阪市北区西天満2丁目8番5号 松村石油株式会社内 (72)発明者 水田 周 大阪府大阪市北区西天満2丁目8番5号 松村石油株式会社内 (72)発明者 高橋 隆昌 東京都千代田区九段北4の1の3 アドケ ムコ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフタレン環上に炭素数1〜24のアル
    キル基が1〜3個置換した構造を有するアルキルナフタ
    レン化合物の基油に対して、必須成分として有機アミン
    系酸化防止剤と、次の一般式(1)乃至一般式(5) 【化1】 [上式中、R1 乃至R3 は互いに同種でも異種でもよ
    く、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基、アリール
    基、アラルキル基、又はアルキルアリール基を示す。] 【化2】 [上式中、R4 乃至R7 は互いに同種でも異種でもよ
    く、それぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、
    アリール基、アラルキル基、又はアルキルアリール基を
    示し、R8 は炭素数1〜6のアルキレン基、アルキリデ
    ン基又は次の一般式(6) 【化3】 で表される基を示す。但し、一般式(6)においてR9a
    乃至R9hは互いに同種でも異種でもよく、それぞれ水素
    原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラ
    ルキル基、又はアルキルアリール基を示し、R15は炭素
    数1〜6で且つ三価の炭化水素基を示す。] 【化4】 [上式中、R16及びR17は互いに同種でも異種でもよ
    く、それぞれ水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、
    アリール基、アラルキル基、又はアルキルアリール基を
    示す。] 【化5】 [上式中、R18乃至R22は互いに同種でも異種でもよ
    く、それぞれ水素原子、又は炭素数1〜20のアルキル
    基を示す。] 【化6】 [上式中、R23は水素原子、炭素数1〜20のアルキル
    基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基、
    ヒドロキシフェニル基、アルキル−ヒドロキシフェニル
    基、又はアルコキシ基を示す。]のいずれかで表される
    化合物群の中から選ばれる少なくとも1種の有機リン化
    合物とが配合されており、前記基油100重量部に対す
    る前記有機リン化合物の配合割合が0.001〜1.0
    重量部であることを特徴とする合成潤滑油組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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