JP2002037781A - アリシンアミドエチレンアセタールのラセミ化法 - Google Patents

アリシンアミドエチレンアセタールのラセミ化法

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JP2002037781A
JP2002037781A JP2000221693A JP2000221693A JP2002037781A JP 2002037781 A JP2002037781 A JP 2002037781A JP 2000221693 A JP2000221693 A JP 2000221693A JP 2000221693 A JP2000221693 A JP 2000221693A JP 2002037781 A JP2002037781 A JP 2002037781A
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ethylene acetal
racemization
allicinamide
racemizing
amide
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Masaharu Dotani
正晴 銅谷
Takashi Kayama
考 加山
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来法よりも好成績で行うことが可能なアリ
シンアミドエチレンアセタールをラセミ化する方法を提
供する。 【解決手段】 光学活性アリシンアミドエチレンアセタ
ールを、強塩基性物質の存在下で加熱してラセミ化する
方法において、溶媒種として脂肪族または芳香族のエー
テル類を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はラセミ化法に関し、
さらに詳細には光学活性α−アミノ酸アミドのラセミ化
法に関する。具体的には光学活性アリシンアミドエチレ
ンアセタールのラセミ化法に関するものである。L−ア
リシンアミドエチレンアセタールの有するアミド基を加
水分解して得られるL−アリシンエチレンアセタールは
医薬品の中間体等として有用である。L−アリシンアミ
ドエチレンアセタールのアミド基がカルボキシル基にな
ったものがL−アリシンエチレンアセタールである。
【0002】
【従来の技術】D,L−α−アミノ酸アミドを例えば生
化学的に不斉加水分解し、L−α−アミノ酸とD−α−
アミノ酸アミドとを得る方法はD,L−α−アミノ酸の
光学分割法の一種として知られている。しかし、この光
学分割で得られたL−α−アミノ酸分離後のD−α−ア
ミノ酸アミドをラセミ化してD,L−α−アミノ酸アミ
ドが容易に得られれば、このD,L−α−アミノ酸アミ
ドから再度光学分割によってL−α−アミノ酸が得られ
る。このように光学分割とラセミ化を交互に逐次繰り返
すことにより、D,L−α−アミノ酸アミドが有効に利
用されることになり、これに対してこのラセミ化が効率
よく行われなければ、D,L−α−アミノ酸アミドが有
効に利用されないことになる。
【0003】前記の光学分割で得られたL−α−アミノ
酸分離後のD−α−アミノ酸アミドのラセミ化法に関し
ては、光学活性α−アミノ酸アミドを、強塩基性物質の
存在下で加熱して光学活性α−アミノ酸アミドをラセミ
化する方法(特開昭61−197530)が知られてお
り、この方法においてラセミ化率、およびアミド残存率
が一般的に良いと考えられる溶媒としてガソリン、灯
油、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン、キシレン、メシチレンおよびシメン等の炭化
水素類、n−ブタノール、i−ブタノール、n−アミル
アルコールおよびi−アミルアルコール等のアルコール
類ならびにイソブチロニトリルなどが挙げられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記炭
化水素類に不溶もしくは難溶であるアリシンアミドエチ
レンアセタールについては溶媒として炭化水素類を用い
た場合にはラセミ化率が非常に悪く、また同様に上記ア
ルコール類ならびにイソブチロニトリル等を溶媒に使用
した場合、触媒使用量も増加し、かつアミド残存率が悪
いという問題点を有している。本発明の目的は、従来技
術における上記したような課題を解決し、アリシンアミ
ドエチレンアセタールのラセミ化においてラセミ化率、
アミド残存率の双方の成績を向上するラセミ化法を提供
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、D,L−
アリシンアミドエチレンアセタールの生化学的加水分解
により得られるL−アリシンエチレンアセタールとD−
アリシンアミドエチレンアセタールとを含有する液から
回収されたD−アリシンアミドエチレンアセタールを好
成績でラセミ化を行うための方法について鋭意検討を行
った結果、D−アリシンアミドエチレンアセタールのラ
セミ化においてラセミ化率、アミド残存率の双方が好成
績で行われるラセミ化法を見いだし、本発明に到達し
た。すなわち本発明は、化学式が(1)で示される光学
活性アリシンアミドエチレンアセタールを、強塩基性物
質の存在下で加熱してラセミ化する方法において、溶媒
種として脂肪族または芳香族のエーテル類を使用するこ
とを特徴とするアリシンアミドエチレンアセタールのラ
セミ化法である。
【0006】
【化2】
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用する溶媒としては、
脂肪族または芳香族のエーテル類であれば特に制限され
るものでは無いが、例えば、イソプロピルエーテル、n
−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、アニソール、フェネト
ール、ジメトキシベンゼン等がある。溶媒の使用量につ
いて特に制限はないが、実用上、光学活性アリシンアミ
ドエチレンアセタールの重量に対して100倍より多く
する必要はなく、1〜20倍が好ましい。反応液中の水
分は少ない方が好ましいが、1重量%程度以下ならば殆
ど支障はなく、0.5重量%以下であれば実質的に支障
はない。
【0008】本発明で使用される強塩基性物質とは、有
機または無機の強塩基性物質であれば良く、代表例とし
て水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチ
ルアンモニウムおよび水酸化テトラ−n−プロピルアン
モニウムなどの有機第4級アンモニウム化合物、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化
セシウム、水酸化ルビジウム、ナトリウムメチラート、
ナトリウムエチラート、ナトリウムアミド、ナトリウム
ハイドライド、ナトリウムシアナイドおよびカリウムシ
アナイドなどのアルカリ金属化合物、ならびに水酸化バ
リウムなどのアルカリ土類金属化合物が挙げられる。なお、
反応液内において上記の強塩基性物質に変化しうる物質
例えばリチウム、ナトリウムおよびカリウムなどのアル
カリ金属単体、ならびにバリウムなどのアルカリ金属単
体をそれぞれ添加することも可能である。これら強塩基
性物質の使用量は、光学活性アリシンアミドエチレンア
セタール1モルの対して0.001〜0.5モルであ
り、好適には、0.01〜0.1モルである。
【0009】ラセミ化反応の温度は20〜200℃、好
適には50〜150℃である。ラセミ化反応は通常常圧
下で行われるが、減圧下または加圧下で行うこともでき
る。反応時間は、強塩基性物質の種類および量、溶媒の
種類および量ならびに反応温度などによって異なり、一
概に特定し得ないが、通常は1分〜5時間程度とされ
る。
【0010】ラセミ化反応終了後の反応生成液中に存在
するD,L−アリシンアミドエチレンアセタールは、例
えば、減圧下に溶媒を除去し、析出した結晶を取り出す
などの通常の固液分離法により分離、回収される。この
ようにして得られたD,L−アリシンアミドエチレンア
セタールには微量の強塩基性物質が混入することもある
が、このようなD,L−アリシンアミドエチレンアセタ
ールをそのまま光学分割の原料として使用することが出
来る。また、この微量の強塩基性物質を除去することが
必要な場合には、例えばラセミ化反応後の反応生成液に
酸を加えて中和し強塩基性物質を塩として析出させ、こ
の塩を除去する事により強塩基性物質を除去することが
可能である。
【0011】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。実
施例110mlSUS製耐圧容器にD−アリシンアミド
エチレンアセタール 1.5g、アニソール 6g、水
酸化ナトリウム 0.02gを加え、130℃で1h振
とう攪拌を行った。反応終了後、反応生成液を液体クロ
マトグラフィーで分析したところ、アリシンアミドエチ
レンアセタール残存率95%、D−アリシンアミドエチ
レンアセタールラセミ化率93%であった。なお、前記
のアリシンアミドエチレンアセタール残存率およびD−
アリシンアミドエチレンアセタールラセミ化率はそれぞ
れ次のようにして算出される。すなわち、 アリシンアミドエチレンアセタール残存率(%)=(ラ
セミ化反応後のアミド)÷(仕込みアミド)×100 D−アリシンアミドエチレンアセタールラセミ化率
(%)=(ラセミ化反応生成液中のL−アミド)÷(ラ
セミ化反応生成液中のL−アミド+同D−アミド)×2
×100 なお、ラセミ化率100%とはラセミ化反応生成液中の
L−アリシンアミドエチレンアセタールとD−アリシン
アミドエチレンアセタールとが共に等量であることを示
す。以下の実施例、比較例においても、アリシンアミド
エチレンアセタール残存率およびアリシンアミドエチレ
ンアセタールラセミ化率はそれぞれこれらと同様にして
算出されたものである。
【0012】実施例2〜5 各種の溶媒の種類を使用して実施例1と同様にして反応
を行った。結果などを表1に示す。 表1 実施例 溶 媒 アミド ラセミ 残存率 化率 2 イソプロピルエーテル 91% 92% 3 ブチルエーテル 92 90 4 エチレングリコールモノイソプロピルエーテル 94 88 5 ジエチレングリコールジメチルエーテル 95 95 比較例1 溶媒をエチルベンゼンに代え、実施例1と同様にして反
応を行った。反応終了後、反応生成液を液体クロマトグ
ラフィーで分析したところ、アリシンアミドエチレンア
セタール残存率75%、D−アリシンアミドエチレンア
セタールラセミ化率18%であった。
【0013】比較例2〜4 各種の溶媒の種類、ならびに触媒量を変えたほかは実施
例1と同様にして反応を行った。結果などを表2に示
す。 表2 比較例 溶媒 触媒量 アミド ラセミ 残存率 化率 2 トルエン 0.02g 83% 24% 3 イソブタノール 0.02g 85 58 4 イソブタノール 0.08g 74 85
【0014】
【発明の効果】本発明の方法によれば、強塩基性物質の
存在下で加熱してアリシンアミドエチレンアセタールを
ラセミ化する方法において、従来よりも好成績で行うこ
とが可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式が(1)で示される光学活性アリ
    シンアミドエチレンアセタールを、強塩基性物質の存在
    下で加熱してラセミ化する方法において、溶媒種として
    脂肪族または芳香族のエーテル類を使用することを特徴
    とするアリシンアミドエチレンアセタールのラセミ化
    法。 【化1】
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