JP2002037737A - ブレオマイシン類の安定な水溶液 - Google Patents

ブレオマイシン類の安定な水溶液

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JP2002037737A
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JP
Japan
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bleomycins
bleomycin
aqueous solution
solution
injection
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Application number
JP2001235200A
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English (en)
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Keizo Ishikawa
恵三 石川
Michinobu Nakano
美智信 中野
Takatoshi Miyake
崇捷 三宅
Tokuji Nakatani
得二 中谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】凍結乾燥ブレオマイシン注射剤を用時溶解して
使用する事は繁忙時には極めて面倒であり、ブレオマイ
シンのような強力な抗腫瘍剤の場合には溶解時の事故等
の危険性もある。そのため、再溶解を必要としないブレ
オマイシン類の水溶液製剤の製造が求められていたが、
その不安定性の為未だに実現されていない。 【解決手段】ブレオマイシン類の水溶液の安定性はその
溶液のpHに大きく影響されpH4.6〜6、好ましく
はpH4.8〜5.6、より好ましくはpH5.0〜
5.4に調整する事により安定化されることを見出し本
発明を完成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は注射又はインフュー
ジョン(infusion)での投与に好適な用時再溶解不要な
ブレオマイシン類の安定な水溶液製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ブレオマイシンは、1962年梅沢らに
より発見された抗腫瘍性抗生物質であり、放線菌、例え
ばストレプトミセス属に属するストレプトミセス・バー
チシラスを通常の栄養源を含有する液体培地で通気攪拌
下に培養することにより産生され、培養濾液より公知の
方法で抽出、精製することにより、一原子の銅をキレー
トした青色粉末として得られる。(梅沢ら、J. Antibio
tics 19A巻、210頁、1966年) 通常の培養法によれば、末端アミン残基が異なる十数種
のブレオマイシン混合物が生産される。
【0003】又、末端アミン残基に対応する第一級アミ
ンを前駆体として培養液に添加する方法により培養すれ
ば、一種類のブレオマイシンが選択的に産生される。第
一の方法で得られるブレオマイシン混合物及ぴ第二の方
法により得られるペプロマイシンが、それぞれの脱銅体
として癌治療の臨床面で広く使用されており特に偏平上
皮癌を中心に、皮膚癌、頭頸部癌、肺癌、悪性リンパ
腫、前立腺癌などで優れた成績を上げている。これら臨
床で用いられているブレオマイシン類は通常水溶液中で
は極めて不安定なため、それぞれ、凍結乾燥粉末として
供給されており用時再溶解し注射、又はinfusionで投与
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、用時溶解して
使用する事は繁忙時には極めて面倒であり、ブレオマイ
シンのような強力な抗腫瘍剤の場合には溶解時の事故、
例えば液漏れ等は、注射液を作る個人に健康上の危害を
与える危険性もある。そのため、再溶解を必要としない
ブレオマイシン類の水溶液製剤の製造が求められていた
が、その不安定性の為未だに実現されていない。本発明
の目標は、少なくとも冷所(<10℃)、2年間安定な
(<10%の含量低下)ブレオマイシン類の水溶液製剤
を供給することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはブレオマイ
シン水溶液の安定性を向上させるため種々検討した結
果、ブレオマイシン類の水溶液の安定性はその溶液のp
Hに大きく影響されpH4.6〜6、好ましくはpH
4.8〜5.6、より好ましくはpH5.0〜5.4に
調整する事により安定化されることを見出し本発明を完
成した。
【0006】即ち本発明は(1)ブレオマイシン類0.
05〜20mg力価/mlを含み、緩衝液を含み、pH
が4.6〜6であって、40℃、10日間保存後のブレ
オマイシン残存量が88.1%以上である、用時溶解製
剤を除く水溶液製剤に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるブレオマイシン類
の濃度は特に制限はないが、使用目的により異なり、注
射を目的とする場合は2〜20mg力価/ml、infusi
onで用いる場合には、0.05〜0.2mg力価/ml
で用いることが好ましい。
【0008】本発明でpH調整用に用いられる酸として
は、生理学的に許容されるものであれば特に制限はない
が、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、燐酸、酢
酸、クエン酸、コハク酸等が挙げられる。pHの安定化
という面で、燐酸、酢酸、クエン酸などの緩衝液の使用
がより好ましい。これらの酸は、単独に、或いは適当に
組み合わせて使用される。
【0009】又、これらの濃度はpHが4.6〜6、好
ましくは4.8〜5.6、より好ましくは5.0〜5.
4の範囲なら特に限定はないが、通常0.001〜10
%、好ましくは0.01〜5%程度である。
【0010】本発明の水溶液製剤は通常バイアルまたは
アンプルまたはプラスチック製輸液用ボトルに密封して
供給される。
【0011】
【実施例】実験例により、本発明のブレオマイシン類の
水溶液製剤が安定である事を示す。
【0012】実験例1 ブレオマイシンを5mg力価/mlとなるように0.0
5M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液に溶解し、表1に示す
pHの溶液を調整し、これを40℃、10日間保存後、
高速液体クロマトグラフィーにより残存ブレオマイシン
量を定量した。
【0013】表1 ブレオマイシン水溶液の安定性に対
するpHの影響 pH ブレオマイシン残存量(対初期値%) 4.0 84.9 4.4 85.8 4.6 88.7 4.8 89.5 5.0 92.4 5.2 91.0 5.4 92.7 5.6 90.5 6.0 88.1 結果は表1に示すようにpH4.6〜6.0で安定であること
を示している。
【0014】次に、実施例により本発明の製剤を具体的
に示す。 実施例1 ブレオマイシン150mg力価を0.05Mの燐酸ナト
リウム溶液に溶解し、クエン酸を加えてpH5に調整
し、全容を30mlとし、ミリポアー濾過後、3mlづ
つバイアル瓶に充填、密栓した。この製剤を用い、高速
液体クロマトグラフィーで残存ブレオマイシン量を定量
する方法により、30℃、40℃、50℃の苛酷条件下
の安定性を求めた。その結果から本製剤は、10℃以下
においては2年間の保存が可能である事が予測された。
(<10%の含量低下)
【0015】実施例2 ブレオマイシン150mg力価を0.05Mの燐酸ナト
リウムを含む生理食塩水に溶解し、クエン酸を加えてp
H5に調整し、全容を1000mlとし、ミリポアー濾
過後、100mlづつ輸液用プラスチック瓶に充填、密
栓した。
【0016】
【発明の効果】本発明により得られるブレオマイシン水
溶液製剤は使用時の煩雑さ、危険性を回避するのみでな
く、製造工程においても凍結乾燥を省く事が出来、コス
トの低い製品を供給出来るという利点も持つ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA12 BB11 CC32 DD22 FF36 FF68 GG45 4C086 AA01 EA11 MA17 NA10 ZB26

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレオマイシン類0.05〜20mg力価
    /mlを含み、緩衝液を含み、pHが4.6〜6であっ
    て、40℃、10日間保存後のブレオマイシン残存量が
    88.1%以上である、用時溶解製剤を除く水溶液製
    剤。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5929617A (ja) * 1982-07-19 1984-02-16 イーライ・リリー・アンド・カンパニー ビンカ・アルカロイド製剤
JPH01117894A (ja) * 1987-07-16 1989-05-10 Bristol Myers Co ドキソルビシン塩酸塩水溶液
JPH02174726A (ja) * 1988-12-23 1990-07-06 Toyo Jozo Co Ltd エルカトニン水溶液組成物の安定化法

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