JP2002037312A - 蓋 材 - Google Patents
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Abstract
知機による検査を可能にし、カールのない充填機適性に
優れ、開封に際して破裂等がなく、かつデッドホールド
性を有する蓋材の提供にある。 【解決手段】アルミニウム箔を含まない積層体で、外周
縁に開封用タブを有する蓋材であって、前記積層体は、
少なくとも最外層が紙層24でなり、以下*〜8μmの
EMAA等薄膜押出し樹脂層25、二軸延伸された基材
フィルム層26、ピール強度2〜6kg/15mmの高
ピール樹脂層27の順に積層されている蓋材20とする
ものである。
Description
し、かつ上端周縁にフランジ部を有する容器本体の、前
記フランジ部のシール密封に適した紙を主体とした蓋材
に関するものであり、特に即席麺等を収納し、熱湯を注
いで食する容器の蓋材でアルミニウム箔を含まない構成
の蓋材に関する。
納する容器で、上端に開口部を有し、かつ上端周縁にフ
ランジ部を有する容器本体の前記フランジ部をシール等
で密封する紙を主体とした蓋材として、紙層の下面にア
ルミニウム箔、シーラント層が積層されたものが知られ
ている。
る蓋材は、香りを保持する保香性、充填機適性(容器に
内容物を充填し、この蓋材でシールする時の蓋材がカー
ルしていないこと)、遮光性に優れ、さらにこの容器の
開封に際し、フランジ部にシールされている蓋材をその
周縁のタブを持ち上げながら略中心部まで剥がすと、上
記のようなアルミニウム箔を介在させた構成の蓋材は、
剥がしたままの状態を維持できる性質(以下デッドホー
ルド性という)を有するものである。すなわちこのデッ
ドホールド性により、例えば即席ラーメンなどでは、剥
がして半開きの状態のまま容易に熱湯を注ぐことがで
き、次いで一旦もとに戻して再封し麺を温めほぐし柔ら
かくしてから、再開封して食すものである。このように
蓋材にアルミニウム箔の介在は、各面での有用な特性を
有するものであった。
ようなアルミニウム箔が介在する構成の蓋材において
は、使用後の焼却処理において、アルミニウム箔が炉中
にインゴットとして絡みついて焼却炉を傷めたり、焼却
効率を低下させたりする問題があり、また、その焼却灰
の埋立処分において雨水等との反応による有害ガスの発
生等環境に係わる問題があった。
は、内容物が収容された容器中に金属系切り粉等の混入
を検査する金属探知機の使用を不可能にしていて、この
ような金属探知機使用による検査法を可能とすることが
要望されていた。
として、例えばアルミニウム箔を除いたものとして、遮
光性付与のためのアルミニウム蒸着紙層、保香性付与の
ための高密度ポリエチレン層、ヒートシールのためのシ
ーラント層等で構成された積層材料があるが、アルミニ
ウム蒸着紙では金属探知器が使用できず、高密度ポリエ
チレン層では、充填機適性(カールしない性質)のコン
トロールが困難で、開封に際し蓋が破れたり、デッドホ
ールド性に乏しいので、蓋が簡単に閉じてしまい、熱湯
を注ぎ難くし、熱湯がこぼれ火傷などの危惧のあるもの
であった。
点を解決するものであり、その課題とするところは、廃
棄物に係わる環境問題の危惧がなく、金属探知機による
製品の検査を可能にし、カールのない充填機適性に優
れ、必要に応じて遮光性の付与も可能で、開封に際して
破裂等がなく、かつ十分なデッドホールド性を有する蓋
材を提供することにある。
を達成するために、まず請求項1の発明では、容器本体
の上端開口部をシール密封する、アルミニウム箔を含ま
ない積層体で、外周縁に開封用タブを有する蓋材であっ
て、前記積層体は、少なくとも最外層が紙層でなり、以
下薄膜押出し樹脂層、二軸延伸された基材フィルム層、
高ピール樹脂層の順に積層されていることを特徴とする
蓋材としたものである。
ム箔が積層されていないので、廃棄物に係わる環境問題
の付加が軽減され、かつ金属探知機による製品検査を可
能にし、中間に二軸延伸されたフィルムを積層すること
によって、保香性の付与と開封時の破裂をなくす蓋材を
提供できる。
し樹脂層は、厚さ3〜8μmの、エチレンモノマーとア
クリル酸系モノマーとの共重合体でなることを特徴とす
る請求項1記載の蓋材としたものである。
薄い膜に押し出すことが可能な共重合樹脂層を設けるこ
とによって、カールを少なくして充填機適性に優れた蓋
材とすることができる。
ピール樹脂層のピール強度が、2〜6kg/15mmで
あることを特徴とする請求項1記載の蓋材としたもので
ある。
〜6kg/15mmの高ピール樹脂でシーラント層とす
ることによって、開封に際し、容器のフランジ部から剥
離するとこの蓋材が扱かれて凹カールし、疑似的なデッ
ドホールド性のある蓋材とすることができる。
容器フランジ部の途中まで剥離した場合、元の状態に戻
らず剥離されたままのカールした状態を維持する性質を
いう。
用いて詳細に説明する。本発明は、図1の斜視図に示す
ように、例えば上端にフランジ部(12)でなる開口部
を有する容器本体(10)の開口部を密封するための蓋
材(20)に関するもので、その蓋材(20)は、周縁
に開封する時に指で摘むための開封用タブ(22)を有
し、容器本体(10)のフランジ部(12)にヒートシ
ール等でシールされているものである。
面概略図に示すように、アルミニウム箔を含まない積層
体で、この積層体は、例えば最外層が紙層(24)でな
り、この紙層(24)の裏面に遮光印刷層(23)、薄
膜押出し樹脂層(25)、二軸延伸された基材フィルム
層(26)、高ピール樹脂層(27)の順に積層されて
いるものである。
脂層(25)と基材フィルム層(26)との間に設けて
もよく、あるいは薄膜押出し樹脂層(25)の樹脂に着
色して遮光性を付与したものでもよい。あるいは遮光性
を必要としない蓋材ではこれらを除外することもでき
る。
(25)は、厚さ3〜8μmの薄い押出し樹脂層とし
て、上記紙層(24)と基材フィルム層(26)との間
に押し出してサンドイッチラミネートするもので、低温
で薄く均一に押し出すことのできる(ドローダウン性に
優れる)エチレンモノマーとアクリル酸系モノマーとの
共重合樹脂を用いるものである。この薄膜押出し樹脂層
(25)の厚さを3〜8μmと比較的薄い層とすること
によってこの積層体のカールを抑制することができ、3
μmに満たないと紙層(24)と薄膜押出し樹脂層(2
5)とが接着不足となり、8μmを越えるとこの積層体
にカールが発生して充填機適性に劣る蓋材となるので好
ましくない。
(27)即ち最内層のシーラントのピール強度は、2〜
6kg/15mmと比較的高いピール強度を有するシー
ラントとするものである。この高ピール樹脂層(27)
のピール強度を2〜6kg/15mmと比較的高いピー
ル強度とすることによって、例えば図3の側断面概略図
に示すように、開封に際し、蓋材(20)の開封用タブ
(22)を引っ張り上げて容器本体(10)のフランジ
部(12)から剥離すると、この蓋材(20)が扱かれ
て凹カールし、疑似的なデッドホールド性のある蓋材
(20)とすることができる。このピール強度が2kg
/15mmに満たないと、例えば図4の側断面概略図に
示すように、シール強度が弱く比較的容易に容器フラン
ジ部(12)から剥離してしまい、デッドホールド性に
乏しい蓋材(20)となり、6kg/15mmを越える
とピールし難い蓋材(20)となり破裂する危惧もあり
好ましくない。
層の材料等について説明する。まず本発明の蓋材(2
0)を構成する紙層(24)としては、少なくとも表面
が白色で多色印刷適性を有するものが好ましく、坪量5
0g/m2 〜120g/m2 程度の両アート紙、片アー
ト紙あるいは両面、片面コート紙などを好適に使用する
ことができる。坪量で50g/m2 に満たないと、例え
ば着色された遮光層を設けた場合、表面から黒ずんで見
えるので商品価値が劣ることになり好ましくなく、また
厚過ぎるとピールした際にデッドホールド性に乏しくな
る危惧がある。
膜押出し樹脂層(25)としては、エチレンモノマーと
アクリル酸系モノマーとの共重合体(コポリマー)で、
例えばエチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチ
レン/メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン/
アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン/アク
リル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン/メタクリ
ル酸メチル共重合体(EMMA)などの低温で且つ薄膜
押出しが可能な(ドローダウン性に優れた)樹脂が挙げ
られ、前記の紙層(24)と基材フィルム層(26)と
の間に、250℃以下の低温で、厚さ3〜8μmの範囲
で押し出して両者のサンドイッチラミネート層として得
られる。
材フィルム層(26)としては、二軸延伸されたフィル
ムが破裂防止の点から好ましく、かつ保香性をも考慮し
たものとして、例えば、厚さ9〜25μm、好ましくは
12μm程度の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(PET)、このPETに酸化アルミニウム等金
属酸化物を蒸着してバリア性を高めたセラミック蒸着フ
ィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、
あるいはこのOPPまたは前記PETにポリ塩化ビニリ
デンをコートしてバリア性を高めたフィルム等が挙げら
れる。
ピール樹脂層(27)としては、ピール強度で2〜6k
g/15mmの範囲を満足する樹脂であればよく、シー
ルされる容器の材質によっても異なり、例えば容器のフ
ランジ部(12)がポリエチレン(紙にポリエチレンが
コートされているものも含む)の場合は、ポリエチレン
とポリプロピレンのブレンド樹脂でポリエチレンが10
〜60重量%含まれるもの、容器のフランジ部がポリプ
ロピレンの場合は、ポリエチレンとポリプロピレンのブ
レンド樹脂でポリプロピレンが10〜60重量%含まれ
る樹脂:商品名XB16c(和田化学社製)、容器のフ
ランジ部が発泡ポリスチレンの場合は、商品名:VN5
02(デュポン社製)などが挙げられ、基材フィルム
(26)にアンカーコート剤を介して厚さ15〜30μ
m程度に押し出してラミネートするか、あるいは厚さ1
5〜30μm程度のフィルムをドライラミネーション用
接着剤を介してラミネートして得られる。
てホットメルト接着剤を用い、例えば、容器がポリエチ
レンあるいはポリスチレンの場合は、ワックス系のホッ
トメルト接着剤:商品名ディックメルトDX−65A、
DX−65TS(いずれも大日本インキ化学工業社
製)、容器がポリプロピレンの場合は、ワックス系のホ
ットメルト接着剤:商品名ディックメルトDX−10
R、DX−213、DX−217(いずれも大日本イン
キ化学工業社製)などが具体的に挙げられ、ロールコー
ト法等で15〜30μm程度の塗膜として得ることもで
きる。
3)としては、例えば紙層(24)の裏面に設ける場
合、グラビア法にて墨インキを塗布し、その上から白色
インキを塗布するか、あるいはグレー(墨インキと白色
インキの混合)インキを塗布してもよいが、これらの白
色インキはいずれの場合もコンクインキを用いて、蓋材
の裏面から見た場合も、見栄えがするようにするとよ
い。また、例えば薄膜押出し樹脂層(25)と基材フィ
ルム層(26)との間に設ける場合は、基材フィルム層
(26)の表面に白色コンクインキを塗布し、その上に
墨インキを塗布して得られるか、あるいはグレーインキ
でもよい。
成のための樹脂にカーボンや白色顔料(酸化チタン等)
を分散させて、遮光性が付与された薄膜押出し樹脂層
(25)とすることもできる。
る。 〈実施例1〉図2に示すように、表面に絵柄等が印刷さ
れた坪量79.1g/m2 のコート紙を紙層(24)と
し、その裏面に墨インキと白色コンクインキをグラビア
法で塗布して遮光印刷層(23)を形成した。
レート(PET)フィルムに真空蒸着法にて、酸化アル
ミニウムを蒸着し、さらに下記組成からなる被覆層塗液
をバーコーターにより塗布し、乾燥機で120℃、1分
間乾燥させ、厚さ約0.5μmの被覆層を形成して基材
フィルム層(26)用のセラミック蒸着フィルムを作成
した。
ン〔Si(OC2 H5 )4 〕10.4gに塩酸(0.1
N)を89.6g加え、30分間攪拌し加水分解させた
固形分3wt%(SiO2換算)の加水分解溶液(A)
と、ポリビニルアルコールの3.Owt%の水/イソプ
ロピルアルコール(90/10)溶液(B)を混合した
組成。
印刷層(23)面と、セラミック蒸着フィルムの被覆層
面との間に、EMAA押出グレード樹脂:商品名ニュク
レルAN4225(三井・デュポンポリケミカル社製)
を200〜210℃の押出し樹脂温度にて厚さ8μmに
押し出して薄膜押出し樹脂層(25)を形成してサンド
イッチラミネートした。
6)のPETフィルム側にワックス系のホットメルト接
着剤:商品名ディックメルトDX−65A(大日本イン
キ化学工業社製)を20g/m2 にロールコート法にて
塗布して高ピール樹脂層(27)を形成して積層体と
し、小断ちし、打ち抜いて100mmφの蓋材(10)
を得た。
く平坦なもので、これらを充填機に搭載してポリエチレ
ンがコートされた紙製容器にヒートシールする試験を行
ったところ、この蓋材(20)の搬送やシール等にも問
題がなく充填機適性に優れるものであった。
ール樹脂層(27)用のホットメルト接着剤に代えて、
ポリエステル・ウレタン系のドライラミネーション用接
着剤:A−515/A−50(武田薬品社製)をグラビ
ア法にて3g/m2 の塗布量で塗布、乾燥し、接着剤表
面がまだ粘着状態時に、ポリエチレンに不相溶性成分で
あるポリブデンを混合した厚さ30μmのイージーピー
ルフィルム:商品名CF7601(東レ合成社製)を加
圧接着して積層体とした以外は、実施例1と同様にして
100mmφの蓋材(20)を得た。
く平坦なもので、これらを充填機に搭載してポリエチレ
ンがコートされた紙製容器にヒートシールする試験を行
ったところ、この蓋材(20)の搬送やシール等にも問
題がなく充填機適性に優れるものであった。
得られた紙製容器の開封で、蓋材(20)の開封用タブ
を引っ張り上げ容器のフランジ部から蓋材中央近傍まで
剥離したところ、実施例1で得られた蓋材では、図3に
示すように、外側に凹カールして、この状態のままで熱
湯を注いだり、あるいはヨーグルト等のような内容物を
取り出したりできる所謂デッドホールド性に優れるもの
であった。これに対し比較例1で得られた蓋材では、図
4に示すように、カールもせずに容易に剥離して、手を
離すと元に戻り、閉封状態となる所謂デッドホールド性
に乏しいものであった。
示す如き効果がある。即ち、少なくとも最外層が紙層で
なり、以下薄膜押出し樹脂層、二軸延伸された基材フィ
ルム層、高ピール樹脂層の順に積層されている蓋材で、
アルミニウム箔が積層されていないので、廃棄物に係わ
る環境問題の付加が軽減され、かつ金属探知機による製
品検査を可能にし、中間に二軸延伸されたフィルムを積
層することによって、保香性の付与と開封時の破裂をな
くす蓋材を提供できる。
8μmの、低温でかつ薄い膜に押し出すことが可能な共
重合樹脂層を設けることによって、カールを少なくして
充填機適性に優れた蓋材とすることができる。
5mmの高ピール樹脂でシーラント層とすることによっ
て、開封に際し、容器のフランジ部から剥離するとこの
蓋材が扱かれて凹カールし、疑似的デッドホールド性の
ある蓋材とすることができる。
容器の蓋材において、環境問題の負荷が少なくかつ製品
検査に金属探知機が使用でき、アルミニウム箔が介在し
なくとも充填機適性やデッドホールド性にも優れる蓋材
として、優れた実用上の効果を発揮する。
す斜視図である。
説明図である。
表した説明図である。
面で表した説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】容器本体の上端開口部をシール密封する、
アルミニウム箔を含まない積層体で、外周縁に開封用タ
ブを有する蓋材であって、前記積層体は、少なくとも最
外層が紙層でなり、以下薄膜押出し樹脂層、二軸延伸さ
れた基材フィルム層、高ピール樹脂層の順に積層されて
いることを特徴とする蓋材。 - 【請求項2】前記薄膜押出し樹脂層は、厚さ3〜8μm
の、エチレンモノマーとアクリル酸系モノマーとの共重
合体でなることを特徴とする請求項1記載の蓋材。 - 【請求項3】前記高ピール樹脂層のピール強度が、2〜
6kg/15mmであることを特徴とする請求項1記載
の蓋材。
Priority Applications (1)
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JP2000221930A JP4560907B2 (ja) | 2000-07-24 | 2000-07-24 | 蓋材 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000221930A Expired - Lifetime JP4560907B2 (ja) | 2000-07-24 | 2000-07-24 | 蓋材 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006334802A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Toppan Printing Co Ltd | 紙製蓋材 |
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JP2012197100A (ja) * | 2011-03-22 | 2012-10-18 | Toppan Printing Co Ltd | 蓋材 |
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2000
- 2000-07-24 JP JP2000221930A patent/JP4560907B2/ja not_active Expired - Lifetime
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