JP5796322B2 - 蓋材 - Google Patents
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Description
1.少なくとも、貼合紙層、第一の接着剤層、樹脂フィルム層、第二の接着剤層、及びシーラント層をこの順に有する積層体からなる蓋材であって、該貼合紙層は、2又はそれ以上の紙層と、該紙層間に位置してこれらを貼合するワックス層とを有する層であり、該積層体は、アルミニウムよりなる層を有しないことを特徴とする、上記蓋材。
2.前記ワックス層が、鉱物系ワックス、石油ワックス、合成炭化水素ワックス、及びこれらの誘導体からなる群より選択されるワックスを含むワックス組成物からなることを特徴とする、上記1記載の蓋材。
3.前記ワックス組成物が、さらにエチレン酢酸ビニル共重合体を含むことを特徴とする、上記2に記載の蓋材。
4.前記貼合紙は、2つの紙層と、これらの間に位置してこれらを貼合するワックス層とからなる貼合紙であり、該ワックス層は、ワックス組成物の塗工量が5〜100g/m2となるように形成されることを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載の蓋材。
<1>本発明の蓋材を構成する積層体の層構成
図1は、本発明において用いられる積層体の層構成の一例を示す概略的断面図である。
本発明において、該積層体は、図1に示すように、貼合紙層(1)、第一の接着剤層(2)、樹脂フィルム層(3)、第二の接着剤層(4)、シーラント層(5)の5層を基本の層構成とし、貼合紙層(1)は、第一及び第二の紙層(a1、a2)と、これらの間に位置してこれらを貼合するワックス層(b)とからなる。
また、第一の接着剤層(2)と樹脂フィルム層(3)または樹脂フィルム層(3)と第二の接着剤層(4)との間に、遮光性を担う層、またはポリエチレン樹脂からなる層であって蓋材と容器との密着を補強するクッション層、等を設けてもよい。
本発明の蓋材を構成する貼合紙層は、2又はそれ以上の紙層と、該紙層間に位置してこれらを貼合するワックス層とを有する層である。
ワックス組成物がEVAを含む場合、EVAの含有量は、組成物全体の0〜40質量%であり、良好な耐クリープ性を得るためには、好適には20〜40質量%である。EVAの含有量が40質量%より多いと、紙を貼合するために必要な接着力及び初期粘着力が低下するため好ましくない。
うとするのを抑えることができず、十分なデッドホールド性が得られない。一方、100g/m2より多いと、製造及び加工が困難となり、好ましくない。
本発明の蓋材を構成する積層体において、貼合紙と樹脂フィルムとが、第一の接着剤層を介して積層される。この積層は任意の方法により行うことができるが、接着強度を高めるために、好適には、ドライラミネート方法により行われる。
本発明の蓋材を構成する樹脂フィルム層は、蓋材に強度を与えたり、各種のバリア性を付与したりするために積層される樹脂フィルムからなる層である。
ってもよい。
樹脂フィルム層の厚さとしては、5〜50μm、より好ましくは6〜20μmである。樹脂フィルム層が厚すぎると、積層体のデッドホールド性が損なわれる。
本発明の蓋材を構成する積層体において、樹脂フィルム層とシーラント層とが、第二の接着剤層を介して積層される。この積層は、樹脂フィルム層の貼合面上に第二の接着剤層としてアンカーコート剤を塗工し、その上に、シーラント層を形成する樹脂を押出コーティングすることにより行われる。または、一方の貼合面上に、第二の接着剤層としてドライラミネート用接着剤を塗工し、その上に、もう一方の貼合面を重ね合せてドライラミネートすることにより行ってもよい。塗工手段としては、サイズプレスロールコーターやグラビアロールコーター等を用いるロールコーティング、スプレーコーティング、刷毛によるコーティング等の任意の手段を用いることができる。
本発明の蓋材を構成する積層体において、シーラント層は、蓋材として使用する際に最内層を形成する層である。
本発明の蓋材は、カップ形状の包装容器、特に食品の包装容器、特にカップラーメンやカップ焼きそば等のインスタント食品、菓子、ゼリー等の内容物を密封するための包装容器の蓋材として好適に使用することができる。また、アルミニウムよりなる層を有しないので、電子レンジを用いて調理する即席食品の包装容器にも適用可能である。
米坪量が35g/m2の純白ロール紙(大王製紙(株)製キンシャチ)を2枚用意し、その内の1枚の表面上に、加熱溶融したワックス組成物(東洋アドレ(株)製トヨメルトR671)を塗工量20g/m2で塗工し、その上にもう1枚の模造紙を重ね合せてワックスラミネートし、貼合紙を製造した。
ワックス組成物の塗工量を10g/m2とした以外は、実施例1と同様にして、本発明の蓋材及びそれを用いた包装体を製造した。得られた包装体は、良好な密封性を有していた。また、つまみ片を容器フランジに対して角度135°で引っ張って蓋の半分を開封したところ、本発明の蓋材は湾曲開封形状を保持し、開封点から開封方向に水平距離で20mmの位置まで、蓋材と容器フランジとは接触していなかった。さらに、蓋材を元に戻して再封したところ、再封平滑状態を保持し、良好なデッドホールド性を示した。
ワックス組成物の塗工量を30g/m2とした以外は、実施例1と同様にして、本発明の蓋材及びそれを用いた包装体を製造した。得られた包装体は、良好な密封性を有していた。また、つまみ片を容器フランジに対して角度135°で引っ張って蓋の半分を開封したところ、本発明の蓋材は湾曲開封形状を保持し、開封点から開封方向に水平距離で30mmの位置まで、蓋材と容器フランジとは接触していなかった。さらに、蓋材を元に戻して再封したところ、再封平滑状態を保持し、良好なデッドホールド性を示した。
米坪量30g/m2の純白ロール紙(大王製紙(株)製キンシャチ)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の蓋材及びそれを用いた包装体を製造した。得られた包装体は、良好な密封性を有していた。また、つまみ片を容器フランジに対して角度135°で引っ張って蓋の半分を開封したところ、本発明の蓋材は湾曲開封形状を保持し、開封点から開封方向に水平距離で30mmの位置まで、蓋材と容器フランジとは接触していなかった。さらに、蓋材を元に戻して再封したところ、再封平滑状態を保持し、良好なデッドホールド性を示した。
貼合紙の代わりに、米坪量81.4g/m2の上質紙(日本製紙(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、蓋材及びそれを用いた包装体を製造した。得られた包装体の蓋を半分開封したところ、デッドホールド性は発現せず、開封点(0mm)の位置で、蓋材と容器フランジとが接触し、蓋材が開口部を塞いだ。
ワックス組成物の代わりに、2液硬化型のポリウレタン系接着剤(三井化学(株)製、主剤:タケラックA969/硬化剤:タケネートA5、固形分4.0g/m2)を用いて模造紙を貼合した以外は、実施例1と同様にして、蓋材及びそれを用いた包装体を製造した。得られた包装体の蓋を半分開封したところ、デッドホールド性は発現せず、開封点(0mm)の位置で、蓋材と容器フランジとが接触し、蓋材が開口部を塞いだ。
ワックス組成物の塗工量を3.0g/m2とした以外は、実施例1と同様にして、蓋材及びそれを用いた包装体を製造した。得られた包装体の蓋を半分開封したところ、デッドホールド性は発現せず、開封点(0mm)の位置で、蓋材と容器フランジとが接触し、蓋材が開口部を塞いだ。
2.第一の接着剤層
3.樹脂フィルム層
4.第二の接着剤層
5.シーラント層
a1.第一の紙層
a2.第二の紙層
b.ワックス層
Claims (4)
- 少なくとも、貼合紙層、第一の接着剤層、樹脂フィルム層、第二の接着剤層、及びシーラント層をこの順に有する積層体からなり、カップ形状の包装容器に対して用いられるデッドホールド機能付き蓋材であって、
該貼合紙層は、2又はそれ以上の紙層と、該紙層間に位置してこれらを貼合するワックス層とを有する層であり、これにより、開封時に開封口を塞がないように湾曲形状を保持し、再封時に開封以前の平滑形状に戻ってそれを保持することを可能にするデッドホールド性が上記蓋材に付与され、
該積層体は、アルミニウムよりなる層を有しないことを特徴とする、上記デッドホールド機能付き蓋材。 - 前記ワックス層が、鉱物系ワックス、石油ワックス、合成炭化水素ワックス、及びこれらの誘導体からなる群より選択されるワックスを含むワックス組成物からなることを特徴とする、請求項1に記載のデッドホールド機能付き蓋材。
- 前記ワックス組成物が、さらにエチレン酢酸ビニル共重合体を含むことを特徴とする、請求項2に記載のデッドホールド機能付き蓋材。
- 前記貼合紙は、2つの紙層と、これらの間に位置してこれらを貼合するワックス層とからなる貼合紙であり、該ワックス層は、ワックス組成物の塗工量が5〜100g/m2となるように形成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のデッドホールド機能付き蓋材。
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