JP4172847B2 - 熱封緘蓋材を用いた包装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
この発明は、ポリスチレン(以下PSという)およびポリプロピレン(以下PPという)等の合成樹脂製容器の蓋材を用いた包装体に関する。詳しくは特定形状のリングシール用熱封緘蓋材および押し込みシール用蓋材によって、脱塩素化を図った包装体に関する
【0002】
【従来の技術】
従来、合成樹脂製容器の蓋材としては、外面樹脂フィルム層、金属箔(例えばアルミ箔)層、内面熱接着樹脂層を積層したものが、一般的に使用されているが、近年、コストダウンおよび環境保護の観点から、金属箔の厚みは薄くなる傾向にあり、金属箔を全く使用しないものさえ流通し始めている。また、内容物の保存性(長期保存性)や遠距離流通等のため容器を完全密封することが要望され、単純な平板熱シールに替わって、リングシールやシール部分が連続的又は断続的な押し込みシールが多用され始めている。
【0003】
リングシールは、例えばコーヒー用クリーム等を収納するポーションパックに見られるように、図10のようなリング状突起31を有する熱板30でシールを行ない、容器40のフランジ部41に蓋と共にリング状溝42を形成するシール形態であり、押し込みシールは、例えば小形電子部品のキャリヤー用容器に適用され、図11のようなエッジタイプの突起32を有する熱板30でシールを行ない、図11、12のように、電子部品を収納する複数のポケット43のフランジ部44に蓋と共に連続した線状の窪み部45を形成するシール形態である。また、図13及び図14に示すように、不連続な突起33を有する熱板30でシールを行ない、フランジ部44に蓋と共に不連続な窪み部46を形成する押し込みシールもある。
【0004】
しかしながら、これらの薄い金属箔を使用した、あるいは金属箔を使用しない蓋材においては、保形性、可塑性が乏しいことからリングシールや連続的又は断続的な押し込みシールが出来ないか、出来たとしても密封性の点で充分なものが得られなかった。すなわち押し込み部の凹部の谷間の部分が蓋材(フィルム)の弾性のために、熱接着が不完全となるか、部分剥離(デラミネーション)が生じていた。また、従来の熱接着樹脂には塩化ビニール樹脂が多量に含まれており、燃焼時の環境汚染の点からも満足できるものがなかった。
【0005】
【発明の課題】
そこで、この発明の課題は、脱塩素樹脂を用いて充分な密封性が得られる熱封緘蓋材を用いた包装体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、第1の発明は、外面保護フィルム層、基材層、ラッカータイプ熱可塑性樹脂から成る内面熱接着層を積層した積層体において、前記熱接着層のホットタック性が200℃で20mm以下であり、前記熱接着層が脱塩化ビニール熱可塑性変性アクリル系樹脂または脱塩化ビニール樹脂でカルボキシル化ポリプロピレン系熱可塑性変性樹脂からなる熱封緘蓋材を、リングシールの形状が、リングの外径15〜150mm、リングの幅0.3〜3mm、リングの深さ0.1〜2.0mmで、かつ150〜1500g/リングの接着強度で容器本体に熱封緘して包装体を形成したのである。
第2の発明は、外面保護フィルム層、基材層、ラッカータイプ熱可塑性樹脂から成る内面熱接着層を積層した積層体において、前記熱接着層のホットタック性が200℃で20mm以下であり、前記熱接着層が脱塩化ビニール熱可塑性変性アクリル系樹脂または脱塩化ビニール樹脂でカルボキシル化ポリプロピレン系熱可塑性変性樹脂からなる熱封緘蓋材を、押し込みシールの押し込み深さが0.1〜2.0mmの範囲内であり、接着強度が50g〜80g/0.1mm幅で容器本体に熱封緘して包装体を形成したのである。
第3の発明は、外面保護フィルム層、バリアー層、基材層、ラッカータイプ熱可塑性樹脂から成る内面熱接着層を積層した積層体において、前記熱接着層のホットタック性が200℃で20mm以下であり、前記熱接着層が脱塩化ビニール熱可塑性変性アクリル系樹脂または脱塩化ビニール樹脂でカルボキシル化ポリプロピレン系熱可塑性変性樹脂からなる熱封緘蓋材を、リングシールの形状が、リングの外径15〜150mm、リングの幅0.3〜3mm、リングの深さ0.1〜2.0mmで、かつ150〜1500g/リングの接着強度で容器本体に熱封緘して包装体を形成したのである。
第4の発明は、外面保護フィルム層、バリアー層、基材層、ラッカータイプ熱可塑性樹脂から成る内面熱接着層を積層した積層体において、前記熱接着層のホットタック性が200℃で20mm以下であり、前記熱接着層が脱塩化ビニール熱可塑性変性アクリル系樹脂または脱塩化ビニール樹脂でカルボキシル化ポリプロピレン系熱可塑性変性樹脂からなる熱封緘蓋材を、押し込みシールの押し込み深さが0.1〜2.0mmの範囲内であり、接着強度が50g〜80g/0.1mm幅で容器本体に熱封緘して包装体を形成したのである。
前記第3または第4の発明において、前記バリアー層を、金属蒸着層、金属酸化物蒸着層および無機酸化物蒸着層から選ばれる少なくとも1種以上から形成することができる。
また、前記熱可塑性変性アクリル系樹脂またはカルボキシル化ポリプロピレン系熱可塑性変性樹脂を1g/m2 〜15g/m2 (固形分重量)塗布して内面熱接着層を形成することができ、さらに、前記容器本体をポリスチレン製またはポリプロピレン製にすることができる。
【0007】
【実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1に示すように、蓋材1は、基材層2の内面に熱接着層3、外面に保護フィルム層4を設けたものである。この基材層2としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等の合成樹脂フィルムの単体又は複合体が用いられ、その厚みは6〜50μm程度、好ましくは9〜40μmである。外面保護フィルム層4も同様にポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂フィルムの単体又は複合体が用いられ、その厚みは6〜50μm程度、好ましくは9〜40μm程度である。6μm未満では、リングシールの際に破断、亀裂、皺等が発生しやすく、50μmを超えると、成形性、柔軟性が低下して好ましくなく、コストも増加する。この外面保護フィルム層4にオーバコート層を設けてもよい。
【0008】
図2に示すように、前記基材層2と外面保護フィルム層4との間にバリアー層5を設けることができる。このバリアー層5には、金属蒸着層、金属酸化物蒸着層および無機酸化物蒸着層から選ばれる少なくとも1種以上を用いることができる。金属蒸着層、金属酸化物蒸着層および無機酸化物蒸着層には、Al、Ag、Ti、Sn、Al2 3 (アルミナ)、SiO2 (シリカ)、SnO、TiO2 等を用いることができる。好ましい厚みは300〜1200オングストローム程度である。300オングストローム未満では、バリアー層としての性能、例えば耐透湿性、耐酸素透過性の点で劣り、1200オングストロームを超えても更なる性能の向上は認められず、コストアップとなるので不利である。
【0009】
前記外面保護フィルム層4に、あらかじめバリアー層5を蒸着させた市販の樹脂フィルムを使用することができる。例えばアルミニウム蒸着12μmポリエステルフィルム(尾池工業株式会社製、アルミニウム蒸着層は600オングストローム)、シリカ蒸着12μmポリエステルフィルム(尾池工業株式会社製、シリカ蒸着層は700オングストローム)、アルミナ蒸着12μmポリエステルフィルム(東洋メタライジング株式会社製、アルミナ蒸着層は1000オングストローム)あるいはシリカ蒸着12μmポリエステルフィルム(三菱化学興人パックス株式会社製ハイバリア<テックバリア>)等を使用することができる。
【0010】
前記基材層2と外面保護フィルム層4、またはバリアー層5を有する外面保護フィルム層4との積層方法は特に限定されないが、例えば二液反応型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を好ましくは3〜6g/m2 (乾燥後固形分重量)塗布した後、ドライラミネーションを行なえばよい。
【0011】
また任意の層に印刷を施すことができる。この場合印刷層のインキには、塩素を含まないバインダ樹脂および顔料を使用することが好ましい。例えばラミエクセル4007中黄、ラミエクセルプロセス紅、ラミエクセル4007原色藍、ラミエクセル白およびラミエクセル黒(いずれも大日本インキ化学工業株式会社製)等が使用できる。印刷層の厚みには特に規定はないが、0.1μm〜5μm程度である。
【0012】
前記熱接着層3には、熱可塑性変性アクリル系樹脂(日本化工塗料株式会社製)のようなラッカータイプの熱可塑樹脂が用いられる。これを基材層2に乾燥後固形分重量で1〜15g/m2 の範囲内で塗布すればよく、より好ましくは2〜9g/m2 程度である。1g/m2 未満の場合には、熱接着強度が不十分で、部分剥離が生じ易く、完全密封の点で十分でない。一方15g/m2 を超える場合は、ヒートシールする際の加熱時間・加熱温度が高くなり生産性が低下し、冷却時間も長くなるので、ホットタック性の点からも好ましくない。
【0013】
前記基材層2には、必要に応じてアンカーコート層を設けることができ、例えば二液硬化ウレタン系樹脂(AD502が100重量部と硬化剤としてSAT−10が7重量部からなるアンカーコート剤、東洋モートン株式会社製)を乾燥後樹脂固形分で1g/m2 程度基材層2に塗布すればよい。
【0014】
この発明の包装体は、合成樹脂製の容器、例えばポリスチレン、ポリプロピレン樹脂等の容器に上記構成の蓋材1をリングシールすることにより得られる。ヒートシールされたリングの形状は、外径15〜150mm、リングの幅0.3〜3mm、リングの深さ0.1〜2mmが好ましく、接着強度は、150〜1500g/リング(さらに好ましくは300〜800g/リング)が好ましい。リングの外径が15mm未満、リングの幅が0.3mm未満、リングの深さ2mmを超えるいずれの場合でも、蓋材1にしわ等が入りやすく外観上好ましくない。また蓋材1の強度が弱い場合には、破断や亀裂の入る恐れもある。リングの外径が150mmを超える場合、リングの幅が3mmを超える場合、リング深さが0.1mm未満の場合には、リングシールとしての効果に乏しく、完全密閉性および内容物の保存性の点で好ましくない。接着強度が150g/リング未満の場合には、同じく完全密閉性および内容物の保存性の点で好ましくなく、1500g/リングを超える場合は、易開封性の点で好ましくない。
【0015】
押し込みシールの場合は、押し込み深さ0.1〜2.0mm、押し込み部の幅0.05〜3.0mmが好ましく、その他シール長さは任意に設定することができる。深さ0.1mm未満の場合には、押し込みが不足で、接着強度が不十分になりやすく、2.0mmを超える場合には蓋材にしわや亀裂が入りやすく好ましくない。幅については特に規定されないが、幅0.05mm未満の場合にはやはり蓋材1にしわが入りやすく、3mmを超える場合には易開封性が劣るので好ましくない。包装体にした場合の接着強度は50〜80g/0.1mm幅の範囲内が好ましく、50g/0.1mm幅未満の場合には、接着強度が不足で、内容物を十分に保持できない恐れがある。一方80g/0.1mm幅を超える場合には、易開封性の点で好ましくなく、包装体の使用時に支障が生ずる恐れがある。
【0016】
なおこの発明の蓋材を使用する場合、あるいはこの発明の包装体を製造する場合に、熱接着(ヒートシール)を行なう際の熱接着条件は、リングシール用熱板あるいは押し込みシール用熱板を使用する以外は特に限定されず蓋材の構成や容器の材質、大きさ等により適宜選択できる。また、リングの形状は通常円形であり円形容器に常用されるが、これに制限されることはなく、楕円状、多角形状の容器にも適用でき、図3に示すように、容器フランジに取っ手部(カラス口)6を設けたものでもよく、リングの形状もカラス口6に対応する部分が図の鎖線で示すように外側方向に突出していてもよい。押し込みシールの場合も、シール部の形状等は図4(a)に示すような線状、波状、連続三角形状等のいずれであってもよく、また図4(b)に示すような断続的なものであっても差し支えなく、材質、用途等により適宜選択できる。
【0017】
以下に実施例及び比較例を挙げる。
【0018】
【実施例1、4】
市販のシリカ蒸着12μmポリエステルフィルム(尾池工業株式会社製、シリカ蒸着層は700オングストローム)あるいはアルミナ蒸着12μmポリエステルフィルム(東洋メタライジング株式会社製、アルミナ蒸着層は1000オングストローム)の蒸着面に、グラビア印刷機によって塩素を含まないインキ(大日本インキ化学工業株式会社製ラミエクセル4007中黄、同社製ラミエクセルプロセス紅、同社製ラミエクセル4007原色藍)を使用して三色印刷を施し、次にドライラミネーターによって、上記印刷面に二液反応型ウレンタ系ドライラミネート用接着剤を3〜6g/m2 (乾燥後固形分重量)を塗布した後、15μmのナイロンフィルムを貼り合わせた。40℃で72時間エージングを行った後、二液硬化ウレタン系樹脂からなるアンカーコート剤(武田薬品工業株式会社製)を乾燥後樹脂固形分で1g/m2 程度を上記ナイロンフィルム面に塗布した後、脱塩化ビニール熱可塑性変性アクリル系樹脂(日本化工塗料株式会社製、変性アクリル樹脂とブチラール樹脂を7:3で混合したもの)を乾燥後固形分重量で5.0g/m2 塗布し、40℃、72時間のエージング処理を行い蓋材原反を作製した。
【0019】
【実施例2】
12μmポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製)のコロナ処理面に、グラビア印刷機によって塩素を含まないインキ(大日本インキ化学工業株式会社製、ラミエクセル4007中黄、同社製ラミエクセルプロセス紅、同社製ラミエクセル4007原色藍)を使用して三色印刷を施し、次にドライラミネーターによって、上記印刷面に二液反応型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を3〜6g/m2 (乾燥後固形分重量)塗布した後、20μmのポリエチレンフィルムを貼り合わせた。40℃で72時間エージングを行った後、二液硬化ウレンタ系樹脂からなるアンカーコート剤(武田薬品工業株式会社製)を乾燥後樹脂固形分で1g/m2 程度を上記ポリエチレンフィルム面に塗布した後、脱塩化ビニール熱可塑性変性アクリル系樹脂(日本化工塗料株式会社製、変性アクリル樹脂とブチラール樹脂を7:3で混合したもの)を乾燥後固形分重量で3.0g/m2 塗布し、40℃、72時間のエージング処理を行い蓋材(電子部品包装キャリヤーテープ用カバーテープ)原反を作製した。
【0020】
【実施例3】
シリカ蒸着12μmポリエステルフィルム(三菱化学興人パックス株式会社製、ハイバリア<テックバリア>)の蒸着面に、グラビア印刷機によって塩素を含まないインキ(大日本インキ化学工業株式会社製、ラミエクセル4007中黄、同社製ラミエクセルプロセス紅、同社製ラミエクセル4007原色藍)を使用して三色印刷を施し、次にドライラミネーターによって、上記印刷面に二液反応型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を3〜6g/m2 (乾燥後固形分重量)塗布した後、15μmのナイロンフィルムを貼り合わせた。40℃で72時間エージングを行った後、二液硬化ウレタン系樹脂からなるアンカーコート剤(武田薬品工業株式会社製)を乾燥後樹脂固形分で1g/m2 程度を上記ナイロンフィルム面に塗布した後、脱塩化ビニール樹脂で、カルボキシル化ポリプロピレン系熱可塑性変性樹脂(PPZ−403、T&KTOKA製)をグラビアコーターを使用して乾燥後固形分重量で3.0g/m2 塗布し、40℃、72時間のエージング処理を行い蓋材原反を作製した。
【0021】
【比較例1】
ポリエステルフィルム(三菱化学興人パックス株式会社製、ハイバリア<テックバリア>)シリカ蒸着12μmの蒸着面に、グラビア印刷機によって汎用タイプのグラビアインキ(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:ユニビア)を使用して三色印刷を施し、次にドライラミネーターによって、上記印刷面に二液反応型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を3〜6g/m2 (乾燥後固形分重量)塗布した後、15μmのナイロンフィルムを貼り合わせた。40℃で72時間エージングを行った後、ポリエステル系プライマー樹脂(乾燥後固形分重量1g/m2 )でアンカーコート処理後、その処理面に熱可塑性アクリル系樹脂と塩化ビニール樹脂−酢酸ビニール樹脂共重合体樹脂を配合した樹脂組成品(大日本インキ化学工業株式会社製、ディクシールA450)をグラビアコーターにより乾燥後固形分重量で5g/m2 塗布し、40℃、72時間のエージング処理を行い蓋材原反を作製した。
【0022】
【比較例2】
市販のシリカ蒸着12μmポリエステルフィルム(尾池工業株式会社製、シリカ蒸着層は700オングストローム)の蒸着面にグラビア印刷機によって汎用タイプのグラビアインキ(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:ユニビア)を使用して三色印刷を施し、次にドライラミネーターによって、上記印刷面に二液反応型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を3〜6g/m2 (乾燥後固形分重量)塗布した後、15μmのナイロンフィルムを貼り合わせ40℃で72時間のエージング処理を行った。二液硬化ウレタン系樹脂からなるアンカーコート剤を乾燥後樹脂固形分で1g/m2 程度を上記ナイロンフィルム面に塗布した後、さらに変性カルボキシル化ポリプロピレン樹脂(東洋モートン株式会社製、商品名:モルプライム)をグラビアコーターにより塗布し、40℃、72時間のエージング処理を行い蓋材原反を作製した。
【0023】
【比較例3】
グラビア印刷機によって、12μm透明アルミナ蒸着フィルム(東洋メタライジング株式会社製、商品名:BARRIALOX)の蒸着面に汎用タイプのグラビアインキ(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:ユニビア)を使用して5色印刷を施し、次にドライラミネーターによってその印刷面に二液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤(武田薬品工業株式会社製、主剤のタケラックA910A:商品名と硬化剤タケネートA−3:商品名の配合比を100部対10部)を3〜5g/m2 (乾燥後固形分重量)塗布し、熱接着フィルムとして、厚み30μmの変性ポリスチレンフィルム(和田化学株式会社製、商品名:VMX.ZH31FT)と貼り合わせを行って、蓋材原反を作製した。
【0024】
上記実施例および比較例で得られた蓋材原反(積層体)のホットタック性、接着強度、リング部での部分剥離および燃焼塩素ガス等について下記の方法によって評価を行い、その結果を図8及び図9に示した。
【0025】
〔ホットタック性〕
リングシールを行う場合に、所定の温度で所定時間、圧力をかけて行うが、接着後(シール後)リング熱板がフリー(無加圧状態)になった時、熱接着剤のホットタック性(熱間保持性)が低い場合、熱接着剤が冷固する迄に容器の被熱接着面と蓋材との間に部分剥離(デラミネーション)が生じ、熱接着が不完全となる。この現象をテストするためホットタックテスター(テスター産業株式会社製、TP−701)によって、次の条件により上記実施例および比較例で作製した蓋材原反のホットタック性を測定した。200℃でのホットタック性が20mm以下のものを良品(評価○)とし、20mmを超えるものを不良品(評価×)とした。
荷重 :45g
熱接着温度:180℃、200℃
熱接着時間:2秒
熱接着圧力:2kg/cm2
試片寸法 :30mm(幅)×300mm(長)
接着相手材:0.5mm(厚み)
30mm(幅)×300mm(長)
熱接着幅 :20mm
ホットタックテスターの概略図を図5に示す。図中、符号10、11、12、13はガイドロール、符号1は蓋材、符号20は接着相手材、符号21、22はそれぞれヒートシール用上部バー、下部バーであってシールする試料1、20を図5のようにセットし、各々の試料の端に一定の分銅Wを負荷させ、上部バー21と下部バー22で試料1と20をシールした直後に両バー21と22を離間させ、瞬間的にシールが剥がれた距離を測定する。
【0026】
〔リングシールの接着強度〕
上記の実施例および比較例で製作した蓋材原反から図6に示す形状及び寸法の蓋材を打ち抜き、コーヒーフレッシュを充填したポリスチレン製あるいはポリプロピレン製の容器(図7)に単動式ヒートシーラーにより次の条件でリングシール(リング熱接着)し、熱接着部分の強度をオートグラフ(島津製作所株式会社製)によって、剥離角度:45度(図7参照)、剥離速度200mm/min.で測定した。実用上問題のない値として150g/リング〜1500g/リングのものを良品(評価○)とした。
熱接着条件 熱接着温度:200℃
熱接着条件 :0.7秒
熱接着圧力 :2kg/cm2
リングの幅 :1mm
リングの外径:33mm
リングの深さ:0.25mm
【0027】
〔リングシールの接着面の部分剥離〕
上記接着強度の試験で作製したものと同じ熱接着サンプル(包装体)のリングシール面の断面を顕微鏡で観察し、蓋材が浮いていないもの(すなわち完全に蓋材と容器が接着されているもの)を良品(評価○)とし、部分剥離が観察されたものを不良品(評価×)とした。
【0028】
〔剥離面の毛羽立ち〕
上記接着強度の試験で作製し、開封したサンプルのリングシール面を目視により毛羽立ちの有無を観察した。毛羽立ち品については、美感上好ましくなく、また、内容物が食品の場合、この毛羽立ちに付着して、衛生上も好ましくない。剥離した樹脂(毛羽立ちの破片)が食品や電子部品等に混入する恐れがあり、よって毛羽立ち有りの場合の評価は不良(×)とした。
【0029】
〔漏れ試験〕
上記接着強度の試験で作製した熱接着サンプル(包装体)のリングシール面を下向き(すなわち天地逆)にして1カ月間靜置し、内容物の漏れを観察した。漏れのあったものを不良品(評価×)、漏れのないものを良品(評価○)とした。
【0030】
〔燃焼塩素ガス試験〕
上記接着強度の試験で作製した熱接着サンプル(包装体)から内容物を取り出した後、次の方法により発生した塩素ガスの定量分析を行った。実用上問題のない値として、100ppm以下を良(評価○)、100ppmを超えた場合を不良(評価×)とした。塩素の定量分析法は、上記蓋材から150mg切り出し、燃焼ガス吸収装置内(900℃、Ar−O2 気流中)で処理し、蒸留水に吸収させてイオンクロマトグラフ法でC1を定量した。
【0031】
〔押し込みシールの接着強度と押し込みシール熱接着面の部分剥離〕
電子部品キャリヤー用容器と上記実施例および比較例で作製した蓋材を下記に示す条件でバンガードテーピングテスト器(バンガード株式会社製)により速続的な押し込みシールを施した。
熱接着温度 :160℃
熱接着時間 :0.7秒
押し込み幅 :0.1mm
押し込み深さ:0.5mm
熱接着部分の強度をオートグラフ(島津製作所株式会社製)によって、剥離角度180度、剥離速度300mm/min.で測定した。実用上問題のない値として50g/0.1mm〜80g/0.1mm幅のものを良品(評価○)とした。
【0032】
上記と同じ熱接着サンプル(包装体)の押し込みシール面の断面を観察し、蓋材が浮いていないもの(すなわち完全に蓋材と容器が接着されているもの)を良品(評価○)とし、部分剥離が観察されたものを不良品(評価×)とした。
【0033】
【効果】
この発明の脱塩素熱接着性蓋材は、以上のように、ホットタック性が良好であり、合成樹脂製容器と完全接着することができ、塩素を含まないため燃焼時に塩素ガスが発生せず、環境に適した包装材であって、食品、飲料、薬品、菓子類、日用品、医療用品、電子部品等の包装材として幅広く使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の蓋材の一例を示す断面図
【図2】蓋材の他の例を示す断面図
【図3】ポーションパックを示す斜視図
【図4】押し込みシールのシール形状を示す平面図
【図5】ホットタックテスターの原理を示す側面線図
【図6】ポーションパックの蓋材を示す平面図
【図7】接着強度の測定方法を示す線図
【図8】実施例及び比較例の試験結果を示す図表
【図9】同上と同様の図表
【図10】リングシールの状態を示す断面図
【図11】連続押し込みシールの状態を示す断面図
【図12】電子部品キャリヤー用容器の平面図
【図13】不連続押し込みシールの状態を示す断面図
【図14】電子部品キャリヤー用容器の平面図
【符号の説明】
1 蓋材
2 基材層
3 熱接着層
4 保護フィルム層
5 バリアー層
6 取っ手部(カラス口)
10、11、12、13 ガイドロール
20 接着相手部材
21 上部バー
22 下部バー
30 熱板
31 リング状突起
32 エッジタイプの突起
33 不連続突起
40 容器
41 フランジ部
42 リング状溝
43 ポケット
44 フランジ部
45 線状窪み部
46 不連続窪み部

Claims (7)

  1. 外面保護フィルム層、基材層、ラッカータイプ熱可塑性樹脂から成る内面熱接着層を積層した積層体において、前記熱接着層のホットタック性が200℃で20mm以下であり、前記熱接着層が脱塩化ビニール熱可塑性変性アクリル系樹脂または脱塩化ビニール樹脂でカルボキシル化ポリプロピレン系熱可塑性変性樹脂からなる熱封緘蓋材を、リングシールの形状が、リングの外径15〜150mm、リングの幅0.3〜3mm、リングの深さ0.1〜2.0mmで、かつ150〜1500g/リングの接着強度で容器本体に熱封緘した包装体。
  2. 外面保護フィルム層、基材層、ラッカータイプ熱可塑性樹脂から成る内面熱接着層を積層した積層体において、前記熱接着層のホットタック性が200℃で20mm以下であり、前記熱接着層が脱塩化ビニール熱可塑性変性アクリル系樹脂または脱塩化ビニール樹脂でカルボキシル化ポリプロピレン系熱可塑性変性樹脂からなる熱封緘蓋材を、押し込みシールの押し込み深さが0.1〜2.0mmの範囲内であり、接着強度が50g〜80g/0.1mm幅で容器本体に熱封緘した包装体。
  3. 外面保護フィルム層、バリアー層、基材層、ラッカータイプ熱可塑性樹脂から成る内面熱接着層を積層した積層体において、前記熱接着層のホットタック性が200℃で20mm以下であり、前記熱接着層が脱塩化ビニール熱可塑性変性アクリル系樹脂または脱塩化ビニール樹脂でカルボキシル化ポリプロピレン系熱可塑性変性樹脂からなる熱封緘蓋材を、リングシールの形状が、リングの外径15〜150mm、リングの幅0.3〜3mm、リングの深さ0.1〜2.0mmで、かつ150〜1500g/リングの接着強度で容器本体に熱封緘した包装体。
  4. 外面保護フィルム層、バリアー層、基材層、ラッカータイプ熱可塑性樹脂から成る内面熱接着層を積層した積層体において、前記熱接着層のホットタック性が200℃で20mm以下であり、前記熱接着層が脱塩化ビニール熱可塑性変性アクリル系樹脂または脱塩化ビニール樹脂でカルボキシル化ポリプロピレン系熱可塑性変性樹脂からなる熱封緘蓋材を、押し込みシールの押し込み深さが0.1〜2.0mmの範囲内であり、接着強度が50g〜80g/0.1mm幅で容器本体に熱封緘した包装体。
  5. 前記バリアー層が、金属蒸着層、金属酸化物蒸着層および無機酸化物蒸着層から選ばれる少なくとも1種以上からなる請求項3または請求項4に記載の包装体。
  6. 前記熱可塑性変性アクリル系樹脂またはカルボキシル化ポリプロピレン系熱可塑性変性樹脂を1g/m2 〜15g/m2 (固形分重量)塗布して内面熱接着層を形成した請求項1〜5のいずれかに記載の包装体。
  7. 前記容器本体がポリスチレン製またはポリプロピレン製の容器である請求項1〜6のいずれかに記載の包装体。
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