JP2010173670A - 蓋材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム箔などの金属層を備えない積層体を所定の形状に打ち抜いた枚葉形状とされて、容器本体の上端開口部を密封する蓋材であり、外周縁に開封用タブを有する即席食品用容器の蓋材であり、紙層1と樹脂層2とが積層一体化された層構成を有していて、紙層1が、プルランもしくはトレハロースからなるフラット性・デッドホール性改善剤を含有する。
【選択図】図3
Description
また、アルミニウム箔を使用しない構成の蓋材では、例えば、紙/接着剤またはポリエチレン樹脂層/二軸延伸プラスチックフィルム層/ポリエチレン樹脂層/ホットメルト層のようなものが知られている。
(請求項1の発明)
請求項1に記載した発明は、アルミニウム箔などの金属層を備えない積層体を所定の形状に打ち抜いた枚葉形状とされて、容器本体の上端開口部を密封する蓋材であり、外周縁に開封用タブを有する即席食品用容器の蓋材において、紙層と樹脂層とが積層一体化された層構成を有していて、前記紙層が、プルランもしくはトレハロースからなる機能性糖質を含有するものであることを特徴とする蓋材であり、この蓋材を提供して上記課題を解決する。
請求項2に記載の発明は、上記紙層は、紙基材にコート剤を塗工して塗工層を有する塗工紙からなり、上記機能性糖質が前記塗工層に含まれていて、機能性糖質が、塗工層の固形分質量の5%以上含有されている請求項1に記載の蓋材である。
請求項3に記載の発明は、上記塗工紙は、蓋材上面にコート剤を塗工してなる片面塗工紙であり、前記片面塗工紙は総紙秤量が80〜130g/m2 であり、総紙坪量に対するコート剤塗布量の質量割合が20〜30%の片面塗工紙であることを特徴とする請求項2に記載の蓋材である。
請求項4に記載の発明は、上記樹脂層は、厚みが20μm〜60μmであって、単層または多層であり、蓋材の被着体容器側のシーラント層となる樹脂層は、ポリプロピレン系樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、あるいはエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂などの酸コポリマー樹脂を主成分とした混合樹脂層である請求項1から3の何れか一項に記載の蓋材である。
請求項1の発明によれば、金属探知機による検査適性や、電子レンジ調理適性などを付与すると共に、カールの安定性により生産・充填適性にも優れ、また、開口後の注湯時には開口性を保持し、麺を蒸らす際の再封適性も良好な蓋材であり、また、アルミニウム箔を使用しないことからコスト面、使用後の廃棄適性にも優れ、更に紙基材の構成から、印刷適性にも優れるという総合的に優れた性能を具備した熱封緘性蓋材が得られる。
請求項2の発明により、より低コストで生産性にも優れた紙基材を提供することが出来、またコート液の性状の安定化、コート剤中の層間強度および接着強度を確保することが出来るようになる。
請求項3の発明により、紙層表面の平滑性を得られて高い印刷加工適性を確保することが出来、また塗工層の顔料粒子間の接着強度を確保することが出来るようになる。
容器にはポリプロピレン系樹脂を主成分とした容器、ポリエチレン樹脂層をシーラント層として積層した紙カップ容器である場合が多く、請求項4の発明により、ポリプロピレンもしくはポリエチレン樹脂層をシーラント層とした容器へのシール付与し、よって、電子レンジ調理容器へのシール適性が付与されるようになる。
まず、蓋材10は、図1と図2に示すように上方に向けて略テーパー状に拡径したカップ型容器(被着体容器)aの容器本体における上端開口部bを密封する円形のものであり、容器本体の開口周縁部cに蓋材10の外周辺11がヒートシールにより剥離可能にして接合されるものである。
上記蓋材10は、実施例の層構成を断面にて概略的に表現している図3に示すように片面塗工紙からなる紙層1と樹脂層2とが一体に積層された層構成を有する積層体を打ち抜いて、円形形状とした蓋材本体12の外周辺から外方に向けて突出する開封用タブ13を一体にして有する枚葉形状とされている。
またこの時、開封用タブ13に紙層1から樹脂層2までの貫通した切り込みを設けたり、開封用タブ13の境界部分に紙層1のみ貫通した破線状の切り込みを配置することにより、蓋材10の被着体容器周縁部に係止可能な係止部14を形成し、再封時のデッドホールド性の更なる改善策を付与することも出来る。
尚、樹脂層2は単層でも多層でも良いが、樹脂層の最内面(最下層)はポリオレフィン系のイージーピールシーラント樹脂層である。また、紙層1と樹脂層2の間には遮光性インキ層を印刷などにより積層することが出来る。
また、紙層1の材料である片面塗工紙の塗工層15のコート剤塗布量は、総紙坪量80〜130g/m2 中、20〜30%とするものであり、20%未満の場合は、塗工層積層よる効果が十分に発揮されず、30%を超える場合は、塗工層による過剰な剛性が付与されてしまう為、デッドホールド性を低減させるので好ましくない。
また、一度に塗布すると表面の平滑性が失われ、印刷基材としての性能が低減する為、二回に分けて積層することが好ましい。
また、シーラント層とする樹脂層は、低密度ポリエチレン層(LDPE)、および線状低密度ポリエチレン層(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂層(EVA)、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂層(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂層(EAA)などの酸コポリマー樹脂層を主成分とした混合樹脂層とすることが可能である。
尚、シーラント層としての樹脂層の素材は、いずれにしても被着体容器の少なくとも開口周縁部の接合面側の素材に応じて選択されるべきものであり、イージーピール性を確保してヒートシールできるものとすることが必要である。
(実施例1)
図3に示した構成の熱封緘性の蓋材10を作製することとし、蓋材の基材(紙)として全紙坪量105g/m2 の紙基材を用い、その外面側に多色グラビア印刷機を用いて文字、絵柄、光沢ニス等のインキ層3の印刷を行って紙層1を形成した。
次いで、紙層1の内面側に多色グラビア印刷機を用いて、カーボンブラックと酸化チタンの混合系の顔料を含有する遮光性インキを版深35μmのベタ版を用いて、2ユニットで重ね刷りし、塗布量6g/m2 (固形分)の遮光性インキ層を設けた。
この時用いる紙基材は、80g/m2 の原紙に対し、顔料成分であるカオリン75/重炭25/樹脂成分であるSBR15/プルラン20の質量比の各成分を固形分として含む水系のコート層を、二回に分けてブレード法で合計25g/m2 で塗工して得たものである。(SBR:Styrene Butadien Rubber)
実施例1の蓋材原反を得る上で用いた機能性糖質のプルランを、同じく機能性糖質のトレハロースに代えて、実施例2の蓋材原反を作製した。トレハロースの分量は実施例1でのプルランと同じであり、他の作製条件も実施例1と同じとした。
基材の紙には実施例1と同じ全紙坪量105g/m2 の紙基材を用い、その外面側(上面側)に多色グラビア印刷機を用いて文字、絵柄等のインキ層を付与し、その裏面側(被着体容器側となる面)に遮光性インキ層の印刷加工を行った。
この時用いる紙基材は、80g/m2 の原紙の外面側に当たる面に、顔料成分であるカオリン75/重炭25/樹脂成分であるSBR15/でんぷん3の質量比の各成分を固形分として含む水系のコート層をブレード法で25g/m2 で塗工して得たものである。
基材の紙には実施例1と同じ全紙坪量105g/m2 の紙基材を用い、その外面側(上面側)に多色グラビア印刷機を用いて文字、絵柄等のインキ層を付与し、その裏面側(被着体容器側となる面)に遮光性インキ層の印刷加工を行った。
この時用いる紙基材は、先ず、95g/m2 の原紙を抄紙する際に、紙力増強剤としてプルランを5g/m2 、トレハロースを15g/m2 添加している原紙を用い、その外面側に当たる面には、顔料成分であるカオリン75/重炭25/樹脂成分であるSBR15/でんぷん3の質量比の各成分を固形分として含む水系のコート層をブレード法で10g/m2 で塗工して得たものである。
実施例1と同じく、蓋材の基材として全紙坪量105g/m2 の片面コート紙を用いるが、この時用いる片面コート紙は、80g/m2 の原紙に対し、顔料成分であるカオリン75/重炭25/樹脂成分であるSBR15/プルラン5の質量比の各成分を固形分として含む水系のコート層を二回に分けてブレード法で合計25g/m2 で塗工して得たものである。その他、加工条件は実施例1と同じである。
比較例2と同じく、蓋材の基材として全紙坪量105g/m2 の片面コート紙を用いるが、この時用いる片面コート紙の原紙は、95g/m2 の原紙坪量に対し、紙力増強剤としてでんぷんを5g/m2 添加している原紙を用い、その外面側に当たる面には、顔料成分であるカオリン75/重炭25/樹脂成分であるSBR15/プルラン5の質量比の各成分を固形分として含む水系のコート層をブレード法で10g/m2 で塗工して得たものである。その他、加工条件は実施例1と同じである。
蓋材の基材として全紙坪量70g/m2 の片面コート紙を用いるが、この時用いる片面塗工紙は、60g/m2 の原紙に対し、実施例1と同処方の水系のコート剤を、二回に分けてブレード法で合計10g/m2 塗工した。その他、加工条件は実施例1と同じである。
上記比較例3、4、5における顔料成分中のプルランを、トレハロースに代えるだけにして作製条件を変更せずに比較例6、7、8として作製した。
つまみ片より角度135°で容器半分まで手剥きした後、容器側面から目視にて開封角度を確認した。この時、容器フランジ/蓋材の角度が30°以上であればデッドホールド性が良好であり、これを表1に○として示し、30°以下であればデッドホールド性が不良であり、これを表1において×として示した。
2…樹脂層
3…インキ層
10…蓋材
11…外周辺
12…蓋材本体
13…開封用タブ
14…係止部
15…コート層
a…容器
b…上端開口部
c…開口周縁部
Claims (4)
- アルミニウム箔などの金属層を備えない積層体を所定の形状に打ち抜いた枚葉形状とされて、容器本体の上端開口部を密封する蓋材であり、外周縁に開封用タブを有する即席食品用容器の蓋材において、
紙層と樹脂層とが積層一体化された層構成を有していて、前記紙層が、プルランもしくはトレハロースからなる機能性糖質を含有するものであることを特徴とする蓋材。 - 上記紙層は、紙基材にコート剤を塗工して塗工層を有する塗工紙からなり、上記機能性糖質が前記塗工層に含まれていて、機能性糖質が、塗工層の固形分質量の5%以上含有されている請求項1に記載の蓋材。
- 上記塗工紙は、蓋材上面にコート剤を塗工してなる片面塗工紙であり、前記片面塗工紙は総紙秤量が80〜130g/m2 であり、総紙坪量に対するコート剤塗布量の質量割合が20〜30%の片面塗工紙であることを特徴とする請求項2に記載の蓋材。
- 上記樹脂層は、厚みが20μm〜60μmであって、単層または多層であり、蓋材の被着体容器側のシーラント層となる樹脂層は、ポリプロピレン系樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、あるいはエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂などの酸コポリマー樹脂を主成分とした混合樹脂層である請求項1から3の何れか一項に記載の蓋材。
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