JP4060944B2 - 熱封緘性蓋材 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、食品用カップ型容器の熱封緘性蓋材に関し、更に詳しくは、蓋材の構成材料からアルミニウム箔などの金属を除き、紙と樹脂を主とする材料で構成し、金属探知機による検査適性や、電子レンジによる加熱適性などを付与すると共に、カールがなく、遮光性を備えて食品の保存性もよく、また、開封時には、紙層や層間などで剥離することがなく、蓋材全体をきれいに開封でき、更に、使用後の廃棄性もよいという総合的に性能に優れた熱封緘性蓋材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品用カップ型容器の蓋材としては、例えば、紙/ポリエチレン/アルミニウム箔/ポリエチレン/ホットメルト層の構成からなる熱封緘性蓋材が、一般的に使用されている。この構成の蓋材のアルミニウム箔層には、その剛性、塑性変形性の点から、15μm以上の厚さのアルミニウム箔が用いられている。
また、アルミニウム箔を使用しない構成の蓋材では、例えば、紙/接着剤又はポリエチレン/2軸延伸プラスチックフィルム/ポリエチレン/ホットメルト層のような構成が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記アルミニウム箔を用いた構成の蓋材は、アルミニウム箔の特性である剛性、塑性変形性により、カールの発生を少なくでき、また、開封時の折り曲げによる蓋材の部分的な開口性およびそれを戻した時の再閉鎖性がよく、更に、遮光性に優れるなどの長所を有する反面、内容物充填後の金属探知機による金属異物の混入検査や、使用時の電子レンジによる内容物の加熱ができず、また、コストも割高となり、使用後の廃棄性についても、焼却では燃えかすが残り、埋め立てでは分解しないなどの問題があった。
【0004】
また、後者のアルミニウム箔を使用しない構成の蓋材は、前記アルミニウム箔の使用による欠点は解消されるものの、逆に、アルミニウム箔の使用による長所が失われ、カールが発生しやすくなると共に、開封時、蓋材の折り曲げによる開口性およびその戻しによる再閉鎖性が低下し、また、蓋材の遮光性も低下して、内容物の保存性を低下させる問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、蓋材の構成材料からアルミニウム箔などの金属を除き、紙と樹脂を主とする材料で構成することにより、金属探知機による検査、および、電子レンジによる加熱を可能とし、使用後の廃棄性を改善すると共に、カールも少なく、開封時、蓋材の折り曲げによる開口性、および、その戻しによる再閉鎖性もよく、また、遮光性も良好で、イージーピール性にも優れるという、総合的に優れた性能の熱封緘性蓋材を生産性よく提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、保水剤が供給された紙層を含み、最内層がホットメルト層である積層シートを用いてなる蓋材において、該紙層が、坪量80〜110g/m 2 の両面塗工紙であり、該保水剤が、水85重量%とエタノール14重量%とポリエチレンイミン1重量%との組成物であり、少なくとも該紙層の内面側に遮光性インキ層が積層されると共に、該最内層のホットメルト層が、エチレン−メタクリル酸共重合体よりなる接着層を介して積層され、該蓋材の200〜800nmの波長領域における光透過率が15%以下であることを特徴とする熱封緘性蓋材からなる。
【0007】
このような構成を採ることにより、熱封緘性蓋材は、基材となる紙層に保水剤が供給されているのでその水分率が経時的に安定したものとなる。そして、蓋材の製造に際して、紙の外面側に保水剤を塗布、乾燥して供給し、また、その上に文字、絵柄などのインキおよびオーバープリントニスの印刷を行って乾燥した際、外面側が収縮し、一時的に外面側に凹状のカールを生じるが、次いで、内面側に遮光性インキ層の印刷、および接着層、最内層のホットメルト層などの積層を行うことにより、内面側に収縮を生じるので、内面側に凹状にカールする力が働き、蓋材の両面で収縮のバランスを採ることができ、カールの発生を防止することができる。
【0008】
そして、蓋材は、少なくとも紙層の内面側に、遮光性インキ層が積層され、蓋材の200〜800nmの波長領域における光透過率が15%以下とされているので、光の影響を受けやすい食品中の油分の変質を防止することができ、食品の保存性を向上させることができる。更に、最内層にホットメルト層が積層されているので、蓋材に熱封緘性とイージーピール性とを付与することができる。
また、蓋材の構成材料にアルミニウム箔など金属を用いていないので、金属探知機による金属異物の検査や、電子レンジによる加熱が可能であり、コストも安く、使用後の廃棄性にも優れている。
【0009】
また、請求項1に記載した発明は、前記紙層が、坪量80〜110g/m2 の両面塗工紙であることを含むものである。
【0010】
このような構成を採ることにより、紙層が適度の厚さと剛性とを有するので、カール防止にも寄与するほか、開封時に蓋材の一部を折り曲げて開口部を形成し、また、その折り曲げを戻して、開口部を閉じることも容易に行えるようになる。更に、紙層は、両面塗工紙であり、その両面に所謂クレーコートが施されているため、塗工層自体がある程度の遮光性を有し、また、紙層の両面が、その表面平滑性、印刷適性に優れており、外面側の絵柄等の印刷効果の向上、および、内面側の遮光性インキ層の均一な皮膜形成が可能となり、遮光性の向上が得られる。
特に、内面側の遮光性インキ層は、紙面に対する目止め効果も有しているため、最内層のホットメルト層の積層に際して、接着層を介在させる際、これを有効に使用することができ、少量の接着層で充分な積層強度を得ることができる。
【0011】
また、請求項1に記載した発明は、前記最内層のホットメルト層が、エチレン−メタクリル酸共重合体よりなる接着層を介して積層されていることを含むものである。
上記接着層は、前述のように、ホットメルト層の蓋材への積層強度を強くすると共に、蓋材のヒートシールの安全性を高めるために用いるものであり、このような接着層として従来は、ポリエチレンが主に使用されてきた。
しかし、本発明の蓋材の構成では、ポリエチレンは必ずしも適していない。その理由の一つは、ポリエチレンは比較的硬く加工時の収縮力が強いため、カールが強くなることであり、もう一つは、蓋材を適用する容器として、近年、内面にポリエチレンがラミネートされた紙容器や、ポリエチレン製容器などのように、蓋材がヒートシールされる面がポリエチレンで形成された容器が増えており、このような場合、蓋材の前記接着層にポリエチレンが使用されていると、蓋材のヒートシールが過度の条件で行われると、ホットメルト層が押しのけられ、ポリエチレン同士がヒートシールされ、シール強度が強くなりすぎてイージーピール性が損なわれることである。
【0012】
従って、接着層は、ポリエチレンよりも軟質で加工時の収縮力が弱く、且つ、ポリエチレンとのヒートシール強度を多少緩和できるものが好ましい。
この点から、接着層には、エチレンと酢酸ビニル、または、エチレンとアクリル酸、メタアクリル酸、またはそのエステルなどとの共重合体などのポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。また、これらの共重合体でカルボン酸基を有するものは、これを金属イオンで架橋したアイオノマーも同様に好ましく使用することができる。
【0013】
このような構成を採ることにより、ホットメルト層の遮光性インキ層面への接着強度が向上し、容器にヒートシールされた蓋材を開封する際、ヒートシール部のホットメルト層全体が、蓋材から剥離して容器側に移行するようなことがなくなり、容器側の剥離面をきれいな状態で開封することができる。
また、ヒートシール部がポリエチレンで形成される容器に対して、過度の条件でヒートシールが行われた場合でも、ヒートシール強度が強くなりすぎることがなく、イージーピール性を保つことができる。
【0014】
そして、請求項2に記載した発明は、前記熱封緘性蓋材に、凹部が格子状のパターンに形成される凹凸パターンが賦型され、且つ、該熱封緘性蓋材が、所定の形状に打ち抜かれた枚葉形態であることを特徴とする請求項1記載の熱封緘性蓋材である。
【0015】
本発明の熱封緘性蓋材は、巻き取り状の蓋材として、巻き取り状の蓋材を使用する充填シール機などでも、勿論使用することができるが、上記のような構成を採ることにより、枚葉に打ち抜かれた熱封緘性蓋材を積み重ねても、蓋材同士の接触面積が減少するため、ブロッキングするようなことがなく、また、蓋材の表裏間の滑り性も改善されるため、枚葉形態の蓋材を使用する充填シール機で使用しても、蓋材の繰り出し適性がよく、二枚差しなどのトラブルがなく良好に使用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の熱封緘性蓋材の構成、および製造方法などその実施の形態について図面を用いて説明する。
図1、図2は、それぞれ本発明の熱封緘性蓋材の一実施例の構成を示す模式断面図である。但し、本発明は、これらの図面に限定されるものではない。
【0017】
図1に示した熱封緘性蓋材10は、保水剤が供給された紙層1を基材とし、その外面側に、文字、絵柄等のインキ層2を印刷し、その上に透明なオーバープリント層3を印刷し、紙層1の内面側には、遮光性インキ層4を印刷などにより積層し、その上にポリオレフィン系樹脂からなる接着層5を積層し、更にその上に、最内層としてホットメルト層6を積層した構成である。
【0018】
上記構成において、紙層1は、熱封緘性蓋材10の基材となるものであり、剛性を有し、引っ張り強度、引き裂き強度などの機械的強度や層間強度に優れると共に、その両面に印刷などによるインキ層が設けられることから、印刷適性にも優れていることが好ましい。
従って、特に限定はされないが、例えば、坪量が80〜110g/m2 程度で、両面に所謂クレーコートが施された両面塗工紙などが好適に使用できる。
坪量が80g/m2 未満の場合は、剛性や機械的強度がやや不足し、110g/m2 を超える場合は、剛性は既に充分であり、それ以上の必要性がなく、むしろヒートシールに時間を要し、また、紙の層間強度なども低下傾向となるため好ましくない。
【0019】
また、紙層1に供給する保水剤としては、水、アルコール類、ポリエチレンイミンなどを主成分とする保水剤を用いることができ、アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどを使用することができる。
保水剤の具体例として、水85重量%、エタノール14重量%、ポリエチレンイミン1重量%のような組成の保水剤が挙げられる。
このような保水剤を、紙層1に供給する方法は、例えばグラビア印刷などにより、紙層1の外面側に文字、絵柄などを印刷する際、多色グラビア印刷機を用いて第1ユニットでベタ版を用いて保水剤を印刷し、過剰の水、アルコールを乾燥し、続いて文字、絵柄などの印刷とオーバープリントニスの印刷を行うことにより、外面側の印刷とインラインで保水剤を紙層1に供給することができる。
【0020】
次に、紙層1の内面側に積層する遮光性インキ層4は、200〜800nmの波長領域の光を吸収または反射して遮光し、蓋材のこの波長領域の光透過率を15%以下とするものである。
このような遮光性インキ層4に用いる顔料としては、例えばカーボンブラックのような黒色顔料であれば単独でも略遮光することができる。
しかし、例え蓋材の内面であっても、黒色顔料単独では、食品用容器の蓋材として意匠性、イメージの点で必ずしも好ましいものとは言えない。
【0021】
従って、黒色顔料と白色顔料とを組み合わせて用いることが、蓋材の遮光性と意匠性とを両立できる点で好ましい。
この場合、遮光性インキ層4を設ける方法は、例えば、黒色顔料と白色顔料とを混合して作製したインキを印刷して遮光性インキ層4を設けてもよく、また、黒色顔料を用いた黒色インキと白色顔料を用いた白色インキとに分割して、先に黒色インキを印刷し、その上に白色インキを重ね刷りし、黒色インキ層を隠蔽するようにして設けてもよい。
【0022】
このような遮光性インキ層4に用いる白色顔料としては、二酸化チタン、亜鉛華、炭酸カルシウム、クレー(カオリン)、硫酸バリウムなどを使用することができ、これらの白色顔料は、主に390nm以下の紫外域の光を有効に遮光することができる。
また、前記黒色顔料には、カーボンブラックのほかに、下記のような有機または無機の顔料を適宜組み合わせて用いることができ、具体的には、有機顔料では、フタロシアニン顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ジケトピロロピロール顔料、アントラピリジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、イソインドリノン顔料、チオインジゴ顔料などが挙げられ、無機顔料では、酸化鉄、群青、紺青、酸化コバルト、ストロンチウムクロメート、チタンイエロー、ジンククロメート、鉄黒、モリブデンレッド、エメラルドグリーン、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、コバルトブルーなどが挙げられる。
【0023】
このような遮光性インキ層4は、必要に応じて紙層1の外面側の文字、絵柄などのインキ層2の下にも追加して設けることができる。只、その場合、外面側の絵柄などの意匠性を損なわない程度に色調に配慮することが必要である。
また、このような遮光性インキ層4は、印刷方式のほか、コーティング方式で設けてもよく、その塗布量は、固形分で4〜10g/m2 が好ましい。
【0024】
次に、前記遮光性インキ層4と最内層のホットメルト層6との間に設けるポリオレフィン系樹脂よりなる接着層5は、先に説明した通り、ポリオレフィン系樹脂の中でも特に、エチレンと酢酸ビニル、または、エチレンとアクリル酸、メタアクリル酸、またはそのエステルなどとの共重合体、或いは、アイオノマーを用いることが好ましい。
このような接着層5は、厚さ2〜15μm程度に設けることが適当であり、その積層方法は、上記のようなポリオレフィン系樹脂のエマルジョンもしくはディスパージョン、または溶液をコーティング方式で塗布し、加熱乾燥して積層してもよく、また、押し出しコート法で積層してもよい。
【0025】
次に、前記接着層5の上に設ける最内層のホットメルト層6は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど材質の異なる種々の容器に対して、共通してイージーピール性を有するシーラントとして適用できることが好ましく、例えば、酢酸ビニル含有率が10〜40重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体が30〜50重量%、ワックス類(マイクロクリスタリンワックス単独、またはこれとその他のワックスとの混合物)が30〜40重量%、粘着付与剤が15〜30重量%、更に必要に応じてその他の添加剤が10重量%の範囲で適宜溶融混合されたような組成のホットメルト材を使用することができる。
【0026】
上記の粘着付与剤としては、水添ロジン、ロジン系樹脂、石油樹脂、テルペン系樹脂、クマロン・インデン・スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂などが使用でき、これらの中から適宜選択して使用することができる。また、その他の添加剤は、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤などであり、滑剤・ブロッキング防止剤としては、脂肪酸エステル、アマイド、アミン類、そして無機化合物の微粉末などで、また、熱安定剤としては、ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール類、n−オクタデシル−β(4′−ヒドロキシ3′,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートなどが挙げられ、これらの公知のものから適宜選択して使用することができる。
尚、このようなホットメルト材は、これを使用した蓋材が例えば電子レンジで内容物を加熱するような容器に用いられる場合は、それに耐える程度の耐熱性を有することが必要であり、その軟化点が100〜120℃程度であることが好ましい。
【0027】
このようなホットメルト層6は、加熱溶融させたホットメルト材を加熱グラビアシリンダーで塗布し、冷却する加熱グラビアコート法のほか、溶融押し出しコーティング法などで積層することができる。
ホットメルト層6の塗布量は、10g/m2 〜40g/m2 の範囲が適当であり、通常は20〜35g/m2 が好ましい。
【0028】
図2に示した熱封緘性蓋材20は、前記図1に示した熱封緘性蓋材10の構成において、紙層1の外面側にも遮光性インキ層4′を追加して設けると共に、ホットメルト層6に、図に示したように凹凸パターンを賦型して構成したものである。
上記凹凸パターンは、蓋材20の耐ブロッキング性、および、枚葉形態の場合の蓋材20の充填シール機における繰り出し適性を向上させるために設けるものであり、その形状は、布目状、線状、その他細かな抽象柄など、任意のパターンで設けてよく、凹凸部の高さの差は5〜30μmの範囲が適当である。
このような凹凸パターンは、公知のエンボス法で設けることができ、図2に示したように、ホットメルト層の内面側のみに設けてもよく、また、蓋材20の全層にわたるように設けてもよい。
【0029】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
図1に示した構成の熱封緘性蓋材10を作製することとし、基材の紙として、坪量90g/m2 の両面コート紙を用い、その外面側に多色グラビア印刷機を用いて、第1ユニットで水85重量%、エタノール14重量%、ポリエチレンイミン1重量%からなる保水剤を版深25μmのベタ版で印刷、乾燥して供給し、第2以降のユニットで、文字、絵柄等のインキ層2とオーバープリント層3の印刷を行った。この工程で、前記保水剤は、紙層1の外面側からその一部が乾燥する。
【0030】
次いで、紙層1の内面側に多色グラビア印刷機を用いて、カーボンブラックと酸化チタンの混合系の顔料を添加して作製したグレー色のインキを版深35μmのベタ版を用いて、2ユニットで重ね刷りし、塗布量6g/m2 (固形分)の遮光性インキ層4を設けた。
次に、前記遮光性インキ層4の上に、リバースロールコーターを用いて、エチレン−メタクリル酸共重合体のディスパージョンを乾燥時の塗布量が2g/m2 となるように塗布し、加熱乾燥して接着層5を設け、更にその上に最内層のホットメルト層6として、酢酸ビニル含有率20重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体が30重量%、ワックス類として、マイクロクリスタリンワックスが30重量%、ポリエチレンワックスが4重量%、粘着付与剤として、水添ロジンエステルが15重量%、石油樹脂が15重量%、その他の添加剤として、脂肪酸エステルが3重量%、ブチルヒドロキシルトルエンが3重量%の配合よりなるホットメルト材を、加熱グラビアコート法で塗布量が30g/m2 となるように塗布して積層し、実施例1の熱封緘性蓋材10を作製した。
【0031】
(実施例2)
図2に示した構成の熱封緘性蓋材20を作製することとし、基材の紙には実施例1と同じ坪量90g/m2 の両面コート紙を用い、その外面側に多色グラビア印刷機を用いて、第1ユニットで実施例1と同様に保水剤を供給し、第2ユニットで追加の遮光性インキ層4′を、白色顔料と赤色系顔料および黄色系顔料の混合系の顔料を用いて作製した赤色系インキを版深40μmのベタ版で印刷して塗布量3g/m2 (固形分)に形成し、第3以降のユニットで、文字、絵柄等のインキ層2とオーバープリント層3の印刷を行った。
【0032】
次いで、紙層1の内面側には、実施例1と同様にして、遮光性インキ層4と接着層5とを設けた後、その上にホットメルト層6を、その塗布量のみが33g/m2 となるように変更して、加熱グラビアコート法で同じホットメルト材を塗布して積層し、更にその面にエンボス法により、凹部が格子状のパターンで、凸部の高さが18μmとなる凹凸パターンを賦型して実施例2の熱封緘性蓋材20を作製した。
【0033】
以上のようにして作製した実施例1および2の各熱封緘性蓋材を、直径100mmの円形で外周の一部につまみ片の付いた形状に打ち抜いて、枚葉形態の蓋材を作製し、それぞれの遮光性、カールの状況、ヒートシール後のイージーピール性について、下記により調べた。
【0034】
(1)遮光性
自記分光光度計UV−2200(島津製作所 製)を用いて、200〜800nmの波長領域の光透過率を測定した結果、実施例1および2の各試料共、光透過率10%以下で良好であった。
【0035】
(2)カールの測定
各蓋材毎にランダムに各20枚をサンプリングし、水平なガラス板上に蓋材の外面を上にして一枚ずつ静置し、その最も高い部分の高さ(mm)を測定し、その平均値をカールの値とした。
上記測定の結果、実施例1および2の各試料共、カールの値は3mmと小さく良好であった。
尚、従来実績として、上記カールの値が5mm以下の場合は、自動充填シール機における機械適性は良好である。
特に、実施例2の蓋材は、最内層のホットメルト層に凹凸パターンが賦型されているため、カールが小さいことに加えて、耐ブロッキング性および適度の滑り性も有しており、枚葉の蓋材を使用する自動充填シール機で良好に使用することができた。
【0036】
(3)イージーピール性
実施例1および2の各蓋材を、内面にポリエチレンがラミネートされた紙カップ容器のフランジ部(接合面はポリエチレン)に、リングシーラーで140℃、圧力6kg/cm2 、圧着時間0.8秒の条件でヒートシールし、1日経過後、蓋材を剥がして、剥離部の状況、およびイージーピール性を調べた。
その結果、両者共、剥離部は、蓋材のホットメルト層の凝集破壊、またはホットメルト層と容器のフランジ部との間であり、蓋材の遮光性インキ層などが容器側に移行することもなくきれいな状態であった。また、イージーピール性についても適度の強さで剥離することができ良好であった。
【0037】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、遮光性を備えて食品など内容物の保存性がよく、1個ずつに打ち抜いた枚葉の蓋材としてもカールがなく、自動充填シール機に対する良好な機械適性を有し、且つ、良好なヒートシール性とイージーピール性を有し、また、内容物充填シール後の金属探知機による金属異物の混入検査や、電子レンジによる内容物の加熱も可能であり、更に、使用後の廃棄性にも優れるという、性能および使用適性に優れた熱封緘性蓋材を生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱封緘性蓋材の一実施例の構成を示す模式断面図である。
【図2】本発明の熱封緘性蓋材の別の一実施例の構成を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 保水剤の供給された紙層
2 文字、絵柄等のインキ層
3 オーバープリント層
4、4′ 遮光性インキ層
5 接着層
6 ホットメルト層
10、20 熱封緘性蓋材
Claims (2)
- 保水剤が供給された紙層を含み、最内層がホットメルト層である積層シートを用いてなる蓋材において、該紙層が、坪量80〜110g/m 2 の両面塗工紙であり、該保水剤が、水85重量%とエタノール14重量%とポリエチレンイミン1重量%との組成物であり、少なくとも該紙層の内面側に遮光性インキ層が積層されると共に、該最内層のホットメルト層が、エチレン−メタクリル酸共重合体よりなる接着層を介して積層され、該蓋材の200〜800nmの波長領域における光透過率が15%以下であることを特徴とする熱封緘性蓋材。
- 前記熱封緘性蓋材に、凹部が格子状のパターンに形成される凹凸パターンが賦型され、且つ、該熱封緘性蓋材が、所定の形状に打ち抜かれた枚葉形態であることを特徴とする請求項1記載の熱封緘性蓋材。
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